JP2015206092A - 積層電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定して高い鉄損特性を有する積層電磁鋼板を提案する。
【解決手段】所定の成分からなり、板厚が0.005〜0.50mm、3次元粗さ:Saが0.1μm以上である2枚以上の無方向性電磁鋼板を、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とする絶縁層で接着し、総板厚を0.10〜1.0mmとする。
【選択図】なし

Description

本発明は、無方向性電磁鋼板を積層・接着して製造される積層電磁鋼板およびその製造方法に関するものである。
無方向性電磁鋼板は、EV、HEV用モーターを始めとする小型高速回転モーターや、小型高効率トランスに用いられる材料である。これら電気機器に用いられる鉄芯は、機器の小型化、高効率化の観点から、数百Hz乃至数kHzの高周波域で使用されるため、高周波特性に優れることが不可欠となる。具体的には、周波数の増加にともなう鉄損の急激な増加が問題となり、鉄芯材料としては高周波域での鉄損特性に優れることが第一に重要となる。
こうした背景のもと、無方向性電磁鋼板の板厚を薄くして渦流損を低減することで、高周波鉄損に優れた材料を提供する技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
ところが、このような薄手無方向性電磁鋼板では、高周波鉄損を効果的に低減できるものの、鉄心製造の生産性が低下するという問題が残っていた。すなわち、ユーザーが、薄手無方向性電磁鋼板である積み厚の鉄芯を製造しようとする場合、必然的に打ち抜き工数と積層組み工数の増加をもたらしてしまうのである。
こうした問題を回避するためには、鋼板メーカー側で、予め数枚の薄手無方向性電磁鋼板を接着して積層一体化してしまう方法が有効であり、このような方法を電磁鋼板に応用した技術が、例えば特許文献2に開示されている。
特開平3−223445号公報 特開平7−201551号公報
しかしながら、特許文献2で提案された方法は、一旦、薄手無方向性電磁鋼板を製造したのち、積層・接着して積層鋼板とすることを想定している。このような方法には、以下のような課題がある。
第一に、薄手無方向性電磁鋼板を製造する際、板厚を薄くすると、それに伴ってコイル長が長くなってしまうため、圧延・焼鈍に多大な時間がかかる結果、製造コストが高くなってしまうというものである。
第二に、薄手無方向性電磁鋼板を積層・接着する工程を、新たに追加する必要があり、やはり製造コストが高くなってしまうというものである。
すなわち、特許文献2に記載された技術で製造された積層鋼板は、製造コストが高くなる要因を含むため、安価に提供することができないという課題が有る。
なお、特許文献2には、薄手無方向性電磁鋼板の製造工程途中で鋼板を接着する方法も記載されているが、実施例にはこのような方法は記載されておらず、実施可能な程度には開示されていない。
本発明は、上記した現状に鑑み開発されたもので、安定して高い鉄損特性を有する積層電磁鋼板を、コストの高いプロセスを用いることなく、効率よく得ることのできる製造方法と共に提案することを目的とする。
発明者らは、上記課題を解決するための手段として、仕上焼鈍前に耐熱性や、絶縁性の高い接着剤で鋼板を積層・接着することを着想し、鋭意検討した結果、接着剤の成分等に、上記課題を解決するための種々の知見が認められた。
本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を重ねて成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.質量%で、C:0.05%以下、Si:7.0%以下、Al:3.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.2%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、板厚が0.005〜0.50mm、3次元粗さ:Saが0.1μm以上である2枚以上の無方向性電磁鋼板が、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とする絶縁層で接着され、総板厚が0.10〜1.0mmである積層電磁鋼板。
2.前記無方向性電磁鋼板が、さらに質量%で、Sn:0.005%以上0.2%以下、Sb:0.005%以上0.2%以下、Ca:0.0005%以上0.010%以下、Mg:0.0005%以上0.010%以下、REM:0.0005%以上0.010%以下、Ti:0.001%以上1%以下、Nb:0.001%以上1%以下、V:0.001%以上1%以下、B:0.0005%以上0.01%以下、Cr:0.1%以上3.0%以下およびCu:0.1%以上3.0%以下から選んだ少なくとも1種を含む前記1に記載の積層電磁鋼板。
3.質量%で、C:0.05%以下、Si:7.0%以下、Al:3.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.2%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるスラブを、熱間圧延してから、熱延板焼鈍を行い、あるいは行わずに、1回の冷間圧延もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、板厚を0.005〜0.5mmで、3次元粗さ:Saを0.1μm以上の無方向性電磁鋼板としたのち、仕上焼鈍と絶縁被膜塗布を行う一連の積層電磁鋼板の製造方法において、
上記冷間圧延後、上記仕上焼鈍前にB、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とする接着剤で2枚以上の鋼板を積層し、総板厚を0.10〜1.0mmとする積層電磁鋼板の製造方法。
4.前記スラブが、さらに質量%で、Sn:0.005%以上0.2%以下、Sb:0.005%以上0.2%以下、Ca:0.0005%以上0.010%以下、Mg:0.0005%以上0.010%以下、REM:0.0005%以上0.010%以下、Ti:0.001%以上1%以下、Nb:0.001%以上1%以下、V:0.001%以上1%以下、B:0.0005%以上0.01%以下、Cr:0.1%以上3.0%以下およびCu:0.1%以上3.0%以下から選んだ少なくとも1種を含む前記3に記載の積層電磁鋼板の製造方法。
本発明によれば、コストの高いプロセスを用いることなく、安定して高い鉄損特性を有する積層電磁鋼板を製造することができる。
以下、本発明を、具体的に説明する。
本発明は、積層電磁鋼板にかかる発明であるが、これは、無方向性電磁鋼板を2枚以上積層したものである。
そこで、まず、本発明に従う無方向性電磁鋼板の鋼成分の限定理由について説明する。なお、以下の%表示は、特に断らない限り質量%を意味する。また、本発明では、単に、鋼板といった場合は、特に断らない限り無方向性電磁鋼板を意味する。
C:0.05%以下
Cは、鋼板の強度調整に用いることができるが、C含有量が0.05%を超えると、炭化物が増加して鉄損が大幅に劣化する。したがって、C含有量の上限は0.05%とする。鉄損を重視する場合は、炭化物による鉄損劣化、磁気時効による磁性劣化を抑制するために、Cを0.005%以下とする必要がある。すなわち、C含有量の好ましい範囲は0.005%以下である。なお、C含有量の下限に特段の制限はないが、工業上、0.0005%程度である。
Si:7.0%以下
Siは、鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。しかし、7.0%を超えて添加すると鋼板が脆くなり圧延が困難になる。したがって、Si含有量の範囲は7.0%以下とする。また、好ましい範囲は1.0%以上4.5%以下である。
Al:3.0%以下
Alは、鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。しかし、3.0%を超えて添加すると鋼板が脆くなり圧延が困難になる。したがって、Al含有量の上限は3.0%とする。なお、Al含有量が0.01〜0.1%の範囲では、微細AlNを増加させて粒成長性を劣化させるおそれがあるため、好ましい範囲は0.01%以下か、もしくは0.1%以上1.0%以下の範囲である。
Mn:3.0%以下
Mnは、鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。しかし3.0%を超えて添加しても効果が薄いため、Mn 含有量の範囲は3.0%以下とする。なお、熱間脆性を回避するために、Mnは0.1%以上添加することが好ましく、より好ましい範囲は0.1%以上1.0%以下である。
P:0.2%以下
Pは、鋼の硬度調整に用いることができる。0.2%を超えて添加すると板が脆くなり圧延が困難になる。したがって、P含有量の範囲は0.2%以下とする。好ましい範囲は0.1%以下である。なお、P含有量の下限に特段の制限はないが、工業上、0.001%程度である。
S:0.01%以下
S含有量が0.01%を超えると、MnS等の析出物が増加し、粒成長性が劣化する。したがって、S含有量の上限は0.01%とする。好ましい範囲は0.003%以下である。なお、S含有量の下限に特段の制限はないが、工業上、0.0001%程度である。
N:0.01%以下
N含有量が0.01%を超えると、AlN等の析出物が増加し、粒成長性が劣化する。したがって、N含有量の上限は0.01%とする。好ましい範囲は0.003%以下である。なお、N含有量の下限に特段の制限はないが、工業上、0.0005%程度である。
O:0.01%以下
O含有量が0.01%を超えると、Si、 AlおよびMnの酸化物などの介在物が増加するため、粒成長性が劣化する。したがって、O含有量の上限は0.01%とする。さらに好ましい範囲は0.003%以下である。なお、O含有量の下限に特段の制限はないが、工業上、0.0005%程度である。
以上、鋼スラブ中の必須成分について説明したが、本発明では、以下の元素を適宜含有させることができる。なお、残部はFeおよび不可避不純物である。
SnおよびSb:0.005〜0.2%
Snおよび Sbは、0.005%以上添加することで、再結晶集合組織中の[111]結晶粒を低減して、磁束密度を向上させる効果がある。一方、0.2%超添加しても添加効果が薄いため、Snおよび Sb含有量の範囲はそれぞれ0.005%以上0.2%以下が好ましい。さらに好ましい範囲はそれぞれ0.02%以上0.1%以下である。
REM、MgおよびCa:0.0005〜0.010%
REM、MgおよびCaは、いずれも、0.0005%以上添加することで硫化物を粗大化させ、粒成長性を改善させる効果がある。一方、0.010%を超えて添加するとかえって粒成長性が悪くなるため、REM、MgおよびCa含有量の範囲はそれぞれ0.0005%以上0.010%以下が好ましい。より好ましい範囲は、REM、MgおよびCaいずれも、0.001%以上0.005%以下である。
Ti、NbおよびV:0.001〜1%
Ti、NbおよびVは、いずれも炭化物、窒化物を形成して鋼板の強度を上昇させる元素である。0.001%未満では添加効果がない一方で、1%を超えて添加するとコストが著しく増加するため、Ti、NbおよびVの含有量はいずれも0.001%以上1%以下が好ましい。
B:0.0005〜0.01%
Bは、鋼板の脆化を抑制する元素であり、圧延性改善のために添加することができる。0.0005%未満では添加効果がなく、0.01%超添加すると鉄損が著しく劣化するため、Bの含有量は0.0005%以上0.01%以下が好ましい。
Cr:0.1〜3.0%
Crは、鋼の比抵抗を増加させ、鉄損を低減する効果がある。0.1%未満では効果がない一方で、3.0%を超えて添加すると、Cr炭化物が増加して逆に鉄損が悪くなる。したがって、Cr含有量は0.1%以上3.0%以下が好ましい。
Cu:0.1〜3.0%
Cuは、時効処理を行うことで微細Cu粒子を析出させて、鋼の強度を上昇させる元素である。0.1%未満では添加効果がない一方で、3.0%を超えて添加しても効果が飽和する。したがって、Cr含有量は0.1%以上3.0%以下が好ましい。
次に、本発明に従う積層電磁鋼板の製造工程について説明する。
上記の好適成分組成に調整した、溶鋼から、通常の造塊−分塊法や連続鋳造法によってスラブを製造してもよいし、100mm以下の厚さの薄鋳片から、直接鋳造法で製造してもよい。
ついで、スラブは通常の方法で加熱して熱間圧延に供するが、鋳造後、加熱せずに直ちに熱間圧延に供してもよい。なお、薄鋳片の場合には、熱間圧延しても良いし、熱間圧延を省略してそのまま以後の工程に進めてもよい。熱間圧延の後、磁性改善、リジング防止のために熱延板焼鈍を行ってもよい。
熱延もしくは熱延板焼鈍の後、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を施して目標板厚に仕上げる。ここでの仕上げ板厚は0.005mm以上0.50mm以下とする。
0.005mmより薄い板厚を得ようとすると、圧延時間が長くなりすぎて、製造コストが著しく高くなる一方で、0.50mmより厚いと、高周波鉄損が高くなってしまうからである。
ここで、本発明では、鋼板の3次元粗さ:Saを0.1μm以上とすることが重要なポイントである。というのは、鋼板の3次元粗さ:Saが0.1μm未満の場合、接着剤のアンカー効果が十分に発揮されず、密着性を保てなくなるからである。好ましくは0.2μm以上である。なお、本発明において、鋼板の3次元粗さは、例えばタンデム圧延機のロール粗さを変更することで容易に調整することができるが、例えば、タンデム圧延機の仕上圧延ロールの粗さをSa≧0.1μm、好ましくはSa≧0.2μmとする。
また、鋼板の3次元粗さは、一般的な触針式粗さ計を用い、測定はJIS B0601、JIS B0632、JIS B0633、JIS B0651等に記載の内容に準じて行う。
最終冷間圧延の後、仕上焼鈍を施す。仕上焼鈍では、鋼板を再結晶・粒成長させる必要があるため、均熱温度を800〜1100℃とすることが好ましい。仕上焼鈍ののち、必要に応じて絶縁コーティングを施し、製品板とする。絶縁コーティングは公知のものを用いることができ、無機コーティング、有機コーティング、無機・有機混合コーティングなどを目的に応じて使い分ければよい。
上記のプロセスに加え、本発明では、最終冷間圧延の後、仕上焼鈍前に2枚以上の鋼板を積層・接着して総板厚:0.10mm以上1.0mm以下とすることが必要である。総板厚が0.10mmより薄いと製造性改善の効果が得られず、1.0mmより厚いとユーザーの打ち抜き加工などが困難となるからである。
本発明で用いる接着剤、および得られる無機物の絶縁層には、仕上焼鈍に耐える耐熱性が必要であり、かつ、渦電流損低減の観点から高い絶縁性が必要である。
発明者らの検討の結果、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とすることが極めて効果的な絶縁層を形成することが判明した。なお、本発明では、酸化物、窒化物および炭化物の併用物(混合物)であっても問題なく使用することができる。
コストの観点からは、製造・入手が容易な、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの各酸化物を用いることが好ましいが、本発明において、用いる酸化物、窒化物、炭化物としては、具体的には、マグネシア、アルミナ、シリカ、リン酸塩、ホウ酸塩、カルシア、ジルコニア、ジルコン、アルミノシリケート、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などの化合物の微粒子やコロイド、そしてこれらの混合物などが挙げられる。あるいは、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの複合酸化物や、複合窒化物、複合炭化物、並びに、これらの混合物であってもよい。
これらの化合物のうち、マグネシア、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ジルコン、アルミノシリケートが接着性および絶縁性の観点から特に好適、と考えているが、上記した元素を有する酸化物、窒化物および炭化物であれば、接着剤の主成分としての使用は制限されない。例えば、無機接着剤、セラミック系接着剤と称される接着剤である。
ここで、「主体とする」とは、焼鈍後の接着剤層(絶縁層)中、あるいは接着剤の固形分中に、上記酸化物、窒化物および炭化物が合計で50%以上、好ましくは80%以上含まれていることを意味する。残部は、一般に結合剤や硬化剤などに含まれている成分で良い。当然ながら、結合剤や硬化剤についても、上記元素を含むものを用いることが好ましい。例えば、ケイ酸塩、リン酸塩、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、アルキルシリケートなどが挙げられる。
上記接着剤は、バーコーターやスプレーなど、公知公用の手段で塗布することができる。接着剤塗布後、キュアリング(硬化処理)、ポストキュア(追加加熱)を行ってもよいが、これらの処理なしでコイルのハンドリングに十分な接着強度が得られる場合は、省略することもできる。
また、本発明に従う接着剤を用いた鋼板の硬化処理は、常法に従えば良い。
〔実施例1〕
表1に示す化学組成を有するスラブ(残部はFeおよび不可避不純物)に対して1100℃、30分間のスラブ加熱を行い、熱間圧延を実施して板厚:1.8mmの熱延板とした。
得られた熱延板に対して1000℃、30秒間の熱延板焼鈍を行い、酸洗を施してスケールを除去したのち、冷間圧延を施し、表1に示した仕上板厚、3次元粗さ:Saを有する冷間圧延板を得た。
さらに、上記冷間圧延板を洗浄した後、接着剤(COTRONICS社製、Resbond 989 Alumina Ceramic、主成分:アルミナ、固形分中の含有量:95%)をスプレーで平均厚み20μmになるように均一塗布し、鋼板を張り合わせ、100℃で1分間の硬化処理を行い、乾燥窒素-水素雰囲気中で1000℃、30秒間の仕上焼鈍を施して積層電磁鋼板としたのち、この積層電磁鋼板の表裏面に絶縁コーティングを塗布して製品板とした。ただし、表1のNo.1については、比較のため、接着剤の塗布および鋼板の積層を行わずに、そのまま通板した。得られた製品板について、それぞれエプスタイン試験で鉄損W10/400を測定した。
測定結果を表1に併記する。
Figure 2015206092
同表より、本発明に従い製造された積層電磁鋼板は、仕上焼鈍後も接着性が保たれると共に、優れた鉄損特性が得られていることが分かる。
〔実施例2〕
上記表1のNo.1に示した化学組成を有するスラブに対して、1100℃、30分間のスラブ加熱を行い、熱間圧延を実施して板厚:1.8mmの熱延板とした。この熱延板に対して1000℃、30秒間の熱延板焼鈍を行い、酸洗を施してスケールを除去したのち、冷間圧延を施し、仕上板厚:0.20mm、3次元粗さ:Saが0.24μmである冷間圧延板を得た。
上記冷間圧延板を洗浄し、表2に示す無機化合物を、固形分中の含有量で80%以上含む接着剤として、スプレーで平均厚み:5μmになるように均一塗布したのち、鋼板を2枚ずつ張り合わせて200℃で1分間の硬化処理を行い、乾燥窒素-水素雰囲気中で1000℃、30秒間の仕上焼鈍を施し積層電磁鋼板を得た。さらに、この積層電磁鋼板の表裏面に絶縁コーティングを塗布して製品板とした。得られた製品板について、エプスタイン試験で鉄損W10/400を測定した。
測定結果を表2に併記する。
Figure 2015206092
同表より、本発明の範囲で製造された積層電磁鋼板は、仕上焼鈍後も接着性が保たれると共に、優れた鉄損特性が得られていることが分かる。

Claims (4)

  1. 質量%で、C:0.05%以下、Si:7.0%以下、Al:3.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.2%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、板厚が0.005〜0.50mm、3次元粗さ:Saが0.1μm以上である2枚以上の無方向性電磁鋼板が、B、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とする絶縁層で接着され、総板厚が0.10〜1.0mmである積層電磁鋼板。
  2. 前記無方向性電磁鋼板が、さらに質量%で、Sn:0.005%以上0.2%以下、Sb:0.005%以上0.2%以下、Ca:0.0005%以上0.010%以下、Mg:0.0005%以上0.010%以下、REM:0.0005%以上0.010%以下、Ti:0.001%以上1%以下、Nb:0.001%以上1%以下、V:0.001%以上1%以下、B:0.0005%以上0.01%以下、Cr:0.1%以上3.0%以下およびCu:0.1%以上3.0%以下から選んだ少なくとも1種を含む請求項1に記載の積層電磁鋼板。
  3. 質量%で、C:0.05%以下、Si:7.0%以下、Al:3.0%以下、Mn:3.0%以下、P:0.2%以下、S:0.01%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなるスラブを、熱間圧延してから、熱延板焼鈍を行い、あるいは行わずに、1回の冷間圧延もしくは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延を行い、板厚を0.005〜0.5mmで、3次元粗さ:Saを0.1μm以上の無方向性電磁鋼板としたのち、仕上焼鈍と絶縁被膜塗布を行う一連の積層電磁鋼板の製造方法において、
    上記冷間圧延後、上記仕上焼鈍前にB、Mg、Al、Si、P、CaおよびZrの元素の内、少なくとも1種を含む酸化物、窒化物および炭化物のうちから選んだ1種以上を主体とする接着剤で2枚以上の鋼板を積層し、総板厚を0.10〜1.0mmとする積層電磁鋼板の製造方法。
  4. 前記スラブが、さらに質量%で、Sn:0.005%以上0.2%以下、Sb:0.005%以上0.2%以下、Ca:0.0005%以上0.010%以下、Mg:0.0005%以上0.010%以下、REM:0.0005%以上0.010%以下、Ti:0.001%以上1%以下、Nb:0.001%以上1%以下、V:0.001%以上1%以下、B:0.0005%以上0.01%以下、Cr:0.1%以上3.0%以下およびCu:0.1%以上3.0%以下から選んだ少なくとも1種を含む請求項3に記載の積層電磁鋼板の製造方法。
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