JPH05329509A - 打抜性及び溶接性の優れた積層鉄心用電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

打抜性及び溶接性の優れた積層鉄心用電磁鋼板の製造方法

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JPH05329509A
JPH05329509A JP13825792A JP13825792A JPH05329509A JP H05329509 A JPH05329509 A JP H05329509A JP 13825792 A JP13825792 A JP 13825792A JP 13825792 A JP13825792 A JP 13825792A JP H05329509 A JPH05329509 A JP H05329509A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Siを多量に含む高級グレード材であっても、
打抜性に優れるだけでなく、従来、両立が困難とされた
溶接性と占積率の両者を兼備させる。 【構成】 絶縁被膜付き電磁鋼板の製造に際し、最終冷
間圧延工程における最終パスの前段パスを、ロール表面
の中心面平均粗さSRa が0.50〜 1.50μm の範囲を満足
する圧延ロールで圧延し、さらに該最終冷間圧延工程の
最終パスを、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.20〜
0.80μm でかつ、該中心面により切断された単位面積1
mm2 当たりの凹部の個数が50以上の表面性状になる圧延
ロールで圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、積層鉄心用電磁鋼板
の製造方法に関し、とくにその打抜性及び溶接性の改善
を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】モーター、トランス等に使用される電気
鉄板は、磁気特性に優れるだけでなく、量産性の観点か
ら良好な打抜性も要求され、この要請を満たすために一
般に有機樹脂を含む絶縁被膜が被成される。しかしなが
ら、この被膜は、溶接時に有機樹脂から発生する多量の
ガスに起因してブローホールが発生するなど溶接性の点
に問題を残していた。この点を解消するものとして、鋼
板表面に20 Hr.m.s.μinch以上の表面粗さを付与したの
ち、有機質被膜を被成する方法(特公昭49−6744号公
報) や有機質被膜自体に粗さを与え、溶接時に発生する
ガスを逸散させることによりブローホールの発生を防止
する方法(特公昭49-19078号公報) 等が提案されてい
る。しかしながらこれらの方法では、必然的に占積率が
97〜98%まで低下するので好ましくない。
【0003】そこで特開昭54−134043号公報において、
表面粗さを中心線平均粗さRaで0.35〜0.6 μm とした鋼
板上に被膜厚み1〜2.5 g/m2の有機質被膜を被成する方
法が提案された。しかしながらこの方法でも、溶接箇所
によってはブローホールの発生が見られ、必ずしも良好
な溶接性が安定して得られるとは限らず、そのため打抜
性の向上を目指して被膜厚を厚くするといった処置を施
すことができないという問題があった。
【0004】ところで発明者らは先に、上記の問題を解
決するものとして、鋼板の3次元表面粗さが、中心面平
均粗さ SRaで0.15〜0.50μm でかつ、中心面における切
断面面積率が80%以下、中心面により切断された単位面
積1mm2 当たりの凸部の個数を50以上となるように調整
することにより、溶接性と占積率を両立させた積層鉄心
用電磁鋼板を開発し、特願平3−226426号明細書におい
て開示した。
【0005】さらに発明者らは、上記したような好適表
面形状になる電磁鋼板の有利な製造法についても研究を
進めた。その結果、最終冷間圧延工程の少なくとも最終
パスを、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.20〜0.80
μm でかつ、該中心面により切断された単位面積1mm2
当たりの凹部の個数が50以上の表面性状になる圧延ロー
ルで圧延すれば、所望の表面形状が得られることを突き
止め、特願平4-28237号明細書において開示した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
技術をもってしても、電磁鋼板がSiを多量に含む高級グ
レードの場合には、所望の表面形状ひいては所定の特性
が得られない場合が散見された。この発明は、上記の問
題を有利に解決するもので、対象鋼種がSiを多量に含む
高級グレードの電磁鋼板であっても、所望の表面形状が
得られ、ひいては溶接性及び打抜性に優れるのはいうま
でもなく、高い占積率が得られる絶縁被膜付き積層用電
磁鋼板の有利な製造方法を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、含
Si鋼熱延板に、1回又は中間焼鈍を含む2回以上の冷間
圧延を施したのち、最終仕上げ焼鈍を施し、さらに絶縁
被膜を被成する一連の工程からなる絶縁被膜付き電磁鋼
板の製造方法において、最終冷間圧延工程における最終
パスの前段パスを、ロール表面の中心面平均粗さSRa が
0.50〜 1.50μm の範囲を満足する圧延ロールで圧延
し、さらに該最終冷間圧延工程の最終パスを、ロール表
面の中心面平均粗さSRa が0.20〜0.80μmでかつ、該中
心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凹部の個
数が50以上の表面性状になる圧延ロールで圧延する、こ
とからなる打抜性及び溶接性の優れた積層鉄心用電磁鋼
板の製造方法である。
【0008】以下、この発明の基本的技術内容について
説明する。さて発明者らは、まず、種々の表面粗さを有
する有機樹脂含有絶縁被膜付き鋼板を用い、それらをそ
れぞれ積層したのち、端面を溶接し、その溶接性につい
て調査した。その結果、従来使用されてきた2次元表面
粗さの評価では、同一の表面粗さとされたものでも溶接
性にばらつきが生じ、必ずしも2次元表面粗さでは溶接
性を正確に評価できないことが判明した。そこで、新た
に3次元表面粗さによる評価に想到し、改めて3次元粗
さを測定して再検討を行ったところ、図1に示すような
結果が得られた。
【0009】同図に示したとおり、表面粗さが中心面平
均粗さSRa で0.50μm を超えると占積率が劣化し、また
SRa が0.15μm に満たないと溶接不良が生じた。かかる
表面粗さの影響は従来どおりであったが、同一粗さでも
溶接性に相違が見られた。すなわち、SRa が0.15〜0.50
μm の範囲であっても中心面における切断面面積率が80
%を超えると溶接性の急激な劣化がみられたのである。
【0010】従って占積率を低下させることなしに、良
好な溶接性を得るには、SRa が0.15〜0.50μm で、かつ
切断面面積率を80%以下とすれば良いと考えられるわけ
であるが、かような条件を満足する表面形状に調整して
もなお、溶接欠陥が発生する場合があった。
【0011】そこで、さらに種々の3次元パラメーター
について検討したところ、図2に示すとおり、中心面に
より切断された単位面積当たりの凸部の個数が溶接性と
強い相関があることが判明した。すなわち、中心面によ
り切断された単位面積1mm2 当たりの凸部の個数が50に
満たなかった場合には、良好な溶接性は得られなかった
のである。
【0012】上記した数多くの研究から、打抜性と共
に、従来両立が困難とされた溶接性と占積率の両者を兼
備させるには、鋼板の表面粗さを、中心面平均粗さ SRa
で0.15〜0.50μm でかつ、中心面における切断面面積率
が80%以下、中心面により切断された単位面積1mm2
たりの凸部の個数を50以上となるように調整すれば良い
ことが究明されたのである。
【0013】ここに中心面平均粗さSRa とは、粗さ曲面
からその中心面上に面積SM を抜き取り、この抜き取り
部分の中心面上に直交座標軸、X軸、Y軸をおき、中心
面に直交する軸をZ軸として粗さ曲面をZ=f(X,
Y)で表したとき、次の数式
【数1】 で与えられる値のことである(単位μm )。また中心面
における切断面面積率は、単位面積SM における中心面
で切断された面積S′の面積率S′/SM ×100 (単位
%)で与えられる。さらに凸部の個数とは、単位面積S
M における中心面で切断されたパーティクルの数(突起
形状個数)Nであり、データ採取面積をDOTとしたと
き、 N=S′/DOT として求めたものである。
【0014】次に、発明者らは、上記したような好適な
表面形状を得る方法について、種々検討した結果、圧延
ロールの表面性状を調整することが最も簡単かつ有効で
あるとの考え、この考えに立脚して、さらに検討を行っ
た。その結果、図3に示すように、上述した好適表面形
状、すなわち3次元粗さがSRa で0.15〜0.50μm でか
つ、中心面により切断された単位面積1mm2 当たりの凸
部の個数が50以上となる表面形状を得るためには、最終
冷間圧延工程の少なくとも最終パスを、ロール表面の中
心面平均粗さSRa が0.20〜0.80μm でかつ、単位面積1
mm2 当たりの凹部の数が50以上の表面形状になるロール
を用いて圧延すれば良いことを見出したのである。そし
て上記したような表面形状のロールを用いて圧延すれ
ば、中心面による切断面面積率≦80%の条件もほぼ 100
%達成されることも確かめられている。
【0015】しかしながら、電磁鋼板がSiを多量に含む
高級グレードの場合には、上述したような圧延処理を施
したとしても、所望の表面形状が得られない場合があっ
たのである。
【0016】そこで発明者らは、その原因について追求
したところ、原因は鋼板の硬さの違いによるものである
ことを突き止めた。すなわち高級グレードのものは鋼中
Si量が約3wt%(以下単に%で示す)と、低級グレード
材(Si:約 0.3%)に比べて多いため、低級グレート材
と同一の条件では満足いくほど良好な鋼板表面形状が得
られなかったのである。そこでこの点を解消すべく、さ
らに検討を加えたところ、最終冷延工程の最終パスに用
いる圧延ロールだけでなく、その前段パスに用いる圧延
ロールについても併せて、その表面形状に工夫を加える
ことにより、上記の問題を有利に解決することができた
のである。
【0017】図4に、最終冷延工程における最終パス及
びその前段パスに用いる圧延ロールとして、ロール表面
のSRa を種々に変化させたロールを用いて、冷間圧延を
行い、得られた鋼板の溶接性について調べた結果を、整
理して示す。なお最終パスに用いた圧延ロールについて
はいずれも、中心面により切断された単位面積1mm2
たりの凸部の個数は60〜80の範囲とした。
【0018】同図より明らかなように、最終パスに用い
た圧延ロールのロール表面のSRa が0.20〜0.80μm であ
っても、最終パスの前段パスの圧延ロール表面のSRa が
0.50μm に満たないと満足のいく溶接性は得られなかっ
た。一方SRa が1.50μm を超えると、鋼板表面にスクラ
ッチと呼ばれる線状疵が発生した。それ故、この発明で
は、最終パスの前段パスに用いる圧延ロールにつき、そ
の表面のSRa を0.50〜1.50μm の範囲に限定したのであ
る。
【0019】また、最終パスに用いる圧延ロールについ
ては、その表面のSRa が0.20μm より小さいと、最終的
に得られる鋼板のSRa が0.15μm より小さくなって溶接
性不良となり、一方 SRaが0.80μm を超えると最終鋼板
のSRa が0.50μm を超えて占積率が劣化するため、 SRa
は0.20〜0.80μm の範囲に限定した。また単位面積1mm
2 当たりの凹部の数が50に満たないと、 SRa:0.20〜0.
80μm を確保していても、溶接性の劣化を招く場合があ
る。というのは凹部の個数が少ないということは、圧延
後の鋼板表面には凸が少なく、凹部が深いことを意味
し、溶接時に発生したガスの逃散に寄与しないからであ
る。従って凹部の個数は50以上とする必要がある。なお
凹部が多い程、低い凸部が多くなり、圧延後の鋼板表面
は均質な外観となる。なお圧延速度が極端に遅かったり
速かったり、また極端に高粘度の圧延油を用いた場合に
は、切断面面積率が80%を超える場合もあるので、注意
を要する。
【0020】
【作用】さて積層鉄心用電磁鋼板は、通常、Si:3.5 %
以下を含み、必要によりAl, Mnなどを含有させた熱延板
を、1回又は中間焼鈍を含む2回以上の冷間圧延によっ
て冷延板とし、ついで最終仕上げ焼鈍を施すことによっ
て製造される。この発明では、最終冷間圧延工程におい
て、最終パスの前段パスをロール表面の中心面平均粗さ
SRa が0.50〜1.50μm の圧延ロールを用いて圧延し、さ
らに最終パスを、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.
20〜0.80μm でかつ、該中心線により切断された単位面
積1mm2 当たりの凹部の個数が50以上の圧延ロールによ
り圧延するのである。
【0021】上記したようロール表面性状を得るための
加工手段については、砥石研削、エネルギービーム照射
及びエッチング等いずれもが適合する。そしてかかる圧
延ロールを用いることにより、圧下率の変更があって
も、圧延ロール表面の転写率は概ね70%以下程度である
ことから、電磁鋼板の表面を所望の性状とすることがで
きる。また圧延速度や圧延時に使用する圧延油を変更し
た場合であっても、若干のオイルピットのでき具合は変
わったとしても、所期した表面性状が得られるのであ
る。なお、同一ロールによる圧延量については各種電磁
鋼板の表面形状を確認しながら実施することが好まし
い。
【0022】次に、この発明において使用する絶縁被膜
としては、打抜性を良好にする目的から、有機物を含有
するものが好適である。ここに絶縁被膜として有機樹脂
被膜を単独で用いる場合には、アクリル樹脂、アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、シリコン樹脂及びアミノ樹脂あるいはそれらの変性
物のうちから選んだ1種又は2種以上が有利に適合す
る。
【0023】また絶縁被膜としては、クロム酸塩系及び
りん酸塩系の1種又は2種と有機樹脂との混合被膜を用
いることもできる。ここでクロム酸塩系とは、カルシウ
ム、マグネシウム及び亜鉛の重クロム酸塩又は無水クロ
ム酸に、カルシウム、マグネシウム及び亜鉛等の2価の
酸化物、水酸化物、炭酸塩を溶解したものの1種又は2
種以上の混合物、あるいはそれらにさらに酸化チタン、
コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、ほう酸及び有
機還元剤等の1種又は2種以上を添加したものである。
またりん酸塩系とは、カルシウム、マグネシウム、アル
ミニウム及び亜鉛のりん酸塩又はりん酸に、カルシウ
ム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛等の2価又は
3価の酸化物、水酸化物、炭酸塩を溶解したものの1種
又は2種以上の混合物、あるいはそれらにさらに酸化チ
タン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ及びほう
酸等を1種又は2種以上添加したものである。さらに混
合する有機樹脂としては、水溶性又はエマルジョンタイ
プのアクリル樹脂及びその共重合物、酢酸ビニル樹脂及
びその共重合物、ベオバ樹脂、スチレン樹脂共重合物、
アミノ樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、無水マ
レイン酸共重合物、エポキシ樹脂又はその変性物等の1
種又は2種以上が有利に適合する。
【0024】さらに絶縁被膜は、2層被膜とすることも
できる。この場合は上記したクロム酸塩系及びりん酸塩
系の1種又は2種の被膜を被成したのち、その上に重ね
て有機樹脂被膜を被成することが好ましい。ここにかか
る絶縁被膜の付着量は 0.3〜1.3 g/m2(片面当たり)と
することが好ましい。というのは付着量が0.3 g/m2に満
たないと十分な打抜性が得られず、一方1.3 g/m2を超え
ると溶接性の劣化を招くからである。なおこの発明にお
いて、素材である電磁鋼板の組成はとくに限定されるこ
とはなく、従来公知の無方向性電磁鋼板いずれもが適合
する。
【0025】
【実施例】実施例1 C:0.025 %及びSi:3.06%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、冷延工程の最終パスの
前段パスについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa
が0.80μm の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パ
スについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.35
μm 、単位面積1mm2 当たりの凹部の個数が58個の表面
性状になる圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終
仕上げ焼鈍を施したのち、鋼板表面に、下記の処理液1
を、被膜目付量が0.75g/m2(片面当たり)となるように
塗布したのち、 400℃で1分間焼付けた。
【0026】
【表1】 〔処理液1〕 ・30%重クロム酸マグネシウム溶液 : 130重量部 CrO3分 :32.5重量部 ・アクリル−酢酸ビニル樹脂エマルジョン (樹脂固形分:50%) : 20重量部 ・エチレングリコール : 10重量部 ・ほう酸 : 10重量部 かくして得られた絶縁被膜付き電磁鋼板の外観、占積
率、打抜性及び溶接性について調べた結果は次のとおり
であった。
【表2】外観 :良好 占積率: 99.5 % 打抜性:100 万回 溶接性:100 cm/minでいずれも良好 ただし、打抜性は、ダイス径15mmφスチールダイスによ
り打抜いたときのかえり高さが50μm に達するまでの打
抜き回数で評価した。
【0027】実施例2 C:0.025 %及びSi:3.21%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、冷延工程の最終パスの
前段パスについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa
が1.50μm の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パ
スについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.65
μm 、単位面積1mm2 当たりの凹部の個数が82個の表面
性状になる圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終
仕上げ焼鈍を施したのち、鋼板表面に、下記の処理液2
を、被膜目付量が1.2 g/m2(片面当たり)となるように
塗布したのち、 400℃で1分間焼付けた。
【0028】〔処理液2〕 ・ポリエステル樹脂/メラミン樹脂:75/25 かくして得られた絶縁被膜付き電磁鋼板の外観、占積
率、打抜性及び溶接性について調べた結果は次のとおり
であった。
【表3】外観 :良好 占積率: 99.7 % 打抜性:110 万回 溶接性:120 cm/minでいずれも良好
【0029】実施例3 C:0.003 %及びSi:0.25%, Mn:0.22%及びAl:0.25
%を含有し、残部は実質的にFeである電磁鋼の熱延板
を、冷間圧延により、0.50mm厚の冷延板とした。その
際、冷延工程の最終パスの前段パスについては、ロール
表面の中心面平均粗さSRa が0.80μm の圧延ロールを用
いて圧延し、一方、最終パスについては、ロール表面の
中心面平均粗さSRa が0.55μm 、単位面積1mm2 当たり
の凹部の個数が 103個の表面性状になる圧延ロールを用
いて圧延した。その後、最終仕上げ焼鈍を施したのち、
鋼板表面に、下記の処理液3を、被膜目付量が0.5 g/m2
(片面当たり)となるように塗布したのち、 400℃で
0.8分間焼付けた。その後さらに処理液4を、被膜目付
量が0.4 g/m2(片面当たり)となるように塗布したの
ち、 400℃で1分間焼付けた。
【0030】
【表4】 〔処理液3〕 ・30%重クロム酸マグネシウム溶液 : 130重量部 CrO3分 :32.5重量部 ・エチレングリコール : 10 重量部 〔処理液4〕 ・アルキッド樹脂/メラミン樹脂:75/25
【0031】かくして得られた絶縁被膜付き電磁鋼板の
外観、占積率、打抜性及び溶接性について調べた結果は
次のとおりであった。
【表5】外観 :良好 占積率: 99.5 % 打抜性:100 万回 溶接性:100 cm/minでいずれも良好
【0032】実施例4 C:0.003 %及びSi:0.34%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、冷延工程の最終パスの
前段パスについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa
が1.50μm の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パ
スについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.75
μm 、単位面積1mm2 当たりの凹部の個数が88個の表面
性状になる圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終
仕上げ焼鈍を施したのち、鋼板表面に、前記の処理液1
を、被膜目付量が1.1 g/m2(片面当たり)となるように
塗布したのち、 400℃で1分間焼付けた。かくして得ら
れた絶縁被膜付き電磁鋼板の外観、占積率、打抜性及び
溶接性について調べた結果は次のとおりであった。
【表6】外観 :良好 占積率: 99.7 % 打抜性:120 万回 溶接性:100 cm/minでいずれも良好
【0033】比較例1 C:0.025 %及びSi:3.21%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その冷延の際、最終パスの前段
パスについては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が1.
70μm の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パスに
ついては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.35μm
、単位面積1mm2 当たりの凹部の個数が72個の表面性
状になる圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終仕
上げ焼鈍を施したのち、この表面に、前記の処理液1
を、被膜目付量が1.1 g/m2(片面当たり)となるように
塗布したのち、 400℃で1分間焼付けた。かくして得ら
れた絶縁被膜付き電磁鋼板の外観、占積率、打抜性及び
溶接性について調べた結果は次のとおりであった。
【表7】外観 :線状疵あり 占積率: 99.6 % 打抜性:120 万回 溶接性:100 cm/minで良好
【0034】比較例2 C:0.025 %及びSi:3.21%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、最終パスの前段パスに
ついては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.45μm
の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パスについて
は、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.35μm 、単位
面積1mm2 当たりの凹部の個数が55個の表面性状になる
圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終仕上げ焼鈍
を施したのち、表面に、前記の処理液1を、被膜目付量
が0.8 g/m2(片面当たり)となるように塗布したのち、
400℃で1分間焼付けた。かくして得られた絶縁被膜付
き電磁鋼板の外観、占積率、打抜性及び溶接性について
調べた結果は次のとおりであった。
【表8】外観 :良好 占積率: 99.8 % 打抜性: 90 万回 溶接性: 30 cm/minで不良
【0035】比較例3 C:0.003 %及びSi:0.35%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、最終パスの前段パスに
ついては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.80μm
の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パスについて
は、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.15μm 、単位
面積1mm2 当たりの凹部の個数が82個の表面性状になる
圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終仕上げ焼鈍
を施したのち、この表面に、前記の処理液1を、被膜目
付量が0.8 g/m2(片面当たり)となるように塗布したの
ち、 400℃で1分間焼付けた。かくして得られた絶縁被
膜付き電磁鋼板の外観、占積率、打抜性及び溶接性につ
いて調べた結果は次のとおりであった。
【表9】外観 :良好 占積率: 99.8 % 打抜性:120 万回 溶接性: 30 cm/minで不良
【0036】比較例4 C:0.003 %及びSi:0.35%を含有し、残部は実質的に
Feの組成になる電磁鋼の熱延板を、冷間圧延により、0.
50mm厚の冷延板とした。その際、最終パスの前段パスに
ついては、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.80μm
の圧延ロールを用いて圧延し、一方、最終パスについて
は、ロール表面の中心面平均粗さSRa が0.18μm 、単位
面積1mm2 当たりの凹部の個数が35個の表面性状になる
圧延ロールを用いて圧延した。その後、最終仕上げ焼鈍
を施したのち、表面に、前記の処理液1を、被膜目付量
が0.7 g/m2(片面当たり)となるように塗布したのち、
400℃で1分間焼付けた。その後さらに前記処理液4
を、被膜目付量が0.4 g/m2(片面当たり)となるように
塗布したのち、 400℃で1分間焼付けた。かくして得ら
れた絶縁被膜付き電磁鋼板の外観、占積率、打抜性及び
溶接性について調べた結果は次のとおりであった。
【表10】外観 :良好 占積率: 99.6 % 打抜性: 90 万回 溶接性: 30 cm/minで不良
【0037】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、対象鋼板が
Siを多量に含む高級グレード材であっても、打抜性に優
れるだけでなく、従来、両立が困難とされた溶接性と占
積率の両者を兼ね備える積層鉄心用電磁鋼板を得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接性に及ぼす SRaと切断面面積率の影響を示
したグラフである。
【図2】溶接性に及ぼす単位面積当たりの凸部個数と切
断面面積率の影響を示したグラフである。
【図3】鋼板の表面形状に及ぼす冷延ロール表面性状の
影響を示したグラフである。
【図4】最終冷延工程の最終パス及びその前段パスに用
いる圧延ロールのロール表面のSRa が溶接性に及ぼす影
響を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/18 (72)発明者 小野 智睦 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 萩原 光彦 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含Si鋼熱延板に、1回又は中間焼鈍を含
    む2回以上の冷間圧延を施したのち、最終仕上げ焼鈍を
    施し、さらに絶縁被膜を被成する一連の工程からなる絶
    縁被膜付き電磁鋼板の製造方法において、 最終冷間圧延工程における最終パスの前段パスを、ロー
    ル表面の中心面平均粗さSRa が0.50〜 1.50μm の範囲
    を満足する圧延ロールで圧延し、さらに該最終冷間圧延
    工程の最終パスを、ロール表面の中心面平均粗さSRa が
    0.20〜0.80μmでかつ、該中心面により切断された単位
    面積1mm2 当たりの凹部の個数が50以上の表面性状にな
    る圧延ロールで圧延する、ことを特徴とする打抜性及び
    溶接性の優れた積層鉄心用電磁鋼板の製造方法。
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