JPH06329907A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH06329907A
JPH06329907A JP11876093A JP11876093A JPH06329907A JP H06329907 A JPH06329907 A JP H06329907A JP 11876093 A JP11876093 A JP 11876093A JP 11876093 A JP11876093 A JP 11876093A JP H06329907 A JPH06329907 A JP H06329907A
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Japan
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polyether sulfone
aromatic polyether
resin composition
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Withdrawn
Application number
JP11876093A
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English (en)
Inventor
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
Tomohiro Fukai
知裕 深井
Yasushi Nakayama
靖士 中山
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】特定の構造を有する芳香族ポリエーテルスルホ
ンを使用することにより、耐熱性と、耐衝撃性または加
工性とに優れた成形体を得るための樹脂組成物を提供す
る。 【構成】芳香族ポリエーテルスルホン90〜50重量
部、および両末端アミノ基含有シリコーンジアミン10
〜50重量部を含有する、樹脂組成物。または芳香族ポ
リエーテルスルホン70〜40重量部、およびアミノ基
を有するアルコキシシランの加水分解物と無機フィラー
ゾルとからなる予備反応物30〜60重量部を含有す
る、樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性と、耐衝撃性ま
たは加工性とに優れた人工大理石などの成形体を得るた
めの樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリエーテルスルホン樹脂は、耐
熱性および成形性に優れた樹脂であり、様々な用途に対
して利用されている。近年では、これらの特徴から、人
工大理石としての用途にも利用されている。市販されて
いる種々の人工大理石のうち、特にメタクリル樹脂と無
機フィラーとからなる人工大理石はコストが低く、カッ
ターで切断するときの加工性(以下、「加工性」とい
う)が良好であるため、市場の大多数を占めている。し
かし、この人工大理石は、耐熱性が100℃程度と低
く、耐衝撃性も2kg・cm/cmと低いという欠点を
有している。不飽和ポリエステル樹脂と無機フィラーと
からなる人工大理石は、耐熱性には優れているが加工性
が極端に悪いという欠点を有しており、さらに、現在市
販されている不飽和ポリエステル樹脂と無機フィラーと
からなる人工大理石は、一般に難燃性に欠ける。
【0003】特開平3−69541号公報には、ポリエ
ーテルスルホンと、両末端アミノ基含有シリコーンジア
ミンおよび無機フィラーとを用いて得られた人工大理石
が提案されている。このような人工大理石は、耐熱性、
自消性および耐衝撃性に優れている。
【0004】特開平3−69540号公報には、ポリエ
ーテルスルホンまたはポリエーテルイミド、およびアミ
ノ基を有するアルコキシシランの加水分解物と無機フィ
ラーゾルとからなる予備反応物を用いた人工大理石が提
案されている。このような人工大理石は、加工性、耐熱
性および難燃性に優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、人工大理石の
使用環境によっては、さらに厳しい条件が存在し、さら
に高いレベルの耐熱性および耐衝撃性が要求されてい
る。耐熱性の向上のためには無機フィラーを加えること
が考えられるが、多量の無機フィラーを加えると、それ
に伴い得られる成形体の加工性および耐衝撃性の低下が
生じる。
【0006】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
であり、その目的とするところは、耐熱性および耐衝撃
性に優れた成形体を得るための樹脂組成物、ならびに耐
熱性および加工性に優れた成形体を得るための樹脂組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために、鋭意研究を行った結果、特定の構造
を有する芳香族ポリエーテルスルホンを特定量配合する
ことにより、上記問題を解決することを見い出し、本発
明に至った。
【0008】本発明の第一の樹脂組成物は、下式(I)
で示される繰り返し単位を有し、かつジメチルホルムア
ミド中、濃度1g/dl、温度30℃で測定したとき、
還元粘度が0.35dl/g以上、0.6dl/g以下
である芳香族ポリエーテルスルホン90〜50重量部、
および両末端アミノ基含有シリコーンジアミン10〜5
0重量部を含有する。
【0009】
【化2】
【0010】本発明の第二の樹脂組成物は、上記芳香族
ポリエーテルスルホン70〜40重量部、およびアミノ
基を有するアルコキシシランの加水分解物と無機フィラ
ーゾルとからなる予備反応物30〜60重量部を含有す
る。
【0011】以下に、本発明について詳細に説明する。
【0012】まず、第一の樹脂組成物について説明す
る。
【0013】本発明の第一の樹脂組成物に用いられる芳
香族ポリエーテルスルホンは、下式(I)で示される繰
り返し単位を有する。該芳香族ポリエーテルスルホン
は、下式(I)で示される繰り返し単位単独で構成され
ていてもよいし、あるいは下式(I)で示される繰り返
し単位と下式(II)〜(XVII)で示される繰り返し単位
との共重合体であってもよい。該芳香族ポリエーテルス
ルホンが共重合体である場合には、下式(I)で示され
る繰り返し単位を50モル%以上の割合で含有し、そし
て、下式(II)〜(XVII)で示される繰り返し単位から
なる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を
50モル%以下の割合で含有することが好ましい。式
(I)で示される繰り返し単位の含有量が50モル%未
満では、得られる樹脂組成物から得られる成形体の耐熱
性が劣る。さらに好ましくは、上式(I)で示される繰
り返し単位を50モル%以上および下式(II)で示され
る繰り返し単位を5〜30モル%含有する。式(II)で
示される繰り返し単位の含有量が5モル%未満である場
合には、耐熱性が低くなる傾向にあり、30モル%を越
える場合には、成形性が低下する。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】本発明において用いられる上式(I)で示
される繰り返し単位は、例えば、4−クロロ−4’(p
−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホンを構成成分
として用いることによって得られる。上式(II)で示さ
れる繰り返し単位は、例えば、4,4’’’−ジヒドロ
キシ−p−クォーターフェニルを構成成分として用いる
ことにより得られる。上式(X)で示される繰り返し単
位は、ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジクロロジフ
ェニルスルホンを構成成分として用いることにより得ら
れる。なお、4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォー
ターフェニルは、例えば、Journal of Chemical Societ
y 1379-85(1940)に記載の方法に従って合成することが
できる。
【0018】本発明で使用される芳香族ポリエーテルス
ルホンの好適な製造法としては、アルカリ金属もしくは
金属塩の存在下、極性溶媒中で、水酸基を有するモノマ
ーおよびハロゲン基を有するモノマー(これらのうち少
なくとも一方がスルホニル基を有する)(水酸基および
ハロゲン基を有するモノマーを用いてもよい)を重合さ
せる求核置換重縮合法が用いられ、例えば、アルカリ金
属炭酸塩の存在下非プロトン性極性溶媒中でこれらのモ
ノマーを重合させる方法があげられる。
【0019】上記アルカリ金属炭酸塩は、上式(I)、
または(I)と(II)〜(XVII)で示される繰り返し単
位を形成するための上記モノマーのうちの水酸基を有す
るモノマーと反応してアルカリ金属塩を形成し得るもの
で、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ル
ビジウム、炭酸セシウム等が挙げられる。特に好ましく
は、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムである。ま
た、重炭酸カリウムもしくは重炭酸ナトリウムも下式に
示す熱分解反応により炭酸塩を生成するため用いること
ができる。
【0020】
【化6】
【0021】アルカリ金属炭酸塩の使用量は高分子量の
ポリマーを得るため、および重合反応速度を高めるため
に、上記水酸基を有するモノマーの合計モル量に対して
過剰モル量とすることが好ましい。アルカリ金属炭酸塩
の使用量が少ない場合には、フリーな水酸基が多く存在
するために低分子量の生成物しか得られないので好まし
くない。
【0022】重合に際して、式(I)〜(XVII)の繰り
返し単位を形成し得るモノマー(上記水酸基を有するモ
ノマーおよびハロゲン基を有するモノマー)の配合は、
これらのモノマー全体が有する水酸基に対してモノマー
全体のハロゲン基が90〜110モル%となるような範
囲内で行うのが好ましい。より高分子のポリマーを得る
ためには95〜105モル%の範囲内で使用するのが好
ましい。
【0023】上記非プロトン性極性溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルイミダゾリ
ン等のアミド系溶媒、もしくは、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジフェニルスルホン等のスルホン系溶
媒を挙げることができる。必要に応じて共沸脱水溶剤、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、モノクロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、モノクロロエチレン、ジク
ロロエチレン、トリクロロエチレンなどが添加され得
る。
【0024】該芳香族芳香族ポリエーテルスルホンの製
造において重合反応温度は、反応原料、成分の種類、重
合反応の形式等により変化するが、通常80〜400℃
の範囲であり、好ましくは100〜350℃の範囲で実
施される。上記の温度範囲より反応温度が低い場合に
は、目的とする重合反応は実用に耐える速度で進行せ
ず、必要とする分子量のポリマーを得ることが困難であ
る。一方上記の範囲より反応温度が高い場合は、目的と
する重合反応以外の副反応が無視できなくなり、得られ
るポリマーの着色も著しくなる。重合反応に要する時間
は反応原料成分の種類、重合反応の形式等により変化す
るが通常10分〜100時間の範囲であり、好ましくは
1時間〜24時間の範囲で実施される。
【0025】該芳香族ポリエーテルスルホンの製造にお
いて、反応を行う際の雰囲気としては、酸素が存在しな
いことが好ましく、窒素もしくはその他の不活性ガス中
で行うと、良い結果が得られる。これは、水酸基と反応
したアルカリ金属塩が、酸素の存在下で加熱すると酸化
されやすく、目的とする重合反応が妨げられ、高分子量
化が困難になる他、生成重合体の着色の原因ともなるか
らである。
【0026】該芳香族ポリエーテルスルホンの製造にお
いて、重合反応を停止させるには、通常反応混合物を冷
却すればよい。さらに、ポリマーの末端に存在する可能
性のあるフェノキサイド基を安定化させて重合反応を停
止させるために、脂肪族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン
化物等を添加反応させることも必要に応じ実施される。
上記ハロゲン化物の具体的な代表例としては、メチルク
ロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、4−
クロロジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノ
ン、4,4’−ジクロロフェニルスルホン、4−クロロ
ニトロベンゼン等を挙げることができる。
【0027】該芳香族ポリエーテルスルホンの製造にお
いて、生成したポリマーの分離、精製方法としては公知
の方法を適用できる。例えば、反応溶媒中に析出した塩
および過剰のアルカリ金属炭酸塩を濾過した後、濾液で
あるポリマー溶液を通常はポリマーの非溶媒に滴下する
か、逆にポリマーの非溶媒をポリマー溶液中に加えるこ
とにより、目的とするポリマーを析出させることができ
る。ポリマーの非溶媒として通常用いられるものの代表
例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、水等を挙げること
ができるが、これらは単独でも、また二種以上の混合物
として使用してもよい。
【0028】このようにして調製される芳香族ポリエー
テルスルホンの分子量は還元粘度を目安とすることがで
き、その還元粘度は、ジメチルホルムアミド中、30℃
において1g/dlの濃度で測定したとき、0.35〜
0.6dl/gが必要である。還元粘度が0.35dl
/g未満では、得られる成形体の耐熱性が劣り、0.6
dl/gを越える場合には、得られる樹脂組成物の成形
性が劣る。
【0029】本発明の第一の樹脂組成物に用いられる両
末端アミノ基含有シリコーンジアミンとしては、下記の
一般式(XVIII)で表されるものを使用することができ
る。
【0030】
【化7】
【0031】(式中のR1およびR2は、炭素数1〜5の
アルキレン基を示し、そしてtは5〜100の整数を示
す。)特に好ましい両末端アミノ基含有シリコーンジア
ミンは、上式(XVIII)中、R1およびR2の炭素数が2
〜3であり、そしてtが7〜80である。
【0032】本発明の第一の樹脂組成物は、上記芳香族
ポリエーテルスルホン90〜50重量部、および上記両
末端アミノ基含有シリコーンジアミン10〜50重量部
を含有する。上記両末端アミノ基含有シリコーンジアミ
ンの含有量が10重量部未満の場合には、加工性を改善
する効果が小さくなり、50重量部を越える場合には、
芳香族ポリエーテルスルホンの使用量が少なくなるため
耐熱性が低下する。
【0033】本発明の第一の樹脂組成物には、得られる
成形体の耐熱性をさらに付与するために、無機フィラー
を添加してもよい。用いられる無機フィラーとしては、
水酸化アルミニウム、タルク、炭酸カルシウム、二酸化
ケイ素などが挙げられる。これらのフィラーは、単独ま
たは2種以上を混合して使用することができる。このよ
うな無機フィラーの粒子は、その平均粒子径が、100
μm以下であることが好ましく、50μm以下であるこ
とが特に好ましい。該無機フィラーは、本発明の第一の
樹脂組成物中に、0〜50重量%の範囲で含有すること
ができる。該無機フィラーの含有量が50重量%を越え
る場合には、樹脂組成物から得られる成形体の加工性が
低下するため好ましくない。
【0034】本発明の第一の樹脂組成物は、上記芳香族
ポリエーテルスルホンの粉砕物、上記両末端アミノ基含
有シリコーンジアミン、および必要に応じて上記無機フ
ィラーを、ブレンダーなどを用いて混合することにより
得られる。
【0035】上記のようにして得られた第一の樹脂組成
物は、例えば、金型内に注入して300〜380℃の温
度でプレス成形を行うことにより成形体が得られ、この
成形体は人工大理石として使用され得る。
【0036】次に本発明の第二の樹脂組成物について説
明する。
【0037】本発明の第二の樹脂組成物に用いられる芳
香族ポリエーテルスルホンは、上記第一の樹脂組成物に
用いられる芳香族ポリエーテルスルホンと同様である。
【0038】本発明の第二の樹脂組成物に用いられる予
備反応物は、アミノ基を有するアルコキシシランの加水
分解物と無機フィラーゾルからなる。
【0039】上記アミノ基含有アルコキシシランの加水
分解物とは、下記一般式(XIX)で表されるアルコキシ
シランの単独または2種以上の混合物の加水分解物であ
る。
【0040】
【化8】
【0041】(式中、R3は炭素数1〜4のアルキレン
基またはN−β−アミノエチル基であり、R4は炭素数
1〜4のアルキレン基、メトキシ基またはエトキシ基で
あり、R5は炭素数1〜5のアルキル基であり、mは1
〜3の整数であり、nは0〜2の整数であり、かつm+
n≦3である)。
【0042】上式XIXで表されるアルコキシシランとし
ては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0043】上述のアミノ基を有するアルコキシシラン
は、水と接触して容易に加水分解されることが知られて
いる。本発明でいう加水分解物とは、公知の方法により
アルコキシ基の少なくとも1個が、水酸基に変換された
化合物を意味する。このようなアミノ基含有アルコキシ
シランの加水分解物は、単独あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0044】上記無機フィラーゾルは、水酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化
ケイ素などの無機フィラーを、水、アルコールなどの有
機分散媒に分散させたコロイド溶液である。このような
コロイド溶液は、周知の方法で製造され得る。該無機フ
ィラーの粒子径は、1〜100ミリミクロンであること
が好ましい。
【0045】本発明において用いられる予備反応物は、
アミノ基含有アルコキシシランの加水分解で生成した水
酸基と、無機フィラーの水酸基との間が結合した化合物
を含んでいる。上記アミノ基含有アルコキシシランの加
水分解物は、あらかじめ上記無機フィラーゾルと混合し
た状態で調製されることが望ましい。上記アミノ基含有
アルコキシシランは、予備反応物100重量部中に、
0.1〜20重量部含有されていることが好ましく、1
〜15重量部含有されていることがさらに好ましい。上
記アミノ基含有アルコキシシランの含有量が、予備反応
物100重量部に対して0.1重量部未満の場合には、
得られる樹脂組成物中に含まれる無機フィラーと、該無
機フィラー以外の構成成分との複合化が不十分であるた
め、得られる成形体の機械的強度が不十分となる。上記
アミノ基含有アルコキシシランの含有量が、予備反応物
100重量部に対して20重量部を越える場合には、得
られる樹脂組成物から得られる成形体の耐熱性が低下す
る。
【0046】本発明の第二の樹脂組成物は、上記芳香族
ポリエーテルスルホン70〜40重量部、および上記予
備反応物30〜60重量部を含有する。上記予備反応物
の含有量が30重量部未満の場合には、得られる成形体
の耐衝撃性が低下し、60重量部を越える場合には、得
られる成形体の耐熱性が低下する。
【0047】本発明の第二の樹脂組成物は、上記芳香族
ポリエーテルスルホンの粉砕物および上記予備反応物
を、ブレンダーなどを用いて混合することにより得られ
る。
【0048】上記のようにして得られた第二の樹脂組成
物は、例えば、金型内に注入して300〜380℃の温
度でプレス成形を行うことにより成形体が得られ、この
成形体は人工大理石として使用され得る。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するがこれ
らは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されるも
のではない。以下の実施例および比較例において用いら
れる各種物性の測定方法、および芳香族ポリエーテルス
ルホンならびに予備反応物の調製方法を以下に示す。
【0050】<耐熱性試験>ASTM D648に基づ
いて、荷重18.56kgで試験を行い、熱変形温度
(HDT)で示した。
【0051】<耐衝撃性試験>ASTM D256に基
づいて試験を行い、kg・cm/cm単位で表した。
【0052】<加工性試験>成形板をのこぎりを用いて
切断し、刃の摩耗の程度を目視により判定した。
【0053】〔芳香族ポリエーテルスルホン(a)の製
造〕攪拌機、ガス導入管、温度計および先端に受器を付
した凝縮器を備えた重合反応容器内に、4−クロロ―
4’−(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン
100重量部(100モル%)、無水炭酸カリウム2
2.1重量部、およびスルホラン290重量部を仕込
み、窒素置換を行った。次に窒素雰囲気下で攪拌および
昇温を開始し、系の温度を220℃にて1時間、230
℃にて30分、240℃にて3時間保持し、反応を行っ
た。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、反応液中に
析出した塩化カリウムを濾別除去し、濾液を多量のメタ
ノール中に注いでポリマー粉末を析出させた。得られた
ポリマーの還元粘度は0.40dl/g(30℃、ジメチ
ルホルムアミド中1g/dl)であった。
【0054】〔芳香族ポリエーテルスルホン(b)の製
法〕4−クロロ―4’−(p−ヒドロキシフェニル)ジ
フェニルスルホン100重量部(60モル%)、4,
4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル3
2.8重量部(20モル%)、4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホン27.9重量部(20モル%)、無水炭
酸カリウム33.0重量部、およびスルホラン290重
量部を用いて上記芳香族ポリエーテルスルホン(a)と
同様の方法で重合し、芳香族ポリエーテルスルホン
(b)を得た。得られたポリマーの還元粘度は0.38
dl/g(30℃、ジメチルホルムアミド中1g/dl)で
あった。
【0055】〔芳香族ポリエーテルスルホン(c)の製
法〕4−クロロ―4’−(p−ヒドロキシフェニル)ジ
フェニルスルホン100重量部(50モル%)、4,
4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェニル2
9.4重量部(15モル%)、4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホン39.0重量部(15モル%)、ジヒド
ロキシジフェニルスルホン13.6重量部(20モル
%)、無水炭酸カリウム44.1重量部、およびスルホ
ラン290重量部を用いて上記芳香族ポリエーテルスル
ホン(a)と同様の方法で重合し、芳香族ポリエーテル
スルホン(c)を得た。得られたポリマーの還元粘度は
0.41dl/g(30℃、ジメチルホルムアミド中1g
/dl)であった。
【0056】〔芳香族ポリエーテルスルホン(d)の製
法〕ジクロロジフェニルスルホン100重量部(50モ
ル%)、ジヒドロキシジフェニルスルホン87.2重量
部(50モル%)、無水炭酸カリウム48.1重量部、
およびスルホラン290重量部を用いて実施例1と同様
の方法で重合を行い、芳香族ポリエーテルスルホン
(d)を得た。得られたポリマーの還元粘度は0.41
dl/g(30℃、ジメチルホルムアミド中1g/dl)で
あった。
【0057】〔予備反応物の製法〕水酸化マグネシウム
を純粋60mlに分散させ、攪拌しながら、γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシランを添加し、30℃で12時間
反応させ、次いで、60℃で乾燥させ、水酸化マグネシ
ウムとγ−アミノプロピルトリエトキシシランとの予備
反応物を得た。
【0058】(実施例1)上記芳香族ポリエーテルスル
ホン(a)、平均分子量800の両末端アミノ基含有シ
リコーンジアミン、および無機フィラー(水酸化マグネ
シウム)を表1に示す割合でドライブレンドした後、こ
の混合物をプレス金型に注入し、320〜360℃でプ
レス成形して3cm×3cm(厚み5mm)の成形板を
得た。この成形板を用いて上記耐熱性試験および耐衝撃
性試験を行った。
【0059】(実施例2〜4)上記芳香族ポリエーテル
スルホン(a)、平均分子量800の両末端アミノ基含
有シリコーンジアミン、および無機フィラー(水酸化マ
グネシウム)の配合量を表1に示す割合に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして成形板を作製し、実施例
1と同様の試験を行った。
【0060】(比較例1)上記芳香族ポリエーテルスル
ホン(a)、平均分子量800の両末端アミノ基含有シ
リコーンジアミン、および無機フィラー(水酸化マグネ
シウム)の配合量を表1に示す割合に変更したこと以外
は、実施例1と同様にして成形板を作製し、実施例1と
同様の試験を行った。
【0061】(実施例5および6)芳香族ポリエーテル
スルホン(a)の代わりに、芳香族ポリエーテルスルホ
ン(b)を用い、この芳香族ポリエーテルスルホン
(b)、平均分子量800の両末端アミノ基含有シリコ
ーンジアミン、および無機フィラー(水酸化マグネシウ
ム)を表1に示す割合で配合したこと以外は、実施例1
と同様にして成形板を作製し、実施例1と同様の試験を
行った。
【0062】(実施例7および8)芳香族ポリエーテル
スルホン(a)の代わりに、芳香族ポリエーテルスルホ
ン(c)を用い、この芳香族ポリエーテルスルホン
(c)、平均分子量800の両末端アミノ基含有シリコ
ーンジアミン、および無機フィラー(水酸化マグネシウ
ム)を表1に示す割合で配合したこと以外は、実施例1
と同様にして成形板を作製し、実施例1と同様の試験を
行った。
【0063】(比較例2)芳香族ポリエーテルスルホン
(a)の代わりに、芳香族ポリエーテルスルホン(d)
を用い、この芳香族ポリエーテルスルホン(d)、平均
分子量800の両末端アミノ基含有シリコーンジアミ
ン、および無機フィラー(水酸化マグネシウム)を表1
に示す割合で配合したこと以外は、実施例1と同様にし
て成形板を作製し、実施例1と同様の試験を行った。
【0064】上記実施例1〜8および比較例1ならびに
2の結果を以下の表1に示す。
【0065】
【表1】
【0066】(実施例9)表2に示す割合で、水酸化マ
グネシウムおよびγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン(表2中では、アミノ基含有シランと表記した)を用
いて、上記予備反応物を調製した。上記芳香族ポリエー
テルスルホン(a)50重量部および該予備反応物50
重量部をブレンダー中で10分間混合し、この混合物を
プレス金型に注入し、320〜360℃でプレス成形し
て、3cm×3cm(厚み5mm)の成形板を得た。こ
の成形板を用いて、上記耐熱性試験および加工性試験を
行った。
【0067】(実施例10および11)水酸化マグネシ
ウムおよびγ−アミノプロピルトリエトキシシランを表
2に示す割合で配合したこと以外は、実施例9と同様に
して成形板を作製し、実施例9と同様の試験を行った。
【0068】(実施例12〜14)水酸化マグネシウム
90重量部およびγ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン10重量部を用いて予備反応物を作製した。この予備
反応物および上記芳香族ポリエーテルスルホン(a)を
表3に示す割合で配合したこと以外は、実施例9と同様
にして成形板を作製し、実施例9と同様の試験を行っ
た。
【0069】(比較例3)水酸化マグネシウム90重量
部およびγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10重
量部を用いて予備反応物を作製した。この予備反応物お
よび上記芳香族ポリエーテルスルホン(a)を表3に示
す割合で配合したこと以外は、実施例9と同様にして成
形板を作製し、実施例9と同様の試験を行った。
【0070】(実施例15および16)水酸化マグネシ
ウム90重量部およびγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン10重量部を用いて予備反応物を作製した。この
予備反応物および上記芳香族ポリエーテルスルホン
(b)を表4に示す割合で配合したこと以外は、実施例
9と同様にして成形板を作製し、実施例9と同様の試験
を行った。
【0071】(実施例17および18)水酸化マグネシ
ウム90重量部およびγ−アミノプロピルトリエトキシ
シラン10重量部を用いて予備反応物を作製した。この
予備反応物および上記芳香族ポリエーテルスルホン
(c)を表4に示す割合で配合したこと以外は、実施例
9と同様にして成形板を作製し、実施例9と同様の試験
を行った。
【0072】(比較例4)水酸化マグネシウム90重量
部およびγ−アミノプロピルトリエトキシシラン10重
量部を用いて予備反応物を作製した。この予備反応物お
よび上記芳香族ポリエーテルスルホン(d)を表4に示
す割合で配合したこと以外は、実施例9と同様にして成
形板を作製し、実施例9と同様の試験を行った。
【0073】上記実施例9〜11の結果を表2に示し、
上記実施例12〜14および比較例3の結果を表3に示
し、そして実施例16〜18および比較例4の結果を表
4に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【発明の効果】本発明により、耐熱性および耐衝撃性に
優れた成形体を得るための樹脂組成物、ならびに耐熱性
および加工性に優れた成形体を得るための樹脂組成物を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 寅之助 大阪府茨木市山手台5丁目17番21号 (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目24番23号サンハ イツ三島丘306

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I)で示される繰り返し単位を有
    し、かつジメチルホルムアミド中、濃度1g/dl、温
    度30℃で測定したとき、還元粘度が0.35dl/g
    以上、0.6dl/g以下である芳香族ポリエーテルス
    ルホン90〜50重量部、および両末端アミノ基含有シ
    リコーンジアミン10〜50重量部を含有する、樹脂組
    成物: 【化1】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の芳香族ポリエーテルス
    ルホン70〜40重量部、およびアミノ基を有するアル
    コキシシランの加水分解物と無機フィラーゾルとからな
    る予備反応物30〜60重量部を含有する、樹脂組成
    物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012128340A1 (ja) * 2011-03-24 2012-09-27 住友化学株式会社 ポリスルホン組成物および成形体
CN109312073A (zh) * 2016-04-29 2019-02-05 索尔维特殊聚合物美国有限责任公司 聚(芳醚砜)聚合物的制备方法及包含其的聚合物组合物和制品
US11499012B2 (en) 2016-04-29 2022-11-15 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Methods for making poly(aryl ether sulfone) polymers and polymer compositions and articles including the same

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