JPH05171045A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05171045A
JPH05171045A JP33510191A JP33510191A JPH05171045A JP H05171045 A JPH05171045 A JP H05171045A JP 33510191 A JP33510191 A JP 33510191A JP 33510191 A JP33510191 A JP 33510191A JP H05171045 A JPH05171045 A JP H05171045A
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JP
Japan
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resin
resin composition
aromatic polysulfone
polysulfone
chemical
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Withdrawn
Application number
JP33510191A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Fukai
知裕 深井
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
Toranosuke Saito
寅之助 斉藤
Hironori Kadomachi
博記 角町
Daishirou Kishimoto
大志郎 岸本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Sanko Co Ltd
Original Assignee
Sanko Chemical Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐アルカリ性、成形性、流動性、力
学物性などに優れた樹脂組成物を提供する。 【構成】 下式(I)で示される繰り返し単位を有する
芳香族ポリスルホン;およびポリイミド樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、あるいはポリエーテルイミド樹脂を含有
する樹脂組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族ポリスルホンお
よびポリイミド樹脂;芳香族ポリスルホンおよびポリア
ミドイミド樹脂;あるいは、芳香族ポリスルホンおよび
ポリエーテルイミド樹脂を含有する樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】各種工業用途に使用可能なエンジニアリ
ングプラスチックとして、種々の樹脂が知られている。
その例としては、下記に挙げる芳香族ポリスルホン樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエー
テルイミド樹脂などがある。
【0003】芳香族ポリスルホン樹脂は、耐熱性、力学
物性、および電気的特性に優れた大変バランスのよい物
性を有する樹脂として知られており、自動車産業、航空
機産業、電気・電子産業などの分野において幅広い用途
を有している。芳香族ポリスルホンの代表例としては、
ICI社のビクトレックスPESおよびユニオンカーバ
イド社のユーデルポリスルホンが挙げられ、それぞれ、
熱変形温度203℃、および174℃という耐熱性を示
し、曲げ特性、引っ張り特性などの力学物性も優れてい
る。しかし、近年における電気・電子材料、航空機関連
産業においては、要求特性がさらに厳しくなり、両樹脂
の特性では十分でない用途が増加している。また芳香族
ポリスルホンは曲げ特性、引っ張り特性の力学物性にお
いては優れているが、耐衝撃性においては必ずしも優れ
ているとはいえず、透明性を有するエンジニアリングプ
ラスチックであるポリカーボネート樹脂と比べるとその
値は大きく及ばない。芳香族ポリスルホン樹脂の耐衝撃
性の改善、および耐熱性をさらに向上させるための研究
は古くから行われており、T.E.Attwoodら、
Polymer、Vol.18、369(1977)に
おいては、下記の特定の構造を有する芳香族ポリスルホ
ン:
【0004】
【化2】
【0005】についての記述があり、このポリスルホン
は、耐熱性、耐衝撃性などに優れていることが報告され
ている。しかし、このポリスルホン単独では、これらの
物性の向上は十分ではない。
【0006】ポリイミド樹脂は、剛直な分子構造を有
し、ガラス転移温度や熱分解開始温度が高く、しかも広
範な温度範囲において機械的強度にも優れていることか
ら超耐熱樹脂として宇宙、航空機関係の部材に応用され
ている。また、電気的特性、特定の薬品に対する耐薬品
性も良好であり、電気・電子部品、自動車部品、衛生・
食品機器、医療機器などの分野にも用いられている。し
かし、ポリイミド樹脂は、ガラス転移温度が高く、溶融
時に流動性が悪いため、成形性が不十分である。耐薬品
性は優れているが、耐アルカリ性に関しては必ずしも十
分とは言えず、一部のものはアルカリに侵され易いとい
う欠点も認められている。
【0007】ポリイミド樹脂の改良として、例えば、ポ
リエーテルイミドが特開昭50−69196号公報、特
開昭50−69197号公報に開示されており、また、
耐熱性および成形性を両立させたものとしてポリエーテ
ルスルホンイミドが特開昭58−9426号公報に開示
されている。しかし、これらは成形性が改良されると耐
熱性が低下してしまい、両特性を必ずしも満足させるこ
とはできない。特開平1−161056号公報には、芳
香族ポリチオエーテル系重合体をポリイミド樹脂と混合
する方法が開示されているが、近年のポリイミドに対す
る耐熱性要求に十分に越える値を達成できていない。
【0008】ポリアミドイミド樹脂は、優れた耐薬品
性、電気的特性、ある種の力学物性、および比較的優れ
た耐熱性を有するため、高性能工業材料部品、電子材料
部品等、多方面にわたり利用されている。しかし、ポリ
アミドイミド樹脂は、汎用の熱可塑性成形材料に比べる
と溶融粘度が相当に高く、流動性が悪いため、成形性が
必ずしもよいものとはいえない。特に射出成形機により
成形品を得ようとする場合、金型温度200℃以上、射
出圧力1000〜2000kg/cm2という苛酷な条
件下、厳密に管理された極めて狭い条件範囲(例えば、
樹脂の滞留時間、樹脂温度、スクリュー形状、金型構造
など)で実施する必要があり、十分な成形生産性を得る
には溶融特性およびその他の特性が不十分である。さら
に、曲げ応力等の力学物性も不十分である。
【0009】ポリアミドイミド樹脂の改良として、特公
昭63−51182号公報では、ポリアミドイミド樹脂
に特定のポリアリーレンポリエーテルポリスルホンを混
合し、成形性を改善する方法が開示されているが、この
方法ではポリアミドイミド樹脂の耐熱性が低下し、近年
の耐熱性に対する要求(例えば、電子材料分野における
ハンダ耐熱性260℃に十分耐える耐熱性)に答えるこ
とができない。
【0010】ポリエーテルイミド樹脂は、優れた力学物
性、電気的特性、成形性、および比較的優れた耐熱性を
有するため、多くの分野で利用されている。しかし、こ
の樹脂は、耐衝撃性が低いことが大きな問題点となって
おり、多方面から改善が要求されている。この問題を解
決するための方策として、公表特許公報昭59−500
724号にポリエーテルイミド樹脂と特定のポリスルホ
ン樹脂からなる樹脂組成物について開示されており、耐
衝撃性が向上することが示されている。これは両樹脂の
相溶性が大変良好であり、樹脂組成物は完全相溶もしく
は部分相溶混合状態であることが示唆される。しかし、
耐衝撃性は改善されるものの、耐熱性に対しての向上効
果はなく、ポリエーテルイミドに対する近年の要求に十
分答えるものではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
耐熱性、力学物性(曲げ特性、引っ張り特性、耐衝撃性
など)、電気的特性、耐薬品性、成形性などに優れた樹
脂組成物を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、例えば、芳香族ポリ
スルホンが本来有する優れた特性に加え、耐衝撃性、耐
熱性および成形性に優れた樹脂組成物を、提供すること
にある。
【0013】本発明の他の目的は、芳香族ポリスルホン
と他の樹脂とを組み合わせることにより、上記優れた性
質を有する樹脂組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために、鋭意研究を行った結果、特定量の芳
香族ポリスルホンに、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミ
ド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂を配合することに
より、それぞれの樹脂の各種の優れた性質に加え、耐熱
性および成形性を有し、かつ種々の特性を有する組成
物、例えば、耐アルカリ性の良好な組成物、力学物性に
優れた組成物、あるいは、耐衝撃性に優れた組成物が得
られることを見い出し、本発明を完成した。
【0015】本発明の第一の樹脂組成物は、下式(I)
で示される繰り返し単位を有する芳香族ポリスルホン1
〜90重量%およびポリイミド樹脂99〜10重量%か
らなる樹脂組成物であって、該芳香族ポリスルホンの還
元粘度は、ジメチルホルムアミド中、濃度0.1g/d
l、温度30℃で測定したとき、0.2〜0.7dl/
gである。
【0016】
【化3】
【0017】上記芳香族ポリスルホンは、上式(I)で
示される繰り返し単位単独で構成される芳香族ポリスル
ホン、または式(I)で示される繰り返し単位1〜99
モル%および下式(II)〜(XVI)で示される繰り返し
単位からなる群より選択される少なくとも1種以上の繰
り返し単位99〜1モル%からなる芳香族ポリスルホン
である。式(I)で示される繰り返し単位が1モル%以
下では樹脂組成物の耐熱性に劣る。該芳香族ポリスルホ
ンの分子量は還元粘度を目安とすることができ、その還
元粘度は、ジメチルホルムアミド中、30℃において
0.1g/dlの濃度で測定したとき、0.2〜0.7
dl/gが必要である。還元粘度が0.2dl/g未満
では、得られる樹脂組成物の機械的物性が劣り、0.7
dl/gを越えると成形性が低下する。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】本発明で使用される芳香族ポリスルホン共
重合体の好適な製造法としては、アルカリ金属もしくは
金属塩の存在下で極性溶媒中で、水酸基およびハロゲン
基を末端に有するモノマーを重合する求核置換重縮合法
が用いられ、例えば、アルカリ金属炭酸塩の存在下非プ
ロトン性極性溶媒中で重合する方法があげられる。
【0021】上記アルカリ金属炭酸塩は、前式(I)、
または(I)と(II)〜(XVI)で示される繰り返し単
位を形成するためのモノマーのうちの水酸基を有するモ
ノマーと反応してアルカリ金属塩を形成し得るもので、
具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジ
ウム、炭酸セシウム等が挙げられる。特に好ましくは、
炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムである。また、重
炭酸カリウムもしくは重炭酸ナトリウムも下式に示す熱
分解反応により炭酸塩を生成するため用いることができ
る。
【0022】
【化6】
【0023】(式中、Mはアルカリ金属である。)アル
カリ金属炭酸塩の使用量は高分子ポリマーを得るため、
および重合反応速度を高めるために、上記水酸基を有す
るモノマーの合計モル量に対して過剰モル量とすること
が好ましい。アルカリ金属炭酸塩の使用量が少ない場合
には、フリーな水酸基が多く存在するために低分子量の
生成物しか得られないので好ましくない。
【0024】上記非プロトン性極性溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルイミダゾリ
ン等のアミド系溶媒、もしくは、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジフェニルスルホン等のスルホン系溶
媒を挙げることができる。必要に応じて共沸脱水溶剤、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、モノクロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、モノクロロエチレン、ジク
ロロエチレン、トリクロロエチレンなどが添加され得
る。
【0025】該共重合体の製造において重合反応温度
は、反応原料、成分の種類、重合反応の形式等により変
化するが、通常80〜400℃の範囲であり、好ましく
は100〜350℃の範囲で実施される。上記の温度範
囲より反応温度が低い場合には、目的とする重合反応は
実用に耐える速度で進行せず、必要とする分子量の重合
体を得ることが困難である。一方上記の範囲より反応温
度が高い場合は、目的とする重合反応以外の副反応が無
視できなくなり、得られる重合体の着色も著しくなる。
重合反応に要する時間は反応原料成分の種類、重合反応
の形式等により変化するが通常10分〜100時間の範
囲であり、好ましくは1時間〜24時間の範囲で実施さ
れる。
【0026】さらに重合に際してモノマーの配合は、該
モノマーが有する全水酸基に対して全ハロゲン基が90
〜110モル%となるような範囲内で行うのが好まし
い。より高分子のポリマーを得るためには95〜105
モル%の範囲内で使用するのが好ましい。
【0027】共重合体の製造において、反応を行う際の
雰囲気としては、酸素が存在しないことが好ましく、窒
素もしくはその他の不活性ガス中で行うと、良い結果が
得られる。これは、水酸基と反応したアルカリ金属塩
が、酸素の存在下で加熱すると酸化されやすく、目的と
する重合反応が妨げられ、高分子量化が困難になる他、
生成重合体の着色の原因ともなるからである。
【0028】共重合体の製造において、重合反応を停止
させるには、通常反応混合物を冷却すればよい。さら
に、重合体の末端に存在する可能性のあるフェノキサイ
ド基を安定化させて重合反応を停止させるために、脂肪
族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物などを添加反応さ
せることも必要に応じ実施される。上記ハロゲン化物の
具体的な代表例としては、メチルクロライド、エチルク
ロライド、メチルブロマイド、4−クロロジフェニルス
ルホン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロ
ロフェニルスルホン、4−クロロニトロベンゼンなどを
挙げることができる。
【0029】共重合体の製造において、生成した共重合
体の分離、精製方法としては公知の方法を適用できる。
例えば、反応溶媒中に析出した塩および過剰のアルカリ
金属炭酸塩を濾過した後、濾液である重合体溶液を通常
は重合体の非溶媒に滴下するか、逆に重合体の非溶媒を
重合体溶液中に加えることにより、目的とする重合体を
析出させることができる。重合体の非溶媒として通常用
いられるものの代表例として、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケト
ン、水等を挙げることができるが、これらは単独でも、
また二種以上の混合物として使用してもよい。
【0030】本発明の第一の樹脂組成物に含有されるポ
リイミド樹脂は、下記一般式(XVII)で表される繰り返
し単位を有し、その前駆体であるポリアミック酸の0.
5g/dl、N−メチル−2−ピロリドン溶液について
30℃で測定したとき、その還元粘度が0.2〜2.0
dl/gであるものが望ましい。還元粘度が0.2dl
/g未満では、得られる樹脂組成物の耐熱性、機械的物
性などが劣り、2.0dl/gを越えると成形性が低下
する。
【0031】
【化7】
【0032】ここで、Ar1は、
【0033】
【化8】
【0034】を示し、X1は、
【0035】
【化9】
【0036】を示す。そして、Ar2は、
【0037】
【化10】
【0038】を示し、R1は炭素数1〜3のアルキル基
を示し、X2は、
【0039】
【化11】
【0040】を示し、m1およびn1は、それぞれ0〜2
の整数を示す。
【0041】本発明の第一の樹脂組成物は、上記のよう
に、芳香族ポリスルホン1〜90重量およびポリイミド
樹脂99〜10重量%を含有する。芳香族ポリスルホン
の含有量が1重量%未満の場合は、樹脂組成物の成形性
が十分でなく、かつ、耐アルカリ性が不十分である。芳
香族ポリスルホンの含有量が90重量%を越える場合は
樹脂組成物の耐熱性が不十分である。
【0042】本発明の第一の樹脂組成物において、芳香
族ポリスルホンおよびポリイミド樹脂は、それぞれ1種
に限定されることなく、2種以上であってもよく、ま
た、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、着
色剤などを配合することもできる。
【0043】本発明の第一の樹脂組成物は以下の方法に
より調製され得る。
【0044】(1)芳香族ポリスルホンを有機極性溶媒
に溶解させた溶媒溶液と、ポリアミドの前駆体であるポ
リアミック酸を有機極性溶媒に溶解させた溶媒溶液とを
攪拌混合する。さらに、芳香族ポリスルホンと、ポリア
ミック酸の原料である酸無水物とジアミン化合物とを有
機極性溶媒に溶解させ、重合反応によりポリアミック酸
を調製し、その結果、芳香族ポリスルホンとポリアミッ
ク酸との混合溶液を得る方法も好適に利用される。ここ
で使用される有機極性溶媒としては、N−メチル−2−
ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、フェノール、p−クロルフェノ
ール、およびo−クロルフェノールのうちの1種または
2種以上の混合物が例示される。
【0045】上記のように、調製された芳香族ポリスル
ホンとポリアミック酸とを含有する有機溶媒溶液中のポ
リアミック酸は、閉環反応によりポリイミド樹脂とな
る。このような閉環反応は熱処理することによって行わ
れる。例えば、上記有機溶媒溶液をキャスト成形するこ
となどによってフィルム状の成形体の成形と同時に行う
ことができる。閉環反応は脱水反応を伴うが、熱処理の
条件としては280〜400℃であるのが好適である。
【0046】(2)ポリイミド粉末と芳香族ポリスルホ
ン粉末を乳鉢、ヘンシェルミキサー、ドライブレンダ
ー、タンブラーブレンダー、ボールミルブレンダーなど
を利用して予備混練し、粉状とする。得られた粉状樹脂
組成物は各種成形方法、すなわち、射出成形、圧縮成
形、トランスファー成形、押出成形ようり成形される
が、好ましくは、溶融ブレンドしてから用いる方法がよ
い。溶融ブレンドするには装置として、熱ロール、バン
バリーミキサー、ブラベンダー押出機などを利用するこ
とができる。溶融温度は配合系が溶融可能な温度以上
で、かつ、配合系が熱分解し始める温度以下に設定さ
れ、280〜420℃程度が好ましい。
【0047】本発明の第一の樹脂組成物よりなる成形体
は、耐熱性を要する各種の分野に利用することができ
る。さらに、成形性、耐アルカリ性に優れているという
利点をあわせて考慮すると、例えば、電気・電子部品
へ、広く応用することが期待される。
【0048】本発明の第二の樹脂組成物は、芳香族ポリ
スルホン1〜55重量%およびポリアミドイミド樹脂9
9〜45重量%からなる。
【0049】本発明の第二の樹脂組成物に含有される芳
香族ポリスルホン樹脂は、本発明の第一の樹脂組成物に
含有される芳香族ポリスルホン樹脂と同様である。
【0050】本発明の第二の樹脂組成物に含有されるポ
リアミドイミド樹脂は、下記一般式(XVIII)
【0051】
【化12】
【0052】で表される繰り返し単位を有する重合体が
好ましく、その他の結合単位、例えば、下記一般式(XI
X)で示されるポリアミド単位および/または一般式(X
X)で示されるポリイミド単位を有していてもよい。
【0053】
【化13】
【0054】上記構造(XVIII)および(XX)の中での
イミド結合の一部が、その閉環前駆体としてのアミド酸
結合
【0055】
【化14】
【0056】の状態でとどまっているものも含まれる。
【0057】ここで、Ar3は少なくとも1つの炭素6
員環を含む3価の芳香族残基であり、そのうちの2価
は、2個のカルボニル基がAr3のベンゼン環内の隣接
する炭素原子に結合していることによって特徴付けら
れ、例えば以下の構造が挙げられる。
【0058】
【化15】
【0059】Ar4は少なくとも1つの炭素6員環を含
む2価の芳香族残基または脂肪族基であり、例えば、以
下の構造が挙げられる。
【0060】
【化16】
【0061】Ar5は少なくとも1つの炭素6員環を含
む4価のカルボニル基が連結した芳香族基であり、その
うちの2個ずつがAr5のベンゼン環内の隣接する炭素
原子に結合しており、例えば、以下の構造が挙げられ
る。
【0062】
【化17】
【0063】上式(XVIII)中、R2は炭素数6〜27の
2価芳香族残基であり、例えば、以下の構造が挙げられ
る。
【0064】
【化18】
【0065】本発明の第二の樹脂組成物に含有される構
造単位(XVIII)式のポリアミドイミド樹脂は、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン、クレゾールなどの極性有機溶媒中で
【0066】
【化19】
【0067】などの組み合せを反応させることによって
製造することができる。また、主要成分としての構造単
位(XVIII)に必要に応じて部分的に共重合結合させる
ことのできる構造単位(XIV)のポリアミド単位および
または構造単位(XV)のポリイミド単位の導入は、構造
単位(XVIII)のポリアミドイミドの製造の際に以下の
原料
【0068】
【化20】
【0069】の一部を、以下の化合物
【0070】
【化21】
【0071】で置換して反応させることにより達成され
る。なかでも、典型的なポリアミドイミド樹脂は、米国
アモコ社より発売されており、以下の構造を有してい
る。
【0072】
【化22】
【0073】上記のポリアミドイミド樹脂の製造方法
は、スタンダートオイル社の英国特許第1056564
号、米国特許第3661832号などに詳細に開示され
ている。また、ポリアミドイミド樹脂のその他の製造方
法について、米国特許第3669937号(バイエル
社)、フランス特許第2096454号(セララックフ
ァブリック社)、フランス特許第1515066号(デ
ュポン社)、特公昭45−18316号(日立化成
社)、英国特許第1181446号(日立化成社)、フ
ランス特許第2086324号(ゼネラルエレクトリッ
ク社)、特公昭45−35072号公報(日東電工
社)、米国特許第3625911号(モービルオイル
社)、英国特許第1277834号(ローンプーラン
社)、英国特許第1032649号(ウエスチングハウ
ス社)および特公昭49−4077号公報(東レ社)な
どに詳細に記載されている。
【0074】本発明の第二の樹脂組成物は、上記のよう
に、芳香族ポリスルホン1〜55重量%およびポリアミ
ドイミド樹脂99〜45重量%を含有する。芳香族ポリ
スルホンが1重量%未満の場合には成形性に劣り、一
方、55重量%を越える場合には曲げ応力等の力学的物
性が不十分である。本発明の第二の樹脂組成物は従来の
組成物と比べて、耐熱性が高く、良好な成形性を有し、
かつ各種物性のバランスのとれた樹脂組成物となる。
【0075】なお、本発明の第二の樹脂組成物には、本
発明の効果をそこなわない範囲で、各種添加物が含有さ
れる。例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
離型剤、着色剤、結晶核形成剤、充填剤(クレー、マイ
カ、シリカ、グラファイト、ガラスビーズ、アルミナ、
炭酸カルシウムなど)、強化繊維(ガラス繊維、炭素繊
維、チタン酸カリウム繊維など)の1種またはそれ以上
が含有され得る。
【0076】本発明の第二の樹脂組成物の各成分を混合
する手段は特に限定されない。芳香族ポリスルホンおよ
びポリアミドイミド樹脂を各々別々に溶融混合機に供給
することが可能であり、またあらかじめこれら原料を乳
鉢、ヘンシェルミキサー、ボールミル、リボンブレンダ
ー等を利用して予備混合してから溶融混合機に供給する
こともできる。
【0077】本発明の第三の樹脂組成物は、芳香族ポリ
スルホン1〜99重量%、およびポリエーテルイミド樹
脂99〜1重量%を含有する。
【0078】本発明の第三の樹脂組成物に含有される芳
香族ポリスルホン樹脂は、本発明の第一の樹脂組成物に
含有される芳香族ポリスルホン樹脂と同様である。
【0079】本発明の第三の樹脂組成物に含有されるポ
リエーテルイミド樹脂は、下記一般式(XXI)で表され
る。
【0080】
【化23】
【0081】ここで、aは1以上の整数であり、好まし
くは10〜10000であり、基−O−T<は、
【0082】
【化24】
【0083】からなる群より選択される。
【0084】ただし、上式中、R4は水素、低級アルキ
ル基または低級アルコキシ基であり、好ましくは、水素
である。
【0085】上式(XXI)中、−O−Z−O−の2価結
合は、ベンゼン環の3,3’;3,4’;4,3’また
は4,4’位置にあり、Zは
【0086】
【化25】
【0087】の2価有機基からなる群より選択した1員
である。
【0088】ここで、Yは次式
【0089】
【化26】
【0090】の2価基からなる群より選択した1員であ
り、yは1〜5の整数である。qは0または1である。
【0091】上式(XXI)中、R3は炭素数6〜20の芳
香族炭化水素基およびそれらのハロゲン化誘導体、炭素
数2〜20のアルキレン基およびシクロアルキレン基、
炭素数2〜8のアルキレン末端停止ポリジオルガノシロ
キサン、ならびに次式
【0092】
【化27】
【0093】によって表される2価基からなる群より選
択した2価有機基である。
【0094】ここで、Qは
【0095】
【化28】
【0096】からなる群より選択した1員であり、xは
1〜5の整数である。
【0097】本発明の目的のため、特に好ましいポリエ
ーテルイミドは、−O−T<が、
【0098】
【化29】
【0099】であり、Zが
【0100】
【化30】
【0101】であり、そして、R3
【0102】
【化31】
【0103】から選択される。R3がメタフェニレンで
あるポリエーテルイミドが、最も好ましい。
【0104】本発明の第三の樹脂組成物は、上記のよう
に、芳香族ポリスルホン1〜99重量%およびポリエー
テルイミド樹脂99〜1重量%からなる。芳香族ポリス
ルホンが1重量%未満の場合には、耐熱性および耐衝撃
性が不十分であり、芳香族ポリスルホンが99重量%を
越える場合には、成形性が不十分である。芳香族ポリス
ルホンが1〜99重量%で、ポリエーテルイミド樹脂が
99〜1重量%のとき、ポリエーテルイミド樹脂の耐衝
撃性、耐熱性を向上するのみならず、芳香族ポリスルホ
ンの成形性がさらに向上し、物性のバランスのとれた樹
脂組成物を得ることができる。
【0105】本発明の第三の組成物には、上記第二の組
成物と同様の添加物が、必要に応じて含有される。
【0106】本発明の第三の組成物の各成分を混合する
手段は特に限定されない。例えば、上記第二の組成物に
おける混合手段が採用され得る。
【0107】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するがこれ
らは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0108】(実施例1) 〔芳香族ポリスルホンの製法〕攪拌機、ガス導入管、温
度計および先端に受器を付した凝縮器を備えた100ml
ナス形フラスコ内に、4−クロロ―4’−(p−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルスルホン10.33g(30
mmol)、無水炭酸カリウム2.28g(16.5m
mol)、およびスルホラン30mlを仕込み、窒素置換
を行った。次に窒素雰囲気下で攪拌および昇温を開始
し、系の温度を220℃にて1時間、230℃にて30
分、240℃にて3時間保持し、反応を行った。反応終
了後、反応液を室温まで冷却し、反応液中に析出した塩
化カリウムを濾別除去し、濾液を多量のメタノール中に
注いでポリマー粉末を析出させた。得られたポリマーの
還元粘度は0.4dl/g(30℃、ジメチルホルムア
ミド中0.1g/dl)であった。
【0109】〔樹脂組成物の作成1〕上記の方法で重合
した芳香族ポリスルホン27gおよびジアミン化合物と
して4,4’−ジアミノジフェニルエーテル127.2
7g(0.64mol)を反応器内に秤取し、さらにN
−メチル−2−ピロリドン1150gを加え攪拌して均
一溶液とし、これに攪拌を続けながら酸無水物としてピ
ロメリット酸二無水物138.63g(0.64mo
l)を徐々に加えた。さらに、4時間窒素雰囲気下で攪
拌し、反応させて赤褐色半透明な混合溶媒溶液を得た。
【0110】次に、この溶液をガラス上に流延してキャ
ストし、100℃で2時間乾燥し、さらに320℃にて
2時間熱処理を行い、赤褐色透明な厚さ50μmのフィ
ルム(芳香族ポリスルホン/ポリイミド樹脂=10/9
0)を得た。このフィルムについて耐アルカリ性をJI
S C−6481に準拠して測定した。その結果を表1
に示す。後述の熱変形温度試験、実施例2〜6、および
比較例1〜6の結果もあわせて表1に示す。
【0111】〔樹脂組成物の作成2〕4,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル127.27g(0.64mo
l)を反応器内に秤取し、さらにN−メチル−2−ピロ
リドン1150gを加え攪拌して均一溶液とし、これに
攪拌を続けながら酸無水物としてピロメリット酸二無水
物138.63g(0.64mol)を徐々に加えた。
さらに、4時間窒素雰囲気下で攪拌し、反応させて赤褐
色半透明な混合溶媒溶液を得た。このポリアミック酸溶
液に129.28g(1.28mol)のトリエチルア
ミンおよび163.2g(1.6mol)の無水酢酸を
滴下した。室温で20時間かき混ぜて、黄色のスラリー
を得た。このスラリーを濾別し淡黄色ポリイミド粉末を
得た。
【0112】次に、このポリイミド粉末と上記の芳香族
ポリスルホンとを(90/10)の組成でドライブレン
ドした後、ブラベンダープラストグラフエクストルーダ
ーにて処理温度400℃、スクリュー回転数25rpm
で溶融混練しながら押し出し、均一溶融ブレンドペレッ
トを得た。
【0113】さらに、上記で得た均一配合ペレットを通
常の射出成形機にかけて成形温度400℃で射出成形
し、成形時の射出圧力を成形性の尺度として、また、成
形したサンプル片を用いてASTM D648に準拠
し、熱変形温度を試験した。
【0114】(実施例2および3、比較例1および2)
芳香族ポリスルホンとポリイミド樹脂とを、表1に示し
た組成比で配合した以外は、実施例1と同様にして樹脂
組成物を作成し、実施例1と同様の試験を行った。
【0115】(実施例4) 〔芳香族ポリスルホンの製法〕攪拌機、ガス導入管、温
度計および先端に受器を付した凝縮器を備えた100ml
ナス形フラスコ内に、4−クロロ―4’−(p−ヒドロ
キシフェニル)ジフェニルスルホン5.17g(15m
mol)、4−クロロ−4’−ヒドロキシフェニルスル
ホン4.03g(15mmol)、無水炭酸カリウム
2.28g(16.5mmol)、およびスルホラン3
0mlを仕込み、窒素置換を行った。次に窒素雰囲気下で
攪拌および昇温を開始し、系の温度を220℃にて1時
間、230℃にて30分、240℃にて3時間保持し、
反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、
反応液中に析出した塩化カリウムを濾別除去し、濾液を
多量のメタノール中に注いでポリマー粉末を析出させ
た。得られたポリマーの還元粘度は0.42dl/g
(30℃、ジメチルホルムアミド中0.1g/dl)で
あった。
【0116】〔樹脂組成物の作成〕芳香族ポリスルホン
として、上記の方法で重合した樹脂を用い、ポリイミド
樹脂と表1に示した組成比で配合した以外は実施例1と
同様にして樹脂組成物を作成し、実施例1と同様の試験
を行った。
【0117】(実施例5および6、比較例3および4)
芳香族ポリスルホンとポリイミド樹脂とを表1に示した
組成比で配合した以外は実施例4と同様にして樹脂組成
物作成し、実施例1と同様の試験を行った。
【0118】(比較例5)実施例1における樹脂組成物
の作成1の方法に従い、芳香族スルホンを加えずに樹脂
フィルムを得た。実施例1と同様のこのフィルムを用い
て耐アルカリ性試験を行った。
【0119】同時に実施例1における樹脂組成物の作成
2の方法に従い、作成したポリイミド粉末を用いて、成
形性、熱変形温度の評価を試みたが、ポリイミド粉末が
不溶不融のため、評価ができなかった。
【0120】(比較例6)芳香族ポリスルホンとしてI
CI社製VictrexPES3600Pを用い、ポリ
アミド樹脂と表1に示した組成比で配合した以外は実施
例1と同様にして樹脂組成物を作成し、実施例1と同様
の試験を行った。
【0121】
【表1】
【0122】表1において、1)〜7)は次の事柄を示
す。
【0123】1)A:繰り返し単位
【0124】
【化32】
【0125】のモル分率 2)B:繰り返し単位
【0126】
【化33】
【0127】のモル分率 3)C:芳香族ポリスルホンの重量分率 4)D:ポリイミド樹脂の重量分率 5)ASTM D648に準拠し、荷重18.6kgで
試験を行った。
【0128】6)10%NaOH水溶液還流下、10×
20mm×50μmの試験片の消滅するまでの時間 7)最低射出圧力は溶融粘度が低いものほど低い (実施例7) 〔樹脂組成物の作成〕芳香族ポリスルホンとして実施例
1の方法で重合した樹脂を用い、ポリアミドイミド樹脂
(アモコ社製トーロン4000T(商品名))を表2に
示した組成でドライブレンドした後、ブラベンダープラ
ストグラフエクストルーダーにて処理温度360℃、ス
クリュー回転数25rpmで溶融混練しながら押し出
し、均一溶融ブレンドペレットを得た。このペレットを
用いて、流動特性を荷重2.16kg、温度350℃の
条件でメルトフローレートを測定することにより評価し
た。これとは別に溶融ブレンドペレットを温度355
℃、圧力100kg/cm2で圧縮成形し、試験片を
得、曲げ応力および熱変形温度を測定した。その結果を
表2に示す。後述の実施例8〜10、および比較例7〜
12の結果もあわせて表2に示す。
【0129】(実施例8、比較例7および8)芳香族ポ
リスルホンとポリアミドイミド樹脂とを表2に示した組
成比にて配合した以外は実施例7と同様にして樹脂組成
物を作成し、実施例7と同様の試験を行った。
【0130】(実施例9)芳香族ポリスルホンとして実
施例4の方法で重合した樹脂を用い、ポリアミドイミド
樹脂と表2に示した組成で配合した以外は実施例7と同
様にして樹脂組成物を作成し、実施例7と同様の試験を
行った。
【0131】(実施例10、比較例9および10)芳香
族ポリスルホンとポリアミドイミド樹脂とを表2に示し
た組成比にて配合した以外は実施例9と同様にして樹脂
組成物を作成し、実施例7と同様の試験を行った。
【0132】(比較例11)ポリアミドイミド樹脂のみ
のペレット、試験片を作成し、実施例7と同様の試験を
行った。
【0133】(比較例12)芳香族ポリスルホンとして
ICI社製Victrex PES3600Pを用い、
ポリアミドイミド樹脂と表2に示した組成比で配合した
以外は実施例7と同様にして樹脂組成物を作成し、実施
例7と同様の試験を行った。
【0134】
【表2】
【0135】表2において、1)〜7)は次の事柄を示
す。
【0136】1)A:繰り返し単位
【0137】
【化34】
【0138】のモル分率 2)B:繰り返し単位
【0139】
【化35】
【0140】のモル分率 3)C:芳香族ポリスルホンの重量分率 4)D:ポリアミドイミド樹脂(トーロン4000T)
の重量分率 5)ASTM D648に準拠し、荷重18.6kgで
試験を行った。 6)ASTM D1238に準拠し、荷重2.16k
g、温度350℃にて、10分間の押し出し量で試験を
行った。 7)ASTM D790に準拠して試験を行った。
【0141】(実施例11) 〔樹脂組成物の作成〕芳香族ポリスルホンとして実施例
1の方法で重合した樹脂を用い、ポリエーテルイミド樹
脂(GEプラスチック社製ウルテム1000(商品
名))と表3の組成比でドライブレンドした後、ブラベ
ンダープラストグラフエクストルーダーにて処理温度3
60℃、スクリュー回転数25rpmで溶融混練しなが
ら押し出し、均一溶融ブレンドペレットを得た。このペ
レットを用いて流動特性を比較するためにフローテスタ
ーを用いて溶融粘度を測定した。次に、また耐衝撃性、
熱変形温度を測定するために溶融ブレンドペレットを温
度355℃、圧力100kg/cm2で圧縮成形し、試
験片を得た。耐衝撃性、溶融粘度、熱変形温度の結果を
表3に示す。後述の実施例12〜16、および比較例1
3〜18の結果もあわせて表3に示す。
【0142】(実施例12および13、比較例13およ
び14)芳香族ポリスルホンとポリエーテルイミド樹脂
とを表3に示した組成比で配合した以外は実施例11と
同様にして樹脂組成物を作成し、実施例11と同様の試
験を行った。
【0143】(実施例14)芳香族ポリスルホンとして
実施例4の方法で重合した樹脂を用い、ポリエーテルイ
ミド樹脂と表3に示した組成比で実施例11と同様にし
て樹脂組成物を作成し、実施例11と同様の試験を行っ
た。
【0144】(実施例15および16、比較例15およ
び16)芳香族ポリスルホンとポリエーテルイミド樹脂
とを表3に示した組成比で配合した以外は、実施例14
と同様にして樹脂組成物を作成し、実施例11と同様の
試験を行った。
【0145】(比較例17)ポリエーテルイミド樹脂の
みのペレット、試験片を作成し、実施例11と同様の試
験を行った。
【0146】(比較例18)芳香族ポリスルホンとし
て、ICI社製、VictrexPES 4100Gを
用い、ポリエーテルイミド樹脂と表3に示した組成比で
配合した以外は、実施例11と同様にして樹脂組成物を
作成し、実施例11と同様の試験を行った。
【0147】
【表3】
【0148】表3において、1)〜7)は次の事柄を示
す。
【0149】1)A:繰り返し単位
【0150】
【化36】
【0151】のモル分率 2)B:繰り返し単位
【0152】
【化37】
【0153】のモル分率 3)C:芳香族ポリスルホンの重量分率 4)D:ポリエーテルイミド樹脂(ウルテム1000)
の重量分率 5)ASTM D648に準拠し、荷重18.6kgで
試験を行った。 6)高化式フローテスターを用い、JIS K 721
0(流れ試験方法−参考試験)に準拠して、3回測定
し、平均値を測定した。(プランジャ断面積1cm2
ダイ長さ10mm、荷重100kg、温度340℃) 7)ISO R180Aに準拠して、ノッチ付きアイゾ
ット衝撃試験を行った。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、所定量の芳香族ポリス
ルホンに、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂また
はポリエーテルイミド樹脂を配合し、樹脂組成物を作成
することにより、芳香族ポリスルホン樹脂が有する優れ
た特性を維持し、かつ、ポリイミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂またはポリエーテルイミド樹脂のもつ種々の優
れた性質を有する組成物が得られる。ポリイミド樹脂を
含有する組成物は、耐熱性、耐アルカリ性および成形性
が改良される。ポリアミドイミド樹脂を含有する組成物
においては、耐熱性、流動性および曲げ応力等の力学物
性が改良される。ポリエーテルイミド樹脂を含有する組
成物においては、力学物性、耐熱性および成形性が改良
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角町 博記 大阪府茨木市南春日丘1丁目11番3号 (72)発明者 岸本 大志郎 大阪府茨木市三島丘2丁目11番20号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式(I)で示される繰り返し単位を有す
    る芳香族ポリスルホン1〜90重量%およびポリイミド
    樹脂99〜10重量%からなる樹脂組成物であって、該
    芳香族ポリスルホンの還元粘度が、ジメチルホルムアミ
    ド中、濃度0.1g/dl、温度30℃で測定したと
    き、0.2〜0.7dl/gであることを特徴とする、
    樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】請求項1に記載の芳香族ポリスルホン1〜
    55重量%およびポリアミドイミド樹脂99〜45重量
    %からなることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の芳香族ポリスルホン1〜
    99重量%およびポリエーテルイミド樹脂99〜1重量
    %からなることを特徴とする樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11185731A (ja) * 1997-02-05 1999-07-09 Sumitomo Chem Co Ltd リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池
JP2007005323A (ja) * 1997-02-05 2007-01-11 Sumitomo Chemical Co Ltd リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池
JP2010532815A (ja) * 2007-07-12 2010-10-14 サビック・イノベーティブ・プラスチックス・アイピー・ベスローテン・フェンノートシャップ ポリエーテルイミドとポリフェニレンエーテルスルホンとのブレンド類

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