JP3126214B2 - 芳香族ポリスルホンフィルム - Google Patents

芳香族ポリスルホンフィルム

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JP3126214B2
JP3126214B2 JP04104586A JP10458692A JP3126214B2 JP 3126214 B2 JP3126214 B2 JP 3126214B2 JP 04104586 A JP04104586 A JP 04104586A JP 10458692 A JP10458692 A JP 10458692A JP 3126214 B2 JP3126214 B2 JP 3126214B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性および耐薬品性
に優れ、透明性の良好な芳香族ポリスルホンを含有する
樹脂から主としてなる、芳香族ポリスルホンフィルムに
関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリスルホン樹脂は、耐熱性、力
学物性および電気的物性に優れた、非常にバランスの良
い物性を有する樹脂として知られており、自動車産業、
航空機産業および電気・電子産業等の分野において幅広
く用いられている。芳香族ポリスルホン樹脂の代表例と
しては、ビクトレックスPES(ICI社製)、および
ユーデルポリスルホン(ユニオンカーバイド社製)が挙
げられる。これらの芳香族ポリスルホン樹脂は、熱変形
温度がそれぞれ203℃および174℃で、耐熱性に優
れており、また曲げ特性および引張り特性等の力学物性
にも優れる。しかしながら、近年の電気・電子材料およ
び航空機関連産業においては、より高度な特性が要求さ
れるようになり、両樹脂の特性では充分でない用途が増
加している。例えば、フレキシブルプリント積層板用フ
ィルムにおいては、ハンダ耐熱性試験に耐える物性が要
求されるが、両樹脂を用いたフィルムの耐熱性は、これ
に充分ではなく、適用することはできない。さらに芳香
族ポリスルホン樹脂の耐薬品性においては、汎用的な溶
剤に対する耐性がないために、該樹脂を用いたフィルム
の応用用途が限られるという欠点も有している。
【0003】この要求に答えるために、芳香族ポリスル
ホン樹脂を、ポリエーテルケトンおよびポリフェニレン
スルフィド樹脂などと共に押し出して、多層フィルムを
製造する方法が、特開昭62−238737号公報、お
よび特開昭62−238738号公報に開示されている
が、この方法によると、得られるフィルムは耐熱性およ
び耐薬品性が向上するものの、接着界面の剥離現象が発
生したり、透明性が損なわれる等の欠点があり、またF
PCフィルム等に要求される耐熱性には充分ではなく、
実用性に満足し得るものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に着目してなされたものであり、従来の芳香族ポリスル
ホン樹脂フィルムと比較して、耐熱性および耐薬品性に
優れ、かつ透明性を有する芳香族ポリスルホンフィルム
を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するため、鋭意研究を行った結果、特定の構造
を有する芳香族ポリスルホン樹脂から主としてなるフィ
ルムが、透明性、耐熱性および耐薬品性に優れることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】本発明の芳香族ポリスルホンフィルムは、
下記一般式(I) で示される繰り返し単位100モル%
らなる芳香族ポリスルホン、あるいは、下記一般式(I)
で示される繰り返し単位を50〜99モル%および下記
一般式(II)〜(XVI) で示される繰り返し単位のうちいず
れか1つを50〜1モル%含有する芳香族ポリスルホン
(ただし、式(XIII)において、−O−SO 2 −は、−O
−S(=O) 2 −結合を表す。)であって、ジメチルホ
ルムアミド中、濃度1g/dl、温度30℃において測
定した還元粘度が、0.35dl/g以上0.6dl/
g以下である芳香族ポリスルホンを51〜100重量%
含有し、ポリエーテルケトンあるいはポリエーテルイミ
ドを49〜0重量%含有する樹脂からなることを特徴と
する。
【0007】
【化3】
【0008】
【化4】
【0009】本発明で使用される芳香族ポリスルホンの
好適な製造方法としては、アルカリ金属塩の存在下、極
性溶媒中で、水酸基およびハロゲン基を末端に有するモ
ノマーを重合する求核置換重縮合法が用いられ、例え
ば、アルカリ金属炭酸塩の存在下、非プロトン性極性溶
媒中で重合する方法が挙げられる。
【0010】上記アルカリ金属炭酸塩は、上記一般式
(I)、あるいは(I)および(II)〜(XVI)で示され
る繰り返し単位を形成するためのモノマーのうちの水酸
基を有するモノマーと反応してアルカリ金属塩を形成し
得るもので、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウムおよび炭酸セシウム等が挙げられる
が、特に好ましくは炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウ
ムである。上記アルカリ金属炭酸塩の使用量は、高分子
ポリマーを得るため、および重合反応速度を高めるため
に、上記水酸基を有するモノマーの合計モル量に対して
過剰モル量とすることが好ましい。アルカリ金属炭酸塩
の使用量が少ない場合には、フリーな水酸基が多く存在
するために低分子量の生成物しか得られないので好まし
くない。
【0011】上記極性溶媒としては、スルホラン、ジフ
ェニルスルホンおよびジメチルスルホキシド等のスルホ
ン系の溶媒もしくは、ジメチルアセトアミド、ジメチル
イミダゾリン等のアミド系溶媒が好適に用いられる。
【0012】重合温度は通常80〜400℃の範囲であ
り、好ましくは100〜350℃の範囲で実施される。
上記の温度範囲より反応温度が低い場合には、目的とす
る重合反応は実用に耐える速度で進行せず、必要とする
分子量の重合体を得ることが困難である。一方、上記の
範囲より反応温度が高い場合には、目的とする重合反応
以外に副反応が無視できなくなり、得られる重合体の着
色も著しくなる。重合反応に要する時間は反応原料成分
の種類、重合反応の形式等により変化するが、通常10
分〜100時間であり、好ましくは1時間〜24時間の
範囲で実施される。
【0013】さらに重合に際してモノマーの配合は、該
モノマーが有する全水酸基に対して全ハロゲン基が90
〜110モル%の範囲内で使用するのが好ましい。より
高分子量の芳香族ポリスルホンを得るためには95〜1
05モル%の範囲内で使用するのが好ましい。
【0014】本発明に使用される芳香族ポリスルホンフ
ィルムは、上記芳香族ポリスルホンを単独もしくは過半
数有する樹脂、すなわち51〜100重量%含有し、ポ
リエーテルイミドあるいはポリエーテルケトンを49〜
0重量%含む樹脂から形成される。この場合、より好ま
しくは芳香族ポリスルホンが60〜100重量%、ポリ
エーテルイミドあるいはポリエーテルケトンが40〜0
重量%である樹脂から形成される。芳香族ポリスルホン
が51重量%未満である場合には、耐熱性が低下し、例
えば電子材料用フィルムとして要求される物性を満たさ
なくなり好ましくない。
【0015】上記樹脂に必要に応じて含有されるポリエ
ーテルイミドは、下記一般式(XVII)で表されるものを
使用することができる。
【0016】
【化5】
【0017】(上記一般式中、aは1以上の整数であ
り、好ましくは10〜10,000であり、基−O−R
1<は、
【0018】
【化6】
【0019】から選択される。ここでR4は水素、低級
アルキル基または低級アルコキシ基であり、好ましくは
ポリエーテルイミドは下記式(XVII')
【0020】
【化7】
【0021】であるように、R4が水素である、第3番
目の−O−R1<を含む。−O−R2−O−の2価結合
は、上記式(XVII')中の2つのフェニル基に対し、
3,3’;3,4’;4,3’あるいは4,4’位置に
あり、R2は2価の有機基からなる、(1)群
【0022】
【化8】
【0023】および(2)群
【0024】
【化9】
【0025】から選択される。(2)群において、R5
は下記の群
【0026】
【化10】
【0027】から選択され、bは0あるいは1であり、
cは1〜5の整数である。R3は、(a)炭素原子数6
〜20を有する芳香族炭化水素基およびそれらのハロゲ
ン化誘導体;(b)炭素原子数2〜20を有するアルキ
レン基およびシクロアルキレン基、および炭素数2〜3
を有するアルキレン基が末端に位置する、ポリジオルガ
ノシロキサン;および(c)下記式
【0028】
【化11】
【0029】で表され、R6が下記の群
【0030】
【化12】
【0031】から選択され、dが1〜5の整数である2
価の有機基である。
【0032】本発明の目的のため、特に好ましいポリエ
ーテルイミドは−O−R1<およびR2がそれぞれ
【0033】
【化13】
【0034】であり、R3
【0035】
【化14】
【0036】から選択されたポリエーテルイミドであ
る。R3がメタフェニレンであるポリエーテルイミドが
最も好ましい。
【0037】上記樹脂中に必要に応じて含有されるポリ
エーテルケトンとしては、下記式(XVIII)
【0038】
【化15】
【0039】で表される反復単位、およびこれに下記に
示す他の反復単位
【0040】
【化16】
【0041】を含む構造のものが挙げられるが、特に、
上記式(XVIII)の反復単位を単独で含むポリエーテル
ケトンが好適に用いられる。
【0042】本発明の芳香族ポリスルホンフィルムを製
造するには、通常の押出機により加熱溶融する、Tダイ
押出法、および有機溶剤に溶解した樹脂溶液を、流延法
により成膜してから該有機溶剤を揮発させる方法、を用
いればよい。ただし、芳香族ポリスルホンおよびポリエ
ーテルケトンから組成されるフィルムの製造において
は、ポリエーテルケトンを溶解する溶剤がないため、流
延法によるフィルム化はできない。
【0043】押出法による、芳香族ポリスルホンを含む
樹脂のフィルム化においては、押出機のバレル温度は通
常、280〜420℃、好ましくは300〜400℃に
設定され、またダイ温度は通常、300〜450℃、好
ましくは320℃〜400℃に設定される。400℃以
上の高温では、芳香族ポリスルホンの分解が起こるた
め、400℃以下で成膜するのが好ましい。押出機から
押し出された高温フィルムは、回転ドラム等の移動表面
において100〜260℃の範囲の温度に急冷し、巻取
り装置へ送り込み、フィルムを得る。該巻取り装置の巻
取り速度は、製造装置の能力にもよるが、厚みにおける
精度に優れ、表面性の良好なフィルムを得るためには、
50m/min以下の速度が好ましく、より好ましくは
20m/min以下である。
【0044】押出機による、芳香族ポリスルホン、およ
びポリエーテルイミドあるいはポリエーテルケトンを含
む樹脂のフィルム化においては、芳香族ポリスルホン、
およびポリエーテルイミドおよびポリエーテルケトンを
それぞれ別々に押出機に供給するか、あるいはあらかじ
めこれらを溶融混合機で混合してから押出機に供給する
ことが可能である。
【0045】芳香族ポリスルホン−ポリエーテルアミド
の混合系における、押出機のバレル温度は通常、260
〜420℃、好ましくは280〜400℃に設定され、
ダイ温度は通常、300〜420℃、好ましくは320
〜400℃に設定される。その後、100〜220℃の
範囲に設定された回転ドラム等の移動表面に供給され、
急冷されてフィルムとなる。
【0046】芳香族ポリスルホン−ポリエーテルケトン
の混合系における、押出機のバレル温度は通常、330
〜420℃、好ましくは350〜400℃に設定され、
ダイ温度は通常、340〜420℃、好ましくは350
〜400℃に設定される。その後、100〜260℃の
範囲に設定された回転ドラム等の移動表面に供給され、
急冷されてフィルムとなる。
【0047】流延法による、芳香族ポリスルホンを含む
樹脂のフィルム化においては、有機溶剤として、クロロ
ホルム、塩化メチレンおよびジクロロエタン等のハロゲ
ン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドおよびN−メチルピロリドン等のアミド系溶剤が好適
に用いられるが、特に好ましくはジメチルホルムアミド
である。この場合、該有機溶剤に溶解する樹脂の濃度
は、目的とするフィルムの厚みにもよるが樹脂溶液中3
0重量%以下が好ましい。樹脂の溶解性および溶剤の作
業性を考慮すると、より好ましくは20重量%以下であ
る。該樹脂溶液は通常用いられるドラムコーターおよび
ベルトコーター上に流延され、乾燥後フィルム化され
る。乾燥温度は段階的に上昇させるのが好ましく、厳密
には、残留有機溶剤を含む樹脂のガラス転移温度を越え
ない温度で上昇させることにより、最も効率的なフィル
ム化が可能となる。さらに、該フィルムをコーターから
引き流し、該フィルムの両面に熱風を吹き付け乾燥さ
せ、残留溶剤を1重量%以下にする工程が必要である
が、この場合の熱風温度は、該フィルムのガラス転移温
度以上、好ましくは260〜280℃とする。残留溶剤
が1重量%以上残留すると、物性が低下するため、好ま
しくない。
【0048】芳香族ポリスルホン−ポリエーテルイミド
の混合系においても、上記流延法と同様の方法によるフ
ィルム化が可能であり、有機溶剤としては、トリクロロ
エタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン等のハ
ロゲン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセト
アミド、N−メチルピロヒドリン等のアミド系溶剤が好
適に用いられるが、特に好ましくはジメチルアセトアミ
ドである。
【0049】得られたフィルムは、必要に応じて延伸す
ることができる。押出法においては、押出速度と巻取り
速度をコントロールすることにより、任意の倍率に延伸
されたフィルムを得ることができる。市販の二軸延伸機
を用いた二軸延伸もまた可能である。延伸倍率は、目的
および用途にもよるが、加工性および厚みにおける精度
等を考慮すると5倍以下の延伸倍率が好ましい。
【0050】本発明における芳香族ポリスルホンフィル
ムの厚みは、目的および用途によって任意に選べるが、
制御および加工が可能な厚みの限界は、フィルムの製造
法による。押出法によるフィルム化においては、Tダイ
の開口部の幅、押出速度および巻取り速度を制御して、
任意の厚みを有するフィルムを得ることができるが、厚
みにおける、精度および表面性が充分に制御され、かつ
欠損のない良好なフィルムを安定に供給するには、1〜
500μmのフィルム厚にするのが好ましく、より好ま
しくは、5〜200μmである。流延法におけるフィル
ム化では、厚みが薄すぎるとコーターの上からフィルム
を引き剥す際、破損し易くなることや、また厚すぎると
残留溶剤が残り易くなることを考慮するとフィルム厚は
1〜200μmが好ましく、より好ましくは5〜100
μmである。
【0051】フィルムの滑り性を改良するため、ケイ酸
アルミナ、酸化ケイ素、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、炭酸リチウム、炭酸バリウム、酸化チタンおよび
酸化マグネシウム等の不活性無機粒子を、上記樹脂中に
あらかじめ添加しておくことも可能である。本発明のフ
ィルムはまた、必要に応じて表面コートおよび表面処理
を施しても差し支えない。
【0052】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例に基づい
て説明するが、これをもって本発明を制限するものでは
ない。なお、本実施例および比較例で得られるフィルム
は、以下の方法に基づいて諸特性を評価した。
【0053】〔フィルムの評価〕 1.耐熱性 示差走査熱量計を用いて、実施例および比較例で得られ
たフィルムのガラス転移温度を測定した(窒素気流下、
昇温度20℃/min)。さらに260℃のハンダごて
を30分間接触させて、フィルム形状変化を調べた。
【0054】2.耐薬品性試験 フィルムに1%のひずみを加えた状態で、実施例および
比較例で得られたフィルムをアセトンに浸漬し、1時間
後の形状変化を調べた。
【0055】(実施例1)攪拌機、ガス導入管、温度計
および先端に受器を付した凝縮器を備えた重合反応容器
内に、4-クロロ-4'-(p-ヒドロキシフェニル)ジフェニ
ルスルホン100重量部、無水炭酸カリウム22.1重
量部、およびスルホラン290重量部を仕込み、窒素置
換を行った。次に窒素雰囲気下、攪拌および昇温を開始
し、220℃で1時間、230℃で30分、240℃で
3時間、反応系内の温度を保持しながら反応を行った。
反応終了後、反応液を室温まで冷却し、反応液中に析出
した塩化カリウム濾別除去し、濾液を多量のメタノール
中に注いでポリマーを析出させた。得られたポリマーの
還元粘度は0.4dl/g(30℃、ジメチルホルムア
ミド中、1g/dl)であった。
【0056】バレル温度380℃、およびダイ温度40
0℃に制御された押出機に、上記芳香族ポリスルホンを
押出し、220℃に表面温度を設定した回転ドラムで急
冷した。フィルムを2m/minの巻取り速度で巻取り
装置へ送り込み、厚みが100μmのフィルムを得た。
得られたフィルムの、上記評価における結果を表1に示
す。
【0057】(実施例2)攪拌機、ガス導入管、温度計
および先端に受器を付した凝縮器を備えた重合反応容器
内に、4-クロロ-4'-(p-ヒドロキシフェニル)ジフェニ
ルスルホン100重量部、4-クロロ-4'-ヒドロキシジフ
ェニルスルホン77.9重量部、無水炭酸カリウム4
4.1重量部、スルホラン290重量部を仕込み、窒素
置換を行った。次に窒素雰囲気下、攪拌および昇温を開
始し、220℃で1時間、230℃で30分、240℃
で3時間、反応系内の温度を保持しながら反応を行っ
た。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、反応液中に
析出した塩化カリウム濾別除去し、濾液を多量のメタノ
ール中に注いでポリマーを析出させた。得られたポリマ
ーの還元粘度は0.42dl/g(30℃、ジメチルホ
ルムアミド中、1g/dl)であった。
【0058】得られた樹脂を、実施例1と同様の方法で
フィルム化した。得られたフィルムの、上記評価におけ
る結果を表1に示す。
【0059】(比較例1)芳香族ポリスルホンに、ビク
トレックスPES(ICI社製、4100G)を用いた
以外は、実施例1と同様の方法でフィルムを製造した。
得られたフィルムの、上記評価における結果を表1に示
す。
【0060】
【表1】
【0061】表1においてAおよびBは以下の事柄を示
す。
【0062】A:反復単位
【0063】
【化17】
【0064】のモル分率 B:反復単位
【0065】
【化18】
【0066】のモル分率 (実施例3〜5、比較例2)30lの攪拌槽に、N,N
−ジメチルアセトアミド(以下、DMACと略記する)
19.25kgを仕込み、室温でポリエーテルイミド
5.75kgを徐々に添加し、10時間攪拌してポリエ
ーテルイミドを完全に溶解し、ポリエーテルイミド溶液
を得た。次にこのポリエーテルイミド溶液の一部を、2
00gずつ攪拌装置付フラスコに分割し、ポリエーテル
イミドに対し、実施例1に記載の方法で調製した芳香族
ポリスルホンを表2の割合となるように加え、室温で5
時間攪拌し、混合した。この時溶液濃度が5重量%とな
るようにDMACを追加した。
【0067】この混合液をドクターナイフでガラス板上
にキャストし、120℃で10分間熱風乾燥機中で乾燥
した。この半乾燥フィルムを金属枠に固定し、さらに1
20℃から180℃まで20分間で加熱昇温し、最後に
260℃で10分間、熱処理を行い、100μmの厚み
のフィルムを得た。得られたフィルムの、上記評価にお
ける結果を表2に示す。
【0068】(実施例6〜8、比較例3)実施例2に記
載の方法で調製した芳香族ポリスルホンを用いた以外
は、実施例3〜5および比較例2と同様の方法でフィル
ムを製造した。得られたフィルムの、上記評価における
結果を表2に示す。
【0069】(比較例4)芳香族ポリスルホンに、ビク
トレックスPES(ICI社製、4100G)を用いた
以外は、実施例3〜5および比較例2と同様の方法でフ
ィルムを製造した。得られたフィルムの、上記評価にお
ける結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】表2においてA、Bおよび※は以下の事柄
を示す。
【0072】A:反復単位
【0073】
【化19】
【0074】のモル分率 B:反復単位
【0075】
【化20】
【0076】のモル分率 ※:芳香族ポリスルホン/ポリエーテルイミドの重量比 (実施例9〜11、比較例5)実施例1に記載の方法で
調製した芳香族ポリスルホン、およびポリエーテルケト
ン(ICI社製、ビクトレックスPEEK)を表3に示
す割合で、ブラベンダープラストグラフ押出機で混練
し、ペレット化した。得られた組成物を、バレル温度3
80℃、およびダイ温度400℃に制御された押出機に
押し出し、220℃に表面温度を設定した回転ドラムで
急冷した。フィルムを2m/minの巻取り速度で巻取
り装置へ送り込み、厚みが100μmのフィルムを得
た。得られたフィルムの、上記評価における結果を表3
に示す。
【0077】(実施例12〜14、比較例6)実施例2
に記載の方法で調製した芳香族ポリスルホンを用いた以
外は、実施例9〜11および比較例5と同様の方法でフ
ィルムを製造した。得られたフィルムの、上記評価にお
ける結果を表3に示す。
【0078】(比較例7)芳香族ポリスルホンに、ビク
トレックスPES(ICI社製、4100G)を用いた
以外は、実施例9〜11および比較例5と同様の方法で
フィルムを製造した。得られたフィルムの、上記評価に
おける結果を表3に示す。
【0079】
【表3】
【0080】表3においてA、Bおよび※は以下の事柄
を示す。
【0081】A:反復単位
【0082】
【化21】
【0083】のモル分率 B:反復単位
【0084】
【化22】
【0085】のモル分率 ※:芳香族ポリスルホン/ポリエーテルイミドの重量比 (比較例8)芳香族ポリスルホンを使用せず、ポリエー
テルイミドのみを用いた以外は、実施例3〜5および比
較例2と同様にしてフィルムを製造した。得られたフィ
ルムの、上記評価における結果を表4に示す。
【0086】(比較例9)芳香族ポリスルホンを使用せ
ず、ポリエーテルケトンのみを用いた以外は、実施例9
〜11および比較例5と同様にしてフィルムを製造し
た。得られたフィルムの、上記評価における結果を表4
に示す。
【0087】
【表4】
【0088】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よって得られた芳香族ポリスルホンフィルムは、従来の
芳香族ポリスルホンからなるフィルムに比較して、耐熱
性および耐薬品性に優れ、かつ透明性を備えている。こ
のフィルムは、製造方法も通常の方法で実施することが
でき、工業上、有利である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 79:08)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) で示される繰り返し単位
    00モル%からなる芳香族ポリスルホン、あるいは、
    記一般式(I) で示される繰り返し単位を50〜99モル
    %および下記一般式(II)〜(XVI) で示される繰り返し単
    位のうちいずれか1つを50〜1モル%含有する芳香族
    ポリスルホン(ただし、式(XIII)において、−O−SO
    2 −は、−O−S(=O) 2 −結合を表す。)であっ
    て、ジメチルホルムアミド中、濃度1g/dl、温度3
    0℃において測定した還元粘度が、0.35dl/g以
    上0.6dl/g以下である芳香族ポリスルホンを51
    〜100重量%含有し、ポリエーテルイミドあるいはポ
    リエーテルケトンを49〜0重量%含有する樹脂からな
    ることを特徴とする、芳香族ポリスルホンフィルム。 【化1】 【化2】
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