JPH06329849A - 高透明性エチレン系樹脂フィルム - Google Patents

高透明性エチレン系樹脂フィルム

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JPH06329849A
JPH06329849A JP13904093A JP13904093A JPH06329849A JP H06329849 A JPH06329849 A JP H06329849A JP 13904093 A JP13904093 A JP 13904093A JP 13904093 A JP13904093 A JP 13904093A JP H06329849 A JPH06329849 A JP H06329849A
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隆 阿部
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勝彦 林
Masazumi Sonoda
雅澄 園田
Katsuhiro Kawamura
佳都宏 河村
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Abstract

(57)【要約】 【構成】短鎖分岐型直鎖状低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体50〜95重量部と長鎖分岐型エチレン系
重合体50〜5重量部との樹脂成分100重量部に、平
均2次粒子径が約5μm以下、BET比表面積が約30
2 /g以下の次式I:(M2+1-x Alx (OH)2
(An-x/n ・mH2 O (I) (式中、M2+=Mg,Znの2価金属イオン、An-=n
価のアニオン、0<x<0.5、0≦m≦2)のハイド
ロタルサイト0.05〜1重量部を配合した組成物から
製造した高透明性エチレン系樹脂フィルム。 【効果】安価で、強度が高く、耐熱性、耐寒性、耐水
性、耐薬品性、耐衝撃性、耐突き刺し性、ヒートシール
性に優れ、フィルムの腰があり、高透明である。各種物
品の包装、プラスチック封筒、テープ、ディスプレイ用
として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高透明性エチレン系樹脂
フィルムに関するものである。本発明のフィルムは、物
品、例えば食品、衣料、野菜、果物、花卉、雑貨、文房
具、家庭用品、機械部品、電子部品、玩具、医薬品、農
薬、コイン、電池、カード等の包装、プラスチック封筒
テープ、ディスプレイ等の分野に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、透明フィルムとしてはポリエステ
ル、ナイロン、ポリカーボネート、ビニロン、ポリスチ
レン、セロファン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン等を素材とするものがあるが、これらのう
ち、ポリエチレン系フィルムが柔軟性、引張強度、透明
性、耐水性、加工性等にすぐれ、かつ最も安価なので、
各種包装資材として最も大量に使用されている。ポリエ
チレン系フィルムの素材のうち、高圧ラジカル重合法に
より製造したポリエチレンは透明性が比較的高く、加工
性もよいので、大量に使用されているが、機械的強度が
劣るため、主として軽包装用に使われている。近年、重
合触媒や重合方法の進歩により、クロム系触媒、バナジ
ウム系触媒、チタン系触媒、チーグラー系触媒、フィリ
プス系触媒の存在下に低圧の気相法、液相法または溶液
法で、エチレンを主成分としてこれにブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、ノネン−1、デセン−1、4−メチル−ペンテン−
1等を2〜10重量%共重合させた密度0.910〜
0.940g/mlの直鎖状低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体(以下、LLDPEとも記載する)が製
造されるようになった。これらは従来の高圧ラジカル重
合法による長鎖分岐型エチレン系重合体に比べ、引張強
度、衝撃強度、剛性、ヒートシール強度等において優れ
ているので、硫安や尿素等の肥料、カプロラクタムや界
面活性剤等の工業薬品、米、麦、トウモロコシ、大豆等
の米穀類等の重包装用袋または薄肉フィルムの形態で食
品、雑貨等の軽包装用袋として使用されている。しかし
ながら、上記LLDPEは、高圧ラジカル重合法による
長鎖分岐型エチレン系重合体に比べ、やや透明性が劣る
ため、高透明性が要求される用途分野では利用されてい
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、各産業分野にお
いて、高品質で、かつ低価格の包装資材が要求されてお
り、ポリエチレン系フィルムにも高強度、高透明および
低価格であることが要求されているが、この要求を満足
するには、長鎖分岐型エチレン系重合体では高強度の点
で対応できず、高密度ポリエチレンでは透明性の点で対
応できないため、高強度であるが、透明性にやや劣るL
LDPEを何らかの方法で、その透明性を大幅に改良す
ることが望まれている。そこで、本発明は、LLDPE
を主成分とする、透明性が水冷フィルムに匹敵し、かつ
加工性、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性、耐低温性、耐
薬品性、柔軟性および取扱い性等にすぐれた高透明性エ
チレン系樹脂フィルムの提供を課題としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、LLDP
Eの透明性を改良するため、LLDPEより透明性のす
ぐれた長鎖分岐型エチレン系共重合体をLLDPEに配
合した混練物からフィルムを製造したところ、透明性が
高まることを見出し、これを商品化した。しかし、需要
家の更なる透明化への要求は厳しく、それに応えるた
め、LLDPEと長鎖分岐型エチレン系共重合体との樹
脂成分に数多くのポリマー、有機化合物、無機化合物か
ら選択された化合物を配合してフィルムを製造し、その
透明性を検討したところ、特定の無機化合物を特定量配
合した場合に、良好な結果が得られることを見出し、さ
らに研究を重ね本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明は、密度0.910〜
0.940g/ml、メルトインデックス0.5〜5g
/10分の短鎖分岐型直鎖状低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体50〜95重量部と、高圧ラジカル重合
法で製造された密度0.915〜0.942g/ml、
メルトインデックス0.5〜10g/10分の長鎖分岐
型エチレン系重合体50〜5重量部とからなる樹脂成分
100重量部に、平均2次粒子径が約5μm以下で、か
つBET比表面積が約30m2 /g以下である次式I: (M2+1-x Alx (OH)2 (An-x/n ・mH2 O (I) (式中、M2+はMgまたはZnの2価金属イオンを表
し、An-はn価のアニオンを表し、そしてxおよびmは
下記の条件:0<x<0.5,0≦m≦2を満たす数値
を表す)で表されるハイドロタルサイト0.05〜1重
量部を配合した樹脂組成物から製造した高透明性エチレ
ン系樹脂フィルムに関する。
【0006】本発明における密度0.910〜0.94
0g/ml、メルトインデックス0.5〜5g/10分
の短鎖分岐型直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体(LLDPE)とは、公知の方法により、すなわ
ち主触媒として遷移金属化合物(例えばチタン、バナジ
ウム等の化合物)、助触媒として有機金属化合物(例え
ば有機アルミニウム)、担体(例えば、ケイ素、チタ
ン、マグネシウム等の酸化物または塩化物)からなるチ
ーグラー系触媒、クロム系触媒等の存在下で、エチレン
とα−オレフィンを中圧または低圧下で重合させて得ら
れる。α−オレフィンはプロピレン、ブテン−1、ペン
テン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、ノネン−1、デセン−1、4−メチルペンテン−1
等が好適である。また、重合はスラリー重合、気相重
合、高温溶解重合等の種々の方法により行われる。本発
明において使用されるLLDPEは密度が0.910〜
0.940g/mlであるが、これは0.910g/m
l未満ではフィルムのブロッキングが起こり、0.94
0g/mlを越えると透明性、柔軟性が悪化し望ましく
ないことによる。また、LLDPEのメルトインデック
スは0.5〜5g/10分であるが、これは0.5g/
10分未満ではフィルムの加工性が悪く、5g/10分
を越えるとフィルムの機械的特性が悪化し望ましくない
ことによる。
【0007】本発明における高圧ラジカル重合法で製造
された密度0.915〜0.942g/ml、メルトイ
ンデックス0.5〜10g/10分の長鎖分岐型エチレ
ン系重合体とは、エチレン単独またはエチレンと他のα
−オレフィン、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、ノネ
ン−1、デセン−1、テトラデセン−1、オクタデセン
−1等、または他の不飽和基含有単量体、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、第三ブ
チルスチレン、アリルベンゼン、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレン、フッ化ビニル、塩化ビニル、臭化ビ
ニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン、臭化ビニリ
デン、四フッ化エチレン、三フッ化エチレン、クロロト
リフルオロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸、イタコン酸、メチレングルタル酸、無水イタコン
酸、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、エチ
ルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン、メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニ
ルエーテル、ビニルチオエーテル、アクリロニトリル、
アクリルアミド、アクリルジメチルアミド、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレート、グリセリンメタクリレート、アクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、
メタクリル酸アリル、エチレングリコールジアクリレー
ト、ジビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、N−ビ
ニルイミダゾール、エチルマレイミド、N−ビニルフタ
ルイミド、ビニルピリジン、N−ビニルカルバゾール、
N−ビニル−N−メチルアセタミド、N,N−ジメチル
アミノエチルアクリレート、第三ブチルアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、第三ブチルアミノエチルメタク
リレート、ビニルサルファイド、トリメトキシビニルシ
ラン、トリエトキシビニルシラン、γ−メタクリロプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ジ
フェニルメチルビニルシラン等とを共重合して得た樹脂
であり、代表的なものとしては高圧法ポリエチレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体(EEA)、アイオノマー、エ
チレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)等
が挙げられる。本発明において使用される長鎖分岐型エ
チレン系重合体の密度は0.915〜0.942g/m
lであるが、これは0.915g/ml未満では機械的
強度、ヒートシール強度が低下し、フィルムのブロッキ
ングが起こり、そしてエチレンホモポリマーの場合は
0.93g/ml未満のものしか製造できず、エチレン
と他のモノマーとの共重合体の場合は密度が高いものま
で製造できるが、0.942g/mlを越えるものはコ
モノマーの含有量が多く、ブロッキングを起こし望まし
くないことによる。また、この重合体のメルトインデッ
クスは0.5〜10g/10分であるが、これは0.5
g/10分未満では加工性、透明性が悪化し、10g/
mlを越えるものはフィルムの機械的強度、ヒートシー
ル強度等が低下し、しかもブロッキングを起こし望まし
くないことによる。
【0008】本発明においては上記LLDPE50〜9
5重量部と長鎖分岐型エチレン系重合体50〜5重量部
とを合計100重量部となるように配合して樹脂成分と
する。LLDPEが50重量部未満であると、フィルム
の機械的強度、耐衝撃強度、フィルムの腰等においてL
LDPEの好ましい性能が得られず、また、95重量%
を越えるとフィルムの透明性、加工性等が改良されず望
ましくない。
【0009】本発明においてハイドロタルサイトとは、
平均2次粒子径が約5μm以下で、かつBET比表面積
が約30m2 /g以下である次式I: (M2+1-x Alx (OH)2 (An-x/n ・mH2 O (I) (式中、M2+はMgまたはZnの2価金属イオンを表
し、An-はn価のアニオンを表し、そしてxおよびmは
下記の条件:0<x<0.5,0≦m≦2を満たす数値
を表す)で表されるものである。上記式Iにおいて、A
n-で表されるn価のアニオンとして以下のものを例示で
きる:Cl- 、Br- 、I- 、NO3 - 、ClO4 -
SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HBO
3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(C
N)4 4-、CH3 COO- 、C6 4 (OH)CO
- 上記ハイドロタルサイトは、平均2次粒子径が約5μm
以下、例えば約0.1μm〜約5μm、好ましくは約4
μm以下、より好ましくは約3μm以下、特に約2μm
以下であり、BET比表面積が約30m2 /g以下、例
えば約1ないし約30m2 /g、好ましくは約25m2
/g以下である。これらの平均2次粒子径条件およびB
ET比表面積条件を逸脱したハイドロタルサイトの利用
は、可視光線の透過率に実質的な悪化を伴い、さらにフ
ィルムの成形適性および物性に悪影響を与える傾向があ
るので、本発明では上記平均2次粒子径条件およびBE
T比表面積条件を充足する式Iで表されるものが使用さ
れる。なお、本発明において、平均2次粒子径は下記測
定法によって決定される。約2〜3mgの試料をガラス
板上に採取し、次にこの上に適当量の分散媒(商品名:
デイスライト)を添加し、スパーテルで両者を十分に混
練する。その後、この系に少量のシクロヘキサノールを
添加し希釈する。この希釈液の1滴をスライドグラスに
採取し、その上をカバーグラスで覆う。このようにして
得られた試料を顕微鏡に設置し、その像をテレビ画像に
移し、粒子の最大径ごとの数を自動的に計数させる。各
試料につき異なった視野を20選び同様の操作を繰り返
し、それらの平均をとり、その試料の平均2次粒子径と
する。本発明において、LLDPEと長鎖分岐型エチレ
ン系重合体とからなる樹脂成分100重量部に対してハ
イドロタルサイトは0.05〜1重量部配合するが、こ
れは0.05重量部未満であると、透明化効果を発現せ
ず、1重量部を越えるとフィルムの透明性が逆に阻害さ
れるからである。
【0010】本発明において使用される樹脂組成物には
他の公知添加剤、例えば耐候性改良剤、酸化防止剤、加
工性改良剤、帯電防止剤、防曇剤、スリップ剤、滑剤、
離型剤、アンチブロッキング剤、鮮度保持剤、染料、顔
料、難燃剤、芳香剤、防黴剤等を配合してもよい。
【0011】本発明における樹脂組成物は、LLDP
E、長鎖分岐型エチレン系重合体およびハイドロタルサ
イト、それに所望によりその他の添加剤を押出機、ニー
ダー、バンバリーミキサーまたはブスコニーダー等で十
分加熱混練して得られる。また、本発明の高透明性フィ
ルムを製造する方法としては、上記のようにして得た樹
脂組成物を押出機により溶融し、ダイより押出した後、
空冷または水冷によるインフレーション法または冷却ロ
ールを使用したTダイキャスト法を挙げることができ
る。本発明の高透明性フィルムの厚さは特に制限されな
いが、5〜100μmが適当である。これは5μm未満
では強度が不十分になりやすく、100μmを越えると
透明性が悪くなる傾向があるからである。
【0012】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれらに制限されるものではな
い。 実施例1 a.原料樹脂組成物の調製 密度0.923g/ml、メルトインデックス0.8g
/10分のLLDPE(日本ユニカー製,ユニポール法
で製造)70重量部、密度0.923g/ml、メルト
インデックス0.8g/10分の長鎖分岐型エチレン系
重合体(日本ユニカー製,高圧ラジカル重合法で製造)
30重量部、平均2次粒子径0.4μm、BET比表面
積15m2 /g、化学組成Mg0.66Al0.34(OH)2
(SiO3 2-0.17・0.52H2 Oのハイドロタルサ
イト(協和化学製)0.4重量部、エルシン酸アミド
0.07重量部、ステアリン酸アミド0.03重量部、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(商品名:Irganox
1010)0.05重量部およびリン系酸化防止剤(商品
名:Sandstab P-EPQ)0.05重量部をバンバリーミキ
サーにより160℃で10分間混練した後、造粒機によ
り直径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットを得た。 b.インフレーションフィルムの製造 下記の装置および加工条件で空冷法により厚さ30μm
のインフレーションフィルムを製造した。 (1)押出装置:φ40mmのインフレーションフィル
ム製造装置(株式会社プラコー製) (2)ダイ:φ75mmのダイ(ダイギャップ=2.5
mm,押出温度=180〜220℃,モダンマシナリー
株式会社製) (3)冷却装置:シングルリップストレートおよびコニ
カルカラー付き (4)吐出量:15kg/時間 (5)フロストライン:200mm (6)膨張比:2.0 c.フィルムの評価 (1)加工性:良好。バブル安定性があり、膜厚精度が
一定である。 (2)曇り度(ASTM D1003に準拠):2.8
%(非常に良好) (3)光沢(ASTM D2457に準拠):入射角4
5°の場合、85(良好) (4)引張強度(ASTM D882に準拠):縦方向
360kg/cm2 ,横方向305kg/cm2 (5)伸び(ASTM D882に準拠):縦方向64
0%,横方向860% (6)降伏点強度(ASTM D882に準拠):縦方
向155kg/cm2 ,横方向120kg/cm2 (7)1%シーカントモジュラス(腰の強さ,ASTM
D882に準拠):縦方向1700kg/cm2 ,横
方向2150kg/cm2 (8)引裂強度(ASTM D1004に準拠):縦方
向89kg/cm,横方向195kg/cm (9)FAR(フィルム外観,NUC法に準拠:フィル
ム面積1.8m2 中のフィッシュアイまたはレンズの数
(X)を測定し、(100−X)をFAR値とする:6
0(良好) (10)耐突き刺し性(NUC法に準拠:インストロン
タイプの押出試験機を用い1mmの針で押して突き刺
し、破れたときの荷重を測定):180g (11)ブロッキング防止性:20g/100cm2 (12)ヒートシール強度(140℃,シール幅5m
m,荷重1kg,シール時間1秒):1400g/15
mm
【0013】比較例1 実施例1において長鎖分岐型エチレン系重合体およびハ
イドロタルサイトを用いずに、そしてブロッキング防止
剤としてタルクを0.4重量部配合した以外は実施例1
と同様の操作を行ったところ、曇り度が8.0%で、透
明性が悪かった。また、ブロッキング防止剤(タルク)
を実施例1におけるハイドロタルサイトと等量配合した
にもかかわらず、ブロッキング防止性が未だ不十分であ
った。さらに、このブロッキング防止剤を配合しなかっ
た場合は透明性がやや向上したものの、ブロッキングを
起こし、フィルムとしての商品価値はなかった。
【0014】比較例2 実施例1においてハイドロタルサイトを用いずに、そし
てブロッキング防止剤としてタルクを0.4重量部配合
した以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、曇り
度が4.5%で、透明性は比較例1のものより向上した
が、従来のポリプロピレンフィルムが約3%であるの
で、そのレベルには達していない。ブロッキング防止剤
を配合しなかった場合は透明性がやや向上したものの、
ブロッキングを起こし、フィルムとしての商品価値はな
かった。
【0015】実施例2 a.原料樹脂組成物の調製 密度0.921g/ml、メルトインデックス0.8g
/10分のLLDPE(日本ユニカー製,ユニポール法
で製造)80重量部、密度0.923g/ml、メルト
インデックス3.2g/10分の長鎖分岐型エチレン系
重合体(日本ユニカー製,高圧ラジカル重合法で製造)
20重量部、平均2次粒子径3.7μm、BET比表面
積4.3m2 /g、化学組成Mg0.66Al0.34(OH)
2 (CO3 2-0.17・0.52H2 Oのハイドロタルサ
イト(協和化学製)0.3重量部、エルカ酸アミド0.
15重量部、ステアリン酸アミド0.03重量部、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤(商品名:Irganox 101
0)0.05重量部およびリン系酸化防止剤(商品名:S
andstab P-EPQ)0.05重量部をバンバリーミキサー
により160℃で10分間混練した後、造粒機により直
径3mm、長さ3mmの円柱状ペレットを得た。 b.インフレーションフィルムの製造 実施例1と同様φ40mmのインフレーションフィルム
製造装置を使用し、同一加工条件で厚さ30μmのフィ
ルムを製造した。 c.フィルムの評価 (1)加工性:良好 (2)曇り度(ASTM D1003に準拠):2.3
%(非常に良好) (3)光沢(ASTM D2457に準拠):入射角4
5°の場合、80(良好) (4)引張強度(ASTM D882に準拠):縦方向
525kg/cm2 ,横方向295kg/cm2 (5)伸び(ASTM D882に準拠):縦方向49
0%,横方向820% (6)降伏点強度(ASTM D882に準拠):縦方
向160kg/cm2 ,横方向125kg/cm2 (7)1%シーカントモジュラス(腰の強さ,ASTM
D882に準拠):縦方向2440kg/cm2 ,横
方向3090kg/cm2 (8)引裂強度(ASTM D1004に準拠):縦方
向7kg/cm,横方向305kg/cm (9)FAR(フィルム外観,NUC法に準拠:フィル
ム面積1.8m2 中のフィッシュアイまたはレンズの数
(X)を測定し、(100−X)をFAR値とする:6
0(良好) (10)耐突き刺し性(NUC法に準拠:インストロン
タイプの押出試験機を用い1mmの針で押して突き刺
し、破れたときの荷重を測定):150g (11)ブロッキング防止性:15g/100cm2 (12)ヒートシール強度(140℃,シール幅5m
m,荷重1kg,シール時間1秒):1300g/15
mm
【0016】比較例3 実施例2においてハイドロタルサイトを用いずに、そし
てブロッキング防止剤としてタルクを0.3重量部配合
した以外は実施例2と同様の操作を行ったところ、曇り
度が4.6%、光沢が72となり、曇り度が約3%の従
来のポリプロピレンフィルムの透明性のレベルまで到達
しなかった。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明は、
透明性とブロッキング防止性に劣る性質をもつLLDP
Eフィルムを改良するため、LLDPEに長鎖分岐型エ
チレン系重合体と特定のハイドロタルサイトを配合した
ものである。長鎖分岐型エチレン系重合体は透明性、フ
ィルム成膜性を向上させるが、これだけでは高レベルの
透明性が得られず、特定のハイドロタルサイトをさらに
配合することにより、はじめてポリプロピレンフィルム
に匹敵またはそれ以上の高透明フィルムが得られる。こ
のような高透明フィルムが得られる理由は未だ詳らかで
はないが、現段階では次のように考えられる: (a)LLDPEフィルムはブロッキングが激しいの
で、タルク、シリカ等の無機系ブロッキング防止剤を配
合することが不可欠であったが、これらはフィルムの透
明性を悪化させる。しかし、本発明では触媒中和剤とし
てのハイドロタルサイトがブロッキング防止の役割をも
果たしているので、一般に使用されていたブロッキング
防止剤を配合せずにすみ、透明性が向上した。 (b)しかし、(a)だけの理由であれば、LLDPE
またはこれに長鎖分岐型エチレン系重合体を加えて製造
したフィルムの透明度と同様またはそれ以下になるはず
であるが、本発明では逆に透明性が格段に向上してい
る。これはハイドロタルサイトがLLDPEと長鎖分岐
型エチレン系重合体のマトリックス中で透明性の向上に
対して何らかの作用をしているものと予想される。ハイ
ドロタルサイトはポリエチレンフィルムの透光性を阻害
しないことは公知であったが、本発明は単に透光性を阻
害しないだけでなく、LLDPEと長鎖分岐型エチレン
系重合体から製造したフィルムの透明性を画期的に改良
したものであり、このような効果は本発明において初め
て確認されたものである。このように、本発明のエチレ
ン系樹脂フィルムは、LLDPEのすぐれた性能を維持
しつつ、透明性を格段に向上させたものであるので、安
価で、強度が高く、耐熱性、耐寒性、耐水性、耐薬品
性、耐衝撃性、耐突き刺し性、ヒートシール性にすぐ
れ、フィルムの腰があり、しかも高透明であるという種
々のすぐれた性能を併せ持つ。従って、本発明のフィル
ムは物品、例えば食品、衣料、野菜、果物、花卉、雑
貨、文房具、家庭用品、機械部品、電子部品、玩具、医
薬品、農薬、コイン、電池、カード等の包装、プラスチ
ック封筒、テープ、ディスプレイ等の広範囲の分野に好
適に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河村 佳都宏 神奈川県横浜市磯子区岡村4−16−24

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.910〜0.940g/ml、
    メルトインデックス0.5〜5g/10分の短鎖分岐型
    直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体50〜
    95重量部と、高圧ラジカル重合法で製造された密度
    0.915〜0.942g/ml、メルトインデックス
    0.5〜10g/10分の長鎖分岐型エチレン系重合体
    50〜5重量部とからなる樹脂成分100重量部に、平
    均2次粒子径が約5μm以下で、かつBET比表面積が
    約30m2 /g以下である次式I: (M2+1-x Alx (OH)2 (An-x/n ・mH2 O (I) (式中、M2+はMgまたはZnの2価金属イオンを表
    し、An-はn価のアニオンを表し、そしてxおよびmは
    下記の条件:0<x<0.5,0≦m≦2を満たす数値
    を表す)で表されるハイドロタルサイト0.05〜1重
    量部を配合した樹脂組成物から製造した高透明性エチレ
    ン系樹脂フィルム。
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