JPH06329820A - 耐水性ガスバリア材 - Google Patents
耐水性ガスバリア材Info
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- JPH06329820A JPH06329820A JP5125806A JP12580693A JPH06329820A JP H06329820 A JPH06329820 A JP H06329820A JP 5125806 A JP5125806 A JP 5125806A JP 12580693 A JP12580693 A JP 12580693A JP H06329820 A JPH06329820 A JP H06329820A
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Abstract
境に優しい廃棄処理あるいはリサイクリングが可能でコ
スト的にも安価であることは無論のこと、ガスバリア性
に優れ、かつ湿度による影響を受けにくく、耐水性、耐
ボイル性のあるガスバリア材を提供すること。 【構成】プラスチックからなる基材の少なくとも片面
に、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水
分解物と、水溶性高分子と、分子中に少なくとも2個以
上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と
の3元系複合物からなる被膜を有するガスバリア材であ
る。
Description
野に用いられるガスバリア材に関するものである。
アルコール(以下PVAと略記)、エチレン−ビニルア
ルコ−ル共重合体(以下EVOHと略記)、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂(以下PVDCと略記)等のガスバリア性
に優れた樹脂をラミネートしたりコーティングしたもの
が知られており、食品などの内容物の品質を長期保存す
るために包装材料として用いられている。
は温度、湿度依存性が大きく、高温あるいは高湿下で酸
素バリア性の低下が見られる、煮沸処理やレトルト処理
を行うとバリア性が著しく低下するなどの欠点がある。
ものの酸素バリア性が1cm3 /m 2 ・day・atm
以下のハイガスバリア材を実現するのは困難であり、し
かも膜中に塩素を多量に含有しているため、焼却処理や
リサイクリングなどの廃棄物処理に難点が多い。
るいはプラズマ化学気相成長(CVD)法などの真空プ
ロセスによってSiOx 等の無機化合物の被膜を設けた
バリア材が開発されている。
実現できないハイバリア性能を有しており、焼却処理さ
れても有毒ガスの発生することなく、また無機物の被膜
もその厚みが数百オングストロームと非常に薄く、樹脂
基材としてのリサイクリングも可能である。
ア層である無機の被膜が可とう性に欠ける、基材との密
着性が悪い、などから取扱いに注意を要する。また、こ
れらの真空プロセスでは装置が高価であったり、生産性
が悪かったりコスト的にかなり高価であるなどの欠点が
残されている。
に金属アルコキシドの被膜を設けたガスバリア材が提案
されている(特開昭62−295931号公報等)。
を有し、金属アルコキシドは無害なものであるので環境
に優しく、また被膜は薄いので廃棄処理あるいはリサイ
クリングが可能でコスト的にも安価である。
けたガスバリア材は、基材単体の場合と較べ、酸素バリ
ア性の向上は見られるものの、絶対的なガスバリア性の
点で満足がいくものではなかった。
点に鑑みてなされたもので、乱雑な取扱いにも耐え得る
可とう性を有し、環境に優しい廃棄処理あるいはリサイ
クリングが可能でコスト的にも安価であることは無論の
こと、ガスバリア性に優れ、かつ湿度による影響を受け
にくく、耐水性、耐ボイル性のあるガスバリア材を提供
することを目的とするものである。
プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、金属ア
ルコキシドあるいは金属アルコキシドの加水分解物と、
水溶性高分子と、分子中に少なくとも2個以上のイソシ
アネート基を有するイソシアネート化合物との3元系複
合物からなる被膜を有することを特徴とするガスバリア
材である。
明を前提とし、該金属アルコキシドあるいは金属アルコ
キシドの加水分解物中の金属が、Si、Alあるいは両
者の混合物であることを特徴とするガスバリア材であ
る。
求項2記載の発明を前提とし、該水溶性高分子がポリビ
ニルアルコールであることを特徴とするガスバリア材で
ある。
項3記載の発明を前提とし、該被膜中の金属アルコキシ
ドあるいは金属アルコキシドの加水分解物を金属酸化物
に換算したときの金属酸化物と水溶性高分子との重量比
率が、20:80〜95:5であって、かつイソシアネ
ート化合物の占める割合が全体の0.1〜20%である
ことをあることを特徴とするガスバリア材である。
材とは、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66
等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等、あるいはこれら
の高分子の共重合体などの通常の包装材料として用いら
れるものである。
えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤
などを含んだものであっても良い。
て詳細に説明する。本発明において用いられる金属アル
コキシドとは、テトラエチルオルソシリケート(Si
(OC2 H5 )4 )、トリプロピルアルミニウム(Al
(OC3 H7)3 ).など一般式M(OR)n (MはS
i,Ti,Al,Zrなどの金属、RはCH3 ,C2 H
5 などのアルキル基)で表せるものである。その中でも
MがSi,Alあるいは両者の混合物が種々の特性に優
れている。
ル、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ムなどである。その中でもポリビニルアルコール(PV
A)を用いた場合にバリア特性が最も優れている。ここ
でいうPVAとは一般に酢酸ビニルアルコールをけん化
して得られるもので、酢酸基が数十%程度残存している
いわゆる部分けん化PVAから数%以下しか残存してい
ない完全けん化PVAまでの総称であって、特に限定さ
れるものでない。
2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するもの
であって、代表的にはトリレンジイソシアネート(以下
TDIと略記),トリフェニルメタントリイソシアネー
ト(以下TTIと略記),イソホロンジイソシアネ−ト
(以下IPDIと略記),テトラメチルキシレンジイソ
シアネート(以下TMXDIと略記)などのモノマー類
と、これらの重合体や誘導体などである。
あるいはあらかじめ加水分解反応させたものを水溶性高
分子、イソシアネート化合物と混合して複合溶液を作成
し、基材にコーティングして形成させるものである。
その加水分解物を金属酸化物に換算したときの金属酸化
物と水溶性高分子との重量比率が20:80〜95:5
の範囲がバリア性、可とう性ともに優れている。さらに
イソシアネート化合物の占める割合は全体の0.1〜2
0%が望ましく、0.1%以下では耐水性の効果が薄
く、20%以上ではバリア性が著しく低下する。
ッピング法、ロールコティング法、スクリーン印刷法、
スプレー法、などいずれの方法を用いても良い。
ても異なるが、約0.01〜1000μmの範囲内であ
れば良い。しかし、50μm以上では膜にクラックが入
り易くなるため、0.01〜50μmの範囲内にあるこ
とがより望ましい。
上に、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性樹脂層
を積層したり、印刷層を設けたり、また複数の樹脂を接
着層を介して積層して使用することも出来る。
からなる基材の少なくとも片面に、金属アルコキシドあ
るいはその加水分解物とポリビニルアルコールなどの水
溶性高分子とイソシアネート化合物との3元系の複合被
膜を設けたことにより、ハイレベルのガスバリア性を有
し、かつ湿度の影響を受けにくいものである。
は実施例に記載の材料に限定されるものではない。
ト(Si(OC2 H5 )4 以下TEOSと略記)8.7
gに0.01Nの塩酸91.3gを加え30分撹拌した
加水分解溶液(SiO2 濃度3%)とポリビニルアルコ
ール(重合度2400,鹸化度98.5%)の3%水溶
液を重量比で60/40になるように混合して複合溶液
を作成した後、TDI、IPDI、TMXDI、TDI
およびTMXDIのトリマーの5種類のイソシアネート
化合物をイソプロピルアルコールで希釈したものを前記
複合溶液に固形分が重量比で5%になるように添加して
3元系複合溶液を作成した。これらの溶液を基材のポリ
エチレンテレフタレート(以下PETと略記)フィルム
(50μm,コロナ処理)の片面にバーコーターでコー
ティング後、乾燥機で120℃−10min乾燥して膜
厚0.3μmの被膜を形成し、試験体を得た。
ル処理を行い、その前後のガスバリア性を酸素透過度測
定装置(モダンコントロール社製MOCON OXTR
AN10/50A)を用い25℃−100%RH雰囲気
の条件で測定を行った。その結果を(表1)に示す。
ことで絶対的バリア性の低下は認められたが、ボイル後
のガスバリア性の低下を抑制することができた。
したSiO22%のTEOSの加水分解溶液とトリプロ
ピルアルミニウム(Al(OC3 H7 )3 以下TPAと
略記)を80℃の熱水中で溶解した後、塩酸を添加して
解膠させた固形分2%の加水分解溶液とPVA2%水溶
液を重量比で1/1/1の混合溶液を作成し、TMXD
Iを全固形分に対して重量比で0〜30%の範囲で所定
量添加して複合溶液を作成した。実施例1と同様にPE
Tにコーティングして膜厚0.2μmの被膜を形成し、
ボイル前後の酸素透過度の測定を行った。その結果を
(表2)に示す。
もにバリア性の低下が認められ、イソシアネ−ト化合物
が20%より多くなるとかなりの低下がみられた。ま
た、0.1%以下ではボイル後のバリア性の低下が著し
いが、0.1%以上ではほぼ低下が見られない被膜が得
られた。
OSとPVAの固形分3%で混合比が重量比で60/4
0と97/3の2種類の複合溶液を作成して、各々にI
PDIを固形分に対して2%になるように添加した溶液
を用いて、実施例1と同様にPET(フィルム厚50μ
m)に約0.3μm被膜を形成して試験体を得た。曲げ
による変形(曲率半径:1mm、PET表面の伸びが約
5%)を加えて、曲げ前後の酸素透過度の測定を行い可
とう性の評価を行った。比較例としてSiO(純度3
N、大阪チタニウム(株)製)を蒸着源として電子線加
熱方式による真空蒸着法によって膜厚0.2μmの被膜
を作成して同様の評価を行ったので合わせて結果を(表
3)に示す。
60/40の被膜はバリア性が良好で曲げ変形を印加し
てもバリア性の低下がみられず、可とう性にも優れてい
るが、組成比が97/3では元々のバリア性も悪いが、
曲げ変形後に著しい低下がみられた。また、蒸着被膜で
はバリア性は優れているが、変形後のバリア性の低下が
大きく、可とう性が著しく劣っていた。
スバリア材は、プラスチックからなる基材の少なくとも
片面に、金属アルコキシドあるいはその加水分解物とポ
リビニルアルコールなどの水溶性樹脂とイソシアネート
化合物との3元系複合被膜を設けたものであり、ハイレ
ベルのガスバリア性を有するとともに、耐水性にも優
れ、可とう性に優れるので、高湿度雰囲気あるいはボイ
ル処理や乱雑な取扱いにもバリア性を損なうことなく、
食品など内容物の長期保存を可能にするものである。ま
た、焼却されたとしても有毒ガス、有害物質を発生する
ことなく廃棄処理も可能であり、製造方法も簡単で特殊
な装置も必要としないので生産性も高く安価に製造する
ことができるものである。
Claims (4)
- 【請求項1】プラスチックからなる基材の少なくとも片
面に、金属アルコキシドあるいは金属アルコキシドの加
水分解物と、水溶性高分子と、分子中に少なくとも2個
以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
との3元系複合物からなる被膜を有することを特徴とす
るガスバリア材。 - 【請求項2】前記金属アルコキシドあるいは金属アルコ
キシドの加水分解物中の金属が、Si、Alまたは両者
の混合物であることを特徴とする請求項1記載のガスバ
リア材。 - 【請求項3】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
ガスバリア材。 - 【請求項4】前記被膜中の金属アルコキシドあるいは金
属アルコキシドの加水分解物を金属酸化物に換算したと
きの金属酸化物と水溶性高分子との重量比率が、20:
80〜95:5であって、かつ前記イソシアネート化合
物の占める割合が全体の0.1〜20%であることを特
徴とする請求項1乃至請求項3記載のガスバリア材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12580693A JP3438256B2 (ja) | 1993-05-27 | 1993-05-27 | 耐ボイル性を有するガスバリア材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12580693A JP3438256B2 (ja) | 1993-05-27 | 1993-05-27 | 耐ボイル性を有するガスバリア材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06329820A true JPH06329820A (ja) | 1994-11-29 |
JP3438256B2 JP3438256B2 (ja) | 2003-08-18 |
Family
ID=14919377
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12580693A Expired - Lifetime JP3438256B2 (ja) | 1993-05-27 | 1993-05-27 | 耐ボイル性を有するガスバリア材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3438256B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5786092A (en) * | 1994-11-21 | 1998-07-28 | W.R. Grace & Co.-Conn. | Peelable laminate |
US6244746B1 (en) | 1995-10-09 | 2001-06-12 | Kyodo Shiko Co. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
US6440508B1 (en) | 1997-11-13 | 2002-08-27 | Kyodo Shiko Co. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
WO2020196301A1 (ja) * | 2019-03-22 | 2020-10-01 | 凸版印刷株式会社 | 包装材料および包装体 |
-
1993
- 1993-05-27 JP JP12580693A patent/JP3438256B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5786092A (en) * | 1994-11-21 | 1998-07-28 | W.R. Grace & Co.-Conn. | Peelable laminate |
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US6984067B2 (en) | 1995-10-09 | 2006-01-10 | Kyodo Shiko Co., Ltd. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
US7364359B2 (en) | 1995-10-09 | 2008-04-29 | Kyodo Shiko Co., Ltd. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
US6440508B1 (en) | 1997-11-13 | 2002-08-27 | Kyodo Shiko Co. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
US6471401B1 (en) | 1997-11-13 | 2002-10-29 | Kyodo Shiko Co., Ltd. | Laminated film, method for production thereof, bag and package using the laminated film, and method for separation thereof |
WO2020196301A1 (ja) * | 2019-03-22 | 2020-10-01 | 凸版印刷株式会社 | 包装材料および包装体 |
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