JPH0632981U - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ダクトの壁厚を厚くしたり、ヒータを設けた
りすることなく、簡易な構造でダクトの前面に霜が付着
することを防止する。 【構成】 冷蔵室２２内に供給された冷気は、チルドケ
ース２７の下側の隙間を通って下ダクト３６の右側方に
設けられた流出口４０から流出する。上記隙間内を流れ
る冷気は、リブ４３ないし４６により、下ダクト３６の
前面部まで案内され、該下ダクト３６の前面側を流出口
４０に向かって流れる。このとき、冷気は、下ダクト３
６の前面に結露している水滴を吹き払う。このため、水
滴が何時までも下ダクト３６の前面に付着したままとな
り、これが凍って霜となり、次第に堆積することがなく
なる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ファンから送られてくる冷気を貯蔵室の内側面に設けられたダクト から該貯蔵室内に吹き出させる構成の冷蔵庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ファンクール式の冷蔵庫では、冷却器により冷却された冷気はファンにより冷 凍室や冷蔵室等の貯蔵室に供給される。このうち、冷蔵室に対しては、図８に示 すようにダクト１を通じて行われる。このダクト１は、冷蔵室２の背面部に配設 され、下部のダンパ装置３によって開閉される供給口４から吐出された冷気を上 方に案内しながら、前面に上下複数段に設けられた吹出口５から冷蔵室２内に吹 き出す。

【０００３】 ダクト１から冷蔵室２内に吹き出された冷気を流出させるために冷蔵室２の底 面の後部には、図９に示すようにダクト１の側方に位置して流出口６が設けられ ている。ここで、冷蔵室２の下部にはチルドケース７が設けられているが、この チルドケース７によって流出口６に向かう冷気の流れが妨げられないようにする ため、該チルドケース７と冷蔵室２の内底面との間には隙間８が設けられている 。そして、ダクト１から冷蔵室２内に供給された冷気は、チルドケース７と扉９ との間を通って前記隙間８内に流れ込み、そして該隙間８を背方に向かって流れ て流出口６から流出するようになっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記構成では、ダクト１の下端部分は、供給口４から吐出される冷気を直接受 ける部分であるため、当該部分が最も低い温度（−１０℃程度）を呈する。この ため、ダクト１の下端部分に湿気を含んだ冷蔵室２内の空気が触れると、結露し 、これが凍って霜となり、図９に二点鎖線１０で示すように堆積する。

【０００５】 このようなダクト１の下端部分への着霜を防止するには、ダクト１の壁厚を厚 くして断熱効果を高め、冷蔵室２内の空気と接する前面の温度がそれ程低くなら ないようにしたり、ヒータを設けて加熱することが考えられるが、これではコス トアップ、消費電力量の増加を招き、好ましい解決手段とはいえない。

【０００６】 本考案は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ダクトの壁厚を厚 くしたり、ヒータを設けたりすることなく、簡易な構造でダクトの前面に霜が付 着することを防止できる冷蔵庫を提供するにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために本考案の冷蔵庫は、貯蔵室内の下部に配置された ケースの外底面、または貯蔵室の内底面のうちの少なくとも一方に、両者間の隙 間を流れる冷気が、ダクトの下端部分の前側を通るように案内するガイドを設け たことを特徴とするものである。

【０００８】

【作用】

流出口に向かって流れる冷気がダクトの前側を通ると、ダクトの前面に結露に より生じた水滴は、その冷気流によって吹き払われる。このため、水滴が何時ま でもダクトの前面に付着したままとなり、これが凍って霜となって堆積すること がなくなる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図６に基づいて説明する。 ファンクール式冷蔵庫の全体構成を示す図５において、２１は冷蔵庫本体であ り、この冷蔵庫本体２１には、上から順に冷蔵室２２、上下２段の冷凍室２３お よび野菜室２４が形成されている。また、冷蔵室２２内の下部には、別の貯蔵室 としてチルド室２５が設けられている。このチルド室２５は、固定天板２６にチ ルドケース２７を引き出し可能に支持して構成されており、チルドケース２７の 前面は、固定天板２６に開閉回動可能に設けられた開閉カバー２８により塞がれ ている。

【００１０】 冷蔵庫本体２１の背壁のうち冷凍室２３の背部に相当する部分には、冷却器２ ９を収納した冷却器室３０が設けられており、冷却器２９により冷却された空気 はファン３１により上記各室２２ないし２５に送られる。ここで、冷凍室２３に 対してはファン３１により直接的に供給され、冷蔵室２２およびチルド室２５に 対しては冷蔵庫本体２１に設けられた冷気通路３２を介して供給される。そして 、冷蔵室２２およびチルド室２５に供給された冷気が冷蔵庫本体２１に形成され た中継路３３を介して野菜室２４に供給される。そして、冷凍室２３および野菜 室２４に供給された冷気は、冷蔵庫本体２１に設けられた還流路３４を介して冷 却器室３０に戻され、ここで再び冷却器２９により冷却されて各室に供給される というように循環する。

【００１１】 前記冷気通路３２により送られてくる冷気は、冷蔵室２２の背面部に設けられ た図５に示すダクト３５を介して冷蔵室２２およびチルド室２５に供給される。 このダクト３５は下ダクト３６と上ダクト３７から構成され、下ダクト３６には 、図３および図４にも示すように、冷気通路３２の冷気出口である供給口３８を 開閉するためのダンパ装置３９が設けられている。

【００１２】 上記ダンパ装置３９はガス圧式のもので、図４に示すように、ガスを封入した 感温部３９ａ、この感温部３９ａに連通する作動部としてのベローズ３９ｂおよ び開閉部としての開閉板３９ｃを備えて構成されている。感温部３９ａは貯蔵室 たる冷蔵室２２内に配置されており、その内部のガス圧は冷蔵室２２内の温度に 応じて変化し、ベローズ３９ｂは感温部３９ａのガス圧に応じて伸縮する。そし て、開閉板３９ｃは、ベローズ３９ｂの伸縮に応じて矢印Ａ方向に回動変位し、 供給口３８を開閉する。

【００１３】 このようなダンパ装置３９により開閉される供給口３８から流出した冷気は、 下ダクト３６の前部上側に設けられた横長の前ダクト部３６ａと上ダクト３７と に分配され、前ダクト部３６ａに形成された吹出口３２ｂからチルド室２５に吹 き出されると共に、上ダクト３７に形成された吹出口３７ａから冷蔵室２２に吹 き出されるようになっている。

【００１４】 さて、冷蔵室２２およびチルド室２５に供給された冷気は、中継路３３の開口 部から流出するようになっているが、この中継路３３の開口部すなわち流出口４ ０は、図１に示すように、冷蔵室２２の内底面の後部に前記下ダクト３５の右側 に位置して設けられている。そして、上ダクト３７から冷蔵室２２に吹き出され た冷気は、チルド室２５の前面の開閉カバー２８と冷蔵室２２の扉４１との間を 通ってチルドケース２７と冷蔵室２２の内底面との間の隙間４２内に流れ込む。 また、チルド室２５に供給された冷気は、チルドケース２７と開閉カバー２８と の隙間から流出して上記隙間４２内に流れ込む。このようにして隙間４２内に流 れ込んだ冷気は、該隙間４２を背方に向かって流れて流出口４０から中継路３３ 内に流入し、中継路３３から野菜室２４に供給されるものである。

【００１５】 しかして、チルドケース２７の外底面には、図２にも示すように、隙間４２内 を流れる冷気を下ダクト３６の前面側に案内するためのガイドとして、前後方向 に延びる複数本のリブ４３ないし４６が一体に突設されている。これらリブ４３ ないし４６の後端部には、右方向に折れ曲がる折曲部４３ａないし４６ａが形成 されており、これによって下ダクト３６の前面部に案内された冷気がより確実に 下ダクト３６の前面に沿って流出口４０側に流れるようにしている。

【００１６】 ここで、最右方のリブ４６は下ダクト３６の右端に対応位置されており、その 折曲部４６ａはチルドケース２７の右端まで延長されている。これにより、隙間 ４２内を流れる冷気がリブ４６の右側を通ってそのまま流出口４０から流出する ことのないようにして、より多量の冷気が下ダクト３６の前面側に流れるように している。

【００１７】 また、リブ４３ないし４６間の間隔は、右方程狭くなるように設定されており 、これによりリブ４３ないし４６間の流路抵抗が右方程大きくなるようにして、 冷気が流出口４０側に片寄って流れないようにし、以て各リブ４３ないし４６の 左側を流れる冷気量が均等となるようにしている。

【００１８】 上記構成において、冷蔵室２２が設定温度以上になると、ダンパ装置３９の開 閉板３９ｃが供給口３８を開く。すると、ファン３１により冷却器２９から送ら れてきた冷気は、供給口３８からダクト３５内に流入し、上ダクト３７および前 ダクト部３６ａの吹出口３７ａおよび３６ｂから冷蔵室２２およびチルド室２５ 内に吹き出る。

【００１９】 冷蔵室２２およびチルド室２５内に吹き出された冷気は、チルドケース２７と 冷蔵室２２の内底面との間の隙間４２に流れ込み、図１に矢印Ｂで示すようにリ ブ４３ないし４６により下ダクト３６の前面部まで案内される。その後、冷気は 、下ダクト３６の前面に沿って右方に流れ、やがて流出口４０から中継路３３内 に流入する。

【００２０】 ここで、下ダクト３２は供給口３８から吐出される冷気を直接受ける部分であ るため、下ダクト３２は低温度（−１０℃程度）になる。特に、ガス圧式のダン パ装置３９では、冷蔵室２２の温度が設定温度まで低下して開閉板３９ｃが閉動 作するも、供給口３８をやや開いた状態で止まり、供給口３８から少量ずつ冷気 吐出量が流出する状態になることがあり、従って下ダクト３５の前面が低温度の ままになる傾向が強くなる。

【００２１】 このため、下ダクト３２の前面に湿気を含んだ冷蔵室２２内の空気が触れると 、結露する。しかしながら、本実施例では、下ダクト３６の前面部分を冷気が流 出口４０に向かって流れているため、下ダクト３６の前面に結露により生じた水 滴は、その冷気流によって吹き払われる。このため、水滴が何時までもダクトの 前面に付着したままとなり、これが凍って次第に霜となって堆積する、というこ とがなくなる。

【００２２】 ちなみに、リブ４３ないし４６が設けられていない従来では、チルドケース７ の下側の隙間８を流れる冷気は、その流れに何の規制も受けないので、図９に矢 印Ｃで示すように、チルドケース７の前面側から真っ直ぐに流出口６に向かって 流れる傾向が強く、ダクト１の前面側の空気は停滞気味となるため、本実施例の ようなダクト１の下端部分の前面に結露した微細な水滴が冷気の流れによって吹 き払われることは期待できないものである。

【００２３】 図７は本考案の他の実施例を示すもので、これはチルドケース２７の外底面の 後端近傍に左端寄りの途中部位から右端まで横方向に伸びるガイドとしてのリブ ４７を一体に突設したものである。このように構成しても、冷気は図７に矢印Ｄ で示すように下ダクト３６の前面に沿って流れるので、その前面に霜が付着する ことを防止できる。

【００２４】 なお、上記各実施例では、いずれもリブ４３ないし４６、４７をチルドケース ２７の外底面に設けたが、これは冷蔵室２２の内底面に設けても良い。また、ダ ンパ装置３９をガス圧式のものとしたが、これはモータ式のものであっても良い 。また、チルド室２５に冷気を供給するための供給口を別に設け、この供給口を 別のダンパ装置によって開閉するように構成しても良い。

【００２５】 その他、本考案は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、例 えば冷蔵室への冷気供給に限られず、ダクトを通じて冷気を供給する場合に広く 適用できる等、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる ものである。

【００２６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、貯蔵室内の下部に配置されたケースの外 底面、または貯蔵室の内底面のうちの少なくとも一方に、両者間の隙間を流れる 冷気が、ダクトの前面のうち冷気の供給口に対応する部位を通るように案内する ガイドを設けたことを特徴とするもので、この結果、流出口に向かって流れる冷 気がダクトの前面を通ると、ダクトに結露により生じた水滴は、その冷気流によ って吹き払われるようになるため、水滴が何時までもダクトの前面に付着したま まとなり、これが凍って霜となって堆積することがなくなり、ダクトの壁厚を厚 くしたり、ヒータを設けたりすることなく、簡易な構造でダクトの前面に霜が付 着することを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す要部の横断面図

【図２】チルドケースの斜視図

【図３】図５のＥ−Ｅ線に沿う部分横断面図

【図４】ダンパ装置の構成図

【図５】冷蔵庫全体の縦断側面図

【図６】冷蔵室の冷気の流出口部分の縦断側面図

【図７】本考案の他の実施例を示す図１相当図

【図８】従来の冷蔵室への冷気供給構成を示す縦断側面
図

【図９】図１相当図

【符号の説明】

２１は冷蔵庫本体、２２は冷蔵室（貯蔵室）、２５はチ
ルド室、２７はチルドケース、２９は冷却器、３１はフ
ァン、３５はダクト、３６は下ダクト、３８は供給口、
３９はダンパ装置、４０は流出口、４２は隙間、４３な
いし４６，４７はリブ（ガイド）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 貯蔵室と、この貯蔵室内の下部に配置さ
   れたケースとを備え、ファンにより冷却器から送られて
   くる冷気を、前記貯蔵室の内側面に設けられたダクト内
   にその下端部分から流入させ、該ダクトの吹出口から貯
   蔵室に吹き出された冷気を、貯蔵室の内底面と前記ケー
   スとの間の隙間を流通させて前記ダクトの下端部の側方
   に設けられた流出口から流出させる構成の冷蔵庫におい
   て、前記ケースの外底面または貯蔵室の内底面のうちの
   少なくとも一方に、前記隙間を流れる冷気が、前記ダク
   トの下端部分の前側を通って前記流出口へと流れるよう
   に案内するガイドを設けたことを特徴とする冷蔵庫。