JPH06328400A - ラジカル反応による精密切断装置 - Google Patents

ラジカル反応による精密切断装置

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JPH06328400A
JPH06328400A JP33229291A JP33229291A JPH06328400A JP H06328400 A JPH06328400 A JP H06328400A JP 33229291 A JP33229291 A JP 33229291A JP 33229291 A JP33229291 A JP 33229291A JP H06328400 A JPH06328400 A JP H06328400A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被切断物の切断溝に対して反応ガスを十分に
供給することができ、かつラジカル反応後の反応生成物
と余剰反応ガスとが切断溝の溝底に残留することを防止
する。 【構成】 中間壁9eを介在させて、反応ガスを供給す
る供給孔9aの近傍に、反応生成物と余剰反応ガスと吸
引する吸引孔9bを設け、かつこれら供給孔9aと吸引
孔9bを有する給排気ノズル9を切断溝Maの溝幅Mb
よりも薄く形成する。これにより、ワイヤ電極Wに従っ
て切断溝Maに入り、被切断物Mが厚肉でその切断溝M
aの深さが深くなっても、反応ガスを溝底Mbに円滑に
供給し、かつラジカル反応により生じた反応生成物と余
剰反応ガスとを共に吸引できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジカル(遊離基)反
応を利用して、例えば、半導体デバイス製造用シリコン
単結晶やゲルマニウム単結晶、ガリウム−ひ素化合物、
或いは通常の機械的方法では切断が困難なセラミック
ス、ガラスなどの比較的厚肉の材料を精度よく切断する
のに適した精密切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン単結晶等の切断には、従来、ダ
イヤモンドホイールによる機械的切断方法が採用されて
いるが、この方法による切断では、表面に塑性加工層の
残留、微細クラックが発生することに起因する品質低下
を生じ、製造されたウェハーの歩留り低下の原因となっ
ている。
【0003】このような問題点を解消するために、ラジ
カル反応を利用した精密加工方法が提案されている(特
開平1−125829号公報)。このラジカル反応によ
る精密加工方法は、反応ガスの雰囲気中に配した被加工
物近傍で、放電又はレーザ光励起により反応ガスを活性
化させてラジカルを生成し、該ラジカルと被加工物の構
成原子又は分子とをラジカル反応させて被加工物を加工
するものである。
【0004】そして、上記の公開公報には、加工方法の
一例として、ワイヤ供給用ボビンに巻かれたワイヤ電極
をワイヤ引取りボビンに巻き取りながら該ワイヤ電極に
電圧を印加し、ワイヤ電極と被切断物間に放電を発生さ
せて反応ガスを活性化させ、該反応ガスによりラジカル
を生成して該ラジカルと被切断物の構成原子又は分子と
をラジカル反応させ、被切断物をワイヤ電極に対して該
ワイヤ電極を横切る方向に相対的に移動させて被切断物
を切断するラジカル反応による精密切断方法が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の開示
技術では、薄い被切断物であれば、チャンバ内にある反
応ガスによりラジカル反応を継続してこれを切断するこ
とができるが、厚さの厚い被切断物を狭い切断幅で切断
する場合、切断溝の溝底への反応ガスの供給が不十分に
なりやすい上、反応生成物及び余剰反応ガスが溝底から
除去されず、残留してしまう。そして、このような被切
断物の切断溝への不十分な反応ガスの供給と、ラジカル
反応後の反応生成物及び余剰反応ガスの残留とによっ
て、切断溝内において起こるラジカル反応の反応速度が
低下し、最終的にはプラズマが消滅するため、特に厚肉
の被切断物を円滑に切断することができないという不具
合が発生していた。
【0006】本発明は、被切断物の切断溝に対して反応
ガスを十分に供給することができ、かつ反応生成物と余
剰反応ガスとが切断溝の溝底に残留することを防止で
き、これによって切断溝内において起こるラジカル反応
の反応速度の低下を防止し、厚肉の被切断物を支障なく
精密かつ円滑に切断することができるラジカル反応によ
る精密切断装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、ワイヤ電極を引き取りながら該ワイヤ
電極に電圧を印加し、ワイヤ電極と被切断物間に放電を
発生させて反応ガスを活性化させ、該反応ガスによりラ
ジカルを生成して該ラジカルと被切断物の構成原子又は
分子とをラジカル反応させ、被切断物をワイヤ電極に対
して該ワイヤ電極を横切る方向に相対的に移動させて被
切断物を切断するラジカル反応による精密切断装置にお
いて、上記ラジカル反応によって形成される切断溝より
も薄く形成され、かつ上記ワイヤ電極の直上に平行に設
けられた給排気ノズルを有し、この給排気ノズルを、切
断溝の溝底に反応ガスを供給する供給孔と、ラジカル反
応により生成された反応生成物と余剰反応ガスとを吸引
する吸引孔とから構成した。
【0008】
【作用】本発明によれば、反応ガスは給排気ノズルの供
給孔からワイヤ電極に対して供給されて切断溝の溝底に
供給され、ワイヤ電極の放電により反応ガスがプラズマ
状態となって活性化し、これによって反応ガスからラジ
カルが生成され、該ラジカルと被加工物の構成原子又は
分子とがラジカル反応する。その結果、被切断物の構成
原子又は分子が反応した箇所が切断箇所となって、該被
切断物が加工される。この後、ラジカル反応により生じ
た反応生成物と余剰反応ガスとは、給排気ノズルに設け
られた吸引孔から吸引されて外部に排出される。また、
このような供給孔と吸引孔とを共に具備する給排気ノズ
ルは切断溝の溝幅よりも薄く形成されているので、ワイ
ヤ電極に従って切断溝に入る。このため、被切断物が厚
肉でその切断溝の深さが深くなっても、反応ガスが溝底
に円滑に供給され、かつラジカル反応により生じた反応
生成物と余剰反応ガスとが共に吸引されて、これら反応
生成物と余剰反応ガスとが切断溝の溝底に残留すること
を防止でき、これにより切断溝内において起こるラジカ
ル反応の反応速度の低下を防止できるものである。
【0009】
【実施例】図1は本発明に係るラジカル反応による精密
切断装置の一実施例を示すものである。この図において
符号1で示すフレームには三つのチャンバCa,Cb,
Ccが設けられており、これらチャンバCa,Cb,C
cの中の第1のチャンバCaにはワイヤ電極Wの供給機
構2が、また中央の第2のチャンバCbには被切断物M
の切断機構3が、更に第3のチャンバCcにはワイヤ電
極Wの引取り機構4がそれぞれ設けられている。
【0010】ワイヤ電極Wの供給機構2は、被切断物M
を切断するためのワイヤ電極Wが巻かれているワイヤ供
給用ボビン5と、ワイヤ電極Wを支持するワイヤ支持ロ
ーラ6とを有し、ワイヤ供給用ボビン5には、ワイヤ電
極Wの引き出し時にワイヤWの弛みを防止して、該ワイ
ヤ電極Wの張力を一定に保つためのブレーキ機構(図示
略)がそれぞれ設けられている。
【0011】切断機構3は、被切断物Mを保持した状態
で上下方向に移動可能に支持する上昇駆動機構7と、こ
の上昇駆動機構7の両側に設けられて、ワイヤ電極Wに
対して電圧を印加するための一対の給電ブラシ8と、ワ
イヤ電極Wによる被切断物Mの切断箇所に対して塩素系
やフッ素系等の反応ガスを給排気する給排気ノズル9
と、チャンバCaとCbとの間、及びチャンバCbとC
cとの間に位置するワイヤ電極Wの挿通箇所に設けられ
て、各チャンバCa,Cb,Cc間の気密状態を保持す
るシール部材10とを有するものである。また、この切
断機構3には、図示しない複数のローラが設けられてお
り、これらローラによってチャンバCb内のワイヤ電極
Wが水平に保持されるようになっている。
【0012】また、前記上昇駆動機構7は、被切断物M
を保持する保持板11と、この保持板11を水平に保持
した状態で該保持板11を支持するロッド12と、該ロ
ッド12を上下方向に移動させる上下用サーボモータ
(図示略)を備えたギア機構13等を具備するものであ
り、ギア機構13により、ロッド12を介して保持板1
1上の被切断物Mを上下方向に移動させるようにしてい
る。また、フレーム1におけるロッド12の貫通箇所に
はチャンバCb内を気密状態に保持するためのベローズ
(図示略)が設けられている。
【0013】被切断物Mの切断箇所に対して反応ガスを
給排気する給排気ノズル9は、ノズル固定治具14を介
在させて、ワイヤ電極Wの長さ方向に沿うようにフレー
ム1に水平に固定されている。また、給排気ノズル9
は、図2及び図3に示すように、ラジカル反応で被切断
物Mに形成される切断溝Maの溝幅よりも薄く形成され
たものであり、反応ガスを供給する供給孔9aと、ラジ
カル反応により生成された反応生成物を吸引する吸引孔
9bとが一体に設けられた二重壁ガスノズル構造となっ
ている。更に、これら供給孔9aと吸引孔9bとは、か
つ外側壁9c・9dとの間に設けられた中間壁9eによ
り仕切られ、かつワイヤ電極Wに沿って長尺に形成され
た構造であり、かつこの中間壁9eの厚さがワイヤ電極
Wの径とほぼ同じに形成されるともに、この中間壁9e
が外側壁9c・9dに対して突出した位置関係に設けら
れている。
【0014】なお、上記中間壁9eの厚さをワイヤ電極
Wの径とほぼ同じに設けたのは、供給孔9aから供給し
た反応ガスを、ワイヤ電極Wの周囲でありかつ切断溝M
aの溝底Mbに沿って円滑に循環させるためであり、ま
た、中間壁9eを外側壁9c・9dに対して突出した位
置関係に設けたのは、供給孔9aから供給した反応ガス
がワイヤ電極Wに至ることなく直接的に吸引孔9bに吸
引されるのを防止するためのである。なお、給排気ノズ
ル9は、通常、供給孔9aからその全長にわたって反応
ガスが均等に噴出され、吸引孔9bでも同様にその全長
にわたってラジカル反応後の反応生成物及び余剰反応ガ
スを均等に吸引される構造とされるが、その具体的な構
造は任意である。また、図2において符号9fで示すも
のは、配管22a(後述する)に接続される供給孔9a
の入口であり、符号9gで示すものは配管23a(後述
する)に接続される吸引孔の出口であり
【0015】次に、上記チャンバCc内に設けられてい
るワイヤ電極Wの引取り機構4について説明する。この
引取り機構4は、ワイヤ電極Wを支持するワイヤ支持ロ
ーラ15と、該ワイヤ電極Wを巻き取るためのワイヤ引
取用ボビン16と、このワイヤ引取用ボビン16を駆動
するためのワイヤ走行用駆動モータ(図示略)とから構
成されたものであって、このワイヤ走行用駆動モータに
より、ワイヤ引取用ボビン16、ワイヤ支持ローラ15
を介してワイヤ電極Wを引き取るようにしている。な
お、本実施例では、ワイヤ電極Wの供給機構2及び引取
り機構4によりワイヤ電極Wを走行させる走行ワイヤ方
式を採用しており、この方式では、チャンバCb内にお
いて、ワイヤ走行速度を制御することにより、ワイヤ電
極Wがプラズマ雰囲気中に位置する時間を制御すること
ができ、これによりワイヤ電極Wがプラズマ雰囲気下に
長時間位置することを防止することができ、プラズマに
よるワイヤ電極Wの損傷を防止できるものである。ま
た、万一、ワイヤ電極Wが切断した場合でも、切断部の
ワイヤ電極Wのみを再度張ることにより、簡単に修復す
ることが可能になる。
【0016】次に、上記反応ガスを供給し、一方、反応
後の反応生成物及び余剰反応ガスを排出するための配管
図について説明する。図1において、符号20で示すも
のは塩素系やフッ素系等の反応ガスを供給するためのボ
ンベ、符号21で示すものは反応ガスの供給量を調整す
るためのマスフローコントローラであり、このマスフロ
ーコントローラ21を経た反応ガスは、配管22を通じ
て給排気ノズル9に供給される。また、この配管22は
途中から分岐しており、この分岐配管22aを通じて、
ワイヤ電極Wの長さ方向に沿うように設けられた長尺の
給排気ノズル9の供給孔9aに対して両側から反応ガス
を供給できる。一方、前記給排気ノズル9の吸引孔9b
は、ラジカル反応後の反応生成物及び余剰反応ガスを排
出するための配管23が設けられている。この配管23
は、吸引孔9bの両端部の出口9gに接続された分岐配
管23aが合流した構成とされており、更にこの配管2
3には、真空ポンプ(図示略)が接続されて、ラジカル
反応後の反応生成物及び余剰反応ガスを強制的に外部に
排出するようにしている。
【0017】なお、図の実施例では、供給機構2、切断
機構3、引取り機構4等が各3組宛設けられ、被切断物
Mの3個所を同時に切断する構成とされているが、それ
らの組数を増減させることができる。また、ワイヤ供給
用ボビン5、ワイヤ支持ローラ6、シール部材10、ワ
イヤ引取用ボビン16等のワイヤ電極Wの移送系はすべ
て絶縁されていることは言うまでもない。ワイヤ電極W
の移送系の絶縁(テフロン、セラミックスなどの絶縁)
はその静電容量をなるべく小さくする。また、チャンバ
内で発生した電磁波により、モータ類の誤動作、焼損な
どの危険性があるため、モータ類及び配線には電磁波防
止のシールド対策が施されている。
【0018】次に上記のように構成された本発明に係る
ラジカル反応による精密切断装置の作用を説明する。引
取り機構4のワイヤ走行用駆動モータでワイヤ引取用ボ
ビン16を回転駆動し、ワイヤ供給用ボビン5に巻かれ
たワイヤ電極Wをワイヤ引取用ボビン16に引き取りな
がら、配管22・22aを通じて、給排気ノズル9の供
給孔9aから反応ガスを供給する。そして、供給孔9a
から供給された反応ガスは、中間壁9eが設けられてい
るので、直接吸引孔9bには吸引されず、図3に矢印で
示すように、ワイヤ電極Wの周囲でありかつ切断溝Ma
の溝底Mbに沿って流通し、このときワイヤ電極Wの放
電により反応ガスがプラズマ状態となって活性化し、こ
れによって反応ガスからラジカルが生成され、該ラジカ
ルと被加工物の構成原子又は分子とがラジカル反応す
る。その結果、被切断物の構成原子又は分子が反応した
箇所が切断箇所となって、該被切断物が加工されること
になる。そして、この後、ラジカル反応により生じた反
応生成物と余剰反応ガスとは、吸引孔9bから吸引さ
れ、配管23a・23を通じて外部に排出される。
【0019】被切断物Mの切断の進行に従って上下駆動
機構7の上下用サーボモータを作動させて、被切断物M
を上昇させ、これによって、ワイヤ電極Wを被切断物M
の切断溝Maの溝底Mb付近に常時位置させるようにし
ている。
【0020】以上詳細に説明したように、本実施例に示
すラジカル反応による精密切断装置では、中間壁9eを
介在させて、反応ガスを供給する供給孔9aの近傍に、
反応生成物と余剰反応ガスと吸引する吸引孔9bを設
け、かつこれら供給孔9aと吸引孔9bを有する給排気
ノズル9を切断溝Maの溝幅Mbよりも薄く形成したの
で、ワイヤ電極Wに従って切断溝Maに入り、被切断物
Mが厚肉でその切断溝Maの深さが深くなっても、反応
ガスを溝底Mbに円滑に供給し、かつラジカル反応によ
り生じた反応生成物と余剰反応ガスとを共に吸引して、
これら反応生成物と余剰反応ガスとが切断溝Maの溝底
Mbに残留することを防止でき、これにより切断溝Ma
内において起こるラジカル反応の反応速度の低下を防止
できるものである。
【0021】一方、供給孔9aと吸引孔9bとを仕切る
中間壁9eの厚さをワイヤ電極Wの径とほぼ同じに設定
したので、供給孔9aから供給した反応ガスを、ワイヤ
電極Wの周囲でありかつ切断溝Maの溝底Mbに沿って
円滑に循環させることができ、また、この中間壁9eを
外側壁9c・9dに対して突出した位置関係に設けたの
で、供給孔9aから供給した反応ガスが、ワイヤ電極W
に至ることなく直接的に吸引孔9bに吸引されることを
防止でき、この点においても反応ガスの供給、及び反応
生成物と余剰反応ガスとの排出作業を円滑に行わせるこ
とができる。
【0022】ところで、現在、ダイヤモンドホイールに
より機械的に切断されている半導体デバイス製造用シリ
コンブロックの直径は6〜8インチが主流であり、この
大きさまでが従来方法適用の限界である。しかし本発明
においては、ワイヤ電極Wによるため、直径10インチ
以上のシリコンブロックの切断も可能である。また、電
極が板状のブレードタイプで固定されている場合、プラ
ズマ反応熱による電極の加熱、溶融の危険性があるとと
もに、ラジカルとの反応により電極が損傷し、耐久性に
問題があり、電極の設備構造が複雑でこれの交換が容易
ではないが、本発明においてはワイヤ電極Wを使用し、
これを引き取ることによって常時新しくするので、上記
のような問題を生じることがない。
【0023】なお、ワイヤ電極Wには、通常、0.05
〜0.3mm径の各種材質のワイヤが使用される。ワイヤ
電極Wの供給移送速度は、ワイヤ電極Wの強度や耐食性
等を勘案して決定する。各種のワイヤ電極Wに対応する
ため、引取り用モータ16の回転速度、ワイヤ供給用ボ
ビン5のブレーキ機構のブレーキ力は調節自在とされて
いる。反応ガスの給排気ノズル9の厚さは、通常、0.
15〜0.5mm程度である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のラジカル
反応による精密切断装置は、反応ガスを供給する供給孔
の近傍に、反応生成物と余剰反応ガスと吸引する吸引孔
を設け、かつこれら供給孔と吸引孔とを有する給排気ノ
ズルを、切断溝の溝幅よりも薄く形成したので、ワイヤ
電極に従って切断溝に入り、被切断物が厚肉でその切断
溝の深さが深くなっても、反応ガスを溝底に円滑に供給
し、かつラジカル反応により生じた反応生成物と余剰反
応ガスとを共に吸引して、これら反応生成物と余剰反応
ガスとが切断溝の溝底に残留することを防止でき、これ
により切断溝内において起こるラジカル反応の反応速度
の低下を防止でき、その切断作業の能率低下を防止でき
る効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のラジカル反応による精密切断装置の
一実施例を示す正断面図である。
【図2】 ワイヤ電極と供給ノズル、及び被切断物の関
係を示す側面図である。
【図3】 図2のIII−III線に沿った断面図である。
【符号の説明】
5 ワイヤ供給用ボビン 9 給排気ノズル 9a 供給孔 9b 吸引孔 M 被切断物 Ma 切断溝 Mb 溝底 W ワイヤ電極
フロントページの続き (72)発明者 吉田 健 神奈川県横浜市磯子区新磯子町27番地 株 式会社新潟鉄工所材料構造研究部内 (72)発明者 城野 義巳 神奈川県横浜市磯子区新磯子町27番地 株 式会社新潟鉄工所材料構造研究部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ電極を引き取りながら該ワイヤ電
    極に電圧を印加し、ワイヤ電極と被切断物間に放電を発
    生させて反応ガスを活性化させ、該反応ガスによりラジ
    カルを生成して該ラジカルと被切断物の構成原子又は分
    子とをラジカル反応させ、被切断物をワイヤ電極に対し
    て該ワイヤ電極を横切る方向に相対的に移動させて被切
    断物を切断するラジカル反応による精密切断装置におい
    て、 上記ラジカル反応によって形成される切断溝よりも薄く
    形成され、かつ上記ワイヤ電極とほぼ平行に設けられた
    給排気ノズルを有し、 この給排気ノズルは、切断溝の溝底に反応ガスを供給す
    る供給孔と、ラジカル反応により生成された反応生成物
    と余剰反応ガスとを吸引する吸引孔とを共に具備するこ
    とを特徴とするラジカル反応による精密切断装置。
JP33229291A 1991-12-16 1991-12-16 ラジカル反応による精密切断装置 Expired - Lifetime JPH0755480B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0799914A2 (en) * 1996-04-04 1997-10-08 Daido Hoxan Inc. A method and apparatus for producing semiconductor wafers

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EP0799914A3 (en) * 1996-04-04 1999-03-24 Daido Hoxan Inc. A method and apparatus for producing semiconductor wafers
US6284661B1 (en) 1996-04-04 2001-09-04 Daido Hoxan Inc. Method and apparatus for producing a wafer

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