JPH06327867A - 刺繍データ作成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺繍データと背景データとを同時に表示し、
背景と図柄とのバランスを確認しながら、刺繍データ作
成修正作業を効率よく行うことができる刺繍データ作成
装置を提供することを目的とする。 【構成】 刺繍データと背景データとを記憶し、これら
を表示手段に重ね合わせて表示する。表示された刺繍デ
ータに背景データとのバランスを考慮しながら視覚的処
理を施す。これにより、全体のバランスに優れた刺繍デ
ータを作成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、刺繍ミシンにおける縫
製データ（以下、「刺繍データ」という）の作成に関す
るものであり、特に刺繍柄が縫いつけられる被縫製物の
背景データを刺繍データと同時表示できる表示機能を有
する刺繍データ作成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】刺繍ミシンにより刺繍縫製を行うための
刺繍データを作成したり修正したりするとき、作成又は
修正中の刺繍データをディスプレイ等に表示し確認する
必要がある。従来、刺繍データを作成又は修正しようと
するときは、拡大した原画をデジタイザに貼り付け、特
徴点を入力し、その入力データによりステッチデータを
作成していた。かかるデータ作成のためのシステムとし
て、例えば特願平３−６７４３４号には、原画をそのま
まスキャナで取り込み、ディスプレイ上で原画データを
適宜拡大又は縮小表示させながら刺繍データを作成する
ことにより、拡大した原画データを作成する手間を省く
ことができるシステムが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では、刺繍データを妥当な縮尺で表示できるとはい
え、オペレータが被縫製物の全体イメージを認識するこ
とができないので、服などに刺繍する場合における服の
色合いや大きさと刺繍柄とのマッチングを把握できな
い。このため、刺繍柄のデータ自体はよくできていて
も、縫製された服全体としてのバランスは必ずしもよく
ない場合があった。

【０００４】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、その目的は、刺繍データとその背
景である服のデータとを重ね合わせて表示できることと
し、刺繍データの作成や修正に際して容易に被縫製物全
体における刺繍柄とのマッチングを把握でき、服全体と
のバランスに優れた刺繍データの作成ができる刺繍デー
タ作成装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の刺繍データ作成装置は、刺繍縫製を行う刺繍
ミシンに与える刺繍データを作成する刺繍データ作成装
置であって、前記刺繍データを記憶する第１の記憶手段
と、刺繍縫製の背景である服等に関する背景データを記
憶する第２の記憶手段と、前記刺繍データと前記背景デ
ータとを重ね合わせて表示する表示手段とを備えてい
る。また、本発明の刺繍データ作成装置は、前記の刺繍
データ作成装置であって、前記表示手段上に前記背景デ
ータと重ね合わせて表示されている状態で前記刺繍デー
タに処理を施す演算処理手段を備えている。

【０００６】

【作用】前記構成を有する本発明の刺繍データ作成装置
においては、刺繍データが第１の記憶手段に記憶され、
背景データが第２の記憶手段に記憶されている。刺繍デ
ータの作成等を行うときは、刺繍データと背景データと
を重ね合わせて表示手段に表示する。このとき、処理演
算手段により刺繍データまたは背景データに大きさ、色
等の視覚的処理を施すことができる。これにより、刺繍
データと背景データとのバランスを考慮しながら、刺繍
データの作成、修正等を行うことができる。

【０００７】

【実施例】以下、この本発明を具体化した一実施例を図
面を参照して説明する。図２は、本実施例の刺繍データ
作成装置２０の概略図である。本装置は本体１、キーボ
ード９、ＣＲＴディスプレイ８、外部記憶装置１２、マ
ウス１０、スキャナ１１から構成されている。

【０００８】次に、本体１の電気的構成について説明す
る。図３はコンピュータ本体のメインボードであり、中
央演算処理装置（以後ＣＰＵと称す）２には、バス７を
介して後に説明する本発明の処理プログラムが記憶され
たＲＯＭ３、データを一時記憶したりするためのＲＡＭ
４、フロッピーディスクドライブ（ＦＤＤ）５、および
入出力インターフェイス６が接続されており、入出力イ
ンターフェイス６には、ディスプレイ８、動作を指示す
るためのキーボード９、マウス１０、図柄データを取り
込むためのスキャナ１１、そしてハードディスク等の外
部記憶装置１２が接続されている。

【０００９】続いて、ＲＡＭ４の内容について図４を参
照しながら説明する。ＲＡＭ４にはアウトライン、ブロ
ック、ステッチ等の縫製関連データを記憶するための縫
製関連データ記憶エリア４２、生地や服などの背景デー
タを記憶するための背景データ記憶エリア４３、図柄デ
ータを記憶するための図柄データ記憶エリア４４が、カ
ウンタ４１や作業エリアと共に設けられている。縫製関
連データの例を表１に示す。縫製関連データはその名称
と共に、そのデータがアウトラインデータかブロックデ
ータかステッチデータかを識別するデータ種別、そのデ
ータを作成する際に原データとした図柄データの名称、
原データたる図柄データのサイズとの倍率が記憶され、
さらに連続する座標値や色、糸切り、フィード、糸密度
等のデータ内容が記憶されている。

【００１０】

【表１】

【００１１】背景データの例を表２に示す。背景データ
は刺繍柄の背景である服自体の形状や色等に関するデー
タである。服の種類に応じて背景データを記憶させてお
くことができ、また表２のうちデータＮｏ．３のように
服の特定の部分についての背景データを作成しておいて
もよい。かかる背景データは通常、スキャナ１１から取
り込まれたビットマップデータであるが、この他オペレ
ータがパソコンの描画ソフト等で作成したアウトライン
データや、ＣＡＤ等で作成した３次元データであっても
よい。

【００１２】

【表２】

【００１３】

【表３】

【００１４】図柄データの例を表３に示す。図柄データ
は被縫製物に刺繍縫製する刺繍柄の形状や色等に関する
データであり、背景データと同様に通常はスキャナ１１
から取り込まれたビットマップデータである。これら縫
製関連データ、背景データ、図柄データの一覧は、外部
記憶装置１２に記憶されている。特に、ビットマップデ
ータである背景データ、図柄データはデータ量が大きい
ので、ハードディスク等に記憶されるのがよい。

【００１５】次に具体的な処理を説明する。背景デー
タ、図柄データを取り込むときは、スキャナ１１よりデ
ータを取り込み、ディスプレイ８に表示し、ビットマッ
プデータを作成しておく。その作成方法は自動でも手動
でも良く、その方法は多数公表されており公知であるの
でここでは詳述しない。またその操作は、オペレータが
キーボード９、マウス１０等を操作することにより行わ
れる（以下の各操作も同様）。作成されたビットマップ
データは外部記憶装置１２に記憶される。

【００１６】そして、図１のフローチャートに示す処理
ルーチンにより刺繍データの作成、修正等の編集作業を
行う。この処理ルーチンが起動されると、まず、図柄を
読み込むか取り込むかの選択画面がディスプレイ８に表
示される（Ｓ１０１）。取り込みを選択すると、スキャ
ナ１１にセットされている図柄がビットマップデータと
して取り込まれる（Ｓ１０３）。そして、そのデータは
図柄データとして外部記憶装置１２とＲＡＭ４とに記憶
される（Ｓ１０４）。Ｓ１０１で読み込みを選択する
と、既に外部記憶装置１２に記憶されている図柄データ
を選択して、ＲＡＭ４にその図柄データを読み込む（Ｓ
１０２）。Ｓ１０２またはＳ１０４の処理が終了する
と、ＲＡＭ４に記憶されている図柄データがディスプレ
イ８に表示される（Ｓ１０５）。このときのディスプレ
イ８の表示の一例を図６に示す。図６に示されている図
柄データは、星の図形と文字とからなるものである。

【００１７】次に、その図柄データからアウトラインデ
ータを作成し、ＲＡＭ４に記憶する（Ｓ１０６）。ここ
で、アウトラインデータを新たに作成する代わりに、既
に作成して外部記憶装置１２に記憶されているアウトラ
インデータを読み込んでもよい。アウトラインデータと
は、図柄の輪郭のデータをいう。図６に示される図柄デ
ータをアウトラインデータ化すると図７のようになる。
そして次に、ブロックデータを作成し、ＲＡＭ４に記憶
する（Ｓ１０７）。ここで、ブロックデータを新たに作
成するかわりに、既に作成して外部記憶装置１２に記憶
されているブロックデータを読み込んでもよい。ブロッ
クデータとは、図８に示すように、アウトラインデータ
をさらに刺繍縫製の運針幅ごとに区切ったデータをい
う。かくして、ＲＡＭ４上に必要なデータが揃えられた
ことになる。

【００１８】続いて、背景データをディスプレイ８に同
時表示するかどうかを選択する（Ｓ１０８）。背景デー
タの同時表示を行う場合（Ｓ１０８：ＹＥＳ）は、外部
記憶装置１２から背景データをＲＡＭ４に読み込む（Ｓ
１０９）。そして、その背景データをディスプレイ８に
表示する（Ｓ１１０）。このときディスプレイ８には、
図５に示すように、図柄データと背景データとが重ね合
わせて表示されている。ここで適宜、ディスプレイ８上
の背景データの位置調整を行い（Ｓ１１１）、次工程に
進む。Ｓ１０８で背景データの同時表示を選択しない場
合（Ｓ１０８：ＮＯ）は、Ｓ１０９からＳ１１１に至る
処理をせずそのまま次工程に進む。

【００１９】次に、必要ならば表示スケールの変更を行
う（Ｓ１１２）。スケール変更する場合（Ｓ１１２：Ｙ
ＥＳ）は、キーボード９等により新たな倍率を入力する
（Ｓ１１３）と、入力した倍率に応じてＲＡＭ４上のデ
ータにスケール変更が施され、それにより記憶が更新さ
れる（Ｓ１１４）。そしてそれに伴い、ディスプレイ８
上ではデータを再表示する（Ｓ１１５）。尚、ここで適
宜、背景データ又は図柄データの位置調整をしてもよ
い。その後、Ｓ１１２に戻る。スケール変更をしない場
合又はスケール変更が済んだ場合（Ｓ１１２：ＮＯ）
は、次工程に進み、必要に応じて糸色の変更を行う（Ｓ
１１６）。糸色の変更を行う場合（Ｓ１１６：ＹＥＳ）
は、キーボード９等により新たな糸色を入力すると、入
力した糸色に応じてＲＡＭ４上のデータの糸色が変更さ
れ、それにより記憶が更新される（Ｓ１１７）。そして
それに伴い、ディスプレイ８上ではデータを再表示する
（Ｓ１１８）。その後、Ｓ１１６に戻る。

【００２０】糸色変更をしない場合又は糸色変更が済ん
だ場合（Ｓ１１６：ＮＯ）は、次工程に進み、必要に応
じてデータをステッチデータに展開する（Ｓ１１９）。
ステッチデータに展開する場合（Ｓ１１９：ＹＥＳ）
は、ＲＡＭ４上でデータの展開を行う（Ｓ１２０）。そ
してそれに伴い、ディスプレイ８上ではデータを再表示
する（Ｓ１２１）。その後、次工程に進む。ステッチデ
ータへの展開をしない場合（Ｓ１１９：ＮＯ）は、Ｓ１
２０、Ｓ１２１の処理をせずそのまま次工程に進む。そ
して、ここまでの処理により作成されたデータの記憶先
（ＲＡＭ４または外部記憶装置１２）を選択する（Ｓ１
２２）。そしてその記憶を実行すれば（Ｓ１２３）、こ
の処理ルーチンは終了する。

【００２１】以上説明したように、本実施例の刺繍デー
タ作成装置によれば、刺繍が実際に縫製される背景を確
認しながら、刺繍の図柄の色や大きさを決定することが
できるので、被縫製物全体のバランスを考慮しながら刺
繍データを作成することが容易にできる。また、これを
店頭で顧客に表示画面を見せながら刺繍柄を選択させる
イージーオーダー等に利用すれば、顧客自ら刺繍の縫い
上がりをイメージして図柄、大きさ、色合いを選択する
ことができる。

【００２２】尚、前記実施例は本発明を何ら限定するも
のでなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変
形・改良が可能であることはいうまでもない。例えば、
前記実施例では背景データを平面的に表示しているが、
背景データを３次元的なものとし、刺繍データとともに
見る角度を変えて表示できるようにしてもよい。また、
単に刺繍の縫製関連データを作成又は修正するために背
景データを同時表示するのみならず、背景データである
服や生地と縫製関連データとの一関係を決定するのに利
用することもできる。この場合例えば、背景データにつ
いて基準座標を設定しておき、その基準座標に対して縫
製関連データの位置がどの方向にどの程度ずれているか
を各々の表示データを基に演算して求めれば、オペレー
タが見たままの位置関係で能率よく縫製位置を決定でき
る。

【００２３】また、前記実施例では、ブロックデータを
作成した段階で背景データを取り込むこととしたが、背
景データの取り込みは他の時点で行ってもよい。また、
縫製データの修正や確認のみのために背景データを表示
させてもよい。その場合例えば、多数の縫製データを用
意しておいて、１つの背景データの所定の位置に異なる
縫製データを順次表示させ、その背景データに対してど
の縫製データが最もよくマッチングするかを確認するよ
うな利用方法が考えられる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の刺繍データ作成装置は、刺繍データの背景とな
るデータを刺繍データと重ね合わせて表示するようにし
たので、縫製物全体のイメージを容易に把握でき、全体
バランスを考慮しながら縫製データを作成することがで
きる。また、店頭で顧客に見せながら刺繍柄の選択がで
きる服のイージーオーダー等に利用でき、顧客自身が縫
い上がりをイメージしながら刺繍の柄、大きさ、色合い
を選択できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る刺繍データ作成装置におけるデー
タ処理ルーチンを示すフローチャートである。

【図２】刺繍データ作成装置の概略を示す図である。

【図３】刺繍データ作成装置における電気的構成を示す
図である。

【図４】刺繍データ作成装置におけるＲＡＭの構成を示
す図である。

【図５】刺繍データ作成中に表示される画面の一例を示
す図である。

【図６】刺繍データ作成中に表示される画面の一例を示
す図である。

【図７】刺繍データ作成中に表示される画面の一例を示
す図である。

【図８】刺繍データ作成中に表示される画面の一例を示
す図である。

【符号の説明】 ２ ＣＰＵ ３ ＲＯＭ ４ ＲＡＭ ５ ＦＤＤ ８ ディスプレイ ９ キーボード １０ マウス １１ イメージスキャナ １２ 外部記憶装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 刺繍縫製を行う刺繍ミシンに与える刺繍
   データを作成する刺繍データ作成装置であって、 前記刺繍データを記憶する第１の記憶手段と、 刺繍縫製の背景である服等に関する背景データを記憶す
   る第２の記憶手段と、 前記刺繍データと前記背景データとを重ね合わせて表示
   する表示手段とを備えたことを特徴とする刺繍データ作
   成装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載したものにおいて、 前記表示手段上に前記背景データと重ね合わせて表示さ
   れている状態で前記刺繍データに処理を施す演算処理手
   段を備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。