JP3457388B2 - 刺繍データ作成装置 - Google Patents

刺繍データ作成装置

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JP3457388B2
JP3457388B2 JP17514294A JP17514294A JP3457388B2 JP 3457388 B2 JP3457388 B2 JP 3457388B2 JP 17514294 A JP17514294 A JP 17514294A JP 17514294 A JP17514294 A JP 17514294A JP 3457388 B2 JP3457388 B2 JP 3457388B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンにより刺繍図柄
を縫製するために必要な刺繍データを作成する刺繍デー
タ作成装置において、筆記文字や輪郭線等の線画で構成
される刺繍図柄から刺繍データを作成するための技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば家庭用刺繍ミシンにおいては、予
め記憶されている刺繍図柄に基づいて刺繍データを作成
するだけでなく、使用者が所望する刺繍図柄の原画から
刺繍データを作成する刺繍データ作成装置が具備されて
いる。この刺繍データ作成装置は、マイクロコンピュー
タにイメージスキャナやディスプレイ等を接続して構成
されたものであり、イメージスキャナにより原画から画
像データを読取り、この画像データをマイクロコンピュ
ータにより処理することに基づいて刺繍データを作成す
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の刺繍データ作成装置には、筆記文字や輪郭線等の線
画で構成される原画から刺繍データを作成するのに適し
た機能が具備されていなかった。このため、線画で構成
される原画から刺繍データを作成するにあたって、ディ
スプレイに表示された画像データをマウス等で複数の線
分に分解し、各線分について縫製開始点および終了点等
を指示し、マイクロコンピュータに基礎データを供給す
る必要があり、刺繍データを簡単に作成することができ
なかった。しかも、縫製開始点および終了点の指示が不
適切であると、第1の線分の縫製終了点から第2の線分
の縫製開始点に至る渡り糸を第2の線分の縫い目により
縫い込んでしまい、渡り糸の除去作業が飛躍的に面倒な
ものとなるため、縫製開始点および終了点を適切に指示
しなければならないという煩わしさもある。
【0004】また、刺繍データ作成装置には、「特開平
4−174699号公報」に開示されているようなもの
もある。この装置は、イメージスキャナが読取った画像
データをディスプレイに表示し、その表示が所望の形態
となっていることを作業者が確認した上で、その画像デ
ータに対応した刺繍データを作成するように構成されて
いる。しかしながら、この装置においても、線画に適し
た刺繍データ自動作成機能が具備されていないため、刺
繍データ作成操作の煩わしさや渡り糸の発生を解消する
ことができない。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺
繍データを簡単な操作で作成することが可能な刺繍デー
タ作成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、線画で構成さ
れる刺繍図柄をミシンにより縫製するために必要な刺繍
データを作成する刺繍データ作成装置において、前記刺
繍図柄の原画から画像データを読取る読取手段と、この
読取手段が読取った画像データに基づいて、分岐点相互
間がベクトルデータにより連結された形態の木構造デー
タを作成する木構造データ作成手段と、この木構造デー
タ作成手段が作成した木構造データに対して深さ優先探
索を行うことにより、刺繍図柄上に対応する点を起点と
してベクトルデータを前向きおよび後向きの双方向へ探
索する探索手段と、この探索手段が前向きに探索したベ
クトルデータに基づいて下打ち縫製データを作成し、後
向きに探索したベクトルデータに基づいて、下打ち縫製
データに重なる本打ち縫製データを作成する縫製データ
作成手段とを備えたところに特徴を有する(請求項
1)。
【0007】この場合、読取手段が読取った画像データ
を境界線抽出処理する境界線抽出手段と、この境界線抽
出手段により境界線抽出処理された画像データを細線化
処理する細線化手段とを設け、木構造データ作成手段
を、前記細線化手段により細線化処理された画像データ
に基づいて木構造データを作成する構成としても良い
(請求項2)。また、縫製データ作成手段により作成さ
れる本打ち縫製データの縫い幅を設定するための縫い幅
設定手段を設けても良い(請求項3)。
【0008】
【作用】請求項1記載の手段によれば、刺繍図柄の原画
から画像データが読取られると、この画像データに基づ
いて木構造データが作成され、この木構造データに対し
て深さ優先探索が行われる。そして、前向きに探索され
たベクトルデータに基づいて下打ち縫製データが作成さ
れ、後向きに探索されたベクトルデータに基づいて、下
打ち縫製データに重なる本打ち縫製データが作成され
る。従って、画像データを多数の線分に分解したり、縫
製開始点および終了点を指示したりすることなく、簡単
な操作で刺繍データを作成できる。しかも、下打ち縫い
目を本打ち縫い目で覆い隠すような刺繍データが作成さ
れるので、縫い上がりに無駄な渡り糸が生じない高品質
で綺麗な刺繍図柄を形成できる。
【0009】請求項2記載の手段によれば、原画から読
取られた画像データに対して境界線抽出処理と細線化処
理とが施された後、木構造データが作成される。従っ
て、形状が曖昧な原画であっても形状が明確化され、そ
の結果、より高品質でより綺麗な刺繍図柄を形成でき
る。請求項3記載の手段によれば、本打ち縫製データの
縫い幅が縫い幅設定手段により設定されるので、使用者
の好みに応じた太さの刺繍図柄を形成することができ
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明を家庭用刺繍ミシンの刺繍デー
タ作成装置に適用した一実施例について、図面を参照し
ながら説明する。まず、図示はしないが、家庭用刺繍ミ
シンについて簡単に触れておく。この家庭用刺繍ミシン
は、加工布を保持する刺繍枠と該刺繍枠を装置固有の
X,Y方向へ移動させる水平移動機構と制御装置とを備
えており、制御装置は、一針毎の加工布の移動量(即ち
針落点)を指示する刺繍データ(ステッチデータ)が与
えられると、指示された針落点に縫針が落ちるように水
平移動機構や針棒を駆動制御し、前記刺繍データに基づ
いた所定図柄の刺繍を加工布に形成するように構成され
ている。
【0011】次に説明する刺繍データ作成装置は、上記
刺繍データを作成するためのものであり、その外観を図
2に示し、その電気的構成を図3に示す。ここで、作成
装置本体1は、マイクロコンピュータを主体としたもの
であり、CPU2とROM3とRAM4とフラッシュメ
モリ装置5と入出力インターフェイス6とをバスにより
相互接続することから構成されている。そして、フラッ
シュメモリ装置5にはフラッシュメモリ5aが着脱可能
に装着されるようになっており、CPU2がフラッシュ
メモリ5aに刺繍データを書込み、このフラッシュメモ
リ5aが家庭用刺繍ミシンのフラッシュメモリ装置(図
示せず)に装着されることにより、家庭用刺繍ミシンの
制御装置に刺繍データが与えられる。
【0012】作成装置本体1の上面部には液晶ディスプ
レイ(LCD)7が設けられ、この液晶ディスプレイ7
は、表示制御装置(LCDC)8を介してバスに接続さ
れている。また、作成装置本体1の前面部には操作キー
9が設けられており、作成装置本体1は、表示制御装置
8を介して液晶ディスプレイ7の画面7aにメッセージ
を表示することにより、作業者に操作キー9の操作を促
す。そして、操作キー9は入出力インターフェイス6に
接続されており、作成装置本体1は、操作キー9の入力
内容を読込んで所定の動作を行う。尚、8aは表示記憶
装置である。
【0013】作成装置本体1には、ハンディスキャナか
らなるイメージスキャナ10が設けられている。このイ
メージスキャナ10は請求項1記載の読取手段に相当す
るものであり、作業者がその上部を手で持って下面の読
取部を原画に宛い、ボタンを押しながら原画に沿って一
定方向へ移動させることにより、モノクロの原画を二値
のビットマップ画像データとして読取る。そして、イメ
ージスキャナ10は、入出力インターフェイス6に接続
されており、作成装置本体1は、イメージスキャナ10
が読取った画像データを液晶ディスプレイ7の画面7a
に表示すると共に、ラスタ形式のビットマップとして、
画素毎に白であれば0、黒であれば1の値を持つ1ビッ
トデータとして表現し、RAM4に保管する。
【0014】作成装置本体1のROM3には、刺繍デー
タ作成処理を行うためのプログラムコードが格納されて
おり、作成装置本体1は、そのプログラムコードに基づ
いてCPU2を制御することにより、RAM4に保管さ
れた画像データから刺繍データを作成する。以下、図4
に示すアルファベットの大文字「A」という原画から刺
繍データを作成する場合を具体例としてあげながら、作
成装置本体1の刺繍データ作成処理動作について詳述す
る。
【0015】刺繍データを作成するにあたっては、ま
ず、作業者が作成装置本体1のプログラムを起動する。
すると、作成装置本体1は、図1のステップ1に移行
し、液晶ディスプレイ7の画面7aにメッセージを表示
することにより、作業者にイメージスキャナ10の操作
を促し、イメージスキャナ10による原画Aの読取動作
を実行させる。そして、イメージスキャナ10により読
取られた原画「A」の二値のビットマップ画像データを
RAM4に格納する。図5は、この画像データを示すも
のであり、白抜きの四角は「0値」のデータ、黒塗りの
四角は「1値」のデータである(図6および図7におい
ても同様)。
【0016】作成装置本体1は請求項2記載の境界線抽
出手段に相当するものであり、画像データをRAM4に
格納すると、図1のステップ2に移行し、この画像デー
タに対して境界線抽出処理を行う。そして、画像データ
の有効な連結成分(黒画素が相互に連接しているひとま
とまりの図形)を個別に取り出す。この境界線抽出処理
は、画像図形処理技法として周知の境界線追跡アルゴリ
ズムを適用することで実現されるものであり、その際の
連結性判定は4連結および8連結のいずれでも可能であ
る。図6は境界線抽出処理された画像データ「A」を示
すものであり、L0 は「A」の外形形状を表す境界線、
L1 は「A」の中抜け部分の形状を画定する境界線であ
る。即ち、連結図形「A」の画像データは、L0 ,L1
,L0 およびL1 間に囲まれる画素の集まりとして表
される。尚、図6は、連結性判定に4連結を採用したも
のである。
【0017】作成装置本体1は請求項2記載の細線化手
段に相当するものであり、境界線抽出処理を行うと、図
1のステップ3に移行し、画像データ「A」の細線化処
理を行う。この細線化処理は、境界線抽出処理が施され
た画像データについて、その境界側に位置する画素から
順次画素を削除していくことによって画像データの線幅
を画素1とするものであり、画素の削除は、原画「A」
の形状を崩さないような所定の規則に従って行われる。
尚、細線化処理には、品質の良い細線図形を得るため、
画素を削除するか否かの判定に種々の工夫がなされてい
るが、本実施例の場合、線幅を画素1とするものであれ
ば、公知のどのような細線化処理手法でも用いることが
可能である。図7は、このようにして細線化された画像
データ「A」である。
【0018】作成装置本体1は請求項1および2記載の
木構造データ作成手段に相当するものであり、画像デー
タに細線化処理を施すと、図1のステップ4に移行し、
図7の画像データから図9の木構造データを作成する。
この木構造データ作成処理は、画像データの所定の画素
を開始点として、細線化図形を構成する画素のチェイン
を順に辿り、適当な間隔で画素をサンプルしつつ対応す
る木構造データのノード(分岐点)を形成することで実
現される。以下、作成装置本体1が実行する木構造デー
タ作成処理の具体例について詳述する。
【0019】1.図7において、細線化図形を構成する
画素のうちで最も左上に位置する画素P0 を開始点に選
択し、対応するルートノードN0 (図9参照)を作成す
る。そして、このルートノードN0 に、画素P0 の座標
値(X0 ,Y0 )を位置情報として付与し、ルートノー
ドN0 と共に座標値(X0 ,Y0 )を記憶する。また、
現在の注目画素をP0 、現在の歩行方向をL、現在の被
リンクノードをN0 、歩数sを0、ノード数iを1に設
定する。ここで歩行方向とは、画素のチェインを辿るに
あたって、ある画素から次の画素に移る移動方向のこと
で、上方向をU、下方向をD、左方向をL、右方向をR
で表す。
【0020】2.現在の注目画素P0 の周囲画素につい
て、図8の白抜き数字で示す順序で有効な画素を探索
し、一番最初に発見された画素へ移動する。ここで、有
効な画素が1つだけ発見された場合、歩数sを1だけ増
加し、現在の注目画素を移動先の画素に、このときの移
動方向を現在の歩行方向に書換える。例えば、画素P0
の周囲画素探索を行う場合、歩行方向がLであるため、
図8の(c)における3番目の探索で図7の画素P0 ´
が1つだけ発見される。従って、現在の注目画素をP0
´、また、P0 ´がP0 の下方に位置しているので、現
在の歩行方向をD、歩数sを1に書換え、画素P0 ´に
ついて周囲画素の探索を行う。
【0021】3.2の動作を繰返すことにより歩数sが
規定値(例えば5)に達したら、新たなノードNiを作
成し、その画素Piの座標値(Xi,Yi)をノードN
iに付与して記憶する。これと共に、歩数sを0に、ノ
ード数iを1だけ増加し、現在の被リンクノードとノー
ドNiとの間にリンク(ベクトルデータに相当する)を
形成し、現在の被リンクノードをNiに設定する。例え
ば、図9において、歩数sが規定値に達し、ノードN1
を作成したら、現在の被リンクノードN0 とノードN1
との間にリンクを形成し、現在の被リンクノードをN1
に設定する。
【0022】4.また、画素Piの周囲画素探索におい
て、有効画素が複数個発見された場合、新たなノードN
iを作成し、ノードNiと画素Piの座標値とを対応し
て記憶する。これと共に、発見された有効画素に関する
情報も一緒に記憶した後、ノード数iを1だけ増加、歩
数sを0に設定する。そして、最初に発見された有効画
素を現在の注目画素に、最初に発見された有効画素に向
う移動方向を現在の歩行方向に設定し、ノードNiを分
岐ノードスタックに記憶する。例えば、図7の画素P3
に対する周囲画素探索において、現在の歩行方向がDで
あるので、最初に画素P3+1 が発見され、次に画素P3+
2 が発見される。従って、新たなノードN3 (図9参
照)を作成し、現在の注目画素をP3+1 に、現在の歩行
方向を画素P3+1 に向うLに設定する。
【0023】5.また、現在の注目画素Piに対する周
囲画素探索において、有効画素が発見されない場合、新
たなノードNiを作成し、ノードNiと画素Piの座標
値とを対応して記憶する。これと共に、ノード数iを1
だけ増加し、現在の被リンクノードと新たなノードNi
との間にリンクを形成し、分岐ノードスタックの中のも
っとも最近に記憶されたノードを参照する。例えば、図
7の画素P5 の周囲画素探索において、有効画素がひと
つも発見されないことになる。この場合、新たなノード
N5 (図9参照)を作成し、分岐ノードスタックの中の
もっとも最近に記憶されたノードN3 を参照する。
【0024】6.ここで、参照したノードに未処理の有
効画素Pi+n の情報が存在している場合、有効画素Pi+
n の情報を処理済みとした上で、その有効画素Pi+n を
移動先として選択する。そして、現在の注目画素をPi+
n に、このときの移動方向を歩行方向に、現在の被リン
クノードをNiに、歩数sを0に設定し、周囲画素を探
索する。例えば、参照したノードN3 に未処理の有効画
素P3+2 の情報が存在しているため、有効画素P3+2 の
情報を処理済みとした上で、画素P3+2 を移動先として
選択する。そして、現在の注目画素をP3+2 、現在の歩
行方向をR、現在の被リンクノードをN3 、歩数sを0
に設定し、周囲画素を探索する。
【0025】7.また、参照したノードに未処理の有効
画素Pi+n の情報が存在していない場合、参照したノー
ドを分岐ノードスタックから削除し、処理動作を終了す
る。例えば、画素P12に対してノードN12(図9参照)
を作成した後、分岐ノードスタックの中のもっとも最近
に記憶されたノードN7 (図9参照)を参照する場合、
ノードN7 に未処理の有効画素情報が存在しないので、
ノードN7 を分岐ノードスタックから削除し、処理動作
を終了する。尚、上記手順中では記載が省略してある
が、現在の注目画素として選択された画素は細線化画像
データより削除される。また、ノードデータ等の記憶領
域としては、RAM4が使用される。
【0026】作成装置本体1は、木構造データを作成す
ると、図1のステップ5へ移行する。そして、液晶ディ
スプレイ7の画面7aにメッセージを表示することによ
り、作業者に縫い幅Wの入力を促し、操作キー9により
縫い幅Wを入力させる。即ち、操作キー9は請求項3記
載の縫い幅設定手段に相当する。
【0027】作成装置本体1は、縫い幅Wが入力された
ことを検出すると、図1のステップ6へ移行し、ステッ
プ4で作成した木構造データに基づいて刺繍データを作
成する。この刺繍データ作成処理は、木構造データの所
定のノードを開始点として深さ優先探索を行い、前向き
探索フェーズで探索されるリンクについては下打ち縫製
データを作成し、後向き探索(バックトラック)フェー
ズで探索されるリンクについては本打ち縫製データを作
成することで実現されるものである。即ち、作成装置本
体1は請求項1記載の探索手段および縫製データ作成手
段に相当する。以下、図9に示す木構造ベクトルデータ
「A」から刺繍データを作成する場合を具体例としてあ
げながら、刺繍データ作成処理について詳述する。
【0028】1.刺繍図柄上に対応する点を起点とし
て、行止まりになるまでリンクを辿っていく。例えば、
図9のルートノードN0 を起点として、N0 →N1 →N
2 →N3 →N4 →N5 の順にリンクを辿る。そして、ノ
ードNnに至ったときには、前ノードNn-1 の位置から
現ノードNnの位置に向かうベクトル(辿ってきたリン
クに相当する)に基づいて、請求項1記載の下打ち縫製
データに相当する走り縫いデータを作成する。これによ
り、N0 〜N5 の各位置に該順序で針落点が設定された
走り縫いデータが作成されることになる。
【0029】2.行止まりになるまで探索を行ったら、
新たに辿るリンクが存在しないのでバックトラックフェ
ーズに入る。例えば、リーフノードN5 まで探索を行っ
たら、N5 →N4 →N3 の順にリンクを辿る。そして、
前ノードNnの位置から現ノードNn-1 の位置に向かう
ベクトルに基づいて、請求項1記載の本打ち縫製データ
に相当する千鳥縫いデータを作成する。この千鳥縫いデ
ータは、ステップ5により入力された縫い幅Wに基づい
て作成されるものであり、N5 〜N3 の各位置を結ぶ線
分を中心線とし、この方向に沿って(縫い幅W/2)だ
け離れた両側に多数の針落ち点が設定されることにな
る。
【0030】3.バックトラックフェーズで探索を行っ
ているときに、新たなリンクが発見された場合、新たな
リンクに向って前向き探索フェーズを行う。例えば、バ
ックトラックフェーズでノードN3 に至ると、N6 へ向
かう新たなリンクが存在するので、N3 →N6 →N7 →
N8 →N9 の順に前向き探索フェーズを行い、走り縫い
データを作成する。次に、N9 →N8 →N7 とバックト
ラックフェーズを行って千鳥縫いデータを作成し、N7
→N10→N11→N12と前向き探索フェーズを行い、走り
縫いデータを作成する。最後に、N12→N11→N10→N
7 →N6 →N3→N2 →N1 →N0 とバックトラックフ
ェーズを行って千鳥縫いデータを作成し、刺繍データ作
成動作が終了する。
【0031】作成装置本体1は、刺繍データを作成する
と、図1のステップ7へ移行する。そして、ステップ1
で読取った画像データをRAM4から読出し、未処理の
連結線分図形を探す。例えば本実施例のように、画像デ
ータが「A」である場合、連結線分図形としては「A」
のみであるため、YESと判断して処理を終了するが、
未処理の連結線分図形がある場合、NOと判断し、未処
理の連結線分図形がなくなるまでステップ2〜7を繰返
す。
【0032】作成装置本体1は、刺繍データを作成する
と、フラッシュメモリ5aに記憶する。従って、作業者
が、このフラッシュメモリ5aをフラッシュメモリ装置
5から取出して刺繍ミシンのフラッシュメモリ装置に装
着することにより、図柄Aの刺繍形成が可能となる。図
10は、加工布に形成された刺繍縫い目を示すものであ
る。上記刺繍データ作成処理によれば、走り縫いデータ
に重ねて千鳥縫いデータが作成されるため、図10から
明らかなように、走り縫いの縫い目を覆い隠すように千
鳥縫いの縫い目が形成される。しかも、図柄Aは、起点
N0 に対応する部分に縫製開始点および終了点があるた
め、他の模様と組合わせた場合等、他の模様に繋がる渡
り糸が2本接近することになるので、一度に2本の渡り
糸を切断することが可能となり、渡り糸の切断も容易で
ある。
【0033】本実施例によれば、イメージスキャナ10
により原画から画像データを読取り、読取った画像デー
タに基づいて木構造データを作成し、この木構造データ
のうち、前向きに探索したリンクについては走り縫いデ
ータ、後向きに探索したリンクについては、走り縫い縫
製データに重なる千鳥縫い縫製データを作成した。この
ため、原画から画像データを読取るだけで、自動的に刺
繍データを作成することができ、図柄を多数の線分に分
解したり、縫製開始点および終了点を指示したりするこ
となく、簡単な操作で刺繍データが作成されるようにな
る。しかも、走り縫いの縫い目を千鳥縫いの縫い目で覆
い隠すような刺繍データを作成できるので、縫い上がり
の刺繍に無駄な渡り糸が生じない高品質で綺麗な刺繍図
柄が形成される。
【0034】また、画像データを境界線抽出処理および
細線化処理した後に木構造データを作成しているので、
形状が曖昧な原画であっても形状を明確化することがで
き、その結果、より高品質でより綺麗な刺繍図柄が形成
されるようになる。また、操作キー9により千鳥縫いデ
ータの縫い幅Wを設定できるので、使用者の好みに応じ
た太さの刺繍図柄を形成できる。
【0035】尚、上記実施例においては、下打ち縫製デ
ータとして走り縫い縫製データを示し、本打ち縫製デー
タとして千鳥縫い縫製データを示したが、これに限定さ
れるものではなく、要は、比較的糸密度が小さな縫製デ
ータを下打ち縫製データに適用し、下打ち縫製を覆い隠
すことができるような密度の大きい縫製データを本打ち
縫製データに適用すれば良い。また、上記実施例におい
ては、作業者が縫い幅Wを操作キー9により入力する構
成としたが、これに限定されるものではなく、例えば図
1のステップ5を廃止し、作成装置本体1が縫い幅Wを
予め記憶された所定値に自動設定する構成としても良
い。
【0036】また、上記実施例においては、読取手段と
してイメージスキャナ10を用いたが、これに限定され
るものはなく、例えばデジタイザを用いても良い。この
場合、図柄を構成する線分が直接座標値の集合で入力さ
れるため、該座標値がそのまま図柄画像データとして利
用されることになる。その他、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えばブロック形式の刺繍デー
タを作成したり、作成装置本体1のハードウェア構成に
汎用のパーソナルコンピュータを採用したりしても良
い。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の刺繍データ作成装置によれば次のような優れた効果を
奏する。請求項1記載の手段によれば、原画から画像デ
ータを読取るだけで、刺繍データを作成することができ
るので、図柄を多数の線分に分解したり、縫製開始点お
よび終了点を指示したりすることなく、簡単な操作で刺
繍データが作成される。しかも、下打ち縫い目を本打ち
縫い目で覆い隠すような刺繍データを作成することがで
きるので、縫い上がりの刺繍に無駄な渡り糸が生じない
高品質で綺麗な刺繍図柄が形成される。
【0038】請求項2記載の手段によれば、画像データ
を境界線抽出処理および細線化処理した後に木構造デー
タを作成するので、原画の形状を明確化することがで
き、ひいては、より高品質でより綺麗な刺繍図柄が形成
される。請求項3記載の手段によれば、本打ち縫製デー
タの縫い幅を調整することができるので、使用者の好み
に応じた太さの刺繍図柄が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す刺繍データ作成手順の
フローチャートである。
【図2】本発明の刺繍データ作成装置の外観斜視図であ
る。
【図3】上記刺繍データ作成装置の電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図4】原画「A」を示す図である。
【図5】画像データを示す図である。
【図6】境界線処理が施された画像データを示す図であ
る。
【図7】細線化処理が施された画像データを示す図であ
る。
【図8】周囲画素探索の順序を示す図である。
【図9】木構造データを示す図である。
【図10】刺繍縫い目を示す図である。
【符号の説明】
1は作成装置本体(木構造データ作成手段、探索手段、
縫製データ作成手段、境界線抽出手段、細線化手段)、
9は操作キー(縫い幅設定手段)、10はハンディスキ
ャナ(読取手段)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−218489(JP,A) 特開 昭55−45814(JP,A) 特開 平3−295587(JP,A) 特開 平5−195(JP,A) 特開 昭61−199892(JP,A) 特開 昭62−170287(JP,A) 特開 平1−170494(JP,A) 特開 昭63−139587(JP,A) 特開 平4−266790(JP,A) 特開 平3−251287(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 19/00 - 21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線画で構成される刺繍図柄をミシンによ
    り縫製するために必要な刺繍データを作成する刺繍デー
    タ作成装置において、 前記刺繍図柄の原画から画像データを読取る読取手段
    と、 この読取手段が読取った画像データに基づいて、分岐点
    相互間がベクトルデータにより連結された形態の木構造
    データを作成する木構造データ作成手段と、 この木構造データ作成手段が作成した木構造データに対
    して深さ優先探索を行うことにより、刺繍図柄上に対応
    する点を起点としてベクトルデータを前向きおよび後向
    きの双方向へ探索する探索手段と、 この探索手段が前向きに探索したベクトルデータに基づ
    いて下打ち縫製データを作成し、後向きに探索したベク
    トルデータに基づいて、下打ち縫製データに重なる本打
    ち縫製データを作成する縫製データ作成手段とを備えた
    ことを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 【請求項2】 読取手段が読取った画像データを境界線
    抽出処理する境界線抽出手段と、 この境界線抽出手段により境界線抽出処理された画像デ
    ータを細線化処理する細線化手段とを備え、 木構造データ作成手段は、前記細線化手段により細線化
    処理された画像データに基づいて木構造データを作成す
    る構成であることを特徴とする請求項1記載の刺繍デー
    タ作成装置。
  3. 【請求項3】 縫製データ作成手段により作成される本
    打ち縫製データの縫い幅を設定するための縫い幅設定手
    段を備えたことを特徴とする請求項1記載の刺繍データ
    作成装置。
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