JPH06327611A - 内視鏡の被覆チューブの製造方法 - Google Patents

内視鏡の被覆チューブの製造方法

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JPH06327611A
JPH06327611A JP5139904A JP13990493A JPH06327611A JP H06327611 A JPH06327611 A JP H06327611A JP 5139904 A JP5139904 A JP 5139904A JP 13990493 A JP13990493 A JP 13990493A JP H06327611 A JPH06327611 A JP H06327611A
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Mitsunori Machida
光則 町田
Shinichi Matsuda
信一 松田
Mitsuo Kondo
光夫 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被覆チューブを割り型方式で成形するに当っ
て、パーティングラインに沿ってピンホールや亀裂等が
生じないようにする。 【構成】 芯材1を外型2,3と分離した状態で、この
芯材1に、シート4を密着させるようになし、面取り部
1aの位置でシート4の両端を突き合わせた状態で、芯
材1に巻き付け、上下の外型2,3を芯材1に巻き付け
たシート4上に嵌合させ、左右の面取り部1aを設けた
部位に外型2,3の接合部を対応させるように配置し
て、外型2,3を上下から加圧すると共に、加熱するこ
とによって、芯材1に巻着したシート4を軟化乃至溶融
化させてチューブ状に成形する。この外型2,3により
加圧された時に、軟化乃至溶融化した素材が面取り部1
a内に回り込んで、このシート4の突き合わせ部分は確
実に一体化され、この面取り部1aに気泡が滞留して
も、この部位は厚肉部5aとなるから、多少の気泡が生
じても、強度低下は最小限に抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡のアングル部に
被着される被覆チューブの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】内視鏡のアングル部は、その構造体とし
て、多数のアングルリングを上下、または上下及び左右
の順に枢着することにより構造体が形成されるが、この
構造体上に被覆チューブが被着される。ここで、被覆チ
ューブとして備えなければならない条件としては、まず
アングル部はかなり大きな角度で湾曲操作されることか
ら、柔軟性を備える必要があり、しかも繰り返し曲げて
も十分な強度を有するものでなければならない。また、
体腔内等に挿入されるものであるから、滑り良さが求め
られる。さらに、内視鏡は使用の都度消毒液により洗浄
されるものであるから、耐薬品性に優れ、しかも完全な
気密性を備える必要がある。以上の点から、アングル部
の被覆チューブとしては、例えばウレタンゴム等の材質
のものが用いられる。
【0003】ここで、被覆チューブを成形する方法とし
ては、まず射出成形による方法がある。この射出成形
は、複雑な成形型が必要となり、コスト的に高くなるだ
けでなく、あまり長尺なものを形成できないという欠点
がある。また、ウレタンゴム等をシート状に形成して、
このシートを芯材に巻き付けて、上下の割り型を用いて
加熱しながら加圧して、素材を軟化乃至溶融化させるこ
とによってチューブ状に成形することも可能である。こ
の割り型方式は、型の構造が簡単であり、しかも比較的
長尺のチューブを製造できるという利点がある。
【0004】ここで、割り型方式で被覆チューブを成形
する場合においては、上下の外型が接合されるようにな
っており、この外型を上下から加圧すると共に、この加
圧時に素材を軟化させるために加熱することによって、
シートの突き合わせ部分を含めた全体がほぼ均一なチュ
ーブ形状となるように成形される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うに、割り型方式で成形した被覆チューブにおいては、
ピンホール等が生じて気密漏れが発生するおそれがあ
る。このピンホールは成形時における上下の型の接合部
に生じる微小な凸状のラインであるパーティングライン
の位置に発生するものであり、とりわけシートの両端部
が接合される側のパーティングラインに沿う位置が最も
脆弱で、この部位に特にピンホール等が発生する場合が
多い。
【0006】通常、型の加圧時には、上下の外型の中央
部近傍から両者の接合部に向けて押し付け力が働く。シ
ートが軟化乃至溶融化して、この素材が接合部から外方
に向けて流れ、この接合部にパーティングラインが形成
されるが、シートが芯材の表面に完全に密着した状態に
巻き付けられておれば、パーティングラインに沿う位置
がそれ程脆弱となる訳ではないが、その間に僅かでも空
気が介在していると、この空気が割り型の接合部に向け
て押し流され、この接合部の位置で気泡が滞留すること
になる。しかも、型の加熱によってこの気泡が膨張する
等もあり、この気泡が発生した部位に小さくはあるが、
無視できない程度の凹部が形成されて、当該の部位が脆
弱になる。このように形成した被覆チューブをアングル
部に装着して、湾曲操作により繰り返し大きく伸縮する
と、やがては微小なピンホールが発生したり、甚だしい
場合には亀裂が生じたりすることもある。
【0007】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あって、その目的とするところは、割り型方式で被覆チ
ューブを成形するに当って、ピンホールや亀裂等の発生
を確実に防止できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は、断面が円形で、少なくとも一部に軸
線方向の面取り部を形成した芯材と、この芯材に嵌合さ
れる上下一対の外型とからなる成形用の型を用い、熱可
塑性を有しかつ弾性を有するシートを芯材に巻き付け
て、その端部を前記面取り部の位置で突き合わせて、こ
のようにして芯材に巻着したシートの外部から上下の外
型の接合部近傍に面取り部を位置させた状態に嵌め込ん
で、シートを加圧しながら加熱することをその特徴とす
るものである。
【0009】
【作用】チューブの素材であるシートを芯材に巻き付け
て、その端部を面取り部の位置で突き合わせた状態で、
割り型を構成する上下の外型を嵌合させるが、この上下
の外型の接合部にこのシートの突き合わせ部を対応させ
るように配置する。そして、上下の外型を加圧しながら
加熱することによりチューブの成形が行われる。この加
圧力によって、それぞれの外型の中央部側から接合部に
向けて、即ち面取り部の方向に向けて素材が流動化す
る。この時に、シートと芯材との間に空気が介在してい
ると、この空気も面取り部に向けて移行する。ここで、
面取り部では型の内面と芯材の外面との間の間隔は他の
部位より広くなっているから、素材がこの面取り部内に
円滑に流れ込み、チューブのこの部分は厚肉になって、
シートを突き合わせた部分における強度が向上すると共
に、たとえこの面取り部内に微小気泡が封じ込められる
等の状態が発生しても、増大した肉厚によりピンホール
等が発生する事態の発生を防止できる。
【0010】以上のようにして製造されたチューブは、
当然、その面取り部の位置が他の部分より厚肉になる。
ただし、このチューブの肉厚は連続的に増大するので、
急激な強度の差が出るようなことはない。しかも、強度
の向上を図るためのものであるから、最厚肉の部位で
も、肉厚差がそれほど大きくする必要はない。そして、
このチューブは弾性を有し、ある程度拡径した状態でア
ングル部に装着するようになっているので、アングル部
に装着した状態において、その外面が凹凸形状となるよ
うなことはない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。まず、図1に被覆チューブの成形用の型を
示す。図中において、1は内型を構成する芯材であっ
て、この芯材1はその側面の左右両側の位置において、
全長にわたって面取り部1aが形成されている。また、
2,3はそれぞれ内面が半円の型面2a,3aを有する
上下の割り型を構成する外型であって、芯材1に熱可塑
性のある弾性材であるウレタンゴム等のシート4を巻き
付けて、それを内部に配置した状態で、上下の外型2,
3を嵌合させるようになっている。このように、割り型
を用いて被覆チューブを成形するようにすれば、成形用
の型の構造が簡単であり、長さも十分取れることにな
る。
【0012】次に、以上の型を用いてシート4から図2
に示したように被覆チューブ5が製造される。即ち、ま
ず芯材1を外型2,3と分離した状態で、この芯材1に
シート4を芯材1に巻き付ける。ここで、シート4は芯
材1に対して完全に密着させるようになし、しかもこの
芯材1の片側の面取り部1aの位置でシート4の両端を
突き合わせるようにする。そして、上下の外型2,3を
芯材1に巻き付けたシート4上に嵌合させるが、図3に
示したように、左右の面取り部1aを設けた部位に外型
2,3の接合部を対応させるように配置する。この状態
で、外型2,3を上下から加圧すると共に、加熱するこ
とによって、芯材1に巻着したシート4を軟化乃至溶融
化させてチューブ状に成形される。然る後に、外型2,
3を取り除いて、冷却させた後に芯材1を抜き取ること
によって、被覆チューブ5が形成される。この被覆チュ
ーブ5の内面は、面取り部1aに対応する部位の肉厚が
大きくなった厚肉部5aとなる。ここで、例えば、図3
に示したように、被覆チューブ5の内径を12.8mm
で、肉厚を0.5mmとする場合において、面取り部1
aにより形成される厚肉部5aを0.02mm程度とす
る。
【0013】被覆チューブ5は、内視鏡の挿入部におけ
るアングル部の外皮層として用いられることから、たと
え微小なものであっても、一部に肉厚の薄い脆弱部分が
あると、アングル操作により繰り返し大きく伸縮する
と、この薄肉の部分にピンホールが生じたり、甚だしい
場合には亀裂が発生したりするおそれがある。この結
果、気密漏れが生じて、挿入部に内蔵されている各部材
が汚損されたり、錆付いたりすることになり、また電子
内視鏡の場合には、固体撮像素子が内蔵されているの
で、この固体撮像素子及びその他の電子部品や、それが
装着される基板等の故障の原因にもなる。割り型方式で
は、簡単な成形用の型を用いて、容易に、しかも長尺の
被覆チューブ5を形成できるが、外型2,3の接合部分
にできる微小な凸部からなるパーティングラインに沿っ
てピンホール等が発生する可能性が高くなる。
【0014】そこで、本発明においては、芯材1に面取
り部1aを形成することによって、成形時においては、
芯材1に巻き付けたシート4が軟化乃至溶融化した状態
で、外型2,3により加圧された時に、この軟化乃至溶
融化した素材が面取り部1a内に回り込んで、このシー
ト4の突き合わせ部分は確実に一体化される。また、シ
ート4を芯材1に巻き付ける際に、このシート4を芯材
1の表面に密着させるが、その間から完全に空気を排除
するのは極めて困難である。僅かでも空気が介在してい
ると、外型2,3を加熱状態で上下から加圧した時に、
軟化乃至溶融した素材がこの加圧力によって外型2,3
の接合部側に移行することになる。従って、この空気が
移行する間に気泡となって成長する場合があり、しかも
熱膨張した状態で接合部の位置に封じ込められる。特
に、シート4の突き合わせ部においては、元々シート4
が連続していないので、この部位に気泡が滞留すると、
滞留気泡により形成される凹部によりかなり脆弱なもの
となる。しかしながら、気泡が滞留するのは厚肉部5a
の部位であるから、多少の気泡が生じても、肉厚が増大
しているので、強度低下は最小限に抑制される。
【0015】以上のように構成される被覆チューブ5は
内視鏡の挿入部におけるアングル部の外皮層としてアン
グルリング上に外装されるが、この時にはある程度拡径
した状態となるから、厚肉部5aが引き伸ばされるよう
になる。しかも、この厚肉部5aの厚みは極端に大きな
ものではなく、また連続的に肉厚が増加するようになっ
ているから、アングルリング上に外装させた時に、アン
グル部の外面の一部が膨出変形するおそれはない。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、断面が円形で、少なくとも一部に軸線方向の面取り
部を形成した芯材と、この芯材に嵌合される上下の外型
とを有し、熱可塑性を有しかつ弾性を有するシートを巻
き付けて、その端部を前記面取り部の位置で突き合わせ
て、この巻着シートの外部から割り型をその上下の外型
の接合部近傍に面取り部を位置させた状態に嵌め込ん
で、シートに圧接させながら加熱するようにしたから、
簡単な構造の成形用の型を用いて、容易に、しかも長尺
の被覆チューブを形成でき、かつ成形時における上下の
外型の接合部の位置の強度が向上し、アングル部におけ
るアングルリングに外装させて、繰り返し湾曲操作して
も、ピンホールや亀裂等が発生するおそれはない等の効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】被覆チューブの成形用の型の外観図である。
【図2】被覆チューブの外観図である。
【図3】被覆チューブの成形工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 芯材 1a 面取り部 2,3 外型 4 シート 5 被覆チューブ 5a 厚肉部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断面が円形で、少なくとも一部に軸線方
    向の面取り部を形成した芯材と、この芯材に嵌合される
    上下一対の外型とからなる成形用の型を用い、熱可塑性
    を有しかつ弾性を有するシートを芯材に巻き付けて、そ
    の端部を前記面取り部の位置で突き合わせて、このよう
    にして芯材に巻着したシートの外部から上下の外型の接
    合部近傍に面取り部を位置させた状態に嵌め込んで、シ
    ートを加圧しながら加熱することを特徴とする内視鏡の
    被覆チューブの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002085334A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Fuji Photo Optical Co Ltd 可撓性チューブ及びその製造方法
CN104545771A (zh) * 2015-01-15 2015-04-29 珠海普生医疗科技有限公司 一种内窥镜的加工方法及内窥镜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002085334A (ja) * 2000-09-13 2002-03-26 Fuji Photo Optical Co Ltd 可撓性チューブ及びその製造方法
CN104545771A (zh) * 2015-01-15 2015-04-29 珠海普生医疗科技有限公司 一种内窥镜的加工方法及内窥镜

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