JP3607523B2 - ローラーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は各種ローラー、例えば現像機、OA機器等で紙葉類搬送に使用されるローラーの製造方法であって、特に長尺で高トルクのかかるローラーとして好ましいローラーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のローラーの製造方法として、シャフト上に未加硫ゴムを直接被覆する被覆法と挿入法があり、このうち挿入法は、予め内層に樹脂を使用したシャフト挿通孔を有するパイプを押出機により成形し、所定寸法長さに切断し、シャフトを圧入してローラーとするものである。この方法では、パイプのシャフト挿通孔がシャフトの径よりも小径となるように成形されているため、圧入により精度良くシャフトの所定の位置にパイプを固定することができ、圧入を施してもパイプの内層に樹脂を用いているため、パイプ全体に圧入による変形が及ぶことなくシャフトを挿入することが可能である。
【0003】
一方、高トルクを必要とするローラーに関しては、パイプとシャフトの密着性の高さが要求されるため、内層が樹脂であるパイプのシャフト挿通孔の径をさらに小さくし、パイプのみシャフト挿通孔が拡径するまで加熱し、熱膨張でシャフト挿通孔の内径がシャフトの外径より大径になる温度で保温を行い、その状態でシャフトを挿入し、冷却することにより収縮させて密着させる方法が取られている。ここで、シャフトを加熱すると、シャフト自体も熱膨張して外径が大きくなり、挿入に支障をきたす恐れがあるため、特にシャフトは加熱しない状態で挿入されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、長尺で高トルクが必要となるローラーを製作しようとすると、シャフトがシャフト挿通孔に簡単に入るようであれば、密着性が悪くなり、高トルクに耐えられず、空回りを引き起こす原因になるため、シャフト挿通孔の内径をシャフトの外径より可能な限り小径として圧入するのが好ましい。しかし、パイプの内層に存在するシャフト挿通孔が樹脂でできており、ゴムなどとは異なり伸縮性に乏しいため、パイプにシャフトを圧入するときには、相当な押圧が必要となり、あまりに押圧が高すぎると長尺パイプの場合には、パイプ自体が折れてしまう場合があった。
【0005】
また、パイプを加熱することにより、熱膨張でシャフト挿通孔を拡径し、シャフトを挿入する方法をとっても、ローラーが長尺である場合には、シャフトを挿入していくに従って、パイプに与えた熱が次々にシャフトに奪われてしまい、シャフト挿通孔を形成している樹脂が熱膨張により拡径された状態を保てなくなり、挿入が完了しないうちに収縮してしまう。その結果、シャフトの挿入が途中で不可能となってしまうこともあった。
【0006】
さらに、冷却する前にパイプを所定寸法長さに切断すると、パイプを加熱してシャフトを挿入し、冷却を行った後、パイプの径とシャフト挿通孔の径の設定の度合いにより様々ではあるが、パイプが所定寸法に復元せず、冷却前に切断した所定寸法長さよりも、圧入によるひずみのため、パイプ長が長くなってしまう現象が見られた。その結果、冷却後に再度パイプを所定寸法長さに整える作業が不可欠となる場合があった。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するものであり、長尺で高トルクが要求されるローラーであっても、パイプとシャフトの密着性が高く、安定したローラーの製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決する手段】
即ち、この発明は、上記課題を解決するために、予め成形された樹脂製のパイプに、金属シャフトを挿入してローラーとするローラーの製造方法において、パイプ及び金属シャフトの双方を、パイプ用の樹脂が軟化する温度に保持しつつ、前記金属シャフトを前記パイプに挿入し、次いで前記樹脂が硬化する温度まで冷却した後、前記金属シャフトを被覆している前記パイプを所定長さに切断することを特徴としている。
【0009】
また、少なくとも前記パイプの最内層が樹脂で形成されていることを特徴としている。
【0010】
【作用】
本発明によるローラーの製造方法では、パイプだけでなく、パイプと共に金属シャフトも同時に、シャフト挿通孔が拡径し軟化する温度まで加熱、保温した状態でシャフトを挿入することにより、シャフト挿通孔が拡径し、かつ軟化するため、過度な押圧を必要としない。よって、パイプが長尺であっても押圧のかけ過ぎによりパイプが折れてしまうことはなく、また、金属シャフトが熱膨張により拡径しても、樹脂が拡径し、かつ軟化するため、挿入が容易に行える。
【0011】
また、特に従来法では、長尺のローラーを製作する場合において、パイプの熱がシャフトに奪われやすく、挿入困難になりがちであったが、シャフトに金属シャフトを用い、パイプと金属シャフトの両方を加熱、保温すると、パイプと金属シャフトがほぼ同温となり、かつ、パイプ内に挿入された部分の金属シャフトにも伝熱するため、シャフトを挿入していくに従って、シャフトがパイプの熱を奪って樹脂を硬化させることがなく、樹脂が軟化した状態のまま、挿入完了までスムーズにシャフトを挿入することができる。
【0012】
さらに、パイプに金属シャフトを挿入し、冷却を行った後、パイプを所定寸法長さに切断するため、再度パイプを所定寸法に整える作業が不要となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明のローラーの製造方法の工程手順を示した図であり、図2は、本発明のローラーの製造方法を用いて製造したローラーの一例である。
【0014】
図1、図2に示しす、2は樹脂で成形された中空円筒状のパイプであり、3は円筒状の金属シャフトである。説明する実施例では、図2に示すようにパイプ2が、樹脂製の内層部22を備え、その外周面を覆う外層部23がゴムである2層構造のパイプを有するローラーとする。
【0015】
図1に示すように、図1(1)の成形の工程では、パイプ2を図示していない押出機により成形される。パイプ2は、中空円筒状で、その中心には金属シャフト3が挿通するシャフト挿通孔24が設けられている。シャフト挿通孔24は、金属シャフト3の所定位置にしっかりとパイプ2が固定できるように、金属シャフト3の外径よりシャフト挿通孔24の内径が小径となるように成形されるが、その度合いは製作されるローラーの要求トルクによって様々であるが、ケースに応じて適宜決定すればよい。
【0016】
次にパイプ2に金属シャフト3を挿入する図1(2)の加熱・挿入の工程では、パイプ2および金属シャフト3を図示していない加熱装置を用いて、シャフト挿通孔24が熱膨張により拡径し、パイプ2の内層22を形成している樹脂が軟化する温度にまで加熱し、その温度で保温を行う。この場合の軟化の程度は、シャフト挿通孔24の形状が保てる程度であり、また、シャフト挿通孔24の内径が加熱されることにより拡径した状態から、さらに金属シャフト3の挿入により金属シャフト3の外径に合わせてシャフト挿通孔24の内径が変形する程度である。
【0017】
次いで、パイプ2と金属シャフト3を前記温度に保った状態で挿入を行い、金属シャフト3の所定の位置にパイプ2を位置決めし、図1(3)の冷却・収縮の工程で冷却を行う。冷却を行うと、いままで熱膨張により拡径、軟化し、金属シャフト3の挿入により金属シャフト3の外径に合わせて変形していたシャフト挿通孔24の内径が、冷却により収縮し、元の状態に復元する。復元するとシャフト挿通孔24の内径は、金属シャフト3の外径より、小径に設定されているため、圧入状態となり金属シャフト3に強く固着される。また、軟化状態で挿入するため、シャフト挿通孔24が金属シャフト3の外径形状に合わせて変形することにより、金属シャフト3の外径寸法精度が粗である場合であっても強力に固着できる。
【0018】
パイプ2を金属シャフト3に固定した後、図1(4)の切断工程で、パイプ2を所定寸法長さに切断を行い、パイプ屑21を除去し、ローラー1が完成する。また、必要であればパイプ2の外周面に研磨を施してもよい。
【0019】
以上本発明の一実施例につき説明したが、これに限定されず種々変更可能である。例えば、実施例では図2のように、パイプ2の構造を2層構造としたが、樹脂のみの1層構造としてもよく、また、シャフト挿通孔24を設ける最内層が樹脂であれば、最内層以外の層に樹脂以外の材質を用いた多層構造としたパイプ2でもよい。さらに、パイプの成形には押出機を用いる例を示したが、これに限定されず、例えばモールドを用いて成形してもよい。
【0020】
樹脂の材質としては、オレフィン系樹脂、塩素化樹脂、フッ素系樹脂、エンプラ系樹脂等が使用可能で、これらの樹脂に酸化防止剤、老化防止剤、補強剤、充填剤、架橋剤、架橋助剤、架橋促進剤、加工助剤等を配合してもよい。
【0021】
また、実施例で示したようにパイプの最外層にゴムを用いる場合には、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、シリコーンゴム、EPBM、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム、フッ化シリコーンゴム、アクリルゴム、エチレンアクリルゴムなどのゴム類等が使用可能で、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマーなどの熱可塑性エラストマー類を用いてもよい。中でも、紙葉類搬送に用いられるローラーでは、シリコーンゴム、EPBM、クロロプレンゴム、熱可塑性エラストマー類が好適である。
【0022】
金属シャフト3の材質としては、金属であれば特に限定しない。また、高トルクが要求される長尺ローラーでは、パイプ2が密着する金属シャフト3の外周面にローレットなどを設けることにより、パイプ2と金属シャフト3がよりしっかりと固定されるため、より高トルクに耐え得るローラー1となる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した通りの本発明のローラーの製造方法によれば、パイプだけでなくパイプとシャフトの両方を加熱、保温した状態で挿入を行うため、ローラーが長尺タイプであっても、スムーズに挿入することができ、挿入途中で、シャフトがパイプの熱を奪って、挿入不可能になることはない。
【0024】
また、加熱、保温状態により、シャフト挿通孔の拡径のみならず、パイプの最内層を形成している樹脂が軟化するため、シャフトの外径に対し、シャフト挿通孔の内径を従来よりもさらに小径にしても、シャフトを挿入することが可能となり、従来以上の圧入効果を期待することができる。よって、パイプとシャフトをより強靭に固定することができ、樹脂の軟化により、樹脂がシャフトの外径形状に沿って変形するため、シャフトの外径精度がよくない場合であっても対応でき、さらに溶着の効果も期待できる。
【0025】
さらに、パイプを所定寸法長さに切断する工程を冷却工程の後にしているため、一旦加熱前に所定長さに切断し、再度パイプを所定寸法長さに整え直す作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローラーの製造方法の工程を示す図である。
【図2】本発明のローラーの斜視図である。
【符号の説明】
1 ローラー
2 パイプ
3 金属シャフト
21 パイプ屑
22 内層部
23 外層部
24 シャフト挿通孔
Claims (2)
- 予め成形された樹脂製のパイプに、金属シャフトを挿入してローラーとするローラーの製造方法において、パイプ及び金属シャフトの双方を、パイプ用の樹脂が軟化する温度に保持しつつ、前記金属シャフトを前記パイプに挿入し、次いで前記樹脂が硬化する温度まで冷却した後、前記金属シャフトを被覆している前記パイプを所定長さに切断することを特徴とするローラーの製造方法。
- 少なくとも前記パイプの最内層が樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1記載のローラーの製造方法。
Priority Applications (1)
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JP09923699A JP3607523B2 (ja) | 1999-04-06 | 1999-04-06 | ローラーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09923699A JP3607523B2 (ja) | 1999-04-06 | 1999-04-06 | ローラーの製造方法 |
Publications (2)
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JP3607523B2 true JP3607523B2 (ja) | 2005-01-05 |
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Family Applications (1)
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1999
- 1999-04-06 JP JP09923699A patent/JP3607523B2/ja not_active Expired - Fee Related
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