JPH06327487A - 発酵法によるl−スレオニンの製造法 - Google Patents
発酵法によるl−スレオニンの製造法Info
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- JPH06327487A JPH06327487A JP12114593A JP12114593A JPH06327487A JP H06327487 A JPH06327487 A JP H06327487A JP 12114593 A JP12114593 A JP 12114593A JP 12114593 A JP12114593 A JP 12114593A JP H06327487 A JPH06327487 A JP H06327487A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 医薬、食品、飼料などに有用なL−スレオニ
ンを工業的により効率よく、安価に製造する方法を提供
する。 【構成】 メチロバチルス属に属し、L−ロイシン、L
−ロイシンアナログ、L−イソロイシン、およびL−イ
ソロイシンアナログから選ばれる少なくとも1つに耐性
を有し、かつL−スレオニン生産能を有する微生物を、
メタノ−ルを主たる炭素源として含有する培地に培養
し、培養物中にL−スレオニンを生成蓄積させ、該培養
物からL−スレオニンを採取することを特徴とするL−
スレオニンの製造法。
ンを工業的により効率よく、安価に製造する方法を提供
する。 【構成】 メチロバチルス属に属し、L−ロイシン、L
−ロイシンアナログ、L−イソロイシン、およびL−イ
ソロイシンアナログから選ばれる少なくとも1つに耐性
を有し、かつL−スレオニン生産能を有する微生物を、
メタノ−ルを主たる炭素源として含有する培地に培養
し、培養物中にL−スレオニンを生成蓄積させ、該培養
物からL−スレオニンを採取することを特徴とするL−
スレオニンの製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬、食品、飼料など
に広く利用されているL−スレオニンの製造法に関す
る。
に広く利用されているL−スレオニンの製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】メタノールを炭素源として微生物により
L−スレオニンを製造する方法としてアクロモバクター
属およびシュードモナス属の微生物を用いる方法(特公
昭45-25273号公報) 、プロタミノバクター属またはメタ
ノモナス属の微生物を用いる方法 (特開昭50-25790号公
報) 、およびメチロバチルス属に属し、L−スレオニ
ン、L−リジンおよびアミノ酸代謝拮抗物質の少なくと
も1つに耐性を有する微生物を用いる方法(特開平4-91
793 号公報) などが知られている。
L−スレオニンを製造する方法としてアクロモバクター
属およびシュードモナス属の微生物を用いる方法(特公
昭45-25273号公報) 、プロタミノバクター属またはメタ
ノモナス属の微生物を用いる方法 (特開昭50-25790号公
報) 、およびメチロバチルス属に属し、L−スレオニ
ン、L−リジンおよびアミノ酸代謝拮抗物質の少なくと
も1つに耐性を有する微生物を用いる方法(特開平4-91
793 号公報) などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、医
薬、食品、飼料などに有用なL−スレオニンを工業的に
より効率よく、安価に製造する方法を提供することにあ
る。
薬、食品、飼料などに有用なL−スレオニンを工業的に
より効率よく、安価に製造する方法を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、メチロ
バチルス属に属し、L−ロイシン、L−ロイシンアナロ
グ、L−イソロイシン、およびL−イソロイシンアナロ
グから選ばれる少なくとも1つに耐性を有し、かつL−
スレオニン生産能を有する微生物を、メタノールを主た
る炭素源として含有する培地に培養し、培養物中にL−
スレオニンを生成蓄積させ、該培養物からL−スレオニ
ンを採取することを特徴とする、発酵法によるL−スレ
オニンの製造法を提供することができる。
バチルス属に属し、L−ロイシン、L−ロイシンアナロ
グ、L−イソロイシン、およびL−イソロイシンアナロ
グから選ばれる少なくとも1つに耐性を有し、かつL−
スレオニン生産能を有する微生物を、メタノールを主た
る炭素源として含有する培地に培養し、培養物中にL−
スレオニンを生成蓄積させ、該培養物からL−スレオニ
ンを採取することを特徴とする、発酵法によるL−スレ
オニンの製造法を提供することができる。
【0005】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
のL−ロイシンアナログとしては、チアゾールアラニン
(β-(2-Thiazolyl)-DL-Alanine)、トリフルオロロイシ
ン(5,5,5-Trifluoro-DL-Leucine)、4−アザロイシン(4
-Aza-DL-Leucine)などが、L−イソロイシンアナログと
しては、イソロイシンヒドロキサメート (L-Isoleucine
-Hydroxamate) 、D−アロイソロイシン (D-allo-Isole
ucine)などが、それぞれあげられる。
のL−ロイシンアナログとしては、チアゾールアラニン
(β-(2-Thiazolyl)-DL-Alanine)、トリフルオロロイシ
ン(5,5,5-Trifluoro-DL-Leucine)、4−アザロイシン(4
-Aza-DL-Leucine)などが、L−イソロイシンアナログと
しては、イソロイシンヒドロキサメート (L-Isoleucine
-Hydroxamate) 、D−アロイソロイシン (D-allo-Isole
ucine)などが、それぞれあげられる。
【0006】本発明で用いられる微生物は、メチロバチ
ルス属に属し、L−ロイシン(以下、L−Leuと略記
する。)、L−ロイシンアナログ、L−イソロイシン
(以下、L−Ileと略記する。)、およびL−イソロ
イシンアナログから選ばれる少くとも1つに耐性を有
し、かつL−スレオニン(以下、L−Thrと略記す
る。)生産能を有する微生物であればよい。このような
性質を有する変異株は、親株に紫外線照射、N−メチル
−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)処
理などの通常の変異処理を施して得られる。変異処理
後、その親株が生育できないような濃度のL−Leu、
L−ロイシンアナログ、L−Ile、およびL−イソロ
イシンアナログから選ばれる少なくとも1つを含有する
培地中、または培地上に生育できるような変異株を分離
し、得られた薬剤耐性変異株をL−Thr生産用培地で
培養し、L−Thr生産量が、親株より増大している株
を選択すればよい。
ルス属に属し、L−ロイシン(以下、L−Leuと略記
する。)、L−ロイシンアナログ、L−イソロイシン
(以下、L−Ileと略記する。)、およびL−イソロ
イシンアナログから選ばれる少くとも1つに耐性を有
し、かつL−スレオニン(以下、L−Thrと略記す
る。)生産能を有する微生物であればよい。このような
性質を有する変異株は、親株に紫外線照射、N−メチル
−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)処
理などの通常の変異処理を施して得られる。変異処理
後、その親株が生育できないような濃度のL−Leu、
L−ロイシンアナログ、L−Ile、およびL−イソロ
イシンアナログから選ばれる少なくとも1つを含有する
培地中、または培地上に生育できるような変異株を分離
し、得られた薬剤耐性変異株をL−Thr生産用培地で
培養し、L−Thr生産量が、親株より増大している株
を選択すればよい。
【0007】これらの菌株の取得方法を示す。親株とし
ては、例えばアクロモバクター・メタノーロフィラ(Ac
hromobactermethanolophila) ATCC21452、シ
ュードモナス・インスエタ(Pseudomonas insueta)AT
CC21276、プロタミノバクター・チアミノファー
ガス(Protaminobacter thiaminophagus) ATCC21
372、メタノモナス・メチロボーラ(Methanomonas m
ethylovora)ATCC21369などの野生株を用いる
ことができる。
ては、例えばアクロモバクター・メタノーロフィラ(Ac
hromobactermethanolophila) ATCC21452、シ
ュードモナス・インスエタ(Pseudomonas insueta)AT
CC21276、プロタミノバクター・チアミノファー
ガス(Protaminobacter thiaminophagus) ATCC21
372、メタノモナス・メチロボーラ(Methanomonas m
ethylovora)ATCC21369などの野生株を用いる
ことができる。
【0008】また、メチロバチルス属に属し、L−Th
r生産能を有する菌株、例えばメチロバチルス・グリコ
ゲネスK−038(ATCC21967)、メチロバチ
ルス・グリコゲネスDA−19(FERM BP−29
81)などを親株として用いることもできる。
r生産能を有する菌株、例えばメチロバチルス・グリコ
ゲネスK−038(ATCC21967)、メチロバチ
ルス・グリコゲネスDA−19(FERM BP−29
81)などを親株として用いることもできる。
【0009】ATCC21452株、ATCC2127
6株、ATCC21372株、ATCC21369株、
ATCC21967株、FERM BP−2981株は
いずれも現在、メチロバチルス・グリコゲネス(Methyl
obacillus glycogenes) に分類されている〔Yordy et a
l. : インターナショナル・ジャーナル・オブ・システ
マティック・バクテリオロジー(International J. Syst
ematic Bacteriology), 27 , 247-255(1977) ; Urakami
et al. : International J. Systematic Bacteriolog
y, 34 , 188-201(1984)〕。
6株、ATCC21372株、ATCC21369株、
ATCC21967株、FERM BP−2981株は
いずれも現在、メチロバチルス・グリコゲネス(Methyl
obacillus glycogenes) に分類されている〔Yordy et a
l. : インターナショナル・ジャーナル・オブ・システ
マティック・バクテリオロジー(International J. Syst
ematic Bacteriology), 27 , 247-255(1977) ; Urakami
et al. : International J. Systematic Bacteriolog
y, 34 , 188-201(1984)〕。
【0010】以下、本明細書中においては、これらの微
生物をそれぞれメチロバチルス・グリコゲネス種に属す
るものとして記載する。かくして得られる本発明の微生
物の具体例を第1表に示す。
生物をそれぞれメチロバチルス・グリコゲネス種に属す
るものとして記載する。かくして得られる本発明の微生
物の具体例を第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】本発明の微生物によるL−Thrの生産
は、通常メタノール資化性微生物の培養に用いられる方
法で行われる。本発明におけるL−Thr生産用の培地
は、炭素源、窒素源、無機物および必要に応じてその他
の有機微量成分を含む通常の培地であれば、合成培地ま
たは天然培地のいずれでもよい。
は、通常メタノール資化性微生物の培養に用いられる方
法で行われる。本発明におけるL−Thr生産用の培地
は、炭素源、窒素源、無機物および必要に応じてその他
の有機微量成分を含む通常の培地であれば、合成培地ま
たは天然培地のいずれでもよい。
【0013】炭素源としてはメタノールを主に用い、培
地中に0.05〜30%(W/V)(以下、同じ。)添加
する。本発明に用いる菌株は、メタノール以外の炭素源
を唯一の炭素源として生育できないが、菌の生育、L−
Thrの生産性が向上する場合には、ピルビン酸、2−
ケトグルタル酸などの有機酸、あるいは、酵母エキス、
ペプトン、コーンスティープリカーなどの天然有機成分
などを0.01〜4%程度添加する。窒素源としては、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニ
アガス、アンモニア水、尿素などを0.1〜8%培地に添
加して用いる。これらのほかに、通常、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一
鉄、硫酸マンガンなどの微量成分が少量添加される。
地中に0.05〜30%(W/V)(以下、同じ。)添加
する。本発明に用いる菌株は、メタノール以外の炭素源
を唯一の炭素源として生育できないが、菌の生育、L−
Thrの生産性が向上する場合には、ピルビン酸、2−
ケトグルタル酸などの有機酸、あるいは、酵母エキス、
ペプトン、コーンスティープリカーなどの天然有機成分
などを0.01〜4%程度添加する。窒素源としては、硫
酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、アンモニ
アガス、アンモニア水、尿素などを0.1〜8%培地に添
加して用いる。これらのほかに、通常、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一
鉄、硫酸マンガンなどの微量成分が少量添加される。
【0014】培養は、振盪培養または通気攪拌培養など
の好気的条件下で行われる。温度は24〜37℃、培地
のpHは5〜9に保持され、培養は通常24〜120時
間で終了する。培養終了後、培養液から菌体などの沈澱
物を除去し、通常の方法、例えばイオン交換処理法、濃
縮法、塩析法などを用いることにより、L−Thrを採
取することができる。
の好気的条件下で行われる。温度は24〜37℃、培地
のpHは5〜9に保持され、培養は通常24〜120時
間で終了する。培養終了後、培養液から菌体などの沈澱
物を除去し、通常の方法、例えばイオン交換処理法、濃
縮法、塩析法などを用いることにより、L−Thrを採
取することができる。
【0015】以下、本発明の実施例を示す。
【0016】
実施例1 変異株の取得(1)メチロバチルス・グリコゲネスATA−76株の
取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株を、カザミ
ノ酸0.1%およびL−トリプトファン20mg/lを含有
する下記M1培地で30℃、24時間培養して得られる
菌体を、常法によりN−メチル−N’−ニトロ−N−ニ
トロソグアニジンによる変異処理(500mg/l、30
℃、30分)を行った。この菌体をチアゾールアラニン
1 000mg/l(シグマ社製)を含有するM1寒天培地
(M1培地に寒天1.5%を加えたもの)に塗布した。こ
れを、30℃で3〜14日培養し、生じたコロニーを釣
菌分離した。この様にして得た変異株を、試験管内の3
mlの下記種培地へ植菌し、30℃で18時間培養した。
得られた種培養液1mlを、50ml容太型試験管中の、メ
タノールを2%添加した下記発酵培地10mlに植菌し
た。培養24時間後2%量のメタノールをさらに添加
し、30℃で合計48時間培養した。培養はいずれも、
振盪培養で行った。
取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株を、カザミ
ノ酸0.1%およびL−トリプトファン20mg/lを含有
する下記M1培地で30℃、24時間培養して得られる
菌体を、常法によりN−メチル−N’−ニトロ−N−ニ
トロソグアニジンによる変異処理(500mg/l、30
℃、30分)を行った。この菌体をチアゾールアラニン
1 000mg/l(シグマ社製)を含有するM1寒天培地
(M1培地に寒天1.5%を加えたもの)に塗布した。こ
れを、30℃で3〜14日培養し、生じたコロニーを釣
菌分離した。この様にして得た変異株を、試験管内の3
mlの下記種培地へ植菌し、30℃で18時間培養した。
得られた種培養液1mlを、50ml容太型試験管中の、メ
タノールを2%添加した下記発酵培地10mlに植菌し
た。培養24時間後2%量のメタノールをさらに添加
し、30℃で合計48時間培養した。培養はいずれも、
振盪培養で行った。
【0017】以下に、それぞれの培地組成を示す。M1培地 メタノール0.5%、硫酸アンモニウム0.2%、リン酸一
カリウム0.1%、リン酸二カリウム0.7%、塩化ナトリ
ウム0.01%、チオウレア0.01%、硫酸マグネシウム
0.05%、硫酸第一鉄10mg/l、硫酸マンガン8mg/
l、チアミン1mg/l、ビオチン0.01mg/l(pH7.
0)種培地 粉末ブイヨン(極東製薬社製)2%、酵母エキスS(大
五製薬社製)0.5%、メタノール1%(pH7.0)発酵培地 硫酸アンモニウム0.8%、リン酸一カリウム0.1%、リ
ン酸二カリウム0.7%、塩化ナトリウム0.1%、硫酸マ
グネシウム0.04%、硫酸第一鉄10mg/l、硫酸マン
ガン10mg/l、ビオチン0.05mg/l、チアミン0.2
mg/l、パントテン酸カルシウム0.5mg/l、ニコチン
酸0.5mg/l、コーンスティープリカー0.3%、カザミ
ノ酸0.05%、炭酸カルシウム2%(pH7.0) 〔pHは水酸化ナトリウム水溶液または塩酸で調整し
た。いずれの培地においても、メタノール以外の成分を
溶解し、120℃、15分間の蒸気滅菌を行った後、メ
ンブレンフィルター(ミリポア社製、0.45μm)で除
菌したメタノールを添加した。〕
カリウム0.1%、リン酸二カリウム0.7%、塩化ナトリ
ウム0.01%、チオウレア0.01%、硫酸マグネシウム
0.05%、硫酸第一鉄10mg/l、硫酸マンガン8mg/
l、チアミン1mg/l、ビオチン0.01mg/l(pH7.
0)種培地 粉末ブイヨン(極東製薬社製)2%、酵母エキスS(大
五製薬社製)0.5%、メタノール1%(pH7.0)発酵培地 硫酸アンモニウム0.8%、リン酸一カリウム0.1%、リ
ン酸二カリウム0.7%、塩化ナトリウム0.1%、硫酸マ
グネシウム0.04%、硫酸第一鉄10mg/l、硫酸マン
ガン10mg/l、ビオチン0.05mg/l、チアミン0.2
mg/l、パントテン酸カルシウム0.5mg/l、ニコチン
酸0.5mg/l、コーンスティープリカー0.3%、カザミ
ノ酸0.05%、炭酸カルシウム2%(pH7.0) 〔pHは水酸化ナトリウム水溶液または塩酸で調整し
た。いずれの培地においても、メタノール以外の成分を
溶解し、120℃、15分間の蒸気滅菌を行った後、メ
ンブレンフィルター(ミリポア社製、0.45μm)で除
菌したメタノールを添加した。〕
【0018】培養終了後、菌体、炭酸カルシウムを遠心
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rをアミノ酸分析計(日本分光社製、高速液体クロマト
グラフィー、アミノ酸分析システム)で分析した。親株
DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上し
た菌株を選び、ATA−76株と命名した。
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rをアミノ酸分析計(日本分光社製、高速液体クロマト
グラフィー、アミノ酸分析システム)で分析した。親株
DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上し
た菌株を選び、ATA−76株と命名した。
【0019】(2)L−34株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスK−038株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにL−Leu20
000mg/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を
行いL−Leu耐性変異株を分離した。その中から、親
株K−038株に比較してL−Thrの生産量が向上し
た菌株を選び、L−34株と命名した。 (3)AAL−129株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスK−038株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにD−アロイソロ
イシン(シグマ社製)1000mg/lを用いる以外は
(1)と同様の変異処理を行い、D−アロイソロイシン
耐性変異株を分離した。その中から、親株K−038株
に比較して、L−Thrの生産量が向上した菌株を選
び、AAL−129株と命名した。
ールアラニン1000mg/lの代わりにL−Leu20
000mg/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を
行いL−Leu耐性変異株を分離した。その中から、親
株K−038株に比較してL−Thrの生産量が向上し
た菌株を選び、L−34株と命名した。 (3)AAL−129株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスK−038株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにD−アロイソロ
イシン(シグマ社製)1000mg/lを用いる以外は
(1)と同様の変異処理を行い、D−アロイソロイシン
耐性変異株を分離した。その中から、親株K−038株
に比較して、L−Thrの生産量が向上した菌株を選
び、AAL−129株と命名した。
【0020】(4)I−109株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにL−Ile50
00mg/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を行
い、L−Ile耐性変異株を分離した。その中から、親
株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上
した菌株を選び、I−109株と命名した。(5)AF−116株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにトリフルオロロ
イシン(フェアフィールド ケミカル社製)3000mg
/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を行い、ト
リフルオロロイシン耐性変異株を分離した。その中か
ら、親株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量
が向上した菌株を選び、AF−116株と命名した。(6)AIH−29株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにイソロイシンヒ
ドロキサメート(シグマ社製)1000mg/lを用いる
以外は(1)と同様の変異処理を行い、イソロイシンヒ
ドロキサメート耐性変異株を分離した。その中から、親
株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上
した菌株を選び、AIH−29株と命名した。(7)ALZ−9株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりに4−アザロイシ
ン(シグマ社製)5000mg/lを用いる以外は(1)
と同様の変異処理を行い、4−アザロイシン耐性変異株
を分離した。その中から、親株DA−19株に比較し
て、L−Thrの生産量が向上した菌株を選び、ALZ
−9株と命名した。
ールアラニン1000mg/lの代わりにL−Ile50
00mg/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を行
い、L−Ile耐性変異株を分離した。その中から、親
株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上
した菌株を選び、I−109株と命名した。(5)AF−116株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにトリフルオロロ
イシン(フェアフィールド ケミカル社製)3000mg
/lを用いる以外は(1)と同様の変異処理を行い、ト
リフルオロロイシン耐性変異株を分離した。その中か
ら、親株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量
が向上した菌株を選び、AF−116株と命名した。(6)AIH−29株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりにイソロイシンヒ
ドロキサメート(シグマ社製)1000mg/lを用いる
以外は(1)と同様の変異処理を行い、イソロイシンヒ
ドロキサメート耐性変異株を分離した。その中から、親
株DA−19株に比較して、L−Thrの生産量が向上
した菌株を選び、AIH−29株と命名した。(7)ALZ−9株の取得 メチロバチルス・グリコゲネスDA−19株に、チアゾ
ールアラニン1000mg/lの代わりに4−アザロイシ
ン(シグマ社製)5000mg/lを用いる以外は(1)
と同様の変異処理を行い、4−アザロイシン耐性変異株
を分離した。その中から、親株DA−19株に比較し
て、L−Thrの生産量が向上した菌株を選び、ALZ
−9株と命名した。
【0021】これらの変異株は、各々ブダペスト条約に
基づいて平成5年5月19日付で工業技術院生命工学工
業技術研究所に寄託されている。各々の菌株の寄託番号
を第2表に示す。
基づいて平成5年5月19日付で工業技術院生命工学工
業技術研究所に寄託されている。各々の菌株の寄託番号
を第2表に示す。
【0022】
【表2】
【0023】実施例2 L−Thrの製造 メチロバチルス・グリコゲネスATA−76株を、3ml
の種培地へ植菌し、30℃で18時間培養した。得られ
た種培養液1mlを、50ml容太型試験管中の、メタノー
ルを2%添加した発酵培地10mlに植菌した。培養24
時間後に2%量のメタノールをさらに添加し、30℃で
合計48時間培養した。培養は、いずれも振盪培養で行
った。
の種培地へ植菌し、30℃で18時間培養した。得られ
た種培養液1mlを、50ml容太型試験管中の、メタノー
ルを2%添加した発酵培地10mlに植菌した。培養24
時間後に2%量のメタノールをさらに添加し、30℃で
合計48時間培養した。培養は、いずれも振盪培養で行
った。
【0024】培養終了後、菌体、炭酸カルシウムを遠心
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rの濃度をアミノ酸分析計で定量した。また、K−03
8株、L−34株、AAL−129株、DA−19株、
I−109株、AF−116株、AIH−29株、AL
Z−9株を各々上記と同様の方法で培養し、培養液上清
に含まれるL−Thrの濃度を定量した。結果を第3表
に示す。
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rの濃度をアミノ酸分析計で定量した。また、K−03
8株、L−34株、AAL−129株、DA−19株、
I−109株、AF−116株、AIH−29株、AL
Z−9株を各々上記と同様の方法で培養し、培養液上清
に含まれるL−Thrの濃度を定量した。結果を第3表
に示す。
【0025】
【表3】
【0026】実施例3 L−Thrの採取 メチロバチルス・グリコゲネスAF−116株を種培地
25mlの入った300ml容三角フラスコに2白金耳量植
菌し、30℃、16時間培養した。得られた種培養液全
量を種培地225ml入った2L容三角フラスコに加え、
さらに、30℃、18時間培養した。
25mlの入った300ml容三角フラスコに2白金耳量植
菌し、30℃、16時間培養した。得られた種培養液全
量を種培地225ml入った2L容三角フラスコに加え、
さらに、30℃、18時間培養した。
【0027】つぎに、発酵培地2.25Lの入った5L容
培養槽(ミツワバイオシステム社製)に得られた種培養
液250ml全量を植菌し、30℃、2.5L/分の通気
量、攪拌600rpm の条件で培養した。なお、培養中、
培養液のpHは6Nアンモニア水でpH6.8に自動調節し
た。メタノールは培養開始時に、0.5%添加し、その後
0.5%を越えない量のメタノールをペリスタポンプ(ア
トー社製)で連続的に添加した。
培養槽(ミツワバイオシステム社製)に得られた種培養
液250ml全量を植菌し、30℃、2.5L/分の通気
量、攪拌600rpm の条件で培養した。なお、培養中、
培養液のpHは6Nアンモニア水でpH6.8に自動調節し
た。メタノールは培養開始時に、0.5%添加し、その後
0.5%を越えない量のメタノールをペリスタポンプ(ア
トー社製)で連続的に添加した。
【0028】培養終了後、菌体、炭酸カルシウムを遠心
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rの濃度をアミノ酸分析計で定量した。その結果、培養
72時間でL−Thrが培養液上清中に12.5g/l蓄
積した。得られた培養液上清2000mlを塩酸でpH2.
0に調整した後、強カチオン交換樹脂ダイヤイオンSK
1B(H型) のカラムに通した。カラムを水洗後、2N
アンモニア水でカラムの吸着成分を溶出し、L−Thr
に相当する画分を集めて減圧濃縮した。これにエタノー
ルを加え、4℃に冷却し、生成した結晶を集めて乾燥し
た結果、純度98%以上のL−Thrの結晶を15.33
g得た。
分離で除去し、得られた培養液上清に含まれるL−Th
rの濃度をアミノ酸分析計で定量した。その結果、培養
72時間でL−Thrが培養液上清中に12.5g/l蓄
積した。得られた培養液上清2000mlを塩酸でpH2.
0に調整した後、強カチオン交換樹脂ダイヤイオンSK
1B(H型) のカラムに通した。カラムを水洗後、2N
アンモニア水でカラムの吸着成分を溶出し、L−Thr
に相当する画分を集めて減圧濃縮した。これにエタノー
ルを加え、4℃に冷却し、生成した結晶を集めて乾燥し
た結果、純度98%以上のL−Thrの結晶を15.33
g得た。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、L−Thrを、安価な
原料であるメタノールから、より効率よく生産すること
が可能となる。
原料であるメタノールから、より効率よく生産すること
が可能となる。
Claims (1)
- 【請求項1】 メチロバチルス(Methylobacillus)属に
属し、L−ロイシン、L−ロイシンアナログ、L−イソ
ロイシン、およびL−イソロイシンアナログから選ばれ
る少なくとも1つに耐性を有し、かつL−スレオニン生
産能を有する微生物を、メタノールを主たる炭素源とし
て含有する培地に培養し、培養物中にL−スレオニンを
生成蓄積させ、該培養物からL−スレオニンを採取する
ことを特徴とするL−スレオニンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12114593A JPH06327487A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 発酵法によるl−スレオニンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12114593A JPH06327487A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 発酵法によるl−スレオニンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06327487A true JPH06327487A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14803977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12114593A Withdrawn JPH06327487A (ja) | 1993-05-24 | 1993-05-24 | 発酵法によるl−スレオニンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06327487A (ja) |
-
1993
- 1993-05-24 JP JP12114593A patent/JPH06327487A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000801 |