JPH06326654A - コードレス電話機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コードレス電話機において、送信信号の盗聴
防止を確実に行うと共に、音質の劣化を最小限に抑え
る。 【構成】 送信出力切換スイッチ１１の操作に基づいて
親機制御部４が送信出力切換回路を制御し、送信信号の
送信出力を小に設定した場合、秘話回路を構成するディ
スクランブラ回路５およびスクランブラ回路７を制御
し、非動作にすると共に、送信出力を大に設定した場
合、秘話回路を動作させる。また、モデム３によって制
御信号として、子機にも送信し、親機と同様の制御を行
うことにより、送信信号が傍受される可能性が場合には
秘話回路をオンして盗聴を防止すると共に、送信信号が
傍受される可能性が皆無のときには秘話回路をオフして
音質の劣化を防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コードレス電話機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来のコードレス電話機においては、子
機が親機より離れ過ぎていると良好な通話を行うことが
できない。そのため、特開昭６３−１２１３２８号公報
には、子機の離れ具合に応じて送信電力を制御する手段
を設け、例えば子機が親機に近いときには送信電力を小
さく、また子機が親機より充分に離れているときには送
信電力を大きくすることによって子機の通話可能範囲を
可変し、常時良好な通話を可能とする構成としたコード
レス電話機が開示されている。

【０００３】ところで、送信電力を大きくし、通話可能
範囲を広げると送信信号を第三者に傍受される可能性が
生じるため、例えば親機または子機から送信される送信
信号を送信側において暗号化し、その暗号化された送信
信号を受信側において元の信号に復元させることによっ
て親機と子機間の通信を可能とすると共に、第三者に対
しては傍受された送信信号の通話内容を容易に確認する
ことができないようにする構成の秘話回路等を装置本体
に設ける必要があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、盗聴防止の
ための秘話回路は送信信号、すなわち音声信号に特定の
信号処理を複数回施す必要があり、音質の劣化が避けら
れないものである。また、子機を親機に対して近い位置
で使用しているときには送信出力は小さく、通話可能範
囲が狭いため第三者に傍受される可能性は皆無となり、
盗聴防止のための秘話回路は不必要であった。ところ
が、上記従来装置では装置本体に盗聴防止のための秘話
回路を設けるか設けないかのどちらか一方のみであり、
秘話回路を設けた場合、常時音質に劣化が生じ、また、
秘話回路を設けなかった場合、第三者に傍受された送信
信号の通話内容を容易に確認される可能性が生じるとい
った問題点があった。

【０００５】本発明は、第三者に送信信号の通話内容を
確認されることなく、音質の劣化を最小限に抑えること
のできるコードレス電話機を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、親機と子機と
の相対的な距離関係に基づいて送信出力を設定すると共
に、盗聴防止のための秘話回路を備えたコードレス電話
機において、上記送信出力の設定に基づいて上記秘話回
路をオン・オフする制御手段を設けたものである。

【０００７】

【作用】したがって、子機が親機より離れているときに
は制御手段によって送信出力を大きくし、子機が良好な
通話を行えるように通話可能範囲を広げると共に、秘話
回路をオンし、第三者に送信信号を傍受されても送信信
号の通話内容を容易に確認できないようにする。このと
き、秘話回路によって音質の劣化は生じている。また、
子機が親機に近いときには通話可能範囲が狭くても充分
に良好な通話を行うことができるため、制御手段によっ
て親機および子機から送信される送信信号の送信出力を
小さくし、第三者に送信信号が傍受されることを防ぐと
共に、不必要な秘話回路をオフし、音質の劣化を防止す
る。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例について図面を参照して詳細
に説明する。

【０００９】図１は本発明の一実施例であるコードレス
電話機の親機の概略を示すブロック図、図２は本発明の
一実施例であるコードレス電話機の子機の概略を示すブ
ロック図である。

【００１０】図１乃至図２において、１は子機から送信
された信号を受信すると共に、子機に送信信号を送信す
るアンテナ、２はアンテナ１で受信した信号のうち子機
からの送信信号のみを選定する受信回路、３は受信回路
で選定された送信信号から制御信号を取り出し、その制
御信号を親機制御部４に送出すると共に、親機制御部４
からの制御信号を子機に送信するための送信信号に変換
するモデムである。

【００１１】５は受信回路２で選定された子機からの送
信信号が暗号化されているとき、その暗号化された送信
信号を元の信号に復元するディスクランブラ回路であ
り、親機制御部４によって制御され、復元された受信信
号は電話回線インターフェイス部６に送出されている。
電話回線インターフェイス部６は電話回線と装置本体と
の接続を行うものであり、子機から送信された信号を電
話回線に送出すると共に、電話回線から入力された信号
をスクランブラ回路７に送出する。

【００１２】７は電話回線インターフェイス部６を介し
て入力された電話回線からの信号を親機制御部４からの
制御に基づいて暗号化するスクランブラ回路であり、モ
デム３からの信号と共に変調回路８に送出される。変調
回路８は入力された信号を子機に送信するための所定の
周波数に変調するものである。

【００１３】９は変調回路８から送出された信号を送信
する際の送信出力の大小を設定する送信出力切換回路、
１０は送信出力切換回路９から送出された信号を増幅す
る送信アンプであり、送信アンプ１０から送出された信
号は送信信号としてアンテナ１から子機に送信される。

【００１４】１１はアンテナ１から送信される送信出力
の大小の切り換え設定を行う送信出力切換スイッチであ
り、この送信出力切換スイッチ１１からの結果は親機制
御部４に入力され、親機制御部４は送信出力切換スイッ
チ１１からの結果に基づきディスクランブラ回路５，ス
クランブラ回路７、送信出力切換回路９を制御すると共
に、モデム３を介して制御信号として子機に送信する。

【００１５】２１は親機から送信された信号を受信する
と共に、親機に送信信号を送信するアンテナ、２２はア
ンテナ２１で受信した信号のうち親機からの送信信号の
みを選定する受信回路、２３は受信回路で選定された送
信信号から制御信号を取り出し、その制御信号を子機制
御部２４に送出すると共に、子機制御部２４からの制御
信号を親機に送信するための送信信号に変換するモデム
である。

【００１６】２５は受信回路２２で選定された親機から
の送信信号が暗号化されているとき、その暗号化された
送信信号を元の信号に復元するディスクランブラ回路で
あり、子機制御部２４によって制御され、復元された受
信信号はスピーカアンプ２６によって増幅された後、ス
ピーカ２７によって音声信号として放音される。

【００１７】２８は周囲の音声を電気信号として変換す
るマイクであり、マイク２８からの電気信号はマイクア
ンプ２９によって増幅された後、スクランブラ回路３０
に送出される。

【００１８】３０はマイクアンプ２９から入力された信
号を子機制御部２４からの制御に基づいて暗号化するス
クランブラ回路であり、モデム２３からの信号と共に変
調回路３１に送出される。変調回路３１は入力された信
号を親機に送信するための所定の周波数に変調するもの
である。

【００１９】３２は変調回路３１から送出された信号を
送信する際の送信出力の大小を設定する送信出力切換回
路、３２は送信出力切換回路３１から送出された信号を
増幅する送信アンプであり、送信アンプ３３から送出さ
れた信号は送信信号としてアンテナ２１から親機に送信
される。

【００２０】３４は電話回線との接続命令，解放命令お
よび相手先電話番号等を入力する操作入力部であり、こ
の操作入力部３４からの出力は子機制御部２４に入力さ
れ、子機制御部２４は操作入力部３４からの出力をモデ
ム２３を介して制御信号として親機に送信する。

【００２１】なお、親機制御部４と，送信出力切換回路
９と，送信出力切換スイッチ１１と，子機制御部２４と
によって制御手段が構成され、ディスクランブラ回路
５，２５と，スクランブラ回路７，３０とによって秘話
回路が構成されている。

【００２２】次に、上記構成における送信出力設定動作
について説明する。子機を親機に対して近い位置で使用
するときには、親機に設けた送信出力切換スイッチ１１
を操作し送信出力小に設定する。親機制御部４はその結
果に基づき送信出力切換回路９を制御して送信出力が小
さくなるようにすると共に、ディスクランブラ回路５お
よびスクランブラ回路７を制御して回路が動作しないよ
うにする。また、それと共にモデム３によって制御信号
として変調回路８，送信出力切換回路９，送信アンプ１
０およびアンテナ１を介して子機に送信する。

【００２３】子機に設けられたアンテナ２１この送信信
号を受信すると、受信回路２２を介してモデム２３に送
出され、モデム２３にて操作信号に復号した後、子機制
御部２４に送出される。そして、子機制御部２４は送信
信号小設定に基づき送信出力切換回路３２を制御して送
信出力が小さくなるようにすると共に、ディスクランブ
ラ回路２５およびスクランブラ回路３０が動作しないよ
うにする。

【００２４】また、子機を親機に対して離れた位置で使
用するときには、親機に設けた送信出力切換スイッチ１
１を操作し送信出力大に設定する。親機制御部４はその
結果に基づき送信出力切換回路９を制御して送信出力が
大きくなるようにすると共に、ディスクランブラ回路５
およびスクランブラ回路７を制御して回路が動作するよ
うにする。また、それと共にモデム３によって制御信号
として変調回路８，送信出力切換回路９，送信アンプ１
０およびアンテナ１を介して子機に送信する。

【００２５】その送信信号がアンテナ２１にて受信され
ると、受信回路２２を介してモデム２３に送出され、モ
デム２３にて操作信号に復号した後、子機制御部２４に
送出される。そして、子機制御部２４は送信信号大設定
に基づき送信出力切換回路３２を制御して送信出力が大
きくなるようにすると共に、ディスクランブラ回路２５
およびスクランブラ回路３０が動作するようにする。

【００２６】次に、上記構成における通話動作について
説明する。子機に設けられた操作入力部３４から電話回
線との接続命令があると、その接続命令は子機制御部２
４を介してモデム２３に入力され、ここで操作信号とし
て変調回路３１，送信出力切換回路３２，送信アンプ３
３およびアンテナ２１を介して親機に送信され、親機の
アンテナ１でこの送信信号を受信すると、受信回路２を
介してモデム３に送出され、モデム３にて操作信号に復
号した後、親機制御部４に送出される。そして、親機制
御部４は電話回線との接続命令に基づき、電話回線イン
ターフェイス部６を制御して電話回線と親機との回線接
続を行う。

【００２７】そして、相手先電話番号が子機の操作入力
部３４から入力されると接続命令のときと同様に親機に
送信され、親機にて、その番号先の電話機との通話を可
能とする。なお、電話がかかってきた場合は、電話回線
との接続命令を送出するだけである。

【００２８】そして、このとき、送信出力が小さくなる
ように設定されていると、相手先電話機からの信号は電
話回線インターフェイス部６を介してスクランブラ回路
７に入力されるが、スクランブラ回路７は親機制御部４
によって動作しないように制御されているため、送信信
号の暗号化を行わずに変調回路８に入力される。そし
て、変調回路８で所定の周波数に変調された後、送信出
力切換回路９に入力され、送信出力切換回路９は親機制
御部４によって送信出力を小さくするように制御されて
いるため、ここで変調回路８から入力された信号は送信
出力が小さくなるように設定される。そして、この信号
は送信アンプ１０およびアンテナ１を介して子機に送信
される。

【００２９】子機では、この親機から送信された送信信
号がアンテナ２１および受信回路２２によって受信さ
れ、ディスクランブラ回路２５に入力されるが、ディス
クランブラ回路２５は子機制御部２４によって動作しな
いように制御されていると共に、この受信回路２２から
入力された受信信号は暗号化されていないため、元の信
号に復元する必要なくスピーカアンプ２６に入力され、
ここで増幅された後、スピーカ２７によって可聴音とし
て放音される。

【００３０】また、子機に設けられたマイク２８に音声
が入力されると、その音声は電気信号に変換され、マイ
クアンプ２９によって増幅された後、スクランブラ回路
３０に入力されるが、スクランブラ回路３０は子機制御
部２４によって動作しないように制御されているため、
送信信号の暗号化を行わずに変調回路３１に入力され
る。そして、変調回路３１で所定の周波数に変調された
後、送信出力切換回路３２に入力され、送信出力切換回
路３２は子機制御部２４によって送信出力を小さくする
ように制御されているため、ここで変調回路３１から入
力された信号は送信出力が小さくなるように設定され
る。そして、この信号は送信アンプ３３およびアンテナ
２１を介して子機に送信される。

【００３１】親機では、この子機から送信された送信信
号がアンテナ１および受信回路２によって受信され、デ
ィスクランブラ回路５に入力されるが、ディスクランブ
ラ回路５は親機制御部４によって動作しないように制御
されていると共に、この受信回路２から入力された受信
信号は暗号化されていないため、元の信号に復元する必
要なく電話回線インターフェイス部６に入力され、電話
回線に送出される。

【００３２】また、送信出力切換スイッチ１１によって
送信出力が大きくなるように設定されている場合、相手
先電話機からの信号は電話回線インターフェイス部６を
介してスクランブラ回路７に入力され、スクランブラ回
路７は親機制御部４によって動作するように制御されて
いるため、入力された信号の暗号化を行った後、変調回
路８に入力させる。そして、変調回路８で所定の周波数
に変調された後、送信出力切換回路９に入力され、送信
出力切換回路９は親機制御部４によって送信出力を大き
くするように制御されているため、ここで変調回路８か
ら入力された信号は送信出力が大きくなるように設定さ
れる。そして、この信号は送信アンプ１０およびアンテ
ナ１を介して子機に送信される。

【００３３】子機では、この親機から送信された送信信
号がアンテナ２１および受信回路２２によって受信され
ると、ディスクランブラ回路２５に入力され、この入力
された受信信号が暗号化されていると共に、ディスクラ
ンブラ回路２５は子機制御部２４によって動作するよう
に制御されているため、ここで暗号化する前の元の信号
に復元された後、スピーカアンプ２６に入力され、ここ
で増幅された後、スピーカ２７によって可聴音として放
音される。

【００３４】また、子機に設けられたマイク２８に音声
が入力されると、その音声は電気信号に変換され、マイ
クアンプ２９によって増幅された後、スクランブラ回路
３０に入力され、スクランブラ回路３０は子機制御部２
４によって動作するように制御されているため、入力さ
れた信号の暗号化を行った後、変調回路３１に入力され
る。そして、変調回路３２で所定の周波数に変調された
後、送信出力切換回路３１に入力され、送信出力切換回
路３１は子機制御部２４によって送信出力を大きくする
ように制御されているため、ここで変調回路３１から入
力された信号は送信出力が大きくなるように設定され
る。そして、この信号は送信アンプ３３およびアンテナ
２１を介して子機に送信される。

【００３５】親機では、この子機から送信された送信信
号がアンテナ１および受信回路２によって受信される
と、ディスクランブラ回路５に入力され、この入力され
た受信信号が暗号化されていると共に、ディスクランブ
ラ回路５は親機制御部４によって動作するように制御さ
れているため、暗号化する前の元の信号に復元された
後、電話回線インターフェイス部６に入力され、電話回
線に送出される。

【００３６】そして、子機に設けられた操作入力部３４
によって電話回線開放命令が入力されると、電話回線接
続命令のときと同様に親機に命令が送信され親機制御部
４によって電話回線インターフェイス部６を制御し、装
置本体と電話回線とを開放する。

【００３７】なお、本実施例では送信出力の切換えを親
機にスイッチを設け手動としたが、子機または親機から
送信される送信信号のレベルを検出し、その検出結果に
基づいて、自動的に送信出力を可変するようにし、送信
出力が所定レベルを越えた時点で秘話回路をオンする構
成にしてもよい。

【００３８】

【発明の効果】以上のように、本発明は親機または子機
から送信される送信信号の送信出力に基づいて秘話回路
をオン・オフする構成とし、通話可能範囲が狭いときに
は秘話回路をオフし、通話可能範囲が広いときには秘話
回路を自動的にオンすることにより、第三者に傍受され
る可能性があるときにのみ秘話回路を動作させることが
できるため、送信信号の通話内容の盗聴を確実に防止す
ることができると共に、秘話回路による音質の劣化を最
小限に抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるコードレス電話機の親
機の概略を示すブロック図。

【図２】本発明の一実施例であるコードレス電話機の子
機の概略を示すブロック図。

【符号の説明】

１，２１ アンテナ ２，２２ 受信回路 ３，２３ モデム ４ 親機制御部 ５，２５ ディスクランブラ回路 ６ 電話回線インターフェイス部 ７，３０ スクランブラ回路 ８，３１ 変調回路 ９，３２ 送信出力切換回路 １０，３３ 送信アンプ １１ 送信出力切換回路 ２４ 子機制御部 ２６ スピーカアンプ ２７ スピーカ ２８ マイク ２９ マイクアンプ ３４ 操作入力部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 親機と子機との相対的な距離関係に基づ
   いて送信出力を設定すると共に、盗聴防止のための秘話
   回路を備えたコードレス電話機において、 上記送信出力の設定に基づいて上記秘話回路をオン・オ
   フする制御手段を設けたことを特徴とするコードレス電
   話機。