JPH0632576A - エスカレータあるいは電動歩道の移動手摺り駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】欄干３の上部の手摺り４と手摺り案内枠３１の
あいだにチェン７で連結された外周をゴムなどで形成し
たローラ列６を配し、チェン７を移動手摺りの半分の速
度で駆動する。 【効果】移動手摺りに過大な張力を発生させることなく
長行程のエスカレータあるいは電動道路の移動手摺り駆
動を実現出来る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエスカレータまたは、電
動歩動に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、実開昭63−136680号や特開昭64
−17792 号公報のように、これまで移動手摺りの駆動
は、すべて移動手摺りの復路あるいは往路から復路への
移行部に配置された駆動輪によって行なわれており、し
たがって往路側で生じる手摺り走行抵抗力はすべてその
駆動輪部接触端直前に集積され、行程が長大になるに従
って、手摺り自体に生じる張力が過大となり長行程化の
大きな障害となっていた。また、駆動力自体を増加させ
る手段として、駆動装置を復路の欄干下部に複数個配置
する手段も講じられる例もこれまでに散見されるが、往
路の抵抗を一端に集積する弊害の解決をはかるに至って
いなかった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】エスカレータあるいは
電動歩道は、移動踏み段を走行させその上に乗った乗客
を移送するがその両側に、乗客を安全に案内するための
欄干壁体さらにその上面には乗客移送踏み段と同速度で
走行する手摺りを備えて構成されている。

【０００４】しかし、この移動手摺りは乗客が直接手で
掴まるものであり、またエスカレータのように屈曲行程
をもつものでは、自由に屈曲追従走行する必要があるた
め、一般にその表面は平滑に仕上げられ、かつ弾性に富
む合成ゴム等が、また内部は適度の柔軟性と剛性を得る
ように積層帆布を配して構成されている。このような移
動手摺りは、従来その復路、すなわち、欄干下部あるい
は往路から復路への移行部欄干端に配置した駆動輪によ
って駆動されていた。

【０００５】しかし、最近の地下鉄，高架鉄道などに広
く用いられるようになってきたエスカレータや電動道路
は高揚程，長行程のものが多く今後さらにその傾向が強
まりつつあることはよく知られるところであり、踏み段
と同速度で走行することが必須条件である移動手摺りの
駆動を従来の復路側のみで行なう方法では、移動手摺り
の往路端における引っ張り力が過大となってしまうた
め、往路側での駆動力付与の手段が従前より強く望まれ
ていた。

【０００６】本発明の目的は、往路側移動手摺りの内面
を直接駆動することによって、これまでの移動手摺り駆
動手段のために限界があるとされてきたエスカレータな
どの長行程化を容易に実現できる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】移動手摺りの駆動にあた
っての手摺りの走行抵抗力のほとんどは、欄干上面に設
けられた手摺り案内上を移動するときの摩擦抵抗と乗客
の手を移送するに必要な力からなっており、したがっ
て、従来のように復路での駆動力の増加では行程を長く
するに限界があり、抵抗力の増加に直接対応できるよう
に手摺り往路に、駆動力を付与する駆動装置を提供する
ものである。

【０００８】本発明は、上記目的をもってなされたもの
で、往路では直接手摺り表面を駆動力伝達のために利用
することができないことから、手摺り内面に接するよう
にその表面が高摩擦係数材たとえばウレタンゴムなどか
らなる小径ローラを多数個配列し、これらローラ列に回
転力を与え、このローラの回転を手摺り内面に手摺り走
行力として与えるように構成する。このような構成で
は、手摺り上面に加えられる下方押しつけ力、すなわ
ち、乗客の手が手摺り上に多く置かれればおかれるほど
回転するローラからの摩擦駆動力が増加するという大き
な効果が得られる。また、駆動力を高める手段として
は、配列するローラ群を任意に増やせばよく、行程の限
界を考える必要が無い。

【０００９】

【作用】欄干上面に配列されるローラ群は、往路手摺り
案内の内部に位置を固定して配列し、そのローラの下部
にローラ駆動用の、たとえばベルトなどを配置し、この
ベルトを駆動することによってローラに回転力を与えて
もよく、また、これらのローラを相互に連結して連鎖状
になし、この連鎖帯を駆動，ローラ群を案内上を走行回
転させても手摺り駆動力を得ることが可能である。要す
るに、本発明は、往路の手摺りをその内面、すなわち、
下方に配列されたローラに支えられるように構成し、こ
れらローラを回転させることによって手摺り駆動力を手
摺り往路にあって与えるものである。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例をエスカレータを例に
して図によって詳細を説明する。図４はエスカレータの
全体構成を示し、踏み段１は両側に締結される連結鎖２
によつて運転走行する。また、踏み段列の両側に設けら
れる欄干３の上面には踏み段１と同速度で走行する移動
手摺り４を備える。１０は全体を支える本体枠である。
移動手摺り４は上下欄干端で反転し、復路経路を通り閉
ループを構成する。従来、移動手摺り４は往路から復路
への反転半円部あるいは復路走行経路途中に配置された
駆動装置５により駆動力を与える構造をとっていた。然
るに、この駆動構造では行程が長くなるにつれて増大す
る移動手摺りの全行程中に生じる走行抵抗はすべて駆動
装置進入部に集積され、手摺り自体に大きな対引っ張り
力が必要となる。

【００１１】本発明は、この手摺りの過大張力の発生を
防止し、長行程のエスカレータあるいは電動道路の実現
を可能とするものである。図１は本発明になる一実施例
で、６はチェン７によって等間隔に装着され、外周にた
とえばウレタンゴム等の高摩擦係数材を形成した走行ロ
ーラで、欄干上部の移動手摺り案内枠３１に沿って走行
する。ローラ列６はチェンのループ端に配置された鎖車
８および９の間を鎖車８によって駆動されるようになす
ものである。図３はローラ列６の走行速度Ｖｒと移動手
摺りの必要速度Ｖｈの関係を表わし、ローラ列の速度は
移動手摺りの速度の１／２となることを示している。

【００１２】また本発明の駆動装置は欄干全域を一つの
ループとして移動手摺りと対応するように併走配置して
もよい。さらにまた、チェン７はベルトに置き換えても
よく、このときは鎖車８および９はベルトプーリに置き
換えられる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によれば、これまで移動手摺りを
欄干内の復路においてのみ駆動していたものを往路部分
にあって行なうことができ、かつ走行抵抗の蓄積が過大
とならない範囲で単位駆動装置を適宜複数個所に分散配
置し、あるいは単位駆動装置の長さすなわちローラ列の
ループ長さを自由に設定しうるからどのように長い行程
の移動手摺りであつても移動手摺りに過大な張力を生じ
させることなく駆動できる。さらに、駆動力を伝達する
ローラ列の速度は移動手摺りの走行速度の１／２でよ
く、またゴム等の弾性体を介して駆動力を伝えるから走
行時の騒音も十分に低く実用上の支障は無い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になる移動手摺り駆動装置構造の側面
図。

【図２】図１のＩ−Ｉ断面図。

【図３】移動手摺りとローラ列の速度の関係の説明図。

【図４】従来の移動手摺り駆動構造の側面図。

【符号の説明】

３…欄干、４…移動手摺り、６…ローラ列、７…チェ
ン、８，９…鎖車、１０…本体枠、３１…移動手摺り案
内枠。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】移動踏み段とその両側の欄干の壁体及び、
   前記移動踏み段と同期して前記欄干の上面を走行する移
   動手摺りを備えてなるエスカレータあるいは電動歩道に
   おいて、前記欄干の上面の往き側部手摺り下面を駆動す
   るようになしたことを特徴とする移動手摺り駆動装置。
2. 【請求項２】請求項１において、欄干下帰り側に、これ
   まで常用されている既知の駆動装置を併用してなる移動
   手摺り駆動装置。
3. 【請求項３】請求項１おいて、往き側手摺り内面上下
   に、外周表面がゴムなどの高摩擦係数材からなるローラ
   列を転動させて駆動力を手摺りに伝達するようになした
   移動手摺り駆動装置。
4. 【請求項４】請求項３において、前記ローラを等ピッチ
   で連結し、手摺り案内枠体内を、手摺り速度の１／２の
   速度で上記ローラ群を走行させるようにした移動手摺り
   駆動装置。
5. 【請求項５】請求項３において、前記駆動装置を手摺り
   の往路走行行程内に、１個または、複数個配列してなる
   移動手摺り駆動装置。
6. 【請求項６】請求項４において、前記駆動装置を欄干全
   域にわたって一つのループで構成するようになした移動
   手摺り駆動装置。