JPH06322486A - シャドウマスク支持部材およびその製造方法 - Google Patents

シャドウマスク支持部材およびその製造方法

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JPH06322486A
JPH06322486A JP5165544A JP16554493A JPH06322486A JP H06322486 A JPH06322486 A JP H06322486A JP 5165544 A JP5165544 A JP 5165544A JP 16554493 A JP16554493 A JP 16554493A JP H06322486 A JPH06322486 A JP H06322486A
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less
strength
alloy plate
edge surface
shadow mask
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JP5165544A
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English (en)
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Toshihiro Uehara
利弘 上原
Koji Sato
光司 佐藤
Shuichi Nakamura
秀一 中村
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Proterial Ltd
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラウン管のシャドウマスクを支持する並接
バイメタルからなる部材の高強度化を図るための耐熱へ
たり性の優れた高強度のシャドウマスク支持部材および
その製造方法を提供する。 【構成】 重量%にて、C 0.1〜0.5%、Si
1.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 30〜40
%、Mo 1.0〜5.0%、残部実質的にFeからな
り、必要に応じて、Cr 10.0%以下、Co 1
0.0%以下であって、Ni+Coが30〜40%を添
加することができ、かつ常温での引張強さが100kgf/
mm2以上、30〜100℃の平均熱膨張係数が10×1
0マイナス6乗以下である耐熱へたり性の優れた高強度
低膨張合金製板の縁面と、30〜100℃の平均熱膨張
係数が14×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張
強さが110kgf/mm2以上である高膨張合金製板の縁面
とを溶接してなることを特徴とするシャドウマスク支持
部材および前記高膨張製板に適した高膨張合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーブラウン管内の
シャドウマスクを支持し、色ずれの補正を行なう並接バ
ネ等のシャドウマスク支持部材およびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】テレビジョンのカラーブラウン管内で
は、電子ビームを受けてシャドウマスクが加熱される
と、シャドウマスクに熱膨張が生じて色ずれ障害を起こ
す。このため、シャドウマスクをガラス容器に対して弾
性的に支持させるための支持部材として、熱膨張係数が
互いに異なる2枚の金属板の縁面同志を並接合したバイ
メタルからなるバネが用いられており、代表的には低膨
張側にはインバー合金(Fe−36Ni)、高膨張側に
はオーステナイト系ステンレス鋼、例えばSUS304
(Fe−18Cr−8Ni)を並接合したバイメタルま
たはトリメタルから打ち抜き後、成形加工されたバネが
用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、テレビジョンの
大型化に伴うブラウン管の大型化およびフラット化の傾
向があり、これに対してシャドウマスク支持部材には高
強度化および小型化が要求されている。従来の並接バイ
メタルを構成する合金であるSUS304とFe−36
%Niのインバー合金の組み合わせの場合、それぞれの
常温での引張強さは、冷間加工後、時効処理を行なって
もSUS304で120kgf/mm2 程度、インバー合金で
80kgf/mm2 程度であり、特にインバー合金の強度が低
い。このように現状の支持部材では、支持部材を小型化
するには強度が不足し、支持部材の十分な小型化を図る
ことができないという問題があった。そこで、支持部材
を構成する並接バイメタルを高強度化することが望まれ
ており、そのためには並接バイメタルを構成する金属板
を高強度化することが望まれていた。
【0004】また、ブラウン管内にシャドウマスクを組
み込むとき、支持部材は歪を受けた状態で400〜60
0℃の範囲内の温度で数回の熱履歴を受ける。支持部材
が小型化した場合、この熱履歴によって支持部材が熱に
よって永久変形する恐れがあり、従来の並接バイメタル
(SUS304とFe−36%Niのインバー合金の組
み合わせ)からなる支持部材の場合、熱変形に対する抵
抗性、いわゆる耐熱へたり性が十分でないため、支持部
材の小型化を図ることができないという問題があった。
そこで、支持部材を構成する並接バイメタルは優れた耐
熱へたり性をもつことが望まれており、そのためには並
接バイメタルを構成する金属板は優れた耐熱へたり性を
もつことが望まれていた。
【0005】以上のように、ブラウン管の大型化および
フラット化のためには、高強度でかつ耐熱へたり性の優
れたシャドウマスク支持部材が望まれていた。本発明の
目的は、強度が高く、かつ耐熱へたり性の優れた高強度
低膨張合金製板と強度の高い高膨張合金製板を接合して
なる高強度かつ耐熱へたり性の優れたシャドウマスク支
持部材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】シャドウマスク支持部材
を高強度化するためには、これを構成する高膨張側と低
膨張側の2枚の金属板の強度を共に高める必要がある。
そのためには、特に、従来の並接バイメタルを構成する
2枚の金属板のうち、強度の低いFe−36%Niのイ
ンバー合金の強度を高めることが有効と考えた。また従
来の並接バイメタルの低膨張側の材料であるFe−36
%Niのインバー合金の耐熱へたり性を調べた結果、非
常に悪いことがわかり、耐熱へたり性も向上させる必要
があることがわかった。
【0007】そこで本発明者らは、Fe−Ni系のイン
バー合金について、高い常温引張強さ、低い30〜10
0℃の平均熱膨張係数、および400〜600℃での良
好な耐熱へたり性を兼ね備える合金を得るべく、鋭意研
究した結果、以下の知見を得、本発明に至ったものであ
る。即ち、Fe−Ni系のインバー合金にC、Cr、M
oを添加することで常温の引張強さおよび400〜60
0℃での耐熱へたり性を大幅に向上でき、またNi、C
o量を適度にバランスさせることで、30〜100℃で
の平均熱膨張係数を低く維持させることができることを
新たに見い出した。
【0008】これらのシャドウマスク支持部材の低膨張
材に要求される高強度、低熱膨張特性、および優れた耐
熱へたり性という特性は、冷間加工および時効処理条件
を適正化することによって得られることを新たに見い出
した。さらに、上記の低膨張合金製板を低膨張側とし、
これに高膨張側の合金としてFe−高Mn−Cr−Ni
−N系またはFe−Mn−Ni−V−(Cr,Mo,
W)系の合金製板を組み合わせると、耐熱へたり性が一
段と優れたシャドウマスク支持部材が得られることを見
い出した。
【0009】すなわち、本発明の第1発明は、重量%に
て、C 0.1〜0.5%、Si1.0%以下、Mn
2.0%以下、Ni 30〜40%、Mo 1.0〜
5.0%、残部実質的にFeからなり、30〜100℃
の平均熱膨張係数が6×10マイナス6乗/℃以下、常
温での引張強さが100kgf/mm2 以上である耐熱へたり
性の優れた高強度低膨張合金製板の縁面と、30〜10
0℃の平均熱膨張係数が14×10マイナス6乗/℃以
上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上である高膨
張合金製板の縁面とを接合してなることを特徴とするシ
ャドウマスク支持部材であり、第2発明は、重量%に
て、C 0.1〜0.5%、Si 1.0%以下、Mn
2.0%以下、Cr 10.0%以下、Ni 30〜
40%、Mo 1.0〜5.0%、残部実質的にFeか
らなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が10×10
マイナス6乗/℃以下、常温での引張強さが100kgf/
mm2以上である耐熱へたり性の優れた高強度低膨張合金
製板の縁面と、30〜100℃の平均熱膨張係数が14
×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが11
0kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合し
てなることを特徴とするシャドウマスク支持部材であ
る。
【0010】第3発明は、重量%にて、C 0.1〜
0.5%、Si 1.0%以下、Mn2.0%以下、N
i 30〜40%、Co 10.0%以下であって、N
i+Coが30〜40%、Mo 1.0〜5.0%、残
部実質的にFeからなり、30〜100℃の平均熱膨張
係数が6×10マイナス6乗/℃以下、常温での引張強
さが100kgf/mm2 以上である耐熱へたり性の優れた高
強度低膨張合金製板の縁面と、30〜100℃の平均熱
膨張係数が14×10マイナス6乗/℃以上、常温での
引張強さが110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の
縁面とを接合してなることを特徴とするシャドウマスク
支持部材であり、第4発明は、重量%にて、C 0.1
〜0.5%、Si 1.0%以下、Mn 2.0%以
下、Cr10.0%以下、Ni 30〜40%、Co
10.0%以下であって、Ni+Coが30〜40%、
Mo 1.0〜5.0%、残部実質的にFeからなり、
30〜100℃の平均熱膨張係数が10×10マイナス
6乗/℃以下、常温での引張強さが100kgf/mm2 以上
である耐熱へたり性の優れた高強度低膨張合金製板の縁
面と、30〜100℃の平均熱膨張係数が14×10マ
イナス6乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm
2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合してなるこ
とを特徴とするシャドウマスク支持部材である。
【0011】第5発明は、上記第1ないし第4発明のい
ずれかの組成を有する高強度低膨張合金製板の縁面と、
重量%にて、C 0.2%以下、Si 1.0%以下、
Mn10〜20%、Cr 10〜20%、Ni 2〜1
0%、N 0.4%以下、残部実質的にFeからなり、
30〜100℃の平均熱膨張係数が14×10マイナス
6乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上
である高膨張合金製板の縁面とを接合してなることを特
徴とするシャドウマスク支持部材である。
【0012】第6発明は、上記第1ないし第4発明のい
ずれかの組成を有する高強度低膨張合金製板の縁面と、
重量%にて、C 0.2%以下、Si 1.0%以下、
Mn10〜20%、Cr 10〜20%、Ni 2〜1
0%、N 0.4%以下、さらに Mo 3.0%以下
とV 1.0%以下の1種または2種を含有し、残部実
質的にFeからなり、30〜100℃の平均熱膨張係数
が14×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さ
が110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを
接合してなることを特徴とするシャドウマスク支持部材
である。第7発明は、請求項1ないし4のいずれかに記
載の高強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C
0.2〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn 2〜1
0%、Ni 8〜20%、V 0.1〜1.5%、さら
にCr 6.0%以下とMo 4%以下とW 4%以下
の1種または2種以上を含有し、残部実質的にFeから
なり、30〜100℃の平均熱膨張係数が16×10マ
イナス6乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm
2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合してなるこ
とを特徴とするシャドウマスク支持部材であり、第8発
明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の高強度低膨
張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2〜1.0
%、Si 1.0%以下、Mn 2〜10%、Ni 8
〜20%、V 0.1〜1.5%、N 0.1%以下、
さらにCr 6.0%以下とMo 4%以下とW 4%
以下の1種または2種以上を含有し、残部実質的にFe
からなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が16×1
0マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが110kg
f/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合してな
ることを特徴とするシャドウマスク支持部材である。
【0013】第9発明は、請求項1ないし4のいずれか
に記載の高強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、
C 0.2〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn 2
〜10%、Ni 8〜20%、V 0.1〜1.5%、
Nb 0.5%以下、さらにCr 6.0%以下とMo
4%以下とW 4%以下の1種または2種以上を含有
し、残部実質的にFeからなり、30〜100℃の平均
熱膨張係数が16×10マイナス6乗/℃以上、常温で
の引張強さが110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板
の縁面とを接合してなることを特徴とするシャドウマス
ク支持部材であり、第10発明は、請求項1ないし4の
いずれかに記載の高強度低膨張合金製板の縁面と、重量
%にて、C 0.2〜1.0%、Si 1.0%以下、
Mn 2〜10%、Ni 8〜20%、V 0.1〜
1.5%、Nb 0.5%以下、N0.1%以下、さら
にCr 6.0%以下とMo 4%以下とW 4%以下
の1種または2種以上を含有し、残部実質的にFeから
なり、30〜100℃の平均熱膨張係数が16×10マ
イナス6乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm
2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合してなるこ
とを特徴とするシャドウマスク支持部材であり、第11
発明は、上記第1ないし第4発明のいずれかの組成を有
する高強度低膨張合金を40%以上の圧下率で冷間加工
した後に650℃以下で時効処理した低膨張合金製板の
縁面と高膨張合金製板の縁面とを接合することを特徴と
する耐熱へたり性の優れたシャドウマスク支持部材の製
造方法である。
【0014】このように、本発明部材の最も特徴とする
一つは、低膨張側も高膨張側もいずれも100〜110
kgf/mm2 以上という高い引張強さの合金製板の縁面同士
を溶接などにより接合されてシャドウマスク支持部材を
構成していることである。このような組合せは、従来の
技術では存在しなかったものであり、全く新規な支持部
材である。
【0015】
【作用】以下に本発明部材の低膨張側の合金の各元素の
作用について述べる。Cは、Cr、Moとともに本発明
合金中に固溶し、冷間加工硬化能を大幅に高めることに
よって常温での強度を高めるとともに、時効処理時にC
r、Moとの間に炭化物を形成して微細に析出すること
によって、高温での強度を高めることでシャドウマスク
支持部材を構成する材料に必要な耐熱へたり性を大幅に
高めるのに非常に有効な元素である。そのために必要な
Cは最低0.1%であるが、過度の添加は熱膨張係数の
増加をまねくだけでなく、粗大な炭化物を形成して冷間
加工性を劣化させるので、0.5%以下とした。
【0016】Siは、脱酸剤として少量添加されるが、
過度の添加は延性を低下させるので、1.0%以下とし
た。Mnもまた、脱酸剤として少量添加されるが、過度
の添加は熱膨張係数を増加させるので、2.0%以下と
した。Niは、低熱膨張特性を得るために極めて重要な
元素であり、シャドウマスク支持部材の低膨張側の材料
に必要とされる低熱膨張特性を維持するためには、30
%〜40%の添加を必要とする。Ni量は30%より少
ないとマルテンサイト変態点が上昇し、冷間加工時にマ
ルテンサイト変態しやすくなり、熱膨張係数が上昇し、
一方、40%を越えて添加すると変移点は上昇するもの
の、低温側の熱膨張係数が上昇することから、いずれの
場合も目的とする低熱膨張特性が得られないので、30
%〜40%とした。
【0017】Moは、Cと複合添加することで冷間加工
による硬化能を大きくし、強度を高める。さらにMoは
シャドウマスク支持部材に要求される耐熱へたり性を大
幅に向上させる重要な元素である。これは固溶状態での
MoとCの相互作用、および一部Moの微細炭化物の析
出が原因と考えられる。そのために必要なMo量は最低
1.0%であるが、5.0%を越えて添加すると、炭化
物を多く形成し延性の低下をまねくことから、Moは
1.0〜5.0%とした。Crは、本発明合金では必ず
しも添加する必要はないが、シャドウマスク支持部材に
要求される耐熱へたり性を向上させるために添加すると
その効果が大きい。10.0%を越えて添加するとオー
ステナイト組織が不安定となり熱膨張係数が大きくなり
過ぎることから、Crは10.0%以下とした。
【0018】Coは、Niと同様に低熱膨張特性を得る
ために有効な元素であり、その効果はNiよりも大き
い。添加する場合は、10%を越えて添加すると、変移
点はあまり変わらないものの、マルテンサイト変態点が
上昇し、冷間加工時にマルテンサイト変態しやすくな
り、熱膨張係数が上昇することから、10%以下とし
た。また、Coは低熱膨張特性を得るためにNiと同様
な効果をもたらすので、Niと当量で置換することがで
き、Co+Ni量で整理できる。Co+Ni量は、30
%より少ないとマルテンサイト変態点が上昇し、冷間加
工時にマルテンサイト変態しやすくなり、熱膨張係数が
上昇し、一方、40%を越えて添加すると、低温側の熱
膨張係数が上昇することから、いずれの場合も目的とす
る低熱膨張特性が得られないので、30〜40%とし
た。
【0019】引張強さは、シャドウマスク支持部材を高
強度化するためには高いことが必要である。さらにシャ
ドウマスク支持部材は、高い引張強さを有する上に優れ
た耐熱へたり性を兼ね備えることが必要である。また、
シャドウマスク支持部材に優れた耐熱へたり性を得るに
は、まず第一に従来の低膨張側の合金であるFe−36
Ni合金に替り、耐熱へたり性に優れた本発明部材の低
膨張側の合金としたうえで、引張強さレベルを高くする
必要がある。高い引張強さを得るには、本発明部材の低
膨張側合金を冷間加工することによって大幅に高めるこ
とができる。引張強さは、従来の低膨張側の材料である
Fe−36%Niのインバー合金より高くすることが有
効であることから、100kgf/mm2 以上とした。
【0020】熱膨張係数は、シャドウマスク支持部材に
おいては、せいぜい常温から100℃までの範囲が重要
であり、シャドウマスク支持部材が構成される2つの金
属板の熱膨張差によって色ずれを補正すべく作動するた
めには、低膨張側の材料の熱膨張係数(常温から100
℃の平均値)が少なくとも10×10マイナス6乗/℃
以下とした。望ましくは、6×10マイナス6乗/℃以
下がよい。また、他の脱酸元素Al、Ti、Mg、C
a、B等は、不純物として通常含まれる場合、または微
量添加する場合は、それぞれ下記に示す量の含有は何等
特性に差し支えないので本発明部材の範囲内のものであ
る。 Al、Ti≦0.1% Mg、Ca、B≦0.02%
【0021】次に本発明部材の低膨張側の合金の製造方
法について説明する。冷間加工は、本発明部材の低膨張
側の合金の組成を本発明の範囲とした上で、さらに常温
での引張強さおよび耐熱へたり性を高めるための工程で
ある。本発明部材の低膨張側の合金の組成を本発明の範
囲としても、圧下率が40%より小さいと十分な引張強
さが得られないことから、圧下率は40%以上とした。
冷間加工後の時効処理は、引張強さ、引張延性、耐熱へ
たり性、ばね特性を高める目的で行なうが、650℃よ
り高い温度で時効処理すると常温引張強さが大きく低下
することから、650℃以下で時効処理するものとし
た。このような製造方法によって得られた低膨張合金製
板の縁面と、高膨張合金製板の縁面とを溶接などにより
接合したシャドウマスク支持部材は高強度で、かつ熱へ
たり性に優れており、ブラウン管の大型化やフラットフ
ェース化に適用できるものである。
【0022】次いで請求項5、6に示す本発明部材の高
膨張側の合金の各元素の作用について述べる。Cは、オ
ーステナイト基地中に固溶して基地を強化する元素であ
るが、0.2%を越えて添加するとNの固溶度を下げ、
耐熱へたり性の向上に有効なNの固溶を妨げることか
ら、0.2%以下とした。Siは、脱酸剤として少量添
加されるが、過度の添加は延性を低下させるので、1.
0%以下とした。Mnは、Nの固溶度を増すことによっ
て常温強度および耐熱へたり性を向上させるとともにオ
ーステナイト基地を安定化して高熱膨張特性を維持する
のに重要な元素であるが、10%より少ないとNの固溶
度が十分でなく、一方20%を越えて添加すると加工性
が劣化することから、10〜20%とした。
【0023】Crは、Mnと同様、Nの固溶度を増すこ
とによって常温強度および耐熱へたり性を向上させる重
要な元素であるが、10%より少ないとNの固溶度が十
分でなく、一方20%を越えて添加するとオーステナイ
ト基地が不安定化し、熱膨張係数が低下することから、
10〜20%とした。Niは、Mnと同じくオーステナ
イト基地を安定化することで高膨張特性を得るために2
%以上必要であるが、10%を越えて添加するとNの固
溶度が低下し、常温強度および耐熱へたり性を低下させ
ることから、2〜10%とした。Nは、オーステナイト
基地中に固溶することでオーステナイトを安定化し、熱
膨張係数を高めるとともに、固溶強化に大きく寄与し、
常温強度および特に耐熱へたり性を大幅に改善する重要
な元素である。0.4%を越えて添加すると鋳造性、溶
接性が劣化することから、0.4%以下とした。
【0024】V、Moは、オーステナイト基地中に固溶
または微細炭化物として析出することで、耐熱へたり性
をさらに向上させる元素で、必要に応じて1種または2
種を添加することができる。Vは、1.0%を越えて添
加すると粗大な一次炭化物を形成し、加工性を害するこ
とから、またMoは、3%を越えて添加するとオーステ
ナイト基地を不安定化し熱膨張係数を低下させることか
ら、Vは1.0%以下、Moは、3.0%以下とした。
熱膨張係数は、シャドウマスク支持部材に使用する場
合、せいぜい30〜100℃までの範囲が重要であり、
シャドウマスク支持部材がこれを構成する2枚の金属板
の熱膨張差によって色ずれを補正すべく作動するために
は、高膨張側の合金板の熱膨張係数(30〜100℃の
平均値)は14×10マイナス6乗以上とした。
【0025】引張強さは、シャドウマスク支持部材を高
強度化するためには、高い方が望ましく、低膨張側の合
金板より高強度であれば、シャドウマスク支持部材をさ
らに高強度化できることから、110kgf/mm2 以上とし
た。次に請求項7〜10に示す本発明部材の高膨張側の
合金の各元素の作用について述べる。Cは、高熱膨張特
性を維持するために必要なオーステナイト組織を安定化
するのに非常に有効な元素であるだけでなく、冷間加工
硬化能を大幅に高めることによって常温での強度を高め
るとともに、時効処理時にV、Cr、Mo、Wとの間に
炭化物を形成して微細に析出することによって高温での
強度を高めることでシャドウマスク支持部材を構成する
材料に必要な耐熱へたり性を大幅に高めるのに非常に有
効な元素である。このような効果をもたらすためには最
低0.2%以上の添加を必要とするが、1.0%を越え
て添加すると、粗大な1次炭化物を形成することで延性
を低下させ、素材の加工性およびシャドウマスク支持部
材の成形性を劣化させることから、0.2〜1.0%と
した。
【0026】Siは、脱酸剤として少量添加されるが、
過度の添加は延性を低下するので、1.0%以下とし
た。Mnは、高熱膨張特性を維持するために必要なオー
ステナイト組織を安定化するのに非常に有効であるだけ
でなく、冷間加工硬化能を大幅に高めることによって常
温での強度を高めるのに有効な元素であるが、2%より
少ないと効果が少なく、一方、10%を越えて添加する
と熱間加工性および熱処理時の耐酸化性を大幅に劣化さ
せるので、2〜10%とした。Niは、高熱膨張特性を
維持するために必要なオーステナイト組織を安定化する
のに最も有効かつ必須の元素であるが、8%より少ない
とその効果が十分でなく、一方、20%を越えて添加す
るとオーステナイト組織が安定化しすぎるために冷間加
工時の硬化能が低下し、常温強度が十分高くなりにくい
ことから、8〜20%とした。
【0027】Vは、一次炭化物を形成することで結晶粒
を微細化し、常温強度を高めるとともに、オーステナイ
ト基地中に一部固溶または時効処理時に微細炭化物とし
て析出し耐熱へたり性および常温強度を高めるのに有効
な元素であるが、0.1%より少ないと上記効果が十分
でなく、一方、1.5%を越えて添加すると粗大な一次
炭化物を多く形成し、素材の加工性およびシャドウマス
ク支持部材の成形性を害することから、0.1〜1.5
%とした。Cr、Mo、Wは、オーステナイト基地に固
溶または時効処理時に微細炭化物として析出すること
で、常温強度を高め、さらに特に耐熱へたり性を大幅に
向上させるのに有効な元素であり、1種または2種以上
添加する。しかし、これらの元素はいずれもフェライト
形成元素であるため、Crは6.0%を越えて、Moは
4.0%を越えて、Wは4.0%を越えて添加するとオ
ーステナイト基地が不安定となり、高熱膨張特性を維持
することが困難となることから、Crは6.0%以下、
Moは4.0%以下、Wは4.0%以下とした。
【0028】Nbは、一次炭化物を形成することで結晶
粒を微細化し、常温強度を高めるのに有効な元素であ
り、必要に応じて適宜添加することができる。しかし
0.5%を越えて添加すると粗大な一次炭化物を多く形
成し、素材の加工性およびシャドウマスク支持部材の成
形性を害することから、0.5%以下とした。Nは、オ
ーステナイト基地中に固溶しオーステナイト基地を固溶
強化することで、常温強度を高め、さらに耐熱へたり性
を向上させるのに有効な元素で、必要に応じて添加する
ことができるが、0.1%を越えて添加すると溶接性を
劣化させることから、0.1%以下とした。本発明部材
の高強度かつ耐熱へたり性の優れた低膨張側の合金板材
と高膨張側の合金板材とを組み合わせ、それぞれの縁面
同士を突き合せ溶接することによって並接バイメタルま
たは並接トリメタルとし、これよりシャドウマスク支持
部材を得ることができる。このようにして得られた本発
明のシャドウマスク支持部材は、高強度かつ耐熱へたり
性に優れ、従来のFe−36%Niインバー合金とSU
S304の組み合わせのシャドウマスク支持部材に比べ
て格段に高強度化が達成できる。
【0029】
【実施例】表1に示す本発明部材の低膨張側の本発明合
金、比較合金および従来合金はいずれも真空誘導溶解炉
で溶解し、10kgのインゴットを作製し、熱間鍛造、熱
間圧延によって約4mm厚さの板を作製した。その後、9
80℃で30分の固溶化処理を行ない、脱スケールの
後、15〜90%の冷間圧延によって種々の厚さの板に
仕上げた。さらに450〜700℃で時効処理を行なっ
た後に、引張試験、熱膨張測定、熱へたり試験および電
子ビーム溶接試験を行なった。熱へたり試験は、幅10
mm×長さ100mmの板状試験片の長さ方向の中央部を5
mmだけ撓ませた状態で固定した後、450℃×1hの加
熱を行ない、冷却後に試験片を取り外し、撓ませる前の
状態からの永久変形量(熱へたり試験による変位量)を
測定し、その変位量の大小から耐熱へたり性を比較評価
した。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示す合金のうち、本発明部材の低膨
張側の合金はNo.1〜17、比較合金はNo.18〜22、
従来合金No.23は、Fe−36%Niインバー合金で
ある。表2には、表1に示す合金について、冷間加工率
および時効温度を変化させた試験片について、常温引張
強さ、破断伸び、および30〜100℃の平均熱膨張係
数を、それぞれ測定し、その結果を示した。また表3
は、低膨張側の本発明合金、比較合金および従来合金製
板について、熱へたり試験による変位量を求めた結果、
さらに低膨張側の本発明合金製板の縁面と高膨張側の合
金の一例であるSUS304の板の縁面とを電子ビーム
溶接した後に検査した結果をそれぞれ併記したものであ
る。
【0032】また、表4は、本発明部材の低膨張側の合
金製板を用い、これに高膨張側の合金製板を溶接してバ
イメタルにすると好適な高膨張側の合金の組成の一例
と、これら合金の常温引張強さ、30〜100℃の平均
熱膨張係数をそれぞれ示したものである。表4に示す高
膨張側の合金No.24〜52のうち、No.26〜29は請求
項5、6に示す本発明部材の高膨張側の合金であり、N
o.24、25は従来の高膨張側の合金であるSUS304
である。No.30〜51は、請求項7〜10に示す本発明
の高膨張側の合金であり、No.52はSUS316であ
る。これらの高膨張合金はいずれも冷間加工と時効処理
の組み合わせによって、シャドウマスク支持部材に要求
される強度レベルまで高強度化したうえで使用する。
【0033】また、表5は、本発明合金部材の低膨張合
金側の板と高膨張合金製板の縁面同士を電子ビーム溶接
を行ない、その後溶接部が板幅の中心部になるように幅
10mm×長さ100mmの板状試験片とし、上記と同じ要
領で熱へたり試験を実施した結果、および溶接性を評価
した結果の一例を示す。表2に示すように、本発明法に
よって製造された本発明合金No.1〜17は、いずれも
引張強さが100kgf/mm2 以上の高強度と実用上十分な破
断伸びを有している。さらに本発明の請求項1、3の合
金組成をもつ本発明部材の低膨張側の合金No.1〜6お
よび13,14は、30〜100℃の平均熱膨張係数が6×10マ
イナス6乗/℃以下、請求項2、4の合金組成をもつ本
発明部材の低膨張側の合金No.7〜12および15〜17
は、30〜100℃の平均熱膨張係数が10×10マイ
ナス6乗/℃以下と、それぞれ低い熱膨張率を示すこと
がわかる。
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】これに対して、表2に示すように、比較合
金No.18〜22は本発明方法によっても引張強さが低い
かまたは30〜100℃の平均熱膨張係数が高くなってお
り、いずれかが本発明の範囲からはずれている。また、
従来合金No.23は、30〜100℃の平均熱膨張係数は低
いものの、引張強さが低く、本発明の範囲からはずれて
いる。また本発明部材の低膨張側の合金であっても本発
明方法の範囲より低い圧下率で冷間圧延したり、本発明
方法の範囲より高い温度で時効処理した場合には、表2
に示すように、引張強さが低く、本発明の範囲からはず
れている。
【0039】表3に示すように、C量の低い比較合金N
o.18およびC量が低くCr、Moを含まない従来合金
No.23に比べて、本発明部材の低膨張側の合金は熱へ
たり試験による変位量が大幅に小さく、耐熱へたり性が
良好であることがわかる。電子ビーム溶接性は、表3に
示すように、本発明部材の低膨張側の合金は比較合金、
従来合金同様良好であり、並接バイメタルを製造する上
での溶接性も問題なく、シャドウマスク支持部材の製造
ができた。
【0040】また、表4に示す高膨張側の合金は、いず
れも30〜100℃の平均熱膨張係数が14×10マイ
ナス6乗/℃以上、特にNo.30〜51は30〜100℃
の平均熱膨張係数が16×10マイナス6乗/℃以上を
満足しており、また常温での引張強さが110kgf/mm2
以上を満足している。さらに表5から、本発明部材の低
膨張合金製板と表4に示す高膨張側の合金板とを溶接し
た支持部材は、従来のFe−36%Niインバー合金と
SUS304の組合せの支持部材に比較して大幅に優れ
ている。さらに本発明の低膨張合金製板と請求項5〜1
0の高膨張合金製板No.26〜51とを溶接した支持部材
は、本発明部材の低膨張合金製板とSUS304(表4
のNo.24)とを溶接した支持部材よりも優れた耐熱へ
たり性を有していることがわかる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したようにシャドウマスク支持
部材を本発明部材の高強度かつ耐熱へたり性の優れた低
膨張側および高膨張側の合金板の組み合わせとすること
によって、高い強度と良好な耐熱へたり性を有するシャ
ドウマスク支持部材を得ることができ、ブラウン管の大
型化およびフラットフェース化に大きく貢献できるもの
である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にて、C 0.1〜0.5%、S
    i 1.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 30〜
    40%、Mo 1.0〜5.0%、残部実質的にFeか
    らなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が6×10マ
    イナス6乗/℃以下、常温での引張強さが100kgf/mm
    2 以上である耐熱へたり性の優れた高強度低膨張合金製
    板の縁面と、30〜100℃の平均熱膨張係数が14×
    10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが110
    kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接合して
    なることを特徴とするシャドウマスク支持部材。
  2. 【請求項2】 重量%にて、C 0.1〜0.5%、S
    i 1.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 10.
    0%以下、Ni 30〜40%、Mo 1.0〜5.0
    %、残部実質的にFeからなり、30〜100℃の平均
    熱膨張係数が10×10マイナス6乗/℃以下、常温で
    の引張強さが100kgf/mm2 以上である耐熱へたり性の
    優れた高強度低膨張合金製板の縁面と、30〜100℃
    の平均熱膨張係数が14×10マイナス6乗/℃以上、
    常温での引張強さが110kgf/mm2 以上である高膨張合
    金製板の縁面とを接合してなることを特徴とするシャド
    ウマスク支持部材。
  3. 【請求項3】 重量%にて、C 0.1〜0.5%、S
    i 1.0%以下、Mn 2.0%以下、Ni 30〜
    40%、Co 10.0%以下であって、Ni+Coが
    30〜40%、Mo 1.0〜5.0%、残部実質的に
    Feからなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が6×
    10マイナス6乗/℃以下、常温での引張強さが100
    kgf/mm2 以上である耐熱へたり性の優れた高強度低膨張
    合金製板の縁面と、30〜100℃の平均熱膨張係数が
    14×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが
    110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接
    合してなることを特徴とするシャドウマスク支持部材。
  4. 【請求項4】 重量%にて、C 0.1〜0.5%、S
    i 1.0%以下、Mn 2.0%以下、Cr 10.
    0%以下、Ni 30〜40%、Co 10.0%以下
    であって、Ni+Coが30〜40%、Mo 1.0〜
    5.0%、残部実質的にFeからなり、30〜100℃
    の平均熱膨張係数が10×10マイナス6乗/℃以下、
    常温での引張強さが100kgf/mm2 以上である耐熱へた
    り性の優れた高強度低膨張合金製板の縁面と、30〜1
    00℃の平均熱膨張係数が14×10マイナス6乗/℃
    以上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上である高
    膨張合金製板の縁面とを接合してなることを特徴とする
    シャドウマスク支持部材。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2
    %以下、Si 1.0%以下、Mn 10〜20%、C
    r 10〜20%、Ni 2〜10%、N 0.4%以
    下、残部実質的にFeからなり、30〜100℃の平均
    熱膨張係数が14×10マイナス6乗/℃以上、常温で
    の引張強さが110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板
    の縁面とを接合してなることを特徴とするシャドウマス
    ク支持部材。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2
    %以下、Si 1.0%以下、Mn 10〜20%、C
    r 10〜20%、Ni 2〜10%、N 0.4%以
    下、さらにMo 3.0%以下とV 1.0%以下の1
    種または2種を含有し、残部実質的にFeからなり、3
    0〜100℃の平均熱膨張係数が14×10マイナス6
    乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上で
    ある高膨張合金製板の縁面とを接合してなることを特徴
    とするシャドウマスク支持部材。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2
    〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn2〜10%、N
    i 8〜20%、V 0.1〜1.5%、さらにCr
    6.0%以下とMo 4%以下とW 4%以下の1種ま
    たは2種以上を含有し、残部実質的にFeからなり、3
    0〜100℃の平均熱膨張係数が16×10マイナス6
    乗/℃以上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上で
    ある高膨張合金製板の縁面とを接合してなることを特徴
    とするシャドウマスク支持部材。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2
    〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn2 〜10%、
    Ni 8〜20%、V 0.1〜1.5%、N 0.1
    %以下、さらにCr 6.0%以下とMo 4%以下と
    W 4%以下の1種または2種以上を含有し、残部実質
    的にFeからなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が
    16×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが
    110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接
    合してなることを特徴とするシャドウマスク支持部材。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし4のいずれかに記載の高
    強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.2
    〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn2〜10%、N
    i 8〜20%、V 0.1〜1.5%、Nb 0.5
    %以下、さらにCr 6.0%以下とMo 4%以下と
    W 4%以下の1種または2種以上を含有し、残部実質
    的にFeからなり、30〜100℃の平均熱膨張係数が
    16×10マイナス6乗/℃以上、常温での引張強さが
    110kgf/mm2 以上である高膨張合金製板の縁面とを接
    合してなることを特徴とするシャドウマスク支持部材。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし4のいずれかに記載の
    高強度低膨張合金製板の縁面と、重量%にて、C 0.
    2〜1.0%、Si 1.0%以下、Mn2 〜10
    %、Ni 8〜20%、V 0.1〜1.5%、Nb
    0.5%以下、N 0.1%以下、さらにCr 6.0
    %以下とMo 4%以下とW 4%以下の1種または2
    種以上を含有し、残部実質的にFeからなり、30〜1
    00℃の平均熱膨張係数が16×10マイナス6乗/℃
    以上、常温での引張強さが110kgf/mm2 以上である高
    膨張合金製板の縁面とを接合してなることを特徴とする
    シャドウマスク支持部材。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし4のいずれかに記載の
    高強度低膨張合金を40%以上の圧下率で冷間加工した
    後に650℃以下で時効処理した低膨張合金製板の縁面
    と高膨張合金製板の縁面とを接合することを特徴とする
    耐熱へたり性の優れたシャドウマスク支持部材の製造方
    法。
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