JPH09209035A - 高温用オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法 - Google Patents

高温用オーステナイト系ステンレス鋼の製造方法

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JPH09209035A
JPH09209035A JP1527296A JP1527296A JPH09209035A JP H09209035 A JPH09209035 A JP H09209035A JP 1527296 A JP1527296 A JP 1527296A JP 1527296 A JP1527296 A JP 1527296A JP H09209035 A JPH09209035 A JP H09209035A
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JP
Japan
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stainless steel
austenitic stainless
present
steel
oxidation resistance
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JP1527296A
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Hideki Uno
秀樹 宇野
Yoshitaka Nishiyama
佳孝 西山
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高温におけるクリープ特性および耐酸化性に
優れ、かつ、安価なオーステナイト系ステンレス鋼の製
造方法を提供する。 【解決手段】 C,Si,Mn,P,S,Cr,Ni,
N,B,Al,およびLaとCeのうち1種または2種
の合計で0.01〜0.1重量%を含み、残数がFeか
らなり、かつ、下記(1)および(2)式を満足するオ
ーステナイト系ステンレス鋼を熱間加工した後、950
〜1100℃の温度で熱処理を行い、さらに加工度10
〜30%の冷間加工および1100〜1200℃の温度
での焼鈍処理を施す高温用オーステナイト系ステンレス
鋼の製造方法。 N+2×Al≦0.5% (1) −1.0%≦Nibal ≦3.0% (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温用オーステナ
イト系ステンレス鋼の製造方法に関し、さらに詳しく
は、高温におけるクリープ特性および耐酸化性に優れ、
かつ、安価なオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球の環境保全の観点から、各種
の排出ガス中のNOX 、SOX 、CO2 等の濃度あるい
は排出量を低減することが要求されている。また、化石
エネルギー資源の有効活用の面から、エネルギーを効率
的に利用することの必要性が強調されている。そのた
め、火力発電、化学工業あるいは鉄鋼業等の産業分野で
は、より高い温度での操業の必要性が高まってきてい
る。
【0003】高温での操業に用いられる装置用の材料に
対しては、耐酸化性、耐摩耗性およびクリープ特性等の
高温における特性に優れていることが要求される。従
来、このような用途には、オーステナイト系ステンレス
鋼が多く用いられてきた。例えば、SUS 304に代
表される18Cr−8Ni系、SUS 310Sに代表
される25Cr−20Ni系、Alloy800として
知られる20Cr−32Ni鋼等の高Cr−高Ni系鋼
がある。また、Si含有率を高めることによって高温特
性の向上を図ったステンレス鋼として、AISI 30
2B、JIS XM15J1、AISI 314鋼等が
知られている。
【0004】従来用いられているこれらのオーステナイ
ト系ステンレス鋼については、18Cr−8Ni系は、
経済性に優れるものの、耐酸化性、クリープ特性等の高
温特性が劣っている。また、高Cr−高Ni系は、耐酸
化性および耐食性は優れているものの、Niを多量に含
むため製品の鋼材が高価であることといった問題点があ
る。さらに、高Si系は、高温での耐酸化性は高いもの
の、高温下で鋼中にFe−Cr−Si系の金属間化合物
の析出が起こり、高温強度および延性が低下するという
問題がある。
【0005】その他、数多くの特許公報に、高温特性を
改善したオーステナイト系ステンレス鋼が開示されてい
る。これらの特許公報に開示されている高温特性の向上
方法は、Si含有率を増加させるものが多く、その他、
Mo、Cu、N、Ti、Nb等の元素を添加するものも
ある(例えば、特開昭63−69949号公報、特開昭
63−69951号公報、特開昭63−157840号
公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温におけ
るクリープ特性および耐酸化性に優れ、かつ、安価なオ
ーステナイト系ステンレス鋼の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高温にお
いて優れた耐酸化性とクリープ特性を備えたオーステナ
イト系ステンレス鋼の製造方法の開発を目的として、研
究開発を重ねた結果、次のような知見を得た。
【0008】(a)適正量の希土類元素(La、Ce)
をCrと複合して含有させることにより、高Si系のオ
ーステナイト系ステンレス鋼と同等またはそれ以上の耐
酸化性が得られ、かつ、優れたクリープ特性も得られ
る。
【0009】(b)希土類元素の効果を十分に発揮させ
るためには、脱酸剤として、所定量のAlを用いること
が有効である。
【0010】(c)本発明が対象としているオーステナ
イト系ステンレス鋼は、N含有率が高い。そのため、A
l含有率が過剰な場合には、Al窒化物を形成しやす
く、このAl窒化物は結晶粒の成長を妨げるので、クリ
ープ特性の向上には有害である。
【0011】したがって、NとAlの両者を合わせた含
有率の上限を設ける必要がある。
【0012】(d)結晶粒の成長を促進し、優れたクリ
ープ特性を発揮させるためには、熱間加工後に、所定の
条件で熱処理と冷間加工を施し、その後、さらに焼鈍処
理を行うことが有効である。
【0013】本発明は、上記の知見を基になされたもの
であって、その要旨は下記の通りである。
【0014】「重量%で、C :0.05〜0.15
%、Si:1%以下、Mn:2%以下、P :0.04
%以下、S :0.01%以下、Cr:20〜30%、
Ni:10〜15%、N :0.1〜0.3%、B :
0.001〜0.01%、Al:0.03〜0.2%お
よびLaとCeのうちの1種または2種合計で0.01
〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純物
からなり、かつ、下記(1)および(2)式を満足する
オーステナイト系ステンレス鋼を熱間加工した後、95
0〜1100℃の温度で熱処理を行い、さらに加工度1
0〜30%の冷間加工および1100〜1200℃の温
度での焼鈍処理を施すことを特徴とする高温用オーステ
ナイト系ステンレス鋼の製造方法。
【0015】 N+2×Al≦0.5% (1) −1.0%≦Nibal ≦3.0% (2) ここで、 Nibal =Ni+0.5×Mn+30×(C+N)−
1.1×(Cr+1.5×Si)+8.2 元素記号:各元素の含有率(重量%)を表す。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の高温用オーステ
ナイト系ステンレス鋼の製造方法の対象となるステンレ
ス鋼(以下、本ステンレス鋼と記す)の化学組成とその
限定理由および本発明の製造方法について説明する。な
お、化学成分の%表示は重量%を表す。
【0017】(1)本ステンレス鋼の化学組成 C:オーステナイト組織の安定性を確保するとともに、
クリープ強度を高めるのに有効な元素である。その効果
は、0.05%以上で発揮される。しかし、含有率が
0.15%を超えると、熱間加工性が悪くなるので、C
含有率は、0.05%〜0.15%とした。
【0018】Si:本ステンレス鋼を溶製する際の脱酸
元素として用いられるとともに、鋼の耐酸化性を改善す
る働きもある。しかし、含有率が1%を超えると、Si
はFe−Cr−Si系の金属間化合物の析出を促進する
ので、クリープ特性、特に長時間側でのクリープ破断強
度の低下を招くほか、鋼の溶接性に悪影響を及ぼす。
【0019】そのため、Si含有率は1%以下とした。
Si含有率の下限は、精錬上残存する程度でも差し支え
ないが、好ましくは0.05%以上である。
【0020】Mn:Siと同様、溶鋼の脱酸元素である
とともに、オーステナイト組織を安定化する作用があ
る。しかし、Mn含有率が2%を超えると、本ステンレ
ス鋼の耐酸化性を低下させるので上限は2%とした。M
n含有率の下限は、精錬上残存する程度でも差し支えな
い。
【0021】P:Pは、溶接性およびクリープ強度の面
から少ない方が望ましい。しかし、溶解原料等から不可
避的に混入してくることが避けられないので、商業的な
生産性および経済性とを考慮して、上限を0.04%と
した。
【0022】S:Pと同様に不可避的に混入してくる元
素であり、本ステンレス鋼の熱間加工性、溶接性および
高温長時間時効後の靭性を阻害する元素である。そのた
め、少ない方が望ましいが、商業的な生産性と経済性を
考慮して、0.01%以下とした。
【0023】B:本ステンレス鋼のクリープ強度および
熱間加工性の向上に有効な元素であり、0.001%以
上でその効果が発揮される。しかし、B含有率が0.0
1%を超えると、熱間加工性を害する。したがって、B
含有率は0.001〜0.01%とした。
【0024】Cr:本ステンレス鋼の耐酸化性、耐高温
摩耗性およびクリープ強度の向上に有効な元素であり、
その効果を得るには20%以上必要である。しかし、3
0%を超えるとオーステナイト組織の安定化を阻害する
とともに熱間加工性を劣化させる。また、本ステンレス
鋼のようにN含有率が高い鋼では、高温での使用時に窒
化物が多量に析出し、クリープ破断強度が著しく低下す
る。したがって、Cr含有率は20〜30%とした。
【0025】Ni:本ステンレス鋼のオーステナイト組
織の安定化、耐酸化性およびクリープ強度の向上に不可
欠の元素である。これらの効果を得るには、10%以上
必要である。一方、15%を超えると溶接性が悪くな
る。そのために、Ni含有率は10〜15%とした。
【0026】Al:Alは本ステンレス鋼において、本
発明を特徴付ける最も重要な元素のひとつである。後述
のLaおよびCeの効果を発揮させるために、溶鋼の脱
酸元素として、0.03%以上必要である。しかしなが
ら、含有率が過剰な場合には、Al窒化物を形成して結
晶粒の成長を妨げ、また、Fe−Cr系の金属間化合物
の析出を促進するので、長時間側でのクリープ強度およ
び靭性の低下が起こる。そのため、Al含有率の上限は
0.2%とし、その範囲は0.03〜0.2%とした。
【0027】La、Ce:これらの元素は、特に、本ス
テンレス鋼のようにSi含有率が1%以下の場合には、
耐酸化性および高温における耐摩耗性の確保に必要な元
素である。さらに、Cr含有率が20〜30%と高い本
ステンレス鋼では、LaおよびCeはCrとの複合効果
により、表面に耐酸化性の高い酸化皮膜を形成する働き
がある。これらの効果を発揮させるためには、LaとC
eのいずれか1種または両者合わせて、0.01%以上
必要である。ただし、0.1%を超えると、本ステンレ
ス鋼の熱間加工性および溶接性が悪くなる。したがっ
て、LaとCeのうちの1種または2種合計で0.01
〜0.1%とした。なお、LaとCeは、通常ミッシュ
メタルとして添加されるので、両者の含有率の割合は特
に制限しない。
【0028】N:オーステナイト組織の安定化およびク
リープ強度を向上させる作用がある。含有率が0.1%
未満の場合には、クリープ強度の向上効果が得られな
い。また、0.3%を超えると熱間加工性を害するの
で、N含有率の範囲を0.1〜0.3%とした。
【0029】N+2×Al:NとAlが過剰の場合に
は、溶体化処理の際に、鋼中にAlNとして残存し、ク
リープ強度および延性と靱性の低下を引き起こす。した
がって、高温強度を向上させるためには、含有率が過剰
にならないようにする必要があり、本発明の目的を達成
するためには、下記の(1)式を満足させる必要があ
る。
【0030】N+2×Al≦0.5% (1) Niバランス値:下記の(2)式で規定されるNiバラ
ンス値(Nibal )は、冶金学的には、オーステナイト
組織の安定性を表す指数である。Niバランス値が小さ
い場合は、高い温度領域でσ相等の金属間化合物が析出
しやすくなり、クリープ強度が低下する。一方、Niバ
ランス値が大きすぎると、溶接性が悪くなる。このよう
に、高温特性および溶接性の両面から、Niバランス値
の範囲は、−1.0〜3.0%とした。好ましくは、0
〜2.0%である。
【0031】 −1.0%≦Nibal ≦3.0% (2) ここで、 Nibal =Ni+0.5×Mn+30×(C+N)−
1.1×(Cr+1.5×Si)+8.2 元素記号:各元素の含有率(重量%)を表す。
【0032】(2)製造条件 熱間加工後の熱処理条件:本発明の製造方法では、製品
のステンレス鋼の結晶粒を成長させるために、熱間圧延
等の熱間加工後、ステンレス鋼に熱処理を施し、この段
階で結晶粒の成長に悪影響を及ぼす窒化物等の化合物を
予め析出させ、さらに粗大化させることを特徴としてい
る。この処理によって、オーステナイト地中に固溶する
Alを減らし、後の工程における焼鈍条件の適正化との
組み合わせによって、これらの析出と粗大化が起こるこ
とを防止し、結晶粒の成長の妨げになる原因を取り除く
ことができる。この熱間加工後の熱処理温度が、950
℃未満では窒化物等の析出と粗大化には不十分である。
一方、温度が1100℃を超えると、窒化物等の鋼中へ
の固溶量が増加するため、後の工程の焼鈍時に再析出が
起こりやすくなり、結晶粒の成長効果が得られない。し
たがって、熱間加工後の熱処理温度は、950〜110
0℃とした。なお、この温度における保持時間は、窒化
物等の十分な析出と粗大化効果を得るために、1時間以
上とすることが好ましい。
【0033】冷間加工条件:本発明の製造方法では、熱
間加工およびその後の熱処理の後、冷間圧延等の冷間加
工および焼鈍処理を行う。この冷間加工によって加工歪
を付与することにより、その後の焼鈍の際の結晶粒の粗
粒化をより効果的に起こさせる。そのために、所定の加
工歪を与える必要がある。冷間加工における加工度が1
0%未満では、歪としては不十分である。一方、加工度
が30%を超えると、歪が大きすぎるために新たな再結
晶が生じ、結晶粒の粗粒化の妨げになる。したがって、
冷間加工における加工度は、10〜30%とした。な
お、加工度とは、鋼板を例にとると、次式で求められる
値に相当する。
【0034】(冷間加工前後の被加工材の板厚の差/冷
間加工前の被加工材の板厚)×100 焼鈍条件:1100℃未満の温度では、十分に結晶粒が
成長しない。また、1200℃を超える温度での焼鈍処
理は、設備への制約が多く、経済性の面で好ましくな
い。したがって、焼鈍温度は、1100〜1200℃と
した。なお、十分に結晶粒を成長させるためには、焼鈍
時間としては、1時間以上とすることが好ましい。
【0035】
【実施例】本発明の製造方法を実施例によって具体的に
説明する。
【0036】表1に、実施例に用いた供試材の化学組成
を示す。表1の供試材1〜5は本発明の方法が対象とし
ているオーステナイト系ステンレス鋼(本ステンレス
鋼)であり、供試材6〜11は本ステンレス鋼の化学組
成の範囲外の比較鋼である。
【0037】
【表1】
【0038】これらの供試材は、次の方法によって作製
した。まず、高周波誘導真空溶解炉で表1の化学組成の
溶鋼を溶製し、50kg鋼塊(径:約160mm)に鋳
造した。得られた鋼塊を鍛造後、熱間圧延を行い、厚さ
30mmの素材を作製した。
【0039】次に、この素材に、温度および保持時間を
変えて熱処理を施した。さらに、加工度を変えて冷間加
工を施した後、温度および保持時間を変えて焼鈍を行っ
た。得られた供試材から、クリープ特性評価用の試験片
および耐酸化性評価用の試験片を採取した。クリープ特
性および耐酸化性の評価方法は、次の通りである。
【0040】クリープ特性は、JIS Z 2272に
規定されている引張りクリープ破断試験方法に従って、
試験片の破断時間を調査する方法によって評価した。試
験温度は1000℃、負荷荷重は1.0kgf/mm2
である。
【0041】また、耐酸化性は、試験片(幅20mm、
長さ30mm、厚さ2mm)を大気中雰囲気下で、10
00℃の温度に200時間連続加熱した後、加熱後の酸
化増量を測定する方法によって評価した。
【0042】(本発明例)表2に、表1に示した本ステ
ンレス鋼を対象に、本発明の条件で処理した試験片につ
いて、クリープ破断時間および酸化増量を測定した結果
を示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、熱間加工後の熱
処理条件および冷間加工における加工度が本発明の範囲
内にある場合には、クリープ破断時間は985時間以
上、酸化増量は14.5g/m2 以下で、クリープ特性
および耐酸化性ともに良好であった。
【0045】(比較例)表3に、表1に示した本ステン
レス鋼を対象に、本発明の範囲外の条件で熱処理または
冷間加工を行った試験片について、クリープ破断時間お
よび酸化増量を測定した結果を示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、熱間加工後の熱
処理条件、冷間加工における加工度および焼鈍条件のい
ずれかが本発明の範囲外の場合には、耐酸化性は本発明
例とほぼ同等であるものの、クリープ破断時間が著しく
短い。したがって、本発明の製造条件を充たさない場合
には、ステンレス鋼の化学組成が本発明の範囲内であっ
ても、クリープ特性が不十分であることが確認された。
【0048】表4に、表1に示したように化学組成が本
ステンレス鋼の範囲外の供試材を対象に、本発明の範囲
内の条件で熱間加工後の熱処理、冷間加工および焼鈍処
理を行った試験片について、クリープ破断時間および酸
化増量を測定した結果を示す。
【0049】
【表4】
【0050】表4から明らかなように、熱間加工後の熱
処理条件、冷間加工における加工度および焼鈍処理のす
べて条件が本発明の範囲内であっても、化学組成が本発
明の範囲外の場合には、クリープ特性と耐酸化性のいず
れか一方または両者が、本発明例より劣っていた。
【0051】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、鋼中のSi
含有率、Niバランス等の化学組成と、熱間加工後の熱
処理条件および冷間加工と焼鈍処理条件との組み合わせ
が適切であるので、高温におけるクリープ特性および耐
酸化性の良好なオーステナイト系ステンレス鋼が得られ
る。この本発明の方法によって得られるオーステナイト
系ステンレス鋼は、従来の高温用部材として使用されて
いる高Cr−高Ni鋼に比べて安価であるとともに高温
特性に優れ、高Siオーステナイト系ステンレス鋼に比
べて、組織安定性が大幅に改善されている。したがっ
て、高温用部材として広い範囲での利用が期待される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C :0.05〜0.15%、 Si:1%以下、 Mn:2%以下、 P :0.04%以下、 S :0.01%以下、 Cr:20〜30%、 Ni:10〜15%、 N :0.1〜0.3%、 B :0.001〜0.01%、 Al:0.03〜0.2% およびLaとCeのうちの1種または2種合計で0.0
    1〜0.1%を含有し、残部がFeおよび不可避の不純
    物からなり、かつ、下記(1)および(2)式を満足す
    るオーステナイト系ステンレス鋼を熱間加工した後、9
    50〜1100℃の温度で熱処理を行い、さらに加工度
    10〜30%の冷間加工および1100〜1200℃の
    温度での焼鈍処理を施すことを特徴とする高温用オース
    テナイト系ステンレス鋼の製造方法。 N+2×Al≦0.5% (1) −1.0%≦Nibal ≦3.0% (2) ここで、 Nibal =Ni+0.5×Mn+30×(C+N)−
    1.1×(Cr+1.5×Si)+8.2 元素記号:各元素の含有率(重量%)を表す。
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