JP2016188399A - 固溶強化型オーステナイト鋼薄板 - Google Patents

固溶強化型オーステナイト鋼薄板 Download PDF

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Abstract

【課題】 今後益々基材の薄肉化に対し、張力すなわち強度を高めることで解決するとともに、低熱膨張特性にも優れる固溶強化型オーステナイト鋼薄板を提供する。【解決手段】 質量%でNi:34〜38%、Mn:1%以下、MoおよびWの何れか1種類以上を、Mo:5%を超え10%以下、W:1〜5%、残部はFe及び不純物でなる固溶強化型オーステナイト鋼薄板であり、前記の固溶強化型オーステナイト鋼薄板の厚さが300μm以下であることが好ましい。【選択図】 なし

Description

本発明は、固溶強化型オーステナイト鋼薄板に関するものである。
従来、エレクトロニクス分野には、低熱膨張特性が得られる合金として、Fe−36質量%Ni合金が用いられている。この合金は、その特性を利用して、例えば、金属マスク等に用いられている。
さらにFe−36質量%Ni合金を高張力化することを目的として、特開2000−355739号公報(特許文献1)には、Nb,Ta,Ti,Al,Mo,Wのうち1種あるいは2種以上を合計で0.1〜5.0%含有する合金の提案もある。この提案は低熱膨張特性を維持しつつ、Fe−36質量%Ni合金よりも高い張力が得られるという点で優れたものである。
特開2000−355739号公報
上述した特許文献1に開示される合金は、低熱膨張特性と高張力特性を両立させた点では有利であるものの、近年、軽量化の進むエレクトロニクス分野において基材の薄肉化が進む中では、張力が不足するという問題があった。基材の薄肉化による強度不足は、精度が要求されるエレクトロニクス部材として使用する上で大きな問題となる。
本発明の目的は、今後益々強くなる基材の薄肉化の要求に対応するため、張力すなわち強度を高めた低熱膨張特性にも優れる固溶強化型オーステナイト鋼薄板を提供することである。
本発明者は、電子部材に使用される基材の薄肉化に伴う強度低下の問題を検討し、オーステナイト鋼に適正範囲の合金元素を添加し、固溶強化機構を利用することで強度特性を大きく改善できることを見いだし本発明に到達した。
即ち本発明は、質量%でNi:34〜38%、Mn:1%以下、Mo及びWの何れか1種類以上を、Mo:5%を超え10%以下、W:1〜5%、残部はFe及び不純物でなる固溶強化型オーステナイト鋼薄板である。
前記の固溶強化型オーステナイト鋼薄板の厚さが300μm以下であることが好ましい。
本発明の固溶強化型オーステナイト鋼薄板は強度特性に優れているため、薄肉化に伴う強度低下を抑制する効果がある。したがって、これを用いることでエレクトロニクス部材の軽量化が可能となるとともに製造時のハンドリング性や変形量の低減による製品寸法精度向上につながる。
上述したように、本発明の重要な特徴は従来から用いられてきたFe−Ni系合金等のオーステナイト鋼よりも添加する固溶強化元素量を大幅に増やしたことにある。
本発明の固溶強化型オーステナイト鋼薄板において、各添加元素とその含有量の範囲を規定した理由は以下の通りである。なお、特に記載のない限り質量%として記す。
<Ni:34〜38%>
Niを34〜38%としたのはNiはオーステナイト構造を室温まで安定化させるとともに低熱膨張特性を得るためである。Niが38%を超えると熱膨張率が増加するとともに素材コストの大幅な増加を招く。一方でNiが34%よりも少なくなると室温でオーステナイト相が安定的に存在できなくなるとともに熱膨張係数の増加を招く。そのため、Niを34〜38%の範囲とした。前述のNiの効果をより確実に発揮するには、Ni上限を37%とするのが好ましく、また、Niの下限は35%とするのが好ましい。
<Mn:1%以下>
Mnは薄板の製造工程で必要な熱間加工等の加工性を向上させる一方で熱膨張係数の増加を招くため1%を上限とする。Mnの熱間加工性向上効果をより確実に得るには、Mnの下限を0.5%とするのが好ましい。
<Mo及びWの何れか1種類以上を、Mo:5%を超え10%以下、W:1〜5%>
MoとWは何れもオーステナイト中に置換型に固溶し、Fe原子半径との寸法差が大きいことから固溶強化能の高い元素である。さらに原子量が大きくFe中での拡散係数が小さいため長期に渡り相安定性が維持でき、強度と相安定性が得られるためである。
MoまたはWが、それぞれ10%、5%を超えるとMoやWはオーステナイト中に安定に存在できなくなり、析出物を形成してしまう。そのため、高強度が得られないばかりか熱膨張係数も増加する。したがってMoの上限は10%以下、Wの上限は5%以下とした。一方でMoまたはWがそれぞれ5%、1%よりも少なくなると基材の薄肉化に伴う強度低下を補えなくなる。そのため、MoまたはWは何れか1種類以上を、Mo:5%を超え10%以下、W:1〜5%とした。Moの好ましい範囲は6%以上、10%以下であり、Wの好ましい範囲は2%以上、5%以下である。
<残部>
前述した添加元素以外の残部は実質的にFeである。しかし、製造上不可避的に混入する不純物は含まれる。不純物含有量は少ない方が好ましいが、以下の範囲であれば差し支えない。
P≦0.01%、S≦0.01%、Co≦0.6%、Cu≦0.2%
前述した合金は、金属組織がオーステナイト相を呈する、Mo或いは/更にWがマトリックス(基地)中に固溶することで、優れた強度が得られるものである。この効果を十分に発揮するには、その固溶強化型オーステナイト鋼薄板の厚さが300μm以下とするのが好ましい。300μm以下の厚さであれば、例えば、エッチングを施す用途にも好適となる。板厚が薄ければ薄いほど、本発明の強度向上の効果が発揮されることから、好ましくは200μm以下が良い。なお、本発明で言う薄板とは、厚さがおおよそ500μm以下となったものを言い、この厚さへの調整は冷間圧延が好ましい。
以下の実施例で本発明を更に詳しく説明する。
真空溶解で10kg鋼塊を作製し、熱間圧延を行い横断面が30mm×30mmの棒材を作製し、そこから厚さ2mm、幅25mm、長さ100mmの板材を放電加工により切り出し、冷間圧延と950℃×15minの焼鈍を繰返し、厚さ0.2mmの固溶強化型オーステナイト鋼薄板を作製した。化学組成を表1に示す。
Figure 2016188399
厚さ0.2mmの固溶強化型オーステナイト鋼薄板から各試験片を採取した。引張試験は上述した圧延材を500℃×15minで歪取り焼鈍を行い、平行部長20mm、幅25mmの引張試験片を作製し、引張速度2mm/min(破断まで一定)の条件で0.2%耐力、引張強さを測定した。熱膨張率は上述した圧延材から幅4mm、長さ19.5mmの試験片を切り出し、昇温速度5℃/minの条件下にて30〜100℃間の熱膨張係数を測定した。その結果を併せて表2に示す。
Figure 2016188399
Moを添加した本発明のNo.1のオーステナイト鋼薄板は0.2%耐力と引張強さが共に850MPa以上が得られた。また、Wを添加した本発明のNo.2では.2%耐力と引張強さが共に700MPa以上が得られ、本発明No.3においても比較例No.11のオーステナイト鋼よりも高い0.2%耐力や引張強さが得られている。
また、MoやWの添加量の増加に伴い強度レベルが高まることが分かる。MoやWの添加量の増加に伴い、熱膨張係数も増加するが、本発明のオーステナイト鋼は熱膨張係数が10×10-6以下であり、一般的な鋼よりも低熱膨張特性を有している。
以上のことから、本発明は高い強度特性と低熱膨張特性に優れているため、軽量化やハンドリング性、製品の寸法精度が要求されるエレクトロニクス部材の用途に適用できる。

Claims (2)

  1. 質量%で、5%を超え10%以下のMo及び1〜5%のWの何れか1種類以上、34〜38%のNi、1%以下のMn、残部Fe及び不純物でなることを特徴とする固溶強化型オーステナイト鋼薄板。
  2. 前記固溶強化型オーステナイト鋼薄板の厚さが300μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固溶強化型オーステナイト鋼薄板。

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