JPH06321830A - 光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法 - Google Patents

光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法

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JPH06321830A
JPH06321830A JP3237294A JP3237294A JPH06321830A JP H06321830 A JPH06321830 A JP H06321830A JP 3237294 A JP3237294 A JP 3237294A JP 3237294 A JP3237294 A JP 3237294A JP H06321830 A JPH06321830 A JP H06321830A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学活性6―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類を選択
的に製造する方法を提供する。 【構成】 4―(4―置換インデン―1―イル)―2―
ペンテナール類とジイソプロピル亜鉛とを光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反応せし
めることを特徴とする式(I) (式中、Xは酸素原子、(E)―ブロモメチレン基、又
はα位に水素原子、β位に―OR基が置換されている場
合を表わし、波線は二重結合のE,Z異性体のいずれか
一方、又はそれらの混合物であることを表わし、*印は
その不斉炭素に由来する異性体が一方の異性体に偏って
いることを示す。)で表わされる光学活性6―(4―置
換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―
3―オール類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬品の中間体として
有用な光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―
2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法に関
するものである。さらに詳細には4―(4―置換インデ
ン―1―イル)―2―ペンテナール類とジイソプロピル
亜鉛とを光学活性―ジアルキルアミノアルコール
類の存在下に反応せしめて高度に光学活性な6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン
―3―オール類を収率よく製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
光学活性―ジアルキルアミノアルコール類を不斉
触媒として用い、アルデヒド類にジアルキル亜鉛を不斉
に付加させて、光学活性第2級アルコール類を製造する
方法としては、次のような方法が知られている。 ▲そ▼合ら、特開昭64―68号公報。 小国ら、特開平1―313445号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―142742号公報。 ▲そ▼合ら、特開平2―212452号公報。および 野依ら、Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 30, 49 (199
1)およびその引用文献。 ▲そ▼合ら、J. Org. Chem., 56, 4264 (1991)および
その引用文献。
【0003】これら先行技術の内、〜の特許におい
てはジアルキル亜鉛のアルキル基の例示としてはメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、t―ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素
数1〜6の飽和炭化水素基があげられているが、実際に
実施例に記載されているのはメチル基、エチル基、ブチ
ル基であり、第1級アルキル基に限定されていて第2級
アルキル基を用いた実施例は何ら記載されていない。ま
た、先行技術,においてもその研究対象はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ビ
ニル基が主であり、イソプロピル基の例としてはに一
例あるのみである。その実験例によるとイソプロピル基
を用いた場合は中間活性種の不安定性のためか、収率、
不斉誘起率ともに減少している傾向を示している。
【0004】本発明者らは別途提案したように、飽和ア
ルデヒド類とジイソプロピル亜鉛とを光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反応せしめる
と、対応するイソプロピル化された生成物が光学活性体
の形で得られることを示した。この時、本発明者らは通
常かかる従来技術で最適であるとされている、光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類を飽和アルデヒ
ド類に対して5〜10モル%用いる条件下で不斉イソプ
ロピル化反応を実施したところ、目的とするイソプロピ
ル化生成物は低収率でしか得られず、光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の添加量を種々検討した
結果、飽和アルデヒド類に対して20モル%付近に最適
領域のあることを見出した。しかし、この最適条件下に
おいても反応収率は決して満足すべきものではなかっ
た。
【0005】本発明者らは、光学活性―ジアルキ
ルアミノアルコール類の存在下にジイソプロピル亜鉛を
用いて不斉イソプロピル化反応を実施する時、高い不斉
誘起率を保ったまま、さらに反応収率の向上をめざすべ
く鋭意検討した結果、飽和アルデヒド類の代わりにα,
β―不飽和アルデヒド類を基質に選べば高不斉誘起率を
保ったまま高収率で不斉イソプロピル化が進行すること
を見出し、本発明に到達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、下
記式(I)
【0007】
【化8】
【0008】[式中、Xは酸素原子、(E)―ブロモメ
チレン基、またはα位に水素原子、β位に―OR基が置
換されている場合を表わし(但し、Rは炭素数2〜8の
アシル基、トリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリ
ル基、または1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換
の炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)、波線は二重
結合のE,Z異性体のいずれか一方、またはそれらの混
合物であることを表わす。]で表わされる4―(4―置
換インデン―1―イル)―2―ペンテナール類と下記式
(II)
【0009】
【化9】
【0010】で示されるジイソプロピル亜鉛とを光学活
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に反
応せしめることを特徴とする下記式(III )
【0011】
【化10】
【0012】[式中、Xおよび波線は前記式(I)にお
ける定義に同じであり、*印はその不斉炭素に由来する
異性体が一方の異性体に偏っていることを示す。]で表
わされる光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)
―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法、
及び上記式(III )で表わされる光学活性6―(4―置
換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―
3―オール類である。
【0013】本発明方法において原料として用いられる
4―(4―置換インデン―1―イル)―2―ペンテナー
ル類は、例えばビタミンD2 の過マンガン酸カリウムお
よびメタ過ヨウ素酸ナトリウムを用いるオレフィンの選
択的酸化開裂反応を鍵反応とする下記の工程により、共
通の中間体である4―(4―置換インデン―1―イル)
―2―ペンテン酸エステルを経由し、以下、式中のXの
置換様式の差によって個別の反応ルートにより誘導さ
れ、得ることができる。4―(4―置換インデン―1―イル)―2―ペンテン酸
エステルの合成
【0014】
【化11】
【0015】上記反応式中、―ORは保護された水酸基
を表わし、保護基としてのRとしては例えば炭素数2〜
8のアシル基、トリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換
シリル基、または1―(炭素1〜4のアルコキシ基)置
換の炭素数1〜6のアルキル基等、水酸基の保護基とし
て従来公知のものをあげることができる。また、―CO
OR0 はカルボン酸エステル基を表わし、アルコキシ基
(OR0 )のR0 としては、例えば炭素数1〜8のアル
キル基等をあげることができる。
【0016】例えば、上記式(I)で表わされる4―
(4―置換インデン―1―イル)―2―ペンテナールに
おいて置換基Xがオキソ基の場合は、
【0017】
【化12】
【0018】置換基Xが(E)―ブロモメチレン基の場
合は
【0019】
【化13】
【0020】置換基Xがα位に水素原子、β位に保護さ
れた水酸基(―OR)の場合は、
【0021】
【化14】
【0022】の合成ルートを経て、本発明の出発原料と
なる上記式I((I―a),(I―b),(I―c)を
含む)で表わされる4―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―ペンテナール類が得られる。
【0023】本発明方法における前記式(I)におい
て、Xは酸素原子、(E)―ブロモメチレン基、または
α位に水素原子、β位に―OR基が置換されている場合
を表わし(但し、Rは炭素数2〜8のアシル基、トリ
(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、または1
―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜6
のアルキル基を表わす。)、波線は二重結合のE,Z異
性体のいずれか一方、またはそれらの混合物であること
を表わす。
【0024】Xが酸素原子である場合には、上記式
(I)は上記式(I―a)の形、Xが(E)―ブロモメ
チレン基である場合には、上記式(I)は上記式(I―
b)の形、Xがα位に水素原子、β位に保護された水酸
基である場合には、上記式(I)は上記式(I―c)の
形で表わされる。
【0025】Rの炭素数2〜8のアシル基としては、例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ピバ
ロイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベ
ンゾイル基、エトキシカルボニル基などがあげられ、好
ましくはアセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、エ
トキシカルボニル基があげられる。
【0026】Rのトリ(炭素数1〜6の炭化水素基)置
換シリル基としては、例えば、トリエチルシリル基、ト
リイソプロピルシリル基、t―ブチルジメチルシリル
基、t―ブチルジフェニルシリル基などがあげられ、好
ましくはt―ブチルジメチルシリル基、t―ブチルジフ
ェニルシリル基があげられる。
【0027】Rの1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)
置換の炭素数1〜6のアルキル基は、それが結合してい
る酸素原子とともにアセタール結合を形成するような基
と理解され、かかる基としては、例えば、メトキシメチ
ル基、1―エトキシエチル基、2―メトキシ―2―プロ
ピル基、2―エトキシ―2―プロピル基、(2―メトキ
シエトキシ)メチル基、ベンジルオキシメチル基、2―
テトラヒドロピラニル基などがあげられ、好ましくは、
メトキシメチル基、1―エトキシエチル基、2―エトキ
シ―2―プロピル基、(2―メトキシエトキシ)メチル
基、2―テトラヒドロピラニル基があげられる。
【0028】ここに示したRは水酸基の保護基として機
能している基であり、(1)出発原料である4―(4―
置換インデン―1―イル)―2―ペンテナール類を合成
する時、(2)ジイソプロピル亜鉛を光学活性
ジアルキルアミノアルコール類の存在下にアルデヒド類
と反応させる時、光学活性―ジアルキルアミノア
ルコール類の効果を発揮させるため、(3)本製造法に
よって得られる6―(4―置換インデン―1―イル)―
2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の2つの水酸
基を区別するために機能していると理解される。従って
このような3つの機能を満足する基であればRの代用と
なりうるものである。
【0029】上記式(II)で表わされるジイソプロピル
亜鉛は既知の化合物であり、公知の方法(例えば、C.R.
Noller,“Organic Syntheses ”, Coll. Vol.II, p18
4, John Wiley & Sons (1943)) により容易に入手さ
れ、使用される。
【0030】本発明方法ではジイソプロピル亜鉛に配位
し、イソプロピル化反応を促進するとともに、不斉な反
応の場を与えることのできる光学活性―ジアルキ
ルアミノアルコール類の存在下に実施され、目的とする
効果を発揮している。かかる効果を発揮する光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類としては、従来
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類および光学活性γ―(―ジアルキルアミノ)ア
ルコール類が研究されており、特に光学活性β―(
―ジアルキルアミノ)アルコール類の研究が数多く報
告されている(例えば前述の先行技術文献を参照)。
光学活性β―(―ジアルキルアミノ)アルコール
類の中でも、1―アルキルピロリジン―2―イルメタノ
ール誘導体(先行文献,、および)と2―ジアル
キルアミノ―1―フェニル―1―プロパノール誘導体
(先行文献および、特に)についてはよく研究さ
れている。本発明方法においてはかかる不斉誘起効果を
発揮することが知られている光学活性β―またはγ―
―ジアルキルアミノ)アルコール類ならば本質
的にはいかなるものでも使用することができる。なかで
も、先行技術文献およびに詳細に研究されているよ
うに(1,2)―(−)―もしくは(1,2
―(+)―2―(―ジブチルアミノ)―1―フェ
ニル―1―プロパノールまたは(−)―もしくは(+)
―3―エキソ―(ジメチルアミノ)イソボルネオールは
高い不斉誘起効果をあげることができるので特に好まし
い。
【0031】また、本発明方法において用いられる光学
活性―ジアルキルアミノアルコール類の光学純度
は必ずしも100%ee(エナンチオマ過剰率)に近い
必要はなく、光学純度が低い―ジアルキルアミノ
アルコール類を用いても、高い光学純度の主成物が得ら
れる。用いた不斉源の光学純度よりも、得られた生成物
の光学純度が高くなるこの現象は不斉増幅現象として詳
しく研究されている(例えば、先行技術文献を参
照)。
【0032】本発明の製造法においては、上記式(I)
で表わされる4―(4―置換インデン―1―イル)―2
―ペンテナール類と上記式(II)で示されるジイソプロ
ピル亜鉛を光学活性―ジアルキルアミノアルコー
ル類の存在下に有機溶媒中で反応せしめることにより、
上記式(III )で表わされる光学活性6―(4―置換イ
ンデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―
オール類の製造を達成することができる。
【0033】本発明の製造法において上記式(II)で示
されるジイソプロピル亜鉛は上記式(I)で表わされる
4―(4―置換インデン―1―イル)―2―ペンテナー
ル類に対して化学量論的には等モル反応を行なうが、一
部添加する光学活性―ジアルキルアミノアルコー
ル類と反応して錯体活性種を生成するのに使用されるた
めに、通常1〜3.5当量の範囲、特に好ましくは2〜
2.5当量の範囲で行なわれる。なお、3.5当量以上
の使用は上記式(I)で表わされる4―(4―置換イン
デン―1―イル)―2―ペンテナール類の還元反応を促
進してしまう傾向があるので好ましくない。
【0034】一方、光学活性―ジアルキルアミノ
アルコール類は、そのイソプロピル化反応促進効果によ
ってその最適使用量が若干異なってくるが、上記式
(I)で表わされる4―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―ペンテナール類に対して、通常、2〜100
モル%、好ましくは2〜30モル%、特に好ましくは5
〜25モル%の範囲で使用される。
【0035】本発明の製造方法において用いられる有機
溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ンなどのエーテル系溶媒またはこれらの混合溶媒などが
あげられる。これらのなかでも炭化水素系溶媒、芳香族
炭化水素系溶媒が好ましく、特に、トルエンやヘキサン
が好ましい。かかる有機溶媒の使用量は目的とする反応
が円滑に進行すれば特に大きな制限はないが、通常、m
molで表わされる反応スケールに換算して1〜100
ml、特に好ましくは10ml付近の量の溶媒量が選択
される。
【0036】反応温度は−78℃〜50℃、好ましくは
−30℃〜30℃、特に好ましくは0℃〜室温程度の温
度範囲が採用される。反応時間は用いる不斉配位子の触
媒の種類や使用量や反応温度により異なり、通常、薄層
クロマトグラフィーなどの分析手段を用いて出発原料の
消失を追跡しながら実施するが、0℃〜室温で数時間〜
数十時間反応させると終結する。
【0037】反応終結後に目的物である上記式(III )
で表わされる光学活性6―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の単離
操作は塩酸などの酸性物質で処理した後、通常の後処理
手段、例えば、抽出、洗浄、乾燥、濃縮などの方法によ
り得られた粗生成物を、クロマトグラフィーや再結晶な
どの方法により分離、精製される。なお、本発明の製造
法により得られたイソプロピル化体の不斉誘起率(%d
e)は生成物そのもの、または適当な誘導体に導いた
後、液体クロマトグラフィーなどの分析方法により決定
される。
【0038】かくして本発明によれば、下記式(III )
【0039】
【化15】
【0040】[式中、Xおよび波線は前記式(I)にお
ける定義に同じであり、*印はその不斉炭素に由来する
異性体が一方の異性体に偏っていることを示す。]で表
わされる光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)
―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類が製造され
る。上記式(III )においてXおよび波線は前記定義に
同じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一
方の異性体に偏っていることを示しており、用いた光学
活性―ジアルキルアミノアルコール類の不斉に起
因してどちらか一方が豊富に生成し、逆の立体配位を有
する光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の
エナンチオ異性体を使用するとそれとは逆の立体構造を
有する上記式(III )で表わされる光学活性6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン
―3―オール類の3位の立体のみが逆転したジアステレ
オ異性体を豊富に与えることになる。上記式(III )で
表わされる光学活性6―(4―置換インデン―1―イ
ル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の具体
例は前述の式(I)でRとして好適にあげた基が置換し
た誘導体がそのままあげられ、3位の立体は体も
も製造し分けることができるが、3体の方が医薬品開
発という立場からは有用な化合物なので3体を与える
光学活性―ジアルキルアミノアルコール類の方が
有用となってくる。
【0041】
【発明の効果】以上、本発明の製造法を詳細に説明した
ように、上記式(I)で表わされる4―(4―置換イン
デン―1―イル)―2―ペンテナール類に上記式(II)
で示されるジイソプロピル亜鉛を用いて光学活性
―ジアルキルアミノアルコール類の存在下に実施する不
斉イソプロピル化反応を経る上記式(III )で表わされ
る光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―
メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法では、ジ
イソプロピル亜鉛を用いる飽和アルデヒド類の不斉イソ
プロピル化反応とは異なり、高不斉誘起率かつ高収率で
目的とする不斉イソプロピル化生成物を得ることがで
き、このような事実は、かかる組み合わせにおいては現
在までに全く報告されていない。
【0042】本発明の製造法により得られる6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン
―3―オール類の内、Xが酸素原子である下記式(III
―a)
【0043】
【化16】
【0044】[式中、*印はその不斉炭素に由来する異
性体が一方の異性体に偏っていることを示す。]およ
び、Xが(E)―ブロモメチレン基である、下記式(II
I ―b)
【0045】
【化17】
【0046】[式中、*印の定義は上記式(III ―a)
における定義に同じである。]で表わされる6―(4―
置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン
―3―オール類は、いずれも、インデン骨格の4位の置
換基である、オキソ基、または、(E)―ブロモメチレ
ン基を手掛りとしてビタミンD3 骨格のA環部分を、そ
れ自身既知反応により、結合させると24(R)―ヒド
ロキシビタミンD 3 誘導体に導くことのできる有用な新
規出発原料であり、今までは24体と24体をクロ
マトグラフィーなどの分離操作を用いて分離していたこ
とを考えると、本発明の製造法は、高立体選択的、高収
率、短工程、RS分離操作の回避といった諸点から効率
的であり、工業的にも優れた実用的な製造法を提供する
ものである。
【0047】また、Xがα位に水素原子、β位に保護さ
れた水酸基である下記式(III ―c)
【0048】
【化18】
【0049】[式中、Rは前記式(I)における定義
に、また*印は前記式(III ―a)における定義に同じ
である。]で表わされる6―(4―置換インデン―1―
イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類は、
上記式(III ―a)および(III ―b)に誘導可能な前
駆体として有用な新規化合物である。
【0050】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0051】
【実施例1】
【0052】
【化19】
【0053】(4R)―4―[(4S,7aS)―4―
ベンゾイルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]
―2―ペンテナール(1)(85mg,0.25mmo
l)と(1S,2R)―(−)―2―(N,N―ジブチ
ルアミノ)―1―フェニル―1―プロパノール((−)
―DBNE;13mg,0.05mmol;20モル
%)のトルエン(2ml)溶液にジイソプロピル亜鉛の
トルエン溶液(0.87M;0.63ml,0.55m
mol)を0℃で滴下し、0〜5℃で24時間攪拌し
た。反応終了後、反応混合液に0.5N塩酸(25m
l)を加えて後処理し、酢酸エチル(25ml)で抽出
した。分液した有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウム上
で乾燥濾過後、濃縮し、粗生成物を得た。このものをシ
リカゲル(15g)を用いるカラムクロマトグラフィー
(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=40:1→1:1)
によって精製し、イソプロピル化生成物である(6R)
―6―[(4S,7aS)―4―ベンゾイルオキシ―7
a―メチルインデン―1―イル]―2―メチル―4―ヘ
プテン―3―オール(2)(85mg,0.22mmo
l,89%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.85〜1.0
(19H,m),1.05(3H,s),1.1〜2.
4(16H,m),3.80(1H,t,J=6H
z),5.43(1H,br,s),5.4〜5.65
(2H,m),7.4〜7.6(3H,m),8.0〜
8.1(2H,m). IR(neat)cm-1;3500,2953,287
0,1717,1410,1314,1113. 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めにイソプロピル化生成物(14mg,0.04mmo
l)のエタノール(1ml)溶液に触媒量の5%白金/
活性炭を加えて水素雰囲気下室温で2時間接触還元し
た。反応後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去して粗生成
物を得、このものをシリカゲル(10g)カラムクロマ
トグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=30:
1→15:1)で精製して、(6R)―6―[(4S,
7aS)―4―ベンゾイルオキシ―7a―メチルインデ
ン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノール(11
mg,0.042mmol,85%)を得た。このもの
をHPLC分析して3R体と3S体(以下の実施例にお
いて、この3R体と3S体を24R体と24S体として
説明する。)の生成比を絶対構造既知の標品と比較して
求めたところ24R:24S=95:5と算出されたの
で、実施例1におけるイソプロピル化生成物の立体選択
性は24S:24R=95:5と算定した。HPLC条
件はZorbax SILカラムを用いて行ない、溶離
液の組成はヘキサン:塩化メチレン:エタノール=9
0:10:0.3(流量2.0ml/分)を使用し、2
54nmのUV波長で検出し、定量した。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.85〜1.0
(9H,m),1.05(3H,s),1.1〜2.1
5(18H,m),3.25〜3.4(1H,m),
5.42(1H,br,s),7.4〜7.6(3H,
m),8.0〜8.15(2H,m). IR(neat)cm-1;3500,2870,171
0,1440,1265,1110.
【0054】
【実施例2】
【0055】
【化20】
【0056】(4R)―4―[(7aS)―7a―メチ
ル―4―オキソインデン―1―イル]ペンタナール
(1)(59mg,0.25mmol)と(−)―DB
NE(13mg,0.05mmol;20モル%)のト
ルエン(2ml)溶液にジイソプロピル亜鉛のトルエン
溶液(0.87M;0.63ml,0.55mmol)
を0℃で滴下し、0〜5℃で24時間攪拌した。反応終
了後、実施例1と同様に後処理とカラムクロマトグラフ
ィーによる精製を行ない、イソプロピル化生成物である
(6R)―6―[(7aS)―7a―メチル―4―オキ
ソインデン―1―イル]―2―メチル―4―ヘプテン―
3―オール(2)(60mg,0.22mmol,89
%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.62(3H,
s),0.8〜0.95(6H,m),1.06(3
H,d,J=6Hz),1.1〜2.5(16H,
m),3.73(H,t,J=6Hz),5.3〜5.
55(2H,m). IR(neat)cm-1;3450,2957,278
4,1715,1458,1381,1024. 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めにイソプロピル化生成物(13mg,0.05mmo
l)をTHF(1ml)に溶かし、水素化リチウムトリ
―t―ブトキシアルミニウム(100mg,0.78m
mol)を加え、室温で30分間攪拌した。注水後1N
塩酸で水層を酸性化し、酢酸エチル(15ml)で抽出
して得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
(15ml)、飽和食塩水(15ml)で順次洗浄し
た。無水硫酸マグネシウム上で乾燥後濾別した有機層を
減圧で濃縮して(6R)―6―[(4S,7aS)―4
―ヒドロキシ―7aS―メチルインデン―1―イル]―
2―メチル―4―ヘプテン―3―オールの粗生成物を得
た。このものをエタノール(1ml)に溶かし、触媒量
の5%白金/活性炭を加えて水素雰囲気下室温で1時間
接触水添反応させた後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去
して(6R)―6―[(4S,7aS)―4―ヒドロキ
シ―7aS―メチルインデン―1―イル]―2―メチル
―3―ヘプタノールを粗生成物として得た。これを塩化
メチレン(1.5ml)に溶かし、4―ジメチルアミノ
ピリジン(225mg,1.83mmol)と塩化ベン
ゾイル(0.15ml,1.55mmol)を加えて4
0℃で1時間攪拌した。その後、1N塩酸と酢酸エチル
(15ml)を加えて抽出し、分液された有機層を1N
塩酸(25ml×2)、飽和食塩水(25ml)で順次
洗浄した。無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾別した
有機層を減圧で濃縮して粗生成物を得た。このものをシ
リカゲル(10g)カラムクロマトグラフィーにかけ、
ヘキサン:酢酸エチル=60:1で溶出して(6R)―
6―[(4S,7aS)―4―ベンゾイルオキシ―7a
―メチルインデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプ
チルベンゾエート(14mg,0.029mmol,5
9%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;0.75〜1.05
(12H,m),1.05〜2.15(18H,m),
4.90〜5.05(1H,m),5.38(1H,
m),7.35〜7.60(6H,m),7.91〜
8.10(4H,m). IR(neat)cm-1;3060,1720,171
0,1270,1110,710. このものをHPLC分析して24R体と24S体の比を
絶対構造既知の標品と比較して求めたところ24R:2
4S=95:5と算出されたので、実施例2におけるイ
ソプロピル化生成物の立体選択性は24S:24R=9
5:5と算定した。
【0057】
【実施例3】
【0058】
【化21】
【0059】(4R)―4―[(4S,7aS)―4―
t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メチルインデ
ン―1―イル]―2―ペンテナール(1)(88mg,
0.25mmol)と(−)―DBNE(13mg,
0.05mmol;20モル%)のトルエン(2ml)
溶液にジイソプロピル亜鉛のトルエン溶液(0.87
M;0.63ml,0.55mmol)を0℃で滴下
し、0〜5℃で24時間攪拌した。反応後、実施例1と
同様に後処理とカラムクロマトグラフィーによる精製を
行ない、イソプロピル化生成物である(6R)―6―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―メチル
―4―ヘプテン―3―オール(2)(88mg,0.2
2mmol,89%)を得た。 NMR(CDCl3 ,ppm)δ;−0.02(3H,
s),0.00(3H,s),0.8〜0.95(9
H,m),0.87(9H,s),1.01(3H,
d,J=6Hz),1.05〜2.15(16H,
m),3.73(1H,t,J=6Hz),4.0(1
H,br,s),5.35〜5.55(2H,m). IR(neat)cm-1;3380,2950,293
0,2859,1472,1374,1252,116
5,1082. 上記イソプロピル化反応における立体選択性を求めるた
めにイソプロピル化生成物(10mg,0.03mmo
l)をエタノール(1ml)に溶かし、触媒量の5%白
金/活性炭を加えて水素雰囲気下室温で13.5時間接
触水添反応を行なった。反応後、触媒を濾別し、溶媒を
減圧留去して(6R)―6―[(4S,7aS)―4―
t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メチルインデ
ン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノールの粗生
成物を得た。この全量をアセトニトリル(0.5ml)
に溶かし、ピリジニウムポリフッ化水素酸(0.2m
l)を加えて室温で1.5時間攪拌して脱シリル化反応
を行なった。反応後、水を加え、酢酸エチル(15m
l)で抽出して得られた有機層を、水(15ml)、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液(15ml)、飽和食塩水
(15ml)で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウム上で
乾燥し、濾別した有機層を減圧濃縮して(6R)―6―
[(4S,7aS)―4―ヒドロキシ―7a―メチルイ
ンデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプタノールの
粗生成物を得た。この粗生成物を実施例2のベンゾイル
化法と同じ方法によりジベンゾイル化し、(6R)―6
―[(4S,7aS)―4―ベンゾイルオキシ―7a―
メチルインデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプチ
ルベンゾエート(7mg,0.015mmol,50
%)を得た。
【0060】このものをHPLC分析して24R体と2
4S体の比を実施例2と同様の方法により求めたところ
24R:24S=96:4と算出されたので、実施例3
におけるイソプロピル化生成物の立体選択性は24S:
24R=96:4と算定した。HPLC条件は実施例2
と同じ条件下で行ない、Zorbax SILカラムを
用いて、溶離液組成はヘキサン:塩化メチレン:エタノ
ール=90:10:0.1(流量2.0ml/分)を用
い、254nmのUV波長で検出し、定量した。
【0061】
【実施例4】
【0062】
【化22】
【0063】実施例3と全く同様に、(4R)―4―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―ペンテ
ナール(88mg,0.25mmol)を出発原料とし
て実施した。但し、不斉配位子は実施例3の20モル%
から5モル%に減少し、(−)―DBNE(3.3m
g,0.013mmol;5モル%)を用いて0〜5℃
で24時間反応させた。イソプロピル化生成物の単離は
実施例3と同様に実施し、(6R)―6―[(4S,7
aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―
メチルインデン―1―イル]―2―メチル―4―ヘプテ
ン―3―オール(89mg,0.23mmol,90
%)を得た。イソプロピル化の立体選択性の決定も実施
例3と全く同様にイソプロピル化生成物の接触水添、脱
シリル化、ジベンゾイル化を経て(6R)―6―[(4
S,7aS)―4―ベンゾイル―7a―メチルインデン
―1―イル]―2―メチル―3―ヘプチルベンゾエート
に誘導して、このもののHPLC分析により24R:2
4S=96:4と算出されたことから、イソプロピル化
生成物自身の立体選択性は24S:24R=96:4と
算定された。
【0064】
【実施例5】
【0065】
【化23】
【0066】実施例3と全く同様に、(4R)―4―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―ペンテ
ナール(1)(88mg,0.25mmol)を出発原
料として実施した。但し、不斉配位子は実施例3の
(−)―DBNEから(+)―DBNEに代えて、
(+)―DBNE(13mg,0.05mmol;20
モル%)を用いて0〜5℃で24時間反応させた。イソ
プロピル化生成物の単離は実施例3と同様に実施し、
(6R)―6―[(4S,7aS)―4―t―ブチルジ
メチルシリルオキシ―7a―メチルインデン―1―イ
ル]―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール(2)
(89mg,0.23mmol,90%)を得た。イソ
プロピル化の立体選択性の決定も実施例3と全く同様に
イソプロピル化生成物の接触水添、脱シリル化、ジベン
ゾイル化を経て(6R)―6―[(4S,7aS)―4
―ベンゾイル―7a―メチルインデン―1―イル]―2
―メチル―3―ヘプチルベンゾエートに誘導して、この
もののHPLC分析により24R:24S=4:96と
算出されたことから、イソプロピル化生成物自身の立体
選択性は24S:24R=4:96と算定された。
【0067】
【実施例6】
【0068】
【化24】
【0069】実施例3と全く同様に、(4R)―4―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―ペンテ
ナール(1)(88mg,0.25mmol)を出発原
料として実施した。但し、不斉配位子の光学純度は実施
例3の100%eeから20%eeに減少し、20%e
eの(−)―DBNE(66mg,0.25mmol)
を用いて0〜5℃で24時間反応させた。イソプロピル
化生成物の単離は実施例3と同様に実施し、(6R)―
6―[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリ
ルオキシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―メ
チル―4―ヘプテン―3―オール(2)(87mg,
0.22mmol,88%)を得た。イソプロピル化の
立体選択性の決定も実施例3と全く同様にイソプロピル
化生成物の接触水添、脱シリル化、ジベンゾイル化を経
て(6R)―6―[(4S,7aS)―4―ベンゾイル
―7a―メチルインデン―1―イル]―2―メチル―3
―ヘプチルベンゾエートに誘導して、このもののHPL
C分析により24R:24S=94:6と算出されたこ
とから、イソプロピル化生成物自身の立体選択性は24
S:24R=94:6と算定された。
【0070】
【実施例7】
【0071】
【化25】
【0072】実施例3と全く同様に、(4R)―4―
[(4S,7aS)―4―t―ブチルジメチルシリルオ
キシ―7a―メチルインデン―1―イル]―2―ペンテ
ナール(1)(88mg,0.25mmol)を出発原
料として実施した。但し、不斉配位子は実施例3(−)
―DBNEに代えて(−)―3―エキソ―ジメチルアミ
ノイソボルネオール((−)―DAIB;10mg,
0.05mmol;20モル%)を用いて0〜5℃で2
4時間反応させた。イソプロピル化生成物の単離は実施
例3と同様に実施し、(6R)―6―[(4S,7a
S)―4―t―ブチルジメチルシリルオキシ―7a―メ
チルインデン―1―イル]―2―メチル―4―ヘプテン
―3―オール(2)(93mg,0.24mmol,9
4%)を得た。イソプロピル化の立体選択性の決定も実
施例3と全く同様にイソプロピル化生成物の接触水添、
脱シリル化、ジベンゾイル化を経て(6R)―6―
[(4S,7aS)―4―ベンゾイル―7a―メチルイ
ンデン―1―イル]―2―メチル―3―ヘプチルベンゾ
エートに誘導して、このもののHPLC分析により24
R:24S=97:3と算出されたことから、イソプロ
ピル化生成物自身の立体選択性は24S:24R=9
7:3と算定された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 45/68 49/743 C 7188−4H 67/31 67/343 69/76 Z 9279−4H C07F 7/18 A

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 [式中、Xは酸素原子、(E)―ブロモメチレン基、ま
    たはα位に水素原子、β位に―OR基が置換されている
    場合を表わし(但し、Rは炭素数2〜8のアシル基、ト
    リ(炭素数1〜6の炭化水素基)置換シリル基、または
    1―(炭素数1〜4のアルコキシ基)置換の炭素数1〜
    6のアルキル基を表わす。)、波線は二重結合のE,Z
    異性体のいずれか一方、またはそれらの混合物であるこ
    とを表わす。]で表わされる4―(4―置換インデン―
    1―イル)―2―ペンテナール類と下記式(II) 【化2】 で示されるジイソプロピル亜鉛とを光学活性―ジ
    アルキルアミノアルコール類の存在下に反応せしめるこ
    とを特徴とする下記式(III ) 【化3】 [式中、Xおよび波線は前記式(I)における定義に同
    じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一方
    の異性体に偏っていることを示す。]で表わされる光学
    活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル
    ―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  2. 【請求項2】 光学活性―ジアルキルアミノアル
    コール類を式(I)で表わされる4―(4―置換インデ
    ン―1―イル)―2―ペンテナール類に対して2〜30
    モル%の範囲で使用する請求項1記載の光学活性6―
    (4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘ
    プテン―3―オール類の製造法。
  3. 【請求項3】 式(II)で示されるジイソプロピル亜鉛
    を式(I)で表わされる4―(4―置換インデン―1―
    イル)―2―ペンテナール類に対して1〜3.5当量の
    範囲で使用する請求項1記載の光学活性6―(4―置換
    インデン―1―イル)―2―メチル―4―ヘプテン―3
    ―オール類の製造法。
  4. 【請求項4】 式(I)で表わされる4―(4―置換イ
    ンデン―1―イル)―2―ペンテナール類が下記式(I
    ―a) 【化4】 で表わされる請求項1〜3のいずれか1項記載の光学活
    性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―
    4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  5. 【請求項5】 式(I)で表わされる4―(4―置換イ
    ンデン―1―イル)―2―ペンテナール類が下記式(I
    ―b) 【化5】 で表わされる請求項1〜3のいずれか1項記載の光学活
    性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―
    4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  6. 【請求項6】 式(I)で表わされる4―(4―置換イ
    ンデン―1―イル)―2―ペンテナール類が下記式(I
    ―c) 【化6】 [式中、Rの定義は前記式(I)における定義と同じで
    ある。]で表わされる請求項1〜3のいずれか1項記載
    の光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―
    メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  7. 【請求項7】 Rが炭素数2〜8のアシル基である請求
    項6記載の光学活性6―(4―置換インデン―1―イ
    ル)―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造
    法。
  8. 【請求項8】 Rがアセチル基である請求項6記載の光
    学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチ
    ル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  9. 【請求項9】 式(I)で表わされる4―(4―置換イ
    ンデン―1―イル)―2―ペンテナール類の波線がE体
    の二重結合である請求項1〜8のいずれか1項記載の光
    学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチ
    ル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  10. 【請求項10】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が光学活性β―(―ジアルキルアミ
    ノ)アルコール類である請求項1又は2に記載の光学活
    性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―
    4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  11. 【請求項11】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が光学活性γ―(―ジアルキルアミ
    ノ)アルコール類である請求項1又は2に記載の光学活
    性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル―
    4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  12. 【請求項12】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が(1S,2R)―(−)―または(1
    )―(+)―2―(―ジブチルアミノ)―1
    ―フェニル―1―プロパノールである請求項1又は2に
    記載の光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)―
    2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  13. 【請求項13】 光学活性―ジアルキルアミノア
    ルコール類が(−)―または(+)―3―エキソ―(ジ
    メチルアミノ)イソボルネオールである請求項1又は2
    に記載の光学活性6―(4―置換インデン―1―イル)
    ―2―メチル―4―ヘプテン―3―オール類の製造法。
  14. 【請求項14】 下記式(III ) 【化7】 [式中、Xおよび波線は前記式(I)における定義に同
    じであり、*印はその不斉炭素に由来する異性体が一方
    の異性体に偏っていることを示す。]で表わされる光学
    活性6―(4―置換インデン―1―イル)―2―メチル
    ―4―ヘプテン―3―オール類。
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