JPH06321710A - 農園芸用殺菌剤及びその製造方法 - Google Patents
農園芸用殺菌剤及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH06321710A JPH06321710A JP5110320A JP11032093A JPH06321710A JP H06321710 A JPH06321710 A JP H06321710A JP 5110320 A JP5110320 A JP 5110320A JP 11032093 A JP11032093 A JP 11032093A JP H06321710 A JPH06321710 A JP H06321710A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mba176
- culture
- agricultural
- active ingredient
- strain
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 植物病原菌感染抑制作用を有する生理活性物
質を有効成分とする農園芸用殺菌剤、及びその有効成分
の製造方法を提供する。 【構成】 フェオスフェリア属に属する微生物を培養し
て、下記[I]式で表される生理活性物質を培養物中に
生成蓄積せしめ、これを菌体から採取する。 【化1】
質を有効成分とする農園芸用殺菌剤、及びその有効成分
の製造方法を提供する。 【構成】 フェオスフェリア属に属する微生物を培養し
て、下記[I]式で表される生理活性物質を培養物中に
生成蓄積せしめ、これを菌体から採取する。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農園芸用殺菌剤及びそ
の製造方法に関し、詳しくは、フェナレノン誘導体であ
るMBA176−19Bを有効成分として含有する農業
用殺菌剤及びその製造方法に関するものである。
の製造方法に関し、詳しくは、フェナレノン誘導体であ
るMBA176−19Bを有効成分として含有する農業
用殺菌剤及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、微生物が産生する生理活性物
質として数多くの抗生物質が発見され、医薬品、動物用
薬品、農薬などの分野で実用化されている。抗生物質
は、そのスクリーニング技術の進歩に伴い、抗菌力、抗
菌スペクトルの拡大等を目指して盛んに研究開発が進め
られているものの、一方ではその多用から耐性菌が出現
する等の問題も生じている。よって現在では、新しい作
用を有する新規な薬剤の提供が切に望まれている。
質として数多くの抗生物質が発見され、医薬品、動物用
薬品、農薬などの分野で実用化されている。抗生物質
は、そのスクリーニング技術の進歩に伴い、抗菌力、抗
菌スペクトルの拡大等を目指して盛んに研究開発が進め
られているものの、一方ではその多用から耐性菌が出現
する等の問題も生じている。よって現在では、新しい作
用を有する新規な薬剤の提供が切に望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、植物病原菌
による感染を抑制する作用を有する生理活性物質を有効
成分とする農園芸用殺菌剤、及びその有効成分の製造方
法を提供することを課題とする。
による感染を抑制する作用を有する生理活性物質を有効
成分とする農園芸用殺菌剤、及びその有効成分の製造方
法を提供することを課題とする。
【0004】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、上記の
問題点に鑑み、新しい抗生物質を提供するべく深索する
を重ねてきた結果、フェオスフェリア属に属するある菌
株の培養物中に、植物病原菌による感染を抑制する活性
を有する物質が生産されていることを初めて見い出し、
その有効成分であるMBA176−19Bを単離、精製
して、本発明を完成するに至った。
問題点に鑑み、新しい抗生物質を提供するべく深索する
を重ねてきた結果、フェオスフェリア属に属するある菌
株の培養物中に、植物病原菌による感染を抑制する活性
を有する物質が生産されていることを初めて見い出し、
その有効成分であるMBA176−19Bを単離、精製
して、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、下記[I]式で表され
るMBA176−19Bを有効成分として含有する農園
殺菌剤、及びMBA176−19Bを産生するフェオス
フェリア属に属する微生物を培養して、MBA176−
19Bを培養物中に生成蓄積せしめ、その培養物から採
取することを特徴とするMBA176−19Bの製造方
法である。
るMBA176−19Bを有効成分として含有する農園
殺菌剤、及びMBA176−19Bを産生するフェオス
フェリア属に属する微生物を培養して、MBA176−
19Bを培養物中に生成蓄積せしめ、その培養物から採
取することを特徴とするMBA176−19Bの製造方
法である。
【0006】
【化2】
【0007】尚、本明細書において、「培養物」とは、
菌体及び/又は培養上清をいうものとする。以下、本発
明を詳細に説明する。
菌体及び/又は培養上清をいうものとする。以下、本発
明を詳細に説明する。
【0008】<1>本発明の農園芸殺菌剤 本発明の農園芸殺菌剤は、有効成分として上記[I]式
で表されるMBA176−19Bを配合したものであ
る。この化合物は、本発明者がフェオスフェリア属に属
するある菌株の培養物中から、植物病原菌による感染を
抑制する活性を有する物質として単離、精製したとこ
ろ、Ayerら[カナディアン ジャーナルオブ ケミ
ストリ(Can.J.Chem)、64巻、1585ペ
ージ(1986)]が報告した植物病原菌グレメニーラ
・アビーチナ(Gremmeniella abiet
ine)の代謝物の一種と同一化合物であることが判明
し、MBA176−19Bと命名した。
で表されるMBA176−19Bを配合したものであ
る。この化合物は、本発明者がフェオスフェリア属に属
するある菌株の培養物中から、植物病原菌による感染を
抑制する活性を有する物質として単離、精製したとこ
ろ、Ayerら[カナディアン ジャーナルオブ ケミ
ストリ(Can.J.Chem)、64巻、1585ペ
ージ(1986)]が報告した植物病原菌グレメニーラ
・アビーチナ(Gremmeniella abiet
ine)の代謝物の一種と同一化合物であることが判明
し、MBA176−19Bと命名した。
【0009】本発明の農園芸殺菌剤には、いかなる方法
で得られるMBA176−19Bを用いてもよく、例え
ば上記Ayerらの方法に従ってグレメニーラ・アビー
チナの培養物から得たものを使用してもよい。また、本
発明者がMBA176−19Bを生産することを見い出
したフェオスフェリア属(Phaeosphaeri
a)に属する微生物を培養し、その培養物中から単離、
精製したものも望ましく使用することができる。また、
化学合成によりMBA176−19Bを製造してもよ
い。
で得られるMBA176−19Bを用いてもよく、例え
ば上記Ayerらの方法に従ってグレメニーラ・アビー
チナの培養物から得たものを使用してもよい。また、本
発明者がMBA176−19Bを生産することを見い出
したフェオスフェリア属(Phaeosphaeri
a)に属する微生物を培養し、その培養物中から単離、
精製したものも望ましく使用することができる。また、
化学合成によりMBA176−19Bを製造してもよ
い。
【0010】MBA176−19Bは、後述の表1に示
したように、灰色カビ病菌等の植物病原菌による植物へ
の感染を特異的に阻止する作用を有する。灰色カビ病菌
は、ぶどう、キュウリ、エンドウ、イチゴなど幅広い植
物種に病気を引き起こし、現存する殺菌剤に対して耐性
菌が出現しやすいなどのことから、農業生産上問題にな
っている。このような植物病原菌該菌に対して有効な感
染抑制活性を有するMBA176−19Bは、これまで
の既存殺菌剤とは構造的に全く異なることから新しい作
用機種が期待され、本菌による植物病気の治療又は予防
のための農薬品として有効に使用し得る。
したように、灰色カビ病菌等の植物病原菌による植物へ
の感染を特異的に阻止する作用を有する。灰色カビ病菌
は、ぶどう、キュウリ、エンドウ、イチゴなど幅広い植
物種に病気を引き起こし、現存する殺菌剤に対して耐性
菌が出現しやすいなどのことから、農業生産上問題にな
っている。このような植物病原菌該菌に対して有効な感
染抑制活性を有するMBA176−19Bは、これまで
の既存殺菌剤とは構造的に全く異なることから新しい作
用機種が期待され、本菌による植物病気の治療又は予防
のための農薬品として有効に使用し得る。
【0011】本発明の農園芸殺菌剤を農薬として使用す
る場合、MBA176−19Bあるいはフェオスフェリ
ア属菌やグレメニーラ・アビーチナ等からの粗精製物を
単独使用してもよいが、有効成分の分散を良好にするた
めに、担体や助剤を添加して、例えば、乳剤、水和剤、
粉剤、粒剤等の形態で使用するのが好ましい。
る場合、MBA176−19Bあるいはフェオスフェリ
ア属菌やグレメニーラ・アビーチナ等からの粗精製物を
単独使用してもよいが、有効成分の分散を良好にするた
めに、担体や助剤を添加して、例えば、乳剤、水和剤、
粉剤、粒剤等の形態で使用するのが好ましい。
【0012】担体としては、水、メタノール、エタノー
ル、エチレングリコール、アセトン、メチルエーテル、
エチルエーテル、ガソリン、ケロシン、灯油、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジクロル
エタン、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド等の液体担
体、あるいはカオリン、クレー、タルク、ベントナイ
ト、珪藻土等の固体担体等が挙げられる。
ル、エチレングリコール、アセトン、メチルエーテル、
エチルエーテル、ガソリン、ケロシン、灯油、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジクロル
エタン、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド等の液体担
体、あるいはカオリン、クレー、タルク、ベントナイ
ト、珪藻土等の固体担体等が挙げられる。
【0013】また、展着剤、分散剤、乳化剤、浸透剤等
の助剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレー
ト等の非イオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩
等のアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムクロラ
イド等のカチオン系界面活性剤などが使用される。
の助剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレー
ト等の非イオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩
等のアニオン系界面活性剤、アルキルジメチルベンジル
アンモニウムクロライド、アルキルピリジニウムクロラ
イド等のカチオン系界面活性剤などが使用される。
【0014】本発明の殺菌剤を植物に直接施用する場
合、有効成分として通常100〜500ppm程度が使
用される。なお、本剤の薬効を阻害しない他の殺菌剤、
殺虫剤、除草剤、肥料等を併用することができる。
合、有効成分として通常100〜500ppm程度が使
用される。なお、本剤の薬効を阻害しない他の殺菌剤、
殺虫剤、除草剤、肥料等を併用することができる。
【0015】 <2>本発明のMBA176−19Bの製造方法 MBA176−19Bは、MBA176−19Bを産生
するフェオスフェリア属に属する微生物を培養して、M
BA176−19Bを培養物中に生成蓄積せしめ、その
培養物から採取することを特徴とする。
するフェオスフェリア属に属する微生物を培養して、M
BA176−19Bを培養物中に生成蓄積せしめ、その
培養物から採取することを特徴とする。
【0016】上記微生物としては、フェオスフェリア属
に属し、MBA176−19Bを生産する能力を有する
ものであれば特に制限はされない。具体的には、フェオ
スフェリア・ロゼリィアナ(Phaeosphaeri
a rousseliana)などが挙げられ、より好
ましくは本発明者が能登半島にて採取した植物枯れ茎よ
り分離したフェオスフェリア・ロゼリィアナL2144
株が挙げられる。以下に、上記微生物の培養、MBA1
76−19Bの単離、精製について詳しく説明する。
に属し、MBA176−19Bを生産する能力を有する
ものであれば特に制限はされない。具体的には、フェオ
スフェリア・ロゼリィアナ(Phaeosphaeri
a rousseliana)などが挙げられ、より好
ましくは本発明者が能登半島にて採取した植物枯れ茎よ
り分離したフェオスフェリア・ロゼリィアナL2144
株が挙げられる。以下に、上記微生物の培養、MBA1
76−19Bの単離、精製について詳しく説明する。
【0017】(1)培養 本発明においては、フェオスフェリア属に属する微生物
を、通常の微生物が利用し得る栄養物を含有する培地で
培養する。栄養源としてはグルコース、水飴、デキスト
リン、シュクロース、澱粉、糖蜜、動・植物油などを使
用できる。また、窒素源として、大豆粉、小麦胚芽、コ
ーンスティープ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素
などを使用できる。その他、必要に応じて、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、
塩素、燐酸、硫酸及びそのほかのイオンを生成すること
のできる無機塩類を添加することは有効である。また菌
の生育を助け、MBA176−19Bの生産を促進する
ような有機物及び/又は無機物を適当に添加することが
できる。
を、通常の微生物が利用し得る栄養物を含有する培地で
培養する。栄養源としてはグルコース、水飴、デキスト
リン、シュクロース、澱粉、糖蜜、動・植物油などを使
用できる。また、窒素源として、大豆粉、小麦胚芽、コ
ーンスティープ・リカー、綿実粕、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ソーダ、尿素
などを使用できる。その他、必要に応じて、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、
塩素、燐酸、硫酸及びそのほかのイオンを生成すること
のできる無機塩類を添加することは有効である。また菌
の生育を助け、MBA176−19Bの生産を促進する
ような有機物及び/又は無機物を適当に添加することが
できる。
【0018】培養法としては、好気的条件下での培養
法、特に深部培養法が最も適している。培養に適当な温
度は10〜30℃であるが、多くの場合20〜27℃付
近で培養する。MBA176−19Bの生産は、培地や
培養条件により異なるが、振盪培養、タンク培養とも通
常3〜10日の間でその蓄積が最高に達する。培養物中
のMBA176−19Bの蓄積が最高になった時に培養
を停止し、培養物から目的物質を単離、精製する。
法、特に深部培養法が最も適している。培養に適当な温
度は10〜30℃であるが、多くの場合20〜27℃付
近で培養する。MBA176−19Bの生産は、培地や
培養条件により異なるが、振盪培養、タンク培養とも通
常3〜10日の間でその蓄積が最高に達する。培養物中
のMBA176−19Bの蓄積が最高になった時に培養
を停止し、培養物から目的物質を単離、精製する。
【0019】 (2)MBA176−19Bの単離、精製 本発明のMBA176−19Bは、菌体及び培養上清の
いずれからも得られる。また、MBA176−19Bを
培養物から単離、精製するには、不純物との溶解度差を
利用する手段、溶媒分配の差を利用する溶媒抽出手段、
吸着親和力の差を利用する手段、分子量の差を利用する
手段のいずれも、それぞれ単独、またはそれらを適宜組
み合わせて、或いは反復して使用される。
いずれからも得られる。また、MBA176−19Bを
培養物から単離、精製するには、不純物との溶解度差を
利用する手段、溶媒分配の差を利用する溶媒抽出手段、
吸着親和力の差を利用する手段、分子量の差を利用する
手段のいずれも、それぞれ単独、またはそれらを適宜組
み合わせて、或いは反復して使用される。
【0020】すなわち、培養物中に存在する植物病原菌
感染抑制活性を有する区分を酢酸エチル等で抽出し、減
圧下で濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、LH−20カラムクロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィーなどを組み合わせて精製すると、
高純度のMBA176−19Bが得られる。例えば、移
動相をアセトニトリル−水(70:30)とし、逆相カ
ラム(マイクロボンダスフェアーODS、直径2cm、
長さ15cm、Waters社製)を用い、移動相流速
10ml/分で高速液体クロマトグラフィーを行うと、
MBA176−19Bは9.5分前後で溶出される。
感染抑制活性を有する区分を酢酸エチル等で抽出し、減
圧下で濃縮し、濃縮液をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー、LH−20カラムクロマトグラフィー、高速液
体クロマトグラフィーなどを組み合わせて精製すると、
高純度のMBA176−19Bが得られる。例えば、移
動相をアセトニトリル−水(70:30)とし、逆相カ
ラム(マイクロボンダスフェアーODS、直径2cm、
長さ15cm、Waters社製)を用い、移動相流速
10ml/分で高速液体クロマトグラフィーを行うと、
MBA176−19Bは9.5分前後で溶出される。
【0021】 <3>フェオスフェリア・ロゼリィアナL2144株 次に、MBA176−19Bを産生するフェオスフェリ
ア属に属する微生物として、本発明者が単離した新規菌
株L2144株(以下、「本菌株」又は「L2144」
と略記することがある)の微生物学的性質について説明
する。
ア属に属する微生物として、本発明者が単離した新規菌
株L2144株(以下、「本菌株」又は「L2144」
と略記することがある)の微生物学的性質について説明
する。
【0022】(1)形態学的特徴 本菌株は、イネ科植物体上に生じ、宿主植物上に散生す
る子嚢果を有する。この子嚢果は、始めは植物表皮下に
埋没して生じ、後に表皮を破り露出する。子嚢果は、直
径150〜180μmの亜球形であり、褐色の綿毛状菌
糸に被われていて、頚部を欠いている。子嚢果の隔壁
は、2〜3層の薄い層からなり、その細胞は多角形で、
比較的柔軟である。
る子嚢果を有する。この子嚢果は、始めは植物表皮下に
埋没して生じ、後に表皮を破り露出する。子嚢果は、直
径150〜180μmの亜球形であり、褐色の綿毛状菌
糸に被われていて、頚部を欠いている。子嚢果の隔壁
は、2〜3層の薄い層からなり、その細胞は多角形で、
比較的柔軟である。
【0023】子嚢は多数生じ、54.7〜65.6μm
×9.3〜11μmの円筒形であり、基部に向かって埋
まり、短柄を有する。また子嚢は、頂端は丸く、二重壁
構造を有し、厚膜で、8胞子性である。
×9.3〜11μmの円筒形であり、基部に向かって埋
まり、短柄を有する。また子嚢は、頂端は丸く、二重壁
構造を有し、厚膜で、8胞子性である。
【0024】偽側糸は豊富に生じ、糸状で隔壁を有す
る。子嚢胞子は、子嚢内に2列状に配列し、20.3〜
23μm×4.7μmの細長い楕円形であり、黄褐色を
呈する。また、子嚢胞子は5隔壁を有し、上から2番目
の細胞がやや膨大し、狭窄した細胞を欠く。
る。子嚢胞子は、子嚢内に2列状に配列し、20.3〜
23μm×4.7μmの細長い楕円形であり、黄褐色を
呈する。また、子嚢胞子は5隔壁を有し、上から2番目
の細胞がやや膨大し、狭窄した細胞を欠く。
【0025】(2)各種培地上における性状 (イ)ジャガイモ・ブドウ糖寒天培地(PDA)上で2
7℃、10日〜3週間培養したときの性状 コロニーはビロード状で、始めは黄褐色を呈し、後にオ
リーブ褐色となる。コロニーの裏面は、暗褐色からオリ
ーブ褐色を呈する。気生菌糸は豊富に生じ、淡褐色を呈
し、巾3〜4.8μmであり、隔壁を有し、分枝する。
基底菌糸は、放射状に伸長し、かつ分枝し、巾6.0〜
13μmであり、隔壁を有する。PDA上3週間の培養
では、子嚢果(テレオモルフ)及びアナモルフの形成は
観察されなかった。
7℃、10日〜3週間培養したときの性状 コロニーはビロード状で、始めは黄褐色を呈し、後にオ
リーブ褐色となる。コロニーの裏面は、暗褐色からオリ
ーブ褐色を呈する。気生菌糸は豊富に生じ、淡褐色を呈
し、巾3〜4.8μmであり、隔壁を有し、分枝する。
基底菌糸は、放射状に伸長し、かつ分枝し、巾6.0〜
13μmであり、隔壁を有する。PDA上3週間の培養
では、子嚢果(テレオモルフ)及びアナモルフの形成は
観察されなかった。
【0026】(ロ)麦芽寒天培地(MA)上で27℃、
10日〜3週間培養したときの性状 コロニーは、ビロード状〜綿毛状であり、始めは淡褐
色、後に暗褐色〜オリーブ褐色を呈する。コロニーの裏
面は、黒褐色を呈する。気生菌糸は豊富に生じ、淡褐色
〜オリーブ褐色を呈し、巾4〜5.2μmであり、隔壁
を有し、分枝する。基底菌糸は、放射状に伸長し、かつ
分枝し、巾6.0〜14.4μmであり、隔壁を有す
る。MA上3週間の培養では子嚢果(テレオモルフ)及
びアナモルフの形成は観察されなかった。
10日〜3週間培養したときの性状 コロニーは、ビロード状〜綿毛状であり、始めは淡褐
色、後に暗褐色〜オリーブ褐色を呈する。コロニーの裏
面は、黒褐色を呈する。気生菌糸は豊富に生じ、淡褐色
〜オリーブ褐色を呈し、巾4〜5.2μmであり、隔壁
を有し、分枝する。基底菌糸は、放射状に伸長し、かつ
分枝し、巾6.0〜14.4μmであり、隔壁を有す
る。MA上3週間の培養では子嚢果(テレオモルフ)及
びアナモルフの形成は観察されなかった。
【0027】(3)生理的性状 (イ)最適生育範囲 最適pH : 5〜7(LCA液体培地「三浦宏一郎
他、日菌報 11、116〜118、1970参照」中、10日間培
養) 最適温度 : 27℃(PDA寒天培地上、10日間培
養) (ロ)生育の範囲 pH : 3〜9(LCA液体培地中、10日間培養) 温度 : 10〜30℃(PDA寒天培地上、10日間
培養)
他、日菌報 11、116〜118、1970参照」中、10日間培
養) 最適温度 : 27℃(PDA寒天培地上、10日間培
養) (ロ)生育の範囲 pH : 3〜9(LCA液体培地中、10日間培養) 温度 : 10〜30℃(PDA寒天培地上、10日間
培養)
【0028】(4)分類学的考察 (イ)綱、目及び科レベルでの同定 本菌株(L2144)は、イネ科植物体上に生じ、亜球
形の子嚢果を単生し、永続性の偽側糸(pseudoparaphys
is)を有する。子嚢は、二重壁構造を形成し、子嚢胞子
は隔壁を有し、多室細胞からなる特徴を有する。
形の子嚢果を単生し、永続性の偽側糸(pseudoparaphys
is)を有する。子嚢は、二重壁構造を形成し、子嚢胞子
は隔壁を有し、多室細胞からなる特徴を有する。
【0029】これらの特徴から、本菌株は、L. Holm, S
ymb, Bot, Upsal., 14(3):1-188(1957); E .S. Luttrel
l, Loculoascomycetes, in THE FUNGI, vol 4A(ed. G.
C.Ainsworth等), 135-219(1973); J. A. von Arx &
E, Muller, Stud. Mycol., 9:1-159(1975)によって分類
されている小房子嚢菌綱、Pleosporales
目、Pleosporaceae科に属する。
ymb, Bot, Upsal., 14(3):1-188(1957); E .S. Luttrel
l, Loculoascomycetes, in THE FUNGI, vol 4A(ed. G.
C.Ainsworth等), 135-219(1973); J. A. von Arx &
E, Muller, Stud. Mycol., 9:1-159(1975)によって分類
されている小房子嚢菌綱、Pleosporales
目、Pleosporaceae科に属する。
【0030】(ロ)属レベルの同定 本菌株(L2144)は、1)イネ科植物体上に生じ、
2)子嚢果は亜球形であり、3)子嚢果外壁は豊富な褐
色糸状菌糸に被われ、4)隔壁は、2〜3層の多角状細
胞からなり、柔軟な特徴を生する。これらの性状につい
て、L. Holm, Symb, Bot, Upsal., 14(3):1-188(1957);
E .S. Luttrell, Loculoascomycetes,in THE FUNGI, v
ol 4A(ed. G. C. Ainsworth等), 135-219(1973); J.
A. vonArx & E, Muller, Stud. Mycol., 9:1-159(1975)
の分類系によって、Pleosporaceae科の属
を検索したところ、本菌株(L2144)は、Phae
osphaeria属に属することが判明した。
2)子嚢果は亜球形であり、3)子嚢果外壁は豊富な褐
色糸状菌糸に被われ、4)隔壁は、2〜3層の多角状細
胞からなり、柔軟な特徴を生する。これらの性状につい
て、L. Holm, Symb, Bot, Upsal., 14(3):1-188(1957);
E .S. Luttrell, Loculoascomycetes,in THE FUNGI, v
ol 4A(ed. G. C. Ainsworth等), 135-219(1973); J.
A. vonArx & E, Muller, Stud. Mycol., 9:1-159(1975)
の分類系によって、Pleosporaceae科の属
を検索したところ、本菌株(L2144)は、Phae
osphaeria属に属することが判明した。
【0031】(ハ)種レベルの同定 G. A. Hedjaroude, Sydowia 22:57-107(1968); A. Lleu
chtmann, Sydowia 37:75-194(1985)のPhaeosph
aeria属のモノグラフによれば、本属には21種が
記載されている。これらの種は、各々子嚢果の諸性質、
すなわち子嚢果の形、大きさ、頚部の有無、隔壁構造及
び胞子の形、大きさ、隔壁数、膨大細胞の位置、ゼラチ
ン鞘の有無、胞子の色調などによって区別されている。
chtmann, Sydowia 37:75-194(1985)のPhaeosph
aeria属のモノグラフによれば、本属には21種が
記載されている。これらの種は、各々子嚢果の諸性質、
すなわち子嚢果の形、大きさ、頚部の有無、隔壁構造及
び胞子の形、大きさ、隔壁数、膨大細胞の位置、ゼラチ
ン鞘の有無、胞子の色調などによって区別されている。
【0032】本菌株(L2144)は、1)子嚢果に頚
部を欠き、2)子嚢胞子は、20.3〜23μm×4.
7μmの細長い楕円形であり、3)子嚢胞子は5隔壁を
有し、第2細胞がやや膨大し、4)胞子は黄褐色、平滑
の特徴を有する。これらの性状について上述の文献によ
って種の検索をしたところ、本菌株(L2144)は、
Phaeosphaeria rousseliana
に関する記載によく合致した。従って本菌株は、P.r
ousselianaであると同定し、P.rouss
eliana L2144と命名した。
部を欠き、2)子嚢胞子は、20.3〜23μm×4.
7μmの細長い楕円形であり、3)子嚢胞子は5隔壁を
有し、第2細胞がやや膨大し、4)胞子は黄褐色、平滑
の特徴を有する。これらの性状について上述の文献によ
って種の検索をしたところ、本菌株(L2144)は、
Phaeosphaeria rousseliana
に関する記載によく合致した。従って本菌株は、P.r
ousselianaであると同定し、P.rouss
eliana L2144と命名した。
【0033】尚、本菌株は、通商産業省生命工学工業技
術研究所にFERM P−13556として寄託されて
いる。
術研究所にFERM P−13556として寄託されて
いる。
【0034】
【実施例】以下に試験例及び実施例を挙げて、更に具体
的に本発明を説明する。 <1>MBA176−19Bの製造 (1)培養 マルトエキス3.5%、コーンスターチ3%、コーンス
ティープ・リカー1.5%、ファーマメデイア1.5
%、サングレイン0.5%、CaCO3 0.2%を含有
する培地(pH6.0)を40mlずつ200ml三角
フラスコ20本を分注し、121℃において20分間高
圧滅菌した。これにMBA176−19B生産菌として
フェオスフェリア・ロゼリィアナL2144株を1白金
耳ずつ植菌し、27℃において4日間、210回転にて
振盪培養した。
的に本発明を説明する。 <1>MBA176−19Bの製造 (1)培養 マルトエキス3.5%、コーンスターチ3%、コーンス
ティープ・リカー1.5%、ファーマメデイア1.5
%、サングレイン0.5%、CaCO3 0.2%を含有
する培地(pH6.0)を40mlずつ200ml三角
フラスコ20本を分注し、121℃において20分間高
圧滅菌した。これにMBA176−19B生産菌として
フェオスフェリア・ロゼリィアナL2144株を1白金
耳ずつ植菌し、27℃において4日間、210回転にて
振盪培養した。
【0035】別に、上記に同一組成の主醗酵培地を調製
し、その80mlずつを500ml三角フラスコ100
本に分注し、121℃において20分間高圧滅菌した。
この主醗酵培地に前記種培養液を4mlずつ接種し、2
7℃において4日間、210回転にて振盪培養する。得
られた培養物を遠心分離して、培養上清及び培養菌体を
得た。
し、その80mlずつを500ml三角フラスコ100
本に分注し、121℃において20分間高圧滅菌した。
この主醗酵培地に前記種培養液を4mlずつ接種し、2
7℃において4日間、210回転にて振盪培養する。得
られた培養物を遠心分離して、培養上清及び培養菌体を
得た。
【0036】(2)MBA176−19Bの精製 上記で得られた菌体をまずメタノール4lで抽出し、メ
タノールをろ過して除去した。次いで、乾燥した菌体を
酢酸エチル3lで撹拌しながら2回抽出した後、ろ過し
て菌体を除いた。得られた抽出液6lを減圧下で濃縮
し、27gの油状物を得た。この油状物質をクロロホル
ムに溶解し、石油エーテル/クロロホルム/酢酸を5:
10:1の割合で混合した混合液で充填したシリカゲル
100(Merck製)1lのカラムに乗せ、上記の同
混液にて展開するクロマトグラフィーを行い、活性のあ
ったフラクションを集め、溶媒を減圧留去し、活性画分
10gを得た。
タノールをろ過して除去した。次いで、乾燥した菌体を
酢酸エチル3lで撹拌しながら2回抽出した後、ろ過し
て菌体を除いた。得られた抽出液6lを減圧下で濃縮
し、27gの油状物を得た。この油状物質をクロロホル
ムに溶解し、石油エーテル/クロロホルム/酢酸を5:
10:1の割合で混合した混合液で充填したシリカゲル
100(Merck製)1lのカラムに乗せ、上記の同
混液にて展開するクロマトグラフィーを行い、活性のあ
ったフラクションを集め、溶媒を減圧留去し、活性画分
10gを得た。
【0037】さらにこの活性画分を、クロロホルム/メ
タノール1:1の割合で混合した混合液にて展開するク
ロマトグラフィーを行い、活性のあったフラクションを
集め、溶媒を減圧留去し、活性画分6.2gを得た。
タノール1:1の割合で混合した混合液にて展開するク
ロマトグラフィーを行い、活性のあったフラクションを
集め、溶媒を減圧留去し、活性画分6.2gを得た。
【0038】最後に、活性画分をアセトニトリル液に溶
解し、移動相アセトニトリル−水(70:30)、逆相
カラム(マイクロボンダスフェアーODS、直径2c
m、長さ15cm、Waters社製)を用いた高速液
体クロマトグラフィーを行った。移動相流速10ml/
分にて注入後9.5分前後にて流出するフラクションを
集め、溶媒を減圧留去し、MBA176−19Bの粉末
2.2gを得た。MBA176−19Bはクロロホルム
/メタノールの溶液から結晶し、黄緑色の結晶を得た。
解し、移動相アセトニトリル−水(70:30)、逆相
カラム(マイクロボンダスフェアーODS、直径2c
m、長さ15cm、Waters社製)を用いた高速液
体クロマトグラフィーを行った。移動相流速10ml/
分にて注入後9.5分前後にて流出するフラクションを
集め、溶媒を減圧留去し、MBA176−19Bの粉末
2.2gを得た。MBA176−19Bはクロロホルム
/メタノールの溶液から結晶し、黄緑色の結晶を得た。
【0039】精製したMBA176−19Bは下記の理
化学物質より構造解析をした結果、上記構造式[I]に
示す化学構造を有することが判明し、Ayerらが19
86年に報告した植物病原菌グレメニーラ・アビーチナ
(Gremmeniellaabietina)の代謝
物の一種と同一なものであることが判った[カナディア
ン ジャーナル オブ ケミストリ(Can.J.Ch
em.)64巻、1585ページ(1986)]。
化学物質より構造解析をした結果、上記構造式[I]に
示す化学構造を有することが判明し、Ayerらが19
86年に報告した植物病原菌グレメニーラ・アビーチナ
(Gremmeniellaabietina)の代謝
物の一種と同一なものであることが判った[カナディア
ン ジャーナル オブ ケミストリ(Can.J.Ch
em.)64巻、1585ページ(1986)]。
【0040】1)外観:黄緑色結晶
【0041】2)融点 115〜120℃分解
【0042】3)分子量: 358 [FAB-MS,m/z341(M+H-H2O)+, 364(M+Na-H2O)+]
【0043】4)分子式 C19H18O7
【0044】5)元素分析値: 炭素 63.46% 水素 5.35%
【0045】6)紫外部吸収スペクトル:アセトニトリ
ル溶液中で測定したスペクトルを図1に示す λmax nm(ε) 220(23,000), 261(35,400), 335(15,70
0)
ル溶液中で測定したスペクトルを図1に示す λmax nm(ε) 220(23,000), 261(35,400), 335(15,70
0)
【0046】7)赤外部吸収スペクトル:臭化カリウム
錠剤中で測定したスペクトルを図2に示した
錠剤中で測定したスペクトルを図2に示した
【0047】8)水素核磁気共鳴スペクトル:重クロロ
ホルム溶液中、主なピークは下記の通り。 {1.29,1.34}(s,3H), 1.46(d,3H), {1.51,1.53}(s,3H),
2.76(s,3H),4.60(m,1H), {6.70,6.75}(s,1H), {12.78,1
3.07}(s,1H),{13.28,13.89}(s,1H)
ホルム溶液中、主なピークは下記の通り。 {1.29,1.34}(s,3H), 1.46(d,3H), {1.51,1.53}(s,3H),
2.76(s,3H),4.60(m,1H), {6.70,6.75}(s,1H), {12.78,1
3.07}(s,1H),{13.28,13.89}(s,1H)
【0048】9)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、
アセトニトリルに可溶 ヘキサン、メタノール、水に不溶
アセトニトリルに可溶 ヘキサン、メタノール、水に不溶
【0049】10)呈色反応:硫酸、モリブデン酸、塩
化第二鉄試薬に陽性 ニンヒドリン試薬に陰性
化第二鉄試薬に陽性 ニンヒドリン試薬に陰性
【0050】尚、MBA176−19Bは、完全無水状
態下では脱水して下記[II]式に示す化学構造を持つこ
とが推定される。さらに、MBA176−19Bは酸性
アセトン溶液中において、下記[III]式に示す化学構
造を持つ物質に変換することがある。
態下では脱水して下記[II]式に示す化学構造を持つこ
とが推定される。さらに、MBA176−19Bは酸性
アセトン溶液中において、下記[III]式に示す化学構
造を持つ物質に変換することがある。
【0051】
【化3】
【0052】一方、上記培養上清6lの酢酸エチル抽出
物から、上記菌体からと同様な精製方法で、MBA17
6−19B0.3gを得た。
物から、上記菌体からと同様な精製方法で、MBA17
6−19B0.3gを得た。
【0053】
【試験例】次に、上記実施例で得られたMBA176−
19Bの灰色カビ病菌((Botritis cine
rea))に対する感染抑制活性を試験した。
19Bの灰色カビ病菌((Botritis cine
rea))に対する感染抑制活性を試験した。
【0054】小型ポットに植えた1葉期のキュウリ幼苗
(品種、四葉)に、MBA176−19Bの所定濃度水
溶液(4%アセトン含有)10mlを散布し、風乾燥、
ジャガイモ煎汁培地上で形成させた灰色カビ病菌の胞子
懸濁液を接種し、5日後に葉身上に形成された病斑の面
積率を調査した。防除効果は、MBA176−19B散
布無処理区のポットに同様に灰色カビ病菌を接種後、病
班の面積率を調査し、下記式により算出した。結果を表
1に示す。
(品種、四葉)に、MBA176−19Bの所定濃度水
溶液(4%アセトン含有)10mlを散布し、風乾燥、
ジャガイモ煎汁培地上で形成させた灰色カビ病菌の胞子
懸濁液を接種し、5日後に葉身上に形成された病斑の面
積率を調査した。防除効果は、MBA176−19B散
布無処理区のポットに同様に灰色カビ病菌を接種後、病
班の面積率を調査し、下記式により算出した。結果を表
1に示す。
【0055】
【数1】防除効果(%)={(無処理区の病斑面積率−
処理区の病斑面積率)/(無処理区の病斑面積率)}×
100
処理区の病斑面積率)/(無処理区の病斑面積率)}×
100
【0056】
【表1】 この結果から明らかなように、本発明の農園芸用殺菌剤
の有効成分であるMBA176−19Bは、灰色カビ病
菌に対して感染抑制作用を有する。
の有効成分であるMBA176−19Bは、灰色カビ病
菌に対して感染抑制作用を有する。
【0057】
【発明の効果】本発明の殺菌剤の有効成分となるMBA
176−19Bは、植物病原菌、特に灰色カビ病菌に対
して良好な感染抑制活性を有しており、殺菌剤としての
有用性が期待される。このMBA176−19Bは、本
発明の製造方法により得られる。
176−19Bは、植物病原菌、特に灰色カビ病菌に対
して良好な感染抑制活性を有しており、殺菌剤としての
有用性が期待される。このMBA176−19Bは、本
発明の製造方法により得られる。
【図1】 MBA176−19Bのアセトニトリル溶液
中12.5μg/mlの紫外部吸収スペクトルを示す図
である。
中12.5μg/mlの紫外部吸収スペクトルを示す図
である。
【図2】 MBA176−19Bの臭化カリウム錠剤中
での赤外部吸収スペクトルを示す図である。
での赤外部吸収スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 啓文 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地三菱 化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 木村 千寿子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地三菱 化成株式会社総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記[I]式で表されるMBA176−
19Bを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載のMBA176−19Bを
産生するフェオスフェリア属に属する微生物を培養し
て、MBA176−19Bを培養物中に生成蓄積せし
め、その培養物から採取することを特徴とするMBA1
76−19Bの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5110320A JPH06321710A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 農園芸用殺菌剤及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5110320A JPH06321710A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 農園芸用殺菌剤及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06321710A true JPH06321710A (ja) | 1994-11-22 |
Family
ID=14532741
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5110320A Pending JPH06321710A (ja) | 1993-05-12 | 1993-05-12 | 農園芸用殺菌剤及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06321710A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0742215A1 (de) * | 1995-05-05 | 1996-11-13 | Hoechst Aktiengesellschaft | Cillianon, Antibiotikum aus Penicillin spe., und chemische Derivate davon, Verfahren zur Herstellung und Verwendung derselben |
WO2019119082A1 (pt) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | Universidade Estadual De Campinas - Unicamp | Processo de obtenção do fungo phaeosphaeria sp. e seu caldo fermentado e seus usos |
-
1993
- 1993-05-12 JP JP5110320A patent/JPH06321710A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0742215A1 (de) * | 1995-05-05 | 1996-11-13 | Hoechst Aktiengesellschaft | Cillianon, Antibiotikum aus Penicillin spe., und chemische Derivate davon, Verfahren zur Herstellung und Verwendung derselben |
WO2019119082A1 (pt) * | 2017-12-20 | 2019-06-27 | Universidade Estadual De Campinas - Unicamp | Processo de obtenção do fungo phaeosphaeria sp. e seu caldo fermentado e seus usos |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN103232940B (zh) | 淡色生赤壳菌Bo-1菌株及其培养物和在拮抗病原细菌中的应用 | |
AU664888B2 (en) | Novel toxin producing fungal pathogen and uses | |
CN102344891B (zh) | 一种抗水稻稻曲病的青霉菌及应用 | |
US20030130121A1 (en) | Novel bacterial isolate and the preparation and use of its active metabolites | |
JPH06321710A (ja) | 農園芸用殺菌剤及びその製造方法 | |
JP4176077B2 (ja) | 新規fki−1033物質およびその製造法 | |
JP3717673B2 (ja) | イネに病原性のないフザリウム属菌及び イネの病害防除方法 | |
NO175826B (no) | Mikrobiologisk fremgangsmåte ved fremstilling av agrarkjemisk anvendelige virkestoffer, fremstilte forbindelser, anvendelsen av disse og biologisk rene kulturer av sorangium cellulosum som anvendes i fremgangsmåten | |
JPH0769966A (ja) | 新規生理活性物質及びその製造方法 | |
JP3500670B2 (ja) | Mk8383物質、その製造法および農園芸用殺菌剤 | |
KR101482322B1 (ko) | 방선균 추출물을 포함하는 잔토모나스속 병원균에 대한 억제용 조성물 | |
KR20030050072A (ko) | 케토미움 글로보숨 f0142 및 이에 의해 생산된케토비리딘 a 및 b를 이용한 식물병의 생물학적 방제 방법 | |
JPH1112280A (ja) | 新規抗生物質ab5529、その製造法および殺虫剤 | |
JPH10245383A (ja) | アスペルパラリン、その製造方法及びそれを有効成分とする殺虫剤 | |
JP3897757B2 (ja) | 新規fki−1083物質およびその製造法 | |
KR100327510B1 (ko) | 식물병원 진균에 항균활성을 가지는 마이크로모노스포라 코에루리아 에이오58 균주 및 이 균주로부터 생산되는 항생물질의 제조방법 | |
JPH1045662A (ja) | 新規抗生物質ab5362−a、−bおよび−cならびにその製造法と用途 | |
JPH09241167A (ja) | 抗生物質アフラスタチンa又はその塩、それを有効成分とするアフラトキシン汚染防止剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗腫瘍剤、及びその製造法 | |
KR101478410B1 (ko) | 방선균 추출물을 포함하는 잔토모나스속 병원균에 대한 억제용 조성물 | |
KR101541213B1 (ko) | 방선균 추출물을 포함하는 잔토모나스속 병원균에 대한 억제용 조성물 | |
CN118027154A (zh) | 一种钩状木霉t21抗菌肽bⅰ及其制备方法、用途 | |
CN102482695A (zh) | A-87774化合物或其盐、它们的制法及含有它们作为有效成分的农药 | |
JPH09194499A (ja) | 新規抗生物質レゾルマイシンとその製造法および用途 | |
De la Fuente Prieto | Interactions of Rhizoctonia solani Kuhn and Trichoderma spp. populations in soil | |
ZA200503522B (en) | Novel substance FKI-1033 and process for producing the same |