JPH0632082Y2 - 内視鏡 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、挿入部に設けられた可撓管と湾曲管の固定部
を改良した内視鏡に関する。

［従来の技術］ 近年、体腔内に細長の挿入部を挿入することにより、体
腔内臓器等を観察したり、必要に応じ処置具チャンネル
内に挿通した処置具を用いて各種治療処置のできる内視
鏡が広く利用されている。

前記内視鏡のうち、挿入部が軟性の内視鏡では、挿入部
は、可撓性を有する可撓管の先端に、湾曲可能な湾曲
管、硬性の先端構成部を順に連設して構成されている。
前記可撓管と湾曲管は、湾曲管接続部材を介して接続さ
れている。前記湾曲管は、多数の湾曲駒を互いに回動自
在に連結して構成され、特開昭５９−６９０２４号公報
の第１図に示されるように、最後端の湾曲駒は、前記湾
曲管接続部材に接着等により固定されている。また、湾
曲操作ワイヤを案内するワイヤガイドは、前記湾曲管接
続部材に固着されている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、湾曲駒と湾曲管接続部材を接着結合する際、
接着剤がワイヤガイドに流れ込み、操作ワイヤが固着す
る可能性がある。そこで、ワイヤガイドと湾曲駒の間に
接着剤が流れ込まないように、両者の間に軸方向に大き
な隙間を開けると、湾曲駒と湾曲管接続部材の接着面積
が少なくなり、強度的に問題がある。

また、ワイヤガイドを湾曲管接続部材にろう付け等によ
り固着する場合、ろうが湾曲駒と湾曲管接続部材の接着
部位に回り込み、湾曲駒を湾曲管接続部材に挿入できな
くなることがあるという不具合もあった。

本考案は、上記事情に鑑みてなされたものであり、湾曲
管と、この湾曲管と可撓管を接続するための管状部材と
の接着面積をあまり減少させずに接着剤のワイヤガイド
への流れ込みを防止し、且つ、湾曲管と管状部材の接着
強度を確保できるようにした内視鏡を提供することを目
的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案の内視鏡は、長尺の挿入部が、可撓性を有する可
撓管及びこの可撓管の先端に連設された湾曲可能な湾曲
管を有し、前記挿入部内に、前記湾曲管を湾曲操作する
ための操作ワイヤ及びこの操作ワイヤを案内するワイヤ
ガイドが挿通され、前記ワイヤガイドを前記可撓管の先
端に設けられた管状部材に固着し、前記管状部材と前記
湾曲管とを接着固定したものにおいて、前記湾曲管に、
前記管状部材との接着位置であって前記管状部材に対す
る前記ワイヤガイドの固着位置に対応する位置において
切欠きを形成したものである。

［作用］ 本考案では、ワイヤガイドは管状部材に固着され、管状
部材と湾曲管とが接着固定される。前記管状部材と湾曲
管を接着する接着剤は、多少ワイヤガイド側に流れ出し
ても、切欠きによって湾曲管端部とワイヤガイドとが離
されているので、ワイヤガイドへの流れ込みが防止され
る。

［実施例］ 以下、図面を参照して本考案の実施例を説明する。

第１図ないし第３図は本考案の一実施例に係り、第１図
は可撓管と湾曲管の接続部を示す断面図、第２図は可撓
管と湾曲管の接続部を拡大して示す断面図、第３図は内
視鏡の全体を示す斜視図である。

第３図に示すように、内視鏡１は、操作部２と、この操
作部２に連設され、細長で体腔内等に挿入する挿入部３
と、前記操作部２から側方に延設されたライトガイドケ
ーブル４とを備えている。前記操作部２の後端部には、
接眼部２ａが設けられている。前記挿入部３は、可撓性
を有する可撓管５の先端に、湾曲可能な湾曲管６を介し
て、先端構成部材７を連設して構成されている。前記湾
曲管６は、操作部２に設けられた図示しない湾曲操作機
構を操作レバー８で操作することにより、遠隔的に湾曲
操作されるようになっている。

前記先端構成部材７の先端部には、観察窓と照明窓が設
けられ、観察窓の内側には図示しない対物レンズ系が設
けられ、照明窓の内側には、図示しない照明レンズが設
けられている。前記対物レンズ系の結像位置には、図示
しないイメージガイドの先端面が配置されている。この
イメージガイドは、挿入部３，操作部２内を挿通され、
後端面は、前記接眼部２ａ内に設けられた図示しない接
眼レンズに対向している。そして、前記対物レンズ系で
結像され、イメージガイドにより伝達された被写体像
を、前記接眼レンズによって拡大して観察できるように
なつている。また、前記照明レンズの後端には、図示し
ないライトガイドが連設されている。このライトガイド
は、挿入部３，操作部２及びライトガイドケーブル４内
を挿通され、入射端部はライトガイドコネクタ４ａに接
続されている。

前記挿入部３の可撓管５と湾曲管６の接続部は、第１図
に示すように構成されている。

前記湾曲管６は、複数の湾曲駒９，９，…を有し、これ
らの湾曲駒９を軸方向に配列し、更に、各湾曲駒９を軸
１０によって回動自在に連結することにより、湾曲可能
になっている。そして、この湾曲管６は、挿入部３内に
挿通され先端が先端構成部材７の後端部に接続された複
数の操作ワイヤ１１，１１…を押し引きすることによっ
て湾曲されるようになっている。前記操作ワイヤ１１の
後端部は、前記湾曲操作機構に接続されている。また、
前記操作ワイヤ１１を引くとき、前記可撓管５の軸方向
の圧縮により、操作ワイヤ１１の引張り力が吸収されて
湾曲量が減少するのを防止するため、前記操作ワイヤ１
１は可撓管５内に挿通された非圧縮性のワイヤガイド１
２によって案内されている。前記可撓管５の先端には、
管状の湾曲管接続部材１３が設けられ、この湾曲管接続
部材１３の前記ワイヤガイド１２に対応する位置には、
ろう付け用小孔１４が形成されている。そして、前記ろ
う付け用小孔１４にろう３１を流し込んで、ワイヤガイ
ド１２を湾曲管接続部材１３にろう付け固定している。

また、湾曲管６の最終湾曲駒１５には、前記ワイヤガイ
ド１２のろう付け位置に対応する位置に、切欠き１６が
設けられている。この最終湾曲駒１５は、前記湾曲管接
続部材１３の先端側の嵌合部１８に内嵌され、最終湾曲
駒１５と湾曲管接続部材１３の双方に設けられた位置決
め用小孔１７を合わせて、接着剤３２によって前記嵌合
部１８に接着固定されている。

また、湾曲管６の外周は、外皮１９によって被覆されて
いるが、前記湾曲管６の外周と外皮１９の間には、湾曲
駒９，９，…同士のかまれによる前記外皮１９の損傷を
防ぐため、金属素線等で編み込まれた網状管２０が設け
られている。

次に、本実施例の作用について説明する。

第２図に示すように、ワイヤガイド１２を湾曲管接続部
材１３にろう付けする際、ろう３１が湾曲管接続部材１
の嵌合部１８側に多少流れても、最終湾曲駒１５に設け
られた切欠き１６により、ろう３１の影響を受けずに、
突き当て付近で、最終湾曲駒１５を湾曲管接続部材１３
に接着することができる。前記切欠き１６がない場合に
は、嵌合部１８に流れ込んだろう１６によって、最終湾
曲駒１５を湾曲管接続部材１３に突き当たるまで挿入す
ることができない場合がある。

また、最終湾曲駒１５と湾曲管接続部材１３とを接着固
定する際、接着剤３２が多少ワイヤガイド１２側に流れ
出しても、前記切欠き１６により、最終湾曲駒１５の端
部３３とワイヤガイド１２とが離されているので、接着
剤３２のワイヤガイド１２側への流れ込みが防止され、
接着剤３２により操作ワイヤ１１とワイヤガイド１２が
固着され難い。

尚、最終湾曲駒１５と湾曲管接続部材１３を接着固定す
る際は、最終湾曲駒１５側に接着剤３２を塗り、端部３
３よりの流れ込みを少なくし、位置決め用小孔１７にビ
ン等を通し、接着乾燥中の位置ずれを防ぐ。

このように、本実施例によれば、切欠き１６により、ワ
イヤガイド１２をろう付けするろう３１の流れ込みによ
る影響を少なくすることができ、最終湾曲駒１５と湾曲
管接続部材１３とを確実に位置決めして固定することが
できる。

また、前記切欠き１６により、最終湾曲駒１５と湾曲管
接続部材１３を接着する接着剤３２が流れ出しても、操
作ワイヤ１１とワイヤガイド１２が固着し難い。

しかも、最終湾曲駒１５は、一部を切欠いてあるだけな
ので、最終湾曲駒１５と湾曲管接続部材１３との接着面
積は、大きくは減少せず、両者の接着強度を確保でき
る。

尚、本考案は上記実施例に限定されず、電子内視鏡にも
適用可能である。この電子内視鏡は、挿入部の先端部の
対物レンズ系の結像位置に、イメージガイドの代りに固
体撮像素子が設けられたものである。この電子内視鏡の
操作部からはユニバーサルコードが延設され、このユニ
バーサルコードの端部に、ビデオプロセッサに接続され
るコネクタが設けられている。このビデオプロセッサに
は、モニタが接続される。前記固体撮像素子の出力信号
は、挿入部，操作部，ユニバーサルコード内を挿通され
た信号線を介してビデオプロセッサに入力されて映像信
号処理され、このビデオプロセッサからの映像信号がモ
ニタに入力されて、このモニタに被写体像が表示され
る。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案によれば、湾曲管に、管状部
材との接着位置であって管状部材に対するワイヤガイド
の固着位置に対応する位置において切欠きを形成したの
で、湾曲管と、この湾曲管と可撓管を接続するための管
状部材との接着面積をあまり減少させずに接着剤のワイ
ヤガイドへの流れ込みを防止でき、且つ、湾曲管と管状
部材の接着強度を確保できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例に係り、第１図
は可撓管と湾曲管の接続部を示す断面図、第２図は可撓
管と湾曲管の接続部を拡大して示す断面図、第３図は内
視鏡の全体を示す斜視図である。 ３……挿入部、５……可撓管 ６……湾曲管、１２……ワイヤガイド １３……湾曲管接続部材、１５……最終湾曲駒 １６……切欠き、３１……ろう ３２……接着剤

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】長尺の挿入部が、可撓性を有する可撓管及
   びこの可撓管の先端に連設された湾曲可能な湾曲管を有
   し、前記挿入部内に、前記湾曲管を湾曲操作するための
   操作ワイヤ及びこの操作ワイヤを案内するワイヤガイド
   が挿通され、前記ワイヤガイドを前記可撓管の先端に設
   けられた管状部材に固着し、前記管状部材と前記湾曲管
   とを接着固定した内視鏡において、前記湾曲管に、前記
   管状部材との接着位置であって前記管状部材に対する前
   記ワイヤガイドの固着位置に対応する位置において切欠
   きを形成したことを特徴とする内視鏡。