JPH06320574A - 樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置解析装置,樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置制御方法及びその装置,インサート構造体樹脂封止部品及びその製造方法 - Google Patents

樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置解析装置,樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置制御方法及びその装置,インサート構造体樹脂封止部品及びその製造方法

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JPH06320574A
JPH06320574A JP422694A JP422694A JPH06320574A JP H06320574 A JPH06320574 A JP H06320574A JP 422694 A JP422694 A JP 422694A JP 422694 A JP422694 A JP 422694A JP H06320574 A JPH06320574 A JP H06320574A
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邦彦 西
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インサート構造体のキャビティ内での変位を
分析すること、インサート構造体を所定位置に保つこ
と、不良のないインサート構造体を製造すること。 【構成】 インサート構造体Iをセットした金型の型締
め時、樹脂7の移送開始時、樹脂7のキャビティ11へ
の流入開始時、樹脂7のキャビティ11への充填完了時
の夫々においてインサート構造体Iの位置を求めるの
で、該構造体Iの変位メカニズムを明確に分析できる。
そのため、構造体Iの変位を防止せんがための対策を得
ることが可能になると共に、該構造体I及び金型の構造
設計,条件設定等を合理的に行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インサート構造体を合
成樹脂で封止してなる樹脂封止用成形機の金型におい
て、キャビティ内に合成樹脂を注入したとき、そのキャ
ビティ内に配置されたインサート構造体の変位を解析す
るのに好適なインサート構造体の位置解析装置と、キャ
ビティ内におけるインサート構造体の変位を防ぐ方法
と、その装置と、インサート構造体を樹脂封止して成形
するインサート構造体樹脂封止部品と、その製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来技術】金型のキャビティ内にインサート構造体を
配置し、そのキャビティ内に合成樹脂を注入することに
よってインサート構造体を樹脂封止してなる従来技術と
しては、特開平3−297615号公報(以下、第一の
従来技術と云う),特開平3−227030号公報(以
下、第二の従来技術と云う)に示される技術のものがあ
る。即ち、第一の従来技術のものは、インサート構造体
をキャビティ内で下方に押さえるための支持ピンを退出
させるタイミングを時間で制限した場合、キャビティ内
に樹脂を充填すると、そのキャビティ内の圧力上昇する
時間が粘度によって異なると云うことから、キャビティ
内の圧力を測定する圧力センサが予め設けられ、樹脂を
キャビティ内に充填すると共に、該キャビティ内の圧力
を圧力センサで検出し、その検出圧力が設定値に達する
と、キャビティ内でインサート構造体を押さえ付けてい
る支持ピンをキャビティから退出させることによりイン
サート構造体がモールド部品の表面に露出したり、成形
品に支持ピンの跡がついたりすることがないようにし、
これによりインサート構造体の変形や外観不良のない成
形を行えるようにしている。第二の従来技術のものは、
キャビティ内の樹脂の流動挙動が、流路の厚さに依存し
て変化し、流路の厚みが狭いほど樹脂が流動しにくくな
る結果、ボイドが発生したりインサート構造体の金属板
(ダイパッド)そのものが樹脂の流動圧力により大きく
変化してしまうと云うことから、磁力発生器と磁力発生
器制御部とを有し、樹脂の注入前に、磁力発生器制御部
で磁力発生器を動作させることにより、キャビティ内に
おけるインサート構造体のダイパッド(金属板)の位置
が所定位置になるように制御し、また上記磁力発生器及
び磁力発生器制御部を有する他、ダイパッド位置検出セ
ンサー,フィードバック機能を有する制御部を有し、樹
脂の注入前や注入中にダイパッドの位置を検出し、それ
を制御部を介し磁力発生器制御部にフィードバックさせ
ることにより、ダイパッドを常に最適位置になるように
制御し、これにより、1.27ミリ厚程度の薄型樹脂封
止半導体装置を安定して生産できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、64MDR
AMのような各種半導体プラスチックパッケージにあっ
ては、薄型化,チップ占有面積の増加,内部構造の複雑
化などの傾向にあり、上記に示す従来技術は、以下の点
について配慮されていない。即ち、上述の如く、近年の
半導体プラスチックパッケージではキャビティ内におけ
るチップ占有面積が非常に大きくなっており、第一の従
来技術のように、支持ピンがインサート構造体のチップ
表面側から押し当てていると、チップを損傷する問題が
生じる。そのため、第一の従来技術において、支持ピン
をインサート構造体のチップ裏面側から上方に押し当て
ることが容易に考えられるが、そのようにすると、イン
サート構造体が上に変位した場合、インサート構造体を
下方にしなければならないので、その変位を防ぐことが
できない問題が発生する。また、インサート構造体が下
に変位した場合には支持ピンによって効果を果たすこと
ができるものの、非常に粘度の高い樹脂、或いは流速の
速い樹脂を充填した場合、支持ピンの先端部に大きな集
中荷重が加わるので、最近主流となる薄型のチップでは
チップクラックを生じやすくなると云う問題がある。さ
らに、支持ピンを退避させる際、その引き抜き速度が速
いと、キャビティを埋めるための樹脂の移動が急速に起
こり、そのため、樹脂の急激な流動によって金線変形不
良を生じやすくなり、逆に引き抜き速度が速いと、樹脂
の固化が進行することにより、未充填不良を生じやすく
なり、従って、支持ピンの引き抜き速度の制御が難しい
問題がある。これに加え、上記従来技術では、チップを
押さえる支持ピンと、キャビティ内の樹脂圧力を検出す
る検出器と、検出器の検出に基づいて支持ピンを引き抜
く手段を有しているものの、インサート構造体の変位を
生じさせる要因の分析や、製品設計まで含めた根本的な
防止対策を図る点について配慮されていない。また第二
の従来技術は、ダイパッドの位置制御を磁力を利用する
ことによって制御しているものの、ダイパッドが設定値
から外れた場合に設定値に戻すものであるから、ダイパ
ッドが何故に移動するのか、根本的な解析をすることに
ついて配慮されていない。即ち、ダイパッドが設定値か
ら移動するのは、樹脂の流動状態に起因するばかりでな
く、樹脂の種類や樹脂の注入速度、さらにはインサート
構造体の種類によっても起因することが多く、その原因
を究明することについて配慮されていない。しかも、ダ
イパッドの位置検出センサーを有するものの、該検出セ
ンサーについての構成が具体的に記載されていないばか
りでなく、磁力発生器が動作したときに前記検出センサ
ーの検出性能に悪影響を及ぼす点について配慮されてい
ない。ところで、ダイパッドの変位は、キャビティ内へ
の樹脂注入時のみならず、樹脂注入前においてキャビテ
ィ内にインサート構造体をセットし、金型の型締めを行
った時点でも、主として熱応力の作用によって生じるこ
とが判明している。しかしながら、上記第一及び第二の
従来技術は、その変位メカニズムを究明することについ
て配慮されておらず、この点に関しても根本的な対策に
至っていない。
【0004】本発明の目的は、上記事情に鑑み、インサ
ート構造体がキャビティ内で変位するのを明確に分析す
ることができる樹脂封止用成形機におけるインサート構
造体の位置解析装置を提供することにあり、他の目的
は、キャビティ内でインサート構造体を所定位置に保つ
ことができる樹脂封止用成形機におけるインサート構造
体の位置制御方法を提供することにあり、さらに他の目
的は、上記方法を的確に実施し得る樹脂封止用成形機に
おけるインサート構造体の位置制御装置を提供すること
にあり、そしてさらに本発明の目的は、インサート構造
体を樹脂封止したとき、外観不良等の不良品を生じ得な
いインサート構造体樹脂封止部品を提供することにあ
り、またさらに本発明の目的は、上記インサート構造体
樹脂封止部品を的確に製造し得るインサート構造体樹脂
封止部品の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の位置解析装置に
おいては、注入器の駆動量を検出する検出器と、ポット
部内の樹脂圧を検出する検出器と、金型キャビティ内の
樹脂流入側に設置され、かつキャビティ内に流入した樹
指圧を検出する検出器と、金型キャビティ内におけるイ
ンサート構造体の位置を、該インサート構造体から離れ
た位置で検出する非接触型の検出器と、これら各検出器
の検出に基づき、金型を型締めしたときと樹脂の移送を
開始したときと樹脂がキャビティ内に流入したときと樹
脂をキャビティ内に充填完了したときとの夫々における
キャビティ内のインサート構造体の位置を求める手段と
を有する。本発明の位置制御方法においては、インサー
ト構造体をセットした金型の型締め時、インサート構造
体が変位した時点でその変位に基づいて金型の型締め圧
力を下げる工程を有する。また、樹脂のキャビティ内へ
の注入時、インサート構造体が変位した時点でその変位
に基づいて注入器の注入速度を下げる工程を有する。さ
らに、注入器による樹脂の充填完了時、注入器の停止圧
力を下げ、キャビティ内の圧力を下げる工程を有する。
本発明の位置制御装置においては、金型のキャビティ内
におけるインサート構造体の位置を、該インサート構造
体から離れた位置で検出する非接触型の変位検出器と、
注入器の駆動量を検出する検出器と、金型を開閉させる
開閉手段と、該開閉手段による金型の型締め圧を調節す
る型締め圧調節機構と、注入器の駆動速度を調節する注
入速度調節機構と、樹脂の充填完了時、樹脂に対する注
入器の停止圧を調節する圧力調節機構と、前記変位検出
器及び検出器の検出に基づき、型締め圧調節機構と注入
速度調節機構と圧力調節機構とを選択的に制御し、キャ
ビティ内におけるインサート構造体の位置を許容範囲に
位置させる制御手段とを有する。そして、本発明のイン
サート構造体樹脂封止部品においては、インサート構造
体の吊り部の途中位置に、インサート構造体が離型した
金型にセットされたときに生じる変位量と、インサート
構造体が金型を型締めしたときに生じる変位量と、イン
サート構造体が樹脂のキャビティ内への注入時に発生す
る変位量とを見込んだ分の寸法に相当する段付き部を形
成している。また本発明のインサート構造体樹脂封止部
品の製造方法においては、予め所定温度に加熱された金
型を離型しておき、該金型のキャビティ内に、吊り部の
途中位置に段付き部を設けたインサート構造体をセット
したとき、該セット時におけるインサート構造体の位置
を、該インサート構造体がセットされたときに生じる変
位量とインサート構造体が金型を型締めしたときに生じ
る変位量と、インサート構造体が樹脂のキャビティ内へ
の注入時に発生する変位量とを見込んだ分の寸法に相当
して変位させ、その後、金型を型締め後、キャビティ内
に樹脂を充填しかつ硬化させることにより成形してい
る。
【0006】
【作用】本発明の位置解析装置では、上述の如く、各々
の検出器と、これら各検出器の検出に基づき、金型を型
締めしたときと樹脂の移送を開始したときと樹脂がキャ
ビティ内に流入したときと樹脂をキャビティ内に充填完
了したときとの夫々におけるキャビティ内のインサート
構造体の位置を求める手段とを有し、インサート構造体
をセットした金型の型締め時、樹脂の移送開始時、樹脂
のキャビティへの流入開始時、樹脂のキャビティへの充
填完了時の夫々においてインサート構造体の位置を求め
るので、該インサート構造体の変位メカニズムを明確に
分析できる。そのため、インサート構造体の変位を防止
せんがための対策を得ることが可能になると共に、イン
サート構造体及び金型の構造設計,条件設定等を合理的
に行うことが可能となる。本発明の位置制御方法では、
上述の如く、インサート構造体をセットした金型の型締
め時、インサート構造体が変位した時点でその変位に基
づいて金型の型締め圧力を下げるので、型締め時の作用
によってインサート構造体が変位しても、所定の位置に
戻すことができ、型締め時の悪影響を取り除くことがで
きる。また、樹脂のキャビティ内への注入時、インサー
ト構造体が変位した時点でその変位に基づいて注入器の
注入速度を下げるので、樹脂の流入速さが変わることに
よってインサート構造体を所定の位置に保つことができ
る。さらに、注入器による樹脂の充填完了時、注入器の
停止圧力を下げ、キャビティ内の圧力を下げるので、イ
ンサート構造体は所定の位置から変位するおそれがな
く、所定の位置に保たれる。本発明の位置制御装置で
は、上述の如く、金型のキャビティ内におけるインサー
ト構造体の位置を、該インサート構造体から離れた位置
で検出する非接触型の変位検出器と、注入器の駆動量を
検出する検出器と、金型を開閉させる開閉手段と、該開
閉手段による金型の型締め圧を調節する型締め圧調節機
構と、注入器の駆動速度を調節する注入速度調節機構
と、樹脂の充填完了時、樹脂に対する注入器の停止圧を
調節する圧力調節機構と、前記変位検出器及び検出器の
検出に基づき、型締め圧調節機構と注入速度調節機構と
圧力調節機構とを選択的に制御し、キャビティ内におけ
るインサート構造体の位置を許容範囲に位置させる制御
手段とを有するので、上記方法を的確に実施し得る。本
発明のインサート構造体樹脂封止部品では、上述の如
く、インサート構造体の吊り部の途中位置に、インサー
ト構造体が離型した金型にセットされたときに生じる変
位量と、インサート構造体が金型を型締めしたときに生
じる変位量と、インサート構造体が樹脂のキャビティ内
への注入時に生じる変位量とを見込んだ分の寸法に相当
する段付き部を形成しているので、インサート構造体の
セットされた金型を型締めしかつ該金型に樹脂を注入し
ても、インサート構造体が金型にセットされたときに生
じる変位量と金型を型締めときに生じる変位量と樹脂の
キャビティ内への注入時に生じる変位量とを吸収するこ
とができ、キャビティ内のインサート構造体の上下にお
いて樹脂を充填バランスさせることができる。そのた
め、外観不良のないインサート構造体樹脂封止部品を成
形することができる。また本発明のインサート構造体樹
脂封止部品の製造方法においては、予め所定温度に加熱
された金型を離型しておき、該金型のキャビティ内に、
吊り部の途中位置に段付き部を設けたインサート構造体
をセットしたとき、該セット時におけるインサート構造
体の位置を、該インサート構造体がセットされたときに
生じる変位量とインサート構造体が金型を型締めしたと
きに生じる変位量と、インサート構造体が樹脂のキャビ
ティ内への注入時に発生する変位量とを見込んだ分の寸
法に相当して変位させ、その後、金型を型締め後、キャ
ビティ内に樹脂を充填しかつ硬化させることにより成形
しているので、外観不良の発生しないインサート構造体
樹脂封止部品を的確に製造し得る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図22によ
り説明する。図1乃至図7は本発明によるインサート構
造体の位置解析装置の一実施例を示している。実施例の
インサート構造体の位置解析装置を述べる前に、該位置
解析装置を用いる樹脂封止用成形機1は、上型ブロック
2と下型ブロック3とで金型を構成し、該金型内にイン
サート構造体Iを樹脂封止するためのキャビティ11が
形成されている。具体的に述べると、図1に示すよう
に、金型の上型ブロック2には上型キャビティブロック
4が設けられ、下型ブロック3には下型キャビティブロ
ック5が設けられ、双方のキャビティブロック4,5間
には図1及び図2に示すようにキャビティ11が形成さ
れると共に、そのキャビティ11に連続するようゲート
12を介しダミーキャビティ13が形成されている。な
お、図2(a)は上型キャビティブロック4の拡大平面
図、同図(b)は下型キャビティブロック5の拡大平面
図であり、図中の斜線部24はインサート構造体Iを金
型に位置決めするための段差部を表している。また、上
型ブロック2と下型ブロック3との間には、図1に示す
ようにキャビティ11に樹脂7を充填するためにポット
6が形成され、上型ブロック2の上部にプランジャ8が
設置されている。ポット6内の樹脂7は、市販の半導体
封止用エポキシ複合材料であり、図示しない加熱手段に
よって溶融され、プランジャ8によって押し出される
と、ランナ9,ゲート10を介しキャビティ11内に入
り、かつキャビティ11からゲート12を介しダミーキ
ャビティ13に流れる。ダミーキャビティ13は樹脂中
のボイドを排出するためのものである。キャビティ11
内に配置されるインサート構造体Iとしては、例えば図
3に示すもの、或いは図4に示すもの等、種々のものが
ある。図3に示すインサート構造体Iは、上型キャビテ
ィブロック4と下型キャビティブロック5との合わせ面
で挟持される部分としての金属部14aと、該金属部1
4aの底部に接着された非金属部14bとからなってい
る。金属部14aには、キャビティ11内に入り込んだ
樹脂を非金属部14bの下から上に分岐しながら流れる
ようにするため、その一端部に図3(a)に示す如き穴
14cが形成され、また金属部14aの上に流れ込んだ
樹脂と非金属部14bの下に流れ込んだ樹脂とを合流さ
せるために穴14dが他端側に形成されると共に、その
他端部にダミーキャビティ13に樹脂を導くため、穴1
4dと連絡するよう穴14eが形成されている。一方、
図4に示すインサート構造体Iは、図3に示すインサー
ト構造体Iと同様に金属部15aとその底部に接着され
た非金属部15bとを有している。この場合、金属部1
5aには樹脂を分岐しながら金属部15aの上に流れ込
むための穴15cが夫々形成されているが、該夫々の穴
15cはその途中位置が金属部15aにおいて非金属部
15bの外側部と対応する部分と、非金属部15bの末
端側と対応する部分とを夫々切り欠いて形成され、しか
も非金属部15bの末端側の部分において樹脂をダミー
キャビティ13に導くための穴15gと連絡して形成さ
れている。従って、金属部15aは穴15cと15cと
によって外側金属部15dと内側金属部15eとに分け
られ、両者15d,15eは一端部及び他端部に設けら
れた吊り部15fによってつながっている。従って、非
金属部15bと、該非金属部15bに対応する大きさを
なす内側金属部15e,該内側金属部15eの両側に吊
り部15fを介し内側金属部の15eの周囲に配置され
る外側金属部15とを有している。このインサート構造
体Iは、金属部15aが、図3に示すインサート構造体
Iの金属部14aの厚みの半分程度となっており、しか
も金属部15aが上述の如く吊り部15fによって外側
金属部15dと内側金属部15eとがつながる構造であ
るので、図3に示すインサート構造体Iに比べて剛性が
非常に弱いものとなっている。
【0008】実施例の位置解析装置においては、樹脂7
の圧力を検出するために二個の圧力検出器16,17を
有している。一方の圧力検出器16は、図1に示すよう
に、下型ブロック3においてポット6の底部に設けた取
付穴に挿入され、ポット6内における樹脂7の圧力を検
出する。他方の圧力検出器17は、下型キャビティブロ
ック5においてキャビティ11内のゲート10寄りの位
置に設けた取付穴に挿入され、キャビティ11に流入し
た樹脂の圧力を検出する。また、下型キャビティブロッ
ク5にはキャビティ11内におけるインサート構造体I
の位置を検出する変位検出器18が取付けられている。
該変位検出器18は、過電流方式の非接触型タイプのも
のであって、高周波発振器から高周波電流をコイルに流
し、該コイルに発生する磁束に直角に導電体板としての
インサート構造体Iの金属部14a,15aを近づける
と、該金属部上に同心円状に過電流が発生し、その過電
流によって生じる磁界がコイルの磁界と反対方向である
ことにより、コイルのインダクタンスが減少すると共
に、電流の大きさと位相が変化し、その際、電流の変化
がコイルと金属部14a,15aの距離に依存している
ことによって、電流変化分を出力端子に電圧の変化とし
て出力し、これによって金属部14a,15aの変位量
を検出するものである。この場合、変位検出器18と金
属部14a,15aとの間には該金属部の底部に接着さ
れた非金属部14b,14bが存在するが、どのような
非金属体が存在しても特性上何等影響されることのない
ものであり、従って、樹脂のキャビティ11への流動
前,流動後に関わらず金属部の変位を正確に検出する。
本例の変位検出器18は、下型キャビティブロック5に
おいてキャビティ11内のインサート構造体Iの他端側
と対応する位置に設けられた取付穴に挿入され、かつ先
端部が特性を確保し得るよう非金属シールド部19で覆
われている。
【0009】さらに、プランジャ8の駆動量を検出する
ための検出器20を有している。該検出器20は図1に
示すように、上部に可動式のロッド20aと、該ロッド
20aの先端に一端が連結されると共に他端がプランジ
ャ8のロッドに連結された鉤状の連動部材20bとを有
し、プランジャ8の駆動時、該プランジャ8のロッドと
共に連動部材20bが下降し、それに伴いロッド20a
が押し下げられ、そのロッド20aの移動を電圧の変化
として出力することにより、プランジャ8の駆動量を検
出するものである。そして、上記圧力検出器16及び1
7,変位検出器18,検出器20の出力部が増幅器21
を介しマイコン22に接続され、該マイコン22の処理
結果が出力部23にて表示されるようにしている。マイ
コン22は、各検出器からの検出信号に基づき、インサ
ート構造体Iをセットした金型を型締めしたときと、樹
脂を移送したときと、キャビティ11内に樹脂7を注入
したときと、さらにキャビティ11内に樹脂7が充填さ
れたとき、該インサート構造体Iがどのように動いたか
を求め、しかもその求めた処理内容を出力部23に表示
するように構成されている。
【0010】図5はキャビティとその内部のインサート
構造体と変位検出器18との位置関係を示している。同
図において、D1は上型キャビティブロック4に形成さ
れたキャビティ深さを、D2は下型キャビティブロック
5に形成されたキャビティ深さを夫々表し、またaはイ
ンサート構造体Iの金属部14aの厚さを、bはその非
金属部14bの厚さを、cは非接触型の変位検出器18
の先端からキャビティの底面までの距離を、h1はキャ
ビティ内における金属部14aの上の流路深さを、h2
はキャビティ内における非金属部14bの下の流路深さ
を、lは変位検出器18の先端から金属部14aまでの
距離を夫々表している。そして、樹脂の充填バランスを
保つため、製品はインサート構造体Iの変位がないと云
う前提で次式(1)が成立するように設計される。
【0011】
【数1】h1=h2 ………数1 一方、非接触型の変位検出器濡濡8は先端からインサー
ト構造体Iの金属部14aまでの距離lを測定してお
り、次の関係が成立する。
【0012】
【数2】l=b+c+h2 ………数2 次に、実施例の位置解析装置により図3のインサート構
造体Iを用いた場合についての成形プロファイルを図6
に基づき説明する。図6は、横軸に時間tを表し、縦軸
にプランジャ変位量の検出器2和により得られたプラン
ジャ変位z,及び非接触型の変位検出器18により得ら
れた検出距離l,並びに圧力検出器16,17により得
られた樹脂の圧力Pを夫々表す。またP1は圧力検出器
16によって得られたポット6内の樹脂7の圧力、P2
は圧力検出器17によって得られたキャビティ11内の
樹脂7の圧力である。まず、樹脂の注入に際し、インサ
ート構造体Iを成形機1の上型キャビティブロック4及
び下型キャビティブロック5を開いてセットし、次いで
その金型を閉じる。この場合、樹脂7をポット6内に投
入し、その後プランジャ8を下降させたときの時刻がt
1であるが、このときプランジャ8は樹脂7に当たって
おらず、インサート構造体Iには樹脂7の流動による力
が加わっていない。ところが、時刻t1において、変位
検出器18による実際のインサート構造体Iの検出距離
lが、インサート構造体Iの変位がないと云う状態で示
した設定距離l0より上にきていることから判断する
と、インサート構造体Iは、樹脂が流動する前に、既に
金型を閉じたときの作用によってキャビティ11内の上
方に動く現象が発生する。従って、インサート構造体I
が上方に動くので、前記数1の関係がくずれ、h1<h2
となってしまい、樹脂7がh2側に流れやすい関係とな
ることがわかる。
【0013】そして、プランジャ8を駆動し、ポット6
内の樹脂7をランナ9内の移送を開始した時刻がt2
あり、その時刻t2では圧力検出器16の検出によりポ
ット内の圧力P1が上昇し始める。なおプランジャ8の
変位は検出器20によって検出する。その後、樹脂7が
キャビティ11内に流入するが、該流入した時刻がt3
であり、その時刻t3では圧力検出器17の検出により
キャビティ11内の圧力P2が上昇し始める。樹脂7が
キャビティ11内に充填されるが、その充填完了の時刻
がt4であり、その時刻t4では圧力検出器16,17の
検出により、ポット内樹脂圧力P1とキャビティ内樹脂
圧力P2の値が設定圧力にまで急激に上昇すると共に、
検出器20の検出によりプランジャ変位zが止まる。樹
脂7の流動時において、変位検出器18による検出距離
lは、キャビティ11内に樹脂7が充填完了する直前ま
で殆ど変動しないことから、インサート構造体Iがほぼ
一定のままとなり、また樹脂充填完了直前に若干浮いた
後で再び下がり、充填完了後の時刻t5で少し上に上が
って最終状態となる。即ち、キャビティ内におけるイン
サート構造体Iは、セットした金型を閉じたときに上が
り、その以後少し変動するものの、最終的に金型を閉じ
たときとほぼ同じ位置となるので、樹脂7がアンバラン
ス流動することによって変位荷重が生じても、殆ど影響
を受けないことがわかり、また設定距離l0より上にず
れていることもわかる。
【0014】さらに、実施例の位置解析装置により図4
のインサート構造体Iを用いた場合についての成形プロ
ファイルを図7に基づき説明する。同図において、夫々
の符号は図6と同様であるが、設定移送時刻は図6の半
分にしてある。即ち、時刻t1では、変位検出器18の
検出距離lが設定距離l0より下となっており、金型を
閉じたときの作用によりインサート構造体Iが下に動く
ことがわかる。従って、インサート構造体Iが下に動く
ので、数1の関係がくずれ、h1>h2となり、樹脂7が
1側に流れやすい構造に変わっている。これは図4に
示すインサート構造体Iは図3に示すものに比較し、構
造の差によって剛性が弱いことに起因するためであり、
金型を閉じたときの動き方が全く異なっている。また樹
脂の移送開始時刻t2ではポット6内の樹脂の圧力P1
上昇し始め、樹脂のキャビティ内への流入開始時刻t3
ではキャビティ内の樹脂の圧力P2が上昇し始めるが、
特に時刻t3においては、P1が著しく急激に上昇し、か
つプランジャ変位zの傾きが小さく変わっている。これ
は、図6に比較すると、樹脂の移送速度が速く、高粘度
の樹脂7が高速でゲート10を通過する際に圧力損失が
大きくなり、プランジャ8の駆動用圧力補償機構が働か
ない領域に入ったためである。上記時刻t3から充填完
了時刻t4の間、検出距離lの値は振動しながら下に下
がる。これは、h2側に比較してh1側への樹脂の充填が
速く、h1側とh2側との樹脂の圧力差によってインサー
ト構造体Iを下に動かす力が働き、しかもインサート構
造体Iの剛性が小さいため流動途中で下に動き始め、さ
らにh1側が広くかつh2側が狭くなることによって動き
が加速される状態を呈している。そして、充填完了時刻
4の直後で検出距離lが一定値を示すが、これは、イ
ンサート構造体Iの非金属部15bがキャビティ11の
底面に接触し、それ以上下に動けなくなったためであ
る。従って、非金属部15bがキャビティ底面まで下が
った状態で充填されると、非金属部15bが露出した外
観不良品となる。このような状況になった理由として
は、金型を閉じるときのインサート構造体Iの動き、高
粘度樹脂の高速注入、インサート構造体Iの剛性の低さ
等が影響したためである。
【0015】実施例の位置解析装置は、上記の如く、圧
力検出器16,17と変位検出器18と検出器20とを
有すると共に、その検出に基づきインサート構造体Iの
位置を求めるマイコン22を有し、インサート構造体I
をセットした金型の型締め時、樹脂7の移送開始時、樹
脂7のキャビティ11への流入開始時、樹脂7のキャビ
ティ11への充填完了時の夫々においてインサート構造
体Iの位置を求めるので、該インサート構造体Iの変位
メカニズムを明確に分析することができる。そのため、
インサート構造体Iの変位を防止せんがための対策を得
ることが可能になるばかりでなく、インサート構造体I
及び金型の構造設計,条件設定等を合理的に行うことが
可能となる。また図示実施例では、変位検出器18を一
個用い、インサート構造体Iが単純に上下何れかに変位
した場合について対処した例を示したが、複数個設ける
と、インサート構造体Iの複数種類の変位モードに対応
することもできる。例えば、図14に示す如く、下型キ
ャビティブロック5におけるインサート構造体Iの両端
側の下方位置に変位検出器18を夫々配置すれば、イン
サート構造体Iが図15に示すモードC及びモードDの
如く上下方向に変位した場合は勿論の他、モードAやモ
ードBの如く反時計方向,時計方向に変位した場合も確
実に検出することができ、その変形モードからさらにメ
カニズムを詳細に検討することによってインサート構造
体Iの変位を防止することができ、また個数をより増や
せば、さらに詳細なメカニズムがいっそう明らかになる
ことは云うまでもない。
【0016】図8乃至図13は本発明によるインサート
構造体の位置制御方法を実施するための位置制御装置の
一実施例を示している。位置制御方法を実施するための
位置制御装置の実施例は、図8に示すように、変位検出
器18と検出器20との二種類の検出器を有している。
前記変位検出器18及び検出器20の双方は、前記第一
の実施例と同様に機能するものであり、ここではその説
明を省略するが、そのうち、変位検出器18はキャビテ
ィ11内におけるインサート構造体Iの変位をより的確
に検出し得るようにするため、下型キャビティブロック
5においてキャビティ11内のインサート構造体Iの中
央部の下方位置に配置されている。それら各検出器18
及び20の出力信号が増幅器21を介しマイコン22に
取り込まれる。なお、金型は前記第一の実施例と同様で
ある。また、金型を開閉させる開閉手段を有し、該開閉
手段は、シリンダ37とこれを駆動する電磁式の方向切
換弁33とで構成されている。シリンダ37は、ロッド
の先端が金型の下型キャビティブロック5側に取付けら
れ、方向切換弁33を位置aに切換えることによって金
型を型締めし、方向切換弁33を位置bに切換えること
によって金型を離型する。方向切換弁33の切換えは、
マイコン22によって切換えられる。そして、前記開閉
手段は、金型の開閉圧力を調節する圧力調節を有してい
る。該圧力調節機構は、方向切換弁33の上流側に設け
られた流量弁38と油圧源39との間に設けられた電磁
式のレリーフ弁34からなっており、金型の型締め磁、
マイコン22からの指令で作動すると、油の一部をタン
クに戻すことにより、シリンダ37による型締めの圧力
を下げるようにしている。一方、プランジャ8は、該プ
ランジャ8の駆動速度及びプランジャ8の圧力を調節す
る調節機構を有している。該調節機構は、プランジャ8
と油圧源40との間に接続された配管の途中位置に設け
られ、かつ電磁式の流量弁35と、その流量弁35とプ
ランジャ8間の配管部に設けられた電磁式のレリーフ弁
36とからなっている。流量弁35は、プランジャ8の
駆動時、マイコン22からの指令によって作動し、プラ
ンジャ8に供給される油量を調節することにより、プラ
ンジャ8の駆動時の速度を調節する。レリーフ弁36
は、樹脂7の充填が完了することによってプランジャ8
が停止したとき、マイコン22からの指令によって作動
し、油量の一部をタンクに戻すことにより、プランジャ
8の樹脂7に対する圧力を調節する。そのため、レリー
フ弁34と流量弁35とレリーフ弁36と方向切換弁3
3とはマイコン22に対し電気的に接続されている。マ
イコン22は、キャビティ11内におけるインサート構
造体Iの位置に関する設定値(基準値)が予め入力さ
れ、変位検出器18及び検出器20からの検出結果に基
づいて、インサート構造体Iの位置及びプランジャ8の
駆動量を演算し、該演算値を上記基準値と常に比較す
る。そして、演算値が基準値を越えた場合には状況に応
じ、レリーフ弁34と流量弁35とレリーフ弁36とを
選択的に作動させ、インサート構造体Iの位置を制御し
得るようにする。その場合、必要によってはアラーム発
生装置32を動作させる。なお、マイコン22は処理結
果を出力部23に表示する。従って、この位置制御装置
は、変位検出器18と検出器20とマイコン22と出力
部23との他、シリンダ37及び方向切換弁33と、レ
リーフ弁34と、流量弁35と、レリーフ弁36と、ア
ラーム発生装置32とを有して構成されている。
【0017】次に、前記マイコン22による演算の原理
を図9及び図10に基づいて述べる。図9はインサート
構造体Iを樹脂7により封止した製品の設計諸元を示し
たものである。設計ではインサート構造体Iの変位がな
い状態で諸元が示され、金属部14a(15a)より上
の樹脂の厚さ,非金属部14b(15b)より下の樹脂
の厚さを夫々H1,H2とすると、夫々の厚さH1,H2
製品全体の厚さH0との関係は次式で示される。
【0018】
【数3】H0=a+b+H1+H2 ………数3 図10は金型内の非接触型の変位検出器18が距離を検
出中の諸元を示したものである。ここで、前述した数2
の関係から、キャビティ11内におけるインサート構造
体非金属部14bより下の流路深さh2は次式で得られ
る。
【0019】
【数4】h2=l−(b+c) ………数4 一方、金属部14aより上の流路深さh1は次式で求め
られる。
【0020】
【数5】h1=H0−(l−c+a) ………数5 また、インサート構造体Iの設計値からの移動量Δh
は、下向きを正とすれば、次式で示される。
【0021】
【数6】Δh=H2−h2 ………数6 また、図11及び図12に計算されたインサート構造体
Iの変位プロファイルの例を示す。図11はインサート
構造体が下に変位した場合を示したものであり、横軸は
測定開始からの時間、縦軸はキャビティ11の底面から
の距離を表している。図中の変化量は流路深さh2並び
にキャビティ底面からインサート構造体Iの金属部14
a(15a)の上面までの距離(H0−h1)としてあ
る。また上記数3〜数6により得られる値も併せて示し
ている。X1とX2はキャビティ11内における上側流路
深さ及び下側流路深さの比較値であり、製品の強度,信
頼性,或いは樹脂充填性などの許容限界を示し、この値
も予めマイコン22に入力され、検出されることによっ
て求めた演算値と常に比較される。そして、アラーム発
生装置32が動作するのは、次の数7または数8のとき
の条件としている。
【0022】
【数7】H0−h1≧X1 ………数7
【0023】
【数8】h2≦X2 ………数8 即ち、マイコン22は、上側流路深さの比較値X1に対
し、キャビティ底面から金属部14a(15a)の上面
までの距離が同じかそれ以上である場合に、また下側流
路深さの比較値X2に対し、下側流路深さh2が同じかそ
れ以下である場合に、アラーム発生装置32を動作させ
るようにしている。図11では時刻T1において、h2
数8の条件に入り込んでいるので、そのときにアラーム
が出されることとなる。そして、この場合の成形品は不
良品として除外することになる。図12はインサート構
造体が上に変位した場合を示したものであり、横軸及び
縦軸は上記図11と同様のものを表している。ここで
は、時刻T2において距離(H0−h1)が数7の条件に
入るので、その時刻にアラームが出され、成形品を不良
品として除外することとなる。従って、図11及び図1
2の出力結果から、どの時刻からインサート構造体Iの
位置が設計値とずれ始めるのかがわかる。
【0024】次に、位置制御装置の動作に関連し、本発
明方法の一実施例を図13の成形プロファイルに基づい
て説明する。図13はインサート構造体Iが下に変位す
る場合の成形プロファイルであって、同図において、横
軸は測定開始からの時間を、縦軸はプランジャ8の変位
z,プランジャ8の速度v,インサート構造体3の変位
による流路深さh2を夫々表している。なお、プランジ
ャ速度vはマイコン22により、プランジャ変位zの時
間軸に対する勾配から求められるものとする。まず、マ
イコン22により開閉手段としての方向切換弁33を位
置bに切換え、シリンダ37を後退駆動させることによ
って金型を開いておき、その金型の下型キャビティブロ
ック5にインサート構造体Iをセットする。このセット
した時間が測定開始時刻である。次いで、方向切換弁3
3を位置aに切換え、シリンダ37を前進駆動させるこ
とによって型締めし、その型締め時刻t1において、イ
ンサート構造体3がキャビティ11内で下に変位する
と、それを変位検出器18によって検出する。その場
合、インサート構造体Iの変位によって下側の流路深さ
2が数8の条件に入り込むと、マイコン22は、レリ
ーフ弁34を作動させ、金型の型締め圧力を許容範囲内
で小さくする。これにより、キャビティ11内ではイン
サート構造体Iを所定の位置に戻すことができ、型締め
時の悪影響を取り除くことができる。その際、流路深さ
2がそれでも数8の条件に入っていると、マイコン2
2は、不良品として判断し、アラーム発生装置32を動
作させる一方、方向切換弁33を位置aから位置bに切
換え、シリンダ37を後退することによって金型を開
く。これにより、インサート構造体Iを金型から取り出
し、除外することができ、或いは取り出したインサート
構造体Iを矯正治具などにより矯正する。従って、不良
となる成形品を未然に防げる。その後、樹脂7をポット
6内に投入し、プランジャ8を駆動することによって樹
脂7の移送を開始する。この移送開始時刻がt2であ
り、このとき、プランジャ速度vは0からステップ状に
値が変化する。樹脂7がキャビティ11内に注入され、
その樹脂がキャビティ11内においてインサート構造体
Iの上下方向に分流するが、その際、インサート構造体
Iが次第に下方に変位し、流路深さh2が図13に示す
ごとく数8の条件に入り込んだ時間をt3′とすると、
その時間t3′ではプランジャ8が駆動中であり、該プ
ランジャ速度v>0となって樹脂7が流動状態であるこ
とから、マイコン22は、流量弁35を絞り方向に作動
させ、プランジャ速度vを遅くする。これにより、樹脂
7のインサート構造体Iに加わる力を低減するので、流
路深さh2が許容範囲内に戻る。即ち、マイコン22は
流路深さh2が許容範囲に入るようにプランジャ速度v
を制御し、樹脂7の流動速さを変えるので、インサート
構造体Iが樹脂7の流動によって変位しても、所定の位
置に保つことができる。そして、プランジャ8の駆動が
停止すると、その時間が樹脂7の充填完了時刻t4であ
り、プランジャ速度v=0となる。これをマイコン22
が判断すると、その時刻t4以降は、レリーフ弁36を
作動し、プランジャ8の停止圧力を下げることによって
キャビティ11内の圧力を下げる。その結果、キャビテ
ィ11内において樹脂7の圧力が上昇するのを抑えるこ
とができるので、インサート構造体Iは所定の位置から
変位するおそれがなく、所定の位置に保たれる。
【0025】本発明方法の実施例では、上述の如く、キ
ャビティ11内のインサート構造体Iの位置を変位検出
器18によって検出すると共に、プランジャ8の駆動量
を検出し、インサート構造体Iをセットした金型の型締
め時、インサート構造体Iが許容範囲からずれると、そ
のずれを吸収すべく金型の型締め圧力をレリーフ弁34
によって調節し、またプランジャの駆動中にインサート
構造体Iが許容範囲からずれると、そのずれを吸収すべ
くプランジャ速度vを流量弁35によって調節し、さら
に樹脂の充填完了時、プランジャの停止圧をレリーフ弁
36によって下げ、キャビティ11内の圧力を下げるこ
とによってインサート構造体Iの位置を保つので、金型
の型締め時においては勿論のこと、樹脂の注入中及び樹
脂の充填完了後においてもインサート構造体Iを許容範
囲の位置に維持しておくことができ、従って、インサー
ト構造体Iの著しい変位による不良を防止することがで
き、良好な成形品を確実に製作することができる。ま
た、本発明装置では、変位検出器18,検出器20,シ
リンダ37及び方向切換弁33からなる開閉手段,レリ
ーフ弁34,流量弁35,レリーフ弁36,マイコン2
2,アラーム発生装置32を有し、マイコン22がイン
サート構造体Iの変位に基づきレリーフ弁34と流量弁
35とレリーフ弁36とアラーム発生装置32とを選択
的に作動させることによってインサート構造体Iの位置
を制御するので、上記方法を的確に実施し得る。なお図
示実施例では、プランジャ8の速度調節機構として流量
弁35を用いた例を示したが、その代わりとして通常の
油圧流量弁を用い、この作動値を予め固定しておき、図
13に示す時刻t3′の状況になった時点で、レリーフ
弁36を作動させてプランジャ速度vを小さくすること
ができるので、それだけ装置を簡略化することができ
る。
【0026】図16乃至図22は本発明によるインサー
ト構造体樹脂封止部品の製造方法の一実施例を示してい
る。図16に示すように、従来技術では設計段階で、キ
ャビティ11におけるインサート構造体Iの位置(以
下、設計値と呼ぶ)をh1(上側の流路深さ)=h2(下
側の流路深さ)とし、インサート構造体の上下で樹脂7
の流動をバランスさせ、充填バランスを保つことによ
り、樹脂注入時のインサート構造体Iの変位を防ぐよう
にしていた。しかしながら、近年、64MDRAMのよ
うな各種半導体プラスチックパッケージ等においては、
薄型化や共通化のため、インサート構造体のリードフレ
ームが薄くなったり細長くなったりし、剛性が非常に低
下しているのが実状である。そのため、予め加熱されて
いる金型のキャビティ内にインサート構造体をセットす
ると、該金型の熱応力の作用により、樹脂7を注入する
前の金型の型締め完了時までにはインサート構造体Iが
図16に示すように設計値から変位し、h1≠h2とな
る。従って、その状態で樹脂7を注入すると、インサー
ト構造体Iの上下で樹脂7の流動がアンバランス状態と
なってしまい、インサート構造体Iが設計値から大きく
変位する結果、インサート構造体樹脂封止部品として成
形欠陥を生じてしまう問題があった。なお、金型を予め
加熱するのは生産性を上げるためであって、インサート
構造体Iの成形時、常温状態の金型をいちいち加熱して
から行うのでは時間がかかりすぎるからである。
【0027】実施例のインサート構造体樹脂封止部品の
製造方法においては、上述のような金型の型締め時の熱
応力の変位を考慮し、設計値を予めh1≠h2とする。そ
して、金型の型締め完了時、設計値をh1=h2となるよ
うにし、注入された樹脂7がインサート構造体Iの上下
でバランスする流動状態となることにより、樹脂7の充
填完了時には外観不良のないものを得るようにしたもの
である。
【0028】ここで、金型を閉じるまでのインサート構
造体Iの変位挙動を、図1に示す位置解析装置を用いて
検討した結果を以下に述べる。なお、この場合の位置解
析装置にはインサート構造体Iの温度を検出する検出器
(図示せず)を具備している。まず、図17には金型を
加熱していない状態で図4に示すインサート構造体Iの
変位挙動を示す。同図において、横軸はインサート構造
体Iを金型にセットしてからの経過時間tを、縦軸は変
位検出器18によって検出された検出距離lを夫々示
す。上型キャビティブロック4,下型キャビティブロッ
ク5を開き、そのキャビティ11内にインサート構造体
Iをセットした時刻taにおいて、変位検出器18によ
るインサート構造体Iの検出距離lが、インサート構造
体Iの変位がないと云う状態で示した設定距離l0より
若干下にくる。このときの変位量をΔh1とする。上述
の如き下にくる理由は、図4に示すインサート構造体I
の非金属部15bを搭載する金属部15aは、二箇所の
細い吊り部15fのみで支えており、剛性が小さいため
自重で下に下がることに起因する。再び図17に示すよ
うに、時刻tbにおける型締め時にもΔh2分だけ下が
っており、最終変位量Δh3は次式となる。
【0029】
【数9】Δh3=Δh1+Δh2 ………数9 このΔh3は殆ど無視できる変位量である。これは、型
締め力がインサート構造体Iの外側金属部15dのみに
加わるため、吊り部15fへの作用が殆どないことを示
している。次に、図18に加熱している金型内でのイン
サート構造体Iの温度と変位挙動を示す。この場合は、
インサート構造体Iをキャビティ11にセットし(時刻
ta)、その直後に型締めを行っている(時刻t
b′)。図18に示すように、時刻tb′の型締め後、
インサート構造体Iは、Δh4分大きく下に動き、位置
解析装置の温度検出器(図示せず)で測定されたインサ
ート構造体Iの温度が一定値に近づくと動きがとまり、
最終変位量Δh5となり、次式で示される。
【0030】
【数10】 Δh5=Δh1+Δh4≠Δh4 ………数10 この最終変位量Δh5は図17に示す如き変位量Δh3
比べて非常に大きく、明らかに熱応力に起因するもので
ある。熱応力には、イ)ある温度でかつ無応力状態で組
み立てられた異種の部材による組み合わせ材が一様に加
熱されたときに生じる内部拘束によるものと、ロ)材料
の温度上昇による膨張が阻止されたときに生じる外部拘
束によるものとがある。インサート構造体Iは異種材料
を組み合わせた複雑な構造体であり、温度上昇と共に内
部拘束熱応力を生じながら、また途中で型締めによる外
部拘束熱応力が加わることになる。さらに図19に加熱
金型内でのインサート構造体Iの温度と変位挙動を示
す。この場合は、開いた上型キャビティブロック4,下
型キャビティブロック5にインサート構造体Iをセット
し(時刻ta)、そして、加熱金型の熱がインサート構
造体Iに十分に伝わり、飽和状態となる一定時間の経過
後、型締めを行った(時刻tb″)。図19に示すよう
に、上型キャビティブロック4,下型キャビティブロッ
ク5を開いた状態ではインサート構造体Iの温度上昇は
ゆるやかであり、インサート構造体Iの動きもゆるやか
にΔh6分だけ下がる。また型締め後は、金型からの伝
熱が増加するために温度上昇が急激におこり、これに伴
いインサート構造体IはΔh7分だけ急激に下がること
がわかる。この場合のインサート構造体Iの最終変位量
Δh8は次式となる。
【0031】
【数11】 Δh8=Δh1+Δh6+Δh7≒Δh6+Δh7 ………数11 この最終変位量Δh8は、インサート構造体Iの予熱を
殆ど行っていない図18の変位量Δh5に比べ、約30
%小さくなっている。従って、図17乃至図19から、
キャビティ11内におけるインサート構造体Iの熱応力
による変位は、上型キャビティブロック4,下型キャビ
ティブロック5を閉じる前にインサート構造体Iを予熱
すると、ある程度防止することが可能になることがわか
る。しかし上述の如く、これのみでは変位を防止するた
めには不十分である。そこで実施例では、インサート構
造体Iの樹脂の流動前までの最終変位量Δh9を含めて
考慮し、キャビティ11内のインサート構造体Iの設計
値、即ちインサート構造体の位置を修正する。即ち、図
20に示すように、インサート構造体Iにおける吊り部
15fの途中位置に段付き部15hを設け、該段付き部
15hにより外側金属部15dが最終変位量Δh9分だ
け上がった形状をなしている。従って、換言すれば、イ
ンサート構造体Iは、キャビティ11内にセットされた
とき、設定値l0より最終変位量Δh9分だけ上にセット
されることとなる。そして、このときの最終変位量Δh
9とは前記変位量Δh8に対し、樹脂がキャビティ11内
のインサート構造体Iに流動するまでに該インサート構
造体が変位する量を加味したものであり、その具体的数
値はインサート構造体Iの形状やその大きさ,加熱され
ている金型の温度,該加熱金型にセットされたときにイ
ンサート構造体Iが飽和温度に達するまでの経過時間等
によって適宜に選定されるのが好ましい。
【0032】上述の如きインサート構造体Iを加熱金型
の上型キャビティブロック4,下型キャビティブロック
5にセットし、次いで、離型状態のまま金型の熱がイン
サート構造体Iに対し飽和状態となるまで一定時間の経
過後、型締めを行う。このとき、キャビティ11内では
インサート構造体Iが前記変量Δh8分だけ下がるが、
インサート構造体Iは段付き部15hにより予め最終変
位量Δh9の寸法で上にセットされているので、その差
分だけ上に位置している。その後、樹脂7の注入を開始
し、該樹脂7がキャビティ11に流れ込み、充填されか
つ硬化することにより、インサート構造体樹脂封止部品
が成形される。その場合、樹脂7がキャビティ11内に
おいてインサート構造体Iの上下を流動しようとする
と、インサート構造体Iは若干下がるが、その下がり量
が上述の如く最終変位量Δh9と変位量Δh8との差分だ
けであるので、設計値の位置、即ち設計段階でのインサ
ート構造体Iの位置(h1=h2)となる。そのため、キ
ャビティ11内の樹脂7の流動がインサート構造体Iの
上下をバランスするので、インサート構造体Iの上下で
は樹脂7の厚みが一様になる結果、外観不良を確実に防
止することができる。従って、成形されたインサート構
造体樹脂封止部品は段付き部15hを有するインサート
構造体Iを樹脂封止すれば、外観不良のない適正品とな
る。
【0033】因みに、樹脂7が充填完了するまでのイン
サート構造体Iの変位挙動状態を図21に示す従来例と
図22に示す実施例とで比較説明する。図21に示す従
来例では、時刻ta,tbでインサート構造体Iのセッ
ト,型締めを行い、時刻t3でキャビティ11内に樹脂
7の充填を開始した。インサート構造体Iが設定距離l
0よりΔh8下がった状態では、キャビティ11に樹脂の
充填を開始して該樹脂がインサート構造体Iに当たった
時点から下方向に変位し始め、充填の完了した時刻t4
では非金属部15bがキャビティ1の底面に下がった状
態となる結果、成形されたインサート構造体樹脂封止部
品は非金属部15bが露出した外観不良品となった。図
22に示す実施例では、前述の図21に示す従来例の場
合のインサート構造体Iの変位挙動と若干異なっててい
る。これはインサート構造体Iが吊り部15fが段付き
部15hに持ち上げられたことによる構造の変化,金型
に対するインサート構造体の接触の仕方等が従来例と異
なるためと考えられる。しかしながら、上述の如く熱応
力を考慮した実施例の場合、時刻t3における樹脂7の
充填開始直前のインサート構造体の位置は従来例の設計
値に等しくなっている。そして、これに樹脂を充填する
と、概ね設計値に近い状態で充填が完了するので、成形
不良は生じない。なお図16において、インサート構造
体Iの上下の隙間量h1,h2の関係を、h1=h2とする
ことでインサート構造体樹脂封止部品の好適な位置とし
た例を示したが、インサート構造体Iの形状の差等に関
わることなく樹脂によるインサート構造体上下の流動抵
抗を等しくすれば、h1≠h2であっても好適な設計値と
なることは云うまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の請求項1に
よれば、インサート構造体をセットした金型の型締め
時、樹脂の移送開始時、樹脂のキャビティへの充填完了
時の夫々においてインサート構造体の位置を検出するの
で、該インサート構造体の変位メカニズムを明確に分析
することができ、インサート構造体の変位を防止せんが
ための対策を得ることが可能になると共に、インサート
構造体及び金型の構造設計,条件設定等を合理的に行う
ことが可能となる。また請求項2によれば、金型の型締
め時の作用によってインサート構造体が変位しても、そ
れを矯正するので、型締め時の悪影響を取り除くことが
でき、請求項3によれば、型締め時及び樹脂の注入時の
悪影響もなく、請求項4によれば、充填完了時の悪影響
をも取り除くことができるので、インサート構造体を所
定の位置に保つことができる。特に請求項4において
は、インサート構造体の位置をその都度調節するので、
インサート構造体を確実に保つことができることによ
り、良品を確実に成形できる効果がある。さらに請求項
5によれば、インサート構造体の変位を矯正できない場
合に金型を開くので、不良の成形品となるのを未然に防
げる。そして、請求項6〜8によれば、請求項2〜4の
方法を的確に実施し得る。また請求項9によれば、イン
サート構造体の位置を求め、該求めた位置を設定値と比
較することによって型締め圧調節機構と注入速度調節機
構と圧力調節機構とを選択的に制御するので、精緻な制
御が可能となり、請求項10によれば、変位検出器に基
づいて求めたインサート構造体の位置が予め設定された
設定値から外れた場合、開閉手段により金型を開くの
で、請求項5の方法を的確に実施し得る効果がある。さ
らに請求項11によれば、インサート構造体の吊り部の
途中位置に段付き部を形成しているので、インサート構
造体のセットされた金型を型締めしかつ該金型に樹脂を
注入しても、キャビティ内のインサート構造体の上下に
おいて樹脂を充填バランスさせることができ、外観不良
のないインサート構造体樹脂封止部品を成形することが
できると云う効果がある。請求項12によれば、外観不
良の発生しないインサート構造体樹脂封止部品を的確に
製造し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による位置解析装置の一実施例を示す要
部破断の全体構成図。
【図2】上型キャビティブロックを示す底面図(a)及
び下型キャビティブロックを示す平面図(b)。
【図3】インサート構造体を示す平面図(a)及び同じ
く側面図(b)。
【図4】他のインサート構造体を示す平面図(a)及び
同じく側面図(b)。
【図5】キャビティとインサート構造体と変位検出器と
の関係を示す説明図。
【図6】インサート構造体を用いたときの成形プロファ
イルを示す説明図。
【図7】他のインサート構造体を用いたときの成形プロ
ファイルを示す説明図。
【図8】本発明による位置制御方法を実施するための位
置制御装置の実施例を示す要部破断の構成図。
【図9】インサート構造体を成形したときの各部の寸法
を示す一部破断の説明図。
【図10】キャビティとインサート構造体と変位検出器
との関係を示す説明図。
【図11】インサート構造体が下に変位した場合の時間
とキャビティ底面からの距離との関係を示す説明図。
【図12】インサート構造体が上に変位した場合の時間
とキャビティ底面からの距離との関係を示す説明図。
【図13】型締め圧調節機構,プランジャ速度調節機
構,圧力調節機構を利用してインサート構造体を成形し
たときの成形プロファイルを示す説明図。
【図14】変位検出器を二個用いた場合の説明図。
【図15】インサート構造体の種々の変位モードを示す
説明図。
【図16】本発明によるインサート構造体樹脂封止部品
の製造方法の一実施例を示す従来例との比較説明図。
【図17】加熱していない金型にセットし、かつ型締め
したときのインサート構造体の変位挙動を示す説明図。
【図18】加熱された金型にセットし、かつ型締めした
ときのインサート構造体の変位挙動を示す説明図。
【図19】加熱された金型にセットし、かつ一定時間の
経過後に型締めしたときのインサート構造体の変位挙動
を示す説明図。
【図20】本発明によるインサート構造体樹脂封止部品
の実施例を示す平面図(a)及びA−A′線断面図
(b)。
【図21】従来例の成形プロセスによるインサート構造
体樹脂封止部品の変位挙動を示す説明図。
【図22】実施例の成形プロセスによるインサート構造
体樹脂封止部品の変位挙動を示す説明図。
【符号の説明】
1…成形機、4,5…金型、6…ポット、7…樹脂、8
…プランジャ、11…キャビティ、I…インサート構造
体、14a,15a…インサート構造体の金属部、14
b,15b…インサート構造体の非金属部、15f…吊
り部、16,17…圧力検出器、18…変位検出器、2
0…プランジャの検出器、22…マイコン、33…金型
の開閉機構としての方向切換弁、37…同じく開閉機構
としてのシリンダ、34…型締め圧調節機構としてのレ
リーフ弁、35…プランジャの速度調節機構としての流
量弁、36…プランジャの圧力調節機構としてのレリー
フ弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/56 T 8617−4M // B29K 105:20 (72)発明者 吉田 勇 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 西 邦彦 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体設計開発センタ内 (72)発明者 有田 順一 東京都小平市上水本町五丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体設計開発センタ内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ内にインサート構造体を配置
    する金型と、該金型のキャビティ内に注入すべき樹脂を
    貯留するポット部と、ポット部の樹脂を押圧し、キャビ
    ティ内に注入してインサート構造体を封止する注入手段
    とを有する樹脂封止用成形機において、注入器の駆動量
    を検出する検出器と、ポット部内の樹脂圧を検出する検
    出器と、金型キャビティ内の樹脂流入側に設置され、か
    つキャビティ内に流入した樹脂圧を検出する検出器と、
    金型キャビティ内におけるインサート構造体の位置を、
    該インサート構造体から離れた位置で検出する非接触型
    の検出器と、これら各検出器の検出に基づき、金型を型
    締めしたときと樹脂の移送を開始したときと樹脂がキャ
    ビティ内に流入したときと樹脂をキャビティ内に充填完
    了したときとの夫々におけるキャビティ内のインサート
    構造体の位置を求める手段とを有することを特徴とする
    樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置解析
    装置。
  2. 【請求項2】 インサート構造体を金型のキャビティ内
    に配置し、そのキャビティ内に樹脂を注入してインサー
    ト構造体を樹脂封止してなるインサート金型制御方法に
    おいて、インサート構造体をセットした金型の型締め
    時、インサート構造体が変位した時点でその変位に基づ
    いて金型の型締め圧力を下げる工程を有することを特徴
    とする樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位
    置制御方法。
  3. 【請求項3】 インサート構造体を金型のキャビティ内
    に配置し、そのキャビティ内に樹脂を注入してインサー
    ト構造体を樹脂封止してなるインサート金型制御方法に
    おいて、インサート構造体をセットした金型の型締め
    時、インサート構造体が変位した時点でその変位に基づ
    いて金型の型締め圧力を下げる工程と、樹脂のキャビテ
    ィ内への注入時、インサート構造体が変位した時点でそ
    の変位に基づいて注入器の注入速度を下げる工程とを有
    することを特徴とする樹脂封止用成形機におけるインサ
    ート構造体の位置制御方法。
  4. 【請求項4】 インサート構造体を金型のキャビティ内
    に配置し、そのキャビティ内に樹脂を注入してインサー
    ト構造体を樹脂封止してなるインサート金型制御方法に
    おいて、インサート構造体をセットした金型の型締め
    時、インサート構造体が変位した時点でその変位に基づ
    いて金型の型締め圧力を下げる工程と、樹脂のキャビテ
    ィ内への注入時、インサート構造体が変位した時点でそ
    の変位に基づいて注入器の注入速度を下げる工程と、注
    入器による樹脂の充填完了時、注入器の停止圧力を下
    げ、キャビティ内の圧力を下げる工程とを有することを
    特徴とする樹脂封止用成形機におけるインサート構造体
    の位置制御方法。
  5. 【請求項5】 金型の型締め圧力を下げる工程後、イン
    サート構造体の変位を矯正できない場合に金型を開く工
    程を有することを特徴とする請求項2〜4の一項に記載
    の樹脂封止用成形機におけるインサート構造体の位置制
    御方法。
  6. 【請求項6】 キャビティ内にインサート構造体を配置
    する金型と、該金型内の樹脂を押圧し、キャビティ内に
    注入する注入手段とを有する樹脂封止用成形機におい
    て、金型のキャビティ内におけるインサート構造体の位
    置を、該インサート構造体から離れた位置で検出する非
    接触型の変位検出器と、金型を開閉させる開閉手段と、
    該開閉手段による金型の型締め圧を調節する型締め圧調
    節機構と、前記変位検出器の検出に基づき型締め圧調節
    機構を制御し、キャビティ内におけるインサート構造体
    の位置を許容範囲に位置させる制御手段とを有すること
    を特徴とする樹脂封止用成形機におけるインサート構造
    体の位置制御装置。
  7. 【請求項7】 キャビティ内にインサート構造体を配置
    する金型と、該金型内の樹脂を押圧し、キャビティ内に
    注入する注入手段とを有する樹脂封止用成形機におい
    て、金型のキャビティ内におけるインサート構造体の位
    置を、該インサート構造体から離れた位置で検出する非
    接触型の変位検出器と、注入器の駆動量を検出する検出
    器と、金型を開閉させる開閉手段と、該開閉手段による
    金型の型締め圧を調節する型締め圧調節機構と、注入器
    の駆動速度を調節する注入速度調節機構と、前記変位検
    出器及び検出器の検出に基づき、型締め圧調節機構と注
    入速度調節機構とを選択的に制御し、キャビティ内にお
    けるインサート構造体の位置を許容範囲に位置させる制
    御手段とを有することを特徴とする樹脂封止用成形機に
    おけるインサート構造体の位置制御装置。
  8. 【請求項8】 キャビティ内にインサート構造体を配置
    する金型と、該金型内の樹脂を押圧し、キャビティ内に
    注入する注入手段とを有する樹脂封止用成形機におい
    て、金型のキャビティ内におけるインサート構造体の位
    置を、該インサート構造体から離れた位置で検出する非
    接触型の変位検出器と、注入器の駆動量を検出する検出
    器と、金型を開閉させる開閉手段と、該開閉手段による
    金型の型締め圧を調節する型締め圧調節機構と、注入器
    の駆動速度を調節する注入速度調節機構と、樹脂の充填
    完了時、樹脂に対する注入器の停止圧を調節する圧力調
    節機構と、前記変位検出器及び検出器の検出に基づき、
    型締め圧調節機構と注入速度調節機構と圧力調節機構と
    を選択的に制御し、キャビティ内におけるインサート構
    造体の位置を許容範囲に位置させる制御手段とを有する
    ことを特徴とする樹脂封止用成形機におけるインサート
    構造体の位置制御装置。
  9. 【請求項9】 前記制御手段は、変位検出器及び検出器
    の検出に基づきキャビティ内におけるインサート構造体
    の位置を求め、該求めた位置を予め入力された設定値と
    比較すると共に、その比較結果に応じ型締め圧調節機構
    と注入速度調節機構と圧力調節機構とを選択的に制御す
    ることを特徴とする請求項6〜8の一項に記載の樹脂封
    止用成形機におけるインサート構造体の位置制御装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、型締め圧調節機構の
    駆動時、変位検出器に基づいて求めたインサート構造体
    の位置が予め設定された設定値から外れた場合、開閉手
    段により金型を開くことを特徴とする請求項6〜8の一
    項に記載の樹脂封止用成形機におけるインサート構造体
    の位置制御装置。
  11. 【請求項11】 非金属部と該非金属部に対応する大き
    さをなす内側金属部,該内側金属部の両側に吊り部を介
    し内側金属部の周囲に配置される外側金属部を有する金
    属部とからなるインサート構造体を金型のキャビティ内
    にセットし、そのキャビティ内に注入された樹脂により
    インサート構造体を封止するインサート構造体樹脂封止
    部品において、前記インサート構造体の吊り部の途中位
    置に、インサート構造体が離型した金型にセットされた
    ときに生じる変位量と、インサート構造体が金型を型締
    めしたときに生じる変位量と、インサート構造体が樹脂
    のキャビティ内への注入時に発生する変位量とを見込ん
    だ分の寸法に相当する段付き部を形成したことを特徴と
    するインサート構造体樹脂封止部品。
  12. 【請求項12】 金型のキャビティ内にインサート構造
    体をセットして型締め後、キャビティ内に樹脂を注入
    し、該樹脂によりインサート構造体の周囲を封止してな
    るインサート構造体樹脂封止部品の製造方法において、
    予め所定温度に加熱された金型を離型しておき、該金型
    のキャビティ内に、吊り部の途中位置に段付き部を設け
    たインサート構造体をセットしたとき、該セット時にお
    けるインサート構造体の位置を、該インサート構造体が
    セットされたときに生じる変位量とインサート構造体が
    金型を型締めしたときに生じる変位量と、インサート構
    造体が樹脂のキャビティ内への注入時に発生する変位量
    とを見込んだ分の寸法に相当して変位させ、その後、金
    型を型締め後、キャビティ内に樹脂を充填しかつ硬化さ
    せることにより成形することを特徴とするインサート構
    造体樹脂封止部品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013526436A (ja) * 2010-05-19 2013-06-24 キストラー ホールディング アクチエンゲゼルシャフト 射出成形部品の中の挿入物を検出する方法
CN104786452A (zh) * 2014-01-17 2015-07-22 恩格尔奥地利有限公司 成型机的合模单元和用于监控成型机的合模单元的方法
JP2018099806A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 Nok株式会社 インサート成形方法
WO2022230133A1 (ja) * 2021-04-28 2022-11-03 ファナック株式会社 射出成形システム、射出成形機及びハンドリング装置

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