JP2002347059A - 射出成形装置、成形方法、及び樹脂成形品 - Google Patents

射出成形装置、成形方法、及び樹脂成形品

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JP2002347059A
JP2002347059A JP2001156810A JP2001156810A JP2002347059A JP 2002347059 A JP2002347059 A JP 2002347059A JP 2001156810 A JP2001156810 A JP 2001156810A JP 2001156810 A JP2001156810 A JP 2001156810A JP 2002347059 A JP2002347059 A JP 2002347059A
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molding
molding material
cavity
transfer surface
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Toshiharu Hatakeyama
寿治 畠山
Shinya Senoo
晋哉 妹尾
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形材料の転写面以外の非転写面に圧縮気体
を付与することができる金型を用いて成形する場合に、
該非転写面にひけを効果的に誘導して該転写面の高転写
性を確保しつつ、変形や成形歪の少ない高精度な成形品
が得られる射出成形装置、射出成形方法及び樹脂成形品
を提供する。 【解決手段】 圧縮空気供給手段50によりキャビティ
20内に射出充填された成形材料の複数の通気口18,
19に対応する通気口部に所定の空気圧が付与され、通
気口部(図中二点鎖線で示す部分)に選択的にひけが発
生され、転写面部にひけが発生することなく金型の転写
面が高精度に転写される。そして、圧力センサ31で測
定した樹脂内圧が0[MPa]に到達した時点で、圧縮空
気供給手段50による圧縮空気の供給を終了し、樹脂の
冷却固化後の不必要な圧縮空気の供給を無くし、変形や
成形歪の少ない高精度な成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度な転写性を
有する樹脂成形品を得る為の射出成形装置、成形方法、
及び樹脂成形品に係り、特に鏡面や微細な凹凸パターン
等を高精度に転写可能な射出成形装置、成形方法、及び
樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形装置では、射出成形金型
のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、その後冷却に
より固化させて成形品を得ている。一般的に、上記射出
成形金型は、所定容積のキャビティを画成する成形面
と、その成形面に形成され所定の平滑性を有する面(例
えば、鏡面)を成形品に転写する転写面と、成形面に所
定面積で開口するゲートとを有している。
【0003】この種の射出成形金型を用いて成形品、例
えば、ミラー、レンズ、あるいはプリズム等の光学用部
品を成形することができる。ところが、これらの光学用
部品には、高精度な鏡面および屈折率の均一性が要求さ
れているが、冷却により溶融樹脂が固化するときの収縮
により面精度が必要な鏡面にひけが生じてしまうという
不具合があった。
【0004】また、肉厚が均一でない偏肉形状の成形品
では、薄肉部に比べ厚肉部の方が樹脂の冷却固化が遅く
樹脂温度が不均一となるため、厚肉部にひけが発生しや
すく、しかも薄肉部に残圧が発生しやすいという不具合
があった。
【0005】また、厚肉形状の成形品では、樹脂の冷却
過程で体積収縮量が大きいためひけが発生しやすい。ひ
け発生防止のため充填圧力を高くすると、残留歪みが大
きくなり、高精度な成形品を得られない場合があった。
このような場合、成形時に金型温度を樹脂の軟化点以上
に高くして、冷却過程で成形品の各部の温度が出来るだ
け一定になるよう徐冷することにより、上記残留歪みは
低減される。しかし、その分、成形サイクルが長くなっ
てしまうという不具合が生じる。
【0006】これらの不具合を解消するため、例えば、
特開平3−281213号公報で開示された射出成形金
型がある。この射出成形金型は、キャビティを画成する
成形面のうち、光学成形体に鏡面を成形するキャビティ
表面を鏡面(以下、「転写面」という。)にしている。
一方、キャビティの成形面のうち、光学成形体の鏡面に
対して背面を形成するキャビティ表面(転写面に対向す
る面)を粗面にしている。そして、キャビティ内への溶
融樹脂の充填完了直前に射出を停止し保圧を加えること
なく冷却固化することにより、溶融樹脂と転写面および
粗面との密着力の差によって粗面側にひけを発生させ、
転写面にひけが発生することを防止するようになってい
る。
【0007】しかしながら、上記特開平3−28121
3号公報で開示された射出成形金型では、金型の転写面
に対向する成形面を粗面にするため鏡面を片面のみ必要
とする光学素子(例えば、ミラー)は成形可能である
が、鏡面の形成位置および鏡面数が制限されてしまい、
例えばレンズまたはプリズム等の光学用部品を成形する
ことは不可能である。また、充填完了の直前に射出を停
止することは非常に難しく、停止するタイミングがずれ
ると転写面および粗面の密着力が逆転して鏡面にひけが
生じたり、溶融樹脂が不足したりしてしまうという問題
がある。
【0008】そこで、上記問題を解決するために、特開
平6−304973号公報で、成形材料の鏡面部と所定
箇所との間に空気圧力差を発生させることにより成形材
料の充填量の管理を厳しくすることなく成形品の鏡面外
にひけを発生させて、内部歪みのない高精度な鏡面を有
する成形品を成形可能な射出成形金型が開示されてい
る。図13(a)はこの射出成形金型の実施例の一例を
示すパーティング面の平面図、(b)はそのA−A断面
図、(c)はそのB−B断面図である。また、図14
(a)〜(c)はその射出充填時の溶融樹脂およびキャ
ビティ内の空気の流れを説明する説明図である。
【0009】図13において、射出成形金型110は一
対の金型ベース111,112からなり、金型ベース1
11,112は成形品に鏡面を転写する鏡面処理された
転写面113を形成された入れ子114,115を内部
に装着されており、金型ベース(以下、単にベースとも
いう)111,112の側面111a,112aおよび
転写面113により所定容積のキャビティ116を画成
する成形面を構成している。
【0010】射出成形金型110は、型締されたときベ
ース111,112のパーティング面111b,112
b間に、外部に連通し側面111aに所定面積で開口し
て溶融した樹脂(成形材料)M(図14(a)参照)を
図示していない公知の射出成形機によりキャビティ11
6内へ射出充填するゲート117と、側面111aに所
定面積で開口する複数の通気口118と、複数の通気口
118を連通させるよう形成された所定容積を有するバ
イパス(連通孔)119と、を画成するようベース11
1のパーティング面111b側に溝が刻設されている。
この通気口118は溶融樹脂Mが侵入しないよう深さ
(t)を0.005〜0.5mm、幅(l)を0.00
5mm以上に形成されており、転写面113の側方に均
等に分布するよう設けられるとともに、ゲート117か
ら離隔し対向する位置に通気口118aが刻設されてい
る。また、バイパス119は、キャビティ116内へ溶
融樹脂Mが充填され内部の空気がバイパス119内部に
圧縮充填されたとき通気口118,118aを介して溶
融樹脂Mに所定の空気圧(圧縮圧)を付与するようにな
っている。
【0011】そして、前記射出成形機から溶融した樹脂
Mがゲート117を介して射出されキャビティ116内
への充填が開始され、図14(a)に示すように、キャ
ビティ116内の空気が通気口118a側へ圧縮される
とともに通気口118,118aを通りバイパス119
内へ充填され圧縮される。そして、キャビティ116の
容積と略同容量の溶融樹脂Mがキャビティ116内に充
填されて前記射出成形機の射出が停止され、図14
(b)に示すように、前記空気がバイパス119内に圧
縮充填される。このとき、樹脂Mの通気口118,11
8aに対応する樹脂部(通気口部)m’にはその空気が
接するとともに通気口118,118aを介してバイパ
ス119内に圧縮充填された所定の空気圧が均等に付与
されるが、樹脂Mの転写面113を含む成形面に対応す
る樹脂部(鏡面部)mには空気圧は付与されないため樹
脂部mと樹脂部m’との間に圧力差が発生される。
【0012】次いで、所定の冷却速度で金型110が冷
却されキャビティ116内の樹脂Mが冷却される。この
とき、樹脂部m’は前記空気に接しているため樹脂部m
より冷却効果が低いので冷却速度が遅くなり固化が遅く
される。そして、溶融した樹脂Mの固化が開始され収縮
が始まると、樹脂部mあるいは樹脂部m’の何れかでひ
けが発生するが、樹脂部mは前記成形面から離れるため
にはその空間の真空圧に抗して離隔しなければならない
のに対して樹脂部m’は前記空気圧が通気口118,1
18aを介して付与され前記空気が侵入し易く、また固
化が遅くされるため樹脂部m’にひけが発生される。し
たがって、樹脂部mにはひけが発生されることなく転写
面113が高精度に転写され鏡面が形成される。また、
樹脂Mはキャビティ116の容量と略同一容量が出射さ
れるため樹脂内圧は高圧にされず樹脂M内部に歪みは発
生されない。さらに、ひけは選択的に樹脂部m’に発生
されるため、樹脂Mの射出充填量の制御の管理を簡易に
することができる。
【0013】なお、上記特開平6−304973号公報
では、図15に示すように、バイパス(連通孔)149
に空気を送り込むための圧縮装置144を連結可能に構
成した射出成形金型140も開示されている(図15に
はベース111のみを示している)。この射出成形金型
140では、圧縮装置144によりバイパス149及び
通気口118を介して所定空気圧を樹脂部m’に付与す
ることができ、その圧力を調整することができるように
なっている。したがって、樹脂部m’に発生させるひけ
を調整することができ、より高品質の成形品を成形でき
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、樹脂部m’
に空気圧を付与するタイミングや、付与する空気圧の大
きさによっては、樹脂の充填不良や成形品の変形等が生
じる場合がある。より具体的には、キャビティ116内
への樹脂の充填が完了する前に空気圧を付与すると、通
気口118からキャビティ116内に圧縮空気が流れ込
んで樹脂の充填を阻害し、キャビティ116端部まで樹
脂が入り込まず、樹脂の充填不良が生じる。また、キャ
ビティ116に射出充填された樹脂Mが冷却されて固化
した後も、引き続き通気口118から樹脂部m’に空気
圧を付与し続けると、成形品の変形や成形歪みが生じて
しまう。同様に、空気圧が所定の圧力よりも大き過ぎる
と、成形品が変形したり、成形歪みが生じたりしてしま
う。
【0015】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、成形材料の転写面以
外の非転写面に圧縮気体を付与することができる金型を
用いて成形する場合に、該非転写面にひけを効果的に誘
導して該転写面の高転写性を確保しつつ、変形や成形歪
の少ない高精度な成形品が得られる射出成形装置、射出
成形方法及び樹脂成形品を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、所定容積のキャビティを画成す
る成形面と、該成形面に少なくとも1つ以上形成され成
形品に所定の平滑性を有する面を転写する転写面と、該
成形面に開口し該キャビティ内に溶融した成形材料を射
出充填するゲートと、該成形面の転写面以外の非転写面
に所定面積で開口する少なくとも1つ以上の通気口と、
該通気口に連通して該通気口に対応する成形材料の通気
口部に所定の気体圧を付与する少なくとも1つ以上の連
通孔とを備えた射出成形金型と、該通気口を介して所定
の気体圧力を成形材料の該通気口部に付与するように該
連通孔から気体を送り込む気体供給手段とを有し、該キ
ャビティ内に溶融した成形材料を該ゲートを介して射出
充填し冷却して成形する射出成形装置において、上記キ
ャビティ内に射出充填された上記成形材料の上記転写面
近傍における圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検
出手段の検出結果に基づいて、上記気体供給手段が上記
成形材料の上記通気口部に付与する気体圧の供給条件を
制御する制御手段とを有することを特徴とするものであ
る。
【0017】ひけはキャビティの成形面から成形材料が
離れることにより発生するものであるが、成形材料の固
化の遅い箇所、樹脂内圧の低い箇所に発し易い。また、
キャビティの成形面と成形材料との間に空気等が侵入し
ない限り負圧に抗して離れなければならないため、空気
層の存在箇所及びその真空が破壊され易い箇所等に発生
し易い。この射出成形装置では、通気口部の固化が遅ら
されるとともに所定の気体圧が加えられているため、該
通気口部に選択的にひけが発生され転写面部にひけが発
生することなく金型の転写面が高精度に転写される。し
かも、成形材料の転写面近傍における圧力に応じて、気
体圧の供給条件、例えば供給時間や供給圧力を制御する
ことができるので、成形品の非転写面にひけを効果的に
誘導して転写面の高転写性を確保しつつ、変形や成形歪
の少ない高精度な成形品を得ることが可能となる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の射出成形装
置において、上記圧力検出手段が上記転写面の近傍に少
なくとも2つ以上の複数の圧力センサを有し、該複数の
圧力センサの近傍にそれぞれ上記通気口を備え、上記制
御手段が、該複数の圧力センサの検出結果に基づいて、
該複数の圧力センサの近傍に備えられた該通気口に対応
する成形材料の通気口部ごとに付与する気体圧の供給時
間を制御するように上記気体供給手段を制御することを
特徴とするものである。
【0019】複雑な形状のキャビティに成形材料を射出
充填して成形する場合には、射出充填された成形材料の
部分によって冷却固化する時間が異なってくる。例え
ば、薄肉部分では厚肉部分に比べより早く冷却され固化
する。このため、1つの圧力センサの検出結果に基づい
て薄肉部分の通気口部と厚肉部分の通気口部とに同じ時
間だけ気体圧を付与すると、既に固化した薄肉部分に圧
力がかかりこの部分に変形や成形歪みが生じてしまう場
合がある。この射出成形装置では、複数の圧力センサの
検出結果に基づいて、該複数の圧力センサの近傍に備え
られた該通気口に対応する成形材料の通気口部ごとに付
与する気体圧の供給時間を制御するので、1つの圧力セ
ンサの検出結果に基づいて1つもしくは複数の通気口部
に同一時間気体圧を付与する場合に比べ、成形材料各部
の冷却固化状態に応じたきめ細かな気体圧供給時間の制
御が可能となる。例えば、薄肉部分では厚肉部分に比べ
冷却固化が早く成形材料の圧力も早く低下するので、こ
の圧力低下を検出して薄肉部分の通気口部に付与する気
体圧の供給時間を厚肉部分に比べ短くして変形や成形歪
みを防止することができる。これにより、複雑な形状を
有するキャビティに成形材料を射出充填して成形する場
合に、変形や成形歪みのない成形品を成形することが可
能となる。また、ひけ量を的確に制御することが可能と
なり、転写面をより高精度に成形品に転写することが可
能となる。
【0020】請求項3の発明は、請求項1又は2の射出
成形装置において、上記制御手段は、上記気体供給手段
による上記通気口部へ付与する気体圧の供給を、上記成
形材料の上記キャビティ内への充填完了直後から開始
し、上記圧力検出手段による検出結果が0[MPa]に
なった時点で終了することを特徴とするものである。
【0021】キャビティ内への成形材料の充填が完了す
る前に通気口部に気体を付与すると、通気口からキャビ
ティ内に気体が流れ込んで成形材料の充填を阻害し、キ
ャビティ端部まで成形材料が十分に入り込まず、成形材
料の充填不良が生じる。一方、キャビティに射出充填さ
れた成形材料が冷却されて固化した後も、引き続き通気
口部に気体を付与し続けると、成形品の変形や成形歪み
が生じてしまう。この射出成形装置では、気体供給手段
による通気口部へ付与する気体圧の供給を、成形材料の
キャビティ内への充填完了直後から開始するので、該気
体圧の供給で該キャビティ内への成形材料の充填不良が
生ずることはない。また、圧力検出手段による検出結果
が0[MPa]になった時点で気体圧の供給を終了する
ので、成形材料の冷却固化後の不必要な気体圧供給を無
くし、成形品の変形や成形歪みを防止することができ
る。
【0022】請求項4の発明は、請求項1の射出成形装
置において、上記圧力検出手段が上記転写面の近傍に少
なくとも2つ以上の複数の圧力センサを有し、該複数の
圧力センサの近傍にそれぞれ上記通気口を備え、上記制
御手段が、該複数の圧力センサの検出結果に基づいて、
該複数の圧力センサ近傍の該通気口に対応する成形材料
の通気口部ごとに付与する気体圧の供給圧力を制御する
ように上記気体供給手段を制御することを特徴とするも
のである。
【0023】複雑な形状のキャビティに成形材料を射出
充填して成形する場合には、射出充填された成形材料の
部分によって変形や成形歪みが生じ易い部分と生じ難い
部分とがある。例えば、薄肉部分では厚肉部分に比べ変
形や成形歪みが生じ易い。このため、1つの圧力センサ
の検出結果に基づいて薄肉部分の通気口部と厚肉部分の
通気口部とに同じ圧力の気体を付与すると、薄肉部分に
変形や成形歪みが生じてしまう場合がある。この射出成
形装置では、複数の圧力センサの検出結果に基づいて、
該複数の圧力センサの近傍に備えられた該通気口に対応
する成形材料の通気口部ごとに付与する気体圧の供給圧
力を制御するので、1つの圧力センサの検出結果に基づ
いて1つもしくは複数の通気口部に同じ圧力の気体圧を
付与する場合に比べ、成形材料各部に応じたきめ細かな
気体供給圧力の制御が可能となる。例えば、薄肉部分で
は厚肉部分に比べ冷却固化が早く成形材料の圧力も早く
低下するので、この圧力低下を検出して薄肉部分の通気
口部に付与する気体圧の供給圧力を厚肉部分に比べ早く
弱くして変形や成形歪みを防止することができる。また
例えば、薄肉部分の通気口部に付与する気体圧の供給圧
力の設定をあらかじめ厚肉部分に比べ弱くしておくこと
で、薄肉部分の変形や成形歪みを防止することができ
る。これにより、複雑な形状を有するキャビティに成形
材料を射出充填して成形する場合に、変形や成形歪みの
ない成形品を成形することが可能となる。また、ひけ量
を的確に制御することが可能となり、転写面をより高精
度に成形品に転写することが可能となる。
【0024】請求項5の発明は、請求項1又は4の射出
成形装置において、上記制御手段が、上記圧力検出手段
の検出結果に基づいて、上記成形材料の上記通気口部に
付与する気体圧の供給圧力を段階的あるいは連続的に変
化させるように上記気体供給手段を制御することを特徴
とするものである。
【0025】この射出成形装置では、圧力検出手段の検
出結果に基づいて、成形材料の通気口部に付与する気体
圧の供給圧力を段階的あるいは連続的に変化させる。例
えば、キャビティ内に射出充填された成形材料は冷却固
化に伴って成形材料の圧力が徐々に低下するので、この
圧力低下に伴って成形材料の通気口部に付与する気体の
供給圧力を段階的あるいは連続的に低下させる。これに
より、キャビティ内に射出充填された成形材料の冷却固
化状態にかかわらず同じ圧力の気体を成形材料の通気口
部に付与する場合に比べ、変形や成形歪みをより防止す
ることが可能となる。
【0026】請求項6の発明は、所定容積のキャビティ
を画成する成形面と、該成形面に少なくとも1つ以上形
成され成形品に所定の平滑性を有する面を転写する転写
面と、該成形面に開口し該キャビティ内に溶融した成形
材料を射出充填するゲートと、該成形面の転写面以外の
非転写面に所定面積で開口する少なくとも1つ以上の通
気口と、該通気口に連通して該通気口に対応する成形材
料の通気口部に所定の気体圧を付与する少なくとも1つ
以上の連通孔とを備えた射出成形金型を用い、該キャビ
ティ内に溶融した成形材料を該ゲートを介して射出充填
し、該通気口を介して所定の気体圧を成形材料の該通気
口部に付与して成形する成形方法において、上記キャビ
ティ内に射出充填された成形材料の上記転写面近傍にお
ける圧力に基づいて、上記成形材料の上記通気口部に付
与する気体圧の供給条件を制御することを特徴とするも
のである。
【0027】この射出成形装置では、請求項1に関して
述べたように、上記成形材料の転写面近傍における圧力
に応じて、気体の供給条件、例えば供給時間や供給圧力
を制御することが可能となる。これにより、成形品の非
転写面にひけを効果的に誘導して転写面の高転写性を確
保しつつ、変形や成形歪の少ない高精度な成形品が得る
ことが可能となる。
【0028】請求項7の発明は、請求項6の成形方法に
おいて、上記キャビティ内に射出充填された上記成形材
料の上記転写面近傍における少なくとも2箇所以上の圧
力を検出し、該検出された圧力に基づいて、該2箇所以
上の圧力検出箇所近傍に設けられた通気口に対応する成
形材料の通気口部ごとに気体圧の供給時間を制御するこ
とを特徴とするものである。
【0029】この射出成形方法では、キャビティ内に射
出充填された成形材料の転写面近傍における少なくとも
2箇所以上の圧力を検出し、該検出された圧力に基づい
て、該2箇所以上の圧力検出箇所近傍に設けられた通気
口に対応する成形材料の通気口部ごとに気体圧の供給時
間を制御する。これにより、請求項2に関して述べたよ
うに、1箇所の圧力の検出結果に基づいて1つもしくは
複数の通気口部に同一時間気体圧を付与する場合に比
べ、成形材料各部の冷却固化状態に応じたきめ細かな気
体圧供給時間の制御が可能となる。これにより、複雑な
形状を有するキャビティに成形材料を射出充填して成形
する場合に、変形や成形歪みのない成形品を得ることが
可能となる。また、ひけ量を的確に制御することが可能
となり、転写面をより高精度に成形品に転写することが
可能となる。
【0030】請求項8の発明は、請求項6又は7の成形
方法において、上記通気口部への気体供給を、上記成形
材料の上記キャビティ内への充填完了直後から開始し、
上記転写面近傍における該成形材料の圧力が0[MP
a]になった時点で終了することを特徴とするものであ
る。
【0031】この成形方法では、請求項3に関して述べ
たように、キャビティ内への成形材料の充填不良、及び
成形品の変形や成形歪みを防止することができる。
【0032】請求項9の発明は、請求項6の成形方法に
おいて、上記キャビティ内に射出充填された上記成形材
料の上記転写面近傍における少なくとも2箇所以上の圧
力を検出し、該検出された圧力に基づいて、該2箇所以
上の圧力検出箇所近傍に設けられた通気口に対応する成
形材料の通気口部ごとに供給する気体圧の圧力を制御す
ることを特徴とするものである。
【0033】この成形方法では、キャビティ内に射出充
填された成形材料の転写面近傍における少なくとも2箇
所以上の圧力を検出し、該検出された圧力に基づいて、
該2箇所以上の圧力検出箇所近傍に設けられた通気口に
対応する成形材料の通気口部ごとに供給する気体圧の圧
力を制御する。これにより、請求項4に関して述べたよ
うに、複雑な形状を有するキャビティに成形材料を射出
充填して成形する場合に、変形や成形歪みのない成形品
を成形することが可能となる。また、ひけ量を的確に制
御することが可能となり、転写面をより高精度に成形品
に転写することが可能となる。
【0034】請求項10の発明は、請求項6又は9の成
形方法において、上記キャビティ内に射出充填された成
形材料の圧力に基づいて、上記成形材料の上記通気口部
に付与する気体圧の供給圧力を段階的あるいは連続的に
変化させることを特徴とするものである。
【0035】この射出成形方法では、キャビティ内に射
出充填された成形材料の圧力に基づいて、成形材料の通
気口部に付与する気体圧の供給圧力を段階的あるいは連
続的に変化させる。これにより、請求項5に関して述べ
たように、キャビティ内に射出充填された成形材料の冷
却固化状態にかかわらず同じ圧力の気体圧を成形材料の
通気口部に付与する場合に比べ、変形や成形歪みをより
防止することが可能となる。
【0036】請求項11の発明は、請求項1,2,3,
4又は5に記載の射出成形装置、又は、請求項6,7,
8,9又は10に記載の成形方法によって得られた樹脂
成形品は、少なくとも1つ以上の光学転写面を有するこ
とを特徴とするものである。
【0037】この樹脂成形品は、転写面の高転写性を確
保しつつ、変形や成形歪の少ない高精度な樹脂成形品と
なる。
【0038】請求項12の発明は、請求項1,2,3,
4又は5に記載の射出成形装置、又は、請求項6,7,
8,9又は10に記載の成形方法によって得られた樹脂
成形品は、円筒形状で、かつ該円筒外周面に平部又は複
数の凹凸を有する歯部のうち少なくとも一方が一体で形
成されていることを特徴とするものである。
【0039】この樹脂成形品は、転写面の高転写性を確
保しつつ、変形や成形歪の少ない高精度な樹脂成形品と
なる。
【0040】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕以下、本実施形態
に係る射出成形機の一例について図面に基づいて詳述す
る。図1は、本実施形態に係る射出成形機1の断面図で
ある。図2は、制御装置(PC)24のCPUを中心と
した構成図である。又、図3は、この射出成形機1の型
締装置2に取付けられる成形型10の拡大断面図であ
る。
【0041】図1において、成形型10は、固定用ダイ
プレート3と移動用ダイプレート4との間で、成形型1
0の分割された固定金型11が固定用ダイプレート3に
取付けられるとともに、その可動金型12が移動用ダイ
プレート4に取付けられている。
【0042】移動用ダイプレート4は、固定用ダイプレ
ート3と駆動部であるラム5側とに取付けられた4本の
ガイドロッド6に案内されてラム5により往復移動する
ように構成されている。この移動用ダイプレート4はラ
ム5に設けられたピストンロッド7に押圧されて移動す
るタイプであり、所謂、直圧式である。この直圧式の代
りにトグル式を採用することもできる。
【0043】この型締装置2を設けた射出成形機1は、
右側に射出部40が設けられているとともに、射出部4
0を作動させる制御装置24が設けられている。なお、
図1は、ポッパー42に収容されたペレット状の成形材
料Mが、溶融状態にされて成形キャビティ20内に射出
された状態の断面図である。
【0044】型締装置2は、油圧ポンプの動力部8によ
りラム5を作動させることにより、成形型10の型締・
型開を行う。そして、このラム5により成形型10を型
締した後に、射出部40より成形材料Mを成形型10の
成形キャビティ20に射出することにより成形される。
成形材料Mとしては、例えばポリアセタール等の樹脂材
料が用いられる。
【0045】射出部40の成形は、スクリューシリンダ
47に内在する射出スクリュー41が油圧モータ44a
により回動されることにより成形材料Mを溶融状態にす
るとともに、油圧シリンダ44bにより前進されること
により溶融された成形材料Mが成形型10の成形キャビ
ティ20内に射出される。なお、射出が完了して成形キ
ャビティ20に成形材料Mが充填されても、この充填さ
れた成形材料Mは収縮するので、ある一定時間成形キャ
ビティ20内の圧力を保持し、成形材料Mの収縮に対し
て補充する保圧を行う。
【0046】上記射出スクリュー41を駆動する油圧モ
ータ44aと油圧シリンダ44bとは、制御装置24の
指令により制御される動力装置45とサーボバルブ46
とを介して作動される。
【0047】上記型締装置2は、制御装置24の指令に
より作動する。この制御装置24は、図2に示すように
構成されている。射出工程が保圧状態になると、成形キ
ャビティ20内に取付けられた圧力センサ31は、保圧
力のデータを制御装置24に信号として入力する。
【0048】上記制御装置24は、図2に示すように、
PC(プログラマブルコントローラ)の演算処理装置
(CPU)240、メモリ242、A/D変換器24
4、I/O装置246およびD/A変換器243を設け
ている。そして、I/F23から入力されたアナログ形
式の圧力信号はA/D変換器244でディジタル形式の
圧力信号に変換される。同様に、I/F22から入力さ
れたアナログ形式の圧力信号はA/D変換器244でデ
ィジタル形式の圧力信号に変換される。CPU240は
メモリ242に記憶されている制御プログラムを動作さ
せて制御動作を行う。その結果が、D/A変換器243
を介してディジタル形式のサーボバルブ9の駆動信号と
してI/F21に出力される。
【0049】又、型締装置2の動力部8である油圧ポン
プ8aは、制御装置24により型締力を制御できるよう
に構成されている。つまり、制御装置24の設定器(プ
ログラミングツール)25よりメモリ部242に入力す
ることにより、動力部8である油圧ポンプ8aの圧力を
制御できる。
【0050】又、制御装置24は、動力装置45とサー
ボバルブ46へ出力信号を与えて、射出部40の射出成
形を制御する。この制御は、図2のCPU240からD
/AC243を介してデジタル形式のサーボバルブ46
の駆動信号としてI/F21aに出力されるものであ
る。射出部40は、成形材料Mを溶融して高速・高圧で
射出ノズル43から成形型10の成形キャビティ20へ
射出充填する。この射出充填を行う射出スクリュー41
の駆動は、CPU240がメモリ部242に記憶されて
いる入力値に基づいて行う。この射出スクリュー41の
駆動は、成形キャビティ20内に樹脂の成形材料が満た
されてくると、圧力は略一定となって進行する。この射
出圧力を続行すると成形品にバリが発生するので、成形
材料Mを補充するだけの保圧力に切換える。この射出圧
力と保圧力とは、圧力センサ31により検出されて、I
/F23から入力されたアナログ形式の圧力信号はA/
DC244でデジタル形式の圧力信号に変換される。
【0051】次に、本実施形態の特徴部について説明す
る。意図的、選択的に成形品の非転写面に気体圧を付与
し、ひけを発生させて転写面を形成する成形において
は、気体圧の供給条件の制御が、重要なポイントとな
る。そこで、本実施形態に係る射出成形機は、キャビテ
ィの非転写面に設けられた通気口から成形材料に付与す
る気体圧の圧力の大きさや時間を制御して、複雑な形状
の成形品であっても、変形や成形歪みがなく、しかも非
転写面にひけを効果的に誘導し成形品精度の向上を図る
ものである。
【0052】図1において、本実施形態に係る射出成形
機1には、成形キャビティ20に空気圧を付与するため
の圧縮空気供給手段50が設けられている。圧縮空気供
給手段50は、空気圧源51、エアフィルタ52、空気
圧用減圧弁53、空気圧力計54、電磁弁55、電磁弁
55のON/OFFを切替えるリレー56から主に構成
されている。
【0053】上記空気圧源51は、例えばエアコンプレ
ッサ、あるいは工場内に設けられた圧縮空気配管等であ
る。また、上記電磁弁55は、例えば3ポート2位置シ
ングルソレノイドバルブ等である。この電磁弁55はO
Nのときに圧縮空気を成形キャビティ20に供給し、逆
にOFFのときには成形キャビティ20内の空気を排気
するようになっている。また、上記リレー56は、制御
装置24からの制御信号に基づいて動作し、電磁弁55
のON/OFFを切替えるものである。
【0054】上記圧縮空気供給手段50において、空気
圧力計54のゲージを見ながら減圧弁53によって成形
キャビティ20に供給する空気圧力をあらかじめ設定
(例えば、0.6MPa)しておく。そして、制御装置
24からの制御信号によりリレー56が電磁弁55をO
Nに切替えると、圧縮空気が成形キャビティ20に供給
される。
【0055】次に、成形型10について詳細に説明す
る。図3に示すように、成形型10は、固定金型11と
可動金型12とからなる分割型である。固定金型11の
内部には入れ子15が設けられており、可動金型12の
内部には、成形品に歯形部を形成するための転写面1
3,14を備えた入れ子16が設けられている。これら
の入れ子15,16によって所定容積の成形キャビティ
20を画成している。図示の例による成形キャビティ2
0では、円筒形状で、かつ円筒外周面に複数の凹凸を有
する歯部が一体で成形されたギヤを得ることができる。
【0056】図4は、上記成形キャビティ20近傍の拡
大図である。図4において、固定金型11に設けられた
入れ子15は、非転写面である側面15aに所定面積で
開口する複数の通気口18(図示の例では2箇所)と、
この複数の通気口18を連通した連通孔57とが形成さ
れ、連通孔57は圧縮空気供給手段50に接続されてい
る。また、入れ子15には、射出成形機1の射出部40
からの溶融樹脂を成形キャビティ20内へ射出充填する
ゲート17が形成されている。また、上記可動金型12
に設けられた入れ子16には、非転写面である側面16
aに所定面積で開口する複数の通気口19(図示の例で
は2箇所)と、この複数の通気口19を連通した連通孔
58とが形成され、連通孔58は圧縮空気供給手段50
に接続されている。上記複数の通気口18,19は、溶
融樹脂が侵入しないように深さを0.005〜0.5m
m、幅を0.005mm以上に形成されている。
【0057】上記複数の通気口18,19を配置する位
置は、非転写面の形状に応じて様々な配置を採ることが
できるが、複数の通気孔18,19から供給された空気
が転写面13,14の端縁へ侵入することを回避するた
めに、複数の通気口18,19を転写面13,14から
1mm以上離間させるのが望ましい。また、非転写面を
有する金型部材形状にあわせて相似状に配置し、かつ肉
厚に応じて複数の通気口18,19の配置数を変化させ
ることが望ましい。これにより、転写面にひけの影響を
与えることなく、所望の箇所にひけをバランスよく確実
に誘導することができる。
【0058】なお、図3に示すように、上記固定金型1
1と固定用ダイプレート3との間、及び可動金型12と
移動用ダイプレート4との間には、それぞれ加熱及び冷
却の両機能を有した温調プレート26,27が設けられ
ており、これらの温調プレートによって各金型11,1
2を所定の温度に制御可能になっている。
【0059】次に、上記圧縮空気供給手段50による成
形キャビティ20への圧縮空気の供給について説明す
る。図5は、圧縮空気供給手段50による上記複数の通
気口18,19への圧縮空気の供給制御の一例を説明す
るための図である。複数の通気口18,19への圧縮空
気の供給を、溶融樹脂の成形キャビティ20内への充填
完了直後から開始する。具体的には、図1において、射
出部40による成形材料Mの射出充填が、例えば1.8
秒間行われる。そして、この射出部40からの射出完了
信号に基づいて、制御装置24がリレー56に制御信号
を出力し、電磁弁55をONにすることによって、高精
度に圧縮空気の供給を開始する。これにより、供給され
た圧縮空気が充填時の樹脂流動へ悪影響を及ぼして樹脂
の充填不良が発生することを防止できる。
【0060】電磁弁55がONすると、複数の通気口1
8,19には保圧時の成形キャビティ20内のピーク圧
力(約35MPa)よりも低い一定圧力の圧縮空気(例
えば、0.6MPa)が供給される。これにより、成形
キャビティ20内に射出充填された成形材料Mの複数の
通気口18,19に対応する通気口部に所定の空気圧が
付与される。そのため、成形材料Mの転写面に対応する
転写面部には空気圧は付与されないので、転写面部と通
気口部との間に圧力差が発生される。また、冷却過程中
においては通気口部の冷却効果は空気に接しているため
低下され固化が遅らされる。なお、成形キャビティ20
内に射出充填された成形材料Mは、図5の例では、射出
充填完了後、10秒間保圧され、その後50秒間冷却さ
れる。
【0061】ここで、ひけは成形キャビティ20の成形
面から成形材料Mが離れることにより発生するものであ
るが、成形材料Mの固化の遅い箇所、樹脂内圧の低い箇
所、あるいは互いの面間に空気等が侵入しない限り負圧
に抗して離れなければならないため空気層の存在箇所お
よびその真空が破壊され易い箇所等に発生し易い。した
がって、通気口部の固化が遅らされるとともに所定の空
気圧が加えられているため、通気口部(図3中2点鎖線
で示す部分)に選択的にひけが発生され、転写面部にひ
けが発生することなく金型の転写面が高精度に転写され
る。
【0062】ここで、圧縮空気供給の終了は、転写面1
3,14の極近傍に設けられた圧力センサ31による樹
脂内圧測定の測定結果に基づいて行う。具体的には、圧
力センサ31による転写面近傍における樹脂内圧が、ゲ
ージ圧で0(ゼロ)[MPa]に到達した時点で、制御装
着24はリレー56の制御信号を解除して電磁弁55を
OFFにする。これにより、樹脂の冷却固化後の不必要
な圧縮空気の供給を無くし、圧縮空気供給によって生じ
る成形キャビティ20内の局所的な温度分布を減少さ
せ、変形や成形歪の少ない高精度な成形品を得ることが
できる。
【0063】なお、成形キャビティの形状や成形材料の
種類等によっては、圧力センサ31の測定結果が0[M
Pa]に到達した時点で圧縮空気供給を終了する制御に
限らず、それよりも手前のタイミングで終了してもよ
い。例えば、圧力センサ31の測定結果が、1[MPa]
に下がった時点で、圧縮空気供給を終了するように制御
してもよい。
【0064】さらに、成形キャビティの形状や成形材料
の種類等によっては、成形キャビティ20内の樹脂圧力
が所定圧力に到達した時点から、所定時間経過後に圧縮
空気供給を終了するように制御してもよい。この場合に
は、制御装置24のシーケンスプログラム上に、あらか
じめ設定された時間(例えば40秒)でタイムアップす
る内部タイマを設定しておく。そして、射出充填完了後
に、圧力センサ31の測定結果が、例えばピーク圧より
も若干低い圧力(例えば、30[MPa])に到達した時
点から上記内部タイマが計測を開始し、この内部タイマ
がタイムアップした時点(40秒経過後)で圧縮空気の
供給を終了させるように制御してもよい。
【0065】本実施形態に係る射出成形機1では、成形
品の形状に応じて、通気口に供給する圧縮空気の空気圧
の大きさや供給時間を自由に設定することができる。こ
れにより、特にキャビティ形状が複雑な場合(偏肉、微
細な凹凸パターンを有する形状等)であっても、確実に
通気口部に選択的にひけを発生させるとともに、そのひ
け量を的確に制御することができる。よって、成形品の
転写面部にひけが発生することなく金型の転写面が高精
度に転写される。また、樹脂の冷却固化後に不必要な圧
縮空気の供給を確実に無くし、圧縮空気供給によって生
じるキャビティ内の局所的な温度分布を減少させ、変形
や成形歪の少ない高精度な成形品を得ることができる。
【0066】なお、上記実施形態1では、樹脂成形品と
してギヤを成形する場合について説明したが、ギヤに限
らず外周面が平面である円筒形状の樹脂成形品や、レン
ズなどの光学用部品等を、転写性に優れしかも高精度に
成形することができる。また、キャビティの通気口に対
応する成形材料の通気口部に圧縮空気を付与する構成に
ついて説明したが、付与する気体は圧縮空気に限らず、
例えば、高圧窒素ガスボンベを設けて圧縮窒素ガスを通
気口部に供給することもできる。さらに、油圧で作動す
る横型の射出成形機に適用した例について説明したが、
これに限られるものではなく、電動で作動するものや、
縦型の射出成形機に適用できるのはもちろんである。
【0067】〔変形例1〕成形キャビティ20内に射出
充填された成形材料Mは冷却過程で徐々に固化していく
ため、成形材料Mの固化に伴って複数の通気口18、1
9に供給する圧縮空気の空気圧を減圧することが望まし
い。図6は、本変形例1に係る圧縮空気供給手段60の
構成説明図である。また、図7は、圧縮空気供給手段6
0による上記複数の通気口18,19への圧縮空気の供
給制御の一例を説明するための図である。
【0068】図6において、本変形例1に係る圧縮空気
供給手段60は、上記実施形態1で説明した電磁弁55
の排気ポート55aに速度制御弁61とサイレンサ62
とを接続して構成している。そして、溶融樹脂Mの成形
キャビティ20内への充填完了直後に電磁弁55をON
にして、上記複数の通気口18,19への圧縮空気の供
給を開始する。電磁弁55がONすると、複数の通気口
18,19には保圧時の成形キャビティ20内のピーク
圧力(約35MPa)よりも低い一定圧力の圧縮空気
(例えば、0.6MPa)が供給される。これにより、
成形キャビティ20内に射出充填された成形材料Mの複
数の通気口18,19に対応する通気口部に所定の空気
圧が付与される。
【0069】本変形例1では、図7に示すように、転写
面近傍における樹脂内圧がピーク圧(約35MPa)に
到達した時点で、圧力センサ31の検出結果に基づき、
制御装着24はリレー56の制御信号を解除して電磁弁
55をOFFにして圧縮空気の供給を終了する。する
と、成形キャビティ20内の圧縮空気は電磁弁55の排
気ポート55aから排気されるが、速度制御弁61によ
り排気が制限されるため、図中二点鎖線で示すグラフの
ように連続的に徐々に減圧していく。そして、圧力セン
サ31による転写面近傍における樹脂内圧が0[MPa]
に到達した時点と略同じタイミングで、複数の通気口1
8,19に対応する通気口部の空気圧も0[MPa]とな
る。
【0070】このように、速度制御弁61を設けて、成
形キャビティ20内に射出充填された成形材料Mの固化
に伴って複数の通気口18、19に供給する圧縮空気の
空気圧を連続的に徐々に減圧することにより、変形や成
形歪の少ないより高精度な成形品を得ることができる。
【0071】なお、上記圧縮空気供給手段60に替え
て、エアー圧力精密レギュレータを設けることもでき
る。そして、圧力センサ31の検出結果に基づいて、エ
アー圧力精密レギュレータの空気圧を制御すれば、上記
速度制御弁61による減圧に比べ、より精密な空気圧制
御が可能となる。
【0072】〔変形例2〕上記変形例1では圧縮空気の
供給圧力を連続的に徐々に減圧する構成について説明し
たが、段階的に減圧する構成とすることもできる。図8
は、本変形例2に係る圧縮空気供給手段70の構成説明
図である。また、図9は、圧縮空気供給手段70による
上記複数の通気口18,19への圧縮空気の供給制御の
一例を説明するための図である。
【0073】本変形例2に係る圧縮空気供給手段70で
は、上記複数の通気口18,19への圧縮空気の空気圧
を切替えることができる構成となっている。図8におい
て、空気圧源51の圧縮空気は空気圧フィルタ52を通
過した後に、電磁弁71で中圧ラインLと高圧ライン
とのいずれか一方に切替えて供給される。電磁弁7
1としては、例えば3ポート2位置シングルソレノイド
バルブでノーマルオープンタイプを用いる。電磁弁71
がOFFのときは圧縮空気が中圧ラインLに供給さ
れ、ONのときは高圧ラインLに供給されるようにな
っている。中圧ラインLと高圧ラインLとにはそれ
ぞれ電磁弁72,73が設けられている。これらの電磁
弁72,73としては、例えば2ポート2位置シングル
ソレノイドバルブでノーマルクローズタイプを用いる。
中圧ラインLと高圧ラインLはT型配管等でつなが
っており、電磁弁74に接続されている。電磁弁74と
しては、例えば3ポート2位置シングルソレノイドバル
ブでノーマルクローズタイプを用いる。なお、上記4つ
の電磁弁71,72,73,74はそれぞれリレー7
5,76,77,78を介して制御装置24に接続され
ている。
【0074】そして、図9に示すように、溶融樹脂の成
形キャビティ20内への充填完了直後に電磁弁71と電
磁弁72と電磁弁74とをONにして、上記複数の通気
口18,19への圧縮空気の供給を開始する。各電磁弁
71,72,74がONすると、複数の通気口18,1
9には高圧側の圧縮空気(例えば、0.6MPa)が供
給される。そして、圧力センサ31による転写面近傍に
おける樹脂内圧が第1切替圧力P1(例えば、30MP
a)まで下がった時点で、制御装着24は2つのリレー
75,77の制御信号を解除して各電磁弁71,72を
OFFにし、同時に電磁弁73をONにする。すると、
複数の通気口18,19には中圧側の圧縮空気(例え
ば、0.3MPa)が切替えて供給される。さらに、圧
力センサ31による転写面近傍における樹脂内圧が第2
切替圧力P2(例えば、20MPa)まで下がった時点
で、制御装着24は2つのリレー76,78の制御信号
を解除して各電磁弁73,74をOFFにし、圧縮空気
の供給を終了する。
【0075】このように、成形キャビティ20内に射出
充填された成形材料Mの固化に伴って複数の通気口1
8、19に供給する圧縮空気の空気圧を段階的に下げる
ことにより、変形や成形歪の少ないより高精度な成形品
を得ることができる。なお、上記高圧ラインLと中圧
ラインLとに加えて低圧ラインLを設け、図10に
示すように、低圧側の圧縮空気(例えば、0.1MP
a)を供給することにより、圧縮空気の空気圧を3段階
で減圧することができ、より高精度な成形品を得ること
ができる。
【0076】〔実施形態2〕上記実施形態1等では、供
給する圧縮空気の圧力や供給時間は複数の連通孔で全て
同じであったが、圧縮空気の供給ラインを複数設けて連
通孔ごとに供給する圧縮空気の圧力や供給時間を異なら
せることもできる。図11(a)は、レンズを成形する
場合の成形キャビティ80を画成する一対の入れ子8
1,82の断面拡大図である。また、図11(b)は、
同図(a)中の矢視C−C方向から見た入れ子82のパ
ーティング面の平面図と、圧縮空気供給手段90との説
明図である。
【0077】図11(a)において、成形キャビティ8
0の縦寸法は中央部付近が最も厚く、両端部側が最も薄
くなっている。そして、一対の入れ子81,82の非転
写面である側面81a,82aには複数の通気口83,
84が形成されている。このような形状の成形キャビテ
ィ80にゲート85から成形材料Mを射出充填すると、
両端部の薄い部分が早く硬化し中央部の厚い部分の硬化
が遅れるため、複数の連通孔83,84に同一の条件で
圧縮空気を供給すると、両端部側の薄い部分が変形した
り、成形歪みが生じたりし易い。そこで、本実施形態で
は成形キャビティ80内に射出充填された成形材料Mの
肉厚部分と肉薄部分とに対応する通気口に、異なる条件
の圧縮空気を供給するように構成した。
【0078】図11(b)において、入れ子82の側面
82aには、複数の通気口84a〜eが形成されてい
る。ここで、成形キャビティ80の両端部の薄い部分に
対応した通気口84a,bは連通孔86につながってい
て、圧縮空気供給手段90により同一条件の圧縮空気が
供給される。一方、成形キャビティ80の中央部の厚い
部分に対応した通気口84c,d,eは他の連通孔87
につながっていて、圧縮空気供給手段90により同一条
件の圧縮空気が供給される。なお、側面82aと対向す
る側面82bには、2組の圧力センサ88,89が配設
されている。一方の組の圧力センサ88は通気口84
a,bと対向する位置に配設され、他方の組の圧力セン
サ89は通気口84c,d,eと対向する位置に配設さ
れている。
【0079】圧縮空気供給手段90においては、空気圧
源51の圧縮空気が空気圧フィルタ52を介して2つの
減圧弁91,92に供給される。各減圧弁91,92は
それぞれ電磁弁93,94に接続されており、図中下側
の電磁弁94は上記連通孔86を介して通気口84a,
bに圧縮空気を供給する。また、図中上側の電磁弁93
は上記連通孔87を介して通気口84c,d,eに圧縮
空気を供給する。ここで、成形キャビティ80の中央部
の通気口84c,d,eに供給する圧縮空気に比べて、
両端部側の薄い部分の通気口84a,bに供給する圧縮
空気の空気圧が低くなるように設定しておく。
【0080】そして、成形キャビティ80への成形材料
Mの射出充填完了直後に2つの電磁弁93,94をON
にして複数の通気口84a〜eに圧縮空気を供給する。
そして、2組の圧力センサ88,89の検出結果に基づ
いて、例えば圧力センサ88近傍の樹脂内圧が0[MP
a]になった時点で電磁弁94をOFFし、圧力センサ
89近傍の樹脂内圧が0[MPa]になった時点で電磁弁
93をOFFにする制御を行う。これにより、成形キャ
ビティ80内に射出充填された成形材料Mの中央部の厚
肉部分の通気口部に付与される空気圧に比べ、両端部側
の薄肉の部分の通気口部に付与される空気圧の方が圧力
が低くなる。また、厚肉部分に比べ薄肉部分の方が早く
硬化して樹脂内圧が0[MPa]になるので、圧縮空気が
付与される時間は、厚肉部分よりも薄肉部分の方が短く
なる。
【0081】このように、複数の通気口に異なる条件で
圧縮空気を供給することができ、複数の通気口に同一条
件の圧縮空気を供給する場合に比べ、圧縮空気供給によ
って生じるキャビティ内の局所的な温度分布を減少さ
せ、変形や成形歪の少ないより高精度な成形品を得るこ
とができる。特に、薄肉部分の変形や成形歪みを防ぐこ
とができる。さらに、複雑な形状のキャビティであって
も、通気口部に均一にひけを発生させ、成形品の転写面
部にひけが発生することなく金型の転写面がより高精度
に転写される。
【0082】なお、本実施形態2では、レンズを成形す
る場合について説明したが、レンズに限らず、ミラーや
プリズム等の他の光学用部品を高精度に成形することも
できる。
【0083】〔変形例3〕上記実施形態2では、圧縮空
気の供給ラインを複数設けて、連通孔ごとに供給する圧
縮空気の圧力や供給時間を異ならせる構成としたが、エ
アー圧力精密レギュレータを設けて圧縮空気の圧力を任
意に制御する構成とすることもできる。図12は、本変
形例3に係る圧縮空気供給手段95の説明図である。
【0084】図12において、上記実施形態2で示した
減圧弁や電磁弁に替えて、圧縮空気の供給ラインにそれ
ぞれエアー圧力精密レギュレータ96,97を設けてい
る。エアー圧力精密レギュレータ96,97には、空気
圧フィルタ52を介して空気圧源51の圧縮空気が供給
される。図中下側のエアー圧力精密レギュレータ97は
連通孔86を介して通気口84a,bに圧縮空気を供給
する。また、図中上側のエアー圧力精密レギュレータ9
6は連通孔87を介して通気口84c,d,eに圧縮空
気を供給する。各エアー圧力精密レギュレータ96,9
7は、制御装着24に接続されている。
【0085】そして、制御装置24は圧力センサ88の
検出結果に基づいて制御信号をエアー圧力精密レギュレ
ータ97に入力し、エアー圧力精密レギュレータ97は
連通孔86を介して通気口84a,bに圧縮空気を供給
する。また、制御装置24は圧力センサ89の検出結果
に基づいて制御信号をエアー圧力精密レギュレータ96
に入力し、エアー圧力精密レギュレータ96は連通孔8
7を介して通気口84c,d,eに圧縮空気を供給す
る。
【0086】上記エアー圧力精密レギュレータ96,9
7は、供給空気圧の圧力を任意に制御できるので、連続
的な減圧や段階的な減圧が可能で、圧力センサ88,8
9の検出結果に基づいて、最適な圧力の空気圧を供給す
ることができる。これにより、複雑な形状のキャビティ
であっても、変形や成形歪の少ないより高精度な成形品
を得ることができる。また、通気口部に均一にひけを発
生させ、成形品の転写面部にひけが発生することなく金
型の転写面を高精度に転写することができる。
【0087】
【発明の効果】請求項1乃至10の発明によれば、成形
材料の転写面以外の非転写面に圧縮気体を付与すること
ができる金型を用いて成形する場合に、該非転写面にひ
けを効果的に誘導して該転写面の高転写性を確保しつ
つ、変形や成形歪の少ない高精度な成形品が得られると
いう優れた効果がある。この結果、高精度な成形品が得
られる。
【0088】特に、請求項2,4,5,7,9,10の
発明によれば、複雑な形状を有するキャビティに成形材
料を射出充填して成形する場合に、変形や成形歪みのな
い成形品を成形することが可能となるという優れた効果
がある。また、ひけ量を的確に制御することが可能とな
り、転写面をより高精度に成形品に転写することが可能
となるという優れた効果もある。
【0089】特に、請求項3及び8の発明によれば、キ
ャビティ内への成形材料の充填不良、及び成形品の変形
や成形歪みを防止することができるという優れた効果が
ある。
【0090】特に、請求項11の発明によれば、少なく
とも1つ以上の光学転写面を有する樹脂成形品を成形す
るにあたって、転写面の高転写性を確保しつつ、変形や
成形歪の少ない高精度な樹脂成形品が得られるという優
れた効果がある。
【0091】請求項12の発明によれば、円筒形状で、
かつ外周面で平部又は複数の凹凸を有する歯部と一体化
している樹脂形成品を成形するにあたって、転写面の高
転写性を確保しつつ、変形や成形歪の少ない高精度な樹
脂成形品が得られるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る射出成形機の要部の説明図。
【図2】制御装置(PC)のCPUを中心とした構成
図。
【図3】図1の成形型の断面図。
【図4】成形キャビティ20近傍の拡大図。
【図5】圧縮空気供給手段50による複数の通気口1
8,19への圧縮空気の供給制御の一例の説明図。
【図6】変形例1に係る圧縮空気供給手段60の構成説
明図。
【図7】変形例1の圧縮空気供給手段60による複数の
通気口18,19への圧縮空気の供給制御の一例の説明
図。
【図8】変形例2に係る圧縮空気供給手段70の構成説
明図。
【図9】変形例2の圧縮空気供給手段70による複数の
通気口18,19への圧縮空気の供給制御の一例の説明
図。
【図10】圧縮空気の空気圧を3段階で減圧する圧縮空
気の供給制御の一例の説明図。
【図11】(a)は、実施形態2に係る、レンズを成形
する場合のキャビティ80を画成する一対の入れ子8
1,82の断面拡大図。(b)は、同図(a)中の矢視
C−C方向から見た入れ子82の平面図に、圧縮空気供
給手段90を記載した説明図。
【図12】変形例3に係る圧縮空気供給手段95の説明
図。
【図13】(a)は、従来例に係る、射出成形金型の一
例を示すパーティング面の平面図。(b)は、同図
(a)中のA−A断面図。(c)は、同図(a)中のB
−B断面図。
【図14】(a)〜(c)は、従来例に係る射出充填時
の溶融樹脂およびキャビティ内の空気の流れの説明図。
【図15】従来例に係る、通気口118およびバイパス
149を介して圧縮装置144から所定圧力の空気を付
与して樹脂部m’にひけを発生させる構成の射出成形金
型の説明図。
【符号の説明】
1 射出成形機 2 型締装置 3 固定用ダイプレート 4 移動用ダイプレート 5 駆動部(ラム) 6 ガイドロッド 7 ピストンロッド 10 成形型 11 右型 12 左型 18,19 通気口 20 成形キャビティ 21〜23 I/F(インターフェース) 24 制御置(PC) 240 CPU 31 圧力センサ 40 射出部 41 射出スクリュー 42 ホッパ 47 スクリューシリンダ 50,70,80、90、95 圧縮空気供給手段 55,71,72,73,74,93,94 電磁弁 57,58 連通孔 61 速度制御弁 96,97 エアー圧力精密レギュレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AG26 AG28 AH12 AH74 AH75 AM34 AP02 AR02 CA11 CB01 CK11 CK90 4F206 AG26 AG28 AH12 AH74 AH75 AM34 AP02 AR02 JA07 JL02 JM05 JN25 JQ81 JQ90

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定容積のキャビティを画成する成形面
    と、該成形面に少なくとも1つ以上形成され成形品に所
    定の平滑性を有する面を転写する転写面と、該成形面に
    開口し該キャビティ内に溶融した成形材料を射出充填す
    るゲートと、該成形面の転写面以外の非転写面に所定面
    積で開口する少なくとも1つ以上の通気口と、該通気口
    に連通して該通気口に対応する成形材料の通気口部に所
    定の気体圧を付与する少なくとも1つ以上の連通孔とを
    備えた射出成形金型と、該通気口を介して所定の気体圧
    力を成形材料の該通気口部に付与するように該連通孔か
    ら気体を送り込む気体供給手段とを有し、該キャビティ
    内に溶融した成形材料を該ゲートを介して射出充填し冷
    却して成形する射出成形装置において、上記キャビティ
    内に射出充填された上記成形材料の上記転写面近傍にお
    ける圧力を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段の
    検出結果に基づいて、上記気体供給手段が上記成形材料
    の上記通気口部に付与する気体圧の供給条件を制御する
    制御手段とを有することを特徴とする射出成形装置。
  2. 【請求項2】請求項1の射出成形装置において、上記圧
    力検出手段が上記転写面の近傍に少なくとも2つ以上の
    複数の圧力センサを有し、該複数の圧力センサの近傍に
    それぞれ上記通気口を備え、上記制御手段が、該複数の
    圧力センサの検出結果に基づいて、該複数の圧力センサ
    の近傍に備えられた該通気口に対応する成形材料の通気
    口部ごとに付与する気体圧の供給時間を制御するように
    上記気体供給手段を制御することを特徴とする射出成形
    装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の射出成形装置において、
    上記制御手段は、上記気体供給手段による上記通気口部
    へ付与する気体圧の供給を、上記成形材料の上記キャビ
    ティ内への充填完了直後から開始し、上記圧力検出手段
    による検出結果が0[MPa]になった時点で終了する
    ことを特徴とする射出成形装置。
  4. 【請求項4】請求項1の射出成形装置において、上記圧
    力検出手段が上記転写面の近傍に少なくとも2つ以上の
    複数の圧力センサを有し、該複数の圧力センサの近傍に
    それぞれ上記通気口を備え、上記制御手段が、該複数の
    圧力センサの検出結果に基づいて、該複数の圧力センサ
    近傍の該通気口に対応する成形材料の通気口部ごとに付
    与する気体圧の供給圧力を制御するように上記気体供給
    手段を制御することを特徴とする射出成形装置。
  5. 【請求項5】請求項1又は4の射出成形装置において、
    上記制御手段が、上記圧力検出手段の検出結果に基づい
    て、上記成形材料の上記通気口部に付与する気体圧の供
    給圧力を段階的あるいは連続的に変化させるように上記
    気体供給手段を制御することを特徴とする射出成形装
    置。
  6. 【請求項6】所定容積のキャビティを画成する成形面
    と、該成形面に少なくとも1つ以上形成され成形品に所
    定の平滑性を有する面を転写する転写面と、該成形面に
    開口し該キャビティ内に溶融した成形材料を射出充填す
    るゲートと、該成形面の転写面以外の非転写面に所定面
    積で開口する少なくとも1つ以上の通気口と、該通気口
    に連通して該通気口に対応する成形材料の通気口部に所
    定の気体圧を付与する少なくとも1つ以上の連通孔とを
    備えた射出成形金型を用い、該キャビティ内に溶融した
    成形材料を該ゲートを介して射出充填し、該通気口を介
    して所定の気体圧を成形材料の該通気口部に付与して成
    形する成形方法において、上記キャビティ内に射出充填
    された成形材料の上記転写面近傍における圧力に基づい
    て、上記成形材料の上記通気口部に付与する気体圧の供
    給条件を制御することを特徴とする成形方法。
  7. 【請求項7】請求項6の成形方法において、上記キャビ
    ティ内に射出充填された上記成形材料の上記転写面近傍
    における少なくとも2箇所以上の圧力を検出し、該検出
    された圧力に基づいて、該2箇所以上の圧力検出箇所近
    傍に設けられた通気口に対応する成形材料の通気口部ご
    とに気体圧の供給時間を制御することを特徴とする成形
    方法。
  8. 【請求項8】請求項6又は7の成形方法において、上記
    通気口部への気体供給を、上記成形材料の上記キャビテ
    ィ内への充填完了直後から開始し、上記転写面近傍にお
    ける該成形材料の圧力が0[MPa]になった時点で終
    了することを特徴とする成形方法。
  9. 【請求項9】請求項6の成形方法において、上記キャビ
    ティ内に射出充填された上記成形材料の上記転写面近傍
    における少なくとも2箇所以上の圧力を検出し、該検出
    された圧力に基づいて、該2箇所以上の圧力検出箇所近
    傍に設けられた通気口に対応する成形材料の通気口部ご
    とに供給する気体圧の圧力を制御することを特徴とする
    成形方法。
  10. 【請求項10】請求項6又は9の成形方法において、上
    記キャビティ内に射出充填された成形材料の圧力に基づ
    いて、上記成形材料の上記通気口部に付与する気体圧の
    供給圧力を段階的あるいは連続的に変化させることを特
    徴とする成形方法。
  11. 【請求項11】請求項1,2,3,4又は5に記載の射
    出成形装置、又は、請求項6,7,8,9又は10に記
    載の成形方法によって得られた、少なくとも1つ以上の
    光学転写面を有することを特徴とする樹脂成形品。
  12. 【請求項12】請求項1,2,3,4又は5に記載の射
    出成形装置、又は、請求項6,7,8,9又は10に記
    載の成形方法によって得られた、円筒形状で、かつ該円
    筒外周面に平部又は複数の凹凸を有する歯部のうち少な
    くとも一方が一体で形成されていることを特徴とする樹
    脂成形品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007030339A (ja) * 2005-07-27 2007-02-08 Ricoh Co Ltd プラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法
KR101340435B1 (ko) 2012-11-30 2013-12-11 한일이화주식회사 도어트림 스피커 그릴의 금형 내압 모니터링 장치
WO2023210701A1 (ja) * 2022-04-27 2023-11-02 芝浦機械株式会社 射出装置、成形機及び成形品の製造方法

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