JP2007030339A - プラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高精度な鏡面を有する厚肉、偏肉形状のプラスチックレンズ、或いはプラスチックミラー等のプラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の製造装置は、転写面(1a、1b)を有するキャビティ駒1、転写面が形成されていないキャビティ駒2を有して構成されている。なお、キャビティ駒2には、製造装置内に圧縮空気を吹き込む通気口5が設けられている。また、キャビティ駒2には、通気口5から吹き込まれた圧縮空気をキャビティ内へ吹き込むための複数の気体噴出口3が設けられており、通気口5から吹き込まれた圧縮空気が気体噴出口3からキャビティ内へ噴出される。なお、製造装置内へ射出される溶融樹脂は、ゲート7を通じて射出充填される。また、各キャビティ駒1及び2は一対の金型に複数個設けられて複数のキャビティが画成されるような構成であっても良い。
【選択図】 図2

Description

本発明は、レーザ方式のデジタル複写機、レーザプリンタ、またはファクシミリ装置の光学走査系、ビデオカメラ等の光学機器等に適用されるプラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法に関するものであり、特に、高精度な鏡面を有する厚肉、偏肉形状のプラスチックレンズ、或いはプラスチックミラー等のプラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法に関する。
一般に、射出成形法は金型温度を成形用樹脂の軟化温度未満とした一定容積のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、保圧を制御しながら冷却した後、金型を開いて成形品を取り出す方法である。
また、射出圧縮成形法は、金型内の転写面を形成するキャビティ駒を摺動可能にし、金型温度を成形用樹脂の軟化温度未満とした所定容積のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、保圧を制御しながら冷却する際、樹脂の体積収縮に追従して該キャビティ駒を摺動させて樹脂に圧力を付加して、成形品形状をより高精度に形成する方法である。
射出圧縮成形法は、樹脂が冷却固化するときに、金型内の樹脂圧力や樹脂温度が均一になることが、所望の形状精度を確保するために望ましい。
しかし、射出成形法は、成形品の厚みが場所により異なっている偏肉形状の場合、冷却時に厚肉部と薄肉部で樹脂温度が不均一になり、薄肉部に残圧が発生し、又は厚肉部にひけが発生してしまうという不具合があった。また、厚肉形状の成形品においては、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いためにひけが発生しやすく、ひけ発生を防止するために充填圧力を大きくすると、残留歪みが大きくなり、高精度な成形品が得られないという欠点があった。
また、射出圧縮成形法は、前記射出成形法より低い充填圧力で成形することができるが、偏肉形状の場合、成形品の厚みの違いで収縮量が異なり、キャビティ駒が樹脂の収縮に追従できずキャビティ駒と樹脂が離れ、離れた部分からひけが発生し、形状精度が低下するという問題があった。
このような不具合を解消するために、特許文献1では、転写面により転写される鏡面外の成形材料に通気口および連通孔を介して空気を接触させ冷却速度を遅くするとともに所定の空気圧を通気口部に付与し成形材料の鏡面部と通気口部との間に所定の圧力差を発生させ、通気口部にひけを選択的に発生させ、鏡面部にひけを発生させることなく金型の転写面を高精度に転写し、通気口部にひけを選択的に発生させることにより、キャビティ内への成形材料の充填量の制御を簡易にして内部に歪みを発生させることなく成形品を成形することにより、内部歪みのない高精度な鏡面を有する成形品を容易に成形可能な射出成形金型が提案されている。
特許文献2では、冷却によって生じる収縮を空隙に面する部分の樹脂が動くことによって吸収し、空隙に面した樹脂部分を優先的にひけさせて転写面にひけが生じることを防止し、所望する転写面を短い成形サイクルで忠実に転写し、冷却時の転写面に作用する樹脂内圧を大気圧に近づけることことにより、光弾性歪みの小さい成形品を得ることができるプラスチック成形品の成形方法およびプラスチック成形品の成形用金型が提案されている。
特開平6−304973号公報 特開平11−28745号公報
しかし、上記の発明は以下の問題を有している。
特許文献1記載の射出成形金型は、転写面により転写される鏡面外の成形材料に通気口および連通孔を介して空気を接触させ冷却速度を遅くするとともに所定の空気圧を通気口部に付与し成形材料の鏡面部と通気口部との間に所定の圧力差を発生させて通気口部にひけを選択的に発生させているが、ひけの発生が通気口部付近に集中して転写面以外の面へ広く行き渡らない。また、成形品が大きくなった場合、通気口部から離れた転写面部にひけが発生してしまう。
特許文献2記載のプラスチック成形品の成形方法およびプラスチック成形品の成形用金型は、成形品が大きい場合でもより広範囲にひけを発生させることが可能となるが成形品と摺動面との間の空隙が断熱層となるためにひけ面の冷却効率が著しく悪化する為、冷却時間が長くなってしまう。
さらに、上述のいずれの従来例においても、ひけ面側と反対面側との冷却条件が著しく異なる為、結果として成形品外形変形の要因となり、上位特性の走線曲がりが悪化するという問題もある。
そこで、本発明は、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、転写面を成形するのに十分な圧力をかけ、その後、複数の気体噴出口より圧縮された気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を瞬間的にキャビティ内へ吹き込むことにより、冷却によって生じる収縮を樹脂内圧が残留する気体噴出口付近に集中させ、かつ樹脂内部に存在する気泡を気体噴出口近傍へ導くことにより、気体噴出口に接しない部分が収縮変形し転写面にひけが生じるのを防止することができ、所望する転写面を短い成形サイクルで忠実に転写することができるプラスチック成形品製造装置、及びプラスチック成形品製造方法を提案することを目的としている。
請求項1記載の発明は、少なくとも1つ以上の転写面を有するとともに、該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の気体噴出し口が設けられ、前記転写面と有するキャビティ駒と前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒とによってキャビティを構成する金型を有するプラスチック成形品製造装置であって、前記金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を密着させた後、前記気体噴出し口から前記キャビティ内に圧縮空気を吹き込むことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のプラスチック成形品製造装置において、前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度が、前記転写面を有するキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度よりも高く制御する温度制御手段を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のプラスチック成形品製造装置において、前記各気体噴出し口から前記キャビティ内へ前記圧縮空気の吹き込みを開始する時間を制御する時間制御手段を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3記載のプラスチック成形品製造装置において、前記時間制御手段は、前記プラスチック成形品の薄肉部に設けられた前記気体噴出し口から厚肉部に設けられた前記気体噴出し口にかけて順に、前記圧縮空気の吹き込みを開始することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置において、前記気体噴出し口が直径0.2mm以下の穴形状であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置において、前記気体噴出し口が前記転写面を有しないキャビティ駒の前記キャビティ側にある所定の範囲内に設けられていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置において、前記気体噴出し口が前記転写面を有しないキャビティ駒の前記キャビティ側にスリット状に設けられていることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置において、前記気体噴出し口が多孔質部材の孔であることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、少なくとも1つ以上の転写面を有するとともに、該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の気体噴出し口が設けられ、前記転写面と有するキャビティ駒と前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒とによってキャビティを構成する金型を有するプラスチック成形品製造装置の製造方法であって、前記金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持する工程と、前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填する工程と、前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を密着させた後、前記気体噴出し口から前記キャビティ内に圧縮空気を吹き込む工程とを有することを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載のプラスチック成形品製造方法において、前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度が、前記転写面を有するキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度よりも高く制御する温度制御工程を有することを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項9又は10記載のプラスチック成形品製造方法において、前記各気体噴出し口から前記キャビティ内へ前記圧縮空気の吹き込みを開始する時間を制御する時間制御工程を有することを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項11記載のプラスチック成形品製造方法において、前記時間制御工程は、前記プラスチック成形品の薄肉部に設けられた前記気体噴出し口から厚肉部に設けられた前記気体噴出し口にかけて順に、前記圧縮空気の吹き込みを開始することを特徴とする。
本発明は、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、転写面を成形するのに十分な圧力をかけ、その後、複数の気体噴出口より圧縮された気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を瞬間的にキャビティ内へ吹き込むことにより、冷却によって生じる収縮を樹脂内圧が残留する気体噴出口付近に集中させ、かつ樹脂内部に存在する気泡を気体噴出口近傍へ導くことにより、気体噴出口に接しない部分が収縮変形し転写面にひけが生じるのを防止することができ、所望する転写面を短い成形サイクルで忠実に転写することができる。
以下に本発明の一実施形態に係わるプラスチック成形品製造装置の構成及び製造方法について説明する。
図1は、第1の実施形態に係わるプラスチック成形品の製造装置の斜視図である。図2は、図1に示す製造装置のxy平面の断面図である。図3は、図1に示す製造装置のxz平面の断面図である。
本実施形態に係わる製造装置は、転写面(1a、1b)を有するキャビティ駒1、転写面が形成されていないキャビティ駒2を有して構成されている。なお、キャビティ駒2には、製造装置内に圧縮空気を吹き込む通気口5が設けられている。また、キャビティ駒2には、通気口5から吹き込まれた圧縮空気をキャビティ内へ吹き込むための複数の気体噴出口3が設けられており、通気口5から吹き込まれた圧縮空気が気体噴出口3からキャビティ内へ噴出される。なお、製造装置内へ射出される溶融樹脂は、ゲート7を通じて射出充填される。また、各キャビティ駒1及び2は一対の金型に複数個設けられて複数のキャビティが画成されるような構成であっても良い。
なお、図2及び3において、符号8は樹脂であり、符号6は樹脂内に含まれる気泡であり、符号4はプラスチック成形品(本実施形態におけるプラスチックレンズ)の有効範囲(光が透過する範囲)である。次に、作用を説明する。まず、図4に示すように金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、図5に示すようにキャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、転写面を成形するのに十分な圧力をかける。その後、複数の気体噴出口3より圧縮された気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を瞬間的にキャビティ内へ吹き込む。
具体的には、この充填時に溶融温度にある樹脂は偏肉、厚肉なキャビティの場合には端部(薄肉部)から固化する。樹脂の固化が進行し、端部に残圧が残っているが、中央部はまだその軟化温度以上となっている。この状態でキャビティ駒2が有する気体噴出口3から圧縮気体をキャビティ内に吹き込む。
このとき、樹脂の冷却は進行するが、気体噴出口3に接する樹脂部分が気体と接するため、この部分からの熱伝導が阻害され、この樹脂部分が冷却時にキャビティ駒2のそれ以外の対して高温となり、かつ自由に動ける。そのため、気体噴出口3に接する樹脂部分に樹脂内圧が残り、かつキャビティ駒(1、2)と密着する部分よりも優先的に収縮してキャビティ駒(1、2)への樹脂の密着力を維持する。その際、樹脂内に存在する気泡6は、樹脂内圧が残留する気体噴出口3近傍に集まり、プラスチック成形品の有効範囲4外へと導かれる。
このように本実施形態では、溶融樹脂を軟化温度未満まで冷却するときに、キャビティ駒2に設けられた気体噴出口3からキャビティ内へ圧縮空気を吹き込むことにより、冷却によって生じる収縮を樹脂内圧が残留する気体噴出口3付近に集中させ、かつ樹脂内部に存在する気泡6を気体噴出口3近傍へ導くことにより、気体噴出口3に接しない部分が収縮変形し転写面にひけが生じるのを防止することができ、所望する転写面を短い成形サイクルで忠実に転写することができる。
また、気体噴出口3付近にある樹脂の収縮率を上げ、樹脂内に存在する気泡6を気体噴出口3近傍へと導くことにより、プラスチック成形品(プラスチックレンズ等の光学素子)の有効範囲4から気泡6を除去し、図6に示すような高精度の光学素子を製造することができる。
なお、金型温度を樹脂の軟化温度未満にしているのは、金型温度を樹脂の軟化温度以上にすると、成形品の取り出し時に成形品が変形してしまい、高精度な成形品を得ることができないからである。
次に、第2の実施形態に係わる製造装置の他の実施形態について説明する。なお、製造装置の構成は、第1の実施形態に係わる製造装置の構成と同様であるため、製造装置を構成に関する説明を省略する。
本実施形態に係わる製造装置は、転写面を有するキャビティ駒1以外の面を形成するキャビティ駒2の表面温度を制御可能に構成されている。具体的には、レンズ面を形成する転写面(1a及び1b)を有するキャビティ駒1のキャビティの表面温度より、キャビティ駒2の表面温度が高温になるように設定する。なお、本実施形態においては、キャビティ駒2の表面温度を制御可能な構成としたが、キャビティ駒1の表面温度を制御可能とし、キャビティ駒2の表面温度をよりも低く制御する構成としてもよい。または、キャビティ駒1及びキャビティ駒2の表面温度を制御可能な構成とし、キャビティ駒2の温度がキャビティ駒1の表面温度よりも高くなるように制御する構成としてもよい。
まず、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、その際、キャビティ駒2の表面温度がキャビティ駒1の表面温度よりも高くなるように制御する。次に、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、転写面を成形するのに十分な圧力をかけた後、複数の気体噴出口3より圧縮された気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を瞬間的にキャビティ内へ吹き込む。
具体的には、この充填時に溶融温度にある樹脂は偏肉、厚肉なキャビティの場合には端部(薄肉部)から固化する。樹脂の固化が進行し、端部に残圧が残っているが、中央部はまだその軟化温度以上となっている。この状態でキャビティ駒2が有する気体噴出口3から圧縮気体をキャビティ内に吹き込む。
このとき、樹脂の冷却は進行するが、キャビティ駒2に設けられた気体噴出口3に接する樹脂部分が気体と接するため、この部分からの熱伝導が阻害される。さらに、キャビティ駒2の表面温度がキャビティ駒1の表面温度よりも高く設定されているため、キャビティ駒2の表面に接する樹脂部分及び気体噴出口3に接する樹脂部分が、キャビティ駒1に対して高温となり、かつ、自由に動けることから樹脂内圧が残る。そのため、キャビティ駒1と密着する部分よりも優先的に収縮してキャビティ駒1への樹脂の密着力が維持される。その際、樹脂内に存在する気泡6は、樹脂内圧が残留するキャビティ駒2の表面、特に気体噴出口3近傍に集まり、プラスチック成形品の有効範囲4外へと導かれる。
次に、第3の実施形態に係わる製造装置の他の実施形態について説明する。なお、製造装置の構成は、第1の実施形態に係わる製造装置の構成と同様であるため、製造装置を構成に関する説明を省略する。
本実施形態に係わる製造装置は、キャビティ駒2が有する気体噴出口3からキャビティ内へ圧縮空気を吹き込むタイミングを制御可能に構成されている。具体的には、長手方向において偏肉度の大きいプラスチックfθレンズ等の光学素子の製造においては、光学素子の肉厚の違いにより冷却固化する時間に差異が発生する。そのため、複数の気体噴出し口から圧縮された気体を噴出すタイミングを冷却固化する時間に合わせて設定し、先に固化する個所より順次気体を気体噴出し口より噴出すようにすることにより、所望の範囲に気泡を誘導する。
まず、金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持する。次に、キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、転写面を成形するのに十分な圧力をかけた後、複数の気体噴出口3より圧縮された気体(例えば、窒素、二酸化炭素等)を瞬間的にキャビティ内へ吹き込む。
具体的には、この充填時に溶融温度にある樹脂は偏肉、厚肉なキャビティの場合には端部(薄肉部)から固化する。樹脂の固化が進行し、端部に残圧が残っているが、中央部はまだその軟化温度以上となっている。そこで、肉厚が薄く早く固化が始まる端部にある気体噴出口3から肉厚が厚く固化に時間が掛かる中央部に向かって、所定時間間隔をおいて圧縮空気のキャビティ内への吹き込みを開始する。
このとき、樹脂の冷却は、プラスチック成形品端部から中央部に向かって進行するが、キャビティ駒2に設けられた気体噴出口3に接する樹脂部分が気体と接するため、この部分からの熱伝導が阻害される。さらに、キャビティ駒2の端部から圧縮空気の吹き込みが開始されるため、樹脂端部からの熱伝導が阻害され、プラスチック成形品の中央部のみが高温となり、樹脂内圧が集中することが防止できる。そのため、キャビティ駒2と密着する部分がより均一に収縮してキャビティ駒1への樹脂の密着をより適切に維持することができる。その際、樹脂内に存在する気泡6も、樹脂内圧が残留するキャビティ駒2の表面、特に気体噴出口3近傍により均一に集まり、プラスチック成形品の有効範囲4外へと導かれる。
なお、第1から3の実施形態に係わる製造装置においては、キャビティ駒2に設けられた気体噴出口3が図7に示すように、等間隔で設けられた例について説明したが、キャビティ駒2のキャビティ側の表面に図8から10に示すパターンの気体噴出口3を設けることにより、樹脂の歪及び気泡6の位置を制御することができる。
図8は、直径0.2mm以下の穴からなる気体噴出口3をある一定の範囲に集中して設けることにより、プラスチック成形品の気泡6を発生させたい部分に所望の数量の気泡6を発生させることができる気体噴出口3のレイアウトである。図9は、幅0.2mm以下のスリット状の気体噴出口3により、プラスチック成形品の気泡6を発生させたい部分に気泡6を発生させることができる気体噴出口3のレイアウトである。また、気体噴出口3の形状を多孔質部材による多数の微細な孔形状とすることにより、気泡6の発生位置を制御することも可能である。さらに、気体噴出し口の形状が、直径0.2mm以下のピンと該ピンと滑合するスリーブを組合せた形状で、成形品の気泡を発生させたい範囲に複数レイアウトすることにより所望の範囲に所望の数量の気泡を形成することもできる。
一般的な射出成形法は、成形品の厚みが場所により異なっている偏肉形状の場合は冷却時に厚肉部と薄肉部で樹脂温度が不均一になり薄肉部に残圧が発生したり或いは厚肉部にひけが発生してしまうという不具合がある。そのため、成形品が厚肉形状の場合は、樹脂の冷却過程で体積収縮量が多いためにひけが発生し易くなる。また、ひけ発生を防止するために充填圧力を大きくすると残留歪みが大きくなり、結果としていずれも高精度な成形品が得られないという欠点があった。このような不具合を解消するために、樹脂とキャビティ駒の間に強制的に空隙を画成し空隙に面した樹脂部分にひけを発生させ、転写面のひけを防止するとともに内部歪みの小さな成形品を得ることが可能な技術が確立しているが、強制的に誘導したひけによる断熱効果により冷却時間の増大、ひけ部とひけ部以外の個所の型内温度分布に起因する形状誤差等品質上の問題があった。しかし、上述の構成によれば、成形品機能における有効範囲外の成形品内部に複数の気泡を発生させ、成形品表面にひけによる断熱層を設けないことにより、キャビティ内の温度分布の均一化が図れ、低い内部歪みと高い転写性を同時に確保し且つサイクルタイムの短縮化を図ることが可能となる。
また、プラスチックfθレンズ等の光学素子の成形においては、必要となるレンズ面を確実に転写させ、レンズ機能における有効範囲外にのみ気泡を発生させる必要が有る。そこで、転写面以外の面を形成するキャビティ駒の表面温度を、レンズ面を形成する転写面を有するキャビティ駒のキャビティ表面温度より高温になるように設定し、冷却固化速度を鏡面駒面より遅らせた上で、圧縮された気体をレンズ機能の有効範囲外に噴出すことにより、成形品全体の冷却収縮を転写面が搭載されたキャビティ駒以外の面に選択的に発生させる。さらには、転写面が搭載されたキャビティ駒以外の面側に気泡を発生させることができ、レンズ面の転写性の確保と内部歪み発生の抑制が可能となる。
また、長手方向において偏肉度の大きいプラスチックfθレンズ等では、肉厚の違いにより冷却固化する時間に差異が発生する。そこで、複数の気体噴出し口から圧縮された気体を噴出すタイミングを冷却固化する時間に合わせて設定する。具体的には先に固化する個所より順次気体を気体噴出し口より噴出すようにすることにより、長手方向の場所毎に所望の範囲に気泡を誘導することが可能となる。
また、長手方向において偏肉度の大きいプラスチックfθレンズ等では、肉厚の違いにより冷却固化する時間に差異が発生すると共に単位体積辺りの冷却収縮量に差異が発生する。そこで、成形品の気泡を発生させたい範囲に均等に気泡を発生させることが可能な気体噴出し口の形状及び位置を選択することにより、所望の範囲に所望の数量の気泡を形成することが可能となる。
上述の構成により成形されたプラスチック成形品によれば、成形品の有効範囲外に複数の気泡を有するため、低い内部歪みと高い転写性を同時に確保し且つサイクルタイムの短縮化を図られることから低コストで生産することが可能となる。
上述の構成により成形された光学素子によれば、有効範囲内には各気泡が存在しないため、光線透過方向と平行する所望の範囲に気泡が存在するため、低い内部歪みと高い転写性を同時に確保し且つサイクルタイムの短縮化を図られることから低コストで生産することが可能となる。
本実施形態に係わるプラスチック成形品の製造装置の斜視図である。 本実施形態に係わるプラスチック成形品の製造装置の断面図である。 本実施形態に係わるプラスチック成形品の製造装置の断面図である。 樹脂が射出充填される前の製造装置の断面図である。 樹脂が射出充填された後の製造装置の断面図である。 本実施形態に係わるプラスチック成形品の製造装置によって成型された光学素子の斜視図である。 気体噴出口が等間隔で設けられたキャビティ駒の表面のレイアウトである。 気体噴出口が所定の場所に複数設けられたキャビティ駒の表面のレイアウトである。 気体噴出口がスリット状に設けられたキャビティ駒の表面のレイアウトである。
符号の説明
1、2 キャビティ駒
3 気体噴出口
4 有効範囲
5 圧縮空気
6 気泡
7 ゲート
8 樹脂

Claims (12)

  1. 少なくとも1つ以上の転写面を有するとともに、該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の気体噴出し口が設けられ、前記転写面と有するキャビティ駒と前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒とによってキャビティを構成する金型を有するプラスチック成形品製造装置であって、
    前記金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持し、
    前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填し、
    前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を密着させた後、前記気体噴出し口から前記キャビティ内に圧縮空気を吹き込むことを特徴とするプラスチック成形品製造装置。
  2. 前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度が、前記転写面を有するキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度よりも高く制御する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1記載のプラスチック成形品製造装置。
  3. 前記各気体噴出し口から前記キャビティ内へ前記圧縮空気の吹き込みを開始する時間を制御する時間制御手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチック成形品製造装置。
  4. 前記時間制御手段は、前記プラスチック成形品の薄肉部に設けられた前記気体噴出し口から厚肉部に設けられた前記気体噴出し口にかけて順に、前記圧縮空気の吹き込みを開始することを特徴とする請求項3記載のプラスチック成形品製造装置。
  5. 前記気体噴出し口が直径0.2mm以下の穴形状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置。
  6. 前記気体噴出し口が前記転写面を有しないキャビティ駒の前記キャビティ側にある所定の範囲内に設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置。
  7. 前記気体噴出し口が前記転写面を有しないキャビティ駒の前記キャビティ側にスリット状に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置。
  8. 前記気体噴出し口が多孔質部材の孔であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のプラスチック成形品製造装置。
  9. 少なくとも1つ以上の転写面を有するとともに、該転写面以外の面に少なくとも1つ以上の気体噴出し口が設けられ、前記転写面と有するキャビティ駒と前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒とによってキャビティを構成する金型を有するプラスチック成形品製造装置の製造方法であって、
    前記金型を樹脂の軟化温度未満に加熱保持する工程と、
    前記キャビティ内に軟化温度以上に加熱された溶融樹脂を射出充填する工程と、
    前記転写面に樹脂圧力を発生させて樹脂を密着させた後、前記気体噴出し口から前記キャビティ内に圧縮空気を吹き込む工程とを有することを特徴とするプラスチック成形品製造方法。
  10. 前記気体噴出し口が設けられたキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度が、前記転写面を有するキャビティ駒の前記キャビティ側の表面温度よりも高く制御する温度制御工程を有することを特徴とする請求項9記載のプラスチック成形品製造方法。
  11. 前記各気体噴出し口から前記キャビティ内へ前記圧縮空気の吹き込みを開始する時間を制御する時間制御工程を有することを特徴とする請求項9又は10記載のプラスチック成形品製造方法。
  12. 前記時間制御工程は、前記プラスチック成形品の薄肉部に設けられた前記気体噴出し口から厚肉部に設けられた前記気体噴出し口にかけて順に、前記圧縮空気の吹き込みを開始することを特徴とする請求項11記載のプラスチック成形品製造方法。
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