JP2913248B2 - 射出成形機の制御方式 - Google Patents

射出成形機の制御方式

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JP2913248B2 JP24666393A JP24666393A JP2913248B2 JP 2913248 B2 JP2913248 B2 JP 2913248B2 JP 24666393 A JP24666393 A JP 24666393A JP 24666393 A JP24666393 A JP 24666393A JP 2913248 B2 JP2913248 B2 JP 2913248B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の制御方式に
関し、特にバリやヒケ、ソリ等の不良発生防止効果の優
れた制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂製品の射出成形は、樹脂の
可塑化→充填→保圧→冷却という工程で行われる。良品
質の成形品を得るためには、固定金型と可動金型とから
成る金型の温度や金型内樹脂温度、射出圧力等の制御に
加えて、金型に対する型締力や、型開量、すなわち金型
パーティング面間の距離の制御や、充填工程から保圧工
程への切換え、すなわちV−P切換えのタイミング設定
が重要である。
【0003】型締力の制御について言えば、型締力の設
定値F(トン)は、F=A・P/1000という式に基
づいて算出されるのが一般的であり、これまでは充填工
程と保圧工程とを含む射出工程、冷却工程での型締力は
一定に保たれている。なお、Aは成形品受圧面積(cm
2 )で、Pは金型の平均内圧(kg/cm2 )である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
制御方法において型締力が高めに設定されていると、金
型内に樹脂が充填される時に金型内にある空気や溶融樹
脂から発生するガスが射出工程末期に金型から排出され
ずに金型内で圧縮されて残留することにより、ショート
ショットやウェルドあるいは焼け等の不良発生を引き起
こす。この場合、オペレータは、金型内の空気やガスを
排出し易くするために、型締力の設定値を下げるように
操作するが、設定値を下げ過ぎると今度はバリが発生し
易くなるという問題が生ずる。
【0005】そのため、金型のパーティング面にエアー
ベントと呼ばれる数μ〜十数μの隙間を設けたり、特に
ガスの発生し易い熱硬化樹脂の成形では、樹脂が満杯に
なった直後に金型を微量だけ開かせたり、満杯直前の成
形品の隅々まで樹脂が広がった時点で金型が微量だけ開
くように、いわゆる型開量を設定してガスを逃がすよう
にしている。
【0006】しかし、このような方法でも、ガスを逃が
すのに必要な隙間や型開量(材質、形状、射出速度等で
変動する)をあらかじめ得ようと金型を加工したり、設
定したりしているにすぎないので、バリを完全に防止す
ることは難しい。
【0007】以上のような問題点に鑑み、本発明の課題
は、いちいち型開量を設定することなく充填工程に際し
て金型内の空気や、ガスを効率良く逃がしながら、バリ
やヒケ、ソリ等の不良発生を防止することのできる射出
成形機の制御方式を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定プラテン
に取付けた固定金型と、可動プラテンに取付けた可動金
型と、前記可動プラテンを駆動して前記固定金型と前記
可動金型との開閉を行うと共に、型締を行う駆動源とを
有する射出成形機において、プラテン間距離Lを検出す
るための距離センサと、前記駆動源による締付圧力を検
出するための圧力センサと、前記距離センサからの距離
検出信号と前記圧力センサからの圧力検出信号とを用い
て前記駆動源を制御する制御部とを有し、該制御部は、
充填開始後、樹脂が満杯になる前の充填工程においては
任意の初期型締力を与え、この時の前記プラテン間距離
O を制御目標値として記憶し、充填工程中の金型内の
樹脂が与える前記プラテン間距離Lの増加を防ぐように
型締力を自動的に変化させる制御動作を実行し、その後
金型のパーティング面を微量ずつ徐々に開かせるように
型締力を制御することを特徴とする。
【0009】
【作用】上記制御動作は、樹脂が金型内に広がりきった
段階では金型内のガスが逃げるための出口にも樹脂が回
ってしまい、ガスが閉じ込められてしまう場合があるこ
とを考慮した動作である。この動作は、金型内で樹脂が
広がる途中から適宜ガスが逃げるようにすることが有効
で、一般的には樹脂が金型内に満杯になるまでの全射出
ストロークの70〜80パーセント位からガスが逃げる
ようにした方が良いという知見に基づいている。このよ
うな動作により、樹脂が金型内に満杯になる前の広がり
段階から空気やガスの排出が行われ、しかも空気やガス
を抜くのに必要な最低の型開量をオペレータがいちいち
設定せずとも制御部において自動的に制御を行う。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明が適用された射出成形機のうち射出
装置、型締装置の概略構成を示している。射出装置にお
いては、ホッパ11より投入された樹脂を加熱シリンダ
12内で溶融しながらスクリュ13で計量、混練し、溶
融樹脂をスクリュ13の前方に貯留する。貯留された樹
脂は、射出シリンダ14とピストン15より成る油圧シ
リンダ機構によりスクリュ13を前方、すなわち金型側
へ移動させることによりノズル16を通して固定金型1
7と可動金型18とで形成されたキャビティ内に充填さ
れる。なお、射出シリンダ14には充填、保圧工程に応
じて流出入部14−1を通して流量あるいは圧力を制御
された駆動油が出入りする。
【0011】一方、型締装置は、図示しないフレームに
固定され、固定金型17を有する固定プラテン21に対
してリアプラテン22が4本のタイバー23(図では2
本のみ図示)を介して固定支持されている。リアプラテ
ン22に固定された油圧シリンダ24中には油圧ピスト
ン25が配設され、この油圧ピストン25には可動金型
18を固定された可動プラテン26が連結されている。
可動プラテン26は油圧ピストン25の運動に伴ってタ
イバー23上をスライド可能に構成されている。すなわ
ち、可動プラテン26は、図示しない圧力制御弁を通し
て油圧シリンダ24の流出入部24−1から駆動油を注
入すると型閉方向に移動し、流出入部24−2から駆動
油を注入すると型開方向に移動する。
【0012】油圧シリンダ24には油圧検出用の圧力セ
ンサ27が設けられており、金型を閉とした状態で流出
入部24−1側の油圧シリンダ内の油圧力を型締力とし
て検出するための圧力センサ27の検出値にもとづいて
調整することにより型締力を制御できる。また、固定プ
ラテン21と可動プラテン26には、プラテン間距離L
を検出するための距離センサ28が設けられ、固定金型
17と可動金型18の各パーティング面間の微妙な開き
量を測定できるようにしている。なお、ここで言うプラ
テン間距離とは、両金型間のパーティング面間の距離を
含む全金型厚み又は部分的金型厚みを意味する。
【0013】図2、図3はそれぞれ、レーザ方式、うず
電流方式の距離センサの例を示す。図2に示すレーザ方
式の距離センサは、固定プラテン21に設けたレーザ送
受光用のレーザヘッド28−1と可動プラテン26に設
けたレーザ反射用のリフレクタ28−2とから成り、レ
ーザヘッド28−1から後述する制御部へプラテン間距
離の検出信号が送出される。このようなレーザ方式によ
るものは、測定スパンが長く、最大型開量まで測定可能
であり、レーザヘッド28−1、リフレクタ28−2が
それぞれ固定金型17、可動金型18ではなく、固定プ
ラテン21、可動プラテン26に設置されているので、
金型を交換した時でも距離センサの調整は不要である。
【0014】一方、うず電流方式のように測定スパンが
短かいものであっても、センサ部31をストローク可変
の取付け台30に取り付ければ、金型を交換した場合に
は、金型を閉じた状態でセンサ部31が測定スパン内に
あるように調節するだけで良い。
【0015】いずれの方式にしても、センサを金型に直
接取り付ける方式に比べて、金型をセンサ設置のために
特別な構造にする必要が無く、センサを取り付ける構造
を持たない既存の金型でもそのまま使用できるので、金
型交換の作業性が向上し、金型のコストも安くできる。
【0016】図4は本発明による制御方式を実行するた
めに必要な制御系の構成を示す。この制御系は、プラテ
ン間距離、型締力等を入力するための設定器41からの
設定信号、圧力センサ27からの圧力検出信号、距離セ
ンサ28からのプラテン間距離検出信号等にもとづいて
射出成形機のシーケンス処理や関数パターン発生、油圧
シリンダ24用の圧力制御弁42への指令値出力等を行
うマイクロプロセシングユニット43、プラテン間距
離、型締力等のデータを記憶するためのメモリ44等を
有する。
【0017】図5、図6は図4に示した制御系で実行さ
れる型閉から保圧完了までの制御動作の流れを示すフロ
ーチャート図であり、その間のプラテン間距離L、型締
力P、射出速度及び圧力の変化を示す図7をも参照して
制御動作を説明する。
【0018】ステップS1では、成形を開始する前の型
閉動作を行う。
【0019】ステップS2では、従来行なわれているよ
うに型閉動作を行い、可動プラテン26の位置の測定、
あるいは圧力センサ27の検出信号より金型が閉じられ
たことを判断する。この時、固定金型17、可動金型1
8同士は、これらを閉じるために必要な最低の型締力P
1 しか受けていない。
【0020】ステップS3では、金型が閉じられた時の
プラテン間距離Lをマイクロプロセシングユニット43
が初期プラテン間距離LO としてメモリ44に記憶す
る。
【0021】ステップS4では樹脂の充填を開始する。
充填が始まると、ステップS5では、マイクロプロセシ
ングユニット43が初期プラテン間距離LO を目標値と
してこれを維持するように、距離センサ28で検出され
るプラテン間距離Lに応じて圧力制御弁42を制御し、
これに応じて型締力Pが変化する。このように、型締力
Pを変化させてプラテン間距離を初期プラテン間距離L
O を維持しながら充填を行うと、金型は閉じるために必
要な最低の型締力しか受けていないので、金型内に残留
していた空気、樹脂により発生するガスが排出され易く
なり、しかも初期プラテン間距離LO を目標値としてい
るため、樹脂の充填圧力を受けても固定金型17、可動
金型18のパーティング面間が開くことは無く、バリの
発生は無い。このように充填圧力に応じて型締力Pを適
宜変化させると、可動金型18は固定金型17に対し
て、いわばソフトタッチの状態で押し付けられることと
なり、金型から空気、ガスを排出し易くしながら、しか
もバリの発生を防止することができるという効果が得ら
れる。
【0022】ステップS5の動作について更に詳しく説
明する。図8〜図10はそれぞれ、金型に型締力が加わ
らずに金型が閉じた状態、初期型締力が加わった状態、
充填中の樹脂により金型のパーティング面間にΔd3だ
け隙間が発生した状態を示しており、各金型をバネに近
似させて示している。
【0023】図8においては、厚さd1の固定金型17
と厚さd2の可動金型18とが密着しているが、型締力
による圧縮力は加わっていない段階であり、各金型のパ
ーティング面間には隙間が無く、全体の寸法Laは(d
1+d2)である。
【0024】前述したように、成形開始に先立って任意
の初期型締力を設定し、その力で射出前に型締する。こ
の時、各金型は圧縮されてそれぞれΔd1、Δd2だけ
縮む。この時の寸法La−(Δd1+Δd2)が前述し
た初期プラテン間距離L0 に対応し、この値L0 をメモ
リ44(図4)に記憶させる。樹脂が金型におけるラン
ナーやキャビティーに広がりだすと、金型のパーティン
グ面間を微量(Δd3とする)だけ広げようとする。こ
の時、型締力が変化しなければL0 から(L0+Δd
3)に変化し、上記記憶値L0 に対し偏差が発生する。
マイクロプロセシングユニット43は、圧力制御弁42
を制御してこの偏差が0になるように型締力を増加させ
る。
【0025】型締力が上昇すれば金型は更に圧縮され、
(L0 +Δd3)がL0 になるまで圧縮される。この間
樹脂は更に金型内で広がり続け、しかも充填に対する負
荷抵抗は増加してゆくので、金型のパーティング面間の
隙間はΔd3×L0 /(L0+Δd3)から更に広が
る。以下、同様に型締力が増加し、パーティング面間の
隙間はΔd3からΔd3×L0 /(L0 +Δd3)にな
り、更に広がって型締力が増加するというように、パー
ティング面間の微小隙間を確保しながら、かつこの隙間
がバリの発生するに十分な値になる前に型締力を増加さ
せつつ樹脂を充填してゆく。
【0026】この微小隙間は、初期型締力、樹脂の広が
り方、負荷抵抗、油圧シリンダ機構の制御系の応答速度
で決まるものであるが、微小隙間は低い初期型締力の段
階から発生するので、最終的に樹脂が広がってからでは
なく、樹脂流入途中からガス抜きが行われることにな
る。また、微小隙間が発生すると、直ちに型締力が増加
し、微小隙間は押さえられるのでバリの発生も防止され
ることになる。
【0027】更に、金型のパーティング面間の許容隙間
は数μのオーダーで、その制御系を満足するためには1
/10μのオーダーの変化を検出するセンサが必要にな
る。これをノイズや温度変化の影響を受けないようにす
るには、現技術レベルでは非常に困難である。
【0028】しかるに、本発明では、プラテン間の距離
を検出するので金型の一部または全部の圧縮しろも加わ
り、距離センサで検出すべき変化は数10μから100
μ前後にもなり、ミクロンオーダーの分解能のセンサで
も制御可能となる。
【0029】次に、ステップS6では、マイクロプロセ
シングユニット43は圧力センサ27で検出される型締
力Pの微分値ΔPを監視し、微分値ΔPが所定値ΔP1
を越えたかどうかの判定動作を行う。これは、充填が進
んで金型内に樹脂が充満し始めることにより金型が開こ
うとし、これに対してマイクロプロセシングユニット4
3は初期プラテン間距離LO を保持するために圧力制御
弁42への指令値を増加させて型締力Pを増加させるか
らである。
【0030】図11は、型締力Pとその微分値ΔPの挙
動を示し、ここでは微分値ΔPが所定値ΔP1 を越えた
時点でステップS7に移行してV−P切換え、すなわち
充填工程から保圧工程への切換えを行う。このような判
定動作によれば、金型内への樹脂の充満を正確にとらえ
ることができ、しかも従来のようなタイマ等による特別
な設定無しで理想的なV−P切換えを行うことができ
る。なお、この型締力の微分値ΔPによるV−P切換え
タイミングの判断は、図11から明らかなように、微分
値ΔPの増加が止まって一定値に達したことをもって行
うようにしても良い。また、上記判定動作に型締力Pそ
のものではなく微分値ΔPを用いるのは、射出条件が変
わった場合には、型締力Pの値が変化するので上記のよ
うな判定は難しいのに対し、微分値ΔPを用いると、射
出条件にかかわりなくその挙動は必ず図11(b)に示
すようになり、上記判断が可能であることによる。
【0031】次に、充填工程から保圧工程への切換えが
行われると、ステップS8ではマイクロプロセシングユ
ニット43は切換え時点での型締力P2 をメモリ44に
記憶する。続いて、ステップS9では、マイクロプロセ
シングユニット43は記憶された型締力P2 を目標値と
して圧力制御弁42を制御することにより、型締力Pを
目標値P2 に維持する動作を行う。この状態では、金型
内に樹脂がほぼ充満しているが、保圧動作によって金型
内には更に樹脂が充填されるため、金型内の圧力が増加
して金型は開こうとする。これに対して型締力を目標値
2 に維持することにより、図7に示すように意図的に
金型を開かせ、金型内に充填される樹脂の流動の急激な
変化を緩和して、成形品への歪み等の悪影響を防ぐ、い
わばクッション効果が得られる。
【0032】ステップS10では、上記の理由により金
型が開こうとしてプラテン間距離Lが増加する。マイク
ロプロセシングユニット43は、プラテン間距離Lがあ
らかじめ設定されたプラテン間距離の制限を開始すべき
制限開始プラテン間距離LSと一致するかどうかの判定
動作を行い、一致するとステップS11に移行する。
【0033】ステップS11では、マイクロプロセシン
グユニット43は、制限開始プラテン間距離LS からあ
らかじめ定められた制限終了プラテン間距離LE までそ
の形状が滑らかな関数パターンLP を発生する。そし
て、この関数パターンLP で規定される値を目標値とし
てプラテン間距離Lが関数パターンLP に追従するよう
に圧力制御弁42を制御して型締力Pを調整する。
【0034】関数パターンLP としては、図12に実線
で示すようにLE >LS とする場合には例えば一次遅れ
関数とし、破線で示すようにLE <LS とする場合には
例えば指数関数とする。このように、ステップS11で
はバリが発生しない最大のプラテン間距離を制限するこ
とが設定により可能であるので、バリの発生防止を実現
できる。また、滑らかな変化のパターンで金型内の樹脂
流動の急激な変化を抑制しながらプラテン間距離を制御
するため、金型内のゲート近傍領域とゲートから離れた
遠方領域の圧力差を小さくし、ヒケ、ソリ等の不良発生
を防止することができる。
【0035】更には、制限開始プラテン間距離LS 、制
限終了プラテン間距離LE 、関数パターンLP を規定す
る時定数T1 の設定次第で関数パターンLP の形状を任
意に変更することができるので、成形品の肉厚、樹脂の
種類(粘度、温度特性、固化速度等)に応じてオペレー
タが最適な条件を設定することができる。例えば、樹脂
は圧縮性を持っているので、成形品の肉厚が厚い場合、
プラテン間距離Lが制限開始プラテン間距離LS に達し
た後も樹脂は充填されているため、LE >LSとして金
型を徐々に開かせる方法をとることができる。逆に、肉
厚が薄いものに対しては、プラテン間距離Lが制限開始
プラテン間距離LS に達した後の充填は少ないので、L
E <LS として金型を徐々に閉じる方法をとることがで
きる。
【0036】なお、ΔL=LS −LE 、時定数T1 の設
定値を複数種類だけ固定値として設定してメモリ44に
記憶しておき、オペレータは制限開始プラテン間距離L
S を設定すると共に、これらの値の中から最適な値を選
択して最適パターンを選定できるようにしても良い。
【0037】ステップS12では、マイクロプロセシン
グユニット43が関数パターンLPで規定された値が制
限終了プラテン間距離LE に一致するかどうかの判定動
作を行い、一致すると関数パターンLP の発生を終了し
てステップS13に移行する。ステップS13では、マ
イクロプロセシングユニット43は関数パターンLP
発生終了時点の型締力P3 を測定してメモリ44に記憶
する。ステップS14では、マイクロプロセシングユニ
ット43が型締力P3 を目標値として圧力制御弁42を
制御することにより、型締力をP3 に維持する制御動作
を実行する。
【0038】ステップS15では、保圧が進むにつれて
金型のゲートシール化が進むので金型内への樹脂の充填
は少なくなり、加えて金型内の樹脂の冷却、固化による
収縮作用によりプラテン間距離Lは減少する。その間、
マイクロプロセシングユニット43は、プラテン間距離
Lの2回微分値d2 L/dt2 を監視してプラテン間距
離Lの変化の変曲点、すなわちプラテン間距離Lの微分
値ΔLの最小値を検出し、検出した時点でステップS1
6に進んで型締力を上げて射出圧縮を開始する。なお、
変曲点検出の原理は、図13に示すように、プラテン間
距離Lの2回微分値d2 L/dt2 が0となることで判
断できる。
【0039】ところで、最適な射出圧縮開始のタイミン
グについて言えば、そもそも射出圧縮の目的は、成形品
の樹脂の収縮を型締側で補うことにある。この場合、圧
縮のタイミングが早過ぎると樹脂の温度が高く、金型の
ゲートからノズル側への逆流が発生したり、金型内の樹
脂が移動することによってヒケが発生するなどして圧縮
効果を期待できない。一方、圧縮のタイミングが遅過ぎ
ると、金型内の成形品の表面で固化が進むため全体に均
一な圧力を加えることができない。すなわち、圧縮力が
低い時は固化が進んでいない箇所には圧縮力を伝達する
ことができず、圧縮力が高い時には固化が進んでいる箇
所に圧力がかかりすぎて歪みを生ずる。
【0040】これに対し、本発明者は、最適な射出圧縮
は、樹脂の収縮が最も進むポイントで開始することが成
形品の内部応力、転写性、形状等に最も効果のあること
を発見した。ステップS15においてプラテン間距離L
の減少度の最も大きいポイント、すなわち変曲点は、保
圧工程中最も樹脂の収縮が進んでいるタイミングでもあ
る。このことから、変曲点検出方式によれば最適な射出
圧縮開始のタイミングを自動的に見出すことができる。
【0041】ステップS16では、マイクロプロセシン
グユニット43が現在の型締力P3からあらかじめ設定
された最大型締力PM までを目標とした一次遅れ関数パ
ターンPP を発生し、型締力がこのパターンPP に追従
するように圧力制御弁42を制御する。このパターンP
P も、前述した関数パターンLP と同様に、これを規定
している時定数T2 をオペレータが変更することで任意
に設定することができるし、時定数T2 の設定値を複数
個固定値としてメモリ44に記憶させておき、オペレー
タが樹脂の固化速度、成形品の形状等に応じて最適なパ
ターンとなるように選定できるようにしても良い。ある
いは、このパターンPP は、マイクロプロセシングユニ
ット43の処理能力次第では、もっと単純な関数、例え
ば一次関数でも良い。
【0042】ステップS17では、マイクロプロセシン
グユニット43は、関数パターンPP で規定された型締
力が最大型締力PM と一致するかどうかを監視し、一致
するとステップS18に移行して保圧工程を完了する。
これは、ステップS15における変曲点前後から金型内
の樹脂の冷却、固化が進み、関数パターンPP による型
締力が最大型締力PM と一致する時点では、金型のゲー
トは既にシールされて保圧をかける必要はなくなるから
である。よって、このタイミングをもって保圧完了の条
件とすることができる。
【0043】以上で1回の成形サイクルが終了する。
【0044】なお、本例では油圧式の成形機の例を示し
ているが、他の方法では型締力を制御する因子は圧力だ
けではなく、サーボモータ式では電流やトルクに相当す
ることは周知の通りである。また、プラテン間距離は、
距離センサをプラテン以外の部分、例えば金型に取り付
けることでパーティング面間を含む金型の部分的厚みを
測定するようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば射出工程中においては金型が閉じるために必要な最低
の型締力でプラテン間距離が一定になるように制御する
ことにより、金型内に閉じ込められやすい空気やガスの
排出を効果的に行うことができるので、成形品のバリ、
ヒケ、ソリ、歪み等の不良発生を無くすことができる。
しかも、良品を得るための最低の射出圧力及び型締力を
実現できるので、エネルギー消費を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された射出成形機のうち射出装
置、型締装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明で使用される距離センサの一例を説明す
るための図である。
【図3】本発明で使用される距離センサの他の例を説明
するための図である。
【図4】本発明による制御系の概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】本発明による制御動作の前半部分を説明するた
めのフローチャート図である。
【図6】本発明による制御動作の後半部分を説明するた
めのフローチャート図である。
【図7】本発明による制御動作の過程におけるプラテン
間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示した図であ
る。
【図8】図5におけるステップS5を詳しく説明するた
めに金型をそこに型締力が加わらずに閉じた状態を示し
た図である。
【図9】図8の状態から初期型締力が加わった状態を示
した図である。
【図10】図9の状態から充填中の樹脂により金型のパ
ーティング面にΔd3だけ隙間が発生した状態を示した
図である。
【図11】本発明によるV−P切換えのタイミングを説
明するために型締力とその微分値の変化を示した図であ
る。
【図12】本発明により発生されるプラテン間距離規定
のための関数パターンの例を示した図である。
【図13】本発明によるプラテン間距離の変化の変曲点
を検出する原理を説明するための図である。
【符号の説明】
15 ピストン 16 ノズル 17 固定金型 18 可動金型 21 固定プラテン 22 リアプラテン 23 タイバー 24 油圧シリンダ 25 油圧ピストン 26 可動プラテン 27 圧力センサ 28 距離センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プラテンに取付けた固定金型と、可
    動プラテンに取付けた可動金型と、前記可動プラテンを
    駆動して前記固定金型と前記可動金型との開閉を行うと
    共に、型締を行う駆動源とを有する射出成形機におい
    て、プラテン間距離Lを検出するための距離センサと、
    前記駆動源による締付圧力を検出するための圧力センサ
    と、前記距離センサからの距離検出信号と前記圧力セン
    サからの圧力検出信号とを用いて前記駆動源を制御する
    制御部とを有し、該制御部は、充填開始後、樹脂が満杯
    になる前の充填工程においては任意の初期型締力を与
    え、この時の前記プラテン間距離LO を制御目標値とし
    て記憶し、充填工程中の金型内の樹脂が与える前記プラ
    テン間距離Lの増加を防ぐように型締力を自動的に変化
    させる制御動作を実行し、その後金型のパーティング面
    を微量ずつ徐々に開かせるように型締力を制御すること
    を特徴とする射出成形機の制御方式。
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