JP3089454B2 - 射出成形機の制御方式 - Google Patents

射出成形機の制御方式

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JP3089454B2
JP3089454B2 JP07084367A JP8436795A JP3089454B2 JP 3089454 B2 JP3089454 B2 JP 3089454B2 JP 07084367 A JP07084367 A JP 07084367A JP 8436795 A JP8436795 A JP 8436795A JP 3089454 B2 JP3089454 B2 JP 3089454B2
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芳幸 今冨
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の制御方式に
関し、特にバリ、ヒケ、ソリ等の不良発生防止に有効
で、しかもオペレータの操作性を向上させることのでき
る制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂製品の射出成形は、樹脂の
可塑化→充填→保圧→冷却という工程で行われる。良品
質の成形品を得るためには、固定金型と可動金型とから
成る金型の温度や金型内樹脂温度、射出成形機の射出速
度、射出圧力等の制御に加えて、金型に対する型締力や
型開量、すなわち金型パーティング面間の制御や、充填
工程から保圧工程への切換え、すなわちV−P切換えの
タイミング設定が重要である。
【0003】型締力の制御では、型締力の設定値F(ト
ン)は、F=A・P/1000という式にもとづいて算
出されるのが一般的であり、これまでは充填工程と保圧
工程とを含む射出工程、冷却工程での型締力は一定に保
たれている。なお、Aは成形品投影面積(受圧面積)
(cm2 )で、Pは金型の平均内圧(kg/cm2 )で
ある。ところが、このような制御方法において型締力が
高めに設定されていると、金型内に樹脂が充填される前
に金型内にある空気や溶融樹脂から発生するガスが射出
工程末期に金型から排出されずに金型内で圧縮されて残
留することにより、ショートショットやウェルドあるい
は焼け等の不良発生を引き起こす。この場合、オペレー
タは、金型内の空気やガスを排出しやすくするために、
型締力の設定値を下げるように操作するが、設定値を下
げすぎると今度はバリが発生し易くなるという問題が生
ずる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一方、充填工程から保
圧工程への切換えについて言えば、切換えの判断はオペ
レータの設定する加熱シリンダ内のスクリュ位置、樹脂
充填時間、スクリュを駆動する射出シリンダの圧力等に
もとづいて行っている。しかしながら、スクリュ位置や
充填時間で切換えを判断する方法では、可塑化された樹
脂の密度、温度がばらついているとスクリュが樹脂の計
量完了位置から保圧工程への切換え位置に移動するまで
の間の樹脂量にばらつきが生じ、金型内に充填される樹
脂量がばらつくという結果が生ずる。一方、射出シリン
ダの圧力で切換えを行う方法では、射出シリンダの圧力
から金型内圧までの間に種々の圧力損失があるために正
確な樹脂量の管理ができないという問題がある。
【0005】いずれにしても、充填工程から保圧工程へ
の切換えタイミングは、オペレータの経験にもとづいて
設定されているが、この切換えタイミングは成形品の形
状や金型構造によっても変化するため、最適の切換えタ
イミングを設定するのは非常に困難である。
【0006】次に、保圧工程におけるバリ発生防止対策
について説明する。通常、充填工程から保圧工程に切り
換わった直後から、金型内への樹脂充填はほぼ完了して
いるため、固定金型と可動金型のパーティング面間を開
かせようとする力が発生し、微小の型開量が発生する。
そして、射出圧力によってパーティング面間を開かせよ
うとする力が型締力よりも過大であれば型開量は大きく
なり、結果としてバリが発生する。そのため、オペレー
タは、型締力の設定値を上げたり、射出の条件を射出圧
力が過大にならないように設定値を変更する。
【0007】ところが、前述したように型締力を射出工
程中一定に保つ方法の場合、むやみに型締力を増加させ
ることは、金型内の空気、ガス逃げを悪化させ、ショー
トショット、ウェルド、焼け等の不良発生の原因とな
る。また、射出の条件を変更する場合もオペレータの経
験に頼ることになり、条件出しに長時間を要することに
なる。更には、仮に良品の条件を見出した後も樹脂、金
型等の温度変動等により最適な射出と型締のバランスが
くずれて不良品を発生する場合もある。
【0008】以上のような問題点を解決するために、本
発明の主たる課題は、これまでオペレータの経験にもと
づいて行われていた各種設定値の決定及び入力作業をで
きるだけ少なくすることのできる射出成形機の制御方式
を提供することにある。
【0009】本発明の他の課題は、特に、充填工程から
保圧工程への切換えまでの制御を改善してバリやヒケ、
ソリ等の不良発生防止に有効な射出成形機の制御方式を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定プラテン
に取り付けた固定金型と、可動プラテンに取り付けた可
動金型と、前記可動プラテンを駆動して前記固定金型と
前記可動金型との開閉を行うと共に、型締を行う駆動源
とを有し、充填工程から保圧工程を経て一連の成形動作
を行う射出成形機において、前記二つのプラテンに設け
られてこれら二つのプラテンにおけるプラテン間距離L
を検出するための距離センサと、前記駆動源による締め
付け圧力を型締力として検出するための圧力センサと、
前記距離センサからの距離検出信号と前記圧力センサか
らの前記型締力を表す圧力検出信号等を用いて前記駆動
源を制御する制御部とを有し、該制御部は、樹脂の充填
が開始されると、充填工程から保圧工程への切換えの前
に、予め定められた型締力P1を維持するように前記駆
動源を制御し、樹脂充填が進む結果、前記プラテン間距
離が増加して、予め定められたプラテン間距離Laに到
達すると、前記プラテン間距離が前記予め定められた値
Laとなるように制御するステップを実行することを特
徴とする。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明が適用された射出成形機のうち射出
装置、型締装置の概略図を示している。射出装置におい
ては、ホッパ11より投入された樹脂を加熱シリンダ1
2内で溶融しながらスクリュ13で計量、混練し、溶融
樹脂をスクリュ13の前方に貯留する。貯留された樹脂
は、射出シリンダ14とピストン15より成る油圧シリ
ンダ機構によりスクリュ13を前方、すなわち金型側へ
移動させることによりノズル16を通して固定金型17
と可動金型18とで形成されたキャビティ内に充填され
る。なお射出シリンダ14には充填、保圧工程に応じて
流出入部14−1を通して流量あるいは圧力を制御され
た駆動油が出入りする。
【0012】一方、型締装置は、図示しないフレームに
固定され、固定金型17を有する固定プラテン21に対
してリアプラテン22が4本のタイバー23(図では2
本のみ図示)を介して固定支持されている。リアプラテ
ン22に固定された油圧シリンダ24中には油圧ピスト
ン25が配設され、この油圧ピストン25には可動金型
18を固定された可動プラテン26が連結されている。
可動プラテン26は油圧ピストン25の運動に伴ってタ
イバー23上をスライド可能に構成されている。すなわ
ち、可動プラテン26は、図示しない圧力制御弁を通し
て油圧シリンダ24の流出入部24−1から駆動油を注
入すると型閉方向に移動し、流出入部24−2から駆動
油を注入すると型開方向に移動する。
【0013】油圧シリンダ24には油圧を型締力として
検出するための圧力センサ27が設けられており、金型
を閉とした状態で流出入部24−1側の油圧シリンダ内
の油圧力を、圧力センサ27の検出値にもとづいて調整
することにより型締力を制御できる。また、固定プラテ
ン21と可動プラテン26には、プラテン間距離Lを検
出するための距離センサ28が設けられ、固定金型17
と可動金型18の各パーティング面間の微妙な開き量を
測定できるようにしている。なお、ここで言うプラテン
間距離とは、上記パーティング面間の距離、いわゆる型
開量を含む金型厚または部分的金型厚を意味するが、そ
の挙動は型開量の挙動とほぼ同じである。
【0014】なお、射出装置、型締装置は、図示してい
ないが、上記した圧力センサ27、距離センサ28の他
に、スクリュ位置を検出するためのスクリュ位置セン
サ、ノズル16内あるいは金型内の樹脂圧を検出するた
めの樹脂圧センサ、射出シリンダ14の油圧を検出する
ための射出圧センサ等の各種センサが設けられている。
【0015】図2,図3はそれぞれ、レーザ方式、渦電
流方式の距離センサの例を示す。図2に示すレーザ方式
の距離センサは、固定プラテン21に設けたレーザ送受
光用のレーザヘッド28−1と可動プラテン26に設け
たレーザ反射用のリフレクタ28−2とから成り、レー
ザヘッド28−1から後述する制御部へプラテン間距離
の検出信号が送出される。このようなレーザ方式による
ものは、測定スパンが長く、最大型開量まで測定可能で
あり、レーザヘッド28−1、リフレクタ28−2がそ
れぞれ固定金型17、可動金型18ではなく、固定プラ
テン21、可動プラテン26に設置されているので、金
型を交換したときでも距離センサの調整は不要である。
【0016】一方、図3に示す渦電流方式のように測定
スパンが短いものであっても、センサ部31をストロー
ク可変の取り付け台30に取り付ければ、金型を交換し
た場合には、金型を閉じた状態でセンサ部31が測定ス
パン内にあるように調節するだけでよい。
【0017】いずれの方式にしても、センサを金型に直
接取り付ける方法に比べて、金型をセンサ設置のために
特別な構造にする必要が無く、センサを取り付ける構造
を持たない既存の金型でもそのまま使用できるので、金
型交換の作業性が向上し、金型のコストも安くできる。
【0018】図4は本発明による制御方式を実行するた
めに必要な制御系の構成を示す。この制御系は、プラテ
ン間距離、型締力等を入力するための設定器41からの
設定信号、圧力センサ27からの圧力検出信号、距離セ
ンサ28からのプラテン間距離検出信号、更に前述した
各種センサからの検出信号等にもとづいて射出成形機の
シーケンス処理や関数パターン発生、油圧シリンダ24
用の圧力制御弁42への指令値出力等を行うマイクロプ
ロセッシングユニット43、プラテン間距離、型締力等
のデータを記憶するためのメモリ44等を有する。な
お、マイクロプロセッシングユニット43は、タイマに
よる時間監視機能をも有する。
【0019】図5、図6は図4に示した制御系で実行さ
れる型締から保圧完了までの制御動作の流れを示すフロ
ーチャート図であり、その間のプラテン間距離L、型締
力P、射出速度及び圧力の変化を示す図7をも参照して
制御動作を説明する。
【0020】ステップS1では、成形を開始する前の型
締動作を行う。ステップS2では、従来行われているよ
うに型締動作を行い、可動プラテン26の位置の測定、
あるいは圧力センサ27の検出信号より金型が閉じられ
たことを判断する。この時、固定金型17、可動金型1
8同士は、これらを閉じるために必要な最低の型締力P
1しか受けていない。
【0021】ステップS3では、金型が閉じられたとき
のプラテン間距離Lをマイクロプロセッシングユニット
43が初期プラテン間距離Loとしてメモリ44に記憶
する。
【0022】ステップS4では樹脂の充填を開始する。
充填が始まると、ステップS5では、マイクロプロセッ
シングユニット43が型締力Pを目標値P1に維持する
ように圧力制御弁42を制御する。樹脂の充填が進む
と、金型内の樹脂圧が高まり型締力P1では初期プラテ
ン間距離Loを維持できなくなり、プラテン間距離Lが
増加する。
【0023】ステップS6では、マイクロプロセッシン
グユニット43はプラテン間距離Lが予め設定された値
Laと一致するかどうかの判定動作を行い、一致すると
ステップS7に移行する。
【0024】ステップS7では、マイクロプロセッシン
グユニット43はプラテン間距離Laを目標値として、
これを充填工程終了まで維持するように、圧力制御弁4
2を制御する。このとき型締力Pは増加している。
【0025】このように、充填工程中に低い型締力で金
型を閉じているので、金型内に残留していた空気、樹脂
により発生するガスが排出され易くなり、更に、金型内
に充填されている樹脂圧でプラテン間距離が開かれるこ
とによって、ガスや空気の排出が促進される。
【0026】しかも、樹脂の充填が進み、プラテン間が
金型内の樹脂圧によって開かれていても、予め設定され
たプラテン間距離Laに到達するとプラテン間距離La
を目標値として制御するので、プラテン間距離Laが適
正であればバリの発生は無い。このとき、固定金型1
7、可動金型18のパーティング面間は微小量開くが、
プラテン間距離Laの値が適正であれば樹脂がパーティ
ング面間の隙間に入り込むことはなく、バリの発生を防
止することができる。
【0027】なお、充填工程中の型締動作は、マイクロ
プロセッシングユニット43によりスクリュ位置を監視
し、充填開始からスクリュが予め定められた所定位置に
達するまでは、型締力Pを目標値P1に維持するように
圧力制御弁42を制御し、スクリュが予め定められた所
定位置に達してからは、マイクロプロセッシングユニッ
ト43がプラテン間距離Lを監視し、予め設定された値
Laと一致するかどうかの判定動作を行い、一致したら
プラテン間距離Laを目標値としてこれを充填工程終了
まで維持するように圧力制御弁42を制御しても良い。
【0028】また、樹脂の充填開始後、充填工程から保
圧工程への切換えが行われるまでの間は、プラテン間距
離Lが一定値Loとなるように圧力制御弁42を制御し
ても良い。
【0029】ステップS8では、マイクロセロセッシン
グユニット43はスクリュ位置センサからの検出信号を
監視し、スクリュがあらかじめ定められた所定位置まで
移動したかどうかの判定動作を行う。そして、スクリュ
が所定位置に到達すると、ステップS9に移行してV−
P切換え、すなわち充填工程から保圧工程への切換えを
行う。
【0030】なお、V−P切換え動作は、マイクロプロ
セッシングユニット43において前述した樹脂圧センサ
あるいは射出圧センサの検出信号を監視することにより
行うこともできる。すなわち、充填を開始してからノズ
ル16内あるいは金型内の樹脂圧が所定値に達したかど
うかをマイクロプロセッシングユニット43で判定し
て、所定値に達した時にV−P切換えを行う。あるい
は、射出シリンダ14内の油圧が所定油圧まで上昇した
かどうかを監視して、所定油圧に達した時にV−P切換
えを行うようにしても良い。更に、マイクロプロセッシ
ングユニット43の持つタイマによる時間監視機能によ
り、充填開始からあらかじめ定められた時間が経過した
ことを持ってV−P切換えを行うようにしても良い。加
えて、充填を開始してから型締力を監視してこの型締力
が所定値に達した時に、V−P切換えを行うようにして
も良いし、充填を開始してから型締力の変化の微分値を
監視してこの微分値が所定値に達した時に、V−P切換
えを行うようにしても良い。
【0031】次に、充填工程から保圧工程への切換えが
行われると、ステップS10ではマイクロプロセッシン
グユニット43は切換え時点での型締力P2をメモリ4
4に記憶する。続いて、ステップS11では、マイクロ
プロセッシングユニット43は記憶された型締力P2を
目標値として圧力制御弁42を制御することにより、型
締力Pを目標値P2に維持する動作を行う。この状態で
は、金型内に樹脂がほぼ充満しているが、保圧動作によ
って金型内には更に樹脂が充填されるため、金型内の圧
力が増加して金型は開こうとする。これに対して型締力
を目標値P2に維持することにより、図7に示すように
意図的に金型を開かせ、金型内に充填される樹脂の流動
の急激な変化を緩和して、成形品への歪み等の悪影響を
防ぐ、いわばクッション効果が得られる。
【0032】ステップS10、S11のように、充填工
程から保圧工程に切り換えられた時点の型締力P2を保
持する方法に代えて、次の方法を採用しても良い。第1
にはスクリュ位置センサの信号でスクリュの位置を監視
して所定位置に到達した時の型締力を保持する。第2に
は射出圧センサの信号で射出シリンダ14の油圧を監視
して、油圧力が所定値に達した時の型締力を保持する。
第3には樹脂圧センサの信号でノズル16あるいは金型
の内圧を監視し、この圧力が所定値に達した時の型締力
を保持する。第4にはマイクロプロセッシングユニット
43の持つタイマによる時間監視機能により、ステップ
S4における充填開始からの時間経過を監視し、所定時
間に達した時点の型締力を保持する。なお、これらの型
締力の保持はいずれも充填工程から保圧工程に切り換え
られる前に行われる点でステップS10、S11とは異
なるが、金型内にはいる樹脂量に応じて型締力を保持す
るタイミングを決めることができる方法であり、成形品
の不良発生防止に効果がある。また、上記の型締力の保
持タイミングを決めるためのスクリュの位置、射出シリ
ンダ14の油圧、ノズル16あるいは金型の内圧、タイ
マによる時間はそれぞれ、ステップS8、S9で説明し
た充填工程から保圧工程への切り換えタイミングを決め
るためのスクリュの位置、射出シリンダ14の油圧、ノ
ズル16あるいは金型の内圧、タイマによる時間とは異
なることは言うまでも無い。
【0033】更に、型締力の保持タイミングの設定方法
は、V−P切換えを行った後に保圧工程開始からの時間
を監視して、所定時間経過時の型締力を保持するように
しても良い。
【0034】ステップS12では、上記の理由により金
型が開こうとしてプラテン間距離Lが増加する。マイク
ロプロセッシングユニット43は、プラテン間距離Lが
あらかじめ設定されたプラテン間距離の制御を開始すべ
き制御開始プラテン間距離LSと一致するかどうかの判
定動作を行い、一致するとステップS13に移行する。
【0035】ステップS13では、マイクロプロセッシ
ングユニット43は、制御開始プラテン間距離Lsから
あらかじめ定められた制御終了プラテン間距離Leまで
その形状が滑らかな関数パターンLP1を発生する。そ
して、この関数パターンLP1で規定される値を目標値
としてプラテン間距離Lが関数パターンLP1に追従す
るように圧力制御弁42を制御して型締力Pを調整す
る。
【0036】関数パターンLP1としては、図8に実線
で示すようにLe>Lsとする場合には例えば一次遅れ
関数とし、破線で示すようにLe<Lsとする場合には
例えば指数関数とする。このように、ステップS13で
はバリが発生しない最大のプラテン間距離を制限するこ
とが設定により可能であるので、バリの発生防止を実現
できる。また、滑らかな変化のパターンで金型内の樹脂
流動の急激な変化を抑制しながらプラテン間距離を制御
するため、金型内のゲート近傍領域とゲートから離れた
遠方領域との圧力差を小さくし、ヒケ、ソリ等の不良発
生を防止することが出来る。
【0037】更に、制御開始プラテン間距離Ls、制御
終了プラテン間距離Le、関数パターンLP1を規定す
る時定数T1の設定次第で関数パターンLP1の形状を
任意に変更することができるので、成形品の肉厚、樹脂
の種類(粘度、温度特性、固化速度等)に応じてオペレ
ータが最適な条件を設定することができる。例えば、樹
脂は圧縮性を持っているので、成形品の肉厚が厚い場
合、プラテン間距離Lが制御開始プラテン間距離Lsに
達した後も樹脂は充填されている。このため、Le>L
sとして金型を徐々に開かせる方法をとることができ
る。逆に、肉厚が薄いものに対しては、プラテン間距離
Lが制御開始プラテン間距離Lsに達した後の充填は少
ないので、Le<Lsとして金型を徐々に閉じる方法を
とることができる。
【0038】なお、ΔL=Ls−Le、時定数T1の設
定値を複数種類だけ固定値として設定してメモリ44に
記憶しておき、オペレータは制御開始プラテン間距離L
sを設定すると共に、これらの値の中から最適な値を選
択して最適パターンを選定できるようにしても良い。
【0039】ステップS5〜S13は、次のステップで
置き換えられても良い。すなわち、充填を開始してから
保圧工程に切換えられるまで初期プラテン間距離Loを
維持するようにし、充填工程から保圧工程への切り換え
時点で初期プラテン間距離Loからあらかじめ定められ
た制御終了プラテン間距離Leまでその形状が滑らかな
関数パターンを発生する。そして、この関数パターンで
規定される値を目標値としてプラテン間距離Lが関数パ
ターンに追従するように圧力制御弁42を制御して型締
力Pを調整する。
【0040】ステップS14では、マイクロプロセッシ
ングユニット43が関数パターンLP1で規定された値
が制御終了プラテン間距離Leに一致するかどうかの判
定動作を行い、一致すると関数パターンLP1の発生を
終了してステップS15に移行する。
【0041】ステップS15では、マイクロプロセッシ
ングユニット43が関数パターンLP1の発生終了時点
からタイマによる計時を開始して、所定時間t1が経過
するまでは制御終了プラテン間距離Leを目標値として
これを維持するように圧力制御弁42を制御する。この
時型締力Pは増加している。
【0042】ステップS16では、保圧が進むにつれて
金型のゲートシール化が進むので金型内への樹脂の充填
は少なくなり、加えて金型内の樹脂の冷却、固化により
収縮作用により、型締力の増加分が徐々に小さくなり最
後には減少し始める。その間、マイクロプロセッシング
ユニット43は、タイマ動作を開始してから所定時間t
1が経過したかどうかを監視し、所定時間経過した時点
でステップS17に移行する。
【0043】ステップS17では、マイクロプロセッシ
ングユニット43が所定時間t1経過時点の型締力P3
を測定してメモリ44に記憶する。ステップS18で
は、保圧工程、冷却工程が終了するまで型締力P3を目
標値として圧力制御弁42を制御することにより、型締
力をP3に維持する制御動作を実行する。この時、プラ
テン間距離Lは徐々に減少する。以上で1回の成形サイ
クルが終了する。
【0044】図9、図10は図7のステップS16以降
の変形例を示す。図9の例では、図7のステップS16
に代えて型締力の増加分ΔPを監視し、型締力がピーク
値に達してから負になる点を検出する。ΔPが負になっ
たことが検出されると、その時点の型締力P3´を測定
してメモリ44に記憶し、型締力P3´を目標値として
圧力制御弁42を制御することにより、型締力を所定時
間t2だけP3´に維持する制御動作を実行する。この
時、プラテン間距離Lは徐々に減少する。続いて、マイ
クロプロセッシングユニット43は、ΔP<0を検出し
てから所定時間t2が経過したかどうかを監視し、所定
時間t2経過した時点で型締力を上げて射出圧縮を開始
する。すなわち、マイクロプロセッシングユニット43
が現在の型締力P3´からあらかじめ設定された最大型
締力Pm までを目標とする一時遅れ関数パターンPp
発生し、型締力がこの関数パターンPp に追従するよう
に圧力制御弁42を制御する。この関数パターンP
p も、前述した関数パターンLP1と同様に、これを規
定している時定数Tp をオペレータが変更することで任
意に設定することができるし、時定数Tp の設定値を複
数個固定値としてメモリ44に記憶させておき、オペレ
ータが樹脂の固化強度、成形品の形状等に応じて最適な
パターンとなるように選定できるようにしても良い。あ
るいは、この関数パターンPp は、マイクロプロセッシ
ングユニット43の処理能力次第では、もっと単純な関
数、例えば一次関数でも良い。続いて、マイクロプロセ
ッシングユニット43は、型締力Pが関数パターンPp
で規定された値Pm と一致するかどうか監視し、一致す
ると、型締力Pm を目標値として圧力制御弁42を制御
することにより、保圧工程、冷却工程が終了するまで型
締力をPm に維持する制御動作を実行する。
【0045】また、図10に示すように、図9において
型締力の増加分ΔPがピーク値に達してから負になった
ことを検出した後、型締力を監視しながら制御終了プラ
テン間距離Le を維持する動作を続け、型締力がP3よ
りも低いP4まで低下した時にこの型締力P4を保持す
る制御動作を実行して終了するようにしても良い。
【0046】なお、本例では油圧式成形機の例を示して
いるが、本発明はディスク成形機や電動成形機にも応用
可能であり、電動式の場合には制御すべき因子を、圧力
だけでなく、圧力を電流やトルクに対応させることで制
御可能であることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば次のような効果が得られる。距離センサを、金型では
なく固定プラテン、可動プラテンに設置したことによ
り、金型交換の作業性を向上させることが出来るだけで
なく、金型の構造を単純にすることができ、しかも金型
にかかるコストを低減化できる。
【0048】射出工程中のプラテン間距離の制御、型締
力の制御により、充填工程の設定を単純化でき、オペレ
ータの経験に頼ることなく良品のための条件出しを実現
でき、そのための時間も短縮できる。
【0049】成形品のバリ、ヒケ、ソリ、歪等の不良発
生を無くすことができる。
【0050】毎ショット安定した型開量、型締力の挙動
を実現でき、成形品のショット間ばらつきを少なくする
ことができる。樹脂、金型温度、油圧シリンダの駆動油
温度の変動による成形品への影響を少なくすることがで
きる。良品を得るための最低の射出圧力、及び型締力を
実現できるので、エネルギー消費を少なくできる。
【0051】成形品にとって最適な圧力で成形できるの
で、成形機、金型の寿命が延びる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された射出成形機のうち射出装
置、型締装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明で使用される距離センサの一例を説明す
るための図である。
【図3】本発明で使用される距離センサの他の例を説明
するための図である。
【図4】本発明による制御系の概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】本発明による制御動作の前半部分を説明するた
めのフローチャート図である。
【図6】本発明による制御動作の後半部分を説明するた
めのフローチャート図である。
【図7】本発明による制御動作の過程におけるプラテン
間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示した図であ
る。
【図8】本発明により発生されるプラテン間距離規定の
ための関数パターンの例を示した図である。
【図9】本発明の変形例による制御動作の過程における
プラテン間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示し
た図である。
【図10】本発明の他の変形例による制御動作の過程に
おけるプラテン間距離、型締力、射出速度・圧力の変化
を示した図である。
【符号の説明】
11 ホッパ 12 加熱シリンダ 13 スクリュ 14 射出シリンダ 15 ピストン 16 ノズル 17 固定金型 18 可動金型 21 固定プラテン 22 リアプラテン 23 タイバー 24 油圧シリンダ 25 油圧ピストン 26 可動プラテン 27 圧力センサ 28 距離センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−9517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84 B29C 33/20 - 33/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プラテンに取り付けた固定金型と、
    可動プラテンに取り付けた可動金型と、前記可動プラテ
    ンを駆動して前記固定金型と前記可動金型との開閉を行
    うと共に、型締を行う駆動源とを有し、充填工程から保
    圧工程を経て一連の成形動作を行う射出成形機におい
    て、 前記二つのプラテンに設けられてこれら二つのプラテン
    におけるプラテン間距離Lを検出するための距離センサ
    と、 前記駆動源による締め付け圧力を型締力として検出する
    ための圧力センサと、 前記距離センサからの距離検出信号と前記圧力センサか
    らの前記型締力を表す圧力検出信号等を用いて前記駆動
    源を制御する制御部とを有し、該制御部は、 樹脂の充填が開始されると、充填工程から保圧工程への
    切換えの前に、予め定められた型締力P1を維持するよ
    うに前記駆動源を制御し、樹脂充填が進む結果、前記プ
    ラテン間距離が増加して、予め定められたプラテン間距
    離Laに到達すると、前記プラテン間距離が前記予め定
    められた値Laとなるように制御するステップを実行す
    ることを特徴とする射出成形機の制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出成形機の制御方式に
    おいて、前記制御部は、前記ステップに代えて、 樹脂の充填が開始されると、充填工程から保圧工程への
    切換えの前に、前記駆動源を前記プラテン間距離が一定
    値Loとなるように制御し、充填工程から保圧工程への
    切換え時点で前記プラテン間距離が初期プラテン間距離
    Loからあらかじめ定められた制御終了プラテン間距離
    Leまでその形状が滑らかな関数パターンになるように
    前記駆動源を制御するステップを実行することを特徴と
    する射出成形機の制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の射出成形機の制御方式に
    おいて、スクリュの位置を検出するためのスクリュ位置
    センサを備え、前記制御部は、前記ステップに代えて、 樹脂の充填が開始されると、充填工程から保圧工程の切
    換えの前に、スクリュの位置を監視して該スクリュが所
    定位置に到達するまで予め定められた型締力P1を維持
    するように前記駆動源を制御し、該スクリュが前記所定
    位置に到達すると、前記プラテン間距離を監視し、樹脂
    充填が進む結果、前記プラテン間距離が増加して、予め
    定められたプラテン間距離Laに到達すると、前記プラ
    テン間距離が前記予め定められた値Laとなるように制
    御するステップを実行することを特徴とする射出成形機
    の制御方式。
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