JPH09104050A - ディスク射出成形機 - Google Patents

ディスク射出成形機

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JPH09104050A
JPH09104050A JP26434795A JP26434795A JPH09104050A JP H09104050 A JPH09104050 A JP H09104050A JP 26434795 A JP26434795 A JP 26434795A JP 26434795 A JP26434795 A JP 26434795A JP H09104050 A JPH09104050 A JP H09104050A
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JP
Japan
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distance
mold
platen
pressure
drive source
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Application number
JP26434795A
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English (en)
Inventor
Hideomi Hirano
秀臣 平野
Hiroyuki Sawaishi
裕之 澤石
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板外周部にバリを発生させずに、基板の品
質特性を改善することができるディスク射出成形機を提
供すること。 【解決手段】 固定金型と可動金型のパーティング面間
に金型を開方向に付勢するバネを設ける。マイクロプロ
セッシングユニット43は、距離センサ28からの距離
検出信号と圧力センサ27−1、27−2からの型締力
を表す圧力検出信号等を用いて、充填工程の間、型締め
を行う駆動源をプラテン間距離が一定値L0 となるよう
に制御する第1のステップと、スクリュの位置を監視し
て該スクリュが所定位置に到達すると充填工程から保圧
工程への切換えを行う第2のステップと、この切り換え
からの時間経過を監視して、所定時間経過時点から前記
プラテン間距離が所定値Leを到達点とする所定の変化
パターンに追随するように前記駆動源を制御する第3の
ステップと、前記プラテン間距離が所定値Leに達する
と前記駆動源を前記プラテン間距離が一定値Leとなる
ように冷却完了まで制御する第4のステップとを実行す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク基板、特
に肉厚1mm以下の薄肉基板の成形に適した光ディスク
基板の射出成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の射出成形機によるディスク基板成
形方法について以下に簡単に述べる。ポリカーボネイ
ト、アクリルなどの樹脂を射出成形機の加熱シリンダ内
で溶融し金型内に充填する。金型のキャビティ内に樹脂
が充満した後も更に充填すると、キャビティ内の樹脂圧
力は上昇し、それによる型開力が型締力を上回り、可動
金型側が動きパーティングライン(可動金型と固定金型
の接触面間のこと)が数十μm開く。その後、保圧工程
に入り新たな樹脂の充填が止まると、キャビティ内の樹
脂圧力は次第に低下し、型締力が型開力を上回り、可動
金型が固定金型側に進み、パーティングラインが閉じ
る。このように、充填・保圧工程中にパーティングライ
ンが数十μm開閉すると、キャビティ内の樹脂を圧縮す
ることになり、樹脂がキャビティ内に充填する際に生じ
た基板中の残留応力を低減する効果がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、充填・保圧工
程中は樹脂が完全に固化しておらず、パーティングライ
ンの開き量が大きくなるとキャビティ内の樹脂がはみだ
し、バリとなってしまう。従来の射出成形機は型締力を
制御するので、パーティングラインの開き量を微妙に調
整することは難しかった。型締力を大きく設定しすぎれ
ばパーティングラインが開かず圧縮効果が得られない。
小さくし過ぎればバリがでるというように最適設計値を
見つけるのは難しい。
【0004】また、肉厚1mm以下の薄肉基板の場合、
樹脂の流路が狭く、キャビティ内流動抵抗は通常厚
(1.2mm)基板に比べて大きい。流動抵抗が大きい
ため、より高い充填圧力が必要になるので基板に内部応
力が残りやすくなる。これが基板の複屈折や反り角の増
大につながる。また、基盤の厚みはゲート近傍が厚く、
遠方が薄くなりやすいなど、厚みむらが大きくなりやす
い。これを改善するために型締力を低く設定し、キャビ
ティ内の空気や樹脂から発生するガスを逃げやすくして
充填抵抗を下げるという方法がとられるが、こうすると
パーティングラインが開きやすくなり、バリが発生しや
すい。このように、充填抵抗を低く押さえると同時にバ
リを出さないで、要求品質を満足する薄肉基板を成形す
るのは従来技術では難しかった。
【0005】そこで、本発明の課題は、基板外周部にバ
リを発生させずに、基板の品質特性(複屈折、反り角、
転写性、厚みむらなど)を改善することができるディス
ク射出成形機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定プラテン
に取り付けた固定金型と可動プラテンに取り付けた可動
金型とから成る金型と、前記可動プラテンを駆動して前
記固定金型と前記可動金型との開閉を行うと共に、型締
を行う駆動源とを有するディスク射出成形機において、
前記固定金型と前記可動金型のパーティング面間には金
型を開方向に付勢するバネを設け、前記二つのプラテン
におけるプラテン間距離Lを検出するための距離センサ
と、前記駆動源による締め付け圧力を型締力として検出
するための圧力センサと、前記距離センサからの距離検
出信号と前記圧力センサからの前記型締力を表す圧力検
出信号等を用いて前記駆動源を制御する制御部とを有
し、該制御部は、樹脂の充填が開始されると、充填工程
の間、前記駆動源を前記プラテン間距離が一定値L0 と
なるように制御する第1のステップと、スクリュの位置
を監視して該スクリュがあらかじめ定められた位置に到
達すると充填工程から保圧工程への切換えを行う第2の
ステップと、充填工程から保圧工程に切り換わってから
の時間経過を監視して、所定時間経過時点から前記プラ
テン間距離が所定値Leを到達点とする所定の変化パタ
ーンに追随するように前記駆動源を制御する第3のステ
ップと、前記プラテン間距離が所定値Leに達すると前
記駆動源を前記プラテン間距離が一定値Leとなるよう
に冷却完了まで制御する第4のステップとを実行するこ
とを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。図1は本発明が適用されたディスク基
板の射出成形機のうち射出装置、型締装置の概略図を示
している。射出装置においては、ホッパ11より投入さ
れた樹脂を加熱シリンダ12内で溶融しながらスクリュ
13で計量、混練し、溶融樹脂をスクリュ13の前方に
貯留する。貯留された樹脂は、射出シリンダ14とピス
トン15より成る油圧シリンダ機構によりスクリュ13
を前方、すなわち金型側へ移動させることによりノズル
16を通して固定金型17と可動金型18とで形成され
たキャビティ内に充填される。また、射出シリンダ14
には充填、保圧、計量工程に応じて流出入部14−1を
通して流量あるいは圧力を制御された駆動油が出入りす
る。
【0008】一方、型締装置は、図示しないフレームに
固定され、固定金型17を有する固定プラテン21に対
してリアプラテン22が4本のタイバー23(図では2
本のみ図示)を介して固定支持されている。リアプラテ
ン22に固定された油圧シリンダ24中には油圧ピスト
ン25が配設され、この油圧ピストン25には可動金型
18を固定された可動プラテン26が連結されている。
可動プラテン26は油圧ピストン25の運動に伴ってタ
イバー23上をスライド可能に構成されている。すなわ
ち、可動プラテン26は、図示しない圧力制御弁を通し
て油圧シリンダ24の流出入部24−1から駆動油を注
入すると型閉方向に移動し、流出入部24−2から駆動
油を注入すると型開方向に移動する。
【0009】油圧シリンダ24には油圧を検出するため
の圧力センサ27−1と27−2が設けられており、金
型を閉とした状態で流出入部24−1側と24−2側の
油圧シリンダ内の油圧力を、圧力センサ27−1と27
−2の検出値にもとづいて調整することにより型締力を
制御できる。
【0010】また、固定プラテン21と可動プラテン2
6には、プラテン間距離Lを検出するための距離センサ
28が設けられ、固定金型17と可動金型18の各パー
ティング面間の微妙な開き量を測定できるようにしてい
る。なお、ここで言うプラテン間距離とは、上記パーテ
ィング面間の距離、いわゆる型開量を含む金型厚または
部分的金型厚を意味するが、その挙動は型開量の挙動と
ほぼ同じである。
【0011】なお、射出装置、型締装置には、図示して
いないが、上記した圧力センサ27−1,27−2、距
離センサ28の他に、スクリュ位置を検出するためのス
クリュ位置センサ、ノズル16内あるいは金型内の樹脂
圧を検出するための樹脂圧センサ、射出シリンダ14の
油圧を検出するための射出圧センサ等の各種センサが設
けられている。
【0012】図2、図3はそれぞれ、レーザ方式、渦電
流方式の距離センサの例を示す。図2に示すレーザ方式
の距離センサは、固定プラテン21に設けたレーザ送受
光用のレーザヘッド28−1と可動プラテン26に設け
たレーザ反射用のリフレクタ28−2とから成り、レー
ザヘッド28−1から後述する制御部へプラテン間距離
の検出信号が送出される。このようなレーザ方式による
ものは、測定スパンが長く、最大型開量まで測定可能で
あり、レーザヘッド28−1、リフレクタ28−2がそ
れぞれ固定金型17、可動金型18ではなく、固定プラ
テン21、可動プラテン26に設置されているので、金
型を交換したときでも距離センサの調整は不要である。
【0013】一方、渦電流方式の用に測定スパンが短い
ものであっても、センサ部31をストローク可変の取り
付け台30に取り付ければ、金型を交換した場合には、
金型を閉じた状態でセンサ部31が測定スパン内にある
ように調節するだけでよい。
【0014】いずれの方式にしても、センサを金型に直
接取り付ける方法に比べて、金型をセンサ設置のために
特別な構造にする必要が無く、センサを取り付ける構造
を持たない既存の金型でもそのまま使用できるので、金
型交換の作業性が向上し、金型のコストも安くできる。
【0015】図4は本発明による制御方式を実行するた
めに必要な制御系の構成を示す。この制御系は、プラテ
ン間距離、型締力等を入力するための設定器41からの
設定信号、圧力センサ27−1,27−2からの圧力検
出信号、距離センサ28からのプラテン間距離検出信
号、更に前述した各種センサからの検出信号等にもとづ
いて射出成形機のシーケンス処理や関数パターン発生、
油圧シリンダ24用の圧力制御弁42への指令値出力等
を行うマイクロセシングユニット43、プラテン間距
離、型締力等のデータを記憶するためのメモリ44等を
有する。なお、マイクロプロセッシングユニット43
は、タイマによる時間監視機能をも有する。
【0016】図5は本発明による成形方法を実行するた
めに必要な金型構造を示す。金型は、固定プラテン21
に取り付けられる固定金型17と可動プラテン26に取
り付けられる可動金型18で構成されており、型締装置
の可動プラテン26が開閉することによって可動金型1
8も動作し、金型のパーティングライン31が開閉す
る。樹脂の充填が行われるとき、金型のパーティングラ
イン31は閉じており、射出成形機のノズル16から流
出した樹脂は固定金型17に配されたスプル32を通っ
てキャビティ33に流入する。樹脂が金型内で冷却され
る過程でカットパンチ34が前進し、製品とスプルーを
分離する。金型内で冷却され固化した成形品とスプルー
は、可動金型18を開かせることによってパーティング
ライン31が開き、フローティングパンチ35、エジェ
クタピン36を突き出すことによって、成形品が可動金
型17から離れ成形品を取り出すことができる。
【0017】本発明では、パーティングライン31を開
かせるための力を発生させるために、可動金型18にリ
ング37とバネ38を挿入し、パーティングライン31
が閉じたときに圧縮される構造をとった金型である。
【0018】図6は図4に示した制御系で実行される型
閉から型開までの制御動作の流れを示すフローチャート
図であり、その間のプラテン間距離L、型締力P、射出
速度及び圧力の変化を示す図7をも参照して制御動作を
説明する。
【0019】ステップS1では、成形を開始する前の型
閉動作を行う。ステップS2では、従来行われているよ
うに型閉動作を行い、可動プラテン26の位置の測定、
あるいは圧力センサ27−1、27−2の検出信号より
金型が閉じられたことを判断する。ステップS3では、
金型が閉じられたときのプラテン間距離Lをマイクロプ
ロセッシングユニット43が初期プラテン間距離L0 と
してメモリ44に記憶する。ステップS4では樹脂の充
填を開始する。
【0020】樹脂の充填を開始する前には、加熱シリン
ダ内に樹脂を計量させておく必要がある。樹脂のペレッ
トを射出成形機のホッパ11から投入すると、樹脂は加
熱シリンダ12内のスクリュ13が回転することによっ
て溶融され、スクリュ13の前方に貯留する。樹脂の溶
融は加熱シリンダ12の外周に巻かれているヒータと、
加熱シリンダ内のスクリュ13が回転することによって
発生するスクリュと樹脂、樹脂と加熱シリンダ内壁、樹
脂間の剪断発熱によって行われる。
【0021】充填が始まると、ステップS5では、マイ
クロプロセッシングユニット43が初期プラテン間距離
L0 を目標値としてこれを維持するように、距離センサ
28で検出されるプラテン間距離Lに応じて圧力制御弁
42を制御し、これに応じて型締力Pが変化する。この
ように、型締力Pを変化させてプラテン間距離を初期プ
ラテン間距離L0 を維持しながら充填を行うと、初期プ
ラテン間距離L0 を目標値としているため、樹脂の充填
圧力を受けても固定金型17、可動金型18のパーティ
ング面間が開くことは無く、バリの発生はない。このよ
うに充填圧力に応じて型締力Pを適宜変化させると、バ
リの発生を防止することが出来るという効果が得られ
る。
【0022】ステップS5の初期プラテン間距離L0 を
目標値としてこれを維持するように、圧力制御弁42を
制御する方法に代えて、樹脂の充填が始まると、マイク
ロプロセッシングユニット43が型締力Pを目標値P1
に維持するように圧力制御弁42を制御し、樹脂の充填
が進むと、金型内の樹脂圧が高まり型締力P1では初期
プラテン間距離L0 を維持できなくなり、プラテン間距
離Lが増加する。そして、マイクロプロセッシングユニ
ット43はプラテン間距離Lが予め設定された値Laと
一致するかどうかの判定動作を行い、一致するとマイク
ロプロセッシングユニット43はプラテン間距離Laを
目標値として、これを充填工程終了まで維持するよう
に、圧力制御弁42を制御する方法を実行しても良い。
このように、充填工程中に型締力で制御し、プラテン間
距離が所定値まで開かれることによって、樹脂から発生
するガスや空気の排出が促進される。しかも、樹脂の充
填が進み、プラテン間が金型内の樹脂圧によって開かれ
ても、予め設定されたプラテン間距離Laに到達すると
プラテン間距離Laを目標値として制御するので、プラ
テン間距離Laが適正であればバリの発生は無い。この
とき、固定金型17、可動金型18のパーティングライ
ンは微小量開くが、プラテン間距離Laの値が適正であ
れば樹脂がパーティングラインの隙間に入り込むことは
なく、バリの発生を防止することができる。
【0023】また、充填工程中の型締動作は、マイクロ
プロセッシングユニット43によりスクリュ位置を監視
し、充填開始からスクリュが予め定められた所定位置に
達するまでは、型締力Pを目標値P1に維持するように
圧力制御弁42を制御し、スクリュが予め定められた所
定位置に達してからは、マイクロプロセッシングユニッ
ト43がプラテン間距離Lを監視し、予め設定された値
Laと一致するかどうかの判定動作を行い、その後プラ
テン間距離Laを目標値としてこれを充填工程終了まで
維持するように圧力制御弁42を制御しても良い。
【0024】ステップS6では、マイクロプロセッシン
グユニット43はスクリュ位置センサからの検出信号を
監視し、スクリュがあらかじめ定められた所定位置まで
移動したかどうかの判定動作を行う。そして、スクリュ
が所定位置に到達すると、ステップS7に移行してV−
P切換え、すなわち充填工程から保圧工程への切換えを
行う。なお、V−P切換え動作は、マイクロプロセッシ
ングユニット43において前述した樹脂圧センサあるい
は射出圧センサの検出信号を監視することにより行うこ
ともできる。すなわち、充填を開始してからノズル16
内あるいは金型内の樹脂圧が所定値に達したかどうかを
マイクロプロセッシングユニット43で判定して、所定
値に達した時にV−P切換えを行うか、あるいは射出シ
リンダ14内の油圧が所定油圧まで上昇したかどうかを
監視して、所定油圧に達した時にV−P切換えを行うよ
うにしても良い。更に、マイクロプロセッシングユニッ
ト43の持つタイマによる時間監視機能により、充填開
始からあらかじめ定められた時間が経過したことを持っ
てV−P切換えを行うようにしても良い。
【0025】また、V−P切換え動作は、マイクロプロ
セッシングユニット43において前述した型締力を検出
する圧力センサ27−1,27−2の検出信号を監視す
ることにより行うこともできる。すなわち、マイクロプ
ロセッシングユニット43は圧力センサ27−1,27
−2で検出される型締力Pを監視し、型締力Pが所定値
P2を越えたかどうかの判定動作を行う。これは、充填
が進んで金型内に樹脂が充満し始めることにより金型が
開こうとし、これに対してマイクロプロセッシングユニ
ット43は初期プラテン間距離L0 を保持するために圧
力制御弁42への指令値を増加させて、型締力Pを増加
させるからである。更に、型締力Pの微分値ΔPを監視
し、微分値ΔPが所定値ΔP2を越えたかどうかの判定
動作を行っても良い。
【0026】図8は、型締力Pとその微分値ΔPの挙動
を示し、ここでは微分値ΔPが所定値ΔP2を越えた時
点でステップS7に移行してVP切換、すなわち充填工
程から保圧工程への切換を行う。このような判定動作に
よれば、金型内への樹脂の充満を正確に捉えることがで
きる。尚、この型締力の微分値ΔPによるVP切換タイ
ミングの判断は、図8(b)から明らかなように微分値
ΔPの増加が止まって一定値に達したことを行うように
しても良い。
【0027】ステップS8では、マイクロプロセッシン
グユニット43は充填工程から保圧工程に切り換わった
時点からタイマによる計時を開始する。そして、所定時
間t1が経過するまでステップS5から継続して、マイ
クロプロセッシングユニット43が初期プラテン間距離
L0 を目標値としてこれを維持するように、距離センサ
28で検出されるプラテン間距離Lに応じて圧力制御弁
42を制御する。ステップS9では所定時間t1が経過
したかどうかの判定動作を行い、所定時間t1が経過し
た時点で、ステップS10に移行する。そして、マイク
ロプロセッシングユニット43は、制御開始プラテン間
距離L0 からあらかじめ定められた制御終了プラテン間
距離Leまでその形状が滑らかな関数パターンLP1を
発生する。そして、この関数パターンLP1で規定され
る値を目標値としてプラテン間距離Lが関数パターンL
P1に追従するように圧力制御弁42を制御して型締力
Pを調整する。関数パターンLP1としては、図9に実
線で示すように例えば一次遅れ関数とする。
【0028】更には、制御開始プラテン間距離L0 、制
御終了プラテン間距離Le、関数パターンLP1を規定
する時定数T1の設定次第で関数パターンLP1の形状
を任意に変更することができるので、成形品の肉厚、樹
脂の種類(粘度、温度特性、固化速度等)に応じてオペ
レータが最適な条件を設定することができる。
【0029】なお、時定数T1の設定値を複数種類だけ
固定値として設定してメモリ44に記憶しておき、オペ
レータは制御終了プラテン間距離Leを設定すると共
に、これらの値の中から最適な値を選択して最適パター
ンを選定できるようにしても良い。
【0030】ステップS9、S10では、充填工程から
保圧工程に切り換わってからの時間経過を監視し、所定
時間経過時点でマイクロプロセッシングユニット43
が、制御開始プラテン間距離L0 からあらかじめ定めら
れた制御終了プラテン間距離Leまでその形状が滑らか
な関数パターンLP1を発生する。そして、この関数パ
ターンLP1で規定される値を目標値としてプラテン間
距離Lが関数パターンLP1に追従するように圧力制御
弁42を制御して型締力Pを調整するようにしている。
このような方法に代えて、次のような方法を採用しても
良い。すなわち、スクリュの位置、射出シリンダの油
圧、ノズル部あるいは金型内圧、充填開始からの時間経
過を監視して、それぞれ所定値に達した時点でマイクロ
プロセッシングユニット43が、制御開始プラテン間距
離L0 からあらかじめ定められた制御終了プラテン間距
離Leまでその形状が滑らかな関数パターンLP1を発
生する。そして、この関数パターンLP1で規定される
値を目標値としてプラテン間距離Lが関数パターンLP
1に追従するように圧力制御弁42を制御して型締力P
を調整する。また、充填から保圧へ切り換わるタイミン
グでマイクロプロセッシングユニット43が、制御開始
プラテン間距離L0 からあらかじめ定められた制御終了
プラテン間距離Leまでその形状が滑らかな関数パター
ンLP1を発生し、この関数パターンLP1で規定され
る値を目標値としてプラテン間距離Lが関数パターンL
P1に追従するように圧力制御弁42を制御して型締力
Pを調整する方法を実行しても良い。
【0031】ステップS11では、マイクロプロセッシ
ングユニット43が関数パターンLP1で規定された値
が制御終了プラテン間距離Leに一致するかどうかの判
定動作を行い、一致すると関数パターンLP1の発生を
終了してステップS12に移行する。
【0032】ステップS12では、マイクロプロセッシ
ングユニット43が関数パターンLP1の発生終了時点
から冷却完了までは制御終了プラテン間距離Leを目標
値としてこれを維持するように、圧力制御弁42を制御
する。なお、ステップS10からステップS12にかけ
て、プラテン間を開く際、制御開始プラテン間距離L0
から制御終了プラテン間距離Leまで関数パターンLP
1で規定される値を目標値として、その後、冷却完了ま
では制御終了プラテン間距離Leを目標値としてこれを
維持するように、圧力制御弁42を制御する。
【0033】ところで、ディスク基板の内部応力を低減
するためには金型のパーティングラインを開く必要があ
る。本実施例では、圧力制御弁42によって流出入部2
4−1側の油圧シリンダ内の油圧力と流出入部24−2
側の油圧シリンダ内の油圧力とを調整することによって
プラテン間距離を制御している。これによって、金型の
パーティングライン31の開き量を調整できるのであ
る。
【0034】これに対し、図5のように、金型キャビテ
ィの外側に備えられたリング37の裏側にバネ38を挿
入する事により、固定金型17と可動金型18のパーテ
ィングラインに力がかかるような構造にすることによっ
て、金型のパーティングライン、すなわちプラテン間が
より速く開き、かつ開き量を精密に制御できる。この方
法をとることによって、圧力制御弁42によって制御す
る流出入部24−1側と流出入部24−2側の両方の油
圧シリンダ内の油圧力を調整する必要が無く、圧力制御
弁42によって流出入部24−1側のみを制御するだけ
でよくなり、油圧回路を単純化できる。
【0035】以上で1回の成形サイクルが終了する。
【0036】なお、本例では油圧式成形機の例を示して
いるが、本発明は電動成形機にも応用可能であり、電動
式の場合には制御すべき因子を、圧力だけでなく、圧力
を電流やトルクに対応させることで制御可能であること
は言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば次のような効果が得られる。樹脂充填時の流動抵抗を
低く押さえ、ディスク基板の内部応力を低減し、基板の
品質特性(複屈折、反り角、厚みむら)を改善するとと
もにバリの発生を押えることができる。特に、肉厚1m
m以下の薄肉基板の場合効果がある。
【0038】距離センサを、金型ではなく固定プラテ
ン、可動プラテンに設置したことにより、金型交換の作
業性を向上させることが出来るだけでなく、金型の構造
を単純にすることができ、しかも金型にかかるコストを
低減化できる。
【0039】毎ショット安定した型開量、型締力の挙動
を実現でき、成形品のショット間ばらつきを少なくする
ことができる。樹脂、金型温度、油圧シリンダの駆動油
温度の変動による成形品への影響を少なくすることがで
きる。
【0040】金型にバネを挿入することで、パーティン
グラインの隙間を精密に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたディスク射出成形機の内、
射出装置、型締装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明で使用される距離センサの一例を説明す
るための図である。
【図3】本発明で使用される距離センサの他の例を説明
するための図である。
【図4】本発明による制御系の概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】本発明で使用される金型の構造を示した図であ
る。
【図6】本発明による制御動作を説明するためのフロー
チャート図である。
【図7】本発明による制御動作の過程におけるプラテン
間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示した図であ
る。
【図8】本発明によるV−P切換のタイミングを説明す
るために型締力とその微分値の変化を示した図である。
【図9】本発明により発生されるプラテン間距離規定の
ための関数パターンの例を示した図である。
【符号の説明】
11 ホッパ 12 加熱シリンダ 13 スクリュ 14 射出シリンダ 15 ピストン 16 ノズル 17 固定金型 18 可動金型 21 固定プラテン 22 リアプラテン 23 タイバー 24 油圧シリンダ 25 油圧ピストン 26 可動プラテン 27−1,27−2 圧力センサ 28 距離センサ 31 パーティングライン 32 スプル 33 キャビティ 34 カットパンチ 35 フローティングパンチ 36 エジェクタピン 37 リング 38 バネ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プラテンに取り付けた固定金型と可
    動プラテンに取り付けた可動金型とから成る金型と、前
    記可動プラテンを駆動して前記固定金型と前記可動金型
    との開閉を行うと共に、型締を行う駆動源とを有するデ
    ィスク射出成形機において、 前記固定金型と前記可動金型のパーティング面間には金
    型を開方向に付勢するバネを設け、 前記二つのプラテンにおけるプラテン間距離Lを検出す
    るための距離センサと、 前記駆動源による締め付け圧力を型締力として検出する
    ための圧力センサと、 前記距離センサからの距離検出信号と前記圧力センサか
    らの前記型締力を表す圧力検出信号等を用いて前記駆動
    源を制御する制御部とを有し、該制御部は、 樹脂の充填が開始されると、充填工程の間、前記駆動源
    を前記プラテン間距離が一定値L0 となるように制御す
    る第1のステップと、 スクリュの位置を監視して該スクリュがあらかじめ定め
    られた位置に到達すると充填工程から保圧工程への切換
    えを行う第2のステップと、 充填工程から保圧工程に切り換わってからの時間経過を
    監視して、所定時間経過時点から前記プラテン間距離が
    所定値Leを到達点とする所定の変化パターンに追随す
    るように前記駆動源を制御する第3のステップと、 前記プラテン間距離が所定値Leに達すると前記駆動源
    を前記プラテン間距離が一定値Leとなるように冷却完
    了まで制御する第4のステップとを実行することを特徴
    とするディスク射出成形機。
JP26434795A 1995-10-12 1995-10-12 ディスク射出成形機 Pending JPH09104050A (ja)

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