JP2935092B2 - 射出成形機の制御方式 - Google Patents

射出成形機の制御方式

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JP2935092B2
JP2935092B2 JP3084295A JP3084295A JP2935092B2 JP 2935092 B2 JP2935092 B2 JP 2935092B2 JP 3084295 A JP3084295 A JP 3084295A JP 3084295 A JP3084295 A JP 3084295A JP 2935092 B2 JP2935092 B2 JP 2935092B2
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篤 石川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の制御方式に
関し、特にオペレータの操作性を向上させることのでき
る制御方式に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、樹脂製品の射出成形は、樹脂の
可塑化→充填→保圧→冷却という工程で行われる。良品
質の成形品を得るためには、固定金型と可動金型とから
成る金型の温度や金型内樹脂温度、射出圧力等の制御に
加えて、金型に対する型締力や、型開量、すなわち金型
パーティング面間の距離の制御や、充填工程から保圧工
程への切換え、すなわちV−P切換えのタイミング設定
が重要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】型締力の制御について
言えば、型締力の設定値F(トン)は、F=A・P/1
000という式にもとづいて算出されるのが一般的であ
り、これまでは充填工程と保圧工程とを含む射出工程、
冷却工程での型締力は一定に保たれている。なお、Aは
成形品受圧面積(cm2 )で、Pは金型の平均内圧(k
g/cm2 )である。ところが、このような制御方法に
おいて型締力が高めに設定されていると、金型内に樹脂
が充填される時に金型内にある空気や溶融樹脂から発生
するガスが射出工程末期に金型から排出されずに金型内
で圧縮されて残留することにより、ショートショットや
ウェルドあるいは焼け等の不良発生を引き起こす。この
場合、オペレータは、金型内の空気やガスを排出し易く
するために、型締力の設定値を下げるように操作する
が、設定値を下げすぎると今度はバリが発生し易くなる
という問題が生ずる。
【0004】一方、充填工程から保圧工程への切換えに
ついて言えば、充填工程から保圧工程への切換えタイミ
ングは、オペレータの経験にもとづいて設定されている
が、この切換えタイミングは成形品の形状や金型構造に
よっても変化するため、最適な切換えタイミングを設定
するのは難しい。
【0005】次に、保圧工程におけるバリ発生防止対策
について説明する。通常、充填工程から保圧工程に切換
わった直後から、金型内への樹脂充填はほぼ完了してい
るため、固定金型と可動金型のパーティング面間を開か
せようとする力が作用し、微小の型開量が発生する。そ
して、射出圧力によってパーティング面間を開かせよう
とする力が型締力よりも過大であれば型開量は大きくな
り、結果としてバリが発生する。そのため、オペレータ
は、型締力の設定値を上げたり、射出の条件を射出圧力
が過大にならないように設定値を変更する。
【0006】ところが、前述したように型締力を射出工
程中一定に保つ方法の場合、むやみに型締力を増加させ
ることは、前述したように、金型内の空気、ガス逃げを
悪化させ、ショートショット、ウェルド、焼け等の不良
発生の原因となる。また、射出の条件を変更する場合も
オペレータの経験に頼ることになり、条件出しに長時間
を要することになる。更には、仮りに良品の条件を見出
した後も樹脂、金型等の温度変動等により最適な射出と
型締のバランスがくずれて不良品を発生する場合もあ
る。
【0007】射出圧縮成形方法について説明すると、一
般的な射出圧縮の場合、その圧縮駆動源はほとんどの場
合、型締用の油圧機構や可動金型を設けた可動プラテン
に連結された油圧機構である。そして、いずれの構成で
も圧縮開始のタイミングは、充填開始時点、保圧開始時
点、あるいは充填工程から保圧工程への切換え時点から
のタイマ制御によるが、最適なタイマ時間の設定は難し
い。一方、圧縮パターンは階段状に変化するのが一般的
で、樹脂の種類、金型の形状に最適な圧縮パターンを実
現するためには多段の設定が必要であり、その設定に長
時間を要する。更に、実際の圧縮圧力の挙動は階段状の
設定に追随できず、オペレータの意図する挙動と異なっ
てしまったり、油圧機構の作動油温の変動等により変化
してしまうという問題があった。
【0008】以上のような問題点に鑑み、本発明の主た
る課題は、これまでオペレータの経験にもとづいて行わ
れていた各種設定値の決定及び入力作業をできるだけ少
なくすることのできる射出成形機の制御方式を提供する
ことにある。
【0009】本発明の他の課題は、ショートショットや
ウェルド、焼け、更にはバリやヒケ等の不良発生防止に
有効な射出成形機の制御方式を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、固定プラテン
に取付けた固定金型と、可動プラテンに取付けた可動金
型と、前記可動プラテンを駆動して前記固定金型と前記
可動金型との開閉を行うと共に、型締を行う駆動源とを
有する射出成形機において、前記二つのプラテンにおけ
るプラテン間距離Lを検出するための距離センサと、前
記駆動源による締付圧力を型締力として検出するための
圧力センサと、前記距離センサからの距離検出信号と前
記圧力センサからの前記型締力を表す圧力検出信号等を
用いて前記駆動源を制御する制御部とを有し、該制御部
の動作ステップとして、樹脂の充填が開始されると、充
填工程の間、前記駆動源を前記プラテン間距離が一定値
O となるように制御するステップと、スクリュの位置
を監視して該スクリュがあらかじめ定められた位置に到
達すると充填工程から保圧工程への切換えを行うステッ
プと、前記保圧工程に入ると該保圧工程への切換え時の
前記型締力を維持するように前記駆動源を制御し、樹脂
充填が進む結果、前記プラテン間距離が増加してあらか
じめ定められた値LS に達すると、この値LS を維持す
るように前記プラテン間距離の位置制御を行うステップ
と、その結果生ずる型締力の変化を監視し、保圧工程の
進行により型締力が増加してピークに達してから減少し
始めたことを検出するとこの検出時の型締力P3を維持
するように前記駆動源を制御するステップとを含むこと
を特徴とする。
【0011】なお、前記スクリュの位置を監視して充填
工程から保圧工程への切換えを行うステップに代えて、
ノズル部あるいは金型内の樹脂圧を監視し、該樹脂圧が
所定値に達すると充填工程から保圧工程への切換えを行
うステップを実行しても良い。
【0012】また、前記スクリュの位置を監視して充填
工程から保圧工程への切換えを行うステップに代えて、
射出シリンダの油圧を監視し、該油圧が所定油圧に達す
ると充填工程から保圧工程への切換えを行うステップを
実行しても良い。
【0013】更に、前記スクリュの位置を監視して充填
工程から保圧工程への切換えを行うステップに代えて、
充填開始からの時間経過を監視し、該充填開始からあら
かじめ定められた時間が経過すると充填工程から保圧工
程への切換えを行うステップを実行しても良い。
【0014】加えて、前記型締力P3を維持するステッ
プにおいて所定時間tが経過すると、再度前記型締力を
P3よりも高い設定値PM まで上昇させて所定時間t1
だけ圧縮制御を行い保圧工程を終了するようにしても良
い。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明が適用された射出成形機のうち射出
装置、型締装置の概略構成を示している。射出装置にお
いては、ホッパ11より投入された樹脂を加熱シリンダ
12内で溶融しながらスクリュ13で計量、混練し、溶
融樹脂をスクリュ13の前方に貯留する。貯留された樹
脂は、射出シリンダ14とピストン15より成る油圧シ
リンダ機構によりスクリュ13を前方、すなわち金型側
へ移動させることによりノズル16を通して固定金型1
7と可動金型18とで形成されたキャビティ内に充填さ
れる。なお、射出シリンダ14には充填、保圧工程に応
じて流出入部14−1を通して流量あるいは圧力を制御
された駆動油が出入りする。
【0016】一方、型締装置は、図示しないフレームに
固定され、固定金型17を有する固定プラテン21に対
してリアプラテン22が4本のタイバー23(図では2
本のみ図示)を介して固定支持されている。リアプラテ
ン22に固定された油圧シリンダ24中には油圧ピスト
ン25が配設され、この油圧ピストン25には可動金型
18を固定された可動プラテン26が連結されている。
可動プラテン26は油圧ピストン25の運動に伴ってタ
イバー23上をスライド可能に構成されている。すなわ
ち、可動プラテン26は、図示しない圧力制御弁を通し
て油圧シリンダ24の流出入部24−1から駆動油を注
入すると型閉方向に移動し、流出入部24−2から駆動
油を注入すると型開方向に移動する。
【0017】油圧シリンダ24には油圧を型締力として
検出するための圧力センサ27が設けられており、金型
を閉とした状態で流出入部24−1側の油圧シリンダ内
の油圧力を、圧力センサ27の検出値にもとづいて調整
することにより型締力を制御できる。また、固定プラテ
ン21と可動プラテン26には、プラテン間距離Lを検
出するための距離センサ28が設けられ、固定金型17
と可動金型18の各パーティング面間の微妙な開き量を
測定できるようにしている。なお、ここで言うプラテン
間距離とは、上記パーティング面間の距離、いわゆる型
開量を含む金型厚又は部分的金型厚を意味するが、その
挙動は型開量の挙動とほぼ同じである。
【0018】なお、射出装置、型締装置には、図示して
いないが、上記した圧力センサ27、距離センサ28の
他に、スクリュ位置を検出するためのスクリュ位置セン
サ、ノズル16内あるいは金型内の樹脂圧を検出するた
めの樹脂圧センサ、射出シリンダ14の油圧を検出する
ための射出圧センサ等の各種センサが設けられている。
【0019】図2、図3はそれぞれ、レーザ方式、うず
電流方式の距離センサの例を示す。図2に示すレーザ方
式の距離センサは、固定プラテン21に設けたレーザ送
受光用のレーザヘッド28−1と可動プラテン26に設
けたレーザ反射用のリフレクタ28−2とから成り、レ
ーザヘッド28−1から後述する制御部へプラテン間距
離の検出信号が送出される。このようなレーザ方式によ
るものは、測定スパンが長く、最大型開量まで測定可能
であり、レーザヘッド28−1、リフレクタ28−2が
それぞれ固定金型17、可動金型18ではなく、固定プ
ラテン21、可動プラテン26に設置されているので、
金型を交換した時でも距離センサの調整は不要である。
【0020】一方、うず電流方式のように測定スパンが
短かいものであっても、センサ部31をストローク可変
の取付け台30に取り付ければ、金型を交換した場合に
は、金型を閉じた状態でセンサ部31が測定スパン内に
あるように調節するだけで良い。
【0021】いずれの方式にしても、センサを金型に直
接取り付ける方式に比べて、金型をセンサ設置のために
特別な構造にする必要が無く、センサを取り付ける構造
を持たない既存の金型でもそのまま使用できるので、金
型交換の作業性が向上し、金型のコストも安くできる。
【0022】図4は本発明による制御方式を実行するた
めに必要な制御系の構成を示す。この制御系は、プラテ
ン間距離、型締力等を入力するための設定器41からの
設定信号、圧力センサ27からの圧力検出信号、距離セ
ンサ28からのプラテン間距離検出信号、更に前述した
各種センサからの検出信号等にもとづいて射出成形機の
シーケンス処理や関数パターン発生、油圧シリンダ24
用の圧力制御弁42への指令値出力等を行うマイクロプ
ロセシングユニット43、プラテン間距離、型締力等の
データを記憶するためのメモリ44等を有する。なお、
マイクロプロセシングユニット43は、タイマによる時
間監視機能をも有する。
【0023】図5は図4に示した制御系で実行される型
閉から保圧完了までの制御動作の流れを示すフローチャ
ート図であり、その間のプラテン間距離L、型締力P、
射出速度及び圧力の変化を示す図6をも参照して制御動
作を説明する。
【0024】ステップS1では、成形を開始する前の型
閉動作を行う。
【0025】ステップS2では、従来行なわれているよ
うに型閉動作を行い、可動プラテン26の位置の測定、
あるいは圧力センサ27の検出信号より金型が閉じられ
たことを判断する。この時、固定金型17、可動金型1
8同士は、これらを閉じるために必要な最低の型締力P
1 しか受けていない。
【0026】ステップS3では、金型が閉じられた時の
プラテン間距離Lをマイクロプロセシングユニット43
が初期プラテン間距離LO としてメモリ44に記憶す
る。
【0027】ステップS4では樹脂の充填を開始する。
充填が始まると、ステップS5では、マイクロプロセシ
ングユニット43が初期プラテン間距離LO を目標値と
してこれを維持するように、距離センサ28で検出され
るプラテン間距離Lに応じて圧力制御弁42を制御し、
これに応じて型締力Pが変化する。このように、型締力
Pを変化させてプラテン間距離を初期プラテン間距離L
O を維持しながら充填を行うと、金型は閉じるために必
要な最低の型締力しか受けていないので、金型内に残留
していた空気、樹脂により発生するガスが排出され易く
なる。しかも、初期プラテン間距離LO を目標値として
いるため、樹脂の充填圧力を受けても固定金型17、可
動金型18のパーティング面間が開くことは無く、バリ
の発生は無い。このように充填圧力に応じて型締力Pを
適宜変化させると、可動金型18は固定金型17に対し
て、いわばソフトタッチの状態で押し付けられることと
なり、金型から空気、ガスを排出し易くしながら、しか
もバリの発生を防止することができるという効果が得ら
れる。
【0028】ステップS6では、マイクロプロセシング
ユニット43はスクリュ位置センサからの検出信号を監
視し、スクリュがあらかじめ定められた所定位置まで移
動したかどうかの判定動作を行う。そして、スクリュが
所定位置に到達すると、ステップS7に移行してV−P
切換え、すなわち充填工程から保圧工程への切換えを行
う。
【0029】なお、V−P切換え動作は、マイクロプロ
セシングユニット43において前述した樹脂圧センサあ
るいは射出圧センサの検出信号を監視することにより行
うこともできる。すなわち、充填を開始してからノズル
16内あるいは金型内の樹脂圧が所定値に達したかどう
かをマイクロプロセシングユニット43で判定して、所
定値に達した時にV−P切換えを行うか、あるいは射出
シリンダ14内の油圧が所定油圧まで上昇したかどうか
を監視して、所定油圧に達した時にV−P切換えを行う
ようにしても良い。更に、マイクロプロセシングユニッ
ト43の持つタイマによる時間監視機能により、充填開
始からあらかじめ定められた時間が経過したことをもっ
てV−P切換えを行うようにしても良い。
【0030】次に、充填工程から保圧工程への切換えが
行われると、ステップS8ではマイクロプロセシングユ
ニット43は切換え時点での型締力P2 をメモリ44に
記憶する。続いて、ステップS9では、マイクロプロセ
シングユニット43は記憶された型締力P2 を目標値と
して圧力制御弁42を制御することにより、型締力Pを
目標値P2 に維持する動作を行う。この状態では、金型
内に樹脂がほぼ充満しているが、保圧動作によって金型
内には更に樹脂が充填されるため、金型内の圧力が増加
して金型は開こうとする。これに対して型締力を目標値
2 に維持することにより、図6に示すように意図的に
金型を開かせ、金型内に充填される樹脂の流動の急激な
変化を緩和して、成形品への歪み等の悪影響を防ぐ、い
わばクッション効果が得られる。
【0031】ここで、意図的にプラテン間を開かせるの
は、金型のゲート付近の樹脂圧力のピークを抑え、ゲー
ト遠方の樹脂圧力との差を小さくし、ソリ、バリ等の不
良現象を防止する効果がある。
【0032】ステップS10では、上記の理由により金
型が開こうとしてプラテン間距離Lが増加する。マイク
ロプロセシングユニット43は、プラテン間距離Lがあ
らかじめ設定されたプラテン間距離の制限を開始すべき
制限開始プラテン間距離LSと一致するかどうかの判定
動作を行い、一致するとステップS11に移行する。
【0033】ステップS11では、マイクロプロセシン
グユニット43は、プラテン間距離の位置制御を行う。
これは、圧力制御弁42を制御し制限開始プラテン間距
離LS を目標値としてこれを維持する動作を実行するこ
とで実現される。その結果、これ以上プラテン間距離が
開いて成形品にバリが発生しないように型締力が増加す
る。言い換えれば、制限開始プラテン間距離LS は、バ
リが発生しない最大のプラテン間距離として設定され、
これによってバリの発生防止を実現できる。
【0034】ステップS12では、保圧が進むにつれて
金型のゲートシール化が進むので金型内への樹脂の充填
は少なくなり、加えて金型内の樹脂の冷却、固化による
収縮作用により、制限開始プラテン間距離LS を保持す
るための型締力Pはピークに達し、減少し始める。この
間、マイクロプロセシングユニット43は、圧力センサ
27の検出信号を受けて型締力Pの変化分ΔPを監視
し、型締力Pが減少し始めたかどうかを判別する。
【0035】ステップS13では、プラテン間距離の位
置制御から型締力制御に切り替わる。すなわち、マイク
ロプロセシングユニット43は型締力Pの変化分ΔPが
負になるとその時点の型締力P3を測定してメモリ44
に記憶する。続いて、マイクロプロセシングユニット4
3は型締力Pの変化分ΔPが負となった時点からタイマ
による計時を開始して所定時間tが経過するまでは型締
力P3を目標値として圧力制御弁42を制御することに
より、型締力をP3に維持する制御動作を実行する。こ
の間、プラテン間距離Lは徐々に減少する。その間のス
テップS14では、マイクロプロセシングユニット43
はタイマによる計時動作を開始してから所定時間tが経
過したかどうかを監視し、所定時間tが経過した時点で
保圧工程を完了する。ここで、型締力制御に切り替わっ
た後は樹脂の収縮と共にプラテン間距離は閉じてきて、
樹脂の収縮に見合った自然な圧縮効果が得られるが、更
に圧縮が必要な成形の場合、後述の圧縮制御を追加す
る。なお、型締力P3を目標値とする制御への切替えタ
イミングを、型締力Pの変化分ΔPが負となった時点と
しているが、これは型締力Pがピーク値に達した時点、
すなわち変化分ΔPが0になった時点としても良い。
【0036】以上で1回の成形サイクルが終了する。
【0037】図7は、図6の制御動作に圧縮制御を追加
した場合の変化を示し、射出圧縮工程はステップS14
´からステップS15の間に実行される。すなわち、ス
テップS14では、金型内の樹脂の冷却、固化による収
縮作用によりプラテン間距離Lは減少する。その間、マ
イクロプロセシングユニット43は、タイマ動作を開始
してから所定時間tが経過したかどうかを監視し、所定
時間t経過した時点でステップS14´に進んで型締力
をPM まで上げて射出圧縮を開始する。
【0038】ところで、最適な射出圧縮開始のタイミン
グについて言えば、そもそも射出圧縮の目的は、成形品
の樹脂の収縮を型締側で補うことにある。この場合、圧
縮のタイミングが早過ぎると樹脂の温度が高く、金型の
ゲートからノズル側への逆流が発生したり、金型内の樹
脂が移動することによってヒケが発生する等して圧縮効
果を期待できない。一方、圧縮のタイミングが遅過ぎる
と、金型内の成形品の表面で固化が進むため全体に均一
な圧力を加えることができない。すなわち、圧縮力が低
い時は固化が進んでいない箇所には圧縮力を伝達するこ
とができず、圧縮力が高い時には固化が進んでいる箇所
に圧力がかかりすぎて歪みを生ずる。それ故、タイマに
よる所定時間tは、このような点を考慮して設定され
る。
【0039】このようにして、本発明による圧縮制御で
は、駆動源が追随しやすいように滑らかに型締力が変化
するように制御され、樹脂の冷却、固化に伴う収縮分を
圧縮動作により理想的に補うことができる。しかも、上
昇パターンは、成形品の形状や樹脂の固化速度に応じて
任意に設定変更可能である。
【0040】なお、本例では油圧式成形機の例を示して
いるが、本発明はディスク成形機や電動式成形機にも応
用可能であり、電動式の場合には制御すべき因子を、圧
力だけでなく、圧力を電流やトルクに対応させることで
制御可能であることは言うまでも無い。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば次のような効果が得られる。射出工程中のプラテン間
距離の制御、型締力の制御により、充填工程、保圧工程
の設定を単純化でき、オペレータの経験に頼ることなく
良品のための条件出しを実現でき、そのための時間も短
縮できる。
【0042】成形品のバリ、ヒケ、ソリ、歪み等の不良
発生を無くすことができる。
【0043】毎ショット安定した型開量、型締力、射出
圧縮圧力の挙動を実現でき、成形品のショット間ばらつ
きを少なくすることができる。樹脂、金型温度、油圧シ
リンダの駆動油温度の変動による成形品への影響を少な
くすることができる。良品を得るための最低の射出圧
力、及び型締力を実現できるので、エネルギー消費を少
なくできる。
【0044】成形品にとって最適な圧力で成形できるの
で、成形機、金型の寿命が延びる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された射出成形機のうち射出装
置、型締装置の概略構成を示した図である。
【図2】本発明で使用される距離センサの一例を説明す
るための図である。
【図3】本発明で使用される距離センサの他の例を説明
するための図である。
【図4】本発明による制御系の概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】本発明による制御動作の一例を説明するための
フローチャート図である。
【図6】本発明による制御動作の過程におけるプラテン
間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示した図であ
る。
【図7】図6の制御動作に圧縮工程を追加した場合のプ
ラテン間距離、型締力、射出速度・圧力の変化を示した
図である。
【符号の説明】
11 ホッパ、 12 加熱シリンダ、 13
スクリュ、14 射出シリンダ、 15 ピ
ストン、 16 ノズル、17 固定金型、
18 可動金型、 21 固定プラテン、22
リアプラテン、 23 タイバー、24 油圧
シリンダ、 25 油圧ピストン、26 可動プ
ラテン、 27 圧力センサ、28 距離センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−205235(JP,A) 特開 平7−100893(JP,A) 特開 平7−9517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定プラテンに取付けた固定金型と、可
    動プラテンに取付けた可動金型と、前記可動プラテンを
    駆動して前記固定金型と前記可動金型との開閉を行うと
    共に、型締を行う駆動源とを有する射出成形機におい
    て、 前記二つのプラテンにおけるプラテン間距離Lを検出す
    るための距離センサと、 前記駆動源による締付圧力を型締力として検出するため
    の圧力センサと、 前記距離センサからの距離検出信号と前記圧力センサか
    らの前記型締力を表す圧力検出信号等を用いて前記駆動
    源を制御する制御部とを有し、該制御部の動作ステップ
    として、 樹脂の充填が開始されると、充填工程の間、前記駆動源
    を前記プラテン間距離が一定値LO となるように制御す
    るステップと、 スクリュの位置を監視して該スクリュがあらかじめ定め
    られた位置に到達すると充填工程から保圧工程への切換
    えを行うステップと、 前記保圧工程に入ると該保圧工程への切換え時の前記型
    締力を維持するように前記駆動源を制御し、樹脂充填が
    進む結果、前記プラテン間距離が増加してあらかじめ定
    められた値LS に達すると、この値LS を維持するよう
    に前記プラテン間距離の位置制御を行うステップと、 その結果生ずる型締力の変化を監視し、保圧工程の進行
    により型締力が増加してピークに達してから減少し始め
    たことを検出するとこの検出時の型締力P3を維持する
    ように前記駆動源を制御するステップとを含むことを特
    徴とする射出成形機の制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の射出成形機の制御方式に
    おいて、前記スクリュの位置を監視して充填工程から保
    圧工程への切換えを行うステップに代えて、ノズル部あ
    るいは金型内の樹脂圧を監視し、該樹脂圧が所定値に達
    すると充填工程から保圧工程への切換えを行うステップ
    を実行することを特徴とする射出成形機の制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の射出成形機の制御方式に
    おいて、前記スクリュの位置を監視して充填工程から保
    圧工程への切換えを行うステップに代えて、射出シリン
    ダの油圧を監視し、該油圧が所定油圧に達すると充填工
    程から保圧工程への切換えを行うステップを実行するこ
    とを特徴とする射出成形機の制御方式。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の射出成形機の制御方式に
    おいて、前記スクリュの位置を監視して充填工程から保
    圧工程への切換えを行うステップに代えて、充填開始か
    らの時間経過を監視し、該充填開始からあらかじめ定め
    られた時間が経過すると充填工程から保圧工程への切換
    えを行うステップを実行することを特徴とする射出成形
    機の制御方式。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の射出成
    形機の制御方式において、前記型締力P3を維持するス
    テップにおいて所定時間tが経過すると再度前記型締力
    をP3よりも高い設定値PM まで上昇させて所定時間t
    1 だけ圧縮制御を行い保圧工程を終了することを特徴と
    する射出成形機の制御方式。
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