JPH08318554A - 射出圧縮成形方法および装置 - Google Patents

射出圧縮成形方法および装置

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JPH08318554A
JPH08318554A JP12779295A JP12779295A JPH08318554A JP H08318554 A JPH08318554 A JP H08318554A JP 12779295 A JP12779295 A JP 12779295A JP 12779295 A JP12779295 A JP 12779295A JP H08318554 A JPH08318554 A JP H08318554A
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mold
pressure
stroke
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Akio Okamoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高精度な型締開始のタイミング制御により高
品質な成形品を安定して供給するようにした射出圧縮成
形方法および装置を提供する。 【構成】 油圧式の型締シリンダを駆動させてトグル機
構を介して金型を開閉する際、型締工程では、前記トグ
ル機構が伸び切らない状態で低圧型締を行ない、射出充
填工程中の射出機構の射出シリンダ油圧が設定値に達し
たことを検知後、前記トグル機構を伸び切る方向へ伸延
させて高圧型締を行なうとともに、射出充填された樹脂
が射出機構側へ逆流しないように型締圧力と射出圧力を
同期制御させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトグル機構が伸び切らな
い状態で金型内に溶融樹脂を充填し、充填された樹脂圧
によって金型が若干開き、その後型締側でトグル機構が
伸び切った状態で圧縮を行なうようにした射出圧縮成形
方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】型締動作を制御して射出圧縮成形を行な
う場合、初期の型締力設定条件によっては射出充填中の
型開量が過大となり、そのため金型キャビティ内の樹脂
流動状態が射出充填工程と圧縮工程の切替の際に不連続
となり、その結果フローマークなどの欠陥が発生する。
そのために、射出充填動作に型締動作をオーバーラップ
させた射出・型締連動制御が必要であり、この型締開始
のタイミング制御が高品質な成形品を安定して供給させ
る上で重要な制御となる。
【0003】従来の射出・型締連動制御は次のようにな
っている。すなわち、 射出充填中の可動盤または金型の後退量をモニタし
て、後退量≧設定値となった時、または射出充填中の型
締駆動力の変化量をモニタして、変化量≧設定値となっ
た時に型締動作を開始する(型締側信号基準)。 射出充填中の金型キャビティ内の溶融樹脂の充填状
態(例えば、圧力、温度)をモニタして、モニタ値≧設
定値となった時に型締動作を開始する(金型側信号基
準)。
【0004】 射出充填中の射出シリンダまたは射出
スクリュのストロークをモニタして、ストローク位置≧
設定値となった時に型締動作を開始する(射出側信号基
準)。 初期型締動作完了、あるいは、射出充填開始など、
成形工程中の任意の工程を基準として起動するタイマの
タイムアウト信号に基づいて型締動作を開始する(タイ
マ信号基準)などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の射出
・型締連動制御については次のような問題点があった。 (1)射出充填中の可動盤または金型の後退挙動は、射
出充填によって金型キャビティ内の充填された樹脂圧の
増加によって発生する型開反力と、設定型開量を保持し
ようとする型締側の型締力とのバランスによって生じる
ものである。したがって、型締力の制御状態(制御精度
・応答性)によっては、後退挙動は大きく変わってしま
う。
【0006】さらに、可動盤に金型を取付けた場合には
相当な重量を有しており、射出充填に伴う型開反力を正
確に表現することは困難であり、応答性も低い。このこ
とは、型締駆動力の変化にも顕著に影響を与え、その結
果、多くは検出遅れを生じて、最適な型締開始のタイミ
ングがズレた制御となってしまうという問題点がある。
【0007】上記問題点を解決するため、タイミング制
御の基準となる設定値を、検出遅れなどを見込んで低目
に設定することも考えられるが、設定値考慮の度合の基
準がないため難しく、逆にオーバーダウンによる早期型
締動作開始によって、射出充填と型締動作の両方からの
圧縮作用により、射出圧縮成形の効果の1つでもある、
金型キャビティ内の樹脂圧の低減効果による低歪化を達
成し得なくなることが予想されるといった問題がある。
【0008】特に、トグル機構を介して型締を行なう射
出成形機においては、単に型締を行なう際には有利に作
用するトグル特性が、トグル機構を途中停止させた状態
(トグルは屈折状態)で使用する射出圧縮成形では、逆
に後退量あるいは型締駆動力の変化量の検出には適して
いないと言える。
【0009】(2)上記(1)の方法よりは検出精度は
高い方法と言えるが、圧力、温度などの検出センサによ
る検出信号はいずれもピンポイント計測であり、センサ
取付箇所によっては(実際はエジェクタピンなどの存在
により、取付場所は限定されている)、全く異なった判
断をする可能性が極めて高い。
【0010】上記問題点に対しては、センサ数を増やし
て対応することも考えられるが、ピンポイントデータの
単なる集合体検出信号であるため、金型キャビティ内の
樹脂挙動を全体的には観察できないこと。さらに、信号
処理のためのソフト・ハードがともに複雑化することに
より大きなメリットを見い出すことはできないという問
題がある。
【0011】また、金型にセンサ類を取付けるための金
型への特殊な加工が必要なこと、金型毎に取付工数が必
要なことなどの理由からもデメリットは大きい。
【0012】(3)射出充填量の制御している箇所で直
接、充填挙動を検出していることで、射出充填動作に型
締動作をオーバーラップさせた射出・型締連動制御に
は、従来技術を説明した〜の中で最も精度の高い制
御方法と言える。しかしながら、単に射出ストローク位
置のみでタイミング制御を行なう従来方法では、まだ計
量値の変動、チェックリングの作動状態の変動に起因す
る樹脂量のバラツキを含んだ状態での検出方法であるた
め、射出充填挙動を正確に検知できているとは言えな
い。
【0013】さらに、従来方法では金型内の樹脂の充填
挙動を同時に把握するまでには至っておらず、そのた
め、成形中の樹脂温度(射出シリンダ〜金型までの総
合)の変動に対しては対応困難であり、高品質な成形品
を安定して供給することはできない。
【0014】(4)前記従来技術を説明した〜の中
で最も簡単な制御方法であるが、制御レベルは最も低く
そのため単独での使用では高精度射出圧縮成形の射出・
型締連動制御には適応不十分である。など多くの問題点
を有している。
【0015】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、高精度な型締開始のタイミング制
御により、高品質な成形品を安定して供給するようにし
た射出圧縮成形方法および装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達するため
に、第1の発明では、油圧式の型締シリンダを駆動させ
てトグル機構を介して金型を開閉する際、型締工程で
は、前記トグル機構が伸び切らない状態で低圧型締を行
ない、射出充填工程中の射出機構の射出圧力が設定値に
達したことを検知後、前記トグル機構を伸び切る方向へ
伸延させて高圧型締を行なうとともに、射出充填された
樹脂が射出機構側へ逆流しないように型締圧力と射出圧
力を同期制御させるようにし、さらに、第2の発明で
は、タイバに組込んだ型締力検出部を用いて、両金型が
タッチした状態を検知して、トグル機構と連結される型
締シリンダのストロークを原点設定し、低圧型締におけ
る設定型締力を型締力検出部で検知した後該原点設定位
置からの型締シリンダのストローク前進量により設定す
るとともに、射出充填工程中は設定した前進位置に可動
金型を保持するように型締シリンダの油圧を制御するよ
うにした。
【0017】また、第3の発明では、射出充填工程中の
射出圧力の検知は、射出シリンダストロークの前進限
と、該前進限に至るまでの射出充填完了近傍の領域の射
出シリンダストローク位置で行なうようにし、第4の発
明では、射出充填工程では、あらかじめ樹脂の冷却固化
収縮量を算出し、この算出された樹脂量を加算した樹脂
量を金型キャビティ内に充填し、射出圧力が設定値に達
するまでは射出速度制御で行ない、設定値に達した後は
射出圧力制御で行なうようにした。
【0018】型締力を設定する型締力設定部と、型締シ
リンダのストロークを検出する型締シリンダストローク
センサと、型締工程における金型タッチ点の検知をタイ
バに組込んだ型締力検出部で行ない、該型締力検出部の
検出信号に基づいて型締シリンダのストロークを原点設
定する金型タッチ点設定部と、前記型締力設定部の設定
値と、前記型締力検出部の検出信号および型締シリンダ
ストロークセンサの検出信号を比較してトグル機構を連
結される型締シリンダのストロークを制御して型締を行
なう型締制御部と、射出充填を行なう射出制御部とを具
備するとともに射出充填工程中の射出圧力を検出する射
出圧力検出部と、射出圧力の検出範囲を設定する位置設
定部と、前記射出圧力検出部からの検出信号に基づい
て、前記型締制御部へ高圧型締開始信号および前記射出
制御部へ速度から圧力制御への切替信号を発信させる比
較制御部と、高圧型締開始後の型締力と射出圧力を同期
制御させる同期制御部とを有した構成にする。
【0019】
【作用】射出充填工程中の射出機構の射出圧力が設定値
に達したことを検知後、高圧型締して圧縮工程を行なう
ことにより、射出・型締連動制御における型締動作開始
のタイミング信号の検出を、射出充填工程を制御してい
る箇所で直接検知していること。さらに、タイミング信
号を射出シリンダ油圧(射出駆動力)の変化量を用いて
いることにより、金型キャビティ内の溶融樹脂の充填挙
動も合わせて検知していることで、射出機構側から金型
キャビティ内までの樹脂の充填挙動を総合的に把握で
き、極めて精度の高い射出・型締連動制御が実現でき
る。
【0020】その結果、計量値チェックリングの作動変
動などに起因する充填量のバラツキおよび成形中の樹脂
温度の変動などの外乱因子に影響されることなく、高精
度射出圧縮成形が制御できるため、高品質な成形品を安
定して供給することができる。
【0021】また、タイミング信号の検出を射出シリン
ダストローク前進限近くの射出充填完了近傍の範囲内で
行なうことにより、射出機構側での充填挙動と金型キャ
ビティ内の充満挙動の相互関係を最も的確に検知できる
領域で型締開始のタイミング制御が行なえるため、射出
充填動作に型締動作をオーバーラップさせた射出・型締
連動制御が正確に実現できる。
【0022】さらに、高圧型締開始までの射出充填工程
は射出速度制御で行ない、高圧型締開始以降は、射出圧
力制御に切替えるとともに、型締力と射出圧力の同期制
御を行なうことにより、型締動作による圧縮工程で、従
来、特に問題とされていた金型キャビティから射出側へ
の樹脂の逆流が防止できるため、成形品重量が安定する
とともに、樹脂の逆流により生じていた成形品の変形も
防止できて高品質な成形品を安定して供給することがで
きる。また、従来、逆流防止のため付設していたシャッ
トオフバルブなどは不要となるため、低コスト化が達成
できる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明に係る射出圧縮成形方法およ
び装置の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0024】図1は本発明に係る射出成形機の制御概念
図、図2は初期型締条件設定フロー図、図3は射出充填
動作説明図、図4は成形動作フロー図を示す。
【0025】本実施例における射出成形装置100は、
トグル式型締装置50、射出装置40および制御部60
から構成されている。
【0026】図1はトグル式の型締装置50を備えた射
出成形装置100を示し、中心線より上半分は低圧型締
状態を示し、中心線より下半分は高圧型締状態を示して
いる。図1におけるトグル式型締装置50は、リンクハ
ウジング1、固定盤(固定プラテン)2、可動盤(可動
プラテン)3、金型4(固定金型4bおよび可動金型4
a)、キャビティ5、トグル機構6、クロスヘッド7、
型締シリンダ(ダイロックシリンダ)8、ピストンロッ
ド9およびガイドロッド10より構成される。
【0027】ダブルトグル式の型締装置50を備えた射
出成形装置100では、図1に示すように、可動盤3と
リンクハウジング1との間に3つのトグルリンク6a、
6b、6cからなる上下一対のトグル機構6を備え、リ
ンクハウジング1の外端面の略中心部に型締シリンダ
(ダイロックシリンダ)8を装着し、型締シリンダ8の
ピストンロッド9の先端をクロスヘッド7に連結し、該
クロスヘッド7を進退自在に挿通したガイドロッド10
に沿って前後進させるとともに、該クロスヘッド7を介
して前記トグル機構6を作動させ、固定盤2に対して可
動盤(可動プラテン)3を移動して型締動作を行なうよ
うになっている。符号11はタイバを示す。
【0028】次に、射出装置40について述べる。本実
施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ4
2が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾーン、
圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにおいて
溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44内へ
射出されるように構成されている。
【0029】そして、バレル41の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料がスクリュ42の回転によって前方へ送られるように
なっている。
【0030】符号46は射出シリンダ、47は正逆転用
モータであってスクリュ42に直結されており、スクリ
ュ42を正逆回転するようになっている。
【0031】次に、制御部60について述べる。
【0032】制御部60は射出圧力検出部61、位置設
定部62、射出制御部63、比較制御部63a、タイマ
65、油圧制御弁64、67、型締制御部66、油圧供
給源68a、68b、同期制御部69、型締力検出部7
0、金型タッチ点設定部71、型締力設定部72、型締
シリンダストロークセンサ74および圧力センサ75か
ら構成されている。
【0033】同期制御部69は射出制御部63に接続さ
れ、射出制御部63は射出シリンダ46の動作を制御す
る油圧制御弁64と正逆転用モータ47の動作を制御す
る図示しない制御装置および型締制御部66にそれぞれ
接続されている。
【0034】型締制御部66は型締シリンダ8の動作を
制御する油圧制御弁67に接続されている。なお、68
a、68bは簡略化した油圧供給源である。
【0035】射出シリンダ46に取付けてある圧力セン
サ75と射出圧力検出部61が接続されており、また、
射出圧力検出部61は位置設定部62と比較制御部63
aに接続されている。また、比較制御部63aはタイマ
65と同期制御部69へそれぞれ接続されている。
【0036】また、タイバ11に組込まれて型締工程に
おける型締力の検知を行なう型締力検出部70は、金型
タッチ点設定部71に接続されている。
【0037】型締シリンダ8のピストンロッド9途上の
反クロスヘッド7側には型締シリンダストロークセンサ
74が配設されており、設定型締圧に達した時の型締シ
リンダ8のストロークを検知して、その位置を保持する
ことにより型締シリンダ8の動作を固定させるための手
段として用いる。
【0038】そして、金型タッチ点設定部71と型締シ
リンダストロークセンサ74に接続された型締力設定部
72は、型締制御部66に接続されている。以上のよう
に構成された射出圧縮成形装置の作用について述べる。
【0039】まず、図2に示すように型締力設定部72
の型締力設定値(S値)に基づいて型締制御部66で油
圧制御弁67を制御して型締を行なう。
【0040】次いで、タイバ11に組込んだ型締力検出
部70で型締動作中の両金型4a、4bのタッチ状態を
検知して、金型タッチ点として金型タッチ点設定部71
へ記憶させるとともに、トグル機構6と連結される型締
シリンダストロークを、いわゆる金型タッチ点として原
点設定する。
【0041】因みに、本実施例ではタイバ11中に型締
力検出部70を埋め込むことで次のようなメリットがあ
る。すなわち、 トグル機構6の型締力の発生原理であるタイバ11
の伸延(応力)挙動を直接計測しているので、最も計測
精度が高い。 金型取付部とは無関係の位置なので取扱性が極めて
良好である。
【0042】金型タッチ点設定後、さらに型締前進動作
を行ない、型締力検出部70の検出信号がS値に達した
時の型締シリンダストロークを型締シリンダストローク
センサ74で検出して、初期型締制御設定値(S1 値)
として型締力設定部72へ記憶させる。
【0043】そして、成形動作においては、S1 値を保
持するように型締シリンダ油圧を油圧制御弁67で制御
して型締力(S値)制御を行なう(型締シリンダ位置保
持制御)。ここで、トグル機構の特性(型締シリンダス
トロークが、例えば1mm変動したとしても、可動盤3
の位置変動は1/10mm以下であり、型締力の設定精
度は極めて高い。実際には型締シリンダストロークは1
/10mmの精度で保持できる。)により、極めて高精
度、かつ再現性の高い型締力制御が容易にできる。
【0044】次に、高圧型締開始タイミング信号の設定
手順について図3を用いて詳述する。
【0045】まず、あらかじめ設定した射出充填量(樹
脂の冷却固化収縮量を加算した樹脂量)と射出速度(1
段または多段射出速度)の設定値に基づいて射出充填を
行なう。
【0046】そして、高圧型締開始のタイミング信号を
検出する範囲を、射出シリンダストロークの前進限(E
点)と前進限(E点)に至るまでの、射出充填完了近傍
の領域の射出シリンダストローク位置を位置設定値(モ
ニタリング開始点、V)として位置設定部62で設定す
る。こうすることにより、射出機構側での充填挙動と金
型キャビティ5内の充満挙動の相互関係を最も的確に検
知することになり、射出充填動作に型締動作をオーバー
ラップさせた射出・型締連動制御が正確に制御できる。
【0047】同時に、高圧型締開始のタイミング信号を
射出機構側の射出圧力による比較設定値(K値)として
比較制御部63aで設定する。タイミング信号を射出圧
力で設定することにより、射出機構側から金型キャビテ
ィ5内の樹脂の充填挙動が総合的に把握できるため、計
量値、チェックリングの作動変動による充填量のバラツ
キ、および成形中の樹脂温度の変動などの外乱因子に影
響されることなく、安定して高精度なタイミング信号の
検出ができる。
【0048】次に、前述した設定値(V値、K値)に基
づいて高圧型締開始の制御を行なう。射出シリンダスト
ロークがモニタリング開始点(V)に達すると射出圧力
検出部61で射出圧力のモニターを開始する。金型キャ
ビティ5内の充填挙動に伴い設定された射出速度を保持
するために、射出圧力は増加を必要とし、射出圧力検出
部61の検出信号がK値に達すると(設定圧力到達点、
P)射出充填動作を射出速度制御から射出圧力制御へ切
替えるとともに(V→P切替)、高圧型締動作を開始す
る(圧縮工程)。
【0049】次いで、高圧型締開始(射出・型締連動区
間のスタート)と同時に、型締力と射出圧力の同期制御
を行なう。こうすることにより、型締動作による圧縮工
程において、金型キャビティ5内から射出側への樹脂の
逆流は防止でき、その結果、逆流による成形品の変形は
皆無となる上、逆流防止のためのシャットオフバルブな
どは不要となる。なお、同期制御については、射出装置
40のノズル44内と金型キャビティ5内の樹脂圧バラ
ンスを保つことであり、型締による圧縮条件(型締速
度、型締圧力)を考慮して、射出シリンダ46が後退す
ることがないように型締側と射出側の圧力制御を同時に
行なう。すなわち、型締力の増圧開始と同時に射出圧力
を増加し金型キャビティ5内の樹指圧と射出圧力を同等
になるようにして樹脂の逆流を防止する。
【0050】次に、図4を用いて初期条件設定に引続く
成形動作手順について述べる。
【0051】先に設定した型締力設定値(S1 値)に基
づいて低圧型締を行ない、この低圧型締完了後射出充填
を行なう。同時に先に設定した位置設定値(V値)、比
較設定値(K値)に基づいて高圧型締開始のタイミング
制御を行なう。
【0052】射出シリンダストロークがV点に達した
後、射出圧力検出部61で射出圧力のモニターを開始す
る。射出圧力検出部61の検出信号がK値に達したこと
を検知後、比較制御部63aは同期制御部69を介し
て、射出制御部63へはV(速度)−P(圧力)切替信
号を、また型締制御部66へは高圧型締開始信号をそれ
ぞれ発信するとともに、タイマ65を起動させる。
【0053】これにより、同期制御部69は型締力と射
出圧力の同期制御を行ない、射出・型締連動の射出圧縮
成形を行なうのである。
【0054】ここで、タイマ65に計量開始時間(t1
)、型締完了時間(t2 )をあらかじめ設定してお
く。ところで、t1 はゲートシールの時間を基準として
設定し、t2 は樹脂温度、金型冷却能力、成形品形状な
どから樹脂の冷却時間を算出して設定する。
【0055】この後、タイマ65のタイムアウト信号に
基づいて高圧型締開始後の射出および型締の制御を行な
うのである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、 (1)射出充填工程中の射出圧力が、充填完了近傍の範
囲内において、設定値に達したことを検知後、高圧型締
を開始して圧縮工程を行なうことにより、計量値やチェ
ックリング作動変動による充填量のバラツキや成形中の
樹脂温度の変動などの外乱因子に全く影響されずに、射
出機構側での充填挙動と金型キャビティ内の充満挙動の
相互関係が正確に検知でき、極めて高精度な射出圧縮成
形が制御できるため、高品質な成形品を安定して供給で
きる。
【0057】(2)また、圧縮工程は、射出圧力と型締
圧力を同期制御させることにより、金型キャビティから
射出側への樹脂の逆流が防止できるため、成形品の品質
精度が極めて向上するとともに、逆流防止のためのシャ
ットオフバルブなどの不要によるコストダウンができ
る。
【0058】(3)さらに、タイバに組込んだ型締力検
出部で金型タッチ点を設定するとともに、型締シリンダ
ストロークの位置保持制御により型締力保持を行なうこ
とにより、極めて高精度な型締力設定ができるため、高
品質の成形品が供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形機の制御概念図である。
【図2】本発明に係る射出成形機の初期型締条件設定フ
ロー図である。
【図3】本発明に係る射出成形機の射出充填動作説明図
である。
【図4】本発明に係る射出成形機の成形動作フロー図で
ある。
【符号の説明】
1 リンクハウジング 2 固定盤 3 可動盤 4 金型 4a 可動金型 4b 固定金型 5 キャビティ 6 トグル機構 7 クロスヘッド 8 型締シリンダ 9 ピストンロッド 10 ガイドロッド 11 タイバ 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 43 ホッパ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 射出ピストン 50 トグル式型締装置 60 制御部 61 射出圧力検出部 62 位置設定部 63 射出制御部 63a 比較制御部 64、67 油圧制御弁 65 タイマ 66 型締制御部 68a、68b 油圧供給源 69 同期制御部 70 型締力検出部 71 金型タッチ点設定部 72 型締力設定部 74 型締シリンダストロークセンサ 75 圧力センサ 100 射出成形装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧式の型締シリンダを駆動させてトグ
    ル機構を介して金型を開閉する際、型締工程では、前記
    トグル機構が伸び切らない状態で低圧型締を行ない、射
    出充填工程中の射出機構の射出圧力が設定値に達したこ
    とを検知後、前記トグル機構を伸び切る方向へ伸延させ
    て高圧型締を行なうとともに、射出充填された樹脂が射
    出機構側へ逆流しないように型締圧力と射出圧力を同期
    制御させることを特徴とする射出圧縮成形方法。
  2. 【請求項2】 タイバに組込んだ型締力検出部を用い
    て、両金型がタッチした状態を検知して、トグル機構と
    連結される型締シリンダのストロークを原点設定し、低
    圧型締における設定型締力を型締力検出部で検知した後
    該原点設定位置からの型締シリンダのストローク前進量
    により設定するとともに、射出充填工程中は設定した前
    進位置に可動金型を保持するように型締シリンダの油圧
    を制御することを特徴とする請求項1記載の射出圧縮成
    形方法。
  3. 【請求項3】 射出充填工程中の射出圧力の検知は、射
    出シリンダストロークの前進限と、該前進限に至るまで
    の射出充填完了近傍の領域の射出シリンダストローク位
    置で行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    射出圧縮成形方法。
  4. 【請求項4】 射出充填工程では、あらかじめ樹脂の冷
    却固化収縮量を算出し、この算出された樹脂量を加算し
    た樹脂量を金型キャビティ内に充填し、射出圧力が設定
    値に達するまでは射出速度制御で行ない、設定値に達し
    た後は射出圧力制御で行なうようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載の射出圧縮成形方法。
  5. 【請求項5】 型締力を設定する型締力設定部と、型締
    シリンダのストロークを検出する型締シリンダストロー
    クセンサと、型締工程における金型タッチ点の検知をタ
    イバに組込んだ型締力検出部で行ない、該型締力検出部
    の検出信号に基づいて型締シリンダのストロークを原点
    設定する金型タッチ点設定部と、前記型締力設定部の設
    定値と、前記型締力検出部の検出信号および型締シリン
    ダストロークセンサの検出信号を比較してトグル機構を
    連結される型締シリンダのストロークを制御して型締を
    行なう型締制御部と、射出充填を行なう射出制御部とを
    具備するとともに射出充填工程中の射出圧力を検出する
    射出圧力検出部と、射出圧力の検出範囲を設定する位置
    設定部と、前記射出圧力検出部からの検出信号に基づい
    て、前記型締制御部へ高圧型締開始信号および前記射出
    制御部へ速度から圧力制御への切替信号を発信させる比
    較制御部と、高圧型締開始後の型締力と射出圧力を同期
    制御させる同期制御部とを有することを特徴とする射出
    圧縮成形装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009196377A (ja) * 2009-06-12 2009-09-03 Canon Inc 射出成形機を用いた成形品の製造方法
JP2010105410A (ja) * 2010-02-19 2010-05-13 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成形条件設定方法
CN105415577A (zh) * 2005-06-02 2016-03-23 住友重机械工业株式会社 注塑成型机以及成型条件设定方法

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