JP3128052B2 - 射出プレス成形方法および装置 - Google Patents

射出プレス成形方法および装置

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JP3128052B2
JP3128052B2 JP07149904A JP14990495A JP3128052B2 JP 3128052 B2 JP3128052 B2 JP 3128052B2 JP 07149904 A JP07149904 A JP 07149904A JP 14990495 A JP14990495 A JP 14990495A JP 3128052 B2 JP3128052 B2 JP 3128052B2
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昭男 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金型を所定の隙間だけ
開いた状態に保持して、金型キャビティ内へ溶融樹脂を
充填し、充填完了後に型締装置で該隙間を閉じて圧縮を
行なう射出プレス成形方法および射出プレス成形装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】型締動作を制御して射出プレス成形を行
なう場合、型開量設定条件によっては、金型キャビティ
内の樹脂流動状態が射出充填工程と圧縮工程の切替の際
に不連続となり、その結果フローマークなどの欠陥が発
生する。そのために、射出充填動作に型締動作をオーバ
ラップさせた射出・型締連動制御が必要であり、この型
締開始のタイミング制御が高品質な成形品を安定して供
給するうえで重要な制御となる。従来の射出・型締連動
制御は以下のとおり実施されていた。 射出充填中の可動盤または金型の後退量をモニタし
て、後退量≧設定値となったとき、または射出充填中の
型締駆動力の変化量をモニタして、変化量≧設定値とな
ったときに型締動作を開始する‥‥型締側信号基準。 射出充填中の金型キャビティ内の溶融樹脂の充填状
態(例えば、圧力、温度)をモニタして、モニタ値≧設
定値となったときに型締動作を開始する‥‥金型側信号
基準。 射出充填中の射出シリンダまたは射出スクリュのス
トロークをモニタして、ストローク位置≧設定値となっ
たときに型締動作を開始する‥‥射出側信号基準。 初期型締動作完了、あるいは、射出充填開始など、
成形工程中の任意の工程を基準として起動するタイマの
タイムアウト信号に基づいて、型締動作を開始する‥‥
タイマ信号基準。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の方法では各々、下記に示すような問題があっ
た。 射出充填中の可動盤または金型の後退挙動は、射出
充填によって金型キャビティ内の充填された樹脂の増加
によって発生する型開反力と、設定型開量を保持しよう
とする型締側の制御された型締力とのバランスによって
生じるものである。したがって、型締力の制御状態(制
御精度、応答性)によっては、後退挙動は大きく変わっ
てしまう。 さらに、可動盤および金型(実際は一体に取付けられて
いる)は、相当な重量を有しており、射出充填に伴なう
型開反力を正確に表現することは困難であり、応答性も
低い。このことは、型締駆動力の変化にも顕著に影響を
与え、その結果、多くは検出遅れを生じて、最適な型締
開始のタイミングがズレた制御となってしまう。上記問
題点を解決するため、タイミング制御の基準となる設定
値を、検出遅れなどを見込んで低目に設定することも考
えられるが、考慮の度合を判定する基準はないため難し
く、逆にオーバダウンによる早期型締動作開始によっ
て、射出充填と型締動作の両方からの圧縮作用により、
射出プレス成形の効果のひとつでもある金型キャビティ
内の樹脂圧の低減効果による低歪化を達成し得なくなる
ことが予想される。特に、トグル機構を介して型締を行
なう射出成形機においては、単に型締を行なう際には有
利に作用するトグル特性が、トグル機構を途中停止させ
た状態(トグルは屈折状態)で使用する射出プレス成形
では、逆に後退量あるいは型締駆動力の変化量の検出に
は適していないと言える。
【0004】 上記の方法よりは検出精度は高い方
法と言えるが、圧力、温度などの検出センサによる検出
信号はいずれもピンポイント計測であり、センサ取付箇
所によっては(実際はエジェクタピンなどの存在によ
り、取付場所は限定されている)、全く異なった判断を
する可能性が極めて高い。 上記問題点に対しては、センサ数を増して対応すること
も考えられるが、ピンポイントデータの単なる集合体検
出信号であるため、金型キャビティ内の樹脂挙動を全体
的には観察できないことならびに信号処理のためのソフ
ト・ハードがともに複雑化することにより大きなメリッ
トを見い出すことはできない。また、金型にセンサ類を
取り付けるための金型への特殊な加工が必要なことなら
びに金型毎に取付工数が必要なことなどの理由からも、
デメリットは大きい。
【0005】 射出充填量を制御している箇所で、直
接、充填挙動を検出しているので、射出充填動作に型締
動作をオーバラップさせた射出・型締連動制御には、従
来方法の〜の中で最も精度の高い制御方法と言え
る。 しかしながら、単に射出ストローク位置のみでタイミン
グ制御を行なう従来方法では、まだ計量値の変動やチェ
ックリングの作動状態の変動に起因する充填量のバラツ
キを含んだ状態での検出方法であるため、射出充填挙動
を正確に検知できているとは言えない。さらに、従来方
法では、金型内の樹脂の充填挙動を同時に把握するまで
には至っておらず、そのため、成形中の樹脂温度(射出
機構側から金型までの総合平均温度)の変動に対しては
対応困難であり、高品質な成形品を安定して供給するこ
とはできない。 従来〜の中で最も簡単な制御方法であるが、制
御レベルは最も低くそのため単独での使用では、高精度
射出プレス成形の射出・型締連動制御には適応不十分で
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明の方法では、第1の発明では、あら
かじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出したうえ、油圧式の
型締シリンダを駆動させてトグル機構を介して型締を行
なう射出成形機を用いて金型を開閉する際、型締工程で
は前記トグル機構が伸び切らない状態で金型を所定の型
開量位置に保持しておき、射出充填工程では該冷却固化
収縮量を加算した樹脂量を金型キャビティ内に充填可能
な射出圧力制御で射出充填を行ない、射出充填工程中の
射出速度が設定値に達したことを検知した後、前記トグ
ル機構を伸び切る方向へ延伸させて型締力を負荷させる
とともに、型締圧力と射出圧力を同期制御させることと
した。また、第2の発明では、第1の発明において、あ
らかじめタイバーに組込んだ型締力検出部を用いて両金
型がタッチした状態を検知した後、トグル機構と連結さ
れた型締シリンダのストロークの原点設定を行ない、所
定の型開量位置を該原点設定位置からの型締シリンダ後
退量により設定するとともに、射出充填工程中は設定し
た後退位置に可動金型を保持するように型締シリンダの
油圧を制御することとした。さらに、第3の発明では、
第2の発明や第3の発明において、射出充填工程中の射
出速度の検知は、射出シリンダストロークの前進限と該
前進限に至るまでの射出充填完了近傍の領域の中の任意
の射出シリンダストローク位置で行なうこととした。ま
た、第4の発明の射出プレス成形装置は、型開量を設定
する型開量設定部と、金型の型開量を検出する型開量検
出部と、型締シリンダのストロークを検出する型締シリ
ンダストロークセンサと、型締工程における金型タッチ
点の検知をタイバーに組込んだ型締力検出部で行ない該
型締力検出部の検出信号に基づいて型締シリンダのスト
ロークを原点設定する金型タッチ点設定部と、前記型開
量設定部の設定値と前記型開量検出部の検出信号ならび
に前記型締シリンダストロークセンサの検出信号を比較
してトグル機構に連結された型締シリンダのストローク
を制御して型締を行なう型締制御部と、射出充填操作を
司る射出制御部とを備えるとともに、射出充填工程中の
射出速度を検出する射出速度検出部と、射出速度の検出
範囲を設定する位置設定部と、該射出速度検出部からの
検出信号に基づいて前記型締制御部へ型締開始信号を発
信させる比較制御部と、型締開始後の型締力と射出圧力
を同期制御させる同期制御部とを備えてなる構成とし
た。
【0007】
【作用】樹脂の冷却固化収縮量を加算した樹脂量を充填
可能な射出圧力制御で充填することにより、充填初期に
は流動抵抗が小さいため高速充填となり、充填後期には
流動抵抗の増加に伴って充填速度は自然に減速し、パッ
ク圧の生じない自然流通流れ(ナチュラルフロー)が自
動的に得られる。さらに、射出充填工程中の射出速度が
設定値に達したことを検知した後、型締動作を開始して
圧縮工程を行なうことにより、射出・型締連動制御にお
ける型締動作開始のタイミング信号の検出を、射出充填
工程を制御している射出機構側で直接行なっていること
と併せて、タイミング信号として射出速度の変化量を用
いることにより、金型キャビティ内の溶融樹脂の充填挙
動も併せて検知していることで、射出機構側から金型キ
ャビティ内までの樹脂の充填挙動を総合的に把握でき、
極めて精度の高い射出・型締連動制御が実現できる。そ
の結果、計量値やチェックリングの作動変動などに起因
する充填量のバラツキおよび成形中の樹脂温度の変動な
どの外乱因子に影響されることなく、高精度射出プレス
成形が制御できるため、高品質な成形品を安定して供給
することができる。
【0008】また、タイミング信号の検出を射出シリン
ダストローク前進限とこの前進限に至るまでの射出充填
完了近傍の範囲内で行なうことにより、射出機構側での
充填挙動と金型キャビティ内の充満挙動の相互関係を最
も的確に検知できる領域で型締開始のタイミング制御が
行なえるため、射出充填動作に型締動作をオーバラップ
させた射出・型締連動制御が正確に実現できる。さら
に、型締開始以降は、型締圧力と射出圧力の同期制御を
行なうことにより、型締動作による圧縮工程で、従来、
特に問題とされていた金型キャビティから射出側への樹
脂の逆流が防止できるため成形品重量が安定するととも
に、樹脂の逆流により生じていた成形品の変形も防止で
きて高品質な成形品を安定して供給することができる。
また、従来、逆流防止のため付設していたシャットオフ
バルブなどは不要となるため、低コスト化が達成でき
る。
【0009】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例の詳細に
ついて説明する。図1〜図4は本発明に係り、図1は射
出成形機の全体構成図、図2は射出プレス成形方法の初
期型締条件設定手順を示すフローチャート、図3は射出
プレス成形方法の射出充填動作説明図、図4は射出プレ
ス成形方法の成形動作を示すフローチャートである。
【0010】図1の射出成形機100の上半分は、型締
前の型開状態を示し、下半分は型締完了後の型閉状態を
示す。図1に示すように、射出プレス成形を行なう射出
成形機100は、大別すると型締装置20と射出装置4
0と制御部60とから構成され、型締装置20は、リン
クハウジング1、固定盤2、可動盤3、型締シリンダ
8、トグル機構6(トグルリンク6a、ミッドリンク6
b、クロスヘッドリンク6c)、クロスヘッド7、ピス
トンロッド9、ガイドロッド10、金型4(可動金型4
a、固定金型4b)、キャビティ5、タイバー11など
から構成される。
【0011】つぎに、射出装置40について述べる。本
実施例における射出装置40はバレル41内にスクリュ
42が配設され、ホッパ43内の樹脂原料が供給ゾー
ン、圧縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにお
いて溶融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル44
内へ射出されるように構成されている。そして、バレル
41の外周面には樹脂原料を外部加熱するためのヒータ
が設けられており、樹脂原料がスクリュ42の回転によ
って前方へ送られるようになっている。符号46は射出
シリンダ、47は正逆転用モータであってスクリュ42
に直結されており、スクリュ42を正逆回転するように
なっている。
【0012】つぎに、制御部60について述べる。制御
部60は、射出制御部61、同期制御部62、比較制御
部63、タイマ63a、射出速度検出部64、位置設定
部65、および型締制御部73、型締シリンダストロー
クセンサ74、型開量検出部75、型開量設定部76、
型締力検出部79、金型タッチ点設定部78、ならびに
速度センサ66、油圧制御弁67a、67b、油圧供給
源68a、68bなどから構成される。そして、射出制
御部61は油圧制御弁67aを介して正逆転用モータ4
7の動作を制御する図示しない制御装置に接続されると
ともに、同期制御部62とも接続される。また、同期制
御部62は射出シリンダ46の射出速度検出部64と比
較制御部63を介して接続され、比較制御部63にはタ
イマ63aが接続されるとともに、射出速度検出部64
は速度センサ66に接続されるとともに位置設定部65
とも接続される。
【0013】一方、型締制御部73は同期制御部62と
接続されるとともに、型開量設定部76とも接続され油
圧制御弁67bへ動作指令を発信する。型開量設定部7
6は、タイバー11に組込まれた型締力検出部79と金
型タッチ点設定部78を介して接続されるとともに、可
動盤3位置でエンコーダやリニアスケールなどにより型
開量を検出する型開量検出部75とも接続され、さら
に、型締シリンダ8のピストンロッド9に取り付けられ
た型締シリンダストロークセンサ74とも接続される。
型締シリンダストロークセンサ74もエンコーダやリニ
アスケールが採用される。
【0014】このように構成された射出成形機100に
おける射出プレス成形方法の操作手順について次に説明
する。図2は、初期型締条件設定の操作手順を示すもの
で、型開型締条件の設定は、下記のとおりの手順にて行
なう。 (1)型締制御部73で油圧制御弁67bを制御して型
締を行なう。 (2)タイバー11に組込んだ型締力検出部79で型締
動作中の金型タッチ状態を検知し、金型タッチ点として
金型タッチ点設定部78へ記憶させるとともに、トグル
機構6と連結される型締シリンダストロークおよび型開
量検出部75の検出信号を原点設定する。タイバー11
に組込んだ型締力検出部79のメリットを述べると、下
記のようになる。 トグル機構6の型締力の発生原理であるタイバー1
1の延伸(応力)挙動を直接計測しているので、最も計
測精度は高い。 金型取付部とは無関係の位置なので、取扱性が極め
て良好である。 (3)型開量設定部76の型開量設定値(S値)に基づ
いて、可動金型4aを後退動作させる。 (4)型開量検出部75の検出信号が設定値(S値)に
達したとき、S値まで可動金型4aを後退させたときの
型締シリンダストロークを型締シリンダストロークセン
サ74で検出して、初期型締制御設定値(S1 値)とし
て型開量設定部76へ記憶させる。 (5)成形動作においては、S1 値をキープするように
型締シリンダ油圧を制御して型開量設定値(S値)制御
を行なう(型締シリンダ位置保持制御)。ここで、トグ
ル機構6の特性(型締シリンダストローク(図1中、
S)が、例えば1mm変動したとしても、可動盤の位置
変動(図1中、t)は1/10mm以下であり、型開量
の設定精度は極めて高い。実際には、型締シリンダスト
ロークは1/10mmの精度で保持できる。)により、
極めて高精度、かつ再現性の高い型開量制御が容易にで
きる。なお、上記の初期型締条件設定は成形運転に先立
ち1回設定すればよく、実際の成形動作においては、型
締シリンダ8で型締を行ない、型締シリンダストローク
値が設定したS1 値に達した後、型締位置保持を行な
う。
【0015】次に、型締開始タイミング信号設定につい
て、図3に基づいて説明する。その手順は、下記どおり
である。 (1)あらかじめ設定した射出充填量(樹脂の冷却固化
収縮量を加算した樹脂量)と射出圧力(充填可能な圧力
値)の設定値に基づいて射出充填を行なう。こうするこ
とにより、充填初期は高速充填でき、充填の進行に伴い
充填速度は自然減速されるナチュラルフローが得られ
る。 (2)型締開始のタイミング信号を検出する範囲を、射
出シリンダストロークの前進限の近傍に選び、前進限
(E点)と前進限(E点)に至るまでの、射出充填完了
近傍の射出シリンダストローク位置を位置設定値(モニ
タリング開始点V点)として位置設定部65で設定す
る。こうすることにより、射出機構側での充填挙動と金
型キャビティ内の充満挙動の相互関係を最も的確に検知
することになり、射出充填動作に型締動作をオーバラッ
プさせた射出・型締連動制御が正確に制御できる。 (3)同時に、型締開始のタイミング信号を射出機構側
の射出速度で比較設定値(K値)として比較制御部63
で設定する。充填可能な射出圧力制御の射出充填動作と
併せてタイミング信号を射出速度で設定することによ
り、射出機構側から金型キャビティ内の樹脂の充填挙動
が総合的に把握できるため、計量値、チェックリングの
作動変動による充填量のバラツキ、および成形中の樹脂
温度の変動などの外乱因子に影響されることなく、安定
して高精度なタイミング信号の検出ができる。 (4)上記設定値(V点、K値)に基づいて、型締開始
の制御を行なう。射出シリンダストロークがモニタリン
グ開始点(V点)に達すると射出速度検出部64で射出
速度のモニタを開始する。充填可能な射出圧力制御によ
る射出充填により、金型キャビティ内の充満挙動に対応
して射出速度は自然減速される。射出速度検出部64の
検出信号がK値に達すると(設定速度到達点Pに達する
と)、型締動作を開始する(圧縮工程)。 (5)型締開始(射出、型締連動区間のスタート)と同
時に、型締圧力と射出圧力の同期制御を行なう。こうす
ることにより、型締動作による圧縮工程において、金型
キャビティ内から射出側への樹脂の逆流は防止でき、そ
の結果、逆流による成形品の変形は皆無となるうえ、逆
流防止のためのシャットオフバルブなどは不要となる。
なお、同期制御というのは、射出シリンダ内と金型キャ
ビティ内の樹脂圧バランスを保つことであり、型締によ
る圧縮条件(型締速度、型締圧力)を考慮して、射出シ
リンダが後退することがないように型締側と射出側の圧
力制御を同時に行なうことである。すなわち、型締力の
増圧開始と同時に射出圧力を増加し、金型キャビティ内
の樹脂圧力と射出圧力を同等になるようにして樹脂の逆
流を防止する。
【0016】以上のようにして、初期条件の設定が完了
した後、実操業の成形運転に入るが、その操作手順は、
図4に示すように、下記の手順により行なう。 (1)先に設定した型開量設定値(S1 値)に基づいて
型締を行なう。 (2)型締完了後、射出充填を行なう。同時に、ともに
設定した位置設定値(V点)、比較設定値(K値)に基
づいて、型締開始のタイミング制御を行なう。 (3)射出シリンダストロークがV点に達した後、射出
速度検出部64で射出速度のモニタを開始する。 (4)射出速度検出部64の検出信号がK値に達したこ
とを検知した後、比較制御部63は型締制御部へ型締開
始信号を同期制御部62を介して発信するとともに、タ
イマを起動させる。 (5)同期制御部62は、型締力と射出圧力の同期制御
を行ない、射出・型締連動の射出プレス成形を行なう。 (6)ここで、タイマに計量開始時間(t1 )、型締完
了時間(t2 )をあらかじめ設定しておく。すなわち、
計量開始時間t1 は、ゲートシールの時間を基準として
設定するものとし、型締完了時間t2 は、樹脂温度、金
型冷却能力、成形品形状などから樹脂の冷却時間を算出
して設定する。 (7)タイマのタイムアウト信号に基づいて、型締開始
後の射出、型締の制御を行なう。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明においては、
下記のような優れた効果を発揮することができる。 (1)射出充填工程中の射出速度が充填完了近傍の範囲
内において、設定値に達したことを検知した後、型締動
作を開始して圧縮工程を行なうことにより、計量値やチ
ェックリング作動変動による充填量のバラツキや成形中
の樹脂温度の変動などの外乱因子に全く影響されずに、
射出機構側での充填挙動と金型キャビティ内の充満挙動
の相互関係が正確に検知でき、極めて高精度な射出プレ
ス成形が制御できるため、高品質な成形品を安定して供
給できる。 (2)圧縮工程は、射出圧力と型締圧力を同期制御させ
ることにより、金型キャビティから射出側への樹脂の逆
流が防止できるため、成形品の品質精度が極めて向上す
るとともに、逆流防止のためのシャットオフバルブなど
の不要によるコストダウンができる。 (3)タイバーに組込んだ型締力検出部で金型タッチ点
を設定するとともに、型締シリンダストロークの位置保
持制御により型開量保持を行なうことにより、極めて高
精度な型開量設定ができるため、高品質の成形品が供給
できる。 (4)樹脂の冷却固化収縮量を加算した樹脂量を充填可
能な射出圧力制御で射出充填することにより、充填初期
は高速充填で、充填後期は自然減速されてパック圧の生
じない理想的な自然流通流れ(ナチュラルフロー)が自
動的に得られるため、制御の操作性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る射出成形機の全体構成図
である。
【図2】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の初
期型締条件設定手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の射
出充填動作説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る射出プレス成形方法の成
形動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 リンクハウジング 2 固定盤 3 可動盤 4 金型 4a 可動金型 4b 固定金型 5 キャビティ 6 トグル機構 7 クロスヘッド 8 型締シリンダ 9 ピストンロッド 10 ガイドロッド 11 タイバー 20 型締装置 40 射出装置 41 バレル 42 スクリュ 43 ホッパ 44 ノズル 46 射出シリンダ 47 正逆転用モータ 48 ピストン 60 制御部 61 射出制御部 62 同期制御部 63 比較制御部 63a タイマ 64 射出速度検出部 65 位置設定部 66 速度センサ 67a、67b 油圧制御弁 68a、68b 油圧供給源 73 型締制御部 74 型締シリンダストロークセンサ 75 型開量検出部 76 型開量設定部 78 金型タッチ点設定部 79 型締力検出部 100 射出成形機 K 射出速度比較設定値 V 位置設定値(モニタリング開始点) E 前進限 P 設定速度到達点 S 型開量設定値 S1 型開量設定値 t1 計量開始時間 t2 型締完了時間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−9518(JP,A) 特開 昭63−39314(JP,A) 特開 平4−223125(JP,A) 特開 平4−35922(JP,A) 特開 平3−58819(JP,A) 特開 昭63−5919(JP,A) 特開 昭62−222821(JP,A) 特開 昭60−151015(JP,A) 特開 平8−336873(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 あらかじめ樹脂の冷却固化収縮量を算出
    したうえ、油圧式の型締シリンダを駆動させてトグル機
    構を介して型締を行なう射出成形機を用いて金型を開閉
    する際、型締工程では前記トグル機構が伸び切らない状
    態で金型を所定の型開量位置に保持しておき、射出充填
    工程では該冷却固化収縮量を加算した樹脂量を金型キャ
    ビティ内に充填可能な射出圧力制御で射出充填を行な
    い、射出充填工程中の射出速度が設定値に達したことを
    検知した後、前記トグル機構を伸び切る方向へ延伸させ
    て型締力を負荷させるとともに、型締圧力と射出圧力を
    同期制御させることを特徴とする射出プレス成形方法。
  2. 【請求項2】 あらかじめタイバーに組込んだ型締力検
    出部を用いて両金型がタッチした状態を検知した後、ト
    グル機構と連結された型締シリンダのストロークの原点
    設定を行ない、所定の型開量位置を該原点設定位置から
    の型締シリンダ後退量により設定するとともに、射出充
    填工程中は設定した後退位置に可動金型を保持するよう
    に型締シリンダの油圧を制御することを特徴とする請求
    項1記載の射出プレス成形方法。
  3. 【請求項3】 射出充填工程中の射出速度の検知は、射
    出シリンダストロークの前進限と該前進限に至るまでの
    射出充填完了近傍の領域の中の任意の射出シリンダスト
    ローク位置で行なう請求項1記載または請求項2記載の
    射出プレス成形方法。
  4. 【請求項4】 型開量を設定する型開量設定部と、金型
    の型開量を検出する型開量検出部と、型締シリンダのス
    トロークを検出する型締シリンダストロークセンサと、
    型締工程における金型タッチ点の検知をタイバーに組込
    んだ型締力検出部で行ない該型締力検出部の検出信号に
    基づいて型締シリンダのストロークを原点設定する金型
    タッチ点設定部と、前記型開量設定部の設定値と前記型
    開量検出部の検出信号ならびに前記型締シリンダストロ
    ークセンサの検出信号を比較してトグル機構に連結され
    た型締シリンダのストロークを制御して型締を行なう型
    締制御部と、射出充填操作を司る射出制御部とを備える
    とともに、射出充填工程中の射出速度を検出する射出速
    度検出部と、射出速度の検出範囲を設定する位置設定部
    と、該射出速度検出部からの検出信号に基づいて前記型
    締制御部へ型締開始信号を発信させる比較制御部と、型
    締開始後の型締力と射出圧力を同期制御させる同期制御
    部とを備えてなる射出プレス成形装置。
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