JPH06320274A - アークセンサー - Google Patents

アークセンサー

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JPH06320274A
JPH06320274A JP11266993A JP11266993A JPH06320274A JP H06320274 A JPH06320274 A JP H06320274A JP 11266993 A JP11266993 A JP 11266993A JP 11266993 A JP11266993 A JP 11266993A JP H06320274 A JPH06320274 A JP H06320274A
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Kei Aimi
圭 相見
Yoshiro Sasano
良郎 笹野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短絡が頻発するショートアーク溶接におい
て、短絡後続電流の影響のない有効で精度のよい検出デ
ータを十分に得て、広範囲の溶接条件に適用できる優れ
たアークセンサーを提供する。 【構成】 アークセンサー信号源検出手段1と、短絡判
定手段2と、領域区分設定手段7と、積分領域設定手段
8と、アークセンサー本体回路9とを備て、回転アーク
溶接中に発生する短絡の発生領域を標準発生領域、拡大
発生領域、発生禁止領域に区分し、アークセンサー信号
源の積分領域として標準積分領域と縮小積分領域を設定
して、回転アークの1回転中に短絡が発生しないときお
よび短絡が標準発生領域で発生したときは標準積分領域
を、短絡が拡大発生領域で発生したときは縮小積分領域
を採用し、短絡が発生禁止領域で発生したときはデータ
を不採用とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ショートアーク領域で
行う消耗電極式自動アーク溶接(以下ショートアーク溶
接という)に有効な回転アークセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動アーク溶接において回転アー
ク溶接法が、溶接における溶け込み形状の均一化、ビー
ド形状の平坦化等に効果を発揮する等の特徴を有するば
かりでなく、溶接電流またはアーク電圧の変化から得ら
れる信号により、ノズルの中心軸線を常に被溶接物の開
先部の中央に位置させて溶接を行うアークセンサー制御
に適しているところから、厚板の自動溶接に広く適用さ
れ始めている。
【0003】このアークセンサー技術を薄板に適したシ
ョートアーク溶接に適用しようとするとき、信号源であ
る溶接電流またはアーク電圧が短絡の影響で大きく乱れ
るため、アークセンサーとして正常に働かない。そこ
で、ショートアーク溶接におけるアークセンサー制御の
具体的な従来の技術として、特開平3−18479号公
報に開示された方法が試みられつつある。以下、特開平
3−18479号公報に開示された従来のアークセンサ
ーについて図面を参照しながら説明する。
【0004】図4は従来のアークセンサーの制御ブロッ
ク図、図5は従来のアークセンサーのショートアーク溶
接における積分領域を示す図で溶接の進行方向を矢印で
示している。
【0005】図4において、11はアークの回転位置検
出器で、溶接トーチの回転位置を検出する。12はアー
クの1回転ごとに検出されるアーク電圧波形Ea、13
はあらかじめ設定された基準電圧波形Eoでそれぞれ差
動アンプ14に入力される。
【0006】15は回転位置検出器11および積分領域
設定回路16からの信号の入力により積分領域を決める
ためのスイッチング論理回路、17は回転アークの左側
(L)領域を積分するときのスイッチで、スイッチング
論理回路15のL領域指令により動作し、差動アンプ1
4により増幅されたアーク電圧波形差信号(Ea−E
o)をプラスとして積分器20に送る。18は回転アー
クの右側(R)領域を積分するときのスイッチで、スイ
ッチング論理回路15のR領域指令により動作し、差動
アンプ14により増幅されたアーク電圧波形差信号(E
a−Eo)を反転器19によりマイナスにして積分器2
0に送る。積分器20はスイッチング論理回路15の積
分領域指令によって動作し、両スイッチ17,18を通
じて入力される信号をそれぞれ積分し、積分値差Sdと
して記憶器21に送り、ここで一時記憶される。
【0007】一方、積分領域での短絡の有無を検出する
ための短絡検出回路22が設けられており、検出された
アーク電圧波形12の信号Eaと、短絡検出レベル設定
器23によりあらかじめ設定された短絡レベル信号Elo
wとを、 短絡検出回路22に入力し、短絡検出回路22
において短絡の有無が判定されるようになっている。こ
の判定結果はスイッチング論理回路15にデータ採否指
令として送られる。なお、短絡検出回路22の上記動作
はスイッチング論理回路15からの積分領域指令によっ
て行われる。
【0008】積分器20にて積分中において、短絡検出
回路22によりオープンアーク状態と判定された場合、
積分が終わると同時にスイッチング論理回路15により
記憶器21に対してリセット信号を出し、ほぼ同時にサ
ンプルホールド信号を出す。これにより、前回の一時記
憶されている積分値差Sdをリセットするとともに、今
回の積分値差Sdを一時記憶し、新たに記憶された積分
値差Sdによって、その積分値差Sdが零になるよう
に、X軸コントローラ24により溶接トーチをX軸方向
(すなわち、溶接の進行方向と直交する方向)に移動さ
せる。
【0009】一方、積分器20にて積分中において、短
絡検出回路22により短絡状態と判定された場合には、
そのときのアーク電圧波形をセンサー信号源として用い
ることは不適当であるので、記憶器21をリセットする
ことなく、例えば前回の積分値差Sdをそのまま保持
し、その積分値差Sdが零となるようにX軸コントロー
ラ24により溶接トーチをX軸方向に移動させる。この
ように、積分中に短絡が発生するとそのデータは採用で
きないので、積分領域を短絡が発生しにくい位置に限定
することが望ましい。
【0010】アーク回転中の溶接アーク長は図5に示し
た最後部Crで最も短くなり、回転アークの1回転ごと
にこの点で短絡が発生する確率が高いことは明らかであ
る。したがってショートアーク溶接においては、図5に
示すように積分領域31,32を短絡が発生しにくいア
ーク回転の最前部Cfを中心として左右に例えば45度
づつとすることが望ましく、一般的には5度〜90度の
範囲で左右同一の位相角をとるように定められる。
【0011】このように上記従来の方法は、高速回転ア
ーク溶接を採用して、ショートアーク溶接の短絡をアー
ク回転の溶接方向後部側で周期的に発生させ、アーク電
圧波形差信号の積分領域をアーク回転の最前部±5度〜
90度と狭くすることにより、短絡が積分領域内で発生
する確率を低くするとともに、積分領域内で短絡が発生
した場合にはそのデータを不採用とすることにより、短
絡の影響の少ないアークセンサー制御をショートアーク
溶接に適用している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の方法では、ショートアーク溶接において広く実用さ
れているアークの安定性向上のために溶接電流回路に挿
入されるインダクタンスにより、短絡終了後もその溶接
電流は短絡の影響を受けるため積分領域を広くとれず、
積分領域を狭くするとアークセンサーの精度は悪くなる
という問題点があった。
【0013】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、アークの安定性向上のために溶接電流回路にインダ
クタンスを挿入して行う短絡が頻発するショートアーク
溶接においても、精度のよいアークセンサーを提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明のアークセンサーは、アークセンサー信号源
検出手段と、短絡判定手段と、領域区分設定手段と、積
分領域設定手段と、アークセンサー本体回路を備えて、
回転アーク溶接中に発生する短絡の発生領域を標準発生
領域、拡大発生領域、発生禁止領域に区分し、アークセ
ンサー信号源の積分領域として標準積分領域と縮小積分
領域とを設定して、回転アークの一回転中に短絡が発生
しないときおよび短絡が標準発生領域で発生したときは
標準積分領域を、短絡が拡大発生領域で発生したときは
縮小積分領域を採用し、短絡が発生禁止領域で発生した
ときはデータを不採用とするものである。
【0015】
【作用】上記した手段によれば、アークの安定性向上の
ために溶接電流回路にインダクタンスを挿入して行う短
絡が頻発するショートアーク溶接においても、通常は広
い領域を積分し、短絡が広い積分領域に影響するときに
のみ狭い領域を積分することにより、有効な検出データ
を十分に得ることができる優れたアークセンサーを実現
できる。
【0016】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図面
を参照しながら説明する。
【0017】図1において、1は変流器などの溶接電流
検出手段でアークセンサー信号源としての溶接電流信号
を出力する。2は短絡判定手段で短絡の有無を検出する
短絡検出機能3と短絡強さ判定機能4と短絡位相検出機
能5と短絡領域判定機能6とを有している。7は短絡強
さ判定機能4の判定結果により短絡の発生領域の区分と
積分領域の区間を設定する領域区分設定手段、8は積分
領域設定手段で短絡発生領域判定機能6の判定結果によ
り領域区分設定手段7で設定されたどの積分領域で積分
するのかを設定してアークセンサー本体回路9に出力す
る。9は例えば図4に示した従来のアークセンサー本体
回路で、前記積分領域設定手段8で決定した位相領域で
溶接電流信号に所定の積分処理を行ってアークセンサー
出力を得て出力する。
【0018】以上のようなアークセンサーについてその
動作を図2を用いて説明する。ショートアーク溶接にお
いて発生した短絡による短絡後続電流の継続時間は溶接
電流回路のインダクタンスなど使用する溶接装置の諸定
数と短絡の強さに依存し、短絡の強さは溶接電流やアー
ク電圧などの溶接条件によってほぼ決定するから、一つ
の溶接条件で溶接しているときは後続電流継続時間は短
絡の都度ほぼ同じと考えてよい。本実施例において行っ
た実験における溶接条件では短絡後続電流がアーク回転
の約1/6回転(60度)継続した。
【0019】図2(a)に示すように積分領域TL、TR
を溶接進行方向の最前部Cf±90度とすると、短絡が
領域Aにおいて発生した場合は積分領域に短絡の影響が
及ばないが、短絡が領域Bにおいて発生した場合は積分
領域に短絡の影響が及びこの場合のデータは採用できな
い。しかしながら、図2(b)に示すように積分領域T
L’、TR’をCf±45度に縮小すれば短絡の影響が及
ばない領域はA’に広がる。そこで、図2(c)に示し
たように、前記領域Aを標準発生領域、領域B’を発生
禁止領域、領域C(=A’−A)を拡大発生領域と定義
して区分し、回転アークの一回転中に短絡が発生しない
とき、および短絡が標準発生領域Aで発生したときには
積分領域を標準積分領域TL、TR(Cf±90度)と
し、短絡が拡大発生領域Cで発生したときには積分領域
を縮小積分領域TL’、TR’(Cf±45度)とし、短
絡が発生禁止領域B’で発生したときにはデータを不採
用とした。本実施例では、回転アークの1回転中に短絡
がA、B’およびC領域で発生した頻度は、それぞれ8
0%、5%および15%であった。
【0020】以上のように本実施例によれば、短絡の発
生領域を標準発生領域A、発生禁止領域B’および拡大
発生領域Cの3領域に区分し、積分領域も標準積分領域
L、TR と縮小積分領域TL’、TR’を設定して、回
転アークの1回転中に短絡が発生しないときおよび短絡
が標準発生領域Aで発生したときには積分領域を標準積
分領域TL、TRとし、短絡が拡大発生領域Cで発生した
ときには積分領域を縮小積分領域TL’、TR’とし、短
絡が発生禁止領域B’で発生したときにはデータを不採
用とすることにより、通常は広い領域を積分するので精
度を下げることなく、また、データが不採用になる頻度
を低減させたアークセンサーを得ることができる。
【0021】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。
【0022】第2の実施例は、溶接を2つの溶接条件で
行ったものである。第1の溶接条件は第1の実施例と同
じ条件であり、短絡後続電流の継続時間も第1の実施例
と同じであるが、第2の溶接条件としては短絡後続電流
の継続時間はアーク回転の約1/4回転(90度)とな
る溶接条件を用いている。第2の溶接条件で溶接すると
きは、図3(a)、(b)に示したように標準積分領域
L、TRをCf±60度とし、縮小積分領域TL’、
R’をCf±30度とし、図3(c)に示すような短
絡の発生領域の区分A、B’およびCを設定した。
【0023】短絡判定手段2の短絡強さ判定機能4が短
絡の強さを判定したとき、領域区分設定手段7はあらか
じめ記憶した法則により短絡後続電流の継続時間を予測
して、短絡の発生領域の区分と積分領域の区間として図
2を採用するか図3を採用するかを判断して短絡の発生
領域判定機能6と積分領域設定手段8の領域区分設定を
行う。
【0024】以上のように第2の実施例によれば、短絡
の発生領域の区分と積分領域の区間を短絡判定手段が判
定した短絡の強さによってそれぞれ2つずつ設定するこ
とにより2つの溶接条件を併用しても第1の実施例と同
様な精度をもつアークセンサーを得ることができる。
【0025】なお、短絡電流の強さの判定は短絡電流の
ピーク値と立ち上がり波形とを用いても、また条件によ
ってはピーク値のみで行ってもよく、また短絡の発生領
域の区分と積分領域の区間の設定は本実施例に示した具
体的な値に限定されるものではなく、また併用する溶接
条件の数によっては領域区分の設定数を3以上としても
よいことは言うまでもない。
【0026】また、本実施例においては、アークセンサ
ー信号源として溶接電流を利用したが、アークセンサー
信号源としてアーク電圧を利用しても同様の構成、動作
が実現できる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、アークセンサー
信号源検出手段と、短絡判定手段と、領域区分設定手段
と、積分領域設定手段と、アークセンサー本体回路を備
えて、回転アーク溶接中に発生する短絡の発生領域を標
準発生領域、拡大発生領域、発生禁止領域に区分し、ア
ークセンサー信号源の積分領域として標準積分領域と縮
小積分領域を設定して、回転アークの1回転中に短絡が
発生しないときおよび短絡が標準発生領域で発生したと
きは標準積分領域を、短絡が拡大発生領域で発生したと
きは縮小積分領域を採用し、短絡が発生禁止領域で発生
したときはデータを不採用とすることにより、アークの
安定性向上のために溶接電流回路にインダクタンスを挿
入して行う短絡が頻発するショートアーク溶接において
も、通常は広い領域を積分し、短絡が広い積分領域に影
響するときのみ狭い領域を積分することにより、有効な
検出データを十分に得ることができる高精度の優れたア
ークセンサーを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるアークセンサーのブ
ロック図
【図2】本発明の第1の実施例におけるアークセンサー
の領域区分図で (a)は標準積分領域と短絡後続電流の影響の及ぶ範囲
を示した図 (b)は縮小積分領域と短絡後続電流の影響の及ぶ範囲
を示した図 (c)は短絡の発生領域の区分を示した図
【図3】本発明の他の実施例の第2の溶接条件における
アークセンサーの領域区分図で (a)は標準積分領域と短絡後続電流の影響の及ぶ範囲
を示した図 (b)は縮小積分領域と短絡後続電流の影響の及ぶ範囲
を示した図 (c)は短絡の発生領域の区分を示した図
【図4】従来のアークセンサーの制御ブロック図
【図5】従来のアークセンサーのショートアーク溶接に
おける積分領域を示す図
【符号の説明】
1 溶接電流検出手段(アークセンサー信号源検出手
段) 2 短絡判定手段 7 領域区分設定手段 8 積分領域設定手段 9 アークセンサー本体回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アークセンサー信号源検出手段と、短絡判
    定手段と、領域区分設定手段と、積分領域設定手段と、
    アークセンサー本体回路を備えたアークセンサーであっ
    て、回転アーク溶接中に発生する短絡の発生領域を標準
    発生領域、拡大発生領域、発生禁止領域に区分し、アー
    クセンサー信号源の積分領域として標準積分領域と縮小
    積分領域を設定して、回転アークの1回転中に短絡が発
    生しないとき、および短絡が標準発生領域で発生したと
    きは標準積分領域を、短絡が拡大発生領域で発生したと
    きは縮小積分領域を採用し、短絡が発生禁止領域で発生
    したときはデータを不採用とするアークセンサー。
  2. 【請求項2】短絡判定手段が判定した短絡の強さによっ
    て短絡の発生領域の区分と積分領域の区間を設定する請
    求項1記載のアークセンサー。
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JP2011000630A (ja) * 2009-06-22 2011-01-06 Jfe Engineering Corp 溶接線倣い制御方法及び装置

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