JP2002239733A - 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置 - Google Patents

溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Info

Publication number
JP2002239733A
JP2002239733A JP2001042349A JP2001042349A JP2002239733A JP 2002239733 A JP2002239733 A JP 2002239733A JP 2001042349 A JP2001042349 A JP 2001042349A JP 2001042349 A JP2001042349 A JP 2001042349A JP 2002239733 A JP2002239733 A JP 2002239733A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
waveform
welding
short
torch
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001042349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4854860B2 (ja
Inventor
Yukimitsu Suzuki
幸充 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Motor Wheel Co Ltd
Original Assignee
Central Motor Wheel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Motor Wheel Co Ltd filed Critical Central Motor Wheel Co Ltd
Priority to JP2001042349A priority Critical patent/JP4854860B2/ja
Publication of JP2002239733A publication Critical patent/JP2002239733A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4854860B2 publication Critical patent/JP4854860B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 短絡やスパッタ等の影響を受けにくく、高速
オシレート周波数による溶接速度の高速化にも対応可能
で、さらにオシレート振幅範囲よりも溶接母材の開先幅
が狭い突合せ溶接等にも適用可能な、溶接線倣い判定装
置と倣い制御装置を提供すること。 【解決手段】 溶接電流波形から短絡波形が除去された
溶接電流波形の波形欠落部分を直線で補間する直線補間
手段13、この直線補間された波形を滑らかな波形に均
し処理する均し手段27、滑らかな波形を微分波形に変
換する微分変換手段14、微分波形を溶接トーチのオシ
レート周期に対応する複数区間に切出す切出し手段1
5、切出し手段15で切出された微分波形を半周期毎に
互いに反転状態で重合させる重合手段16、重合手段1
6で見出された微分波形の最大最小値間波形の交点を開
先中心位置とし、オシレート幅方向に対する溶接線中心
位置の偏移方向と偏移量をそれぞれ演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オシレート幅より
開先幅が狭い突合せ溶接法において、溶接トーチを開先
幅方向にオシレートさせた時の溶接電流波形に基づき溶
接トーチのオシレート中心を開先中心に沿った正しい溶
接線に倣わせるアークセンシング制御での溶接線の倣い
状況を判定する倣い判定装置と、この判定技術を利用し
た倣い制御装置に関する。
【従来の技術】近年の消耗電極式アーク溶接に於いて
は、溶接トーチを溶接母材の溶接線に沿って倣い制御す
る方法として、アークセンシング制御が一般に用いられ
ている。
【0002】このアークセンシング制御は、溶接トーチ
を溶接母材の開先幅方向にオシレートさせた場合の消耗
電極(溶接ワイヤ)突出し長の変化に伴う溶接電流の変
化に基づいて、溶接トーチの開先幅方向(以下、オシレ
ート方向と言う)及び開先上下方向(以下、トーチ軸線
方向と言う)の位置を補正制御するものである。
【0003】しかし、アーク現象は非常に不安定且つ超
高速で進行する現象のため、現状のアークセンシング制
御の信頼性は低く、特に薄板の高速度溶接等の高精度な
溶接品質が必要な分野では、信頼性向上が強く望まれて
いる。このため、従来よりアークセンシング制御の信頼
性を向上させる各種の方法が提案されているが、実用レ
ベルで満足のいくものは未だ得られていないのが実状で
ある。
【0004】そこで本出願人は、アークセンシング制御
の外乱要因となる短絡期の溶接電流波形を完全に除去す
ると共に、その除去期間を直線で補間した溶接電流波形
に均し処理及び半周期反転重合処理などを施してオシレ
ート方向偏移とトーチ軸線方向偏移を演算する画期的手
法を見出し、この手法に基づいてオシレート方向及びト
ーチ軸線方向のトーチ位置を補正するアークセンシング
制御による溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置を特願
平11―230881号で提案している。
【発明が解決しようとする課題】この特願平11―23
0881号のアークセンシング制御は、溶接電流値に外
乱要因として作用する短絡やスパッタ等の影響を受けに
くく、高速オシレート周波数による溶接速度の高速化に
も対応可能であるため、アークセンシング制御の信頼性
を飛躍的に向上させることができた。
【0005】しかしながら、前記のアークセンシング制
御では、オシレート振幅範囲よりも溶接母材の開先幅が
狭い突合せ溶接等の場合には、開先位置のオシレート方
向検出が難しいため、前記のアークセンシング制御をそ
のままでは適用することができないことが判明した。
【0006】本発明の目的は、溶接電流値に外乱要因と
して作用する短絡やスパッタ等の影響を受けにくく、高
速オシレート周波数による溶接速度の高速化にも対応可
能で、さらにオシレート振幅範囲よりも溶接母材の開先
幅が狭い突合せ溶接等にも適用可能で、且つ信頼性の高
いアークセンシング制御による溶接線倣い判定装置と倣
い制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明は、(A)短絡とアークを繰
返して溶接を行う消耗電極式アーク溶接の突合せ溶接に
於いて、溶接トーチを溶接線直角方向にオシレートさせ
たときの溶接電流波形を検出する電流検出手段と、
(B)前記電流検出手段で検出された溶接電流波形から
短絡期の溶接電流波形である短絡波形を除去する短絡波
形除去手段と、(C)前記短絡波形が除去された溶接電
流波形の波形欠落部分を直線で補間する直線補間手段
と、(D)前記直線補間された溶接電流波形を滑らかな
波形に均し処理する均し手段と、(E)前記滑らかな波
形を微分波形に変換する微分変換手段と、(F)前記微
分波形を溶接トーチのオシレート周期に対応する複数区
間に切出す切出し手段と、(G)前記切出し手段で切出
された微分波形を半周期毎に互いに反転状態で重合させ
る重合手段と、(H)前記重合手段で見出された前記微
分波形の最大最小値間波形の交点を開先中心位置とし、
溶接トーチのオシレート幅方向に対する溶接線中心位置
の偏移方向と偏移量をそれぞれ表示するオシレート方向
偏移表示手段をそれぞれ具備することを特徴とする。
【0007】前記の発明によれば、前記電流検出手段に
より検出される溶接電流波形が、前記短絡波形除去手段
により短絡期の波形が除去されてから、前記直線補間手
段により波形欠落部分が直線補間され、均し手段にて均
し処理され、その後前記微分変換手段により微分波形に
変換される。
【0008】さらに、この微分波形は、前記切出し手段
により溶接トーチのオシレート周期に対応する複数の区
間に切出されると共に半周期毎に反転重合処理され、こ
れにより見出された四分の一及び四分の三周期付近の前
記微分波形の最大最小値間波形の交点に対応させて、溶
接トーチのオシレート幅方向に対する溶接線中心位置の
偏移方向と偏移量が、前記オシレート方向偏移表示手段
により表示される。
【0009】オシレート振幅範囲よりも溶接母材の開先
幅が狭い突合せ溶接等の場合は、前述の特願平11−2
30881号の技術によれば、図8に示すように、直線
補間及び均し処理後の溶接電流波形Y(図8(A)中の
曲線)を半周期毎に折返して重ねた曲線(図8(B)中
の曲線)の最小二乗法による近似直線L(図8(B)中
の水平線)の傾斜角度が、開先部分の左右両側での被溶
接材表面の平坦性のためにごくわずかとなり、溶接線の
オシレート幅方向の位置を判定することができなかっ
た。
【0010】しかし、本発明によれば、溶接電流の微分
波形を用いているため、図8(C)に示すように、直線
補間及び均し処理後の同じ溶接電流波形であっても、溶
接線中心位置で開先傾斜角度がV溝下端を境として大き
く変化するので、溶接電流微分波形の微分値の変化が大
きく、それにより溶接線の位置判定が可能となる。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記均し手段
が、直線補間された溶接電流波形を移動平均にて滑らか
な波形に均すことを特徴とする。
【0012】前記の発明によれば、移動平均の毎回の前
方サンプリング時間とサンプリング数を適宜設定するこ
とによりほぼリアルタイムでの滑らかな溶接電流波形を
得ることができる。なお、均し手段は移動平均に限らず
他の方法を使用することも可能である。
【0013】請求項3に記載の発明は、前記短絡波形除
去手段が、溶接電圧波形におけるアーク期と短絡期を区
別する基準電圧を閾値として設定する閾値設定手段と、
溶接電圧波形の中の前記基準電圧に到達した到達点から
所定時間前の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡
波形除去開始点として演算する第1の演算手段と、溶接
電圧波形の中の前記基準電圧から脱出した脱出点から所
定時間後の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡波
形除去終了点として演算する第2の演算手段と、前記第
1の演算手段と第2の演算手段の演算結果に基づいて、
短絡波形除去開始点と短絡波形除去終了点との間の電流
波形を消去する波形消去手段を具備することを特徴とす
る。短絡波形の開始点と終了点を明確に特定することは
非常に困難であるが、前記の発明によれば、前記閾値設
定手段により溶接電流のアーク期と短絡期を一応区別す
る基準電圧が閾値として設定され、この閾値に基づいて
前記第1演算手段と第2演算手段により、外乱要因とし
て消去すべき波形部分を前記閾値で判断した一応の短絡
期を含めてその前後に所定幅だけ拡大するので、溶接ト
ーチの倣い判定を行う上での大きな外乱要因となる短絡
の影響が完全に除去される。
【0014】請求項4に記載の発明は、オシレート同期
パルス信号と実際の溶接トーチオシレート端点との間の
遅れ時間を予め検出しておき、この遅れ時間分だけオシ
レート同期パルス信号から遅延させて前記切出し手段に
よる溶接電流波形の切出しタイミングを設定したことを
特徴とする。
【0015】前記の発明によれば、前記切出し手段によ
る溶接電流の切出しタイミングが、オシレート周期パル
ス信号と実際の溶接トーチオシレート端点の遅れ時間だ
け遅延して設定されるので、溶接線の倣い判定装置の正
確性と信頼性が向上する。また請求項5に記載の発明
は、(A)短絡とアークを繰返して溶接を行う消耗電極
式アーク溶接の突合せ溶接において、溶接トーチを溶接
線直角方向にオシレートさせたときの溶接電流波形を検
出する電流検出手段と、(B)前記電流検出手段で検出
された溶接電流波形から短絡期の溶接電流波形である短
絡波形を除去する短絡波形除去手段と、(C)前記短絡
波形が除去された溶接電流波形の波形欠落部分を直線で
補間する直線補間手段と、(D)前記直線補間された溶
接電流波形を滑らかな波形に均し処理する均し手段と、
(E)前記滑らかな波形を微分波形に変換する微分変換
手段と、(F)前記微分波形を溶接トーチのオシレート
周期に対応する複数区間に切出す切出し手段と、(G)
前記切出し手段で切出された微分波形を半周期毎に互い
に反転状態で重合させる重合手段と、(H)前記重合手
段で見出された前記微分波形の最大最小値間波形の交点
を開先中心位置とし、溶接トーチのオシレート幅方向に
対する溶接線中心位置の偏移方向と偏移量をそれぞれ演
算するオシレート方向偏移演算手段と、(I)前記微分
波形の微分値ゼロに対応する溶接電流値を設定電流値と
比較して溶接トーチのトーチ軸線方向の偏移方向と偏移
量を演算するトーチ軸線方向偏移演算手段とを有し、
(J)前記オシレート方向偏移演算手段とトーチ軸線方
向偏移演算手段の演算結果に基づき、前記オシレート方
向偏移とトーチ軸線方向偏移を解消する方向に前記溶接
トーチのオシレート中心とトーチ高さをリアルタイムで
フィードバック制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】前記の発明によれば、請求項1に記載の倣
い判定装置の機能に加え、前記オシレート方向偏移演算
手段とトーチ軸線方向偏移演算手段を有しているため、
この両手段により演算された偏移データに基づいて、溶
接トーチのオシレート中心位置と溶接トーチ高さがフィ
ードバック制御されるので、正確性と信頼性の高い溶接
線の倣い制御が可能となる。
【0017】請求項6に記載の発明は、前記均し手段
が、直線補間された溶接電流波形を移動平均にて滑らか
な波形に均すことを特徴とする。
【0018】前記の発明によれば、移動平均の毎回の前
方サンプリング時間とサンプリング数を適宜設定するこ
とによりほぼリアルタイムでの滑らかな溶接電流波形を
得ることができる。
【0019】請求項7に記載の発明は、前記短絡波形除
去手段が、溶接電圧波形におけるアーク期と短絡期を区
別する基準電圧を閾値として設定する閾値設定手段と、
溶接電圧波形の中の前記基準電圧に到達した到達点から
所定時間前の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡
波形除去開始点として演算する第1の演算手段と、溶接
電圧波形の中の前記基準電圧から脱出した脱出点から所
定時間後の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡波
形除去終了点として演算する第2の演算手段と、前記第
1の演算手段と第2の演算手段の演算結果に基づいて、
短絡波形除去開始点と短絡波形除去終了点との間の電流
波形を消去する波形消去手段を具備することを特徴とす
る。
【0020】前記の発明によれば、溶接トーチの倣い判
定を行う上での大きな外乱要因となる短絡の影響が完全
に除去されるから、溶接線の倣い制御の正確性と信頼性
が向上される。。
【0021】請求項8に記載の発明は、オシレート同期
パルス信号と実際の溶接トーチオシレート端点との間の
遅れ時間を予め検出しておき、この遅れ時間分だけオシ
レート同期パルス信号から遅延させて前記切出し手段に
よる溶接電流波形の切出しタイミングを設定したことを
特徴とする。
【0022】前記の発明によれば、前記切出し手段によ
る溶接電流の切出しタイミングが、オシレート周期パル
ス信号と実際の溶接トーチオシレート端点の遅れ時間だ
け遅延して設定されるので、溶接線の倣い判定装置の正
確性と信頼性が向上する。
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図を参照して説明する。
【0023】図1は本発明の一実施形態に係る溶接線の
倣い判定装置を含む倣い制御装置の概略を示すブロック
図である。オシレート方向偏移演算手段17とトーチ軸
線方向偏移演算手段19からロボットトーチ位置制御装
置21に至るフィードバックがない場合は、単なる倣い
判定装置となる。
【0024】図1で1は溶接ロボット1aを含む消耗電
極式ガスシールドアーク溶接装置(以下、単にアーク溶
接装置と言う)、2は溶接電源装置、3は突合せ溶接部
を有する母材、4は溶接電極たる溶接ワイヤである。
【0025】溶接ワイヤ4の供給側7はコイル状に巻回
され、このコイル状の供給側7から送給ローラ6を介し
て所定の速度で繰出された溶接ワイヤ4の先端部が、溶
接トーチ5のコンタクトチップ5aによって保持された
状態で母材3方向に送給されるようになっている。
【0026】また10は溶接電流検出手段、11は溶接
電圧検出手段であって、これら検出手段10、11によ
って溶接電源装置2から母材3及び溶接ワイヤ4に供給
される溶接電流及び溶接電圧がそれぞれ検出されるよう
になっている。
【0027】12は短絡波形除去手段、13は直線補間
手段、14は微分変換手段、15は切出し手段、16は
折返し重合手段、18はオシレート方向偏移表示手段、
17はオシレート方向偏移演算手段、20はトーチ軸線
方向偏移表示手段、19はトーチ軸線方向偏移演算手
段、21はロボットトーチ位置制御装置、22はオシレ
ート方向端点検出手段である。以下、図1に示す各ブロ
ックについてさらに説明する。
【0028】溶接電源装置2はインバータ方式で出力制
御する高速制御型であって、溶接電流と溶接電圧の波形
制御が可能なものである。電流検出手段10は母材3に
接続されて溶接電流を検出し、また電圧検出手段11は
コンタクトチップ5aと母材3間の溶接電圧を検出す
る。図2はこれら検出手段によって検出された電圧電流
波形の例を図示する。
【0029】短絡波形除去手段12は、図2の電流波形
から短絡期の波形であるS1とS2を除去するものであ
る。具体的には電圧波形中にアーク期と短絡期を区別す
る基準電圧を閾値設定手段26によって閾値として設定
し、この閾値よりも低い電圧部分に対応する電流波形を
基本的に短絡期として除去する。
【0030】このように短絡期電流波形を除去する技術
は、従来技術においても例えば特公平2−4396号公
報の比較器のように、一部で提案されてはいた。但し、
このように閾値を境とした区別の仕方では、短絡期開始
直前部分とアーク期開始直後部分では、時間的には僅か
ではあるが溶接トーチの位置情報以外の大きな外乱要因
が除去されないまま残存している。
【0031】そこで、本発明では図2に示すように閾値
で区別された短絡期電流波形に加えて、この電流波形の
前後に所定時間T1、T2だけ広げた波形部分も短絡波
形として除去するようにした。詳しくは、溶接電圧波形
の中の閾値に到達した到達点B1から所定時間T1だけ
前の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡波形除去
開始点C1として演算する第1演算手段24を設け、ま
た溶接電圧波形の中の閾値から脱出した脱出点B2から
所定時間T2だけ後の時点に対応する溶接電流波形の位
置を短絡波形除去終了点C2として演算する第2演算手
段25を設けた。
【0032】これら第1演算手段24と第2演算手段2
5は、具体的には演算プログラムの中の時間ステップと
して表される。そして第1演算手段24と第2演算手段
25の演算結果に基づいて、短絡波形除去開始点C1と
短絡波形除去終了点C2との間の電流波形を波形消去手
段23で消去するのである。この波形消去手段23は、
具体的には演算プログラム中の波形メモリクリアステッ
プで表される。
【0033】前時間T1と後時間T2は、例えば前時間
T1を1msec、後時間T2を5msecに設定する。但し、
この時間の最適値は溶接条件ないし閾値の大きさによっ
て異なるものであり、具体的な条件を考慮して設定す
る。一般的にアーク開始直後の電流波形は短絡開始直前
の波形より不安定であるため、通常は前時間T1よりも
後時間T2の方を長めに設定すると良い。
【0034】直線補間手段13は、前述の短絡波形除去
によって生じた波形欠落部分を直線補間するもので、図
2の短絡波形除去開始点C1と短絡波形除去終了点C2
とを直線で結ぶものである(図3(A)下側波形Xの直
線補間部分参照)。この直線補間は、後工程でオシレー
ト方向偏移やトーチ軸線方向偏移を演算する際の演算精
度を向上させるための措置であって、従来の特公平2−
4396号公報のように選択回路でアーク発生中の溶接
電流信号のみを抽出する技術において完全に捨象されて
いた短絡期溶接電流を、ノイズなしの直線電流波形で代
替させることにより、現実のアーク溶接の挙動を可及的
にオシレート方向偏移やトーチ軸線方向偏移の演算に反
映させようとするものである。そしてこの直線補間によ
って後工程の移動平均(図3(B)中の曲線が移動平均
曲線)や微分波形変換が初めて有効となるのである。
【0035】微分変換手段14は、前述の短絡波形除去
後、その欠落部分の直線補間した溶接電流波形を移動平
均により変換した後(図3では図示省略)、この波形を
微分変換し表示するものである。この微分変換によりオ
シレート幅より狭い開先幅であっても、溶接線中心位置
で開先角度が急変するため微分波形もマイナス側からプ
ラス側へと大きく変化する。この微分変換によりオシレ
ート方向偏移とトーチ軸線方向偏移に関する情報をほぼ
リアルタイムに抽出可能となる。
【0036】切出し手段15は、微分変換した電流波形
を溶接トーチのオシレート周期に対応する複数区間にほ
ぼ等分して切出すもので、図3(C)の波形Zをオシレ
ート1周期毎に区分して切出すものである。ここで「ほ
ぼ等分」と言うのは、オシレート端点間の時間的インタ
ーバルが厳密な意味では必ずしも一定でないことによ
る。この切出し手段15は、具体的には溶接ロボットシ
ステムにおけるオシレート端点を表すオシレート同期パ
ルス信号出力により制御される。
【0037】切出しのタイミングは、オシレート方向端
点検出手段22からの切出しトリガー信号によって与え
られる。この切出しトリガー信号は、基本的にはオシレ
ート同期パルス信号をそのまま利用しても良いが、オシ
レート同期パルス信号と実際の溶接トーチオシレート端
点との間のタイムラグがある程度大きい場合は、この遅
延時間を予め検出しておき、この遅れ時間分だけオシレ
ート同期パルス信号から遅延させて切出し手段15によ
る電流微分変換波形の切出しタイミングを設定するのが
望ましい。尚、実際の溶接トーチのオシレート端点は、
例えば溶接トーチにレーザ変位センサ等を取付けて実測
し、前記遅延時間はオシレート同期パルス信号と変位セ
ンサ出力による端点を同時計測し算出する。前記遅延時
間は溶接ロボット毎また溶接施工状態によってもに微妙
に異なるので、溶接作業に先立って遅延時間を検出して
おく。
【0038】折返し重合手段16は、図3(D)のよう
に、移動平均法で滑らかにされ、かつ、微分変換された
オシレート一周期分の波形を半周期(180度)に対応
する位置で折返(反転)して重合するものである。この
折返し重合手段16により、溶接電流微分波形の最大最
小値間波形の交点を表現することが可能となる。
【0039】すなわち、従来のように短絡期間の電流波
形を完全に除いた溶接電流波形のオシレート周期毎の近
似直線傾斜角度による方法では、オシレート幅より開先
幅が狭い突合せ溶接の場合、溶接電流の変化する範囲が
オシレート範囲に対し部分的であるため、オシレート方
向、トーチ軸線方向の両偏移量の表示及び偏移補正制御
を行うことがほとんど不可能であった。
【0040】これに対して本発明は、トーチ位置情報に
於いて外乱情報となる短絡期の溶接電流を消去し、その
間を直線補間し、さらに平均化した電流波形を微分変換
し、オシレート1周期分の電流微分波形の交差する位置
でオシレート方向偏移情報を導き、微分ゼロ位置(溶接
電流の変化がない位置)における溶接電流値からトーチ
軸線方向偏移情報を導くことができるのである。
【0041】オシレート方向偏移表示手段18とトーチ
軸線方向偏移表示手段20は、典型的には図7に示すよ
うな画像を表示するCRT画面ないし液晶画面である
が、オシレート方向偏移量δhとトーチ軸線方向偏移量
δv又はそれらの時間的推移をアナログ又はデジタル的
に表示する表示手段であってもよい。この画像は、オシ
レート方向偏移演算手段17とトーチ軸線方向偏移演算
手段19の演算結果に基づき表示される。
【0042】両演算手段17と19の演算内容は、図4
〜図7の各右側に示す波形を使用して説明すると以下の
ようになる。尚、各図右側の波形はオシレート1周期分
の溶接電流微分波形を半周期で折返し重合させたもの
で、オシレート中心と表記してある垂直線がオシレート
四分の一(90°)ないし四分の三周期(270°)に
相当する。但し、波形自体は図3(C)の波形と異なり
現実の電流微分波形ではなく、溶接トーチ5と母材3間
の垂直距離の長短で溶接電流値が減増する現象を考慮し
て便宜的に創作した波形である。
【0043】先ず、図4の波形はオシレート方向偏移と
トーチ軸線方向偏移が両方ともゼロの正常溶接状態を示
すものとする。この時、微分波形の交点Pはオシレート
中心位置に一致しており、且つ、電流微分値ゼロ位置の
溶接電流値が基準高さKに一致している。図4の正常溶
接状態からやや左方にオシレート方向偏移δhが生じた
状態が図5に示される。この時、オシレート中心から左
側の溶接トーチ5と母材3間の垂直距離一定の区間が増
大するから、溶接電流微分曲線Zの左側ゼロ区間が増大
し、微分曲線Zの最大最小値間の交点Pがオシレート中
心から右側に移動する。図6は開先中心から大きく左方
にオシレート方向偏移が生じた状態を示している。この
時、オシレート中心から左側の溶接トーチ5と母材3間
の垂直距離一定の区間がさらに増大するから、溶接電流
微分曲線Zの左側ゼロ区間がさらに増大し、微分曲線Z
の交点Pがオシレート中心から大きく右側に移動する。
尚、オシレート方向偏移が右方に生じた状態は、図5及
び図6を左右対称に変化させただけであるので省略す
る。
【0044】図4の正常溶接状態から下方にトーチ軸線
方向偏移δvが生じた状態が図7に示される。この時、
溶接トーチ5と母材3間の垂直距離減少と反比例して溶
接電流が増大するから、微分波形の交差位置はそのまま
にして、微分波形ゼロ位置の溶接電流値が上方に移動す
る。従って、基準高さKから電流微分値ゼロ位置におけ
る高さH(演算電流値)でトーチ軸線方向偏移量δv=
―αHを表すことができる(αは比例定数で実験データ
により設定)。尚、トーチ軸線方向偏移が上方に生じた
状態は、図7の溶接電流値の基準高さKを中心に下方へ
偏移するだけであるので省略する。
【0045】次に倣い制御装置の作動について図1に基
づき説明する。最初にオシレート周波数、オシレート振
幅幅及び溶接トーチ高さ等溶接の基本的条件が、溶接ロ
ボット1aのロボットトーチ位置制御装置21に入力さ
れる。溶接ロボット1aはスタート信号を受けて溶接動
作を開始し、溶接トーチ5を母材3の溶接線に沿って設
けられた複数箇所の既定教示ポイントを狙いながらアー
ク溶接を行う。
【0046】ロボットトーチ位置制御装置21は、溶接
トーチ5のオシレート中心を溶接線に倣わせるように溶
接ロボット1aのトーチ位置を制御する。すなわち、適
正溶接電流にてオシレート中心が溶接線(開先中心)を
正しく倣っている間は、図4のように電流微分波形Zの
交点Pがオシレート中心からのオシレート方向偏移量δ
h=ゼロの状態を表示し、電流微分値ゼロ位置の電流値
によりトーチ軸線方向偏移量δv=ゼロの状態を表示す
る。
【0047】またオシレート中心が溶接線から左右方向
にずれた時、図5及び図6に示すように微分波形Zの交
点Pがオシレート中心から偏移し、偏移量δhがゼロと
なるように、オシレート方向偏移演算手段17からの信
号がロボットトーチ位置制御装置21に入力される。
【0048】またトーチ位置が溶接線から上下方向にず
れた時、図7に示すように微分波形ゼロ位置の電流値に
よりトーチ軸線方向偏移量δvが演算され、偏移量δv
がゼロとなるように、トーチ軸線方向偏移演算手段19
からの信号がロボットトーチ位置制御装置21に入力さ
れる。
【0049】実際の制御はオシレート方向制御とトーチ
軸線方向制御を組み合わせたものとなり、溶接ロボット
1aにより溶接トーチ5が上下左右に移動し、溶接ワイ
ヤ4のオシレート中心が溶接線に沿うように、また溶接
電流が所定値となるように制御される。このように、オ
シレート方向偏移演算手段17及びトーチ軸線方向偏移
演算手段19で演算された偏移量データに基づいて、当
該偏移量をゼロにすべくロボットトーチ位置制御装置2
1に対して補正指令が出力され、これによって溶接トー
チ5の位置(オシレート中心位置と溶接トーチ高さ)が
フィードバック補正される。
【0050】尚、オシレート方向偏移演算手段17及び
トーチ軸線方向偏移演算手段19の演算値に基づきロボ
ットトーチ位置制御装置21に補正指令を出力し、その
出力値と補正後の演算手段17、19の演算値を保存蓄
積し、両者の相関関係を学習させることで、それ以後、
最適な補正指令を瞬時に出力するような使用法も可能で
ある。
【0051】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は前記実施形態以外にも種々の変形が可能
であり、例えば前記実施形態では溶接電流を滑らかな波
形にするために移動平均法を用いたが、この移動平均法
以外の方法又は移動平均法と実質的に同じ方法で滑らか
な波形に変換する方法を採用しても良い。また本発明の
倣い判定装置は、オシレート方向偏移表示手段とトーチ
軸線方向偏移表示手段を共に有する実施形態の他、用途
に応じてトーチ軸線方向偏移表示手段を省略した実施形
態も可能である。
【発明の効果】本発明の溶接線倣い判定装置及び倣い制
御装置は、次の効果を奏する。
【0052】請求項1に記載の発明によれば、オシレー
ト振幅範囲よりも溶接母材の開先幅が広い場合は勿論の
こと、この反対にオシレート振幅範囲よりも溶接母材の
開先幅が狭い突合せ溶接等においても、アークセンシン
グ制御による信頼性の高い溶接線の倣い判定が可能とな
り、溶接線の倣いずれの程度をリアルタイムで正確に監
視することができるので、溶接品質不良に対する高精度
の検出と溶接後の手直し工数の低減が図られる。
【0053】請求項2に記載の発明によれば、移動平均
の毎回の前方サンプリング時間とサンプリング数を適宜
設定することによりほぼリアルタイムでの滑らかな溶接
電流波形を得ることができる。
【0054】請求項3に記載の発明によれば、大きな外
乱要因である短絡の影響が完全に除去されるので、電流
検出中に発生する溶接トーチ位置情報以外の外乱情報を
可及的に除去することができる。これにより、溶接条件
・開先形状及びルートギャップに依存することなく溶接
線からのアークの位置ずれを精度良く検出でき、溶接線
の倣い判定の信頼性が大幅に向上する。
【0055】請求項4に記載の発明によれば、切出しタ
イミングを遅れ時間だけ予め遅延させているので、同じ
く判定の信頼性が向上する。
【0056】請求項5に記載の発明によれば、オシレー
ト振幅範囲よりも溶接母材の開先幅の狭い突合せ溶接等
に対しても、アークセンシング制御による信頼性の高い
溶接線の倣い制御が可能となり、溶接線の倣いずれが瞬
時に修正されるので、溶接品質不良の発生自体を防止で
きる。
【0057】請求項6〜8に記載の発明によれば、前記
の請求項2〜4に記載の発明と同様な効果が、溶接線の
倣い制御に対しても得られる。
【0058】また、アークセンシング制御の本来的特徴
として溶接トーチの狙い角度が変動した場合でも高精度
な溶接線倣い制御が可能であり、その分ロボットへの教
示作業工数の低減を図ることができ、また多少の部品精
度のばらつきや治具とのばらつきが発生しても、溶接ト
ーチの制御には全く影響がないため、部品精度管理水準
引き下げによる歩留まり向上と、保持治具の簡素化によ
るコスト低減を図ることができる。
【0059】さらに、アークセンシング制御の本来的特
徴として溶接部から直接的に位置ずれを検出するため、
従来の開先倣い装置が不要となり、溶接トーチに対して
開先倣い装置に必須の各種センサ等溶接上邪魔になるも
のが付加されないので、ワーク姿勢の自由度向上、スパ
ッタ、ヒューム、アーク熱等の悪環境下での信頼性向
上、ならびに検出精度低下と耐久性低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る溶接線の倣い制御
装置の概略を示すブロック図。
【図2】 溶接トーチの溶接電圧・電流波形図。
【図3】(A)は溶接電流波形を直線補間した溶接電圧
・電流波形図、(B)は直線補間した溶接電流波形とそ
の移動平均曲線を示す図、(C)は移動平均曲線を微分
変換した溶接電流微分曲線を示す図、(D)はオシレー
ト1周期の溶接電流微分曲線を半周期で折返し重合した
図。
【図4】 倣いずれが無いときの倣い表示装置のモデル
画面図。
【図5】 オシレート方向左小偏移時の倣い表示装置の
モデル画面図。
【図6】 オシレート方向左大偏移時の倣い表示装置の
モデル画面図。
【図7】 トーチ軸線方向下偏移時の倣い表示装置のモ
デル画面図。
【図8】 (A)は短絡期間除去後、直線補間した溶接
電流波形の移動平均曲線を示す図、(B)はオシレート
1周期の溶接電流曲線を半周期で折返し近似直線を示す
図、(C)はオシレート1周期の溶接電流微分曲線を半
周期で折返し重合した図。
【符号の説明】
1 消耗電極式ガスシールドアーク溶接装置 1a 溶接ロボット 2 溶接電源装置 3 母材 4 溶接ワイヤ 5 溶接トーチ 5a コンタクトチップ 6 送給ローラ 7 供給側 10 溶接電流検出手段 11 溶接電圧検出手段 12 短絡波形除去手段 13 直線補間手段 14 微分変換手段 15 切出し手段 16 折返し重合手段 17 オシレート方向偏移演算手段 18 オシレート方向偏移表示手段 19 トーチ軸線方向偏移演算手段 20 トーチ軸線方向偏移表示手段 21 ロボットトーチ位置制御装置 22 オシレート方向端点検出手段 23 波形消去手段 24 第1演算手段 25 第2演算手段 26 閾値設定手段 27 均し手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)短絡とアークを繰返して溶接を行う
    消耗電極式アーク溶接の突合せ溶接に於いて、溶接トー
    チを溶接線直角方向にオシレートさせたときの溶接電流
    波形を検出する電流検出手段と、(B)前記電流検出手
    段で検出された溶接電流波形から短絡期の溶接電流波形
    である短絡波形を除去する短絡波形除去手段と、(C)
    前記短絡波形が除去された溶接電流波形の波形欠落部分
    を直線で補間する直線補間手段と、(D)前記直線補間
    された溶接電流波形を滑らかな波形に均し処理する均し
    手段と、(E)前記滑らかな波形を微分波形に変換する
    微分変換手段と、(F)前記微分波形を溶接トーチのオ
    シレート周期に対応する複数区間に切出す切出し手段
    と、(G)前記切出し手段で切出された微分波形を半周
    期毎に互いに反転状態で重合させる重合手段と、(H)
    前記重合手段で見出された前記微分波形の最大最小値間
    波形の交点を開先中心位置とし、溶接トーチのオシレー
    ト幅方向に対する溶接線中心位置の偏移方向と偏移量を
    それぞれ表示するオシレート方向偏移表示手段をそれぞ
    れ具備することを特徴とする溶接線の倣い判定装置。
  2. 【請求項2】 前記均し手段が、直線補間された溶接電
    流波形を移動平均にて滑らかな波形に均すことを特徴と
    する請求項1記載の溶接線の倣い判定装置。
  3. 【請求項3】 前記短絡波形除去手段が、溶接電圧波形
    におけるアーク期と短絡期を区別する基準電圧を閾値と
    して設定する閾値設定手段と、 溶接電圧波形の中の前記基準電圧に到達した到達点から
    所定時間前の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡
    波形除去開始点として演算する第1の演算手段と、 溶接電圧波形の中の前記基準電圧から脱出した脱出点か
    ら所定時間後の時点に対応する溶接電流波形の位置を短
    絡波形除去終了点として演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段と第2の演算手段の演算結果に基づ
    いて、短絡波形除去開始点と短絡波形除去終了点との間
    の電流波形を消去する波形消去手段を具備することを特
    徴とする請求項1又は2記載の溶接線の倣い判定装置。
  4. 【請求項4】 オシレート同期パルス信号と実際の溶接
    トーチオシレート端点との間の遅れ時間を予め検出して
    おき、この遅れ時間分だけオシレート同期パルス信号か
    ら遅延させて前記切出し手段による溶接電流波形の切出
    しタイミングを設定したことを特徴とする請求項1から
    3のいずれか記載の溶接線の倣い判定装置。
  5. 【請求項5】(A)短絡とアークを繰返して溶接を行う
    消耗電極式アーク溶接の突合せ溶接において、溶接トー
    チを溶接線直角方向にオシレートさせたときの溶接電流
    波形を検出する電流検出手段と、(B)前記電流検出手
    段で検出された溶接電流波形から短絡期の溶接電流波形
    である短絡波形を除去する短絡波形除去手段と、(C)
    前記短絡波形が除去された溶接電流波形の波形欠落部分
    を直線で補間する直線補間手段と、(D)前記直線補間
    された溶接電流波形を滑らかな波形に均し処理する均し
    手段と、(E)前記滑らかな波形を微分波形に変換する
    微分変換手段と、(F)前記微分波形を溶接トーチのオ
    シレート周期に対応する複数区間に切出す切出し手段
    と、(G)前記切出し手段で切出された微分波形を半周
    期毎に互いに反転状態で重合させる重合手段と、(H)
    前記重合手段で見出された前記微分波形の最大最小値間
    波形の交点を開先中心位置とし、溶接トーチのオシレー
    ト幅方向に対する溶接線中心位置の偏移方向と偏移量を
    それぞれ演算するオシレート方向偏移演算手段と、
    (I)前記微分波形の微分値ゼロに対応する溶接電流値
    を設定電流値と比較して溶接トーチのトーチ軸線方向の
    偏移方向と偏移量を演算するトーチ軸線方向偏移演算手
    段とを有し、(J)前記オシレート方向偏移演算手段と
    トーチ軸線方向偏移演算手段の演算結果に基づき、前記
    オシレート方向偏移とトーチ軸線方向偏移を解消する方
    向に前記溶接トーチのオシレート中心とトーチ高さをリ
    アルタイムでフィードバック制御するようにしたことを
    特徴とする溶接線の倣い制御装置。
  6. 【請求項6】 前記均し手段が、直線補間された溶接電
    流波形を移動平均にて滑らかな波形に均すことを特徴と
    する請求項5記載の溶接線の倣い制御装置。
  7. 【請求項7】 前記短絡波形除去手段が、 溶接電圧波形におけるアーク期と短絡期を区別する基準
    電圧を閾値として設定する閾値設定手段と、 溶接電圧波形の中の前記基準電圧に到達した到達点から
    所定時間前の時点に対応する溶接電流波形の位置を短絡
    波形除去開始点として演算する第1の演算手段と、 溶接電圧波形の中の前記基準電圧から脱出した脱出点か
    ら所定時間後の時点に対応する溶接電流波形の位置を短
    絡波形除去終了点として演算する第2の演算手段と、 前記第1の演算手段と第2の演算手段の演算結果に基づ
    いて、短絡波形除去開始点と短絡波形除去終了点との間
    の電流波形を消去する波形消去手段を具備することを特
    徴とする請求項5又は6記載の溶接線の倣い制御装置。
  8. 【請求項8】 オシレート同期パルス信号と実際の溶接
    トーチオシレート端点との間の遅れ時間を予め検出して
    おき、この遅れ時間分だけオシレート同期パルス信号か
    ら遅延させて前記切出し手段による溶接電流波形の切出
    しタイミングを設定したことを特徴とする請求項5から
    7のいずれか記載の溶接線の倣い制御装置。
JP2001042349A 2001-02-19 2001-02-19 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置 Expired - Fee Related JP4854860B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042349A JP4854860B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001042349A JP4854860B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002239733A true JP2002239733A (ja) 2002-08-28
JP4854860B2 JP4854860B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=18904658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001042349A Expired - Fee Related JP4854860B2 (ja) 2001-02-19 2001-02-19 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4854860B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100363140C (zh) * 2004-02-09 2008-01-23 丰田自动车株式会社 焊缝偏离判定方法和装置
US8558473B2 (en) 2008-10-20 2013-10-15 Honda Motor Co., Ltd. Light emitting device, light receiving system and image pickup system
US20140027422A1 (en) * 2012-07-27 2014-01-30 Illinois Tool Works Inc. Adaptable rotating arc welding method and system
US9403233B2 (en) 2011-12-16 2016-08-02 Illinois Tool Works Inc. DC electrode negative rotating arc welding method and system
US10543551B2 (en) 2013-09-16 2020-01-28 Illinois Tool Works Inc. Synchronized rotating arc welding method and system
US10953484B2 (en) 2013-09-16 2021-03-23 Illinois Tool Works Inc. Narrow groove welding method and system
JP2021074817A (ja) * 2019-11-07 2021-05-20 ファナック株式会社 ロボットの位置または姿勢の修正方法を判定する制御装置
CN117428302A (zh) * 2023-12-20 2024-01-23 苏芯物联技术(南京)有限公司 一种焊接管道供气流速智能动态控制方法及系统

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056483A (ja) * 1983-09-09 1985-04-02 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd 溶接線追従装置
JPS6195777A (ja) * 1984-10-17 1986-05-14 Kobe Steel Ltd 開先検出方法および装置
JPS61242764A (ja) * 1985-04-19 1986-10-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 溶接線自動倣い方式
JPH0318479A (ja) * 1989-06-14 1991-01-28 Nkk Corp ショートアーク溶接における開先自動倣い制御方法
JPH06320274A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd アークセンサー
JPH091337A (ja) * 1995-06-19 1997-01-07 Tokyo Gas Co Ltd パイプ円周自動溶接装置のアーク中溶接線倣い制御方法
JPH11179542A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Tokyo Gas Co Ltd 溶接機におけるデータサンプリング方法
JP2001047240A (ja) * 1999-08-17 2001-02-20 Chuo Motor Wheel Co Ltd 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6056483A (ja) * 1983-09-09 1985-04-02 Yaskawa Electric Mfg Co Ltd 溶接線追従装置
JPS6195777A (ja) * 1984-10-17 1986-05-14 Kobe Steel Ltd 開先検出方法および装置
JPS61242764A (ja) * 1985-04-19 1986-10-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 溶接線自動倣い方式
JPH0318479A (ja) * 1989-06-14 1991-01-28 Nkk Corp ショートアーク溶接における開先自動倣い制御方法
JPH06320274A (ja) * 1993-05-14 1994-11-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd アークセンサー
JPH091337A (ja) * 1995-06-19 1997-01-07 Tokyo Gas Co Ltd パイプ円周自動溶接装置のアーク中溶接線倣い制御方法
JPH11179542A (ja) * 1997-12-24 1999-07-06 Tokyo Gas Co Ltd 溶接機におけるデータサンプリング方法
JP2001047240A (ja) * 1999-08-17 2001-02-20 Chuo Motor Wheel Co Ltd 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100363140C (zh) * 2004-02-09 2008-01-23 丰田自动车株式会社 焊缝偏离判定方法和装置
US8558473B2 (en) 2008-10-20 2013-10-15 Honda Motor Co., Ltd. Light emitting device, light receiving system and image pickup system
US9403233B2 (en) 2011-12-16 2016-08-02 Illinois Tool Works Inc. DC electrode negative rotating arc welding method and system
US20140027422A1 (en) * 2012-07-27 2014-01-30 Illinois Tool Works Inc. Adaptable rotating arc welding method and system
US9511442B2 (en) * 2012-07-27 2016-12-06 Illinois Tool Works Inc. Adaptable rotating arc welding method and system
US10543551B2 (en) 2013-09-16 2020-01-28 Illinois Tool Works Inc. Synchronized rotating arc welding method and system
US10953484B2 (en) 2013-09-16 2021-03-23 Illinois Tool Works Inc. Narrow groove welding method and system
US11759879B2 (en) 2013-09-16 2023-09-19 Illinois Tool Works Inc. Synchronized rotating arc welding method and system
JP2021074817A (ja) * 2019-11-07 2021-05-20 ファナック株式会社 ロボットの位置または姿勢の修正方法を判定する制御装置
JP7359657B2 (ja) 2019-11-07 2023-10-11 ファナック株式会社 ロボットの位置または姿勢の修正方法を判定する制御装置
CN117428302A (zh) * 2023-12-20 2024-01-23 苏芯物联技术(南京)有限公司 一种焊接管道供气流速智能动态控制方法及系统
CN117428302B (zh) * 2023-12-20 2024-02-20 苏芯物联技术(南京)有限公司 一种焊接管道供气流速智能动态控制方法及系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4854860B2 (ja) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3746922B2 (ja) 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置
US5206474A (en) Weld line profile control method
JPH05329645A (ja) アークセンサモニター装置及びその使用方法
CN108883487B (zh) 电弧仿形焊接方法以及电弧仿形焊接装置
CN109963679B (zh) 电弧跟踪焊接中的偏移量的检测方法
US4990743A (en) Control method for tracing a weld line in a welding apparatus
JP2002239733A (ja) 溶接線の倣い判定装置と倣い制御装置
US5130514A (en) Control apparatus for tracing a weld line in a welding apparatus and control method therefor
JPS60250877A (ja) 溶接ビ−ド高さの自動制御方法
JP3812914B2 (ja) パイプ円周自動溶接装置の左右ウィービング幅補正方法
JP5154381B2 (ja) パルスtig溶接ロボットの制御方法及びパルスtig溶接ロボットの制御システム
JPH09262670A (ja) 溶接装置のステイタス表示方法
JPH0470117B2 (ja)
JP2009183976A (ja) 溶接制御方法および溶接装置
US4785155A (en) Automatic welding machine path correction system
JP2018075623A (ja) アーク溶接の表示装置及び表示方法
JP2003039354A (ja) ロボットの制御方法、制御装置および治具
JP3115206B2 (ja) アークセンサ装置
JP2969694B2 (ja) 溶接線倣い制御方法
JP3323935B2 (ja) アークセンサ
JP3209138B2 (ja) 溶接条件適応制御方法
JP3795164B2 (ja) パイプ円周自動溶接装置のウィービング軌跡補正方法
JPS62160504A (ja) ロボツトの制御装置
JPH05318121A (ja) 溶接継手終端部の検出方法及び装置
JPH074666B2 (ja) 溶接線倣い制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071228

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111012

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees