JP3209138B2 - 溶接条件適応制御方法 - Google Patents

溶接条件適応制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク溶接におけ
る溶接条件適応制御方法に係り、特に高速回転アーク溶
接法のアークセンサ技術を用いて、アーク直下の開先の
ルートギャップの変化を精度よく検出し、そのルートギ
ャップの変化に対応して適正な溶接条件を適用するよう
にした溶接条件適応制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶接条件に関する適応制御技術
は、熟練作業者が溶接条件データベースを構築し、その
部材の幾何学的形状情報や脚長などの溶接情報などによ
り、適正溶接条件を溶接施工以前に決定している。この
ため、溶接中の溶接条件は開ループ制御となっている。
これは、インプロセスで開先のルートギャップや脚長を
センシングする技術が確立されていなかったことに起因
する。但し、従来技術として画像処理装置とレーザセン
サを組み合わせてギャップ計測やビード幅の検出を行
い、溶接条件を制御する技術は存在するが、溶接中のア
ーク直下におけるギャップのセンシングを行い、コント
ローラにフィードバックして溶接条件を制御する技術は
今までに存在していない。
【0003】また、溶接ロボットなどを用いた自動機器
による溶接施工の場合には、溶接施工以前にオフライン
プログラム手法により動作プログラムが作成される。こ
の動作プログラムは、CADデータをベースとしてロボ
ットの動作経路点である溶接の開始点・終了点、干渉回
避処理による姿勢変更点などの動作経路点を算定し、そ
の点に対して溶接条件である溶接電流、溶接電圧、溶接
速度、トーチ角度などのパラメータを引き当てる構成と
なっている。
【0004】ところが、溶接施工時においては、実際の
部材とCADデータに差異が存在するため、ワイヤタッ
チセンサで溶接開始点の検出を行い、アークセンサで溶
接中開先ならい制御を行いながら、動作経路点を逐次補
間して溶接施工を行っている。しかし、動作経路点の補
間に伴った溶接条件パラメータの変更までは対応しきれ
ていない問題がある。すなわち、動作経路点に対して
は、アークセンサなどによるフィードバックルーチンと
なっているのに対し、溶接条件に対してはフィードバッ
クがない開ループの制御となってしまっている。そのた
め、実部材でギャップが存在しているにもかかわらず、
溶接施工以前にCADデータベースで選定された溶接条
件のまま溶接を行うと、脚長不足になり適正な溶接品質
を維持することが困難になる場合がある。しかも、この
ようなギャップは、ワークの加工精度、取付精度、およ
び溶接中の動的な熱変形などにより不可避的に発生する
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、適応制御で
は、制御対象を数式化モデルで表現し、その数式化モデ
ルに基づいて制御対象の動的挙動を推測し、最適値を保
持するように制御することが可能であるが、溶接条件適
応制御では、溶接現象を数式化モデルで表現すること
が、パラメータも多く、しかも複雑に絡み合っているた
め、非常に困難であるという問題がある。本発明者ら
は、この問題に対し鋭意研究した結果、周知の高速回転
アークセンサの原理を用いることにより、アーク直下の
溶融池の表面形状の変化とルートギャップの変化との間
に一定の相関があることを見出し、溶接現象を数式化モ
デルで表現することに成功した。
【0006】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものであり、高速回転アークセンサにより得られる溶接
現象の情報をもとに精度の良いルートギャップの検出を
可能とし、フィードバック制御により、実ワークの溶接
に即応し、かつ安定した溶接品質を得るための溶接条件
適応制御方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接条件適
応制御方法は、高速回転アーク溶接法によって、アーク
センサ方式による溶接線ならいと溶接トーチ高さ(電極
チップ−母材間距離)の制御を行いながら溶接をしてい
るときに、開先のルートギャップGの変化によって変化
する、アーク直下の溶融池表面形状の変化を、高速回転
アークの溶接電圧または溶接電流の波形によって認識
し、現在のルートギャップGに対応する適正な溶接条件
を適用するよう制御する溶接条件適応制御方法におい
て、基準となるギャップGref に対する適正溶接条件に
おける前記溶接電圧または前記溶接電流の波形を基準波
形として記憶しておき、前記基準波形に対する現波形の
偏差部分の面積|ΔSG |をアークの1回転分について
求め、さらにアーク回転位置の後方部における偏差部分
の積分の符号から波形差ΔSG の正負を判定してΔSG
を求め、このΔSG の値とルートギャップGの関係を予
め実験により求めておき、現在のΔSG の値から現在の
ルートギャップGを認識し、G=Gref に対する適正溶
接条件にて、ルートギャップGが変化する継手を溶接し
たときに得られる溶接ビード形状、ビード高さ、脚長、
または溶け込みより、ルートギャップGの許容範囲+Δ
g1 、−Δg2 を定め、前記の方法で求めたΔSG −G
特性曲線から前記波形差ΔSG の許容範囲+ΔS1 、−
ΔS2 を求め、このΔSG が前記許容範囲に達したら溶
接条件をギャップがG=Gref +Δg1 、またはG=G
ref −Δg2 に対して予め求めている適正溶接条件に変
更することを特徴とするものである。
【0008】まず、本発明におけるルートギャップの検
出方法は、隅肉溶接、V形状の突き合わせ溶接などにお
いて、高速回転アーク溶接法によるアークセンサによ
り、開先のルートギャップGの変動によって変化するア
ーク直下の溶融池表面形状の変化を、高速回転アークの
溶接電圧VT または溶接電流Iの波形によって認識する
方法である。この場合、溶接トーチが開先の中心に対す
るずれがあると、検出波形にギャップ変動以外の影響を
与えるので、VT 波形またはI波形を用いて、すなわち
アークセンサによる開先ならい制御によって開先幅方向
と、溶接トーチ高さ方向の位置を制御する。そして、基
準ギャップGref に対する適正溶接条件における基準溶
接電圧波形VTrefに対し、ギャップGで溶接したときの
溶接電圧波形VT の波形差(面積の偏差)ΔSG は、ギ
ャップGとの間に一定の相関があることが判明してい
る。従って、このΔSG −G特性曲線を予め実験により
求めておけば、現在のΔSG の検出値から現在のルート
ギャップGを認識することができる。
【0009】次に、本発明の溶接条件適応制御方法にお
いては、G=Gref に対する適正溶接条件で溶接したと
きの溶接ビード形状、ビード高さ、脚長、または溶け込
みより、ギャップGの許容範囲+Δg1 、−Δg2 を定
めておき、前記の方法で検出されたΔSG に対し、前記
のΔSG −G特性曲線からΔSG の許容範囲+ΔS1、
−ΔS2 を求め、このΔSG が前記許容範囲内であれば
そのままの溶接条件で、ΔSG が前記許容範囲に達した
ときは溶接条件をG=Gref +Δg1 、またはG=Gre
f −Δg2 に対して予め求めている適正溶接条件に変更
するものである。
【0010】以下、本発明の原理について説明する。
【0011】(1)開先のルートギャップ変動における
溶接電圧波形の変動 図1は、隅肉溶接において、ギャップGの変化によって
変化する溶接電圧VTの波形の一例を示す図である。図
中、Cf 、R、Cr 、Lはアークの回転位置を示し(図
2参照)、横軸のθは溶接電圧波形の位相である。図1
(a)のVTref波形(実線で示す波形)は、ギャップG
の値が基準値Gref のときの適正溶接条件で溶接をした
ときの基準溶接電圧波形であり、VTAV はVTref波形の
平均電圧である。また、Cf 、R、Cr 、Lの位置は、
図2に示すように回転アークの1回転において、溶接の
進行方向に向かって、θ=0゜の前方中央位置をCf 、
右側90゜の位置をR、後方中央位置(180゜)をC
r 、左側270゜の位置をLとしている。これらの位置
信号は溶接トーチの回転モータのエンコーダから出力さ
れるパルス信号で定められる。
【0012】溶接電圧波形は溶融池の表面形状に対応し
て変化するアーク長の影響を受けて、Cf とCr の位置
で最も高くなり、RとLの位置で最も低くなる。この溶
接条件において、ギャップGがGref より大となったと
きの溶接電圧波形をVT 波形(破線)として図1(a)
に示している。すなわち、ギャップGがGref より大に
なると、Cr 部における位相θ1 〜θ2 の範囲において
VT >VTrefとなり、その他の部分ではVT <VTrefと
なる。これは、図3に示すように、ギャップが大になる
と脚長(ビード高さ)が減少し、アーク3直下の溶融池
4が後退するためにCr 部のアーク電圧が増加するため
である。平均電圧は溶接トーチ1のトーチ高さ制御によ
り一定になるので、他の部分のアーク電圧が低下する。
逆に、ギャップGがGref より小になると、図1(b)
に示すように、Cr 部でVT <VTrefとなり、その他の
部分ではVT >VTrefとなる。なお、図2、図3におい
て、1は溶接トーチ、2は溶接ワイヤ、3は回転アー
ク、4は溶融池、5は溶接ビード、6は立板、7は下板
である。
【0013】(2)波形差ΔSG の検出方法 図1の結果から、溶接中に他の何らの検出器を用いるこ
となく、溶接電圧波形を検出することにより、つまりア
ークセンサ方式によって、アーク直下部のルートギャッ
プの変化を検出できることがわかる。基準溶接電圧波形
VTrefに対する現波形VT の偏差部分(図1の斜線部
8)の面積の回転アークの1回転分の総和は基準ギャッ
プGref に対するギャップ変化量の絶対値として認識す
ることができる。また、位相θ1 〜θ2 (Cr 部)にお
ける電圧波形の偏差部分の積分値の符号が正のときG>
Gref 、負のときG<Gref と判定することができる。
このように電圧波形の瞬時値をとらず積分値とするの
は、電圧波形には溶接アーク現象に起因する高調波ノイ
ズが重畳されるのでその影響を防止するためである。こ
こでは電圧波形を用いているが、アークセンサの周知の
原理より、電流波形を用いることもできるのは当然であ
り、ここでは省略する。
【0014】(3)波形差ΔSG の求め方 図1の斜線部8の面積の総和を|ΔSG |とすると、
【数1】 Cr 部における偏差部分の積分値をIcrとすると、
【数2】 である。従って、Icrの符号からΔSG の正負を定める
ことができる。すなわち、 Icr>0のとき ΔSG >0 Icr<0のとき ΔSG <0 となる。故に、
【数3】
【0015】この(3)、(4)式から、波形差ΔSG
の値を求めることができる。しかし、現実の電圧波形に
おいては位相θ1 、θ2 は回転アークの1回転ごと、あ
るいは溶接条件やギャップ値によってかなり変動するの
で、インプロセスで検出するのは容易でない。従って、
実験結果から近似値として与える。このΔSG の算出方
法によれば、θ1 、θ2 のバラツキがΔSG の値に影響
しないため、検出精度は良好となる。
【0016】(4)ルートギャップの認識方法 (3)式より求められるΔSG の値はギャップ変化量に
対応し、図4に示すようにルートギャップGとの間にほ
ぼ直線的な関係があることが実験により確かめられてい
る。ここで得られたΔSG −G特性線は、G=Gref に
おける適正条件で溶接したときに得られる。従って、Δ
SG の値から現在のルートギャップを認識することがで
きる。
【0017】(5)ルートギャップの認識による溶接条
件の制御方法 G=Gref の適正溶接条件によって得られる溶接ビード
形状、溶接ビードの溶け込み、ビード高さ、脚長などが
適正に得られるギャップの許容範囲を図4に示すように
+g1 、−g2 とすれば、波形差出力ΔSG の許容範囲
も同図のように+ΔS1 、−ΔS2 として求められる。
従って、ΔSG がこの範囲に達したらG=(Gref +Δ
g1 )または(Gref −Δg2 )に対する適正溶接条件
に変更する。図5はG=Gn で溶接を開始し、以後ギャ
ップGが増加または減少した場合のΔSG 出力波形の変
化を太実線で示したものである。従って、ギャップGの
変化に対して、溶接中即時に、適正溶接条件の変更適用
が可能なため、ギャップの存在に拘わらず常に安定した
高品質の溶接継手が得られる。
【0018】
【発明の実施の形態】図6は本発明による溶接条件適応
制御方法において使用する制御回路例を示すブロック図
である。図6において、11はアークセンサにより検出
された現在の溶接電圧VT0と溶接線ならい制御およびト
ーチ高さ制御のもとでの平均電圧VTAV との偏差を増幅
する差動増幅器、12は基準溶接電圧波形VTrefのデー
タが記憶されている波形メモリ、13は差動増幅器11
の出力VT と波形メモリ12の基準出力VTrefとの偏差
を増幅する差動増幅器、14は前記(1)式の右辺の積
分をする絶対値積分器、15は前記(2)式の右辺の積
分をする積分器、16は前記(3)、(4)式によりΔ
SG の符号の正負を判定する符号判定器である。以上の
差動増幅器11、波形メモリ12、差動増幅器13、絶
対値積分器14、積分器15、および符号判定器16に
より、この制御回路のΔSG 検出部10を構成してい
る。
【0019】21はΔSG 検出部10の出力ΔSG と、
ΔSG に対して予め設定されている許容範囲ΔS1 、−
ΔS2 とを比較する比較器、22はこの許容範囲ΔS1
、−ΔS2 を設定するしきい値設定器、23は比較器
21の出力に基づいてギャップGの適・不適を判定する
ギャップ判定器、24はCAD/CAMシステム25
の、またはこのシステムから与えられる適正溶接条件の
データベースで、この溶接条件データベース24には、
適正溶接条件として、ギャップ毎に、溶接ビード形状・
溶接ビードの溶け込み・ビード高さ・脚長より定められ
ている溶接電流・溶接電圧・溶接速度・ワイヤ送給速度
等の溶接条件、および前記のΔSG −G特性曲線、ΔS
G の許容範囲(+ΔS1 、−ΔS2 )が格納されてい
る。
【0020】このΔSG 検出部10では、高速回転アー
ク溶接のアークセンサによって開先ならい制御とトーチ
高さ制御を行いながら溶接をしているときに、アークセ
ンサにより検出された現在の溶接電圧VT0と基準ギャッ
プGref に対する適正溶接条件のときの平均電圧VTAV
を差動増幅器11に入力しており、差動増幅器11はそ
の偏差VT を出力する。この出力VT を差動増幅器13
に入力する一方、波形メモリ12に記憶されている基準
ギャップGref に対応する基準電圧VTrefのデータを取
り出し、このデータを差動増幅器13に入力する。さら
に、この差動増幅器13の出力(VT −VTref)がそれ
ぞれ絶対値積分器14と積分器15に入力され、絶対値
積分器14において差動増幅器13の出力(VT −VTr
ef)を絶対値化したうえでアーク回転の1回転分につい
て波形の面積差の総和|ΔSG |を求めるべく前記
(1)式の右辺の積分を行う。一方、積分器15ではC
r 部の位相θ1 〜θ2 の範囲についてのみ面積差Icrを
求めるべく前記(2)式の右辺の積分を行う。これらの
積分値は符号判定器16に送られ、前記(3)、(4)
式により符号の正負を判定し、G>Gref のときは正の
ΔSG を、G<Gref のときは負のΔSG をそれぞれ出
力する。
【0021】さらに、ΔSG 検出部10の出力ΔSG
は、比較器21に入力され、ここでΔSG の許容範囲+
ΔS1 、−ΔS2 と比較され、比較結果をギャップ判定
器23に入力する。ギャップ判定器23では、ΔSG が
許容範囲内にあるときには適正ギャップとしての信号
を、また、許容範囲の上限値+ΔS1 あるいは下限値−
ΔS2 に達しているときには、不適正ギャップとしての
信号を溶接条件データベース24に入力し、適正ギャッ
プのときにはそのままの溶接条件を維持するように、Δ
SG の許容範囲+ΔS1 、−ΔS2 に達しているときに
は、次の大きさのギャップに適用すべき適正溶接条件に
変更するように、溶接条件データベース24により溶接
条件をフィードバック制御しながら高速回転アーク溶接
が施工される。
【0022】このように、予めルートギャップGとΔS
G の関係を実験により求めておくことにより、ΔSG の
符号から、現在のギャップGが基準ギャップGref より
大となったか、小となったか、あるいは基準ギャップG
ref のままであるかをインプロセスで認識することがで
きる。従ってまた、このΔSG の算出結果から、現在の
ギャップGに対応する適正な溶接条件に変更して溶接す
ることができるため、ルートギャップの変化に対応する
溶接条件適応制御が可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
溶接トーチの近傍に何らの検出器を用いることなく高速
回転アーク溶接法のアークセンサによる溶接電圧または
溶接電流の情報のみで、溶接中のアーク直下のルートギ
ャップの変化を認識でき、ルートギャップの変化に対応
して溶接中即時に適正溶接条件を変更適用することがで
きるという効果がある。また、アーク直下の溶融池の表
面形状の変化とルートギャップの変化との間の相関に基
づいて溶接現象を数式化モデルで表現し、適正溶接条件
のフィードバック制御を可能にしたものであるから、制
御系が安定し、従って、本発明の制御方法を用いれば、
実ワークに即応した安定かつ品質の高い溶接継手が得ら
れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】基準ギャップに対してルートギャップが変化し
たときの回転アークの溶接電圧の変化を示す波形図であ
る。
【図2】アーク回転位置の定義図である。
【図3】回転アークの後方部においてアーク長が変化し
たとき、溶融池が後退する状況を示す説明図である。
【図4】波形差ΔSG とルートギャップGの関係を示す
ΔSG −G特性線図である。
【図5】ルートギャップの増加、減少による波形差ΔS
G の変化を示す波形図である。
【図6】本発明の溶接条件適応制御方法において使用す
る制御回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 溶接トーチ 2 溶接ワイヤ 3 回転アーク 4 溶融池 5 溶接ビード 6 立板 7 下板 8 斜線部(VT 波形とVTref波形の偏差部分) 11 差動増幅器 12 波形メモリ 13 差動増幅器 14 絶対値積分器 15 積分器 16 符号判定器 21 比較器 22 しきい値設定器 23 ギャップ判定器 24 溶接条件データベース 25 CAD/CAMシステム
フロントページの続き (72)発明者 勘定 義弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 村山 雅智 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−80971(JP,A) 特開 昭62−24862(JP,A) 特開 昭62−248571(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 9/095 B23K 9/127

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速回転アーク溶接法によって、アーク
    センサ方式による溶接線ならいと溶接トーチ高さの制御
    を行いながら溶接をしているときに、開先のルートギャ
    ップGの変化によって変化する、アーク直下の溶融池表
    面形状の変化を、高速回転アークの溶接電圧または溶接
    電流の波形によって認識し、現在のルートギャップGに
    対応する適正な溶接条件を適用するよう制御する溶接条
    件適応制御方法において、 基準となるギャップGref に対する適正溶接条件におけ
    る前記溶接電圧または前記溶接電流の波形を基準波形と
    して記憶しておき、前記基準波形に対する現波形の偏差
    部分の面積|ΔSG |をアークの1回転分について求
    め、さらにアーク回転位置の後方部における偏差部分の
    積分の符号から波形差ΔSG の正負を判定してΔSG を
    求め、このΔSG の値とルートギャップGの関係を予め
    実験により求めておき、現在のΔSG の値から現在のル
    ートギャップGを認識し、 G=Gref に対する適正溶接条件にて、ルートギャップ
    Gが変化する継手を溶接したときに得られる溶接ビード
    形状、ビード高さ、脚長、または溶け込みより、ルート
    ギャップGの許容範囲+Δg1 、−Δg2 を定め、前記
    の方法で求めたΔSG −G特性曲線から前記波形差ΔS
    G の許容範囲+ΔS1 、−ΔS2 を求め、このΔSG が
    前記許容範囲に達したら溶接条件をギャップがG=Gre
    f +Δg1 、またはG=Gref −Δg2 に対して予め求
    めている適正溶接条件に変更することを特徴とする溶接
    条件適応制御方法。
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