JP2611604B2 - 溶接継手終端部の検出方法及び装置 - Google Patents

溶接継手終端部の検出方法及び装置

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JP2611604B2
JP2611604B2 JP12064392A JP12064392A JP2611604B2 JP 2611604 B2 JP2611604 B2 JP 2611604B2 JP 12064392 A JP12064392 A JP 12064392A JP 12064392 A JP12064392 A JP 12064392A JP 2611604 B2 JP2611604 B2 JP 2611604B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速回転アーク溶接法
における溶接継手終端部の検出方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高速回転アーク溶接法によって溶接継手
に対して溶接を行なう場合、通常、溶接線の自動追従の
ためにアークセンサによる開先倣い制御方法を採用して
いる。ここで、高速回転アーク溶接法とは電極ワイヤの
先端を偏心させておき、溶接トーチの電極ノズルを機械
的に回転させることによりアークを高速で回転させなが
ら溶接を行う方法である。また、かかる開先倣い制御方
法は、特開昭62−248571号公報等で公知であ
り、図12を参照し説明すると、アーク電圧波形とアー
ク回転位置(Cf,R,Cr,L)を検出し、溶接進行
方向前方のCf点を中心に、左右同一の位相角φ(5°
≦φ=90°)の範囲で、アーク電圧波形を積分し(S
L,SR)、その差(SL−SR)が零になるように開
先幅方向(X軸)のトーチ位置を修正するものである。
また、トーチ高さ方向(Y軸)については、アークの1
回転ごとに溶接電流波形の積分値が一定になるように制
御している。ところで、下板と立板とからなるT字形ワ
ークの溶接継手の終端部の品質を安定に確保するために
は溶接継手の終端位置を精度良く検出することが必要で
あった。
【0003】従来は部材の図面寸法をそのまま溶接長と
して溶接装置に教示し、溶接開始点から溶接トーチが上
記溶接長だけ進行した地点を継手終端部としていた。
【0004】図13は従来のもう一つの溶接継手終端部
の検出方法を示す斜視図である。図において、1は溶接
継手であるT字形ワークで、下板1aと立板1bとから
構成されている。2は下板1aと立板1bとで形成され
る溶接線、3は溶接トーチの電極ノズルである。かかる
T字形ワーク1に対してその終端を検出する方法として
はワイヤタッチセンサを利用したものがある。ここにワ
イヤタッチセンサの原理とは溶接トーチのワイヤとワー
クとの間に電圧を印加し、ワイヤをワークに接近させて
いき、ワイヤがワークに接触した時に電圧が0となるこ
とによりその位置を検出する原理をいう。そして、この
ワイヤタッチセンサの原理を利用したワークの終端位置
を検出する方法は図13に示すように、まず溶接トーチ
の電極ノズル3を立板1bの端部近傍位置に設定する
(この位置は、ワークの取付位置の誤差を考慮してあら
かじめ教示される)。次に、電極ノズル3を立板1b及
び下板1aに接触するまで移動させて立板1b及び下板
1aに対する電極ノズル3の補正量Δx,Δyを確認
し、その後は電極ノズル3を溶接進行方向に立板1bの
終端を越えるまで移動させた後にΔx+α(立板1bの
厚みtの約半分の寸法)だけ移動させ、更に立板1bの
端部に接触するまで移動させてΔZを求め、当初設定位
置から演算により立板1bの終端位置を検出する方法で
ある。
【0005】図14は従来の更にもう1つの溶接継手終
端部の検出方法を示す正面図である。この方法は、溶接
トーチの電極ノズル3の前方に磁気センサ4を配し、溶
接中、磁気センサ4がT字形ワーク1の終端にくると、
立板1bがなくなって磁気が変化することから、その変
化をとらえて終端を検出する方法である。なお、この方
法は磁気センサ4と電極ノズル3との間の距離だけ、遅
延制御して終端を算出するようにしている。また検出セ
ンサとしては他にレーザー光を利用したものなどがあ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような部材の図
面寸法を溶接長として教示する方法や、図13に示す従
来の溶接継手終端部の検出方法では、溶接前に終端位置
を正確に検出していても、溶接による熱歪や収縮等の変
形や、さらには溶接ワイヤの曲グセにより、教示位置と
実際の部材の終端とにズレが生じ、終端部分の溶接品質
の確保が困難という問題点もあった。
【0007】また、図14に示す従来のもう1つの溶接
継手の終端部検出方法では電極ノズル3の近傍に磁気セ
ンサ4が配設されているから、電極ノズル3と磁気セン
サ4を結ぶ線上に溶接方向が制限されると共に電極ノズ
ル3のトーチ廻りが磁気センサ4があるために複雑とな
り、T字形ワークとの干渉も問題になり、適用範囲が限
定されるという問題点があった。
【0008】更に、電極ノズル3の前方に磁気センサ4
が配設されて溶接アークの前方を検出することとなるか
ら、遅延制御を行う必要があり、そのため制御が繁雑に
なるという問題点があった。また、電極ノズル3と磁気
センサ4との位置関係を常に一定に保つ必要があること
から、電極ノズル3を交換する毎に補正しなければなら
ず補正作業が面倒であり、これらの作業分だけ溶接装置
の稼働率が低下し、しかもワイヤの曲がりグセ等にも対
応できないという問題点があった。
【0009】本発明はかかる問題点を解決するためにな
されたもので、溶接継手の終端における良好な溶接品質
を安定して確保でき、溶接装置の稼働率を向上させ、特
別な検出器が不要であるため溶接トーチのトーチ廻りが
簡素となり、溶接方向の制約等もなくなって適用範囲が
制限されない溶接継手終端部の検出方法及び装置を得る
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る溶接継手終
端部の検出装置は、高速回転アーク溶接法により溶接す
る溶接トーチとワーク間のアーク電圧又は溶接電流を検
出するアーク電圧検出器又は溶接電流検出器と、電極ノ
ズルの回転角度位置を検出する回転位置検出器と、アー
ク電圧検出器又は溶接電流検出器の検出信号を積分する
2つの積分器と、アークの回転の2つの所定角度範囲に
おいてのみ積分器が積分するようにその駆動信号を回転
位置検出器の位置検出信号に基づいて出力するタイミン
グパルス発生器と、2つの積分器によって積分された検
出信号の積分値の差である偏差信号を求める第1差動ア
ンプと、第1差動アンプから出力された偏差信号の平均
値を演算する平均値演算器と、第1差動アンプの偏差信
号と平均値演算器の平均値との差である差分出力値を求
める第2差動アンプと、第2差動アンプ差分出力値をア
ーク1回転毎に積算して積算値を演算する積算器と、終
端検出制御を開始する地点から所定距離手前の範囲で平
均値演算器を動作させ、かつ終端検出制御を開始する地
点から積算器を動作させる終端検出制御タイミング指令
発生器と、積算器の積算値の所定回転数、所定時間或い
は所定信号数当たりの変化量と所定のしきい値とを比較
し、その変化量が所定のしきい値を越えた時に溶接トー
チが溶接継手終端にきたことを示す終端検出信号を出力
する終端判定器とを備えてなるものである。
【0011】
【作用】本発明においては、溶接トーチの電極ノズルの
先端に回転円運動を与えてワイヤ先端に発生するアーク
を高速回転させながら溶接する高速回転アーク溶接法に
よって溶接継手にアークセンサによる開先ならい制御を
行いながら溶接を行い、その溶接中のアーク電圧または
溶接電流とアークの回転位置とを検出し、アークの1回
転毎にアーク回転位置の2つの所定角度範囲についてア
ーク電圧波形または溶接電流波形を積分して、その積分
値の差である偏差信号をアーク1回転毎に演算し、溶接
トーチが終端検出制御を始める位置に到達した時点よ
り、偏差信号と溶接トーチが終端検出制御を始める位置
より所定距離手前の範囲であらかじめ演算しておいた偏
差信号の平均値との差をアーク1回転毎に積算し、その
積算値の所定回転数、所定時間或いは所定信号数当りの
変化量が所定のしきい値を越えた時に溶接トーチが溶接
継手終端に到達したと判定して所定の端部処理を行うよ
うにしている。
【0012】
【実施例】図1は本発明の実施例である溶接継手終端部
の検出装置を示すブロック図、図2は同溶接継手終端部
の検出装置の終端判定器の内部構成を示すブロック図、
図3は溶接継手と電極ノズルの位置関係を示す説明図、
図4は溶接継手に電極ノズルで溶接が行われている状態
を示す斜視図、図5は電極ノズルのワイヤの回転軌跡と
積分器で積分するアーク電圧の下板側と立板側の対象角
度範囲の様態を示す説明図、図6は溶接継手終端部の検
出方法の原理を示す説明図、図7は2つの所定角度範囲
のアーク電圧波形の積分値の差を示す波形図である。
【0013】図において、1は溶接継手であるT字形ワ
ーク、1aはT字形ワーク1の下板、1bは立板、2は
下板2aと立板1bとで形成される溶接線、3aは電極
ノズル3の溶接ワイヤである。
【0014】10は電極ノズル3の溶接ワイヤ3aとワ
ーク1間のアーク電圧を検出するアーク電圧検出器、1
1は電極ノズル3の溶接ワイヤ3aからワーク1に流れ
る溶接電流を検出する溶接電流検出器、12はアーク電
圧検出器10が検出したアーク電圧と溶接電流検出器1
1が検出した溶接電流とを切り換えて出力させる切換
器、13a,13bは切換器12の出力側にそれぞれ設
けられた積分器、14は溶接ワイヤ3aの回転角度位置
を検出するエンコーダ等の回転位置検出器、15は回転
位置検出器14の検出信号に基づいて積分器13a,1
3bを動作させる駆動信号を出力するタイミングパルス
発生器。
【0015】16は2つの積分器13a,13bからそ
れぞれ出力された積分値の差である偏差信号を求める第
1差動アンプである。17は終端検出制御を開始する地
点から所定距離手前の範囲で平均演算器を動作させ、か
つ終端検出制御を開始する地点から積算器を動作させる
終端検出制御タイミング指令発生器、18は終端検出タ
イミング指令発生器17の駆動信号に基づいて第1差動
アンプ16から出力された偏差信号の終端検出制御を開
始する地点から所定距離手前の範囲での平均値を演算す
る平均値演算器、19は第1差動アンプ16の偏差信号
と平均値演算器18の平均値との差である差分出力値を
求める第2差動アンプ、20は終端検出制御タイミング
指令発生器17の駆動信号出力時点から第2差動アンプ
19の差分出力値をアーク1回転毎に積算して積算値を
演算する積算器である。
【0016】21は積算器20の積算値の所定時間当り
の変化量と所定のしきい値とを比較して電極ノズル3が
T字型ワーク1の継手終端にきたことを示す終端検出信
号を出力する終端判定器である。この終端判定器21は
積算器20からの現在値の積算値からその一秒前までの
積算値の平均値(時刻T0 −ΔT/2からT0 +ΔT/
2までの積算値Σの平均値Σ)を求める平均値演算器2
2と、積算器20の積算値と平均値演算器22の平均値
との差である差分出力値を求める差動アンプ23と、差
動アンプ23の差分出力値としきい値設定器25が設定
したしきい値とを比較して終端検出信号を出力する比較
器24とから構成されている。
【0017】まず、溶接継手終端部の検出方法の原理に
ついて図6に基づいて説明する。高速回転アーク溶接法
により、アークセンサによる開先倣い制御しながら、電
極ノズル3の溶接ワイヤ3aがT字形ワーク1の溶接線
2に沿って溶接を行なっていく。このとき、アーク電圧
検出器10が検出するアーク電圧は、図3に示すように
回転位置の変化に応じて溶接ワイヤ3aとワーク1との
距離が変化するため、図6のAに示すように溶接進行方
向WDにおける回転の前方のCf 点および後方のCr 点
で極大、立板側のR点下板側のL点で極小となる。
【0018】そして、電極ノズル3が溶接継手終端であ
る立板1bの終端部付近に差しかかると、立板1bがな
くなるため、図6のB、C、D、Eに示すように立板側
(R側)の回転位置でのアーク電圧が次第に上昇する
が、下板側(L側)の回転位置でのアーク電圧は変化し
ない。従って、回転する電極ノズル3の立板側と下板側
のアーク電圧をそれぞれ検出し、両者の電圧を比較すれ
ば、電極ノズル3が立板1bの終端に到達したことがわ
かる。この様にすれば、電極ノズル3が立板1bの終端
にきたかどうかを判断して継手端部で所定の端部処理を
することができるという訳である。
【0019】また、上記制御はアークセンサによる開先
ならい制御を同時に行うことにより、十分な検出精度が
得られる。
【0020】次に、上記のように構成された溶接継手終
端部の検出装置の動作について説明する。まず、終端検
出が行なわれる高速回転アーク溶接法における具体例に
ついて述べる。アーク回転速度は10Hz以上、アーク
回転直径Dは1〜6mm、溶接速度は10〜300cm
/分、溶接ワイヤ径0.6mm〜2.0mm、溶接電流
は100〜1000Aである。
【0021】電極ノズル3の溶接ワイヤ3aが高速回転
アーク溶接法によってT字形ワーク1に対して溶接を行
なっているとき、切換器12を例えばアーク電圧検出器
10側に切り換え、アーク電圧検出器10が検出した電
極ノズル3の回転によって変化しているアーク電圧を積
分器13a,13bに出力させる。また、回転位置検出
器14は回転している電極ノズル3の回転位置を検出し
て位置検出信号を出力している。そして、アーク電圧検
出器10から出力されている信号のうち、下板側の例え
ば、図4に示すように225°〜315°(Gを原点と
し、R方向への角度で、以下同様とする)である90°
の角度範囲と立板側の例えば45°〜135°である9
0°の角度範囲だけ積分器13a,13bが動作して積
分するように駆動信号をタイミングパルス発生器15は
回転位置検出器14の位置検出信号に基づいて積分器1
3a,13bにそれぞれ出力する。
【0022】積分器13aでは下板側の90°の角度範
囲の信号を積分し、積分器13bでは立板側90℃の角
度範囲における信号を積分し、これら積分器13a,1
3bによって積分された信号の積分値は第1差動アンプ
16に入力される。このように、積分器13a,13b
で積分するのはアーク電圧波形にノイズがあり、その影
響を受けないようにするためである。
【0023】第1差動アンプ16では積分器13aによ
る積分値S1 と、積分器13bによる積分値S2 の差で
ある偏差信号ΔSを求めている。従って、偏差信号ΔS
としきい値S0 とを比較し、その偏差値ΔSがしきい値
0 を越えたときに電極ノズル3がT字形ワーク1の立
板1bの終端にきたことを図7及び図9(a)に示すよ
うに検出することもできる。なお、図6中のLはかかる
検出法の確認のために用意したレーザセンサによる終端
検出の信号を示している。
【0024】しかし、第1差動アンプ16から出力され
る偏差信号ΔSはアークの乱れやワイヤ送給速度の変動
などの種々の要因によって図9の(i)に示すようにそ
の偏差信号ΔSの波形が乱れることがある。このため、
溶接継手の終端以前でもその偏差信号ΔSがしきい値S
0 を越えるために誤って終端検出されてしまう場合が生
じる。
【0025】そこで、この実施例ではかかる誤検出をな
くするために、次に述べる信号処理をして終端検出する
ようにしている。まず、第1差動アンプ16から出力さ
れた偏差信号ΔSに対して平均値演算器18で溶接継手
終端手前における偏差信号の平均値を演算させる。この
平均値演算器18による平均値の演算は終端検出制御タ
イミング指令発生器17からの駆動信号によって平均値
演算器18が動作させられることにより行われる。
【0026】即ち、終端検出タイミング指令発生器17
ではワーク1に対する図8に示す溶接トーチ3の溶接始
端Aから溶接終端Dまでの予め教示された移動距離のう
ち、例えば溶接継手終端手前のB位置から溶接継手終端
近傍位置Cまでの一定移動距離lS の間だけ駆動信号を
平均値演算器18に出力する。従って、平均値演算器1
9は図9の(i)に示すように一定移動距離lS の間だ
け動作して第1差動アンプ16から出力される偏差信号
ΔSの所定移動距離当りの平均値を演算し、第2差動ア
ンプ19にその平均値を出力する。
【0027】第2差動アンプ19では第1差動アンプ1
6から出力される偏差信号ΔSと平均値演算器18の偏
差信号の平均値との差を求め、その差である差分出力値
を積算器20に出力する。積算器20では終端検出制御
タイミング指令発生器17の駆動信号を受け、その駆動
信号終了時点から第2差動アンプ19の差分出力値をア
ーク1回転毎に積算し、積算値を演算して終端判定器2
1に出力する。終端判定器21では積算器20が出力す
る積算値の所定時間当りの変化量Vを求め、その変化量
Vと所定のしきい値とを比較し、その変化量Vが所定の
しきい値を越えた時に電極ノズル3がT字形ワーク1の
立板1bの終端にきたことを示す終端検出信号を出力す
る。
【0028】終端判定器21の動作を図2に基づき更に
詳細に説明すると、変曲点判定器21における平均値演
算器22では積算器20から出力Σの時刻T0 −TΔ/
2からT0 +ΔT/2までの平均値Σを求め、その平均
値Σを差動アンプ23に出力している。差動アンプ23
は積算器20からの積算値Σと平均値演算値22の平均
値Σとの差を求めて比較器24にその差の信号を出力し
ているが、これは積算器20の積算値の所定時間当りの
変化量の演算方法の一つである。(なお、T0=1秒、
ΔT=1秒)
【0029】比較器24では差動アンプ23から出力さ
れた積算値の所定時間当りの変化量Vとしきい値設定器
25によって設定された所定のしきい値とを比較し、そ
の差がしきい値を越えた時に電極ノズル3がT字形ワー
ク1の立板1bの終端にきたことを示す終端検出信号を
出力する。従って、比較器24から出力された終端検出
信号によって電極ノズル3が立板1bの終端にきたこと
を高精度で検出することができる。なお、しきい値設定
器24によるしきい値は積算器20の積算値Σの変化量
Vが急峻に増大して終端位置にきたことを示す値に設定
されており、比較器24は変化量Vがしきい値を越えた
瞬間に終端と判定する。
【0030】このように、第1差動アンプ16から出力
される偏差信号ΔSから平均値演算器18で平均値を求
め、第2差動アンプ19で偏差信号と平均値との差を求
め、その差を積算器20で加算させているのは、積算値
20で積算させる最初の基準となる積算値を零レベルに
して偏差信号の変化を急峻な変化として捉えることがで
きるようにしてアーク乱れやワイヤ送給遅れ等の種々の
要因によって生じる偏差信号の波形の乱れによる影響を
受けないようにしたものである。
【0031】また、積算器20の積算値を直ちにしきい
値と比較して終端検出せずに、その積算値の所定時間当
りの変化量をしきい値と比較して終端検出するようにし
たのは、継手終端において積算値が積算中に急激に増加
するため、積算値の急変点を見つけることにより終端判
定をすれば、より確実且つ高精度に終端位置を検出する
ことができるためである。従って、廻し溶接等が行われ
る継手終端で良好な溶接品質を安定して確保することが
できる。なお、積算値の変化量をその実施例では所定時
間当りの変化量として捉えるようにしているが、積算値
の所定回転数或いは所定信号数当りの変化量として捉え
るようにしても終端検出できることは勿論である。
【0032】上記図5に示す実施例では、積分器13
a,13bで積分するアーク電圧の対象を下板側では2
25°〜315°である90°の角度範囲S1 とし、立
板側では45°〜135°である90°の角度範囲S2
としているが、図10の(i)に示すように、下板側で
270°〜315°である45°の角度範囲S1 とし、
立板側では45°〜90°である45°の角度範囲S2
とか、図10の(ii)に示すように下板側で270°〜
0°である90°の角度範囲S1 とし、立板側では0°
〜95°である90°の角度範囲S2 などとしても、終
端検出できることはいうまでもない。
【0033】更に、上記実施例では積分器13a,13
bで積分するアーク電圧の対象を下板側の所定角度範囲
と立板側の所定角度範囲としているが、図11の(i)
に示すように立板側だけで0°〜45°である45°の
角度範囲S1 と45°〜90°である45°の角度範囲
2 とか、図11の(ii)に示すように下板側と立板側
とを含む315°〜45°である90°の角度範囲S1
と立板側で45°〜135°である90°の角度範囲S
2 などとしても、十分に終端検出できることはいうまで
もない。なお、積分器13a,13bで積分するアーク
電圧の対象となる二つの角度範囲は図5、図10及び図
11に示す角度範囲に限られるものでなく、5°以上〜
180°以下であれば十分に終端検出できることは勿論
である。
【0034】更に上述した実施例ではアーク電圧検出器
10によってアーク電圧を検出し、それを信号処理して
溶接継手の終端を検出する説明をしたが、切換器12を
溶接電流検出器11側に切換えて溶接電流検出器11に
よって検出した溶接電流に対して上述した実施例と同様
に信号処理するようにしても溶接継手の終端を検出する
ことができる。なお、アーク電圧ではR位置での電圧が
増大するように対し、溶接電流では逆に立板側のR位置
での電流が減少するという相違があるだけである。
【0035】
【発明の効果】本発明は以上説明したとおり、ワークに
対して高速回転アーク溶接法でアークセンサによる開先
ならい制御を行いながら溶接を行っている場合に、その
溶接中のアーク電圧または溶接電流とアークの回転位置
とを検出し、アークの1回転毎にアーク回転位置の2つ
の所定角度範囲についてアーク電圧波形または溶接電流
波形を積分して、その積分値の差である偏差信号をアー
ク1回転毎に演算し、溶接トーチが終端検出制御を始め
る位置に到達した時点より、偏差信号と溶接トーチが終
端検出制御を始める位置より所定距離手前の範囲であら
かじめ演算しておいた偏差信号の平均値との差をアーク
1回転毎に積算し、その積算値の所定回転数、所定時間
或いは所定信号数当りの変化量が所定のしきい値を越え
た時に溶接トーチが溶接継手終端に到達したと判定して
所定の端部処理を行うようにしたので、溶接アーク自体
がセンサの役目を果たし、溶接による熱歪や収縮等の変
型やワイヤの曲りグセ等の影響を受けず、しかもアーク
乱れやワイヤ送給速度の変動などの種々の要因によって
アーク電圧波形又は溶接電流波形自体が乱れた場合にも
波形の乱れの影響を受けにくいように信号処理されるた
め、終端を誤検出することなく、溶接過程で溶接継手の
終端位置を確実且つ高精度に検出し、継手終端部の良好
な溶接品質を安定して確保できるという効果を有する。
【0036】また、溶接アーク自体がセンサとなるか
ら、従来のように磁気センサなどの特別な検出器が不要
であり、トーチ廻りが簡単に行え、ワークとの干渉の問
題や溶接方向の制約もなくなるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である溶接継手終端部の検出
装置を示すブロック図である。
【図2】同溶接継手終端部の検出装置の終端判定器の内
部構成を示すブロック図である。
【図3】溶接継手と電極ノズルの位置関係を示す説明図
である。
【図4】溶接継手に電極ノズルで溶接が行われている状
態を示す斜視図である。
【図5】電極ノズルのワイヤの回転軌跡と積分器で積分
するアーク電圧の下板側と立板側の対象角度範囲の様態
を示す説明図である。
【図6】溶接継手終端部の検出方法の原理を示す説明図
である。
【図7】2つの所定角度範囲のアーク電圧波形の積分値
の差を示す信号の波形図である。
【図8】溶接継手に対する溶接継手終端部の検出装置の
検出手順を示す説明図である。
【図9】溶接継手終端部の検出装置の各部位における信
号波形を示す波形図である。
【図10】積分器で積分するアーク電圧の下板側と立板
側の対象角度範囲の態様を示す説明図である。
【図11】積分器で積分するアーク電圧の主として立板
側の対象角度範囲の様態を示す説明図である。
【図12】従来のアークセンサによる開先倣い制御方法
を示す説明図である。
【図13】従来のもう一つの溶接継手終端部の検出方法
を示す斜視図である。
【図14】従来の更にもう一つの溶接継手終端部の検出
方法を示す正面図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接トーチの電極ノズルの先端に回転円
    運動を与えてワイヤ先端に発生するアークを高速回転さ
    せながら溶接する高速回転アーク溶接法において、アー
    クセンサによる開先ならい制御を行いながら、溶接中の
    アーク電圧または溶接電流とアークの回転位置とを検出
    し、アークの1回転毎にアーク回転位置の2つの所定角
    度範囲についてアーク電圧波形または溶接電流波形を積
    分して、その積分値の差である偏差信号をアーク1回転
    毎に演算し、溶接トーチが終端検出制御を始める位置に
    到達した時点より、偏差信号と溶接トーチが終端検出制
    御を始める位置より所定距離手前の範囲であらかじめ演
    算しておいた偏差信号の平均値との差をアーク1回転毎
    に積算し、その積算値の所定回転数、所定時間或いは所
    定信号数当りの変化量が所定のしきい値を越えた時に溶
    接トーチが溶接継手終端に到達したと判定して所定の端
    部処理を行うようにしたことを特徴とする溶接継手終端
    部の検出方法。
  2. 【請求項2】 高速回転アーク溶接法により溶接する溶
    接トーチとワーク間のアーク電圧又は溶接電流を検出す
    るアーク電圧検出器又は溶接電流検出器と、電極ノズル
    の回転角度位置を検出する回転位置検出器と、アーク電
    圧検出器又は溶接電流検出器の検出信号を積分する2つ
    の積分器と、アークの回転の2つの所定角度範囲におい
    てのみ積分器が積分するようにその駆動信号を回転位置
    検出器の位置検出信号に基づいて出力するタイミングパ
    ルス発生器と、2つの積分器によって積分された検出信
    号の積分値の差である偏差信号を求める第1差動アンプ
    と、第1差動アンプから出力された偏差信号の平均値を
    演算する平均値演算器と、第1差動アンプの偏差信号と
    平均値演算器の平均値との差である差分出力値を求める
    第2差動アンプと、第2差動アンプ差分出力値をアーク
    1回転毎に積算して積算値を演算する積算器と、終端検
    出制御を開始する地点から所定距離手前の範囲で平均値
    演算器を動作させ、かつ終端検出制御を開始する地点か
    ら積算器を動作させる終端検出制御タイミング指令発生
    器と、積算器の積算値の所定回転数、所定時間或いは所
    定信号数当たりの変化量と所定のしきい値とを比較し、
    その変化量が所定のしきい値を越えた時に溶接トーチが
    溶接継手終端にきたことを示す終端検出信号を出力する
    終端判定器とを備えてなることを特徴とする溶接継手終
    端部の検出装置。
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