JP2909981B2 - 重ね継手の回転アーク溶接方法 - Google Patents

重ね継手の回転アーク溶接方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重ね継手の回転アーク
溶接方法に関し、特に重ね継手におけるアークセンサに
よる溶接線倣い制御の安定化を図った方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、回転アーク溶接法は、溶
接アークを溶接線に沿って高速回転させながら溶接を行
うものであるから、溶け込み形状の均一化、ビード形状
の平坦化等に優れた効果を発揮すると同時に、溶接電流
またはアーク電圧の変化から得られる信号により、溶接
トーチの狙い位置を常に開先部の中央位置に自動修正し
て溶接を行うアークセンサによる溶接線倣い制御に適し
ているところから、各種の溶接継手に利用されている。
【0003】回転アーク溶接におけるアークセンサによ
る溶接線倣い制御法について、例えば特開昭62−24
8571号公報は隅肉継手の場合を開示する。以下、こ
のアークセンサ溶接線倣い制御法について図面を参照し
ながら説明する。
【0004】図7は隅肉継手における従来のアークセン
サ溶接線倣い制御法の説明図であり、同時に本明細書で
いう溶接トーチのトーチ修正軸について定義を与えるも
のである。図において、1は溶接トーチ(図示せず)の
ノズル、2は溶接ワイヤ、3はノズル回転軸4の回りに
回転するアーク、11,12は被溶接材である立板及び
下板であり、13は溶接トーチの狙い位置となる溶接線
(または開先中心線)である。また、ノズル回転軸4と
直交する軸線5上に溶接トーチの狙い位置xpをとり、
溶接トーチの狙い位置が溶接線13と一致しているとき
のxp =0を中心に、立板11側(図8のアークの回転
位置で示すと、R側)をプラス、下板12側(図8のア
ークの回転位置で示すと、L側)をマイナスと定義す
る。
【0005】図8はアークの回転位置の定義を示したも
のであり、本明細書では、アークの回転円において溶接
進行方向の前方中心点をCf ,後方中心点をCr ,立板
側をR,下板側をLとする。
【0006】従来のアークセンサ溶接線倣い制御法で
は、図9に示すようにアークの1回転ごとにCf 点を中
心に左右(R,L)同一の位相角θの範囲(ただし、5
°≦θ≦180°)で、例えばアーク電圧を積分し、下
板(L)側のアーク電圧の積分値SL と、立板(R)側
のアーク電圧の積分値SR との差(SL −SR )をアー
クセンサの出力として取り出し、SL −SR の値及び符
号により溶接トーチの狙い位置を自動修正する。すなわ
ち、アークセンサの出力(SL −SR )は、図10に示
すように、 (a) xp =0のとき、つまり溶接トーチの狙い位置が溶
接線13と一致しているときは、SL −SR =0となる
から、そのままで溶接を進行させる。 (b) xp >0のとき、つまり溶接トーチの狙い位置が立
板11側にずれているときはSL −SR >0となるか
ら、溶接トーチの狙い位置を下板12側へ修正するよう
指令を与える。 (c) xp <0のとき、つまり溶接トーチの狙い位置が下
板12側にずれているときはSL −SR <0となるか
ら、溶接トーチの狙い位置を立板11側へ修正するよう
指令を与える。 また、上記(b),(c) において、ずれが大きく、アークが
溶接線13にとどかなくなるとSL −SR は飽和する
((d),(e) 参照)。このときの修正方向もそれぞれ(b),
(c) と同じである。よって、従来の隅肉継手におけるア
ークセンサの出力特性は図11のようになる。図中の矢
印a,bは修正方向を示す。
【0007】図11から明らかなように、xp =0,S
L −SR =0を中心として、従来のアークセンサの出力
(SL −SR )は符号が正負反転するから、溶接トーチ
の狙い位置が立板側または下板側にずれているときは、
常にSL −SR =0となる方向へ溶接トーチの狙い位置
を修正すればよい。実用的には、図12に示すように、
例えばxp =+αと制御する場合には、xp =+αのと
きの(SL −SR )をΔSとすれば、SL −SR >ΔS
のときは下板側に修正し、SL −SR =ΔSのときはそ
のままとし、SL −SR <ΔSのときは立板側に修正す
る。隅肉継手における従来のアークセンサの制御論理は
以上のようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重ね継
手の場合においては、図2に示すように上板10の厚さ
が立板の高さに比べてはるかに小さいため、従来の溶接
線の部分に相当する下角部14に近接して、もう一つの
上角部15が存在し、このように2個所の角部14,1
5が近接して存在する。そのため、重ね継手におけるア
ークセンサの出力特性は図3のようになり、これらの角
部14,15の中心に溶接トーチの狙い位置が一致する
ときは共にアークセンサの出力はSL −SR =0とな
り、しかもその狙い位置が上板側または下板側へずれる
ときは共にアークセンサの出力は負となって、狙い位置
が上板側へずれているのか、下板側へずれているのか分
からなくなる。その結果、従来のように(SL −SR
というアークセンサの出力のみを対象とする制御方法だ
けではアークセンサの溶接線倣いが暴走する可能性があ
るという課題があった。
【0009】また、薄板の重ね継手においては、前工程
での板加工の精度が悪く上板と下板の間に板厚の1.5
〜2倍の隙間が存在するような場合もあり、そのため、
溶接トーチの狙い位置が定まらずセンシングトラブルを
生じたり、上板の溶融が不十分になるか下板が溶け落ち
るなど溶接品質の劣化を招くという課題があった。
【0010】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、回転アーク溶接による重ね継手に
おいて、薄板、厚板にかかわらず、安定したアークセン
サの溶接線倣いを実現することができるとともに、上板
と下板の間に隙間が存在するような薄板の重ね継手の場
合であっても溶接品質を落とさずに溶接できる重ね継手
の回転アーク溶接方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の重ね継手の回転アーク溶接方法は、回転ア
ーク溶接における溶接電流またはアーク電圧の変化に基
づくアークセンサの出力により溶接トーチの狙い位置を
溶接線に自動的に倣わせながら溶接する重ね継手の回転
アーク溶接方法において、溶接トーチの狙い位置を該溶
接トーチに対して凸部となる被溶接材の凸状角部または
該溶接トーチに対して凹部となる被溶接材の凹状角部に
定め、前記アークセンサの出力と、さらに該出力のトー
チ修正軸についての微分値を求め、アークセンサの出力
曲線に従ってトーチ位置の領域を分け、前記トーチ位置
の領域について決められた前記アークセンサの出力とそ
の微分値の符号の組み合わせにより溶接トーチの狙い位
置を前記凸状角部または前記凹状角部に一致するように
修正することを特徴とするものである。
【0012】そして特に、被溶接材が薄板の場合であっ
て、両板の間の隙間が板厚の1.5倍以下であるときに
は、溶接トーチの狙い位置を前記凹状角部とすることが
できる。
【0013】また、前記微分値が0となる領域において
その状態が所定時間続くときは、アークセンサの出力の
符号が反対になる方向に溶接トーチの狙い位置を修正す
る。
【0014】本溶接方法において、溶接トーチの狙い位
置を凸状角部または凹状角部に定める場合は、両板の間
に大きな隙間があるかなどの板の仕上がり状態や板厚、
溶接条件などから判断して決める。また一般に、薄板、
厚板というときは、板厚が3mm以上のものを厚板とい
い、それ以下のものを薄板というが、これはあくまでも
一応の目安である。
【0015】
【作用】本発明において、アークセンサの制御論理を再
び図2、図3を用いて説明すると次のとおりである。図
2において、溶接トーチの狙い位置xp をノズル1の回
転中心線4と直交する軸線5上にとり、上板10側(ア
ークの回転位置のR側)をプラス、下板12側(アーク
の回転位置のL側)をマイナスとする。また、14,1
5は重ね継手の凹状角部及び凸状角部であり、凹状角部
14は溶接トーチに対して凸部となる部分をいい、凸状
角部15は溶接トーチに対して凹部となる部分をいうも
のとする。そして、溶接トーチの狙い位置xp が凹状角
部14と一致するときの軸線4と軸線5の交点をO1
凸状角部15と一致するときの軸線4と軸線5の交点を
2 とする。
【0016】重ね継手において、前述した従来の方法に
よりアークセンサの出力(SL −SR )を求めると、図
3に示すように山形状の出力曲線20となる。すなわ
ち、O1 ,O2 の各点でSL −SR =0となり、O1
2 の間の区間ではSL −SR>0,それ以外の区間で
はSL −SR <0となる。ここで、図3のアークセンサ
の出力曲線20に従ってA〜Fの6つの領域に区分す
る。そして、それぞれの領域について、(SL −SR
の値と、その値をxp について微分した値Δ(SL −S
R )/Δxp を求め、それらの符号を検討する。その結
果を表1に示す。ただし、Δxp はアークセンサによる
溶接トーチの修正量であり、R側に溶接トーチを修正す
るときはΔxp >0,L側に溶接トーチを修正するとき
はΔxp <0と定義する。
【0017】
【表1】
【0018】本発明は、表1に示すように(SL
R )とΔ(SL −SR )/Δxp の符号に着目し、そ
れらの符号の組み合わせによって溶接トーチの属する領
域を判別し、その狙い位置をそれぞれの定められた凹状
角部または凸状角部へ一致せしめるように修正するもの
である。以下、本発明によるアークセンサの制御論理を
詳細に説明する。
【0019】(1)凸状角部倣い(O2 点倣い)とする
場合 例えば薄板の重ね継手の場合、特に両板の間の隙間が大
きいときには、溶接トーチの狙い位置を主として凸状角
部15に定める。このときのアークセンサの制御論理を
図4に従って説明する。図4において、黒塗りの矢印a
は溶接トーチの狙い位置をR側に修正することを示し、
白抜きの矢印bは溶接トーチの狙い位置をL側に修正す
ることを示す。
【0020】基本的には、アークセンサの出力(SL
R )が SL −SR >0のとき、Δxp >0となる方向へ SL −SR <0のとき、Δxp <0となる方向へ それぞれ制御する(制御論理)。実用的には、Δxp
は(SL −SR )に比例させている。
【0021】よって、上記制御論理によると、領域
C,D,E,Fにおいて、溶接トーチの狙い位置がO2
点(凸状角部)になるように制御される。溶接アークが
安定なときには、溶接トーチの狙い位置は領域D,Eを
外れることがなく、制御論理だけで安定な倣い制御が
できる。
【0022】しかし、領域Bにおいては、制御論理を
適用すると、SL −SR <0であるので、Δxp <0す
なわちL側にトーチ位置が修正されるため、O2 点から
離れていく方向に制御され、倣いが暴走する。
【0023】そこで、アークセンサによるトーチ位置の
修正の前後でのアークセンサ出力(SL −SR )の変化
量、すなわち、 Δ(SL −SR )=(SL −SR 修正後−(SL −S
R 修正前 を演算し、(SL −SR )とΔ(SL −SR )/Δxp
の符号により、表1に示す制御ルールを適用する。実用
的には、Δ(SL −SR )/Δxp は2回以上の修正の
前後の値をみる。
【0024】例えば、溶接トーチが領域Bにあるとき
は、SL −SR <0であるので、制御論理により、Δ
p <0すなわちL側にトーチ位置が修正されるが、こ
のとき(SL −SR )は減少するため、Δ(SL
R )<0となり、従ってΔ(SL−SR )/Δxp
0となるため、表1の制御ルールに従い、Δ(SL −S
R )>0となるまで、R側に修正する。
【0025】また、領域Cについても、O2 点から離れ
るほど(SL −SR )は減少するので、表1に示すよう
に(SL −SR )>0,Δ(SL −SR )/Δxp >0
のときは、R側への修正量を(SL −SR )に比例した
値にせずに、所定量だけ大きく修正するように制御す
る。
【0026】また、溶接トーチが完全に下板にずれた場
合(領域A)は、溶接トーチが完全に上板に乗り上げた
場合(領域F)とアークセンサ信号は全く同じになるの
で、その時点だけの信号では領域Aと領域Fを区別する
ことはできない。
【0027】そこで、例えば領域Aと領域Fでは、(S
L −SR )<0のため、溶接トーチはL側に修正される
が、領域Fでは、ある所定量以上(またはある所定時間
以上)L側に修正すれば、Δ(SL −SR )が増加し始
めるのに対して、領域Aでは、Δ(SL −SR )=0の
ままである。
【0028】従って、(SL −SR )<0の状態で、あ
る所定時間以上、例えば0.5秒以上、L側に修正して
も、Δ(SL −SR )=0のままならば、領域Aにある
と判定し、(SL −SR )>0となるまで、R側に溶接
トーチを修正する。
【0029】(2)凹状角部倣い(O1 点倣い)とする
場合 例えば厚板の重ね継手の場合、及び薄板の場合であって
も両板の間の隙間が小さいときには、溶接トーチの狙い
位置を主として凹状角部14に定め、上記(1)と同様
の考え方で、表1に示す制御ルールに従って制御する。
図5はO1 点倣いとする場合のアークセンサ出力特性と
溶接トーチの修正方法を示す図であり、常にO1 点に向
けてトーチ位置が修正される。
【0030】
【実施例】図1は本発明の回転アーク溶接方法を実施す
る場合に適用されるアークセンサ溶接線倣い制御のブロ
ック回路図である。図において、21はアーク電圧検出
器、22は溶接電流検出器、23はスイッチで、ここで
はアーク電圧検出器21の方に接続している。24は検
出した溶接電流Ia の符号を反転する反転器である。溶
接電流により制御する場合はスイッチ23を溶接電流検
出器22側へ切り替える。25はアーク回転位置検出器
で、図8に示したアーク回転位置(Cf ,R,Cr
L)をタイミングパルス発生器26のタイミングパルス
でそれぞれアーク電圧Ea のL側積分器27とR側積分
器28に指令する。29はL側積分器27によるL側積
分値SL とR側積分器28によるR側積分値SR との差
を演算する差動アンプで、この差動アンプ29によりア
ークセンサ出力(SL −SR )が求められる。求められ
たアークセンサ出力(SL −SR )は、溶接線倣い制御
論理回路30に入力する一方、Δ(SL −SR )/Δx
p 演算器31の出力Δ(SL −SR )/Δxp をこの論
理回路30に入力する。
【0031】また、Δ(SL −SR )/Δxp 演算器3
1には、積算器32によりアークセンサ出力(SL −S
R )をトーチ位置xp の修正の前後で演算して、その演
算結果を入力し、一方、溶接線倣い制御用スライドブロ
ック37の位置検出器39により検出されたトーチ位置
p がスイッチ33を介して入力される。そして、Δ
(SL −SR )/Δxp 演算器31は、演算ピッチ設定
器34で設定された演算ピッチで演算を行う。
【0032】また、溶接線倣い制御論理回路30は、予
め凹状角部または凸状角部倣い切替器35により表1に
示した倣いの制御ルールを切り替えておく。溶接線倣い
制御論理回路30は、表1の制御ルールに従って、前述
したようにそれぞれ凹状角部倣いまたは凸状角部倣いを
実行する。その速度指令は溶接トーチのモータドライバ
36に送られ、上記溶接線倣い制御用スライドブロック
37のモータ38を制御してトーチ位置xp を修正す
る。このときのトーチ位置xpは位置検出器39により
検出され、上記Δ(SL −SR )/Δxp 演算器31に
フィードバックされる。
【0033】上記の制御回路により、重ね継手における
凹状角部倣いまたは凸状角部倣いを安定して実施するこ
とができる。従って、例えば薄板の重ね継手で両板の間
の隙間が大きいような場合には、凸状角部倣いを実施す
ることで、センシングトラブルや上板の溶け込み不足、
あるいは下板の溶け落ちなどを生じることなく溶接する
ことができる。また、厚板の場合は凹状角部倣いとする
が、この場合でも安定した倣いができるので溶接品質を
損なうことはない。また、薄板の場合で加工精度が良く
両板の間の隙間が小さいような場合には凸状角部または
凹状角部のどちらを倣わせても良い。
【0034】本発明は、全姿勢の重ね継手の回転アーク
溶接に適用できるものである。例えば、図6の(a)は
上向き溶接の場合の側面図、(b)は横向き溶接の場合
の側面図、(c)は立向き溶接の場合の上面図である
が、それぞれ図示のようにトーチ位置xp ,凹状角部1
4,凸状角部15などを定義すれば、表1の制御ルール
をそのまま適用することができる。図6において、10
は上板、12は下板、16は上部側板、17は下部側
板、18は前立板、19は後立板である。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、重ね継手
の回転アーク溶接におけるアークセンサの出力曲線に従
ってトーチ位置の領域を区分し、それぞれの領域につい
て決められたアークセンサの出力(SL −SR )とその
微分値Δ(SL −SR )/Δxp の符号の組み合わせに
従ってトーチ位置を修正するものであるから、薄板、厚
板にかかわらず安定したアークセンサの溶接線倣いが実
現でき、溶接品質を良好に保つことができる。特に、薄
板の重ね継手の場合は、凸状角部に狙い位置を定めれ
ば、両板の間の隙間が大きくても良好な重ね継手が得ら
れる。また、厚板の場合は凹状角部に狙い位置を定める
ことにより良好な重ね継手が得られる。よって、本発明
の重ね継手の回転アーク溶接方法は、薄板、厚板にかか
わらず、しかも全姿勢の溶接に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の重ね継手の回転アーク溶接方法に使用
するアークセンサ溶接線倣い制御回路図である。
【図2】重ね継手における溶接トーチの修正軸の定義を
示す図である。
【図3】重ね継手におけるアークセンサの出力特性図で
ある。
【図4】凸状角部倣いの場合のトーチ位置修正方法を示
す説明図である。
【図5】凹状角部倣いの場合のトーチ位置修正方法を示
す説明図である。
【図6】重ね継手の他の溶接姿勢におけるトーチ位置、
凸状角部、凹状角部等の定義を示す図である。
【図7】隅肉継手における従来のアークセンサ溶接線倣
い制御法の説明図である。
【図8】アークの回転位置の定義を示す図である。
【図9】アークセンサ出力を演算する積分範囲を示す図
である。
【図10】アークセンサ出力とトーチ位置の関係を示す
説明図である。
【図11】隅肉継手における従来のアークセンサの出力
特性及びトーチ位置修正方法を示す図である。
【図12】隅肉継手における従来の他のトーチ位置修正
方法を示す図である。
【符号の説明】
1 溶接トーチのノズル 2 溶接ワイヤ 3 溶接アーク 10 上板 12 下板 14 凹状角部 15 凸状角部 16 上部側板 17 下部側板 18 前立板 19 後立板 20 アークセンサの出力曲線 21 アーク電圧検出器 22 溶接電流検出器 25 アーク回転位置検出器 27 L側積分器 28 R側積分器 29 差動アンプ 30 溶接線倣い制御論理回路 31 Δ(SL −SR )/Δxp 演算器 32 積算器 37 溶接線倣い制御用スライドブロック 39 位置検出器 A〜F トーチ位置の領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相見 圭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 笹野 良郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/127 507

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転アーク溶接における溶接電流または
    アーク電圧の変化に基づくアークセンサの出力により溶
    接トーチの狙い位置を溶接線に自動的に倣わせながら溶
    接する重ね継手の回転アーク溶接方法において、 溶接トーチの狙い位置を該溶接トーチに対して凸部とな
    る被溶接材の凸状角部または該溶接トーチに対して凹部
    となる被溶接材の凹状角部に定め、 前記アークセンサの出力と、さらに該出力のトーチ修正
    軸についての微分値を求め、 前記アークセンサの出力の曲線に従ってトーチ位置の領
    域を分け、 前記トーチ位置の領域について決められた前記アークセ
    ンサの出力と前記微分値の符号の組み合わせにより溶接
    トーチの狙い位置を前記凸状角部または前記凹状角部に
    一致するように修正することを特徴とする重ね継手の回
    転アーク溶接方法。
  2. 【請求項2】 被溶接材が薄板の場合であって、両板の
    間の隙間が板厚の1.5倍以下であるときには、溶接ト
    ーチの狙い位置を前記凹状角部とすることを特徴とする
    請求項1記載の重ね継手の回転アーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記微分値が0となる領域においてその
    状態が所定時間続くときは、前記アークセンサの出力の
    符号が反対になる方向に溶接トーチの狙い位置を修正す
    ることを特徴とする請求項1または2記載の重ね継手の
    回転アーク溶接方法。
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