JP5093189B2 - 溶接線倣い制御方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接ロボット等の自動溶接装置における溶接線倣い制御方法及び装置に関する。
図8は回転アーク溶接方法の原理を示した図である。図8において、1は溶接トーチ電極、2は溶接ワイヤ、3はノズル回転軸4の回りに回転するアーク、5及び7はワークである立板及び下板であり、9は溶接ビードである。回転アーク溶接方法は、溶接トーチ電極1を回転モータにより歯車機構を介して回転軸4を中心に回転(旋回)させ、溶接ワイヤ2先端部から発生するアーク3を回転させることによって隅肉継手等の継手部を溶接する技術である。
図9はアークの回転位置の定義を示したものであり、本明細書では、アークの回転円において溶接進行方向の前方中心点をCf,後方中心点をCr ,立板側をH側,下板側をV側とする。
また、ノズル回転軸4と直交する軸線11上に溶接トーチの狙い位置xpをとり、溶接トーチの狙い位置が溶接線と一致しているときのxpをxp =0とし、xp =0を中心に、立板5側(図9のアークの回転位置で示すと、R側)をプラス、下板7側(図9のアークの回転位置で示すと、L側)をマイナスと定義する。
アークセンサ溶接線倣い制御法では、図9に示すようにアークの1回転ごとにCf点を中心に左右(L,R)同一の位相角θの範囲(5°≦θ≦180°)で、例えばアーク電圧を積分し、立板(H)側のアーク電圧の積分値SHと下板(V)側のアーク電圧の積分値SVとの差(SH−SV)をアークセンサの出力として取り出し、SH−SVの値及び符号により溶接トーチの狙い位置を自動修正する。
すなわち、アークセンサの出力(SH−SV)は、図10(a)に示すように、溶接トーチの狙い位置が溶接線と一致しているとき(xp=0)、SH−SV=0となるから、そのままで溶接を進行させる。また、図10(b)に示すように溶接トーチの狙い位置が下板7側にずれているとき(xp<0)、アーク長は立板5側の方が下板7側よりも長くなり、SH−SV>0となるから、溶接トーチの狙い位置を立板5側へ修正するよう指令を与える。また、図10(c)に示すように、溶接トーチの狙い位置が立板5側にずれているとき(xp>0)、アーク長は下板7側の方が立板5側よりも長くなり、SH−SV<0となるから、溶接トーチの狙い位置を下板7側へ修正するよう指令を与える。
図9から明らかなように、xp=0,SH−SV=0を中心として、アークセンサの出力(SH−SV)は符号が正負反転するから、溶接トーチの狙い位置が立板側または下板側にずれているときは、常にSH−SV=0となる方向へ溶接トーチの狙い位置を修正すればよい。
上記のような溶接線倣い制御をしたとしても、例えば溶接線上に仮付け、隙間等の短区間の異常箇所があって過大電流、過小電流が発生した場合に、これを軌道修正信号と判断してしまい、誤った倣い動作となってしまうことが考えられる。
そこで、このような誤った倣い動作になるようなものについて、それを修正して正しい倣い制御に修正する技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1には、溶接ロボット等の自動倣い装置において、アークセンサで検出した溶接電流により軌道修正を行う倣い制御方法が開示されている。これは、溶接電流と設定基準電流との偏差に基づいて制御するものである。
特開平9-206944号公報
近年、回転アーク溶接において、高能率、高溶け込みが要求される。特に、Uリブの溶接においては、高い溶け込み率が要求され、そのため、溶接電流値が高くなっている。
このような溶接電流が高い溶接において、溶接トーチの狙い位置が立板側にずれた場合に倣い制御を行ったとしても、ずれが修復されない状況(以下、この状態を「倣いずれ」という場合あり)が発生することがあるが、その原因が不明であった。
倣いずれが発生すると脚長不足、アンダーカット、オーバーラップ、溶込不足など、溶接品質に悪影響を及ぼす他、大きな倣いずれが生ずると、溶接ロボットの異常停止となり、無人運転稼働率の低下に繋がる恐れがある。
したがって、倣いずれの発生を防止する必要がある。
本発明は係る課題を解決するためになされたものであり、溶接電流値が高い場合にも、倣いずれを防止することができる溶接線倣い制御方法及び装置を得ることを目的としている。
上記の課題を解決するために発明者は倣いずれの発生する原因を突き止めるべく実験を行った。図11は実験の説明図である。実験は、アークセンサ倣い制御をOFFにして、図11に示すように、下板7の10mm狙いから上板5の10mm狙い(図11の矢印参照)に溶接を行い、SH-SV(V)をプロットした。図12及び図13はこれをグラフに示したものであり、縦軸がSH-SV(V)で横軸が時間(秒)を示している。図12は、溶接電流400Aの場合であり、正常な状態である。他方、図13は溶接電流420Aの場合であり、溶接位置が立板側に移動したときに、振幅が増大し、異常な状態を示し、溶接トーチの実際の位置とSH-SV(V)との関係が一致していない。つまり、図13のグラフを見ると、立板側においては、実際の溶接トーチの位置よりも下板側にSH-SVの値が示されていることが分かる。この現象について鋭意検討したところ、以下のように考えた。
つまり、溶接電流が高いことに起因して発生するアークガウジングが原因ではないかと考えた。
倣い制御は立板側と下板側とのアーク電圧の積分値の差に基づいて制御が行われ、他方、アーク電圧にアーク長が比例する。つまり、ルート狙いでの立板5側に倣いがずれたとすれば、正常な状態では図14に示すように、下板7側のアーク長が長くなるので積分値の差SH-SVは、マイナスになり、下板側への制御がなされる。
ところが、立板5側にずれてかつアークガウジングが発生していたとすると、図15に示すように、立板5が掘れて立板5側のアーク長が長くなると共に、立板5の母材が溶融して下板7側に垂れ、垂れてきた溶融金属13の上をアーク3が叩くため、下板7側のアーク長が短くなる。このため、SH-SVはプラスとなり、下板7側に狙いがずれていると判断して、さらに上板5側への倣い制御が行われる。そして、上板5側への倣い制御が行われると、さらにガウジングによる溝深さが深くなり、立板5側のアーク長が長くなればさらに上板5側への倣い制御となる。
発明者は、倣いずれが生じている場合においてそれがアークガウジングに起因するものであるかどうかを判断し、アークガウジングが原因であると判断された場合には通常の倣い制御とは逆の制御をすればよいとの知見を得た。
本発明はかかる知見に基づくものであり、具体的には以下の構成を有するものである。
(1)本発明に係る溶接線倣い制御方法は、溶接トーチの電極ノズルの先端に回転円運動を与えてワイヤ先端に発生するアークを高速回転させながら溶接する回転アーク溶接法において、
溶接中のアーク電圧または溶接電流とアークの回転位置とを検出し、アークの1回転毎にアーク回転位置の2つの所定角度範囲についてアーク電圧波形または溶接電流波形を積分して、その積分値の差である偏差信号をアーク1回転毎に演算して該演算値に基づいて倣い距離を算出し、該倣い距離に基づいて倣い制御を行う溶接線倣い制御方法であって、
前記偏差信号に基づいてアークガウジング発生の有無を判定する判定工程と、該判定工程でアークガウジングが発生していると判定したときには前記判定工程において判定の対象とした前記偏差信号に基づく倣い方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させる補正工程とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記判定工程は、前記偏差信号の移動平均値が所定時間以上連続して予め設定した設定値の範囲を超えているときにアークガウジング発生有りと判定することを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記判定工程は、前記倣い距離を積算し、該積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越え、かつそのときの前記偏差信号の振幅が積算開始時点よりも前の時点の振幅に対して所定割合以上である場合にはアークガウジング発生有りと判定することを特徴とするものである。
(4)本発明に係る溶接線倣い制御装置は、高速回転アーク溶接法により溶接する溶接トーチとワーク間のアーク電圧又は溶接電流を検出するアーク電圧検出器又は溶接電流検出器と、電極ノズルの回転角度位置を検出する回転位置検出器と、アーク電圧検出器又は溶接電流検出器の検出信号を積分する2つの積分器と、アークの回転の2つの所定角度範囲においてのみ積分器が積分するようにその駆動信号を回転位置検出器の位置検出信号に基づいて出力するタイミングパルス発生器と、2つの積分器によって積分された検出信号の積分値の差である偏差信号を求める差動アンプと、該差動アンプの偏差信号に基づいて倣い距離を演算する倣い距離演算器と、前記差動アンプの偏差信号に基づいてアークガウジング発生の有無を判定する判定手段と、該判定手段によってアークガウジング発生有りと判定されたときに前記判定手段において判定の対象とした前記偏差信号に基づく倣い方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させる補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
(5)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記判定手段は、前記偏差信号の移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、算出された移動平均値が所定時間以上連続して予め設定した設定値の範囲を超えているかどうかを判定し、超えている場合にはアークガウジング発生有りと判定するアークガウジング判定手段とを備えてなることを特徴とするものである。
(6)また、上記(4)に記載のものにおいて、前記判定手段は、倣い距離を積算して積算値を演算する積算器と、該積算器の積算値とトーチ位置情報を入力して前記積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越えたかどうかを判定する第1判定器と、第1判定器の判定結果と前記偏差信号とを入力し、該偏差信号の振幅が積算開始時点よりも前の時点の振幅に対して所定割合以上であるかどうかを判定する第2判定器とを備えてなることを特徴とするものである。
本発明においては、偏差信号に基づいてアークガウジング発生の有無を判定し、アークガウジングが発生していると判定したときには前記判定工程において判定の対象とした前記偏差信号に基づく倣い方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させるようにしたので、アークガウジングが発生した場合であっても、倣いずれを修正することができ適切な溶接線倣い制御を行うことができる。
本発明の一実施の形態に係る溶接線倣い制御装置のブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る溶接線倣い制御方法の説明図であり、SH-SVの経時変化を示したグラフである。 本発明の一実施の形態に係る溶接線倣い制御方法の説明図であり、アークセンサの移動軌跡を示すグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る溶接線倣い制御装置のブロック図である。 本発明の他の実施の形態に係る溶接線倣い制御方法の説明図であり、SH-SVの経時変化を示したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る溶接線倣い制御方法の説明図であり、アークセンサ倣い移動距離の経時変化を示したグラフである。 本発明の他の実施の形態に係る溶接線倣い制御方法の説明図であり、アークセンサ倣い移動距離の経時変化を示したグラフである。 回転アーク溶接方法の原理を示した図である。 アークセンサ溶接線倣い制御方法を示した図である。 アークセンサの出力と溶接トーチの狙い位置との関係を示した図である。 本発明の課題を解決するための手段を説明する説明図であり、倣いずれの発生原因を調査するために行った実験の説明図である。 本発明の課題を解決するための手段を説明する説明図であり、溶接の正常な状態におけるSH-SVの経時変化を示したグラフである。 本発明の課題を解決するための手段を説明する説明図であり、溶接の異常な状態におけるSH-SVの経時変化を示したグラフである。 本発明の課題を解決するための手段を説明する説明図であり、溶接の正常な状態における倣い制御を示した図である。 本発明の課題を解決するための手段を説明する説明図であり、溶接の異常な状態における倣い制御を示した図である。
[実施の形態1]
図1は本発明の回転アーク溶接方法を実施する場合に適用されるアークセンサ溶接線倣い制御装置のブロック回路図である。
図において、21はアーク電圧検出器、22は溶接電流検出器、23はスイッチで、ここではアーク電圧検出器21の方に接続している。溶接電流により制御する場合はスイッチ23を溶接電流検出器22側へ切り替える。
25はアーク回転位置検出器で、図9に示したアーク回転位置(Cf ,R,Cr,L)をタイミングパルス発生器26のタイミングパルスでそれぞれアーク電圧Ea のR側積分器27とL側積分器28に指令する。29はR側積分器27によるR側積分値SHとL側積分器28によるL側積分値SVとの差を演算する差動アンプで、この差動アンプ29によりアークセンサ出力(SH−SV)が求められる。
求められたアークセンサ出力(SH−SV)は、溶接線倣い制御回路30に入力する。溶接線倣い制御回路30では差動アンプ29の偏差信号に基づいて倣い距離が演算され、この演算結果に基づいてモータ31が制御され溶接トーチが倣い制御される。
32は判定手段であって、偏差信号を入力してアークガウジング発生の有無を判定する。判定手段32は、偏差信号の移動平均値を算出する移動平均値算出手段34と、移動平均値算出手段34によって算出された移動平均値に基づいてアークガウジング発生の有無を判定するアークガウジング判定手段36とを備えている。
38は補正手段であって、アークガウジング判定手段36によってアークガウジング発生有りと判定されたときに直前に行っていた倣い制御方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させる補正信号を溶接線倣い制御回路30に出力する。溶接線倣い制御回路30は補正信号を入力すると該補正信号に基づいて補正制御を行う。
ここで、判定手段32によるアークガウジング発生の有無を判定する原理について説明する。図2は差動アンプ29から出力されるアークセンサ出力(SH−SV)の波形を示しており、縦軸がSH−SV(V)、横軸が時間(秒)を示している。図2ではSH−SVが0.75になるように設定された例である。また、図2には、(SH−SV)の移動平均値、すなわち1秒間の移動平均値、例えば50Hz回転であれば50点の平均値が折れ線(図中の白抜きの線)にて示されている。
また、図3はアークセンサ出力(SH−SV)に基づいて倣い制御を行ったときのアークセンサの移動軌跡を示しており、縦軸がアークセンサ軌跡(mm)、横軸が時間(秒)を示している。
溶接線倣い制御においては、SH−SVの値が一定になるように、1回転毎に倣い補正を実施して、アークセンサの位置補正を行なっている。例えば、50Hzであれば、1秒間に50回補正量を出力して位置補正を行っている。したがって、倣い制御が正常に行われているなら、SH−SVの移動平均値は設定値を基準としてある程度のばらつき範囲内に収まるはずである。例えば、図2の例では、ばらつき(S)は±0.25(V)程度で推移している。
ところが、アークガウジングが発生した場合には、図15に示したようにSH−SVの値が溶接トーチ電極の実際の位置(ずれ状況)と反対の位置(ずれ状況)にあるとして検出される。例えば、溶接トーチ電極が立板側にずれているのに下板側にずれていると認識されるため、倣い制御を行ったとしてもSH−SVの値が設定された一定値になることはなくSH−SVの値は増加の一途をたどることになる。このことは、SH−SVの移動平均値が所定の時間以上連続で、所定の範囲を超えるかどうかで判定でき、このような状況にある場合にはアークガウジング発生有りと判定できる。なお、所定時間以上連続するとは、例えば0.2秒以上連続するような場合であり、また所定の範囲としては例えば±0.5Vである。もっとも、これらの値は、溶接の対象となる部材の材質や、溶接条件等によって変更可能である。
上記のアークセンサ溶接線倣い制御装置による溶接制御方法を説明する。
偏差信号移動平均値算出手段34は、差動アンプ29から出力されるアークセンサ出力(SH−SV)を入力し、偏差信号の移動平均値を算出する。アークガウジング判定手段36は、偏差信号移動平均値算出手段34によって算出された移動平均値が、予め設定した時間以上連続して所定の範囲を超えているかどうかを判定する。アークガウジング判定手段36によって所定の範囲を超えていると判定された場合には、アークガウジングが発生しているとしてその旨の信号が補正手段38に入力される。
補正手段38ではガウジング判定手段36からの信号を受けて、前記予め定めた所定距離だけ溶接トーチを直前の倣い制御方向と反対方向に移動させる補正信号を溶接線倣い制御回路30に出力する。
このような補正信号が溶接線倣い制御回路30に入力されると、溶接線倣い制御回路30は該補正信号に基づいて補正制御を行い、溶接トーチが例えば下板側に移動される。移動速度は、アークセンサ倣い最大移動速度によって移動する。そして、この補正を同じ溶接線上で2回以上発生した場合には、条件不適切と判定し、その後はオペレータによって調整する。
以上のように、本実施の形態においては、アークガウジングに起因する溶接線倣い制御の倣いずれが生じた場合にも、それを補正することができ、適切な溶接線倣い制御が実現できる。
[実施の形態2]
図4は本発明の実施の形態2に係るアークセンサ溶接線倣い制御装置のブロック回路図である。
図において、実施の形態1を示した図1と同一部分には同一の符号を付してある。本実施の形態が実施の形態1と相違する点は、アークガウジング発生の有無を判定する判定手段の構成に関してであることから、以下においては本実施の形態の判定手段40について説明する。
本実施の形態に係る判定手段40は、溶接線倣い制御回路30によって演算された倣い距離を入力してそれを積算する積算器33と、積算器33の積算値及び溶接トーチの位置を検出する位置検出器37の溶接位置信号が入力され、前記積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越えたかどうかを判定する第1判定器を備えている。予め定めた溶接移動距離の例としては例えば100mmである。もっとも、溶接速度が分かっているので、移動距離は移動時間で判断することができる。例えば溶接速度が50cm/minの場合には100mm移動するのに要する時間は12秒となる。
また、判定手段40は、差動アンプ29の偏差信号と位置検出器37の位置信号を入力して所定位置での偏差信号の振幅を検出する振幅検出器39と、第1判定器35の判定結果、振幅検出器39の信号及び位置検出器37の位置信号が入力され、第1判定手段35によって積算器33の積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越えたと判定された場合に、前記該偏差信号の振幅が積算開始時点よりも前の時点の振幅に対して所定割合以上であるかどうかが判定する第2判定器41を備えている。所定の割合としては、例えば20%である。
43は補正器であって、第2判定器41によって前記所定割合以上であると判定されたときに前記積算値の所定値以上の予め定めた距離だけ前記溶接トーチを前記倣い制御方向と反対方向に移動させる補正信号を溶接線倣い制御回路30に出力する。
溶接線倣い制御回路30は補正信号を入力すると該補正信号に基づいて補正制御を行う。
上記のように構成された本実施の形態に係るアークセンサ溶接線倣い制御装置による溶接制御方法について、その原理と共に説明する。
図5は差動アンプ29から出力されるアークセンサ出力(SH−SV)の波形を示しており、アークガウジングの発生が有る場合である。図5において、縦軸がSH−SV(V)で横軸が時間(秒)を示している。
アークガウジングが発生したときは、図5の時間30秒の時点以降に示されるように、振幅が大きくなると共にSH−SV(V)の値がプラス方向に移動している。このときアークセンサ倣い移動距離は図6に示すように立板側に移動する。
図5、図6に示すようにアークガウジングが発生したときには、(SH−SV)の波形の振幅及び倣い移動距離において特徴が現れる。そこで、これを本実施の形態の判定手段40において以下のように判定する。
アークガウジングが発生した場合、第1判定器35によって、積算値hが予め定めた値、例えば10mm超えたかどうかが判定され、予め定めた値を超えたと判定されたときに、積算開始時点から所定距離を移動しているかどうか、この場合には12秒経過しているかどうかを判定して、12秒経過しているときには、その結果が第2判定器41に入力される。
第2判定器41では、第1判定器35の結果及び振幅検出器39で検出された偏差信号の振幅Szを入力して、積算開始時点よりも前の時点の振幅Soに対して所定割合、以上例えば20%以上大きくなっているかどうかが判定される(図5参照)。
第2判定器41によって20%以上大きくなっていると判定されると、その結果が補正器43に入力される。補正器43では第2判定器41からの信号を受けて、前記予め定めた所定値(10mm)以上の距離、例えば11mmだけ前記溶接トーチを前記倣い制御方向と反対方向に移動させる補正信号を溶接線倣い制御回路30に出力する。
このような補正信号が溶接線倣い制御回路30に入力されると、溶接線倣い制御回路30は該補正信号に基づいて補正制御を行い、図7に示すように溶接トーチが下板側に移動される。移動速度は、アークセンサ倣い最大移動速度によって移動する。そして、この補正を同じ溶接線上で2回以上発生した場合には、条件不適切と判定し、その後はオペレータによって調整する。
以上のように、本実施の形態においては、アークガウジングに起因する溶接線倣い制御の倣いずれが生じた場合にも、それを補正することができる。
1 溶接トーチ電極
2 溶接ワイヤ
3 アーク
5 立板
7 下板
9 溶接ビード
11 軸線
13 溶融金属
21 アーク電圧検出器
22 溶接電流検出器
23 スイッチ
25 アーク回転位置検出器
27 積分器(R側)
28 積分器(L側)
29 差動アンプ
30 溶接線倣い制御回路
31 モータ
32 判定手段
33 積算器
34 偏差信号移動平均値算出手段
35 第1判定器
36 アークガウジング判定手段
37 位置検出器
38 補正手段
39 振幅検出器
40 判定手段
41 第2判定器
43 補正器

Claims (6)

  1. 溶接トーチの電極ノズルの先端に回転円運動を与えてワイヤ先端に発生するアークを高速回転させながら溶接する回転アーク溶接法において、
    溶接中のアーク電圧または溶接電流とアークの回転位置とを検出し、アークの1回転毎にアーク回転位置の2つの所定角度範囲についてアーク電圧波形または溶接電流波形を積分して、その積分値の差である偏差信号をアーク1回転毎に演算して該演算値に基づいて倣い距離を算出し、該倣い距離に基づいて倣い制御を行う溶接線倣い制御方法であって、
    前記偏差信号に基づいてアークガウジング発生の有無を判定する判定工程と、該判定工程でアークガウジングが発生していると判定したときには前記判定工程において判定の対象とした前記偏差信号に基づく倣い方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させる補正工程とを備えたことを特徴とする溶接線倣い制御方法。
  2. 前記判定工程は、前記偏差信号の移動平均値が所定時間以上連続して予め設定した設定値の範囲を超えているときにアークガウジング発生有りと判定することを特徴とする請求項1記載の溶接線倣い制御方法。
  3. 前記判定工程は、前記倣い距離を積算し、該積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越え、かつそのときの前記偏差信号の振幅が積算開始時点よりも前の時点の振幅に対して所定割合以上である場合にはアークガウジング発生有りと判定することを特徴とする請求項1記載の溶接線倣い制御方法。
  4. 高速回転アーク溶接法により溶接する溶接トーチとワーク間のアーク電圧又は溶接電流を検出するアーク電圧検出器又は溶接電流検出器と、電極ノズルの回転角度位置を検出する回転位置検出器と、アーク電圧検出器又は溶接電流検出器の検出信号を積分する2つの積分器と、アークの回転の2つの所定角度範囲においてのみ積分器が積分するようにその駆動信号を回転位置検出器の位置検出信号に基づいて出力するタイミングパルス発生器と、2つの積分器によって積分された検出信号の積分値の差である偏差信号を求める差動アンプと、該差動アンプの偏差信号に基づいて倣い距離を演算する倣い距離演算器と、前記差動アンプの偏差信号に基づいてアークガウジング発生の有無を判定する判定手段と、該判定手段によってアークガウジング発生有りと判定されたときに前記判定手段において判定の対象とした前記偏差信号に基づく倣い方向と反対方向に前記溶接トーチを移動させる補正手段とを備えたことを特徴とする溶接線倣い制御装置。
  5. 前記判定手段は、前記偏差信号の移動平均値を算出する移動平均値算出手段と、算出された移動平均値が所定時間以上連続して予め設定した設定値の範囲を超えているかどうかを判定し、超えている場合にはアークガウジング発生有りと判定するアークガウジング判定手段とを備えてなることを特徴とする請求項4記載の溶接線倣い制御装置。
  6. 前記判定手段は、倣い距離を積算して積算値を演算する積算器と、該積算器の積算値とトーチ位置情報を入力して前記積算値が予め定めた溶接移動距離を移動する前に所定値を越えたかどうかを判定する第1判定器と、第1判定器の判定結果と前記偏差信号とを入力し、該偏差信号の振幅が積算開始時点よりも前の時点の振幅に対して所定割合以上であるかどうかを判定する第2判定器とを備えてなることを特徴とする請求項4記載の溶接線倣い制御装置。
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