JPH06317124A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

バルブタイミング調整装置

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JPH06317124A
JPH06317124A JP5224294A JP5224294A JPH06317124A JP H06317124 A JPH06317124 A JP H06317124A JP 5224294 A JP5224294 A JP 5224294A JP 5224294 A JP5224294 A JP 5224294A JP H06317124 A JPH06317124 A JP H06317124A
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shaft
rocker
hole
high speed
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Shinichi Murata
真一 村田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はロッカ−シャフトとロッカ−ア−ムと
の間を連結状態と連結解除状態とに切換える切換え操作
機構の構成を簡略化し、製作を容易化するとともに、動
作を円滑化することを最も主要な特徴とする。 【構成】ロッカ−シャフト11に軸心方向と直交する方
向に沿って貫通穴32を形成し、この貫通穴32内にロ
ッカ−シャフト11とロッカ−ア−ム14との間の連結
状態の切換え操作機構を配置し、連結ピン31の鍔部3
8の端面にロッカ−ア−ム14におけるロッカ−シャフ
ト11との摺接面と略同径の突球面38aを形成し、か
つ連結ピン31の鍔部38は係合穴42よりも大径に形
成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンの動弁装置のバ
ルブの開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整
装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来からエンジンの動弁装置に配設された
バルブの開閉タイミングやリフト量を調整して吸排気弁
のオ−バ−ラップ等を運転条件に応じて最適な状態に制
御できるようにしたバルブタイミング調整装置が種々提
案されている。
【0003】この種のものとして例えば、低速回転域用
のカムプロフィ−ルが形成された低速用カムと高速回転
域用のカムプロフィ−ルが形成された高速用カムとがカ
ムシャフト上に装着され、エンジンの低速回転域では低
速用カムによってエンジンの動弁装置に配設されたバル
ブの開閉タイミングを制御し、エンジンの高速回転域で
は高速用カムによってバルブの開閉タイミングを制御す
る状態に切換え操作する切換え操作機構が設けられた構
成のものが知られている。この場合、低速用カムによっ
て低速用ロッカ−ア−ム、高速用カムによって高速用ロ
ッカ−ア−ムがそれぞれ駆動されるようになっている。
【0004】また、低速用ロッカ−ア−ムにはバルブの
ステムエンドが当てられているとともに、高速用ロッカ
−ア−ムにはバルブの代りにこの高速用ロッカ−ア−ム
を支えるスプリング式のリフト機構が当てられている。
さらに、これらの低速用ロッカ−ア−ムと高速用ロッカ
−ア−ムとの間には両者間を連結状態と連結解除状態と
に切換え操作する切換え操作機構が設けられている。
【0005】そして、エンジンの低速回転域では低速用
ロッカ−ア−ムと高速用ロッカ−ア−ムとの間が連結解
除状態で保持されるようになっており、この状態では低
速用ロッカ−ア−ムと高速用ロッカ−ア−ムとがそれぞ
れ独立に動作するようになっている。そのため、この場
合には高速用ロッカ−ア−ムの動作はバルブ側に伝達さ
れず、低速用カムによって駆動される低速用ロッカ−ア
−ムの動作にしたがってバルブが開閉操作される、すな
わち低速用カムによってバルブの開閉タイミングが制御
されるようになっている。
【0006】また、エンジンの高速回転域では低速用ロ
ッカ−ア−ムと高速用ロッカ−ア−ムとの間が連結状態
に切換え操作されるようになっている。そのため、この
場合には低速用ロッカ−ア−ムと高速用ロッカ−ア−ム
とが実質的に一体化され、高速用カムによって駆動され
る高速用ロッカ−ア−ムの動作が低速用ロッカ−ア−ム
を介してバルブ側に伝達され、バルブが開閉操作され
る、すなわち高速用カムによってバルブの開閉タイミン
グが制御されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、低速用ロッ
カ−ア−ムと高速用ロッカ−ア−ムとの間を連結状態と
連結解除状態とに切換え操作する切換え操作機構として
低速用ロッカ−ア−ムおよび高速用ロッカ−ア−ムのい
ずれか一方をロッカ−シャフトに固定状態で装着すると
ともに、他方を同じロッカ−シャフトに回動可能に装着
し、ロッカ−シャフトと回動可能なロッカ−ア−ムとの
間を連結状態と連結解除状態とに切換え操作する構成が
考えられている。
【0008】そして、このようにロッカ−シャフトのよ
うな回転軸とこの回転軸に回転自在に装着されたロッカ
−ア−ムのような回転体との間を係脱可能に連結する係
脱機構としては例えば特開昭59-155513 号公報、特開昭
62-131907 号公報等に示される構成のものが提案されて
いる。
【0009】ここで、特開昭59-155513 号公報のものは
回転軸の軸心部に油圧通路が形成されている。さらに、
この回転軸に回転自在に装着された回転体には回転軸と
の接合面(回転軸挿通孔)に係合穴が形成されている。
【0010】また、回転軸内には油圧通路と直交状態
で、係合穴と対応する位置に穿設された不貫通の止め穴
が形成されている。この止め穴内には回転軸と回転体と
の間を係脱可能に連結するピンが突没可能に装着されて
いる。この場合、止め穴内にはピンを止め穴の外部側に
突出させ、このピンを回転体の係合穴内に係合させる方
向に付勢するばね部材が装着されている。
【0011】そして、回転軸の油圧通路内の油圧によっ
てばね部材の付勢力に抗してピンを止め穴の内底部側に
押圧し、ピンを回転体の係合穴から脱出させて回転軸の
止め穴内に没入させた状態で保持することにより、回転
軸と回転体との間を係合解除状態で保持させるととも
に、油圧通路内の油圧の作用を取去ることにより、ばね
部材の付勢力によってピンを止め穴の外部側に突出さ
せ、このピンを回転体の係合穴内に係合させて回転軸と
回転体との間を係合状態に切換えるようになっている。
【0012】上記構成のものにあってはピンを回転体の
係合穴内に係合させる際にばね部材の付勢力によってピ
ンを回転軸の止め穴の外部側に突出させるようにしてい
るので、付勢力が比較的大きなばね部材を使用する必要
がある。
【0013】しかしながら、ロッカ−シャフトのように
比較的外径寸法が小さい回転軸の止め穴内に収容できる
ばね部材は小型のものになるので、その付勢力も小さく
なり、ピンを止め穴の外部側に突出させる押圧力を発生
させることが難しい問題がある。また、止め穴内に収容
できる小径なピンに油通路等の加工を施すことが難し
く、製作が難しい問題がある。さらに、ロッカ−シャフ
トのように比較的外径寸法が小さい回転軸に止め穴を精
度良く製作することが難しい問題もある。
【0014】また、ピンに剪断応力や曲げ応力が作用す
る部分が中空状態になっているので、ピンの強度が低く
なるとともに、回転体の係合穴が油圧室になっているの
で、この係合穴も比較的精度良く製作する必要があり、
一層製作が難しくなる問題もある。
【0015】また、特開昭62-131907 号公報のものは回
転軸の軸心部に油圧通路が形成され、この回転軸に回転
自在に装着された回転体には回転軸との接合面(回転軸
挿通孔)にプランジャ収納用の凹部が形成されている。
この凹部内にはプランジャとこのプランジャを回転軸方
向に押圧するばね部材が装着されている。また、回転軸
内には油圧通路と直交状態で、回転体のプランジャ収納
用凹部と対応する位置に穿設された不貫通の止め穴が形
成され、この止め穴内に回転軸内に回転体との係脱操作
用のプランジャが装着されている。
【0016】そして、回転軸の油圧通路内に油圧が作用
していない状態では回転体側のプランジャによって回転
軸の止め穴内のプランジャが回転軸の止め穴内に没入さ
れた状態で保持され、回転軸と回転体との間が係合解除
状態で保持されるとともに、回転軸の油圧通路内に油圧
を作用させることにより、回転軸の止め穴内のプランジ
ャを回転軸の止め穴の外部側に突出させる方向に押圧
し、回転体側のプランジャのばね部材の付勢力に抗して
回転体のプランジャ収納用凹部内に係合させて回転軸と
回転体との間を係合状態に切換えるようになっている。
【0017】しかしながら、この場合には回転体側にプ
ランジャおよびばね部材を収容する必要があるので、部
品数が多くなり、構成が複雑になる問題がある。さら
に、回転軸の止め穴内のプランジャの受圧面積が小さい
ので、回転軸の油圧通路内の油圧の作用によって回転軸
の止め穴内のプランジャを回転軸の止め穴の外部側に突
出させる方向に押圧する力が小さくなり、止め穴内のプ
ランジャの動き、すなわち回転軸と回転体との係脱操作
が鈍くなる問題がある。また、この場合もロッカ−シャ
フトのように比較的外径寸法が小さい回転軸に止め穴を
精度良く製作する作業が難しい問題もある。
【0018】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、ロッカ−シャフトと回動可能なロッカ−ア−ムとの
間を連結状態と連結解除状態とに切換え操作する切換え
操作機構の構成を簡略化することができ、製作の容易化
を図ることができるとともに、動作の円滑化を図ること
ができるバルブタイミング調整装置を提供することを目
的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は低速用カムと高
速用カムとが装着されたカムシャフトと、前記低速用カ
ムによって駆動される低速用ロッカ−ア−ムと、前記高
速用カムによって駆動される高速用ロッカ−ア−ムと、
前記低速用ロッカ−ア−ムおよび高速用ロッカ−ア−ム
のいずれか一方が固定状態、他方が回動可能に装着され
たロッカ−シャフトと、このロッカ−シャフトの軸心部
に形成された油圧通路と、前記ロッカ−シャフトに回動
可能に装着されたロッカ−ア−ムにおける前記ロッカ−
シャフトとの接合面に形成された係合穴と、前記ロッカ
−シャフト内に前記油圧通路と直交状態で、前記係合穴
と対応する位置に穿設された貫通穴と、この貫通穴の一
端部側から前記油圧通路と対応する位置まで形成された
前記係合穴よりも大径な大径部と、前記貫通穴内に収容
された収容位置から前記係合穴側に突出された突出位置
まで突没自在に装着され、前記突出位置で前記係合穴内
に係脱可能に係合されて前記ロッカ−シャフトと前記回
動可能なロッカ−ア−ムとの間を連結状態に切換える連
結ピンと、この連結ピンの一端部に形成され、前記大径
部に沿って摺動可能な鍔部と、この鍔部における前記ロ
ッカ−ア−ムとの接合面に形成され、前記ロッカ−ア−
ムの内周面と略同径の突曲面と、前記大径部に収容さ
れ、前記連結ピンを前記収容位置で保持する方向に付勢
して前記ロッカ−シャフトと前記回動可能なロッカ−ア
−ムとの間を連結解除状態で保持する付勢部材とを具備
したものである。
【0020】
【作用】エンジンの低速回転域では油圧通路に油圧を作
用させない状態で保持する。この状態では付勢部材によ
って連結ピンを貫通穴内の収容位置で保持させてロッカ
−シャフトと回動可能なロッカ−ア−ムとの間を連結解
除状態で保持させることにより、低速用ロッカ−ア−ム
と高速用ロッカ−ア−ムとをそれぞれ独立に動作可能な
状態で保持させて低速用カムの回転に応じて低速用ロッ
カ−ア−ムを介してエンジンの動弁装置に配設されたバ
ルブを駆動する。
【0021】また、エンジンの高速回転域では油圧通路
に油圧を作用させる。この状態では油圧通路内の圧油は
貫通穴の大径部を介して連結ピンの突曲面とロッカ−ア
−ムの内周面との接合面に導かれる。そして、この圧油
の押圧力によって連結ピンを貫通穴の収容位置から外部
側に突出させ、ロッカ−シャフトに対して回動可能なロ
ッカ−ア−ムの係合穴内に係合させてロッカ−シャフト
と回動可能なロッカ−ア−ムとの間を連結状態に切換え
ることにより、低速用ロッカ−ア−ムと高速用ロッカ−
ア−ムとを一体的に動作可能な状態に切換え操作し、こ
の状態で高速用カムの回転に応じてそれに応答するロッ
カ−ア−ムを介してバルブを開閉駆動する状態に切換え
操作する。
【0022】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。図1は複数の気筒に各一対の吸気バルブおよ
び排気バルブが配設された4弁式エンジンのバルブタイ
ミング調整装置の要部の概略構成を示すものである。
【0023】図1中で、11は動弁機構のロッカ−シャ
フトである。このロッカ−シャフト11は図2に示すよ
うにエンジンのシリンダヘッドのロッカ−シャフトジャ
−ナル12に回転自在に支持されている。このロッカ−
シャフト11には低速用ロッカ−ア−ム13および高速
用ロッカ−ア−ム14が並設されている。この場合、ロ
ッカ−シャフト11には図2および図3に示すように高
速用ロッカ−ア−ム14を回転可能に支持する第1のア
−ム支持部11aと低速用ロッカ−ア−ム13を固定状
態で支持する雄ねじ状の第2のア−ム支持部11bとが
設けられている。そして、高速用ロッカ−ア−ム14は
ロッカ−シャフト11の第1のア−ム支持部11aに回
転可能に取付けられている。
【0024】また、低速用ロッカ−ア−ム13はロッカ
−シャフト11の第2のア−ム支持部11bに螺着状態
で固定されている。この場合、ロッカ−シャフト11の
第2のア−ム支持部11bには低速用ロッカ−ア−ム1
3とともにロックナット15が螺着されており、このロ
ックナット15によって低速用ロッカ−ア−ム13が回
り止めされている。そして、エンジン動作時には低速用
ロッカ−ア−ム13はロッカ−シャフト11と一体的に
回動動作するようになっている。
【0025】さらに、低速用ロッカ−ア−ム13の先端
部は二股状に分岐されている。そして、この低速用ロッ
カ−ア−ム13の一対の先端分岐部13a,13bには
同一気筒内に配設されるバルブ(吸気バルブ、或いは排
気バルブ)16a,16bのステムエンドがそれぞれ当
てられている。この場合、バルブ16a,16bのステ
ムエンドにおける低速用ロッカ−ア−ム13との接合部
位にはバルブクリアランス調整用のシム16cがそれぞ
れ装着されている。
【0026】また、低速用ロッカ−ア−ム13の本体に
は転動ロ−ラ17取付け用の開口部18が形成されてい
る。この開口部18には転動ロ−ラ17が支軸19を介
して回転自在に取付けられている。さらに、この低速用
ロッカ−ア−ム13の上には図4に示すように低速用カ
ム20が配設されている。この低速用カム20は図5に
示す高速用カム21とともにカムシャフト22上に装着
されている。そして、この低速用カム20によって低速
用ロッカ−ア−ム13がロッカ−シャフト11を中心に
揺動駆動されるようになっている。
【0027】また、高速用ロッカ−ア−ム14にはロッ
カ−シャフト11を中心として突設部14a,14bが
形成されている。そして、この高速用ロッカ−ア−ム1
4の一方の突設部14aには図5に示すようにバルブの
代りにこの高速用ロッカ−ア−ム14を支えるスプリン
グ式のリフト機構23が当てられている。このリフト機
構23にはシリンダヘッドのカムジャ−ナル25の取付
け穴24内に挿入された有底円筒状の固定筒体26が設
けられている。この筒体26内には有底円筒状の可動筒
体27が突没可能に装着されている。この場合、固定筒
体26と可動筒体27との間には可動筒体27を固定筒
体26の外部側に突出させる方向に付勢するコイルばね
28が収容されている。そして、このコイルばね28の
付勢力によって可動筒体27の突出端部27aが高速用
ロッカ−ア−ム14の一方の突設部14aに当てられて
いる。
【0028】さらに、高速用ロッカ−ア−ム14の他方
の突設部14bには高速用カム21と摺接状態で接触す
る摺接部29が設けられている。そして、エンジン動作
時には高速用カム21によってこの高速用ロッカ−ア−
ム14がロッカ−シャフト11を中心に揺動駆動される
ようになっている。
【0029】また、ロッカ−シャフト11には高速用ロ
ッカ−ア−ム14をこのロッカ−シャフト11に係脱可
能に係止して低速用ロッカ−ア−ム13と高速用ロッカ
−ア−ム14との間を連結状態と連結解除状態とに切換
え操作する切換え操作機構30が設けられている。この
切換え操作機構30には図6に示す連結ピン31が設け
られている。この連結ピン31はロッカ−シャフト11
の軸心と直交する方向に沿ってロッカ−シャフト11に
形成された貫通穴32内に装着されている。
【0030】ここで、ロッカ−シャフト11の軸心部に
は油圧通路33が形成されているため、貫通穴32はこ
の油圧通路33と直交状態で穿設されることとなる。さ
らに、貫通穴32には一方の開口端部側に大径部34、
他方の開口端部側に小径部35がそれぞれ形成されてお
り、その中間に段部36が形成されている。
【0031】また、連結ピン31には図6に示すように
略丸棒状の軸部37の一端部側に大径な鍔部38が形成
されている。この場合、連結ピン31の軸部37は貫通
穴32の小径部35内に摺動自在に挿入されているとと
もに、鍔部38は貫通穴32の大径部34内に摺動自在
に挿入されている。
【0032】さらに、この連結ピン31の軸部37の他
端部には丸められた突球面(突曲面)37aが形成され
ている。また、鍔部38の端面には高速用ロッカ−ア−
ム14におけるロッカ−シャフト11との摺接面と略同
径の突球面38aが形成されている。さらに、この連結
ピン31には鍔部38の突球面38aの先端に形成され
た開口部39と軸部37の外周面に形成された一対の開
口部40a、40bとの間を連通させる略T字状の連通
孔41が形成されている。この場合、貫通穴32の大径
部34は油圧通路33と連通されている。そして、油圧
通路33内の作動油はこの連結ピン31の開口部40
a、40bから連通孔41内を通り、鍔部38の突球面
38aの先端開口部39に供給されるようになってい
る。
【0033】また、高速用ロッカ−ア−ム14における
ロッカ−シャフト11との摺接面(内周面)には貫通穴
32の小径部35と対応する位置に連結ピン31の軸部
37の先端部が挿脱可能に挿入される係合穴42が形成
されている。さらに、貫通穴32の大径部34内には貫
通穴32の段部36と連結ピン31の鍔部38との間に
配設された、コイルばねによって形成されるリタ−ンス
プリング(付勢部材)43が挿入されている。そして、
通常は連結ピン31はこのリタ−ンスプリング43のば
ね力によって鍔部38の突球面38aを高速用ロッカ−
ア−ム14の内周面に圧接させた状態で保持されてい
る。
【0034】なお、このように連結ピン31の鍔部38
の突球面38aが高速用ロッカ−ア−ム14の内周面に
圧接された状態において連結ピン31の軸部37の先端
部が貫通穴32の小径部35内に没入されるように連結
ピン31の長さ寸法が設定されている。
【0035】また、油圧通路33は図示しないオイル供
給装置に連結されている。このオイル供給装置には例え
ばエンジンのオイルパン内のオイルを供給するオイルポ
ンプおよびこのオイルポンプからの吐出オイルの油圧通
路33内への供給を制御する通路開閉用のオイルコント
ロ−ルバルブ等が設けられている。
【0036】このオイルコントロ−ルバルブは例えばマ
イクロコンピュ−タおよびその周辺回路によって形成さ
れた制御部に接続されている。この制御部にはエンジン
の回転信号が入力されており、エンジンの回転数に応じ
て制御部によってオイルコントロ−ルバルブの開閉動作
が制御されている。そして、例えばエンジンの回転数が
比較的低い低速回転域ではこのオイルコントロ−ルバル
ブが閉状態で保持され、エンジンの回転数が高い高速回
転域ではオイルコントロ−ルバルブが開状態に切換え操
作されるようになっている。
【0037】次に、上記構成の作用について説明する。
まず、エンジンの動作時には制御部にエンジンの回転信
号が入力されており、エンジンの回転数に応じて制御部
によってオイルコントロ−ルバルブの開閉動作が制御さ
れる。
【0038】そして、例えばエンジンの回転数が比較的
低い低速回転域ではオイルコントロ−ルバルブが閉状態
で保持される。この場合には切換え操作機構30のリタ
−ンスプリング43のばね力によって図3および図5に
示すように連結ピン31の鍔部38の突球面38aが高
速用ロッカ−ア−ム14の内周面に圧接され、連結ピン
31の軸部37の先端部が貫通穴32の小径部35内に
没入された状態で保持される。そのため、この状態では
高速用ロッカ−ア−ム14はロッカ−シャフト11に対
して連結解除状態で保持されるので、高速用カム21に
よって高速用ロッカ−ア−ム14がロッカ−シャフト1
1を中心に揺動駆動された際に、高速用ロッカ−ア−ム
14はロッカ−シャフト11とは独立に動作し、低速用
ロッカ−ア−ム13と高速用ロッカ−ア−ム14とはそ
れぞれ独立に動作する。したがって、この場合には高速
用ロッカ−ア−ム14の動作はバルブ16a,16b側
に伝達されず、低速用カム20によって駆動される低速
用ロッカ−ア−ム13の動作にしたがってバルブ16
a,16bが開閉操作される、すなわち低速用カム20
の回転によってバルブ16a,16bが開閉駆動され
る。
【0039】また、エンジンの回転数が上昇し、高速回
転域に達するとオイルコントロ−ルバルブが開状態に切
換え操作される。このようにオイルコントロ−ルバルブ
が開操作された場合にはロッカ−シャフト11の油圧通
路33内に圧油が供給される。この圧油は油圧通路33
から貫通穴32の大径部34内に導かれた後、連結ピン
31の開口部40a、40bから連通孔41内を通り、
鍔部38の突球面38aの先端開口部39に供給され
る。
【0040】この場合、連結ピン31の鍔部38におけ
る表裏面の受圧面積の相違から圧油は連結ピン31を図
1および図3中で下方向(図5中で上方向)に向けて押
圧する方向に作用する。その結果、ロッカ−シャフト1
1の貫通穴32の小径部35と高速用ロッカ−ア−ム1
4の係合穴42とが合致した時点で連結ピン31はリタ
−ンスプリング43のばね力に抗して図1および図3中
で下方向(図5中で上方向)に移動し、図8および図9
に示すように高速用ロッカ−ア−ム14の係合穴42内
にこの連結ピン31の軸部37の先端が挿入される。そ
のため、この状態では高速用ロッカ−ア−ム14はロッ
カ−シャフト11に係合された状態で保持されるので、
この場合には低速用ロッカ−ア−ム14と高速用ロッカ
−ア−ム13とが一体化され、高速用カム21によって
駆動される高速用ロッカ−ア−ム13の動作が低速用ロ
ッカ−ア−ム14を介してバルブ16a,16b側に伝
達されてバルブ16a,16bが開閉操作される、すな
わち高速用カム21の回転によってバルブ16a,16
bが開閉駆動される。
【0041】そこで、上記構成のものにあってはロッカ
−シャフト11に軸心方向と直交する方向に沿って貫通
穴32を形成し、この貫通穴32内に切換え操作機構3
0の連結ピン31、リタ−ンスプリング43および油圧
室(貫通穴32の大径部34内周面、連結ピン31の鍔
部38の突球面38aおよび高速用ロッカ−ア−ム14
の内周面間に形成される)を配置したので、高速用ロッ
カ−ア−ム14側に切換え操作機構30の構成部品を装
着する必要がない。そのため、高速用ロッカ−ア−ム1
4の構成を簡略化することができる。
【0042】この場合、高速用ロッカ−ア−ム14には
高速用ロッカ−ア−ム14におけるロッカ−シャフト1
1との摺接面(内周面)に連結ピン31の軸部37の先
端部が挿脱可能に挿入される係合穴42を形成するだけ
でよいので、その製作を容易化することができる。さら
に、この係合穴42は連結ピン31の軸部37の先端部
を挿脱可能に挿入できるものであればよいので、格別に
精度を高める必要がなく、容易に加工することができ
る。
【0043】また、切換え操作機構30の連結ピン3
1、リタ−ンスプリング43を収容する収容部をロッカ
−シャフト11の貫通穴32によって形成したので、ロ
ッカ−シャフト11内に止め穴を形成する場合に比べて
ロッカ−シャフト11の製作を容易化することができ
る。この場合、ロッカ−シャフト11の貫通穴32と連
結ピン31との間の摺動部を比較的容易に研摩すること
ができるので、製作精度の向上を図ることができる。
【0044】さらに、高速用ロッカ−ア−ム14の係合
穴42内に連結ピン31の軸部37の先端が挿入され、
高速用ロッカ−ア−ム14がロッカ−シャフト11に係
合された状態で剪断力が作用する連結ピン31の軸部3
7の部分に格別に油圧通路等を成形する(中空にする)
必要がないので、強度を高めることができる。この場
合、貫通穴32の小径部35の長さがそのまま連結ピン
31を支持するピンガイド長さとなり、このピンガイド
長さを比較的大きくとることができるので、がたつきを
低減して十分な支持強度を得ることができる。
【0045】また、連結ピン31の鍔部38の端面に高
速用ロッカ−ア−ム14におけるロッカ−シャフト11
との摺接面(内周面)と略同径の突球面38aを形成し
たので、この連結ピン31の鍔部38の端面(突球面3
8a)と高速用ロッカ−ア−ム14の内周面との間に楔
状の空間を形成することができる。そのため、切換え操
作機構30のリタ−ンスプリング43のばね力によって
連結ピン31の鍔部38の突球面38aが高速用ロッカ
−ア−ム14の内周面に圧接され、連結ピン31の軸部
37の先端部が貫通穴32の小径部35内に没入されて
いる状態からエンジン回転数の上昇にともないオイルコ
ントロ−ルバルブが閉状態から開状態に切換え操作さ
れ、油圧通路33内に圧油が供給された際に、連結ピン
31の鍔部38の端面(突球面38a)と高速用ロッカ
−ア−ム14の内周面との間にこの油圧を迅速に作用さ
せることができる。
【0046】さらに、連結ピン31の鍔部38は高速用
ロッカ−ア−ム14の係合穴42よりも大径に形成され
ているので、エンジンの低速回転域で図7に示すように
高速用ロッカ−ア−ム14がロッカ−シャフト11と独
立に動作した際に、連結ピン31の鍔部38が高速用ロ
ッカ−ア−ム14の係合穴42の位置に達した場合であ
っても鍔部38が高速用ロッカ−ア−ム14の係合穴4
2内に侵入することがない。この場合、鍔部38の端面
は高速用ロッカ−ア−ム14におけるロッカ−シャフト
11との摺接面(内周面)と略同径の突球面38aによ
って形成されているので、連結ピン31の鍔部38が高
速用ロッカ−ア−ム14の係合穴42の位置に達した際
にこの係合穴42を円滑に通過させることができる。
【0047】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではない。例えば、上記実施例では同一気筒内に各
一対の吸気バルブおよび排気バルブが配設された4弁式
エンジンにこの発明を適用したものを示したが、同一気
筒内にそれぞれ1本の吸気バルブおよび排気バルブが配
設された2弁式エンジンにこの発明を適用してもよい。
【0048】また、上記実施例では高速用ロッカ−ア−
ム14をロッカ−シャフト11に回転可能に取付けると
ともに、低速用ロッカ−ア−ム13をこのロッカ−シャ
フト11に固定状態で取付け、高速用ロッカ−ア−ム1
4をこのロッカ−シャフト11に係脱可能に係止して低
速用ロッカ−ア−ム13と高速用ロッカ−ア−ム14と
の間を連結状態と連結解除状態とに切換え操作する切換
え操作機構30を設けた構成のものを示したが、低速用
ロッカ−ア−ム13をロッカ−シャフト11に回転可能
に取付けるとともに、高速用ロッカ−ア−ム14をこの
ロッカ−シャフト11に固定状態で取付け、低速用ロッ
カ−ア−ム13をこのロッカ−シャフト11に係脱可能
に係止して低速用ロッカ−ア−ム13と高速用ロッカ−
ア−ム14との間を連結状態と連結解除状態とに切換え
操作する構成にしてもよい。
【0049】さらに、その他この発明の要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形実施できることは勿論である。
【0050】
【発明の効果】本発明によればロッカ−シャフトに軸心
方向と直交する方向に沿って貫通穴を形成し、この貫通
穴内にロッカ−シャフトと回動可能なロッカ−ア−ムと
の間を連結状態に切換える切換え操作機構を配置したの
で、ロッカ−ア−ム側に切換え操作機構の構成部品を装
着する必要がなく、ロッカ−ア−ムの構成を簡略化する
ことができる。さらに、ロッカ−シャフト内に止め穴を
形成する必要がないので、ロッカ−シャフトの製作を容
易化することができる。また、連結ピンの鍔部の端面に
ロッカ−ア−ムにおけるロッカ−シャフトとの摺接面と
略同径の突球面を形成したので、この連結ピンの鍔部の
端面とロッカ−ア−ムの内周面との間に楔状の空間を形
成して油圧通路内に圧油が供給された際に、連結ピンの
鍔部の端面とロッカ−ア−ムの内周面との間にこの油圧
を迅速に作用させることができる。さらに、連結ピンの
鍔部はロッカ−ア−ムの係合穴よりも大径に形成されて
いるので、連結ピンの鍔部がロッカ−ア−ムの係合穴の
位置に達した際にこの係合穴を円滑に通過させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すバルブタイミング調整
装置の要部の概略構成図。
【図2】低速用ロッカ−ア−ムおよび高速用ロッカ−ア
−ムの取付け状態を示す縦断面図。
【図3】図2のIII −III 線断面図。
【図4】図2のIV−IV線断面図。
【図5】図2のV−V線断面図。
【図6】連結ピンを示す斜視図。
【図7】ロッカ−シャフトに対して高速用ロッカ−ア−
ムを回動させた状態を示す要部の縦断面図。
【図8】高速用ロッカ−ア−ムとロッカ−シャフトとの
連結状態を示す縦断面図。
【図9】同横断面図。
【符号の説明】
11…ロッカ−シャフト、13…低速用ロッカ−ア−
ム、14…高速用ロッカ−ア−ム、16a,16b…バ
ルブ、20…低速用カム、21…高速用カム、22…カ
ムシャフト、29…摺接部、31…連結ピン、32…貫
通穴、33…油圧通路、34…大径部、38…鍔部、3
8a…突球面、42…係合穴、43…リタ−ンスプリン
グ(付勢部材)。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低速用カムと高速用カムとが装着された
    カムシャフトと、 前記低速用カムによって駆動される低速用ロッカ−ア−
    ムと、 前記高速用カムによって駆動される高速用ロッカ−ア−
    ムと、 前記低速用ロッカ−ア−ムおよび高速用ロッカ−ア−ム
    のいずれか一方が固定状態、他方が回動可能に装着され
    たロッカ−シャフトと、 このロッカ−シャフトの軸心部に形成された油圧通路
    と、 前記ロッカ−シャフトに回動可能に装着されたロッカ−
    ア−ムにおける前記ロッカ−シャフトとの接合面に形成
    された係合穴と、 前記ロッカ−シャフト内に前記油圧通路と直交状態で、
    前記係合穴と対応する位置に穿設された貫通穴と、 この貫通穴の一端部側から前記油圧通路と対応する位置
    まで形成された前記係合穴よりも大径な大径部と、 前記貫通穴内に収容された収容位置から前記係合穴側に
    突出された突出位置まで突没自在に装着され、前記突出
    位置で前記係合穴内に係脱可能に係合されて前記ロッカ
    −シャフトと前記回動可能なロッカ−ア−ムとの間を連
    結状態に切換える連結ピンと、 この連結ピンの一端部に形成され、前記大径部に沿って
    摺動可能な鍔部と、 この鍔部における前記ロッカ−ア−ムとの接合面に形成
    され、前記ロッカ−ア−ムの内周面と略同径の突曲面
    と、 前記大径部に収容され、前記連結ピンを前記収容位置で
    保持する方向に付勢して前記ロッカ−シャフトと前記回
    動可能なロッカ−ア−ムとの間を連結解除状態で保持す
    る付勢部材とを具備したことを特徴とするバルブタイミ
    ング調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149395A (ja) * 2010-01-25 2011-08-04 Mitsubishi Motors Corp 内燃機関の可変動弁装置

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