JP4362028B2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents
内燃機関の動弁装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4362028B2 JP4362028B2 JP2002151362A JP2002151362A JP4362028B2 JP 4362028 B2 JP4362028 B2 JP 4362028B2 JP 2002151362 A JP2002151362 A JP 2002151362A JP 2002151362 A JP2002151362 A JP 2002151362A JP 4362028 B2 JP4362028 B2 JP 4362028B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- piston
- engagement
- rocker arm
- engagement protrusion
- cylinder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)
- Valve Device For Special Equipments (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁を機関の運転状態に応じて異なる駆動タイミングで開閉駆動しうる、内燃機関の動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、往復動式内燃機関(以下、エンジンという)に備えられる吸気弁や排気弁(以下、これらを総称して機関弁又は単にバルブともいう)の作動特性(開閉タイミングや開放期間)を、エンジンの負荷状態や速度状態に応じて最適なものになるように切り換えることのできる動弁装置(可変動弁機構ともいう)が開発され実用化されている。
【0003】
このような動弁装置において作動特性を切り換える機構の一つとして、例えばエンジンの低速回転時に適したカムプロフィルを備えた低速用カムとエンジンの高速回転時に適したカムプロフィルを備えた高速用カムとを、エンジンの回転状態に応じて選択的に用いて機関弁を開閉作動させるようにしたものが開発されている。
【0004】
例えば、特開昭63−170513号公報等に開示されている技術では、基本的には低速用カムにより揺動して機関弁を駆動する駆動ロッカアームと、低速用カムを包含するカムプロフィルを有する高速用カムにより揺動する自由ロッカアームと、駆動ロッカアームと自由ロッカアームとの間に設けられた連結切換機構とをそなえている。そして、連結切換機構を切り離し状態にすると、自由ロッカアームは自由に揺動し、駆動ロッカアームは低速用カムにより揺動して低速用カムのカムプロフィルに応じた特性で機関弁を駆動し、一方、連結切換機構を連結状態にすると、自由ロッカアームと駆動ロッカアームとが一体に揺動し、駆動ロッカアームは高速用カムのカムプロフィルに応じた特性で機関弁を駆動する。
【0005】
この場合の連結切換機構には、上記公報のものの他に、特許第2586163号のものなど種々の技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4,図5は本発明の案出過程で提案された動弁装置の構造を示すものである。図4,図5に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10には、各気筒毎に2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられており、これらの吸気弁11,12、排気弁21,22を駆動するために動弁装置30が装備されている。
【0007】
この動弁装置30は、吸気弁11,12を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁21,22を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。吸気弁駆動系は、カムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31a〜31cと、ロッカシャフト32と、ロッカシャフト32に揺動自在に軸支され各カム31a〜31cによって揺動するロッカアーム33〜35とをそなえている。排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31d,31eと、ロッカシャフト36と、ロッカシャフト36に揺動自在に軸支され各カム31d,31eによって揺動するロッカアーム37,38(図5では省略)とをそなえている。
【0008】
そして、動弁装置30の吸気弁駆動系の部分に、連結切換機構41を有する可変動弁機構40が設けられている。
つまり、吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうちロッカアーム33,34は一端のアジャストスクリュ33a,34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11はロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12はロッカアーム34の揺動に応じて開閉するようになっている。
【0009】
ロッカアーム33は、他端のローラ33bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム31aに当接させており、低速用カム31aに応じて揺動すると、吸気弁11を図8(a)に一点鎖線で示すような特性で開放するようになっている。ロッカアーム34は、他端のローラ34bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム31bに当接させており、低速用カム31bに応じて揺動すると、吸気弁11を図8(a)に実線で示すような特性で開放するようになっている。
【0010】
一方、ロッカアーム35は、一端の係合突起35aがロッカアーム33,34に係合可能になっており、他端に設けられたローラ35bは、エンジンの高速回転時に対応した高速用カムプロフィルに形成された高速用カム31cに当接している。
ロッカアーム33,34側におけるロッカアーム35の一端が当接しうる部位には、開口部53をそなえたシリンダ50が形成され、このシリンダ50内にはピストン51が内蔵されている。
【0011】
シリンダ50内には、ロッカシャフト32側から油路32a,32bを通じて作動油(ここでは潤滑油が兼用される)が供給されるようになっており、シリンダ50内の油圧が高められると、図6(b)に示すように、ピストン51が一端に油圧を受けて開口部53を塞ぐような位置に突出するように駆動される。
また、シリンダ50内の油圧が弱められると、図6(a)に示すように、ピストン51がリターンスプリング52の付勢力によって開口部53から外れた状態に没するように駆動される。
【0012】
このようなシリンダ50内のピストン51と、シリンダ50内の油圧を調整する油圧調整装置42とから、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連結状態を切り換える連結切換機構41が構成され、この連結切換機構41と吸気弁駆動系とから可変動弁機構40が構成されている。
なお、油圧調整装置42は、図7に示すように、エンジン下部のオイルパン(図示略)からシリンダブロック10にポンプアップされた潤滑油をロッカシャフト32内の油路32aに供給する潤滑油供給路42a〜42cと、潤滑油供給路42cの途中に介装されたオイルコントロールバルブ42dと、このオイルコントロールバルブ42dの開度を制御する図示しないコントローラとから構成されている。
【0013】
図7はオイルコントロールバルブ42dの潤滑油供給のための小径油路が連通した状態を示し、前述のピストン33e,34eに油圧を作用させるべき時には、図示しない大径油路が連通するように駆動される。潤滑油供給路42a,42bには、フィルタ42eが介装され、潤滑油を濾過したうえでシリンダ33d,34d内へ供給するようになっている。
【0014】
したがって、油圧調整装置42によってシリンダ50内の油圧が弱められるとピストン51が埋没した非係合状態となり(図6(a)参照)、シリンダ50の開口部53には空間が形成されて、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこの空間内に出没するが、ロッカアーム33,34自体には接触しない。これによって、ロッカアーム33,34は各対応カム31a,31bに応じて揺動し、吸気弁11,12を開閉駆動する。
【0015】
一方、油圧調整装置42によってシリンダ50内の油圧が高められるとピストン51が突出した係合状態となり(図6(b)参照)、シリンダ50の開口部53にはピストン51が存在するようになって、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこのピストン51の側面(係合面)54に当接してピストン51を介してロッカアーム33,34を揺動させる。このとき、ロッカアーム33,34は、各対応カム31a,31bに対しては離隔しながら、ロッカアーム35に駆動されて高速用カム31cに応じて揺動し、吸気弁11,12をエンジンの高速回転時に対応させて図8(b)に実線で示すような特性で開放する。
【0016】
したがって、油圧調整装置42は、ピストン51の位置を係合突起35aが係合する係合位置と係合突起35aが係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置として機能する。
ところで、このような動弁装置では、シリンダ50内のピストン51を非係合位置に付勢するコイル状のリターンスプリング52の配置を考えると、例えば特開平06−002518号公報に開示されているように、リターンスプリング52をピストン51及びシリンダ50と同一軸心線上に配置するのが一般的である。
【0017】
つまり、図9(a)〜(c)に示すように、ピストン51に一端側(ここでは上面側)の軸心部に、リターンスプリング52の一端(ここでは下端)を収容する正面視円形の凹所51aをピストン51の円筒状外周面と同心上(即ち、シリンダ50の円筒状外周面と同心上)に形成し、一方、シリンダ50の一端面(ここでは上部端面)にも、リターンスプリング52の他端(ここでは上端)を収容する正面視円形の凹所50aをシリンダ50の円筒状外周面と同心上に形成する。これにより、リターンスプリング52をピストン51及びシリンダ50と同一軸心線上に配置するのである。
【0018】
この場合、ピストン51が非係合位置になった時(図9(a)参照)にも開口部53の奥にはリターンスプリング52があるため、係合突起35aはこのリターンスプリング52との干渉を避ける範囲内でしか作動させることができない。したがって、ピストン51を係合位置にして(図9(b)参照)ロッカアーム35を通じてロッカアーム33,34を高速カム31cに応じて作動させる際にバルブリフト量を十分に確保することが困難になる。
【0019】
また、リターンスプリング52を内部に備えるピストン51の中空部の肉厚が薄くなった部分が、係合突起35aが係合する係合面54となるため、係合突起35aに押圧されてバルブリフト荷重が働くと、この係合面54の部位が変形することがある。このような動弁系の動力伝達部位の剛性低下が生じると、カムプロフィルのとおりにバルブを駆動することができず、動弁装置本来の性能を発揮することができなくなってしまう。
【0020】
もちろん、ピストン51の中空部の肉厚を厚くすれば、動弁系の動力伝達部位の剛性低下を回避でき、また、リターンスプリング52との干渉を避けられる係合突起35aの作動範囲を拡大して、バルブリフト量を確保することができるが、このためには、ピストン51自体の外径を大きくするか、又は、リターンスプリング52の径を小さくすることが必要になる。ピストン51外径を大きくすればピストンの大型化を招き、装置の大型化や重量増を招くことになり、さらに、ピストンの慣性荷重の増大に応じてピストンの位置切り換えのための駆動力(ここでは、油圧)を増大させたり、リターンスプリング52の弾性力を大きくさせたりしなくてはならない。また、リターンスプリング52の小径化にも弾性力確保等の観点から限度がある。
【0021】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、リターンスプリングをそなえ位置切換可能なピストンとこのピストンと当接して連係動作しうる部材とによって機関弁の開閉タイミングの切換を行なう動弁装置において、動弁系の動力伝達部位の剛性確保やバルブリフト量確保を、関連部位の大型化を招くことなく行なえるようにした、内燃機関の動弁装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の内燃機関の動弁装置(請求項1)は、先端が吸気弁又は排気弁の一方に連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、前記の第1,第2のロッカアームの一方のロッカアームに形成されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動自在に装着されたピストンと、前記の第1,第2のロッカアームの他方のロッカアームに突設され前記ピストンに形成された係合部に係合可能な係合突起と、前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえている。
【0023】
したがって、ピストン位置切換装置によりピストンを係合位置にすれば、第1,第2のロッカアームの他方のロッカアームに突設された係合突起が、ピストンに形成された係合部に係合して、第1のロッカアームと第2のロッカアームとが一体に揺動して、第2のカムのカムプロフィルに応じて吸気弁又は排気弁の一方を開閉駆動する。また、ピストン位置切換装置によりピストンを非係合位置にすれば、第1のロッカアームと第2のロッカアームとが独立して揺動して、第1,第2のロッカアームの一方のロッカアームは、第1のカムのカムプロフィルに応じて吸気弁又は排気弁の一方を開閉駆動する。
【0024】
そして、前記ピストン位置切換装置は、前記ピストンを前記非係合位置に付勢するコイル状のリターンスプリングをそなえ、前記リターンスプリングが前記ピストンに対して前記係合突起から離れる方向に偏心して配置されているため、係合突起のリターンスプリングと干渉しない範囲での可動ストロークを確保し易くなり、ピストンに形成する係合部において内部にリターンスプリングを配置した場合にも、この係合部の肉厚を確保し易くなる。
【0025】
さらに、前記シリンダには、前記他方のロッカアームの揺動に伴う前記係合突起の揺動を許容する開口部が形成され、前記ピストンには、前記リターンスプリングの一端側を収納する凹所が形成され、前記ピストンの前記凹所回りの前記係合突起側には、前記係合部を有する厚肉部が設けられ、前記厚肉部は、前記ピストンが前記係合位置にあると前記シリンダの前記開口部に位置し、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記シリンダの前記開口部から外れ、前記リターンスプリングが前記係合突起の前記ピストン側に対する相対的な揺動軌跡の延長上に配置されると共に、前記ピストンの前記係合突起側には、前記ピストンが前記非係合位置にあるときに前記係合突起の揺動軌跡の延長上に前記リターンスプリングを覆うように位置するスプリングガード部が設けられ、前記スプリングガード部が、前記係合突起の凹面に沿うように円筒面状に形成されている。
【0026】
前記ピストンが円筒状部分をそなえ、該円筒状部分に前記厚肉部が形成されると共に前記厚肉部に設けられた前記係合部が円筒面状に形成され、前記係合突起における前記係合部との当接部分が、前記係合部に沿った凹面状に形成されていることが好ましい(請求項2)。
【0027】
なお、係合突起のピストンに対する相対的な揺動軌跡とは、係合突起が設けられたロッカアームがピストンに向かって移動した場合の揺動軌跡だけでなく、ピストンを装着されたロッカアームが係合突起に向かって移動した場合の揺動軌跡も含むものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1,図2は本発明の第1実施形態としての内燃機関の動弁装置を示すもので、図1はその要部(ピストン位置切換装置)を示す模式的な断面図であり、図2はそのシリンダヘッド内の模式的な側面図である。なお、図1,図2において、図4〜図7と同符号は同様のものを示す。また、一部については図4,図7,図8を参照して説明する。
【0029】
この動弁装置は、ピストン位置切換装置に特徴があり、この部分を除いては、すでに図4〜図7を参照して説明した本発明の案出過程で創案されたものと同様に構成されている。
つまり、図4,図2に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10には、各気筒毎に2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられており、これらの吸気弁11,12、排気弁21,22を駆動するために動弁装置30が装備されている。
【0030】
この動弁装置30は、吸気弁11,12を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁21,22を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。
吸気弁駆動系は、カムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31a〜31cと、吸気用ロッカシャフト32と、このロッカシャフト32に揺動自在に軸支され各カム31a〜31cによって揺動するロッカアーム33〜35とをそなえている。
【0031】
排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31d,31eと、排気用ロッカシャフト36と、このロッカシャフト36に揺動自在に軸支され各カム31d,31eによって揺動するロッカアーム37,38(図1では省略)とをそなえている。
そして、動弁装置30の吸気弁駆動系の部分に、連結切換機構41を有する可変動弁機構40が設けられている。
【0032】
つまり、吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうちロッカアーム(第1のロッカアーム)33,34は一端のアジャストスクリュ33a,34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11はロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12はロッカアーム34の揺動に応じて開閉するようになっている。
【0033】
ロッカアーム33は、他端のローラ33bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム(第1のカム)31aに当接させており、低速用カム31aに応じて揺動すると、吸気弁11を図8(a)に一点鎖線で示すような特性で開放するようになっている。ロッカアーム34は、他端のローラ34bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム(第1のカム)31bに当接させており、低速用カム31bに応じて揺動すると、吸気弁11を図8(a)に実線で示すような特性で開放するようになっている。なお、図8(a)では、2つの低速カム31a,31bのバルブリフト位相をずらせて記載しているが、これは一例であって、両低速カム31a,31bの位相は一致するものとしてもよい。
【0034】
一方、ロッカアーム(第2のロッカアーム)35は、一端に突設された係合突起35aがロッカアーム33,34に係合可能になっており、他端に設けられたローラ35bは、エンジンの高速回転時に対応した高速用カムプロフィルに形成された高速用カム(第2のカム)31cに当接している。
ロッカアーム33,34側におけるロッカアーム35の一端が当接しうる部位には、開口部153をそなえたシリンダ150が形成され、このシリンダ150内にはピストン151が内蔵されている。なお、開口部153は本実施形態の形状に限定されるものではなく、係合突起35aが揺動しうる空間を確保しうるものであればどのような形状でもよい。
【0035】
また、シリンダ150には、ロッカシャフト32側から油路32a,32bを通じて作動油(ここでは潤滑油が兼用される)が供給されるようになっており、シリンダ150内の油圧が高められると、図9(b)に示すように、ピストン151が一端に油圧を受けて開口部153を塞ぐような位置に突出するように駆動される。
【0036】
また、シリンダ150内の油圧が弱められると、図9(a)に示すように、ピストン151がリターンスプリング152の付勢力によって開口部153から外れた状態に没するように駆動される。
このようなシリンダ150内のピストン151と、シリンダ150内の油圧を調整する油圧調整装置42とから、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連結状態を切り換える連結切換機構41が構成され、この連結切換機構41と吸気弁駆動系とから可変動弁機構40が構成されている。
【0037】
なお、油圧調整装置42は、図7に示すように、エンジン下部のオイルパン(図示略)からシリンダブロック10にポンプアップされた潤滑油をロッカシャフト32内の油路32aに供給する潤滑油供給路42a〜42cと、潤滑油供給路42cの途中に介装されたオイルコントロールバルブ42dと、このオイルコントロールバルブ42dの開度を制御する図示しないコントローラとから構成されている。潤滑油供給路42a,42bには、フィルタ42eが介装され、潤滑油を濾過したうえでシリンダ150内へ供給するようになっている。
【0038】
したがって、油圧調整装置42によってシリンダ150内の油圧が弱められるとピストン151が埋没状態となり(図9(a)参照)、シリンダ150の開口部153には空間が形成されて、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこの空間内に出没するが、ロッカアーム33,34自体には接触しない。これによって、ロッカアーム33,34は各対応カム31a,31bに応じて揺動し、吸気弁11,12を図8(a)に一点鎖線又は実線で示すような特性で開放する。
【0039】
一方、油圧調整装置42によってシリンダ150内の油圧が高められるとピストン151が突出状態となり(図9(b)参照)、シリンダ150の開口部153にはピストン151が存在するようになって、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこのピストン151に当接してピストン151を介してロッカアーム33,34を揺動させる。このとき、ロッカアーム33,34は、各対応カム31a,31bに対しては離隔しながら、ロッカアーム35に駆動されて高速用カム31cに応じて揺動し、吸気弁11,12をエンジンの高速回転時に対応させて図8(b)に実線で示すような特性で開放する。
【0040】
したがって、油圧調整装置42は、ピストン151の位置を係合突起35aが係合する係合位置と係合突起35aが係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置として機能する。
ところで、本動弁装置では、ピストン151を非係止位置に付勢するコイル状のリターンスプリング152が、ピストン151及びシリンダ150に対して係合突起35aから離れる方向に偏心して配置されている。
【0041】
つまり、図1(a)〜(c)に示すように、ピストン151には、その一端側(ここでは上面)に、リターンスプリング152の一端(ここでは下端)を収容する正面視円形の凹所151aが形成され、シリンダ150の一端側(ここでは上部の下向き面)に、リターンスプリング152の他端(ここでは上端)を収容する正面視円形の凹所150aが形成されているが、これらの凹所151a,150aは、ピストン151及びシリンダ150の軸心線に対して係合突起35aから離れる方向に偏心して形成されている。したがって、これらの凹所151a,150aに両端を係止されるリターンスプリング152も、係合突起35aから離れる方向に偏心して配置されている。
【0042】
この偏心配置によって、ピストン151の凹所151a周りの側面のうちピストン151の係合突起35aが係合する側の部分(肉厚部としての係合部、以下、単に係合面ともいう)154においては、肉厚が大きく形成されており、ピストン151が係合位置にあるときに、この肉厚が大きい係合面154がシリンダ150の開口部153に位置して、この係合面154に係合突起35aが当接するようになっている。なお、ピストン151が非係合位置にあるときには、ピストン151が後退(埋没)してシリンダ150内に収納され、この肉厚の大きい係合面154はシリンダ150の開口部153から外れる。
【0043】
また、ピストン151における係合突起35a側の側面のうち係合面154よりも先端側には、スプリングガード部155が設けられている。このスプリングガード部155は、ピストン151が非係合位置にあるときには、係合突起35aの移動軌跡の延長線上、即ち、シリンダ150の開口部153に位置し、通常は係合突起35aと接触しないが、連結切換機構41の不作動時に、ロッカアーム33,34又はロッカアーム35のいずれかが、対応するカム31a,31b,31cにそれぞれ追従して駆動されない異常な状態となり、係合突起35aとピストン151との相対位置関係が変化して係合突起35aがピストン151内のリターンスプリング152側に進入してくる場合も考えられる。このような際には、スプリングガード部155がリターンスプリング152を保護するため、係合突起35aがリターンスプリング152に接触するようなことはなく、かかる接触によるリターンスプリング152の損傷を回避することができるようになっている。
【0044】
すなわち、ロッカアーム33,34,35がカム31a,31b,31cにそれぞれ追従して駆動される正常な状態において、ピストン151が非係合位置にあるときには、ピストン151やその内部のリターンスプリング152は、係合突起35aと干渉しないように設定されている。本実施形態では、ピストン151内部のリターンスプリング152を保護するためにスプリングガード部155を設けているので、上記の異常な状態になってもリターンスプリング152の損傷を回避することができるのである。
【0045】
なお、係合面154を含んだピストン151の外周は、図1(c)に示すように、ここのスプリングガード部155を除いて円筒面で構成されており、スプリングガード部155自体の表面もピストン151の軸心とは偏心した凸面状の部分円筒面で構成されている。
また、ピストン151がシリンダ150内で回転しないように回り止めピン156がピストン151とシリンダ150との間に介装されている。つまり、ピストン151とシリンダ150との一方に回り止めピン156が突設され、他方に回り止めピン156が係合する係合溝が穿設され、ピストン151の軸方向移動を許容しながらピストン151がシリンダ150内で回転しないように規制する。
【0046】
一方、凸面状の円筒面で構成された係合面154と当接する係合突起35aは、係合面154に接触する先端面を係合面154と対応するような(ただし、係合面154よりもやや大径な)凹面状の円筒面により構成され、係合面154と確実に線接触しうるように構成されている。
ところで、ロッカアーム(第1のロッカアーム)33,34は吸気弁11,12にそれぞれそなえられたリターンスプリング(図示略)によって各対応するカム31a,31bから離隔しないように付勢されているが、ロッカアーム(第2のロッカアーム)35には、このような付勢力は作用していないので、図1に示すように、ロッカアーム35をカム31cから離隔しないようにする付勢部材としてアームスプリング43が設置されている。
【0047】
なお、アームスプリング43はスプリング本体43aとスプリング本体43aを内蔵するケーシング43bとからなり、スプリング本体43aの付勢力がケーシング43bを介してロッカアーム35に伝達されるようになっている。
アームスプリング43は、ホルダ144の一端部に形成された凹所144a内に装着され、ホルダ144によって支持されている。このホルダ144は、中間部に形成された軸穴144bに排気用ロッカアーム37,38を支持するロッカシャフト36を挿通され、このロッカシャフト36に回転自在に支持されており、他端144cをシリンダヘッド10から上方に立設された支持部材としてのリブ145に当接させている。
【0048】
つまり、ホルダ144は、ロッカシャフト36に回転自在に支持されているため、このままではアームスプリング43を支持しようとすると回転してしまうが、リブ145とリブ145に当接するホルダ144の他端144cとから、ホルダ144のロッカシャフト36周りの回転を止める係止構造146が構成され、この係止構造146により、アームスプリング43を支持しうるようにホルダ144の回転が規制される。
【0049】
本発明の第1実施形態としての内燃機関の動弁装置は、上述のように構成されているので、油圧調整装置(ピストン位置切換装置)42によってシリンダ150内の油圧を高めピストン151を突出状態(係合位置)とすると(図1(b)参照)、シリンダ150の開口部153にはピストン151の係合面154が位置するようになって、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこのピストン151の係合面154に当接してピストン51を介してロッカアーム33,34を揺動させるようになる。すなわち、連結切換機構41が連結状態となって、吸気用のロッカアーム33,34がロッカアーム35と一体に揺動して、高速カム31cのカムプロフィルに応じて吸気弁11,12を開閉駆動する。
【0050】
油圧調整装置(ピストン位置切換装置)42によってシリンダ150内の油圧を弱めピストン151を埋没状態(非係合位置)とすると(図1(a)参照)、シリンダ150の開口部153に空間が形成されて、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこの空間内に出没して、ロッカアーム33,34自体には接触しない。これによって、連結切換機構41は切り離し状態となって、吸気用のロッカアーム33,34はロッカアーム35に影響されることなく揺動して、低速カム31a又は低速カム31bのカムプロフィルに応じて吸気弁11,12を開閉駆動する。
【0051】
本装置では、ピストン151内のリターンスプリング152が係合突起35a側から離れるように偏倚した位置に配置されているので、リターンスプリング152と干渉しない係合突起35aの可動範囲を大きく取れ、ロッカアーム35を通じてロッカアーム33,34を高速カム31cに応じて作動させる際にバルブリフト量を十分に確保することができるようになる。
【0052】
また、リターンスプリング152の偏心配置によって、ロッカアーム35の係合突起35aが当接するピストン151の係合面154の肉厚が大きく形成されているので、係合突起35aに押圧されてこの係合面154にバルブリフト荷重が働いた場合にも、この係合面154が変形しにくく、動弁系の動力伝達部位の剛性を十分に確保できるようになる。したがって、カムプロフィルのとおりにバルブを駆動することができ、動弁装置本来の性能を確実に発揮することができる。
【0053】
また、ピストン151を非係合位置に付勢するリターンスプリング152としてトーションスプリングを用いることもできるが、トーションスプリングを用いる場合、トーションスプリングがロッカアーム側と接触して磨耗損傷を招くおそれがある。この点、本実施形態のように、リターンスプリング152をコイル状のスプリングにより構成すれば、スプリングの磨耗損傷の発生を未然に防ぐことができる。
【0054】
さらに、万一、係合突起35aがピストン151内のリターンスプリング152側に進入してきた場合も、スプリングガード部155がリターンスプリング152を保護するので、係合突起35aがリターンスプリング152に接触することがなくターンスプリング152の損傷が防止される。
また、ピストン151外周の係合面154は凸面状の円筒面で構成され、係合面154と当接する係合突起35aの先端面は、係合面154と対応し且つ係合面154よりもやや小径な凹面状円筒面により構成されているので、係合突起35aの係合面154への当接が確実に線接触で行なえるようになり、ロッカアーム33,34のロッカアーム35との連動を確実且つ適正に行なえるようになる。
また、スプリングガード部155表面も凸面状の円筒面で構成されているので、係合突起35aの可動範囲が拡大する利点がある。
【0055】
[第2実施形態]
図3は本発明の第2実施形態としての内燃機関の動弁装置を示す模式的な展開断面図(図2に対応する図)である。なお、図3において、図1,図2,図4〜図7と同符号は同様のものを示す。
【0056】
この実施形態では、吸気弁側と排気弁側との両方が、いずれも可変動弁機構として構成されている。
つまり、吸気用のロッカシャフト32には、低速カム31bによって揺動するロッカアーム(第1のロッカアーム)133と、高速カム31cによって揺動するロッカアーム(第2のロッカアーム)135とが、揺動自在に軸支されている。ロッカアーム133とロッカアーム135との間には、第1実施形態と同様の第1の連結切換機構41aが介装されている。
【0057】
ロッカアーム133の一端側は二股に分かれており、各端部がそれぞれ吸気弁11,12を駆動するようになっている。第1の連結切換機構41aが切り離し状態の場合には、ロッカアーム133は、ロッカアーム135の動きに影響されることなく、低速カム31bのカムプロフィルに対応して揺動し、吸気弁11,12を図8(a)に実線で示すように低速対応で開閉する。連結切換機構41aが連結状態の場合には、ロッカアーム135の係合突起135aを通じて、ロッカアーム133は、ロッカアーム135と一体に高速カム31cのカムプロフィルに対応して揺動し、吸気弁11,12を図8(b)に実線で示すように高速対応で開閉する。
【0058】
一方、排気用のロッカシャフト36には、エンジンの低速時に応じた低速カム31fによって揺動するロッカアーム137と、高速カム31gによって揺動するロッカアーム139とが、揺動自在に軸支されている。ロッカアーム137とロッカアーム139との間には、第1実施形態と同様の第2の連結切換機構41bが介装されている。
【0059】
ロッカアーム137の一端側は二股に分かれており、各端部がそれぞれ排気弁21,22を駆動するようになっている。第2の連結切換機構41bが切り離し状態の場合には、ロッカアーム137は、ロッカアーム139の動きに影響されることなく、低速カム31fのカムプロフィルに対応して揺動し、排気弁21,22をエンジンの低速運転に対応させて開閉する。連結切換機構41bが連結状態の場合には、ロッカアーム139の係合突起139aを通じて、ロッカアーム137は、ロッカアーム139と一体に高速カム31gのカムプロフィルに対応して揺動し、排気弁21,22をエンジンの高速運転に対応させて開閉する。
【0060】
そして、ロッカアーム(第2のロッカアーム)135及びロッカアーム139には、図3に示すように、ロッカアーム135,139をカム31c、31gから離隔しないようにする第1,第2の付勢部材としてアームスプリング43A,43Bがそれぞれ設置されている。
なお、各連結切換機構41a,41bの油圧調整装置(ピストン位置切換装置)42においては、第1実施形態のものと同様に、ピストン151を非係止位置に付勢するリターンスプリング152が、ピストン151及びシリンダ150に対して係合突起35aから離れる方向に偏心して配置され、ピストン151の係合面154は肉厚に形成され、スプリングガード部155は係合面154よりも大きく窪んで薄肉に形成されている。
【0061】
本発明の第2実施形態としての内燃機関の動弁装置は、上述のように構成されているので、第1実施形態と同様に、リターンスプリング152の偏倚によりリターンスプリング152と干渉しない係合突起35aの可動範囲を大きく取れ、ロッカアーム35を通じてロッカアーム33,34を高速カム31cに応じて作動させる際にバルブリフト量を十分に確保することができるようになる利点や、係合面154の肉厚が大きく形成されているので、動弁系の動力伝達部位の剛性を十分に確保でき動弁装置本来の性能を確実に発揮することができるようになる利点が得られる。
【0062】
このように、第1実施形態と同様の利点を得ながら、ピストンの大型化、ひいては、装置の大型化や重量増やピストンの位置切り換えにかかる駆動力の増大を抑制することができ、リターンスプリングの弾性力も確保できるようになる。
さらに、万一、係合突起35aがピストン151内のリターンスプリング152側に進入してきた場合も、スプリングガード部155がリターンスプリング152を保護し、ターンスプリング152の損傷が防止される。
【0063】
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、スプリングガード部155を設けているが、係合突起35aがピストン151内のリターンスプリング152に接触するおそれがなければ、スプリングガード部155を省いてもよい。この場合、リターンスプリング152と干渉しない係合突起35aの可動範囲をより大きく取ることができる。
【0064】
さらに、上記第1,第2実施形態においては、低速カムによって駆動されるロッカアーム33,34,133にシリンダ,ピストン及び開口部を設け、高速カムによって駆動されるロッカアーム35,135に係合突起を設けているが、これとは逆に、ロッカアーム33,34,133に係合突起を設け、ロッカアーム35,135にシリンダ,ピストン及び開口部を設けているが、シリンダ,ピストン及び開口部を設けるように構成してもよい。
【0065】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の内燃機関の動弁装置によれば、コイル状のリターンスプリングがピストンに対して係合突起から離れる方向に偏心して配置されていることにより、係合突起とリターンスプリングとの干渉を回避しながら、第2のロッカアームの係合突起の可動範囲を大きく取れるようになり、第1のロッカアームを第2の高速カムに応じて作動させる際のバルブリフト量を十分に確保することができるようになる(請求項1)。
【0066】
また、ピストンが係合位置にあると開口部に位置し、ピストンが非係合位置にあると開口部から外れる係合部をピストンの肉厚部に設けているので、この係合面にバルブリフト荷重が働いた場合にも、この係合面が変形しにくく、動弁系の動力伝達部位の剛性を十分に確保できるようになり、動弁装置本来の性能を確実に発揮することができるようになる(請求項1)。
【0067】
特に、リターンスプリングの偏心配置によって、係合面及びこの近傍を部分的に肉厚増加させるようにすることができ、ピストンを大型化することなく、また、リターンスプリングを過剰に小型化することなく、動弁系の動力伝達部位の剛性を確保することができるようになる(請求項1)。
係合面を円筒面状に形成し、係合突起における係合面との当接部分をこの係合面に沿った凹面状に形成することで、係合突起を係合面に確実に当接させることができ、係合突起とピストンとを通じて第1のロッカアームの第2のロッカアームとの連動を確実且つ適正に行なえる(請求項2)。
【0068】
さらに、万一、係合突起5aがピストン内のリターンスプリングに進入してきた場合も、スプリングガード部がリターンスプリングを保護するので、係合突起がリターンスプリングに接触することがなくターンスプリングの損傷が防止される(請求項1)。
そして、前記スプリングガード部が、前記係合突起の凹面に沿うように円筒面状に形成されているため、係合突起の凹面は、スプリングガード部表面に接触する際に、スプリングガード部側に大きく進入して接触するようになり、それだけ、係合突起の可動範囲を拡大できる利点があり、第2のロッカアームのリフト量を大きくすることができる(請求項1)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関の動弁装置の要部(ピストン位置切換装置)を示す模式的な断面図であり、(a)はピストンが非係合位置にある時の縦断面図、(b)はピストンが係合位置にある時の縦断面図、(c)はピストンが係合位置にある時の横断面図(図1(b)におけるA−A矢視断面図)である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関の動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な側面図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる内燃機関の動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な展開断面図(図4と対応する図)である。
【図4】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置及び本発明の第1実施形態にかかる内燃機関の動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な展開断面図(図5のB−B矢視断面図)である。
【図5】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な側面図である。
【図6】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置におけるピストン位置切換装置を示す模式的な断面図であって、(a)は非連結状態を示し、(b)は連結状態を示す。
【図7】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置及び本発明の各実施形態にかかる内燃機関の動弁装置における連結切換機構の油圧調整機構を示す模式的な断面図である。
【図8】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置及び本発明の各実施形態にかかる内燃機関の動弁装置における動弁特性を示すグラフであって、(a)は低速時の特性を示し、(b)は高速時の特性を示す。
【図9】本発明の案出過程で創案された内燃機関の動弁装置におけるピストン位置切換装置を示す模式的な断面図であり、(a)はピストンが非係合位置にある時の縦断面図、(b)はピストンが係合位置にある時の縦断面図、(c)はピストンが係合位置にある時の横断面図(図9(b)におけるC−C矢視断面図)である。
【符号の説明】
11,12 吸気弁
21,22 排気弁
31a,31b 低速カム(第1のカム)
31c 高速カム(第2のカム)
32 吸気側ロッカシャフト(第1のロッカシャフト)
33,34,133 第1のロッカアーム
35,135 第2のロッカアーム
35a,135a,139a 係合突起
36 吸気側ロッカシャフト(第2のロッカシャフト)
41 連結切換機構
41a 第1の連結切換機構
41b 第2の連結切換機構
42 油圧調整装置(ピストン位置切換装置)
150 シリンダ
151 ピストン
152 リターンスプリング
153 開口部
154 ピストン151の側面(係合部)
155 スプリングガード部
156 回り止めピン
Claims (2)
- 先端が吸気弁又は排気弁の一方に連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、
前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、
前記の第1,第2のロッカアームの一方のロッカアームに形成されたシリンダと、
前記シリンダ内に摺動自在に装着されたピストンと、
前記の第1,第2のロッカアームの他方のロッカアームに突設され前記ピストンに形成された係合部に係合可能な係合突起と、
前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえ、
前記ピストン位置切換装置は、前記ピストンを前記非係合位置に付勢するコイル状のリターンスプリングをそなえ、
前記リターンスプリングが前記ピストンに対して前記係合突起から離れる方向に偏心して配置され、
前記シリンダには、前記他方のロッカアームの揺動に伴う前記係合突起の揺動を許容する開口部が形成され、
前記ピストンには、前記リターンスプリングの一端側を収納する凹所が形成され、
前記ピストンの前記凹所回りの前記係合突起側には、前記係合部を有する厚肉部が設けられ、前記厚肉部は、前記ピストンが前記係合位置にあると前記シリンダの前記開口部に位置し、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記シリンダの前記開口部から外れ、
前記リターンスプリングが前記係合突起の前記ピストン側に対する相対的な揺動軌跡の延長上に配置されると共に、
前記ピストンの前記係合突起側には、前記ピストンが前記非係合位置にあるときに前記係合突起の揺動軌跡の延長上に前記リターンスプリングを覆うように位置するスプリングガード部が設けられ、
前記スプリングガード部が、前記係合突起の凹面に沿うように円筒面状に形成されている
ことを特徴とする、内燃機関の動弁装置。 - 前記ピストンが円筒状部分をそなえ、該円筒状部分に前記厚肉部が形成されると共に前記厚肉部に設けられた前記係合部が円筒面状に形成され、
前記係合突起における前記係合部との当接部分が、前記係合部に沿った凹面状に形成されている
ことを特徴とする、請求項1記載の内燃機関の動弁装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151362A JP4362028B2 (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 内燃機関の動弁装置 |
CNB031365345A CN1282820C (zh) | 2002-05-24 | 2003-05-22 | 内燃机的阀系统 |
US10/443,988 US6763793B2 (en) | 2002-05-24 | 2003-05-23 | Valve system for internal combustion engine |
DE10323428A DE10323428A1 (de) | 2002-05-24 | 2003-05-23 | Ventilsystem für Verbrennungsmotoren |
KR10-2003-0032813A KR20030091763A (ko) | 2002-05-24 | 2003-05-23 | 내연 기관의 가변 밸브 장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002151362A JP4362028B2 (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 内燃機関の動弁装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003343226A JP2003343226A (ja) | 2003-12-03 |
JP4362028B2 true JP4362028B2 (ja) | 2009-11-11 |
Family
ID=29768979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002151362A Expired - Lifetime JP4362028B2 (ja) | 2002-05-24 | 2002-05-24 | 内燃機関の動弁装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4362028B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4239964B2 (ja) | 2004-12-20 | 2009-03-18 | 三菱自動車工業株式会社 | 内燃機関の動弁装置 |
KR100974122B1 (ko) * | 2005-04-14 | 2010-08-04 | 미쯔비시 지도샤 고교 가부시끼가이샤 | 내연 기관의 밸브 구동 장치 |
-
2002
- 2002-05-24 JP JP2002151362A patent/JP4362028B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003343226A (ja) | 2003-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1172528B1 (en) | Valve drive device of four-stroke cycle engine | |
KR950014401B1 (ko) | 가변밸브 타이밍기구부착 밸브 구동계 구조 | |
JP4143842B2 (ja) | 内燃機関の休筒機構付き動弁装置 | |
EP1878883B1 (en) | Valve operating device for internal combustion engine | |
JP4362028B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JP4003537B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JP4026410B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
WO2004074647A1 (ja) | エンジンの弁作動装置 | |
US6763793B2 (en) | Valve system for internal combustion engine | |
JP4239964B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
US7007646B2 (en) | Valve gear with cylinder suspending mechanism of an internal combustion engine | |
JP4366050B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JP2008267332A (ja) | 内燃機関 | |
JP4106556B2 (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JP4196193B2 (ja) | 内燃機関の休筒機構付き動弁装置 | |
JP3994835B2 (ja) | 内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法 | |
JP2005146956A (ja) | 内燃機関の可変動弁装置 | |
JP4150920B2 (ja) | 内燃機関の休筒機構付き動弁装置 | |
JP4150919B2 (ja) | 内燃機関の休筒機構付き動弁装置 | |
JP2514912B2 (ja) | エンジンの動弁装置 | |
JP2004019471A (ja) | 内燃機関の動弁装置 | |
JP3875335B2 (ja) | エンジンの弁作動装置 | |
JP3357487B2 (ja) | エンジンの弁作動装置 | |
JP2005146955A (ja) | 内燃機関の可変動弁装置 | |
JP2005146957A (ja) | 内燃機関の可変動弁装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040824 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061020 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061024 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061225 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070522 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070717 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20070727 |
|
A912 | Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070824 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090707 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090814 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4362028 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140821 Year of fee payment: 5 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |