JP3994835B2 - 内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法 - Google Patents

内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の吸気弁や排気弁を機関の運転状態に応じて異なる駆動タイミングで開閉駆動しうる、内燃機関用可変動弁装置に関し、特に、そのバルブクリアランス調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、往復動式内燃機関(以下、エンジンという)に備えられる吸気弁や排気弁(以下、これらを総称して機関弁又は単にバルブともいう)の作動特性(開閉タイミングや開放期間)を、エンジンの負荷状態や速度状態に応じて最適なものになるように切り換えることのできる可変動弁装置(可変動弁機構、或いは単に動弁装置ともいう)が開発され実用化されている。
【0003】
このような動弁装置において作動特性を切り換える機構の一つとして、例えばエンジンの低速回転時に適したカムプロフィルを備えた低速用カムとエンジンの高速回転時に適したカムプロフィルを備えた高速用カムとを、エンジンの回転状態に応じて選択的に用いて機関弁を開閉作動させるようにしたものが開発されており、以下のような技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2参照)。
【0004】
この技術では、基本的には低速用カムにより揺動して機関弁を駆動する駆動ロッカアームと、低速用カムを包含するカムプロフィルを有する高速用カムにより揺動する自由ロッカアームと、駆動ロッカアームと自由ロッカアームとの間に設けられた連結切換機構とをそなえている。そして、連結切換機構を切り離し状態にすると、自由ロッカアームは自由に揺動し、駆動ロッカアームは低速用カムにより揺動して低速用カムのカムプロフィルに応じた特性で機関弁を駆動し、一方、連結切換機構を連結状態にすると、自由ロッカアームと駆動ロッカアームとが一体に揺動し、駆動ロッカアームは高速用カムのカムプロフィルに応じた特性で機関弁を駆動する。
【0005】
ところで、図8,図9は本発明の案出過程で提案された動弁装置の構造を示すものである。図8,図9に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10には、各気筒毎に2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられている。
これらの吸排気弁を駆動する動弁系は、吸気弁11,12を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁21,22を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。吸気弁駆動系は、カムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31a〜31cと、ロッカシャフト32と、ロッカシャフト32に揺動自在に軸支され各カム31a〜31cによって揺動するロッカアーム33〜35とをそなえている。排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31d,31eと、ロッカシャフト36と、ロッカシャフト36に揺動自在に軸支され各カム31d,31eによって揺動するロッカアーム37,38(図9では省略)とをそなえている。
【0006】
そして、吸気弁駆動系の部分に、連結切換機構41を有する可変動弁機構40が設けられている。
つまり、吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうちロッカアーム33,34は一端のアジャストスクリュ33a,34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11はロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12はロッカアーム34の揺動に応じて開閉するようになっている。
【0007】
ロッカアーム33は、他端のローラ33bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム31aに当接させており、低速用カム31aに応じて揺動すると、吸気弁11を図12(a)に一点鎖線で示すような特性で開放するようになっている。ロッカアーム34は、他端のローラ34bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム31bに当接させており、低速用カム31bに応じて揺動すると、吸気弁11を図12(a)に実線で示すような特性で開放するようになっている。
【0008】
一方、ロッカアーム35は、一端の係合突起35aがロッカアーム33,34に係合可能になっており、他端に設けられたローラ35bは、エンジンの高速回転時に対応した高速用カムプロフィルに形成された高速用カム31cに当接している。
ロッカアーム33,34側におけるロッカアーム35の一端が当接しうる部位には、係合用開口部53をそなえたシリンダ50が形成され、このシリンダ50内にはピストン51が内蔵されている。
【0009】
シリンダ50内には、ロッカシャフト32側から油路32a,32bを通じて圧油(ここでは潤滑油が兼用される)が供給されるようになっており、シリンダ50内の油圧が高められると、図10(b)に示すように、ピストン51が一端に油圧を受けて係合用開口部53を塞ぐような位置に突出するように駆動される。
【0010】
また、シリンダ50内の油圧が弱められると、図10(a)に示すように、ピストン51がリターンスプリング52の付勢力によって係合用開口部53から外れた状態に没するように駆動される。
このようなシリンダ50内のピストン51と、シリンダ50内の油圧を調整する油圧調整装置42とから、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連結状態を切り換える連結切換機構41が構成され、この連結切換機構41と吸気弁駆動系とから可変動弁機構40が構成されている。
【0011】
なお、油圧調整装置42は、図11に示すように、エンジン下部のオイルパン(図示略)からシリンダブロック10にポンプアップされた潤滑油をロッカシャフト32内の油路32aに供給する潤滑油供給路42a〜42cと、潤滑油供給路42cの途中に介装されたオイルコントロールバルブ42dと、このオイルコントロールバルブ42dの開度を制御する図示しないコントローラとから構成されている。潤滑油供給路42a,42bには、フィルタ42eが介装され、潤滑油を濾過したうえでシリンダ33d,34d内へ供給するようになっている。
【0012】
したがって、油圧調整装置42によってシリンダ50内の油圧が弱められるとピストン51が埋没した非係合状態となり(図10(a)参照)、シリンダ50の係合用開口部53には空間が形成されて、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこの空間内に出没するが、ロッカアーム33,34自体には接触しない。これによって、ロッカアーム33,34は各対応カム31a,31bに応じて揺動し、吸気弁11,12を開閉駆動する。
【0013】
一方、油圧調整装置42によってシリンダ50内の油圧が高められるとピストン51が突出した係合状態となり(図10(b)参照)、シリンダ50の係合用開口部53にはピストン51が存在するようになって、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこのピストン51の側面(係合面)54に当接してピストン51を介してロッカアーム33,34を揺動させる。このとき、ロッカアーム33,34は、各対応カム31a,31bに対しては離隔しながら、ロッカアーム35に駆動されて高速用カム31cに応じて揺動し、吸気弁11,12をエンジンの高速回転時に対応させて図12(b)に実線で示すような特性で開放する。
【0014】
したがって、油圧調整装置42は、ピストン51の位置を係合突起35aが係合する係合位置と係合突起35aが係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置として機能する。
ところで、このような動弁装置では、ロッカアーム33,34は、一端のアジャストスクリュ33a,34aを調整することで、吸気弁11,12との位置関係の調整(したがって、バルブクリアランス調整)を行なうことができるので、ピストン51が非係合位置となった場合には、ロッカアーム33,34を通じて吸気弁11,12を低速用カム31a,低速用カム31bのカムプロフィルに応じて適切に開閉動させることができる。また、ロッカアーム33,34と吸気弁11,12との間に、HLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャスタ,Hydraulic Lash Adjuster)が設けられていれば、ロッカアーム33,34と吸気弁11,12との位置関係(バルブクリアランス)は自動調整される。
【0015】
しかし、ピストン51が係合位置となった場合には、ロッカアーム33,34はピストン51や係合突起35aを介してロッカアーム35と一体に揺動し、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連携部分に調整機構を設けない限り、バルブクリアランス調整はできず、ピストン51や係合突起35a等の関連部材の加工誤差や、これらの組み付け誤差によっては、吸気弁11,12を所望の特性(図12(b)参照)で開閉駆動させることができない。
【0016】
ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連携部分に調整機構を設けるようなことはせず、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との組み合わせによってバルブクリアランスは決まってしまい、調整することはできないのが一般的である。
そこで、加工精度や組み付け精度を大幅に上げて、ピストン51や係合突起35a等の関連部材の加工誤差や、これらの組み付け誤差を極力少なくすることが必要になるが、加工精度や組み付け精度を上げるには大幅なコスト増を招いてしまう。
【0017】
また、バルブクリアランスを適性にするために、ロッカアーム33,34とロッカアーム35とを選別して組み合わせる方法も考えられるが、例えば、上述の動弁装置のように、1つのロッカアーム35によって2つのロッカアーム33,34を連携動作させる場合に、3つのロッカアーム33,34,35の組み合わせを選定しなくてはならず、組立工数の増大と、選別ストックを要することからコスト増を招いてしまう。
【0018】
また、各ロッカアーム33,34,35に装着するローラ(ローラベアリング)として外径の異なるものを複数用意して、これらから適切な径のローラを選択して組み付けることにより、バルブクリアランスを適性にする方法も考えられている(例えば、特許文献3参照)。
【0019】
【特許文献1】
特開昭63−170513号公報
【特許文献2】
特許第2586163号公報
【特許文献3】
特許第2546061号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術(例えば、特許文献3参照)の場合、適切な径のローラを選択するために、低速の各ロッカアームに組み付けるローラをそれぞれ準備する必要がある。即ち、例えばローラ幅の異なるローラや外径サイズ違いのローラを複数種類準備する必要がある。さらに、ローラは例えばニードル,シャフト,外輪というように構成部品が多く、基準品で採寸して逆算して組み替えたとしても構成部品のばらつきは解消されないので管理幅を小さく設定する必要があり、大幅なコスト増を招く。
【0021】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、位置切換可能なピストンとこのピストンと当接して連係動作しうる係合部材とによって機関弁の開閉タイミングの切換を行なう動弁装置において、組立工数の増大やコスト増を抑えながら連係動作時のバルブクリアランスを適正に調整することができるようにした、内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法(請求項1)は、先端が吸気弁又は排気弁の一方に連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、前記第1のロッカアームに形成されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動自在に装着されたピストンと、前記第2のロッカアームに突設され前記係合用開口部から前記シリンダ部分に進入して前記ピストンに形成された係合面に係合可能な係合突起と、前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえるとともに、前記第1のロッカアームは、前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整するアジャストスクリュをそなえ、前記第1のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第1のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成された内燃機関用可変動弁装置における前記ロッカシャフトへの前記第1及び第2のロッカアームの組み付け前に行なうバルブクリアランス調整方法であって、前記ピストンとして、基準ピストンを含み且つ前記係合突起との当接位置が異なるように前記係合部を夫々形成した複数のピストンが用意され、第1工程で、前記シリンダに前記基準ピストンを嵌装し、第2工程で、前記第1工程で嵌装した前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させて、前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記第1のロッカアームをこれに対応する前記第1のカムのカムベース円との摺接位置に位置決めし、第3工程で、前記第2工程で位置決めした状態で、前記第2のロッカアームとこれに対応する前記第2のカムのカムベース円との距離を計測し、第4工程で、前記第3工程で計測された距離が予め定めた範囲内であるか否かを判定する。
【0023】
そして、前記第4工程で、前記距離が予め定めた範囲内であると判定された場合には、嵌装されている前記基準ピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定し、前記第4工程で、前記距離が予め定めた範囲外であると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように前記基準ピストンと異なる他の係合部を有するピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定して、前記基準ピストンを取り外し前記選定されたピストンを前記シリンダに嵌装する。これにより、前記ピストンが前記係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整し、前記アジャストスクリュにより前記第1のロッカアームと前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整することにより、前記ピストンが前記非係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整する。
【0024】
さらに、前記の吸気弁及び排気弁の一方が複数備えられ、前記第1のロッカアームが前記複数の弁のそれぞれに連携するように複数の連携部をそなえ、前記第2工程において、前記第1工程で嵌装した前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させ、前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記第2のロッカアームを前記第2カムのカムベース円の摺接位置に位置決めし、前記第3工程において、前記第2工程で位置決めした状態で、前記第1のロッカアームと前記第1のカムのカムベース円との摺接位置との距離を計測し、前記の第1〜第4工程を実施して嵌装すべき適切なピストンを選定するように構成してもよい(請求項2)。
【0025】
また、前記の吸気弁及び排気弁の一方が複数備えられ、前記第1のロッカアームが前記複数の弁のそれぞれに対応して個々に設けられ、前記の各第1のロッカアームに対応して前記第1のカムがそれぞれ設けられるとともに、前記シリシダと、前記係合突起と、前記ピストン位置切換装置とが、前記の各第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間にそれぞれ設けられて、前記第1工程において、前記複数のシリンダ内に前記基準ピストンを嵌装し、前記第2工程において、前記第1工程で嵌装した前記複数のロッカアームの前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させ、それぞれの前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれかのロッカアームを対応するカムのカムベース円の摺接位置に位置決めし、前記第3工程において、前記第2工程で位置決めした状態で、前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのうち対応するカムのガムベース円に摺接しないものに対し対応するカムのカムベースとの距離をそれぞれ計測し、前記第4工程において、前記第3工程で計測されたそれぞれの距離に基づいて前記の各第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間での前記距離の差が予め定めた範囲内であるか否かを判定することによって、嵌装すべき適切なピストンを選定するように構成してもよい(請求項3)。
【0026】
また、本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法(請求項4)は、吸気弁及び排気弁の一方が二つそなえられ、先端が上記の吸気弁及び排気弁の一方のうちの一つに連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、先端が上記の吸気弁及び排気弁の一方のうちの残る一つに連係され、前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記の第1,第2のカムとカム形状の異なる第3のカムにより駆動される第3のロッカアームと、前記の第1及び第3のロッカアームにそれぞれ形成されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動自在に装着されたピストンと、前記第2のロッカアームに突設され、前記ピストンに形成された係合部にそれぞれ係合可能な係合突起と、前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえるとともに、前記第1,2,3のロッカアームは、それぞれ前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整するアジャストスクリュをそなえ、前記第1のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第1のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成され、前記第3のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第3のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成された内燃機関用可変動弁装置における前記ロッカシャフトへの前記の第1,第2及び第3のロッカアームの組み付け前に行なうバルブクリアランス調整方法であって、前記ピストンとして、基準ピストンを含み且つ前記係合突起との当接位置が異なるように前記係合部を夫々形成した複数のピストンが用意され、第1工程で、前記の各シリンダに対して、前記シリンダ内に前記基準ピストンを嵌装し、第2工程で、前記第1工程で嵌装した前記の各基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させて、前記の各基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記の第1,第2及び第3のロッカアームのいずれかを対応するカムのカムベース円との摺接位置に位置決めし、第3工程で、前記第2工程で位置決めした状態で、前記の第1,第2及び第3のロッカアームの残りの2つのロッカアームについて対応するカムのカムベース円との距離をそれぞれ計測して、第4工程で、前記第3工程で計測された各距離から、前記第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間、及び、前記第2のロッカアームと前記第3のロッカアームとの間における、前記距離の差が予め定めた範囲内であるか否かを判定する。
【0027】
そして、前記第4工程で、前記距離の差が予め定めた範囲内であると判定された場合には、嵌装されている前記基準ピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定し、前記第4工程で、前記距離の差が予め定めた範囲外であると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように前記基準ピストンと異なる他の係合部を有するピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定して、前記基準ピストンを取り外し前記選定されたピストンを前記シリンダに嵌装する。これにより、前記ピストンが前記係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整し、前記アジャストスクリュにより前記の第1,第2及び第3のロッカアームと前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整することにより、前記ピストンが前記非係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整する。
【0028】
また、前記ピストンとして、何れも円筒状に形成され前記基準ピストンを含み外径の異なる複数のピストンが用意され、前記の第1〜第4工程を実施して嵌装すべき適切なピストンを選定することが好ましい(請求項5)。
さらに、前記の第1のロッカアーム又は前記の第1,第3のロッカアーム方に、前記シリンダの外周に設けられた係合用開口部及び前記シリンダの端部に設けられたピストン挿入用開口部が形成され、前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記選定されたピストンを前記係合突起との非係合位置に付勢するスプリングを前記ピストン挿入用開口部から挿入してから、前記ピストン挿入用開口部を閉塞する第5工程をそなえていることが好ましい(請求項6)。
【0029】
あるいは、前記シリンダの前記ロッカシャフトから離隔する外端側が開口した形状に形成されると共に、前記ピストンを前記係合突起との非係合位置又は係合位置に付勢するように前記ピストンよりも前記シリンダの開口側に配設されたスプリングと、前記シリンダの開口部分に装着され前記スプリングを保持するスプリング保持部材とを有し、前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記シリンダ内に嵌装された前記選定されたピストンの外端側に前記スプリングを配置させて前記スプリング保持部材を装着して前記スプリングを前記シリンダ部分に保持させる第5工程をそなえるようにしてもよい(請求項7)。
【0030】
また、前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記の第1,第2のロッカアームを1セットとして個別に管理して、前記内燃機関の1気筒に組み込むことが好ましい(請求項8)。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1〜図5は本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置とそのバルブクリアランス調整方法を示すもので、図1はそのバルブクリアランス調整方法を示すフローチャート、図2はそのピストン位置切換装置を示す模式的な断面図、図3はその動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な側面図、図4,図5はそのバルブクリアランス調整方法を説明する図である。なお、図2〜図5において、図8〜図11と同符号は同様のものを示す。また、一部については図8,図10〜図12を参照して説明する。
【0032】
この動弁装置は、ピストン位置切換装置に特徴があり、この部分を除いては、すでに図8〜図11を参照して説明した本発明の案出過程で創案されたものと同様に構成されている。
つまり、図8,図3に示すように、エンジンの各気筒上方のシリンダヘッド10には、各気筒毎に2つの吸気弁11,12と2つの排気弁21,22とが備えられている。
【0033】
これらの吸排気弁を駆動する動弁系は、吸気弁11,12を駆動する吸気弁駆動系と、排気弁21,22を駆動する排気弁駆動系とに分けられる。
吸気弁駆動系は、カムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31a〜31cと、吸気用ロッカシャフト(第1のロッカシャフト)32と、このロッカシャフト32に揺動自在に軸支され各カム31a〜31cによって揺動するロッカアーム33〜35とをそなえている。
【0034】
排気弁駆動系は、吸気系と共用のカムシャフト31と、カムシャフト31に固設されたカム31d,31eと、排気用ロッカシャフト36(第2のロッカシャフト)と、このロッカシャフト36に揺動自在に軸支され各カム31d,31eによって揺動するロッカアーム37,38(図3では省略)とをそなえている。
そして、吸気弁駆動系の部分に、連結切換機構41を有する可変動弁機構40が設けられている。
【0035】
つまり、吸気弁駆動用のロッカアーム33〜35のうちロッカアーム(第1のロッカアーム)33及びロッカアーム(第3のロッカアーム)34は一端のアジャストスクリュ33a,34aを吸気弁11,12のステム端部に当接させており、吸気弁11はロッカアーム33の揺動に応じて開閉し、吸気弁12はロッカアーム34の揺動に応じて開閉するようになっている。
【0036】
ロッカアーム33は、他端のローラ33bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム(第1のカム)31aに当接させており、低速用カム31aに応じて揺動すると、吸気弁11を図12(a)に一点鎖線で示すような特性で開放するようになっている。
ロッカアーム34は、他端のローラ34bを、エンジンの低速回転時に対応した低速用カムプロフィルに形成された低速用カム(第3のカム)31bに当接させており、低速用カム31bに応じて揺動すると、吸気弁11を図12(a)に実線で示すような特性で開放するようになっている。
【0037】
一方、ロッカアーム(第2のロッカアーム)35は、一端に突設された係合突起35aがロッカアーム33,34に係合可能になっており、他端に設けられたローラ35bは、エンジンの高速回転時に対応した高速用カムプロフィルに形成された高速用カム(第2のカム)31cに当接している。
ロッカアーム33,34側におけるロッカアーム35の一端が当接しうる部位には、図2(a)〜(c)に示すように、上部側面に係合用開口部153をそなえ、上端面にピストン挿入用開口部159をそなえたシリンダ150が形成され、このシリンダ150内にはピストン151が内蔵されている。なお、ピストン挿入用開口部159には、シリンダ150内にピストン151等を内装した後で蓋160が装着される。
【0038】
また、シリンダ150には、ロッカシャフト32側から油路32a,32bを通じて圧油(ここでは潤滑油が兼用される)が供給されるようになっており、シリンダ150内の油圧が高められると、図10(b)に示すように、ピストン151が一端に油圧を受けて係合用開口部153を塞ぐような位置に突出するように駆動される。
【0039】
また、シリンダ150内の油圧が弱められると、図10(a)に示すように、ピストン151がリターンスプリング152の付勢力によって係合用開口部153から外れた状態に没するように駆動される。
このようなシリンダ150内のピストン151と、シリンダ150内の油圧を調整する油圧調整装置42とから、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連結状態を切り換える連結切換機構41が構成され、この連結切換機構41と吸気弁駆動系とから可変動弁機構40が構成されている。
【0040】
なお、油圧調整装置42は、図11に示すように、エンジン下部のオイルパン(図示略)からシリンダブロック10にポンプアップされた潤滑油をロッカシャフト32内の油路32aに供給する潤滑油供給路42a〜42cと、潤滑油供給路42cの途中に介装されたオイルコントロールバルブ42dと、このオイルコントロールバルブ42dの開度を制御する図示しないコントローラとから構成されている。潤滑油供給路42a,42bには、フィルタ42eが介装され、潤滑油を濾過したうえでシリンダ150内へ供給するようになっている。
【0041】
したがって、油圧調整装置42によってシリンダ150内の油圧が弱められるとピストン151が埋没状態となり(図2(a)参照)、シリンダ150の係合用開口部153には空間が形成されて、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこの空間内に出没するが、ロッカアーム33,34自体には接触しない。これによって、ロッカアーム33,34は各対応カム31a,31bに応じて揺動し、吸気弁11,12を開閉駆動する。
【0042】
一方、油圧調整装置42によってシリンダ150内の油圧が高められるとピストン151が突出状態となり(図2(b)参照)、シリンダ150の係合用開口部153にはピストン151が存在するようになって、ロッカアーム35の揺動時には、ロッカアーム35の一端の係合突起35aはこのピストン151に当接してピストン151を介してロッカアーム33,34を揺動させる。このとき、ロッカアーム33,34は、各対応カム31a,31bに対しては離隔しながら、ロッカアーム35に駆動されて高速用カム31cに応じて揺動し、吸気弁11,12をエンジンの高速回転時に対応させて図12(b)に実線で示すような特性で開放する。
【0043】
したがって、油圧調整装置42は、ピストン151の位置を係合突起35aが係合する係合位置と係合突起35aが係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置として機能する。
さらに、本動弁装置では、ピストン151を非係止位置に付勢するコイル状のリターンスプリング152が、ピストン151及びシリンダ150に対して係合突起35aから離れる方向に偏心して配置されている。
【0044】
つまり、図2(a)〜(c)に示すように、ピストン151には、その一端側(ここでは上面)に、リターンスプリング152の一端(ここでは下端)を収容する正面視円形の凹所151aが形成され、シリンダ150の一端側(ここでは上部の下向き面)に、リターンスプリング152の他端(ここでは上端)を収容する正面視円形の凹所150aが形成されているが、これらの凹所151a,150aは、ピストン151及びシリンダ150の軸心線に対して係合突起35aから離れる方向に偏心して形成されている。したがって、これらの凹所151a,150aに両端を係止されるリターンスプリング152も、係合突起35aから離れる方向に偏心して配置されている。
【0045】
この偏心配置によって、ピストン151の凹所151a周りの側面のうちピストン151の係合突起35aが係合する側の部分(係合面)154においては、肉厚が大きく形成されており、ピストン151が係合位置にあるときに、この肉厚が大きい係合面154がシリンダ150の係合用開口部153に位置して、この係合面154に係合突起35aが当接するようになっている。なお、ピストン151が非係合位置にあるときには、ピストン151が後退(埋没)し、この肉厚の係合面154はシリンダ150の係合用開口部153から外れる。
【0046】
また、ピストン151における係合突起35a側の側面のうち係合面154よりも先端側の切り欠き部157には、スプリングガード部155が設けられている。このスプリングガード部155は、ピストン151が非係合位置にあるときには、係合突起35aの移動軌跡の延長線上、即ち、シリンダ150の係合用開口部153に位置し、通常は係合突起35aと接触しないが、何らかの条件で係合突起35aとピストン151との相対位置関係が変化して係合突起35aがピストン151内のリターンスプリング152側に進入してくる場合も考えられる。このような際には、スプリングガード部155がリターンスプリング152を保護するため、係合突起35aがリターンスプリング152に接触するようなことはなく、かかる接触によるリターンスプリング152の損傷を回避することができるようになっている。
【0047】
すなわち、ピストン151が非係合位置にあるときには、ピストン151やその内部のリターンスプリング152は、係合突起35aと干渉してはならないので、ピストン151の外周における係合突起35aの移動軌跡の延長線上の部分を、係合突起35aと干渉しない程度まで凹ませるか、或いは、ピストン151の外周自体を除去することが必要になる。ピストン151の外周自体を除去すれば、係合突起35aの可動範囲をもっとも大きく取れるため、このように設定しても良いが、本実施形態では、係合突起35aの可動範囲はやや狭めることになるが、ピストン151内部のリターンスプリング152を保護するためにスプリングガード部155を設けているのである。
【0048】
また、ピストン151がシリンダ150内で回転しないように回り止めピン156がピストン151とシリンダ150との間に介装されている。つまり、ピストン151とシリンダ150との一方に回り止めピン156が突設され、他方に回り止めピン156が係合する係合溝が穿設され、ピストン151の軸方向移動を許容しながらピストン151がシリンダ150内で回転しないように規制する。
【0049】
一方、凸面状の円筒面で構成された係合面154と当接する係合突起35aは、係合面154に接触する先端面を係合面154と対応するような(ただし、係合面154よりもやや大径の)凹面状の円筒面により構成され、係合面154と確実に線接触しうるように構成されている。また、この係合突起35aの凹面状の先端面は、スプリングガード部155の凸面状表面に接触しない範囲で、スプリングガード部155側に大きく進入しうるようになっている。
【0050】
さらに、ロッカアーム(第1,第3のロッカアーム)33,34は吸気弁11,12にそれぞれそなえられたリターンスプリング(図示略)によって各対応するカム31a,31bから離隔しないように付勢されているが、ロッカアーム(第2のロッカアーム)35には、このような付勢力は作用していないので、図3(a)〜(c)に示すように、ロッカアーム35をカム31cから離隔しないようにする付勢部材としてアームスプリング43が設置されている。
【0051】
なお、アームスプリング43はスプリング本体43aとスプリング本体43aを内蔵するケーシング43bとからなり、スプリング本体43aの付勢力がケーシング43bを介してロッカアーム35に伝達されるようになっている。
アームスプリング43は、ホルダ144の一端部に形成された凹所144a内に装着され、ホルダ144によって支持されている。このホルダ144は、中間部に形成された軸穴144bに排気用ロッカアーム(第3のロッカアーム)37,38を支持するロッカシャフト(支持軸)36を挿通され、このロッカシャフト36に回転自在に支持されており、他端144cをシリンダヘッド10から上方に立設された支持部材としてのリブ(支柱)145に当接させている。
【0052】
つまり、ホルダ144は、ロッカシャフト36に回転自在に支持されているため、このままではアームスプリング43を支持しようとすると回転してしまうが、リブ145とリブ145に当接するホルダ144の他端(当接部)144cとから、ホルダ144のロッカシャフト36周りの回転を止める係止構造146が構成され、この係止構造146により、アームスプリング43を支持しうるようにホルダ144の回転が規制される。
【0053】
このように構成される動弁装置において、連結切換機構41の主要部分であるピストン151等の組み付けは、バルブクリアランス調整を行ないながら、以下のように行なう。
図4(a)〜(c)に示すように、ピストン151として、係合突起35aとの当接位置が異なるように係合部154を夫々形成された複数のピストン151A,151B,151Cを用意する。ここでは、複数のピストン151A〜151Cは、互いに外径が異なるようになっており、組み付け時に標準とされる基準径(外径中)を有する基準ピストン151Aと、基準ピストン151Aよりも大きい外径(外径大)を有する大径ピストン151Bと、基準ピストン151Aよりも小さい外径(外径小)を有する小径ピストン151Cとが用意されるものとする。
【0054】
なお、基準ピストン151Aは、設計基準に合わせて外径が設定される。また、大径ピストン151B及び小径ピストン151Cの基準ピストン151Aに対する径の大きさの差は極めて僅かなものであり、各ピストン151A〜151Cは共にシリンダ150内面とのバルブクリアランスが規定範囲に収まるようになっている。
【0055】
ここでは、互いに外径が異なる複数のピストン151A〜151Cを用意したが、各ピストンは、その側面の係合部154が係合突起35aに当接した際にロッカアーム(第1,第3のロッカアーム)33,34とロッカアーム(第2のロッカアーム)35との相対位置関係がそれぞれ異なるような関係にあればよい。各ピストンを円筒状にすることが最も加工性が良いので、ここでは外径を異ならせて係合部154の係合突起35aとの当接時の両ロッカアームの位置関係が異なるようにしているが、係合部154についてのみピストンの軸心からの距離が異なるような複数のピストンを用意しても良い。
【0056】
また、複数のピストンの種類は、ここでは、標準径の基準ピストン151Aと、基準ピストン151Aに対して大小2つのピストン151B〜151Cと、合わせて3種類用意しているが、基準ピストン151Aを含み更に多種類のピストンを用意したり、基準ピストン151Aとこれよりも大又は小のピストンとの2種類のみ用意したりすることも考えられる。
【0057】
ピストン151の組み付けにあたっては、本実施形態の場合、各気筒について、2つの吸気弁11,12がそなえられ、且つ、各吸気弁11,12毎に設けられたロッカアーム(第1,第3のロッカアーム)33,34にそれぞれシリンダ150が設けられて、これらのシリンダ150にピストン151を組み付けることになる。そこで、図4(d)に示すように、各ロッカアーム(第1,第3のロッカアーム)33,34のシリンダ150に対して、以下のような手順で、ピストン151を組み付けるようにする。
【0058】
つまり、図1に示すように、まず、複数のピストン151A〜151Cから基準ピストン151Aを選択し、各ロッカアーム(第1,第3のロッカアーム)33,34において、それぞれ、ピストン挿入用開口部159を介してシリンダ150内に選択した基準ピストン151Aを嵌装する(第1工程,ステップS10)。
【0059】
そして、嵌装した基準ピストン151Aを係合突起35aとの係合位置に位置させて、嵌装した基準ピストン151Aを係合突起35aに当接させた上で、図5に示すように、各カム31a,31b,31cのカムベース円に相当する軸(バルブクリアランス調整用ジグとしての軸)170に、各ロッカアーム(第1,第2,第3のロッカアーム)33,35,34の摺接部(ローラ)33b,35b,34bを接近させ、最も接近したロッカアームの摺接部(ローラ)をカムベース円相当軸170に当接させる。即ち、第1,第2及び第3のロッカアーム33,35,34のいずれかを対応するカムのカムベース円との摺接位置に位置決めする(ステップS20)。
【0060】
そして、この状態で、ロッカアームの摺接部(ローラ)がカムベース円相当軸170に当接していないものについて、その摺接部(ローラ)とカムベース円相当軸170との距離(本来摺接すべき部位間の距離)をそれぞれ測定する(第3工程,ステップS30)。
図5(a)に示す例では、第2のロッカアーム35の摺接部(ローラ)35bがカムベース円相当軸170に当接した状態で、第1のロッカアーム33の摺接部(ローラ)33b及び第3のロッカアーム34の摺接部(ローラ)34bはカムベース円相当軸170からそれぞれ距離d1,d2だけ離隔している。
【0061】
図5(b)に示す例では、第3のロッカアーム34のローラ34bがカムベース円相当軸170に当接した状態で、第1のロッカアーム33のローラ33b及び第2のロッカアーム35のローラ35bはカムベース円相当軸170からそれぞれ距離d3,d4だけ離隔している。
次に、第3工程で計測された距離に基づいて、第1のロッカアーム33のローラ33bのカムベース円相当軸170に対する距離と第2のロッカアーム35のローラ35bのカムベース円相当軸170に対する距離との差Δd12、及び、第3のロッカアーム34のローラ34bのカムベース円相当軸170に対する距離と第2のロッカアーム35のローラ35bのカムベース円相当軸170に対する距離との差Δd32を算出し、これらの差Δd12,Δd32が予め定めた範囲内であるか否かを判定する(第4工程,ステップS40)。
【0062】
図5(a)に示す例では、第2のロッカアーム35のローラ35bがカムベース円相当軸170に当接している(距離が0)ので、差Δd12は距離d1と等しくなり、差Δd32は距離d2と等しくなり、距離d1,d2が予め設定された値Δd0未満なら予め定めた範囲内であると判定し、距離d1,d2が予め設定された値Δd0以上なら予め定めた範囲内でないと判定することができる。
【0063】
図5(b)に示す例では、第3のロッカアーム34のローラ34bがカムベース円相当軸170に当接している(距離が0)ので、差Δd32は距離d4と等しくなり、一方、差Δd12は距離d3と距離d4との差(=d3−d4)となり、距離d4,差(d3−d4)が予め設定された値Δd0未満なら予め定めた範囲内であると判定し、距離d4,差(d3−d4)が予め設定された値Δd0以上なら予め定めた範囲内でないと判定することができる。
【0064】
第4工程で、前記差が予め定めた範囲内であると判定された場合には、嵌装した基準ピストン151Aを嵌装すべき適正なピストンに選定する(ステップS60)。
一方、第4工程で、前記差が予め定めた範囲内でないと判定された場合には、予め定めた範囲内となるように、複数のピストンのうち基準ピストン151Aと異なる他のピストンを選択する(ステップS60)。
【0065】
ここで、「予め定めた範囲内となるように」とは、「差が小さくなるように」とのことである。
これによって、シリンダ150に嵌装すべき適正なピストンを選定することができ、その後、ピストン151を係合突起35aとの非係合位置に付勢するスプリング152をピストン挿入用開口部159から挿入した後に、蓋(保持部材)160によってピストン挿入用開口部159を閉塞する(第5工程,ステップS70)。
【0066】
なお、このように各工程(第1〜第4工程)を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定したら、その後、これらのピストンを嵌装された第1,第3のロッカアーム33,34及び第2のロッカアーム35を1セットとして個別に管理して、内燃機関の1気筒に組み込むようにする。したがって、内燃機関の気筒数だけ上記の方法により、ピストンを嵌装された第1,第3のロッカアーム33,34及び第2のロッカアーム35のセットをつくって、それぞれを各気筒に組み込むことになる。
【0067】
本発明の第1実施形態としての内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法は、上述のように構成されているので、シリンダ150内に嵌装したピストン151を係合突起35aに当接させた状態で、即ち、ロッカアーム(第1のロッカアーム33又は第3のロッカアーム34)がロッカアーム(第2のロッカアーム35)と連動する状態で、ロッカアーム33,34,35のローラ33b,34b,35bのいずれかが、対応するカム31a,31b,31cのカムベース円(ここでは、カムベース円相当軸170を用いる)に当接した状態とする。
【0068】
この状態で、ローラが対応するカムのカムベース円から離隔しているロッカアームについて、そのローラとローラが摺接すべきカムのカムベース円との距離をそれぞれ測定する。
そして、この測定結果に基づいて、第1のロッカアーム33のローラ33bのカムベース円相当軸170に対する距離と、第2のロッカアーム35のローラ35bのカムベース円相当軸170に対する距離との差Δd12、及び、第3のロッカアーム34の摺接部(ローラ)34bのカムベース円相当軸170に対する距離と第2のロッカアーム35の摺接部(ローラ)35bのカムベース円相当軸170に対する距離との差Δd32を算出し、これらの差Δd12,Δd32が予め定めた範囲内であるか否かを判定する。
【0069】
ここで、差Δd12,Δd32がいずれも予め定めた範囲内であると判定された場合には、それぞれに嵌装した基準ピストン151Aを嵌装すべき適正なピストンに選定するが、差Δd12又はΔd32が予め定めた範囲内でなると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように、複数のピストンのうちから基準ピストン151Aと異なる他のピストンを嵌装すべき適正なピストンに選定して、シリンダ150内に嵌装する。
【0070】
つまり、第2のロッカアーム35のローラ35bがカムベース円相当軸170に当接した場合に、第1又は第3のロッカアーム33,34のローラ33b,34bがカムベース円相当軸170から所定距離以上離隔する場合には、基準ピストン151Aでは径が大き過ぎるので、基準ピストン151Aよりも小径の小径ピストン151Cを選定する。逆に、第1又は第3のロッカアーム33,34のローラ33b,34bがカムベース円相当軸170に当接した場合に、第2のロッカアーム35のローラ35bがカムベース円相当軸170から所定距離以上離隔する場合には、基準ピストン151Aでは径が小さすぎるので、基準ピストン151Aよりも大径の大径ピストン151Bを選定する。
【0071】
したがって、上記のピストン選定によって、ピストン151が係合位置にあって、ロッカアーム33又は34が、ロッカアーム35と、ロッカアーム35の係合突起35aと、ロッカアーム33又は34のピストン151を介して、第2のカム(高速カム)31cのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスを、ピストン151が非係合位置にあって、ロッカアーム33又は34が、第1のカム(低速カム31a又は低速カム31b)のカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスと略等しくなるように調整することができる。
【0072】
第1のロッカアーム33又は第3のロッカアーム34が、第1のカム(低速カム)31a又は第3のカム(低速カム)31bのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスは、ロッカアーム33,34一端のアジャストスクリュ33a,34aを調整することで、調整することができるので、各状態でのバルブクリアランスを確実に調整することができる。したがって、ロッカアーム33,34とロッカアーム35との連携部分に調整機構を設けることなく、また、加工精度や組み付け精度を大幅に上げることなく、コスト増を抑えながら、吸気弁11,12を所望の特性(図12(a),(b)参照)で開閉駆動させることができるようになる。
【0073】
しかも、基準ピストン151Aを選定基準にして、基準ピストンでは径が小さ過ぎればこれよりも大きい大径ピストン151Bを、基準ピストンでは径が大き過ぎればこれよりも小さい小径ピストン151Cを選定するので、効率よく、ピストン選定を行なえる。
また、1つのロッカアーム35によって2つのロッカアーム33,34を連携動作させるため、ロッカアーム33とロッカアーム34とロッカアーム35とを選別して組み合わせて各バルブクリアランスを調整する方法では、3つのロッカアーム33,34,35の組み合わせを選定しなくてはならず、組立工数の増大と、選別ストックを要するが、本実施形態では、各ロッカアーム33,34のシリンダ150に対して個々にピストン選定をすれば、各バルブクリアランスを調整できるので、組立工数の増大を抑え、また、単に、ピストンの選別ストックを要するだけであり、コスト増も抑えることができる。
【0074】
大径ピストン151B及び小径ピストン151Cの径の大きさは、基準ピストン151Aでバルブクリアランスが許容誤差を超えた場合に、バルブクリアランスを許容誤差内に収められるように、基準ピストン151Aの径の大きさに対して設定されているが、大径ピストン151Bや小径ピストン151Cでも、まだ、バルブクリアランスが許容誤差を超えるおそれがある場合、大径ピストン151Bよりも更に大径のピストンや小径ピストン151Cよりも更に小径のピストンを用意しておき、適宜これらを選定すればよい。
【0075】
また、このように各工程(第1〜第4工程)を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定したら、その後、これらのピストンを嵌装された第1,第3のロッカアーム33,34及び第2のロッカアーム35を1セットとして個別に管理して、内燃機関の1気筒に組み込むようにすれば、複数気筒をそなえる内燃機関の各気筒に対して、バルブクリアランスの適正な第1,第3のロッカアーム33,34及び第2のロッカアーム35を確実に装着することができる。
【0076】
また、本方法によれば、各ロッカアーム33,34,35に装着するローラ(ローラベアリング)として外径の異なるものを複数用意して、これらから適切な径のローラを選択して組み付けることにより、バルブクリアランスを適性にする方法に比べると、次のような利点がある。
つまり、ローラを選定する手法では、低速の各ロッカアームに組み付けるローラは大きさ等が異なるため、適切な径のローラを選択するために、極低速,低速の各ロッカアームに組み付けるローラをそれぞれ個別に準備する必要がある(多種類のサイズ違いのローラを準備する必要がある)が、これに対して、本方法によれば、用意するピストンを極低速,低速の両方のロッカアームに共用でき、この部品の共用化によって、部品管理や組み付けを容易にできるとともに、コスト低減を促進できる。
【0077】
また、ローラ選定の場合はニードル,シャフト,外輪等と構成部品が多く、基準品で採寸して逆算して組み替えても構成部品のばらつきは解消されないので管理幅を小さく設定する必要があるが、本方法のピストン選定の場合、部品が一種類のためこの点からも管理が容易であるという利点がある。
【0078】
[第2実施形態]
図6は本発明の第2実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置を示す模式的な展開断面図(図2に対応する図)である。なお、図6において、図2,図3,図8〜図11と同符号は同様のものを示す。
【0079】
この実施形態では、内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法自体は、第1実施形態と同様であるが、内燃機関用可変動弁装置の構成が第1実施形態と異なっており、吸気弁側と排気弁側との両方が、いずれも可変動弁機構として構成されている。
つまり、図6に示すように、吸気用のロッカシャフト32には、低速カム31bによって揺動するロッカアーム(第1のロッカアーム)133と、高速カム31cによって揺動するロッカアーム(第2のロッカアーム)135とが、揺動自在に軸支されている。ロッカアーム133とロッカアーム135との間には、第1実施形態と同様の第1の連結切換機構41aが介装されている。
【0080】
ロッカアーム133の一端側は二股に分かれており、各端部がそれぞれ吸気弁11,12を駆動するようになっている。第1の連結切換機構41aが切り離し状態の場合には、ロッカアーム133は、ロッカアーム135の動きに影響されることなく、ローラ133bが摺接する低速カム31bのカムプロフィルに対応して揺動し、吸気弁11,12を図12(a)に実線で示すように低速対応で開閉する。連結切換機構41aが連結状態の場合には、ロッカアーム135の係合突起135aを通じて、ロッカアーム133は、ローラ135bが摺接する高速カム31cのカムプロフィルに対応してロッカアーム135と一体に揺動し、吸気弁11,12を図12(b)に実線で示すように高速対応で開閉する。
【0081】
一方、排気用のロッカシャフト36には、エンジンの低速時に応じた低速カム(第4のカム)31fによって揺動するロッカアーム(第4のロッカアーム)137と、高速カム(第5のカム)31gによって揺動するロッカアーム(第5のロッカアーム)139とが、揺動自在に軸支されている。ロッカアーム137とロッカアーム139との間には、第1実施形態と同様の第2の連結切換機構41bが介装されている。
【0082】
ロッカアーム137の一端側は二股に分かれており、各端部がそれぞれ排気弁21,22を駆動するようになっている。第2の連結切換機構41bが切り離し状態の場合には、ロッカアーム137は、ロッカアーム139の動きに影響されることなく、ローラ137bが摺接する低速カム31fのカムプロフィルに対応して揺動し、排気弁21,22をエンジンの低速運転に対応させて開閉する。連結切換機構41bが連結状態の場合には、ロッカアーム139の係合突起139aを通じて、ロッカアーム137は、ローラ139bが摺接する高速カム31gのカムプロフィルに対応してロッカアーム139と一体に揺動し、排気弁21,22をエンジンの高速運転に対応させて開閉する。
【0083】
そして、ロッカアーム(第2のロッカアーム)135及びロッカアーム(第5のロッカアーム)139には、図6に示すように、ロッカアーム135,139をカム31c、31gから離隔しないようにする第1,第2の付勢部材としてのアームスプリング43A,43Bがホルダ144の一端部から分岐された図示しない凹所内にそれぞれ設置されている。
【0084】
本実施形態用可変動弁装置の他の部分は、第1実施形態と同様に構成されている。
本発明の第2実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置は上述のように構成されているので、以下のようにしてバルブクリアランス調整方法が実施される。
上述のように構成されているので、ロッカアーム(第1のロッカアーム)133とロッカアーム(第2のロッカアーム)135との間の連結切換機構41a、及び、ロッカアーム(第4のロッカアーム)137とロッカアーム(第5のロッカアーム)139との間の連結切換機構41bのそれぞれについて、第1実施形態と同様に、ピストン151の選定を行なう。
【0085】
例えば、図1,図7を参照して、ロッカアーム(第1のロッカアーム)133とロッカアーム(第2のロッカアーム)135との間の連結切換機構41aに関して説明すれば、シリンダ150内に嵌装したピストン151を係合突起135aに当接させた状態で、即ち、ロッカアーム(第1のロッカアーム)133がロッカアーム(第2のロッカアーム)135と連動する状態で、ロッカアーム(第1のロッカアーム)133のローラ133b又はロッカアーム(第2のロッカアーム)135のローラ135bを対応するカム[第1のカム(低速カム)31b又は第2のカム(高速カム)31c]のカムベース円に当接させて、このとき離隔する方のロッカアームと対応するカムのカムベース円との間の距離を測定し、この距離が予め定めた範囲内となるように、複数のピストン151A〜151Cの何れかが選定され、装着される。
【0086】
ロッカアーム(第4のロッカアーム)137とロッカアーム(第5のロッカアーム)139との間の連結切換機構41bに関しも同様に行なう。
したがって、上記のピストン選定によって、第1実施形態と同様に、ピストン151が係合位置にあって、ロッカアーム133が、ロッカアーム135と、ロッカアーム135の係合突起135aと、ロッカアーム133のピストン151を介して、第2のカム(高速カム)31cのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスを、ピストン151が非係合位置にあって、ロッカアーム133が、第1のカム(低速カム)31bのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスと略等しくなるように調整することができる。
【0087】
また、ピストン151が係合位置にあって、ロッカアーム137が、ロッカアーム139と、ロッカアーム139の係合突起139aと、ロッカアーム136のピストン151を介して、第5のカム(高速カム)31gのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスを、ピストン151が非係合位置にあって、ロッカアーム137が、第4のカム(低速カム)31fのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスと略等しくなるように調整することができる。
【0088】
ロッカアーム133又は137が、第1のカム(低速カム)31b又は第4のカム(低速カム)31fのカムプロフィルに応じて作動する際のバルブクリアランスは、ロッカアーム133,137一端のアジャストスクリュ133a,133a´,137a,137a´を調整することで、調整することができるので、各状態でのバルブクリアランスを確実に調整することができる。
【0089】
これにより、ロッカアーム133とロッカアーム135との連携部分やロッカアーム137とロッカアーム139との連携部分に調整機構を設けることなく、また、加工精度や組み付け精度を大幅に上げることなく、コスト増を抑えながら、吸気弁11,12を所望の特性(図12(a),(b)参照)で開閉駆動させることができるようになる。
【0090】
しかも、基準ピストン151Aを選定基準にして、基準ピストンが小さ過ぎればこれよりも大きい大径ピストン151Bを、基準ピストンが大き過ぎればこれよりも小さい小径ピストン151Cを選定するので、効率よく、ピストン選定を行なえる。
【0091】
[その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0092】
例えば、上記の実施形態で説明した内燃機関の動弁装置では、弁に連係したロッカアーム33,34,133,137にシリンダ150及びピストン151を設け、弁に連係しないロッカアーム35,135,139に係合突起35a,135a,139aを設けているが、これと逆に、弁に連係したロッカアーム33,34,133,137に係合突起を設け、弁に連係しないロッカアーム35,135,139にシリンダ及びピストンを設けてもよい。
【0093】
また、上述の第1,第2実施形態においては、ロッカアーム33及び34に係合用開口部153,ピストン挿入用開口部159及び蓋160を装備した構造について説明したが、このような構成に代えて、図13に示すような構成にしてもよい。つまり、図13に示すように、ロッカアーム161にシリンダ162のみを設けて、ピストン151及びスプリング152をセットした後、スプリング152の位置決め用の突起を有するスプリング保持部材163をロッカアーム161に嵌装する構造としても良い。このスプリング保持部材163は、ロッカアーム161と別体に構成されて、ロッカアーム161側に平成された溝161aに嵌合させて弾性保持するか、又は、スプリング保持部材163を変形させてこの溝161aに係合させても良い。あるいは、ボルト等を用いてスプリング保持部材163を固定しても良い。なお、スプリング保持部材163には、スプリング152の上端を係止する係止用突起163aが形成されている。
【0094】
さらに、本バルブクリアランス調整方法は、上記の実施形態で説明した内燃機関の動弁装置にとどまらず、可変動弁機構の弁駆動力伝達系のバルブクリアランスに関与する部分に、ピストンを備えた動弁装置に広く適用することができる。
【0095】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法によれば、基準ピストンを選択基準にして、シリンダに対して適正なピストンを確実且つ容易に選定し嵌装することができ、組立工数の増大やコスト増を抑えながら連係動作時のバルブクリアランスを適正に調整することができるようになる。
【0096】
請求項2記載の本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法によれば、第1のロッカアームを通じて複数の吸気弁或いは複数の排気弁が駆動され、ピストンが非係合位置にあれば、複数の吸気弁或いは複数の排気弁は第1のロッカアームを駆動する第1のカムに応じて作動し、ピストンが係合位置にあれば、第1のロッカアームが第2のロッカアームと連係して、複数の吸気弁或いは複数の排気弁は第2のロッカアームを駆動する第2のカムに応じて作動するが、この連係動作にかかるバルブクリアランス調整を一箇所のシリンダへのピストン選定のみによって適正に行なうことができるようになる。
【0097】
請求項3記載の本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法によれば、前記第1工程において、前記複数のシリンダ内に前記基準ピストンを嵌装し、前記第2工程において、前記第1工程で嵌装した前記複数のロッカアームの前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させ、それぞれの前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれかのロッカアームを対応するカムのカムベース円の摺接位置に位置決めし、前記第3工程において、前記第2工程で位置決めした状態で、前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのうち対応するカムのガムベース円に摺接しないものに対し対応するカムのカムベースとの距離をそれぞれ計測し、前記第4工程において、前記第3工程で計測されたそれぞれの距離に基づいて前記の各第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間での前記距離の差が予め定めた範囲内であるか否かを判定することによって、複数備えられた吸気弁又は排気弁のそれぞれに対応して個々に設けられた第1のロッカアーム及び各第1のロッカアームに対応して設けられた第1のカムにおいて、バルブクリアランス調整を適正に行なうことができるようになる。
【0098】
請求項4記載の本発明の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法によれば、第1及び第3のロッカアームと第2のロッカアームとのそれぞれの相互間において、一方のロッカアームにシリンダが形成されこのシリンダ内に適正なピストンを嵌装することが必要になるが、第1及び第3のロッカアームと第2のロッカアームとの間で、前記の第1〜第4工程を実施して嵌装すべき適正なピストンを組み付けるようにすれば、組立工数の増大やコスト増を抑えながら、各第1のロッカアームの第2のロッカアームとの連係動作時のバルブクリアランスを適正に調整することができるようになる。
【0099】
前記ピストンが、何れも円筒状に形成され前記基準ピストンを含み外径の異なる複数のピストンからなり、前記第4工程で、計測された差が予め定めた範囲外であると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように前記基準ピストンと外径の異なる他の前記ピストンを選定して再び前記の第2〜第4工程を実施して、嵌装すべき適正なピストンを選定すれば、シリンダに対して適正なピストンの選定を容易に且つ確実に行なえるようになる(請求項5)。
【0100】
前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適正なピストンを選定した後で、前記ピストンを前記係合突起との非係合位置に付勢するスプリングを前記ピストン挿入用開口部から挿入した後に、前記ピストン挿入用開口部を閉塞する第5工程をそなえるようにすれば、シリンダ部の組み付けを容易に完了することができる(請求項6)。
【0101】
あるいは、前記シリンダのロッカシャフトから離隔する外端側が開口した形状に形成されると共に、前記ピストンを前記係合突起との非係合位置又は係合位置に付勢するように前記ピストンよりも前記シリンダの開口側に配設されたスプリングと、前記シリンダの開口部分に装着され前記スプリングを保持するスプリング保持部材とを有し、前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記シリンダ内に嵌装された前記選定されたピストンの外端側に前記スプリングを配置させて前記スプリング保持部材を装着して前記スプリングを前記シリンダ部分に保持させる第5工程をそなえるようにしても、シリンダ部の組み付けを容易に完了することができる(請求項7)
また、前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記の第1,第2のロッカアームを1セットとして個別に管理して、前記内燃機関の1気筒に組み込むようにすれば、複数気筒をそなえる内燃機関の各気筒に対して、バルブクリアランスの適正なロッカアームのセットを確実に装着することができる(請求項8)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置のピストン位置切換装置を示す模式的な断面図であり、(a)はピストンが非係合位置にある時の縦断面図、(b)はピストンが係合位置にある時の縦断面図、(c)はピストンが係合位置にある時の横断面図(図2(b)におけるA−A矢視断面図)である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法を説明する図であって、(a)〜(c)は各ピストンを示す模式的平面図、(d)はピストンの取り付け状況を示す模式的平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法を説明する図であって、(a),(b)はいずれもロッカアームのいずれかを対応するカムのカムベース円に当接させた場合の残りのロッカアームとこれに対応するカムのカムベース円との距離を計測する工程(第3工程)を説明する図である。
【図6】本発明の第2実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な展開断面図(図8と対応する図)である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法を説明するためにピストンの取り付け状況を示す模式的平面図である。
【図8】本発明の案出過程で創案された内燃機関用可変動弁装置及び本発明の第1実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な展開断面図(図9のB−B矢視断面図)である。
【図9】本発明の案出過程で創案された内燃機関用可変動弁装置を示すシリンダヘッド内の模式的な側面図である。
【図10】本発明の案出過程で創案された内燃機関用可変動弁装置におけるピストン位置切換装置を示す模式的な断面図であって、(a)は非連結状態を示し、(b)は連結状態を示す。
【図11】本発明の案出過程で創案された内燃機関用可変動弁装置及び本発明の各実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置における連結切換機構の油圧調整機構を示す模式的な断面図である。
【図12】本発明の案出過程で創案された内燃機関用可変動弁装置及び本発明の各実施形態にかかる内燃機関用可変動弁装置における動弁特性を示すグラフであって、(a)は低速時の特性を示し、(b)は高速時の特性を示す。
【図13】本発明の第1,第2実施形態の変形例にかかるピストン位置切換装置を示す模式的な断面図であり、(a)はその上面図、(b)はその縦断面図(図13(a)におけるC−C矢視断面図)である。
【符号の説明】
11,12 吸気弁
21,22 排気弁
31a 超低速カム(第1のカム)
31b 低速カム(第3のカム)
31c 高速カム(第2のカム)
31f 低速カム(第4のカム)
31g 高速カム(第5のカム)
32 吸気側ロッカシャフト(第1のロッカシャフト)
33,133 第1のロッカアーム
34 第3のロッカアーム
35,135 第2のロッカアーム
35a,135a,139a 係合突起
36 吸気側ロッカシャフト(第2のロッカシャフト)
41 連結切換機構
41a 第1の連結切換機構
41b 第2の連結切換機構
42 油圧調整装置(ピストン位置切換装置)
150 シリンダ
151 ピストン
152 リターンスプリング
153 係合用開口部
154 ピストン151の側面(係合部)
156 回り止めピン
159 ピストン挿入用開口部
160 蓋
163 スプリング保持部材

Claims (8)

  1. 先端が吸気弁及び排気弁の一方に連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、
    前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、
    記第1のロッカアームに形成されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動自在に装着されたピストンと、
    記第2のロッカアームに突設され前記ピストンに形成された係合部に係合可能な係合突起と、
    前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえるとともに
    前記第1のロッカアームは、前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整するアジャストスクリュをそなえ、
    前記第1のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第1のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成された内燃機関用可変動弁装置における前記ロッカシャフトへの前記第1及び第2のロッカアームの組み付け前に行なうバルブクリアランス調整方法であって、
    前記ピストンとして、基準ピストンを含み且つ前記係合突起との当接位置が異なるように前記係合部を夫々形成した複数のピストンが用意され
    前記シリンダに前記基準ピストンを嵌装する第1工程と、
    前記第1工程で嵌装した前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させて、前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記第1のロッカアームをこれに対応する前記第1のカムのカムベース円との摺接位置に位置決めする第2工程と、
    前記第2工程で位置決めした状態で、前記第2のロッカアームとこれに対応する前記第2のカムのカムベース円との距離を計測する第3工程と、
    前記第3工程で計測された距離が予め定めた範囲内であるか否かを判定する第4工程とをそなえ、
    前記第4工程で、前記距離が予め定めた範囲内であると判定された場合には、嵌装されている前記基準ピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定し、前記第4工程で、前記距離が予め定めた範囲外であると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように前記基準ピストンと異なる他の係合部を有するピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定して、前記基準ピストンを取り外し前記選定されたピストンを前記シリンダに嵌装することにより、前記ピストンが前記係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整し、
    前記アジャストスクリュにより前記第1のロッカアームと前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整することにより、前記ピストンが前記非係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整する
    ことを特徴とする、内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  2. 前記の吸気弁及び排気弁の一方が複数備えられ、前記第1のロッカアームが前記複数の弁のそれぞれに連携するように複数の連携部をそなえ、
    前記第2工程において、前記第1工程で嵌装した前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させ、前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記第2のロッカアームを前記第2カムのカムベース円の摺接位置に位置決めし、
    前記第3工程において、前記第2工程で位置決めした状態で、前記第1のロッカアームと前記第1のカムのカムベース円との摺接位置との距離を計測し、
    前記の第1〜第4工程を実施して嵌装すべき適切なピストンを選定することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  3. 前記の吸気弁及び排気弁の一方が複数備えられ、前記第1のロッカアームが前記複数の弁のそれぞれに対応して個々に設けられ、前記の各第1のロッカアームに対応して前記第1のカムがそれぞれ設けられるとともに、
    前記シリシダと、前記係合突起と、前記ピストン位置切換装置とが、前記の各第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間にそれぞれ設けられて、
    前記第1工程において、前記複数のシリンダ内に前記基準ピストンを嵌装し、
    前記第2工程において、前記第1工程で嵌装した前記複数のロッカアームの前記基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させ、それぞれの前記基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのいずれかのロッカアームを対応するカムのカムベース円の摺接位置に位置決めし、
    前記第3工程において、前記第2工程で位置決めした状態で、前記複数の第1のロッカアーム及び前記第2のロッカアームのうち対応するカムのガムベース円に摺接しないものに対し対応するカムのカムベースとの距離をそれぞれ計測し、
    前記第4工程において、前記第3工程で計測されたそれぞれの距離に基づいて前記の各第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間での前記距離の差が予め定めた範囲内であるか否かを判定することによって、嵌装すべき適切なピストンを選定することを特徴とする、請求項1記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  4. 吸気弁及び排気弁の一方が二つそなえられ、先端が上記の吸気弁及び排気弁の一方のうちの一つに連係され、ロッカシャフトに揺動自在に支承されて第1のカムにより駆動される第1のロッカアームと、
    前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記第1のロッカアームに隣接するように配置され、前記第1のカムとカム形状の異なる第2のカムにより駆動される第2のロッカアームと、
    先端が上記の吸気弁及び排気弁の一方のうちの残る一つに連係され、前記ロッカシャフトに揺動自在に支承されて前記の第1,第2のカムとカム形状の異なる第3のカムにより駆動される第3のロッカアームと、
    前記の第1及び第3のロッカアームに、それぞれ形成されたシリンダと、
    前記シリンダ内にそれぞれ摺動自在に装着されたピストンと、
    前記第2のロッカアームに突設され、前記ピストンに形成された係合部にそれぞれ係合可能な係合突起と、
    前記ピストンを前記係合突起が係合する係合位置と前記係合突起が係合しない非係合位置との間で切り換えるピストン位置切換装置とをそなえるとともに、
    前記第1,2,3のロッカアームは、それぞれ前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整するアジャストスクリュをそなえ、
    前記第1のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第1のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成され、前記第3のロッカアームは、前記ピストンが前記非係合位置にあると前記第3のカムにより駆動され、前記ピストンが前記係合位置にあると前記第2のロッカアームと前記係合突起と前記ピストンとを介して前記第2のカムにより駆動されるように構成された内燃機関用可変動弁装置における前記ロッカシャフトへの前記の第1,第2及び第3のロッカアームの組み付け前に行なうバルブクリアランス調整方法であって、
    前記ピストンとして、基準ピストンを含み且つ前記係合突起との当接位置が異なるように前記係合部を夫々形成した複数のピストンが用意され
    前記の各シリンダに対して、シリンダ内に前記基準ピストンを嵌装する第1工程と、
    前記第1工程で嵌装した前記の各基準ピストンを前記係合突起との係合位置に位置させて、前記の各基準ピストンを前記係合突起に当接させると共に前記の第1,第2及び第3のロッカアームのいずれかを対応するカムのカムベース円との摺接位置に位置決めする第2工程と、
    前記第2工程で位置決めした状態で、前記の第1,第2及び第3のロッカアームの残りの2つのロッカアームについて対応するカムのカムベース円との距離をそれぞれ計測する第3工程と、
    前記第3工程で計測された各距離から、前記第1のロッカアームと前記第2のロッカアームとの間、及び、前記第2のロッカアームと前記第3のロッカアームとの間における、前記距離の差が予め定めた範囲内であるか否かを判定する第4工程とをそなえ、
    前記第4工程で、前記距離の差が予め定めた範囲内であると判定された場合には、嵌装されている前記基準ピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定し、前記第4工程で、前記距離の差が予め定めた範囲外であると判定された場合には、予め定めた範囲内となるように前記基準ピストンと異なる他の係合部を有するピストンを嵌装すべき適正なピストンとして選定して、前記基準ピストンを取り外し前記選定されたピストンを前記シリンダに嵌装することにより、前記ピストンが前記係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整し、
    前記アジャストスクリュにより前記の第1,第2及び第3のロッカアームと前記の吸気弁及び排気弁の一方との連係状態を調整することにより、前記ピストンが前記非係合位置にあるときのバルブクリアランスを調整する
    ことを特徴とする、内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  5. 前記ピストンとして、何れも円筒状に形成され前記基準ピストンを含み外径の異なる複数のピストンが用意され
    前記の第1〜第4工程を実施して嵌装すべき適切なピストンを選定することを特徴とする、請求項1又は4記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  6. 前記の第1のロッカアーム又は前記の第1,第3のロッカアームに、前記シリンダの外周に設けられた係合用開口部及び前記シリンダの端部に設けられたピストン挿入用開口部が形成され、
    前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記選定されたピストンを前記係合突起との非係合位置又は係合位置に付勢するスプリングを前記ピストン挿入用開口部から挿入してから、前記ピストン挿入用開口部を閉塞する第5工程をそなえていることを特徴とする、請求項1又は4記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  7. 前記シリンダの前記ロッカシャフトから離隔する外端側が開口した形状に形成されると共に、前記ピストンを前記係合突起との非係合位置又は係合位置に付勢するように前記ピストンよりも前記シリンダの開口側に配設されたスプリングと、前記シリンダの開口部分に装着され前記スプリングを保持するスプリング保持部材とを有し、
    前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記シリンダ内に嵌装された前記選定されたピストンの外端側に前記スプリングを配置させて前記スプリング保持部材を装着して前記スプリングを前記シリンダ部分に保持させる第5工程をそなえていることを特徴とする、請求項1又は4記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
  8. 前記の第1〜第4工程を実施して、嵌装すべき適切なピストンを選定した後に、前記の第1,第2のロッカアーム又は前記の第1,第2,第3のロッカアームを1セットとして個別に管理して、前記内燃機関の1気筒に組み込むことを特徴とする、請求項1又は4記載の内燃機関用可変動弁装置のバルブクリアランス調整方法。
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