JP4164671B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4164671B2
JP4164671B2 JP2003377203A JP2003377203A JP4164671B2 JP 4164671 B2 JP4164671 B2 JP 4164671B2 JP 2003377203 A JP2003377203 A JP 2003377203A JP 2003377203 A JP2003377203 A JP 2003377203A JP 4164671 B2 JP4164671 B2 JP 4164671B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
intake
exhaust
cam
speed
rocker arm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003377203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005140010A (ja
Inventor
友 横山
真一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2003377203A priority Critical patent/JP4164671B2/ja
Priority to US10/980,775 priority patent/US7156059B2/en
Priority to CN2004100925403A priority patent/CN1614201B/zh
Priority to KR1020040089537A priority patent/KR100642711B1/ko
Priority to DE102004053807A priority patent/DE102004053807A1/de
Publication of JP2005140010A publication Critical patent/JP2005140010A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4164671B2 publication Critical patent/JP4164671B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンという)の可変動弁装置に関するものである。
運転領域に応じた最適なエンジン出力特性を実現するために、吸排気弁の開弁期間やリフト量の切換等を行う可変動弁装置を備えた種々のエンジンが提案されている(例えば、特願2002−151361号)。図5,6に示すように当該出願に記載された可変動弁装置では、ローラ102aを介してカムシャフト101の高速カム101aにより揺動する高速ロッカアーム102を吸気ロッカシャフト103に支承すると共に、この高速ロッカアーム102の両側に、それぞれローラ104aを介してカムシャフト101の低速カム101bにより揺動する一対の低速ロッカアーム104を支承し、それぞれの低速ロッカアーム104の揺動に伴って一対の吸気弁105を開閉駆動している。両低速ロッカアーム104には油圧により摺動可能なピストン106を設ける一方、これらのピストン106と対応するように高速ロッカアーム102の両側に連動アーム部107を一体形成している。
高速ロッカアーム10の連動アーム部107はピストン位置に応じてピストン106に対して連係・解除される。通常回転域で実行される低速モードでは連動アーム部107の連係が解除されて、高速ロッカアーム102を空振りさせながら低速ロッカアーム104を介して低速カム101bの形状に倣って吸気弁105が開閉駆動され、高回転域で実行される高速モードでは連動アーム部107が連係されて、高速ロッカアーム102と一体で低速ロッカアーム104が揺動して高速カム101aの形状に倣って吸気弁105が開閉駆動される。
一方、カムシャフト101を挟んで吸気ロッカシャフト103の反対側に設けられた排気ロッカシャフト108には一対の排気ロッカアーム109が支承され、これらの排気ロッカアーム109は上記カムシャフト101の排気カム101cにより常に揺動されてそれぞれ排気弁110を開閉駆動している。
ところで、上記図5,6に示す可変動弁装置は、低速ロッカアーム104が低速カム101bにより直接的に揺動される低速モードでは、低速カム101b及び吸気弁105に対する低速ロッカアーム104の位置関係によりバルブクリアランスが決定されるのに対し、低速ロッカアーム104が高速ロッカアーム102を介して高速カム101aにより間接的に揺動される高速モードでは、加えて低速ロッカアーム104と高速ロッカアーム102との組合せの影響を受けることから異なるバルブクリアランスが形成されてしまう可能性がある。
よって、吸気弁105に設けられたアジャストボルト111により低速カム側を正規バルブクリアランスに調整しても、高速カム側で同等のバルブクリアランスが得られる確証はない。そこで、ロッカアーム102,104等の各部品毎の精度向上を図ると共に、各部品を組合わせた状態でのバラツキを想定した上で高速カム101aの形状を設計し(例えば、高速カム101aに十分なランプ部を設定してローラ102aに対する衝突を和らげる等の対策を施す)、これによりエンジン組立後の高速カム側のバルブクリアランスを保証している。
上記高速カム側のバルブクリアランスに影響を与える要因としてはロッカアーム102,104自体の形状的なもの以外に、吸気ロッカシャフト103のミスアライメントを挙げることができる。即ち、図6に示すように吸気ロッカシャフト103の軸心Lrに上下方向の角度誤差αが生じると、低速及び高速ロッカアーム104,102の揺動中心が上下方向に相対変位するため、低速カム側と高速カム側とのバルブクリアランスの関係が変動することになる。又、カムシャフト101のミスアライメントにより軸心Lcに上下方向の角度誤差αが生じても同様の結果となる。
そして、これらのミスアライメントでは、吸気ロッカシャフト103やカムシャフト101の角度誤差αがバルブクリアランスの誤差に直結することから他の要因に比較して影響が大きく、上記対策では十分な解消が望めなかった。その結果、例えば低速モード時に合わせてバルブクリアランスを調整した場合には、高速モード時に適切なバルブクリアランスを達成できなくなって打音を発生させてしまう上に、バルブクリアランスに関してエンジン毎に個体差を生じて均一な品質を維持できないという問題が生じた。
本発明の目的は、ロッカシャフトやカムシャフトのミスアライメントに起因するバルブクリアランスの影響を軽減し、もって、運転モードに関わらず適切なバルブクリアランスを達成して打音の発生を防止できると共に、エンジン毎の個体差を抑制して均一な品質を実現することができる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項の発明は、第1吸気カム及び第1吸気カムとはカム形状が異なる第2吸気カムが隣接して形成されると共に、第1排気カム及び第1排気カムとはカム形状が異なる第2排気カムが隣接して形成されたカムシャフトと、カムシャフトの一側に配設された吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、内端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1吸気カム上に当接させる一方、外端側が一対の吸気弁と連係される第1の吸気ロッカアームと、第1の吸気ロッカアームに隣接して吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、内端側に設けられた操作部をカムシャフトの第2吸気カム上に当接させた第2の吸気ロッカアームと、第1及び第2の吸気ロッカアームの間に設けられて、両吸気ロッカアームの連係の有無を切換える単一の吸気側切換機構と、カムシャフトの他側に配設された排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、第1の吸気ロッカアームに対して気筒中心を基準とする点対称の配置及び形状をなし、内端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1排気カム上に当接させる一方、外端側が一対の排気弁と連係される第1の排気ロッカアームと、第1の排気ロッカアームに隣接して排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、第2の吸気ロッカアームに対して気筒中心を基準とする点対称の配置及び形状をなし、内端側に設けられた操作部をカムシャフトの第2排気カム上に当接させた第2の排気ロッカアームと、第1及び第2の排気ロッカアームの間に設けられて、両排気ロッカアームの連係の有無を切換える単一の排気側切換機構とを備えたものである。
従って、内燃機関の運転中には、カムシャフトの回転に伴って吸排気の各ロッカアームが対応するカムにより操作部、例えばカム上を転動するローラやカムに対して摺接するスリッパ等を介して揺動操作される。ここで、吸気側切換機構により第1及び第2の吸気ロッカアームの連係が解除されると、第2の吸気ロッカアームは単独で空振りし、第1の吸気ロッカアームは第1吸気カムの形状に倣って揺動して吸気弁を開閉駆動する。又、この状態から吸気側切換機構により第1及び第2の吸気ロッカアームが連係されると、第1の吸気ロッカアームは第2の吸気ロッカアームと共に第2吸気カムの形状に倣って揺動して吸気弁を開閉駆動する。
排気側も同様であり、排気側切換機構による連係解除時には、第1の排気ロッカアームが第1排気カムの形状に倣って揺動して排気弁を開閉駆動し、排気側切換機構による連係時には、第1の排気ロッカアームが第2の排気ロッカアームと共に第2排気カムの形状に倣って揺動して排気弁を開閉駆動する。
そして、吸気ロッカシャフト又はカムシャフトのミスアライメントにより何れかの軸心に上下方向(カムに対する操作部の接離方向)の角度誤差が生じると、第1吸気カム及び第1の吸気ロッカアームの操作部間のバルブクリアランスと、第2吸気カム及び第2の吸気ロッカアームの操作部間のバルブクリアランスとの関係が変動する。よって、何れか一方を正規バルブクリアランスに調整したとき、他方のバルブクリアランスには上記変動分の誤差が生じることになる。
ここで、本発明者は、ミスアライメントによる角度誤差が生じたとき、以下の関係に従ってバルブクリアランスの誤差が発生することに着目した。即ち、角度誤差に比例してバルブクリアランスの誤差が増減することは無論であるが、同一の角度誤差が生じている場合には、第1吸気カム及び第1の吸気ロッカアームの当接箇所と、第2吸気カム及び第2の吸気ロッカアームの当接箇所とのピッチが狭いほど、バルブクリアランスに対する角度誤差の影響は軽微なものとなり、上記他方のバルブクリアランスに生じる誤差が縮小される。
本発明では、第1吸気カムと第2吸気カムとを相互に隣接させて対応するロッカアームの操作部を当接させているため、双方の当接個所のピッチは十分に縮小されている。よって、吸気ロッカシャフト又はカムシャフトにミスアライメントによる角度誤差が生じているときでも、これに起因するバルブクリアランスの誤差が最小限に抑制される。
又、排気側も同様であり、排気ロッカシャフト又はカムシャフトのミスアライメントによって生じた上下方向の角度誤差は、第1排気カム側と第2排気カム側とのバルブクリアランスの関係を変動させてバルブクリアランスの誤差の要因となるが、第1排気カムと第2排気カムとの隣接により双方の当接箇所のピッチが十分に縮小されているため、角度誤差に起因するバルブクリアランスの誤差が最小限に抑制される。
よって、吸排気の何れにおいても、切換機構による連係解除時と連係時とで共に適切なバルブクリアランスが達成されると共に、バルブクリアランスに関するエンジン毎の個体差が抑制される。
以上説明したように本発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、ロッカシャフトやカムシャフトのミスアライメントに起因するバルブクリアランスの影響を軽減し、もって、運転モードに関わらず適切なバルブクリアランスを達成して打音の発生を防止できると共に、エンジン毎の個体差を抑制して均一な品質を実現することができる。
以下、本発明を具体化したエンジンの可変動弁装置の一実施形態を説明する。
本実施形態のエンジンは気筒当たり4弁を有するSOHC型の直列4気筒ガソリン機関として構成され、通常の回転域での出力特性に対応する低速モードと特に高回転域での出力特性に対応する高速モードとの間で運転モードを切換可能に構成されている。このため、各気筒の動弁装置にはモード切換のための切換機構が備えられており、以下、特定気筒について動弁装置の構成を説明するが、他の気筒も全く同一の構成である。
図1は本実施形態のエンジンの可変動弁装置の1気筒分を示す平面図、図2は同じく可変動弁装置のカムシャフトとローラとの関係を示す図1のA矢視図である。ここで、図1において左方がエンジンの前側に相当し、右方がエンジンの後側に、上方がエンジンの右側に、下方がエンジンの左側に相当し、以下、エンジンを基準として説明する。尚、エンジン配置は、このような縦置きエンジンに限定されるものではなく、横置きエンジンであってもよい。
図示しないシリンダヘッド上にはエンジンの前後方向に延びるように1本のカムシャフト1が支承され、カムシャフト1は図示しないクランクシャフトにより同期して回転駆動される。カムシャフト1の右側には吸気ロッカシャフト2が配設され、カムシャフト1の左側には排気ロッカシャフト3が配設され、これらのロッカシャフト2,3はカムシャフト1に対して平行な姿勢で図示しないブラケットにより支持されている。
カムシャフト1の隣合う一対のジャーナル部1a間には、前側より排気高速カム4(第2カム、第2排気カム)、排気低速カム6(第1カム、第1排気カム)、吸気低速カム5(第1カム、第1吸気カム)、吸気高速カム7(第2カム、第2吸気カム)の順に1気筒分のカムが相互に隣接して形成されている。吸気ロッカシャフト2には吸気低速ロッカアーム8(第1のロッカアーム、第1の吸気ロッカアーム)のボス部8aが揺動自在に支承され、排気ロッカシャフト3には排気低速ロッカアーム9(第1のロッカアーム、第1の排気ロッカアーム)のボス部9aが揺動自在に支承されている。両ロッカアーム8,9は前後方向において吸気低速カム5及び排気低速カム6に相当する幅を有し、カムシャフト1を挟んで相対向している。
吸気低速ロッカアーム8のボス部8aからは一対のバルブアーム部8dが外端側(右側)に向けて延設され、各バルブアーム部8dの先端はシリンダヘッド上の一対の吸気弁10aとそれぞれ連係され、吸気低速ロッカアーム8の揺動に伴って各吸気弁10aが開閉駆動される。同様に、排気低速ロッカアーム9のボス部9aからは一対のバルブアーム部9dが外端側(左側)に向けて延設され、各バルブアーム部9dの先端はシリンダヘッド上の一対の排気弁10bとそれぞれ連係され、排気低速ロッカアーム9の揺動に伴って各排気弁10bが開閉駆動される。尚、8e,9eは吸排気弁10a,10bのバルブクリアランスを調整するためのアジャストボルト、11は点火プラグである。
吸気低速ロッカアーム8の内端側(左側)の後半部、及び排気低速ロッカアーム9の内端側(右側)の前半部にはそれぞれローラ支持部8b,9bが突設され、これらのローラ支持部8b,9bにはローラ8c,9c(操作部)が支持されている。つまり、図1に示す平面視において両ロッカアーム8,9のローラ8c,9cは互い違いに配設されており、吸気低速ロッカアーム8のローラ8cはカムシャフト1上の吸気低速カム5と対応し、排気低速ロッカアーム9のローラ9cはカムシャフト1上の排気低速カム6と対応して、それぞれバルブスプリングの付勢力を受けて対応するカム5,6上に常に当接している。
吸気低速ロッカアーム8の後側には隣接するように吸気高速ロッカアーム12(第2のロッカアーム、第2の吸気ロッカアーム)が配置され、この吸気高速ロッカアーム12のボス部12aは吸気ロッカシャフト2に揺動自在に支承されている。吸気高速ロッカアーム12の内端側にはローラ支持部12bが形成され、ローラ支持部12bに支持されたローラ12c(操作部)はカムシャフト1の吸気高速カム7と対応し、この吸気高速カム7上に図示しないスプリングの付勢力を受けて常に当接している。
又、排気低速ロッカアーム9の前側には隣接するように排気高速ロッカアーム13(第2のロッカアーム、第2の排気ロッカアーム)が配置され、この排気高速ロッカアーム13のボス部13aは排気ロッカシャフト3に揺動自在に支承されている。排気高速ロッカアーム13の内端側にはローラ支持部13bが形成され、ローラ支持部13bに支持されたローラ13c(操作部)はカムシャフト1の排気高速カム4と対応し、この排気高速カム4上に図示しないスプリングの付勢力を受けて常に当接している。
吸気低速ロッカアーム8と吸気高速ロッカアーム12との間には低速モードと高速モードとを切換えるための切換機構M1(吸気側切換機構)が設けられ、同様に排気低速ロッカアーム9と排気高速ロッカアーム13との間にも切換機構M2(排気側切換機構)が設けられている。吸気側と排気側の切換機構M1,M2は同一構成のため、以下、吸気側の切換機構M1の構成を説明する。
図3はロッカアーム8,12の連係解除時の切換機構M1を示す図1のB−B線に相当する断面図、図4は同じくロッカアーム8,12の連係時の切換機構M1を示す図1のB−B線に相当する断面図である。これらの図に示すように、吸気高速ロッカアーム12上には円筒状のシリンダ部16が一体的に形成され、シリンダ部16内に形成されたシリンダ17の上端は閉塞され、シリンダ17の下端は吸気ロッカシャフト2の外周面に対して開口している。シリンダ17内にはピストン18が配設され、ピストン18は図示しない規制ピンによりシリンダ17の軸線を中心とした回転を規制された状態でシリンダ17内を上下方向に摺動し得る。
シリンダ17内の上壁及びピストン18の上面には相対向するように凹部17a,18aが形成され、凹部17a,18a間には圧縮スプリング19が介装されている。圧縮スプリング19の付勢力によりピストン18は常に下方に付勢されて、その下面を吸気ロッカシャフト2の外周面に当接させた図3に示す下方位置に保持される一方、圧縮スプリング19の付勢力に抗してシリンダ17内でピストン18が上方に摺動すると、ピストン18は上面をシリンダ17内の上壁に当接させた図4に示す上方位置に切換えられる。
シリンダ部16の右側面には操作窓20が形成され、図3に示すピストン18の下方位置では、操作窓20を介してシリンダ17内が外方に向けて露出し、図4に示すピストン18の上方位置では、操作窓20を介してピストン18の外周面が外方に向けて露出する。吸気低速ロッカアーム8上の一側からは連動アーム部21が後方に延設され、連動アーム部21の先端はL字状に屈曲して吸気高速ロッカアーム12のシリンダ部16の操作窓20と対応している。低速及び高速カム5,7のベース円区間(低速及び高速ロッカアーム8,12のリフト量が共に0の区間)において、図3に2点鎖線で示すように、連動アーム部21の先端が操作窓20からシリンダ17内に挿入される直前となるように、シリンダ部16と連動アーム部21との相互の位置関係が設定されている。
図3,4に示すように、吸気ロッカシャフト2には軸方向に沿ってオイル通路22が形成され、オイル通路22は各気筒の吸気高速ロッカアーム12のシリンダ部16の箇所において分配通路23を介してシリンダ17内と連通している。以上のように吸気側の切換機構M1が構成されており、重複する説明はしないが、上記したとおり排気側の切換機構M2も全く同様の構成となっている。
そして、図示はしないが吸気及び排気ロッカシャフト2,3のオイル通路22は共通のOCV(オイルコントロールバルブ)に接続され、このOCVの切換に応じてエンジンに備えられた潤滑用オイルポンプからオイル通路22内に切換機構M1,M2用の作動オイルが供給される。
次に、以上のように構成されたエンジンの可変動弁装置の作動状況を説明する。
OCVの切換制御は図示しないECU(エンジン制御ユニット)により行われ、このOCVの切換に応じてエンジンの運転モードが低速モードと高速モードとの間で切換えられる。
例えば、エンジン回転速度Neが閾値Ne0未満でエンジンへの出力要求がそれほど高くない回転域では、ECUは低速モードを実行すべくOCVを閉弁側に切換えて、吸気側及び排気側のオイル通路22へのオイル供給を中止する。その結果、吸気側及び排気側の各気筒の高速ロッカアーム12,13では、図3に示すように圧縮スプリング19の付勢力によりピストン18が下方位置に保持され、操作窓20を介してシリンダ17内が外方に向けて露出する。
一方、エンジンの運転中には、カムシャフト1の回転に伴って吸排気の各ロッカアーム8,9,12,13は、対応するカム4〜7上でローラ8c,9c,12c,13cを転動させながらそれぞれのカム形状に倣って揺動している。ここで、低速カム5,6に対して高速カム4,7は作動角が広く且つリフト量が大きいため、低速ロッカアーム8,9に比較して高速ロッカアーム12,13が大きく揺動するが、上記のようにピストン18が下方位置にあるため、高速ロッカアーム12,13は、操作窓20を介してシリンダ17内に低速ロッカアーム8,9の連動アーム部21の先端を挿脱させながら単独で空振りする。つまり、このときには低速ロッカアーム8,9と高速ロッカアーム12,13との連係が解除され、低速ロッカアーム8,9は低速カム5,6の形状に倣って揺動して吸気弁10aや排気弁10bを開閉駆動する。
又、エンジン回転速度Neが閾値Ne0以上で特にエンジンへの出力要求が高い回転域では、ECUは高速モードを実行すべくOCVを開弁側に切換えて、吸気側及び排気側のオイル通路22への作動オイル供給を行う。その結果、吸気側及び排気側の各気筒の高速ロッカアーム12,13では、図4に示すように圧縮スプリング19の付勢力に抗して油圧によりピストン18が上方位置に切換えられ、操作窓20を介してピストン18の外周面が露出する。高速ロッカアーム12,13の揺動に伴って操作窓20を介してピストン18の外周面により低速ロッカアーム8,9の連動アーム部21の先端が押圧され、これにより低速ロッカアーム8,9は高速ロッカアーム12,13に対して連係されて高速ロッカアーム12,13と共に揺動し、高速カム4,7の形状に倣って吸気弁10aや排気弁10bを開閉駆動する。
一方、本実施形態のエンジンの可変動弁装置では、吸気側及び排気側において低速カム5,6と高速カム4,7とを相互に隣接させて対応するロッカアーム8,9,12,13のローラ8c,9c,12c,13cを当接させているため、以下の利点を得ることができる。
まず、説明に先立って低速モード及び高速モードでのバルブクリアランスの発生状況について述べる。尚、以下の説明は全て吸排気に共通するものとする。低速ロッカアーム8,9が低速カム5,6により直接的に揺動される低速モードでは、低速ロッカアーム8,9と吸排気弁10a,10bとの間隙を0とした上で、低速ロッカアーム8,9のローラ8e,9eと低速カム5,6との間に形成された間隙がバルブクリアランスとなる。
これに対して、低速ロッカアーム8,9が高速ロッカアーム12,13を介して高速カム4,7により間接的に揺動される高速モードでは、低速ロッカアーム8,9と吸排気弁10a,10bとの間隙を0とし、且つ、上方位置に切換えられたピストン18と連動アーム部21との間隙を0とした上で、高速ロッカアーム12,13のローラ12c,13cと高速カム4,7との間に形成された間隙がバルブクリアランスとなる。
ここで、単体のロッカシャフト2,3に低速及び高速ロッカアーム8,9,12,13を組付けて、ピストン18と連動アーム部21との間隙を0とした状態では、低速ロッカアーム8,9のローラ8c,9cと高速ロッカアーム12,13のローラ12c,13cとは上下方向(カム4〜7に対するローラ8c,9c,12c,13cの接離方向)に所定の位置関係となり、以下、このときの両ローラ間(8cと12c間、又は9cと13c間)に形成される上下方向の段差をローラ段差と定義する。尚、ローラ段差は低速カム5,6と高速カム4,8とのベース円に応じて定まり、双方のベース円が同一の場合にはローラ段差は0となり、ベース円が異なる場合には格差に応じた値となる。
そして、ベース円に基づく所期のローラ段差が形成されている場合には、低速及び高速ロッカアーム8,9,12,13が正規の組合せ状態にあると見なせる。従って、この組合せ状態でロッカシャフト2,3をシリンダヘッド上に組付けて、アジャストボルト8e,9eによりバルブクリアランスの調整を実施すると、低速カム側と高速カム側とのバルブクリアランスを共に正規の値に調整可能となる。
但し、このときのロッカアーム8,9,12,13の組合せ状態はロッカシャフト2,3を基準としたものであり、仮に図2に示すようにロッカシャフト2,3又はカムシャフト1のミスアライメントにより何れかの軸心Lr,Lcに上下方向の角度誤差αが生じている場合には、譬え所期のローラ段差が形成されていても低速カム側と高速カム側との双方のバルブクリアランスを両立できなくなる。即ち、ロッカシャフト側に角度誤差αが生じると、低速及び高速ロッカアーム8,9,12,13の揺動中心が上下方向に相対変位し、カムシャフト側に角度誤差αが生じると、低速カム5,6及び高速カム4,7が上下方向に相対変位することから、何れの場合も低速カム側と高速カム側とのバルブクリアランスの関係が変動し、アジャストボルト8e,9eの調整により一方のバルブクリアランスを調整できても、他方のバルブクリアランスには上記変動分の誤差が生じることになる。
ここで、本実施形態では、低速カム5,6と高速カム4,7とを相互に隣接させているため、例えば図5,6に示す先行技術のように低速カム101bと高速カム101aとの間に排気カム101cを介在させた場合に比較して、低速カム5,6及び低速ロッカアーム8,9のローラ8e,9eの当接箇所と、高速カム4,7及び高速ロッカアーム12,13のローラ12c,13cの当接箇所とのピッチPが最小限に狭められている。このように双方の当接箇所のピッチPが狭められていると、ミスアライメントにより同一の角度誤差αが生じているときであっても、バルブクリアランスに対する角度誤差αの影響は図5,6の先行技術に比べて格段に軽微なものとなり、角度誤差αに起因する低速カム側と高速カム側とのバルブクリアランスの関係に生じる変動、換言すれば、アジャストボルト8e,9eによる調整を実施しても何れかのバルブクリアランスに生じる誤差を最小限に抑制できる。
よって、本実施形態のエンジンの可変動弁装置によれば、吸排気の何れにおいても、ロッカシャフト2,3やカムシャフト1のミスアライメントに起因するバルブクリアランスの影響を軽減し、もって、低速モードと高速モードとで共に適切なバルブクリアランスを達成して打音の発生を確実に防止できると共に、バルブクリアランスに関するエンジン毎の個体差を抑制して均一な品質を実現することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、高速ロッカアーム12,13に設けたピストン18の上下位置に応じて低速ロッカアーム8,9の連動アーム部21との間の係合状態を切換えることにより、低速及び高速ロッカアーム8,9,12,13の連係の有無を切換えたが、切換機構M1,M2の構成はこれに限ることはなく、例えば、低速ロッカアーム8,9又は高速ロッカアーム12,13に油圧により軸方向に摺動する切換ピンを内蔵させて、この切換ピンの切換に応じてロッカアーム間の連係の有無を切換えるようにしてもよい。
又、上記実施形態では、ローラ8c,9c,12c,13cをカムシャフト1のカム4〜7上で転動させながらロッカアーム8,9,12,13を揺動させたが、各ロッカアーム8,9,12,13の形式はこれに限らず、例えばローラ8c,9c,12c,13cに代えてスリッパを設け、このスリッパを対応するカム4〜7上で摺接させながらロッカアーム8,9,12,13を揺動させるように構成してもよい。この場合でも隣接した低速カム5,6及び高速カム4,7上に各スリッパが当接することから、上記実施形態と同様にミスアライメントによるバルブクリアランスの影響を軽減できる。
更に、上記実施形態では、バルブクリアランスをアジャストボルト8e,9eにより調整したが、これに代えてHLA(ハイドロリック・ラッシュ・アジャスタ)により調整するように構成してもよい。この場合でも低速カム側と高速カム側とのバルブクリアランスが異なると、運転モードの切換毎にHLAの調整が行われて過渡的に打音が生じる虞があるが、両モードで共に適切なバルブクリアランスが達成されるため、このような不具合を未然に防止できる。
一方、上記実施形態では、吸排気共に可変動弁装置を設けたが、吸気側或いは排気側の何れか一方のみに可変動弁装置を設け、他方は通常の動弁装置として構成してもよい。
実施形態のエンジンの可変動弁装置の1気筒分を示す平面図である。 同じく可変動弁装置のカムシャフトとローラとの関係を示す図1のA矢視図である。 ロッカアームの連係解除時の切換機構を示す図1のB−B線に相当する断面図である。 同じくロッカアームの連係時の切換機構を示す図1のB−B線に相当する断面図である。 先行技術のエンジンの可変動弁装置の1気筒分を示す平面図である。 同じく先行技術の可変動弁装置のカムシャフトとローラとの関係を示す図5のC矢視図である。
符号の説明
1 カムシャフト
2 吸気ロッカシャフト
3 排気ロッカシャフト
4 排気高速カム(第2カム、第2排気カム)
5 吸気低速カム(第1カム、第1吸気カム)
6 排気低速カム(第1カム、第1排気カム)
5 吸気高速カム(第2カム、第2吸気カム)
8 吸気低速ロッカアーム
(第1のロッカアーム、第1の吸気ロッカアーム)
8c,9c,12c,13c ローラ(操作部)
9 排気低速ロッカアーム
(第1のロッカアーム、第1の排気ロッカアーム)
10a 吸気弁
10b 排気弁
12 吸気高速ロッカアーム
(第2のロッカアーム、第2の吸気ロッカアーム)
13 排気高速ロッカアーム
(第2のロッカアーム、第2の排気ロッカアーム)
M1 切換機構(吸気側切換機構)
M2 切換機構(排気側切換機構)

Claims (1)

  1. 第1吸気カム及び該第1吸気カムとはカム形状が異なる第2吸気カムが相互に隣接して形成されると共に、第1排気カム及び該第1排気カムとはカム形状が異なる第2排気カムが相互に隣接して形成されたカムシャフトと、
    前記カムシャフトの一側に配設された吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、内端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの第1吸気カム上に当接させる一方、外端側が一対の吸気弁と連係される第1の吸気ロッカアームと、
    前記第1の吸気ロッカアームに隣接して前記吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、内端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの第2吸気カム上に当接させた第2の吸気ロッカアームと、
    前記第1及び第2の吸気ロッカアームの間に設けられて、両吸気ロッカアームの連係の有無を切換える単一の吸気側切換機構と、
    前記カムシャフトの他側に配設された排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、前記第1の吸気ロッカアームに対して気筒中心を基準とする点対称の配置及び形状をなし、内端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの第1排気カム上に当接させる一方、外端側が一対の排気弁と連係される第1の排気ロッカアームと、
    前記第1の排気ロッカアームに隣接して前記排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、前記第2の吸気ロッカアームに対して気筒中心を基準とする点対称の配置及び形状をなし、内端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの第2排気カム上に当接させた第2の排気ロッカアームと、
    前記第1及び第2の排気ロッカアームの間に設けられて、両排気ロッカアームの連係の有無を切換える単一の排気側切換機構と
    を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
JP2003377203A 2003-11-06 2003-11-06 内燃機関の可変動弁装置 Expired - Fee Related JP4164671B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003377203A JP4164671B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 内燃機関の可変動弁装置
US10/980,775 US7156059B2 (en) 2003-11-06 2004-11-04 Variable valve train apparatus for an internal combustion engine
CN2004100925403A CN1614201B (zh) 2003-11-06 2004-11-05 内燃机的可变气门阀装置
KR1020040089537A KR100642711B1 (ko) 2003-11-06 2004-11-05 내연 기관의 가변 밸브 이동 장치
DE102004053807A DE102004053807A1 (de) 2003-11-06 2004-11-08 Variable Ventiltriebvorrichtung für einen Verbrennungsmotor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003377203A JP4164671B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 内燃機関の可変動弁装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005140010A JP2005140010A (ja) 2005-06-02
JP4164671B2 true JP4164671B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=34688003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003377203A Expired - Fee Related JP4164671B2 (ja) 2003-11-06 2003-11-06 内燃機関の可変動弁装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4164671B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4883330B2 (ja) * 2009-11-25 2012-02-22 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の可変動弁装置
JP5288134B2 (ja) * 2009-11-25 2013-09-11 三菱自動車工業株式会社 内燃機関の可変動弁装置
CN102713169B (zh) * 2010-01-25 2013-07-31 三菱自动车工业株式会社 内燃机的可变气门装置
JP5461252B2 (ja) * 2010-03-15 2014-04-02 本田技研工業株式会社 内燃機関の可変動弁装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005140010A (ja) 2005-06-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4827865B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US7156059B2 (en) Variable valve train apparatus for an internal combustion engine
JP4143842B2 (ja) 内燃機関の休筒機構付き動弁装置
US7107953B2 (en) Valve gear of an internal combustion engine
JP4164671B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4117481B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4189669B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5239088B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP6737072B2 (ja) エンジンの頭上弁作動機構
JP4123372B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP6368375B2 (ja) 内燃機関の動弁機構
JP4106556B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2005146955A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP4196193B2 (ja) 内燃機関の休筒機構付き動弁装置
JP2005140009A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
CA2527942C (en) Engine valve operating system
JP5385658B2 (ja) 自動二輪車用可変動弁機構付きv型内燃機関
JPH0749018A (ja) 内燃機関の動弁機構の潤滑装置
JP2005009487A (ja) エンジンの動弁装置
JP3690130B2 (ja) 3次元カム用揺動フォロワ機構
JP4150920B2 (ja) 内燃機関の休筒機構付き動弁装置
JP3882281B2 (ja) 内燃機関の動弁装置およびそのバルブクリアランス調整方法
JP4150919B2 (ja) 内燃機関の休筒機構付き動弁装置
JPH03115711A (ja) エンジンの動弁装置
JP2018035689A (ja) エンジンの頭上弁作動機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080416

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080605

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080702

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080715

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4164671

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140808

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees