JP4123372B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関(以下、エンジンという)の可変動弁装置に関するものである。
運転領域に応じた最適なエンジン出力特性を実現するために、吸排気弁の開弁期間やリフト量の切換等を行う可変動弁装置を備えた種々のエンジンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたエンジンの可変動弁装置では、図7の平面図に示すように、カムシャフト101の低速カム101aにより揺動する低速ロッカアーム102、及び高速カム101bにより揺動する高速ロッカアーム103をロッカシャフト104に支承し、低速ロッカアーム102の揺動に連係して吸気弁105を開閉駆動している。低速ロッカアーム102にはロッカシャフト104の軸方向に油圧で摺動するスペーサ体106を設ける一方、高速ロッカアーム103にはその揺動に伴ってスペーサ体106を押圧操作可能なようにアジャストボルト107を設け、スペーサ体106の摺動位置に応じてアジャストボルト107をスペーサ体106に対して連係・解除させている。
そして、スペーサ体106による連係の解除時には、高速ロッカアーム103を空振りさせながら低速ロッカアーム102により低速カム101aの形状に倣って吸気弁105を開閉駆動し、スペーサ体106による連係時には、高速ロッカアーム103と一体で低速ロッカアーム102を揺動させて高速カム101bの形状に倣って吸気弁105を開閉駆動する。
特開平2−223613号公報
上記特許文献1に記載された可変動弁機構では、高速ロッカアーム103上のアジャストボルト107により押圧操作可能なように、低速ロッカアーム102のスペーサ体106は高速ロッカアーム103側に張出して設けられている。従って、連係時にアジャストボルト107によりスペーサ体106が押圧操作される位置(以下、駆動力伝達点108という)は、低速ロッカアーム102が吸気弁105と連係する連係箇所109に対してロッカシャフト104の軸方向に大きなオフセット量Aを形成している。
その結果、駆動力伝達点108を介して低速ロッカアーム102に伝達された駆動力は分力を生じ、分力は吸気弁105の開弁に有効に利用されずにロッカシャフト104に対する低速ロッカアーム102の軸受部分に偏荷重を発生させてしまう。軸受部分の偏荷重は摩耗やフリクションを増大させる要因となり、ひいては可変動弁装置の耐久性及び信頼性を低下させてしまうという問題があった。
本発明の目的は、高速ロッカアーム側から駆動力を伝達されたときに低速ロッカアームの軸受部分に生じる偏荷重を軽減して、偏荷重による軸受部分の摩耗やフリクションを抑制し、もって耐久性及び信頼性を向上させることができる内燃機関の可変動弁装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1カム上に当接させると共に、ボス部から他端側に延設したアーム部を吸気弁又は排気弁と連係させた第1のロッカアームと、第1のロッカアームに隣接してロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1カムとはカム形状が異なる第2カム上に当接させた第2のロッカアームと、第2のロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、第1のロッカアームから第2のロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起とを備え、第1のロッカアームのボス部の幅を第2のロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、第1のロッカアームの操作部を第2のロッカアームに対して近接配置したものである。
従って、内燃機関の運転中には、カムシャフトの回転に伴って第1及び第2のロッカアームが対応するカムにより操作部を介して揺動操作される。ここで、第1のロッカアームの係合突起が第2のロッカアームのピストンに係合しないときには両ロッカアームの連係が解除され、第2のロッカアームを単独で空振りさせながら第1のロッカアームは第1カムの形状に倣って揺動して吸気弁又は排気弁を開閉駆動する。又、この状態から第1のロッカアームの係合突起が第2のロッカアームのピストンに係合すると両ロッカアームが連係されて、第1のロッカアームは第2のロッカアームと共に第2カムの形状に倣って揺動して吸気弁又は排気弁を開閉駆動する。
第1及び第2のロッカアームの連係時において、第1のロッカアームは係合突起とピストンとの係合箇所を介して第2のロッカアーム側から駆動力を伝達され、揺動しながら連係箇所を介して吸気弁又は排気弁に駆動力を伝達する。そして、第1のロッカアームの係合突起はピストンと係合可能なように第2のロッカアーム側に延設されているため、係合突起とピストンとの係合箇所は、第1のロッカアームが吸気弁又は排気弁と連係する連係箇所に対してロッカシャフトの軸方向にオフセットされている。従って、第1のロッカアームに伝達された駆動力は分力を生じ、分力によりロッカシャフトに対する第1のロッカアームの軸受部分には偏荷重が発生する。
ここで、第1及び第2のロッカアームに設定可能なボス部の幅は内燃機関の気筒ピッチ等の要因に基づいて制限されているが、限られた範囲内で軸受として厳しい条件が要求される第1のロッカアーム側により広いボス部の幅、換言すればロッカシャフトに対する軸受部分の長さが割り当てられるため、第1のロッカアームの軸受部分に生じた偏荷重の影響が軽減されて、偏荷重による摩耗やフリクションが抑制される。
一方、第1及び第2のロッカアームの連係時においては、第1のロッカアームの操作部は何ら機能を果たすことなく慣性質量としてロッカアームの揺動を妨げる方向に作用するため、第1のロッカアームのボス部には揺動毎に正逆に捩れが生じて、第2カムに基づく所期の吸排気弁の開閉特性を狂わせる要因となり得る。
操作部の慣性質量の影響は、操作部と係合突起及びピストンの係合箇所とがボス部の軸方向に離間しているほど大きくなるが、これらの操作部が第2のロッカアームに対して近接配置されていることから必然的に係合突起及びピストンの係合箇所に対しても近接し、ボス部の捩れを抑制して正確な吸排気弁の開閉特性が実現される。
請求項2の発明は、吸気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1吸気カム上に当接させると共に、ボス部から他端側に延設したアーム部を吸気弁と連係させた第1の吸気ロッカアームと、第1の吸気ロッカアームに隣接して吸気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1吸気カムとはカム形状が異なる第2吸気カム上に当接させた第2の吸気ロッカアームと、第2の吸気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、第1の吸気ロッカアームから第2の吸気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と、排気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1排気カム上に当接させると共に、ボス部から他端側に延設したアーム部を排気弁と連係させた第1の排気ロッカアームと、第1の排気ロッカアームに隣接して排気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1排気カムとはカム形状が異なる第2排気カム上に当接させた第2の排気ロッカアームと、第2の排気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、第1の排気ロッカアームから第2の排気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起とを備え、第1の吸気ロッカアームのボス部の幅を第2の吸気ロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、第1の吸気ロッカアームの操作部を第2の吸気ロッカアームに対して近接配置し、且つ、第1の排気ロッカアームのボス部の幅を第2の排気ロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、第1の排気ロッカアームの操作部を第2の排気ロッカアームに対して近接配置したものである。
従って、内燃機関の運転中には、カムシャフトの回転に伴って吸排気の各ロッカアームが対応するカムにより操作部を介して揺動操作される。ここで、第1の吸気ロッカアームの係合突起が第2の吸気ロッカアームのピストンに係合しないときには両ロッカアームの連係が解除され、第2の吸気ロッカアームを単独で空振りさせながら第1の吸気ロッカアームは第1吸気カムの形状に倣って揺動して吸気弁を開閉駆動する。又、この状態から第1の吸気ロッカアームの係合突起が第2の吸気ロッカアームのピストンに係合すると両ロッカアームが連係されて、第1の吸気ロッカアームは第2の吸気ロッカアームと共に第2吸気カムの形状に倣って揺動して吸気弁を開閉駆動する。
排気側も同様であり、第1の排気ロッカアームの係合突起が第2の排気ロッカアームのピストンに係合しないときには両ロッカアームの連係が解除され、第1の排気ロッカアームが第1排気カムの形状に倣って揺動して排気弁を開閉駆動し、第1の排気ロッカアームの係合突起が第2の排気ロッカアームのピストンに係合すると両ロッカアームが連係されて、第1の排気ロッカアームが第2の排気ロッカアームと共に第2排気カムの形状に倣って揺動して排気弁を開閉駆動する。
第1及び第2のロッカアームの連係時において、第1の吸気ロッカアームは係合突起とピストンとの係合箇所を介して第2の吸気ロッカアーム側から駆動力を伝達され、揺動しながら連係箇所を介して吸気弁に駆動力を伝達し、第1の排気ロッカアームは係合突起とピストンとの係合箇所を介して第2の排気ロッカアーム側から駆動力を伝達され、揺動しながら連係箇所を介して排気弁に駆動力を伝達する。そして、吸排気の何れにおいても第1のロッカアームの係合突起はピストンと係合可能なように第2のロッカアーム側に延設されているため、係合突起とピストンとの係合箇所は、第1のロッカアームが吸気弁や排気弁と連係する連係箇所に対してロッカシャフトの軸方向にオフセットされている。従って、第1のロッカアームに伝達された駆動力は分力を生じ、分力によりロッカシャフトに対する第1のロッカアームの軸受部分には偏荷重が発生する。
ここで、吸排気の何れにおいても第1及び第2のロッカアームに設定可能なボス部の幅は内燃機関の気筒ピッチ等の要因で制限されているが、限られた範囲内で軸受として厳しい条件が要求される第1のロッカアーム側により広いボス部の幅、換言すればロッカシャフトに対する軸受部分の長さが割り当てられるため、第1のロッカアームの軸受部分に生じた偏荷重の影響が軽減されて、偏荷重による摩耗やフリクションが抑制される。
一方、吸排気の第1及び第2のロッカアームの連係時においては、第1の吸気ロッカアーム及び第1の排気ロッカアームの操作部は何ら機能を果たすことなく慣性質量としてロッカアームの揺動を妨げる方向に作用するため、第1の吸気ロッカアームや第1の排気ロッカアームのボス部には揺動毎に正逆に捩れが生じて、第2吸気カムや第2排気カムに基づく所期の吸排気弁の開閉特性を狂わせる要因となり得る。
操作部の慣性質量の影響は、操作部と係合突起及びピストンの係合箇所とがボス部の軸方向に離間しているほど大きくなるが、これらの操作部が第2の吸気ロッカアームや第2の排気ロッカアームに対して近接配置されていることから必然的に係合突起及びピストンの係合箇所に対しても近接し、ボス部の捩れを抑制して正確な吸排気弁の開閉特性が実現される。
請求項3の発明は、請求項1において、第1のロッカアームが一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、両アーム部の基端を相互に離間配置したものである。
従って、第1のロッカアームのボス部の幅を拡大すると、軸受部分への偏荷重の影響を軽減できるだけでなく、ボス部から延設された一対のアーム部の基端を相互に離間配置可能となる。これにより両アーム部は略平行を保ったままボス部の軸心に対して略直交方向に延設されて、ボス部と吸気弁又は排気弁とをほぼ最短距離で連結する。よって、アーム長が短縮化されると共に、バルブスプリングの付勢力に抗して吸気弁や排気弁を開弁させたときの両アーム部の捩れが抑制され、一層正確な吸排気弁の開閉特性が実現される。又、離間配置した両アーム部の間に点火プラグ等を配置可能なため、点火プラグ等に関するレイアウトの自由度が拡大される。
請求項4の発明は、請求項2において、第1の吸気ロッカアーム又は第1の排気ロッカアームの少なくとも一方が、一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、両アーム部の基端を相互に離間配置したものである。
従って、第1の吸気ロッカアームや第1の排気ロッカアームのボス部の幅を拡大すると、軸受部分への偏荷重の影響を軽減できるだけでなく、ボス部から延設された一対のアーム部の基端を相互に離間配置可能となる。これにより両アーム部は略平行を保ったままボス部の軸心に対して略直交方向に延設されて、ボス部と吸気弁や排気弁とをほぼ最短距離で連結する。よって、アーム長が短縮化されると共に、バルブスプリングの付勢力に抗して吸気弁や排気弁を開弁させたときの両アーム部の捩れが抑制され、一層正確な吸排気弁の開閉特性が実現される。又、離間配置した両アーム部の間に点火プラグ等を配置可能なため、点火プラグ等に関するレイアウトの自由度が拡大される。
以上説明したように請求項1の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、第2のロッカアーム側から駆動力を伝達されたときに第1のロッカアームの軸受部分に生じる偏荷重を軽減して、偏荷重による軸受部分の摩耗やフリクションを抑制し、もって耐久性及び信頼性を向上でき、しかも、操作部の慣性質量に起因する第1のロッカアームのボス部の捩れを抑制して、正確な吸排気弁の開閉特性を実現することができる。
請求項2の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、第2の吸気ロッカアーム側から駆動力を伝達されたときに第1の吸気ロッカアームの軸受部分に生じる偏荷重を軽減すると共に、第2の排気ロッカアーム側から駆動力を伝達されたときに第1の排気ロッカアームの軸受部分に生じる偏荷重を軽減して、これらの偏荷重による軸受部分の摩耗やフリクションを抑制して耐久性及び信頼性を向上でき、しかも、操作部の慣性質量に起因する第1の吸気ロッカアームや第1の排気ロッカアームのボス部の捩れを抑制して、正確な吸排気弁の開閉特性を実現することができる。
請求項3の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、請求項1に加えて、第1のロッカアームのアーム部の強度や剛性を確保して、一層正確な吸排気弁の開閉特性を実現できると共に、点火プラグ等の配置場所を確保して点火プラグ等に関するレイアウトの自由度を拡大することができる。
請求項4の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、請求項2に加えて、第1の吸気ロッカアームや第1の排気ロッカアームのアーム部の強度や剛性を確保して、一層正確な吸排気弁の開閉特性を実現できると共に、点火プラグ等の配置場所を確保して点火プラグ等に関するレイアウトの自由度を拡大することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明を具体化したエンジンの可変動弁装置の第1実施形態を説明する。
本実施形態のエンジンは気筒当たり2弁を有するSOHC型の直列4気筒ガソリン機関として構成され、通常の回転域での出力特性に対応する低速モードと特に高回転域での出力特性に対応する高速モードとの間で運転モードを切換可能に構成されている。このため、各気筒の動弁装置の吸気側にはモード切換のための切換機構が備えられており、以下、特定気筒について動弁装置の構成を説明するが、他の気筒も全く同一の構成である。
図1は本実施形態のエンジンの可変動弁装置における吸気側の1気筒分を示す平面図、図2は同じく可変動弁装置の吸気側の1気筒分を示す正面図である。ここで、図1において上方がエンジンの前側に相当し、下方がエンジンの後側に、右方がエンジンの右側に、左方がエンジンの左側に相当し、以下、エンジンを基準として説明する。尚、エンジン配置は、このような縦置きエンジンに限定されるものではなく、横置きエンジンであってもよい。
図示しないシリンダヘッド上にはエンジンの前後方向に延びるように1本のカムシャフト1が支承され、カムシャフト1は図示しないクランクシャフトにより同期して回転駆動される。カムシャフト1の左側には吸気ロッカシャフト2が配設され、吸気ロッカシャフト2はカムシャフト1に対して平行な姿勢で図示しないブラケットにより支持されている。カムシャフト1には後側の低速カム3(第1カム)及び前側の高速カム4(第2カム)が相互に隣接して形成され、これらの低速カム3及び高速カム4と対応するように、吸気ロッカシャフト2には低速ロッカアーム5(第1のロッカアーム)及び高速ロッカアーム6(第2のロッカアーム)のボス部5a,6aが相互に隣接した状態でそれぞれ揺動自在に支承されている。
低速ロッカアーム5のボス部5aからは一本のバルブアーム部5d(アーム部)が左方(他端側)に向けて延設され、バルブアーム部5dの先端はシリンダヘッド上の吸気弁7と連係され、低速ロッカアーム5の揺動に伴って吸気弁7が開閉駆動される。低速ロッカアーム5及び高速ロッカアーム6のボス部5a,6aからは右方(一端側)に向けてそれぞれローラ支持部5b,6bが突設され、各ローラ支持部5b,6bにはローラ5c,6c(操作部)が支持されている。低速ロッカアーム5のローラ5cはカムシャフト1上の低速カム3と対応して、図示しない吸気弁7のバルブスプリングの付勢力を受けて常に低速カム3上に当接し、高速ロッカアーム6のローラ6cはカムシャフト1上の高速カム4と対応して、図示しないリターンスプリングの付勢力を受けて常に高速カム4上に当接している。
低速ロッカアーム5と高速ロッカアーム6との間には運転モードを切換えるための切換機構Mが設けられている。図3はロッカアームの連係解除時の切換機構Mを示す図1のB−B線に相当する断面図、図4は同じくロッカアームの連係時の切換機構Mを示す図1のB−B線に相当する断面図である。これらの図に示すように、高速ロッカアーム6のボス部6a上には円筒状のシリンダ部16が一体的に形成され、シリンダ部16内に形成されたシリンダ17の上端は閉塞され、シリンダ17の下端は吸気ロッカシャフト2の外周面に対して開口している。シリンダ17内にはピストン18が配設され、ピストン18は図示しない規制ピンによりシリンダ17の軸線を中心とした回転を規制された状態でシリンダ17内を上下方向に摺動し得る。
シリンダ17内の上壁及びピストン18の上面には相対向するように凹部17a,18aが形成され、凹部17a,18a間には圧縮スプリング19が介装されている。圧縮スプリング19の付勢力によりピストン18は常に下方に付勢されて、その下面を吸気ロッカシャフト2の外周面に当接させた図3に示す下方位置に保持される一方、圧縮スプリング19の付勢力に抗してシリンダ17内でピストン18が上方に摺動すると、ピストン18は上面をシリンダ17内の上壁に当接させた図4に示す上方位置に切換えられる。シリンダ部16の右側面には操作窓20が形成され、図3に示すピストン18の下方位置では、操作窓20を介してシリンダ17内が外方に向けて露出し、図4に示すピストン18の上方位置では、操作窓20を介してピストン18の外周面が外方に向けて露出する。
図1に示すように、低速ロッカアーム5上の一側からは連動アーム部21(係合突起)が前方に延設され、連動アーム部21の先端はL字状に屈曲して高速ロッカアーム6のシリンダ部16の操作窓20と対応して上方位置のピストン18の外周面に当接可能であり、以下、このときの当接位置を駆動力伝達点28(係合箇所)とする。
低速及び高速カム3,4のベース円区間(低速及び高速ロッカアーム5,6のリフト量が共に0の区間)において、図3に2点鎖線で示すように、連動アーム部21の先端が操作窓20からシリンダ17内に挿入される直前となるように、シリンダ部16と連動アーム部21との相互の位置関係が設定されている。
そして、図1から明らかなように、低速ロッカアーム5の連動アーム部21は先端をピストン18に当接可能とすべく高速ロッカアーム6側に延設されているため、駆動力伝達点28は、低速ロッカアーム5が吸気弁7と連係する連係個所27に対して吸気ロッカシャフト2の軸方向にオフセット量Aを形成している。ここで、図1に示される動弁装置の前後両側には隣接気筒の動弁装置等が配置されているため、低速及び高速ロッカアーム5,6のボス部5a,6aの前後幅W1,W2は気筒ピッチ等の要因で制限されているが、その範囲内で低速ロッカアーム5のボス部5aは可能な限り後方(反高速ロッカアーム6側)に延設されており、結果として高速ロッカアーム6側のボス部6aの幅W2より広く設定されている。
図3,4に示すように、吸気ロッカシャフト2には軸方向に沿ってオイル通路22が形成され、オイル通路22は各気筒の高速ロッカアーム6のシリンダ部16の箇所において分配通路23を介してシリンダ17内と連通している。そして、図示はしないが吸気ロッカシャフト2のオイル通路22はOCV(オイルコントロールバルブ)に接続され、このOCVの切換に応じてエンジンに備えられた潤滑用オイルポンプからオイル通路22内に切換機構M用の作動オイルが供給される。
一方、排気側の動弁装置は切換機構Mを備えずに単一のロッカアームからなる一般的な構成であり、図示はしないが、排気ロッカシャフトに支承された排気ロッカアームがカムシャフト1の排気カムにより揺動されて排気弁を開閉駆動するようになっている。
次に、以上のように構成されたエンジンの可変動弁装置の作動状況を説明する。
OCVの切換制御は図示しないECU(エンジン制御ユニット)により行われ、このOCVの切換に応じてエンジンの運転モードが低速モードと高速モードとの間で切換えられる。
例えば、エンジン回転速度Neが閾値Ne0未満でエンジンへの出力要求がそれほど高くない回転域では、ECUは低速モードを実行すべくOCVを閉弁側に切換えてオイル通路22へのオイル供給を中止する。その結果、吸気側の各気筒の高速ロッカアーム6では、図3に示すように圧縮スプリング19の付勢力によりピストン18が下方位置に保持され、操作窓20を介してシリンダ17内が外方に向けて露出する。
一方、エンジンの運転中には、カムシャフト1の回転に伴って吸気側の低速及び高速ロッカアーム5,6は対応するカム3,4上でローラ5c,6cを転動させながらそれぞれのカム形状に倣って揺動している。ここで、低速カム3に対して高速カム4は作動角が広く且つリフト量が大きいため、低速ロッカアーム5に比較して高速ロッカアーム6が大きく揺動するが、上記のようにピストン18が下方位置にあるため、高速ロッカアーム6は、操作窓20を介してシリンダ17内に低速ロッカアーム5の連動アーム部21の先端を挿脱させながら単独で空振りする。つまり、このときには低速ロッカアーム5と高速ロッカアーム6との連係が解除され、低速ロッカアーム5は低速カム3の形状に倣って揺動して吸気弁7を開閉駆動する。
又、エンジン回転速度Neが閾値Ne0以上で特にエンジンへの出力要求が高い回転域では、ECUは高速モードを実行すべくOCVを開弁側に切換えてオイル通路22への作動オイル供給を行う。その結果、吸気側の各気筒の高速ロッカアーム6では、図4に示すように圧縮スプリング19の付勢力に抗して油圧によりピストン18が上方位置に切換えられ、操作窓20を介してピストン18の外周面が露出する。高速ロッカアーム6の揺動に伴って操作窓20を介してピストン18の外周面により低速ロッカアーム5の連動アーム部21の先端が押圧され、これにより低速ロッカアーム5は高速ロッカアーム6に対して連係されて高速ロッカアーム6と共に揺動し、高速カム4の形状に倣って吸気弁7を開閉駆動する。
高速モード時の低速ロッカアーム5は、駆動力伝達点28を介して高速ロッカアーム6側のピストン18から連動アーム部21に駆動力を伝達され、揺動しながら連係箇所27を介して吸気弁7に駆動力を伝達する。そして、上記のように駆動力伝達点28が吸気弁7の連係個所27に対して吸気ロッカシャフト2の軸方向にオフセットされているため、低速ロッカアーム5に伝達された駆動力は分力を生じ、分力により吸気ロッカシャフト2に対する低速ロッカアーム5の軸受部分には偏荷重が発生する。
つまり、低速ロッカアーム5の軸受部分は高速ロッカアーム6側に比較して軸受としてより厳しい条件が要求されているが、上記のように低速ロッカアーム5側により広いボス部5aの幅W1、換言すれば吸気ロッカシャフト2に対する軸受部分の長さが割り当てられているため、低速ロッカアーム5の軸受部分に生じた偏荷重の影響が軽減される。よって、偏荷重による軸受部分の摩耗やフリクションを抑制して、可変動弁装置の耐久性及び信頼性を向上することができる。
一方、高速モードにおいては、低速ロッカアーム5のローラ5cは何ら機能を果たすことなく慣性質量として低速ロッカアーム5の揺動を妨げる方向に作用するため、低速ロッカアーム5のボス部5aには揺動毎に正逆に捩れが生じて、高速カム4に基づく所期の吸気弁7の開閉特性を狂わせる要因となり得る。ローラ5cの慣性質量の影響は、ローラ5cと駆動力伝達点28とがボス部5aの軸方向に離間しているほど大きくなるが、上記のようにローラ5cが高速ロッカアーム6に近接配置されていることから必然的に駆動力伝達点28に対しても近接し、ボス部5aの捩れを抑制して正確な吸気弁7の開閉特性を実現することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明を別のエンジンの可変動弁装置に具体化した第2実施形態を説明する。
本実施形態のエンジンは気筒当たり4弁を有するSOHC型の直列4気筒ガソリン機関として構成され、吸排気共に運転モード切換のための切換機構Mを備えており、以下、特定気筒について動弁装置の構成を説明するが、他の気筒も全く同一の構成である。
図5は本実施形態のエンジンの可変動弁装置における1気筒分を示す平面図、図6は同じく可変動弁装置の1気筒分を示す正面図である。
図示しないシリンダヘッド上にはエンジンの前後方向に延びるように1本のカムシャフト31が支承され、カムシャフト31の左側には吸気ロッカシャフト32が、右側には排気ロッカシャフト33がそれぞれ図示しないブラケットにより支持されている。カムシャフト31には前側より吸気高速カム34(第2吸気カム)、吸気低速カム35(第1吸気カム)、排気低速カム36(第1排気カム)、排気高速カム37(第2排気カム)が相互に隣接して形成されている。
吸気ロッカシャフト32の前側には吸気高速ロッカアーム38(第2の吸気ロッカアーム)のボス部38aが、後側には吸気低速ロッカアーム39(第1の吸気ロッカアーム)のボス部39aが相互に隣接した状態でそれぞれ揺動自在に支承されている。吸気高速ロッカアーム38のボス部38aは前後方向で吸気高速カム34と対応し、吸気低速ロッカアーム39のボス部39aは前後方向で吸気低速カム35、排気低速カム36、排気高速カム37と対応し、結果として吸気低速ロッカアーム39のボス部39aの幅W1は吸気高速ロッカアーム38のボス部38aの幅W2より遥かに広く設定されている。
一対の吸気弁40a,40bはシリンダヘッド上で前後方向に離間して設けられ、前側の吸気弁40aは前後方向において両ロッカアーム38,39の境界より若干吸気高速ロッカアーム38寄りに位置し、後側の吸気弁40bは前後方向において吸気低速ロッカアーム39のボス部39aの後部に位置している。吸気低速ロッカアーム39のボス部39aからは2本のバルブアーム部39d(アーム部)が左方(他端側)に向けて延設され、これらのバルブアーム部39dの先端はそれぞれ吸気弁40a,40bと連係している。
後側のバルブアーム部39dは、後側の吸気弁40bと対応する前後位置でボス部39aから吸気弁40bに向けて直線状に延設され、前側のバルブアーム部39dは、ボス部39aの前端から吸気高速ロッカアーム38側に若干湾曲した後に前側の吸気弁40aに向けて直線状に延設されている。結果として両バルブアーム部39dは基端(ボス部39a側)を相互に離間させて、略平行を保ったままボス部39aの軸心と直交する方向に延びて吸気弁40a,40bと連係しており、両バルブアーム部39d間に形成された間隙には点火プラグ41が配置されている。
そして、吸気弁40a,40bに設けられた図示しないバルブスプリングの付勢力を受けて、吸気低速ロッカアーム39は右方(一端側)に突設されたローラ支持部39bのローラ39cを吸気低速カム35上に常に当接させて、低速カム35の形状に倣って揺動して吸気弁40a,40bを開閉駆動する。又、吸気高速ロッカアーム38は図示しないリターンスプリングの付勢力を受けて、右方(一端側)に突設されたローラ支持部38bのローラ38cを吸気高速カム34上に常に当接させている。
吸気高速ロッカアーム38と吸気低速ロッカアーム39との間には運転モードを切換えるための切換機構Mが設けられている。当該切換機構Mの構成は図3,4に示す第1実施形態のものと同様であるため、同一の部材番号を付して詳細な説明は省略するが、吸気高速ロッカアーム38のシリンダ部16内に設けられたピストン18がOCVの切換に応じて図3の下方位置と図4の上方位置との間で切換えられ、ピストン位置に応じて吸気低速ロッカアーム39の連動アーム部21(係合突起)とピストン18との係合の有無が切換えられて、両ロッカアーム38,39が連係・解除される。
吸気低速ロッカアーム39の前側のバルブアーム部39d上には第1のリブ42が一体形成され、第1のリブ42はバルブアーム部39dに倣って湾曲して前側の吸気弁40aに対する連係箇所44aとボス部39aとを接続している。連動アーム部21は、第1のリブ42の吸気弁40aに対する連係個所44aから右方(吸気高速ロッカアーム38側)に一直線状に延びた箇所に一体形成され、第1のリブ42から上方に分岐して右方やや前方に向けて円弧状に延びている。連動アーム部21の先端は吸気高速ロッカアーム38のシリンダ部16の操作窓20と対応して上方位置のピストン18の外周面に当接可能であり、この当接位置を駆動力伝達点45(係合箇所)としている。
吸気低速ロッカアーム39の後側のバルブアーム部39d上には第2のリブ43が一体形成され、この第2のリブ43は第1のリブ42と同様に後側の吸気弁40bに対する連係個所44bとボス部39aとを接続すると共に、ボス部39a上を前方に延設されて第1のリブ42及び連動アーム部21の基端に対して接続されている。
そして、図5から明らかなように、吸気低速ロッカアーム39の連動アーム部21は先端をピストン18に当接可能とすべく吸気高速ロッカアーム38側に延設されているため、駆動力伝達点45は、吸気低速ロッカアーム39が前側の吸気弁40aと連係する連係個所44aに対して吸気ロッカシャフト32の軸方向にオフセット量A1を形成し、必然的に後側の吸気弁40bの連係箇所44bに対しても駆動力伝達点45はオフセット量A2を形成している。
一方、以上の吸気側の構成に対して排気側の動弁装置は全体として前後及び左右対称に配置されているだけで、その構成自体は略同一である。概要を述べると、排気ロッカシャフト33の前側に支承された排気低速ロッカアーム51(第1の排気ロッカアーム)がカムシャフト31の排気低速カム36により揺動され、排気ロッカシャフト33の後側に支承された排気高速ロッカアーム52(第2の排気ロッカアーム)が排気高速カム37により揺動され、両ロッカアーム51,52間には吸気側と同一構成の切換機構Mが設けられている。
そして、排気低速ロッカアーム51の基本的な形状が吸気低速ロッカアーム39と略同一のため、排気弁53a,53bに対するバルブアーム部51d(アーム部)の連係箇所54a,54bと駆動力伝達点55との間のオフセット量A1,A2、及び第1及び第2のリブ56,57の形状等は吸気側のものとほぼ等しくなっている。又、排気低速ロッカアーム51のボス部51aは前後方向で吸気低速カム35及び排気低速カム36と対応し、その幅W1は吸気低速ロッカアーム39のボス部39aの幅W1よりは若干狭いものの、排気高速ロッカアーム52のボス部52aの幅W2よりは遥かに広く設定されている。
以上のように構成されたエンジンの可変動弁装置では、第1実施形態で述べた運転モードに応じた吸気側の動弁装置の切換が吸排気共に実施され、低速モードでは、吸排気の低速ロッカアーム39,51と高速ロッカアーム38,52との連係解除により低速カム35,36の形状に倣って吸排気弁40a,40b,53a,53bが開閉駆動され、高速モードでは両ロッカアーム39,51,38,52の連係により高速カム34,37の形状に倣って吸排気弁40a,40b,53a,53bが開閉駆動される。
高速モード時において吸排気の低速ロッカアーム39,51は、駆動力伝達点45,55を介して高速ロッカアーム38,52側のピストン18から連動アーム部21に駆動力を伝達され、揺動しながら連係箇所44a,44b,54a,54bを介して吸気弁40a,40bや排気弁53a,53bに駆動力を伝達する。そして、吸排気の何れにおいても低速ロッカアーム39,51の連動アーム部21はピストン18と係合可能なように高速ロッカアーム38,52側に延設されているため、駆動力伝達点45,55は前後の吸排気弁40a,40b,53a,53bの連係箇所44a,44b,54a,54bに対してロッカシャフト32,33の軸方向にオフセットされている。従って、低速ロッカアーム39,51に伝達された駆動力は分力を生じ、分力によりロッカシャフト32,33に対する低速ロッカアーム39,51の軸受部分には偏荷重が発生する。
ここで、上記のように吸排気の何れにおいても低速ロッカアーム39,51のボス部39a,51aは高速ロッカアーム38,52のボス部38a,52aより大きな前後幅W1を有している。即ち、例えば吸気側について述べると、一対の吸気弁40a,40bの開弁に伴う反力は、図5に仮想線Lで示すように両吸気弁40a.40bの前後中間位置で吸気低速ロッカアーム39のボス部39aに作用することから、両吸気弁40a,40bの均等な開閉駆動の観点からすれば、ボス部39a上の当該中間位置付近から二股状にバルブアーム部39dを延設して吸気弁40a,40bに連係させればよく、ボス部39dの上記中間位置付近より後側は不要と考えられる。
このような構成に対して本実施形態では、あえて吸気低速ロッカアーム39のボス部39aを後方に延設している。つまり、吸気低速ロッカアーム39及び吸気高速ロッカアーム38に設定可能なボス部39a,38aの幅W1,W2は気筒ピッチ等の要因に基づいて制限されるが、限られた範囲内で、上記オフセットに伴う偏荷重に起因して軸受として厳しい条件が要求される吸気低速ロッカアーム39側により広いボス部39aの幅W1、換言すれば吸気低速ロッカシャフト39に対する軸受部分の長さが割り当てられるため、吸気低速ロッカアーム39の軸受部分に生じた偏荷重の影響が軽減される。この点は排気低速ロッカアーム51についても全く同様であり、排気低速ロッカアーム51のボス部51aが前方に延設されることで、上記オフセットに起因して排気低速ロッカアーム51の軸受部分に生じた偏荷重の影響が軽減される。
よって、本実施形態のエンジンの可変動弁装置によれば、偏荷重による軸受部分の摩耗やフリクションを抑制して、その耐久性及び信頼性を向上することができる。
一方、高速モードにおいては、吸排気の何れでも低速ロッカアーム38,39のローラ38c,39cが慣性質量として作用するが、上記第1実施形態と同様にローラ38c,39cが高速ロッカアーム38,52に近接配置されていることから必然的に駆動力伝達点45,55に対しても近接し、結果としてボス部38a,39aの捩れを抑制して正確な吸排気弁40a,40b,53a,53bの開閉特性を実現することができる。
一方、吸排気の何れでも低速ロッカアーム38,39のボス部38a,51aの前後幅W1が拡大されていることから、この幅広のボス部38a,51aを利用して上記のように一対のバルブアーム部39d,51dの基端が相互に離間配置されている。これにより両バルブアーム部39d,51dは略平行を保ったままボス部39a,51aの軸心と直交する方向に延びて、ボス部39aと吸気弁40a,40bや排気弁53a,53bとをほぼ最短距離で連結するため、アーム長を短縮化できると共に、バルブスプリングの付勢力に抗して吸気弁40a,40bや排気弁53a,53bを開弁させたときの両バルブアーム部39d,51dの捩れを抑制できる。これらの要因によりバルブアーム部39d,51dが強度や剛性の面で有利になり、結果として吸排気弁40a,40b,53a,53bの開閉特性を一層正確なものとすることができる。
しかも、本実施形態の可変動弁装置のように単一のカムシャフト31を挟んで吸排気の各ロッカアーム38,39,51,52を対向配置した場合には、シリンダヘッド上の燃焼室直上付近のスペースが可変動弁装置に奪われて点火プラグ41の配置場所を確保し難くなるが、本実施形態では吸気低速ロッカアーム39の両バルブアーム部39d間に形成された間隙を利用して点火プラグ41を燃焼室直上付近に配置できるため、結果として点火プラグ41に関するレイアウトの自由度を拡大することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1実施形態では2弁式のSOHC型エンジンに適用して、その吸気側に運転モードの切換機構Mを設け、第2実施形態では4弁式のSOHC型エンジンに適用して、その吸気側及び排気側に切換機構Mを設けたが、これに限ることはなく、例えば吸排気弁を個別にカムシャフトで駆動する所謂DOHC型エンジンに適用したり、或いは4弁式のSOHC型エンジンに適用して吸排気の何れか一方に切換機構Mを設けたりしてもよい。
又、上記各実施形態では、低速ロッカアーム5,39,51のシリンダ部16内でピストン18を上下方向に摺動させたが、例えば先行技術として説明した特開平2−223613号公報のように、ピストン18をロッカシャフト2,32,33の軸方向に摺動させて、そのピストン位置に応じて連動アーム部21との係合の有無を切換えるようにしてもよい。
第1実施形態のエンジンの可変動弁装置における吸気側の1気筒分を示す平面図である。 同じく可変動弁装置の吸気側の1気筒分を示す正面図である。 ロッカアームの連係解除時の切換機構を示す図1のB−B線に相当する断面図である。 同じくロッカアームの連係時の切換機構を示す図1のB−B線に相当する断面図である。 第2実施形態のエンジンの可変動弁装置における1気筒分を示す平面図である。 同じく可変動弁装置の1気筒分を示す正面図である。 先行技術の可変動弁装置における吸気弁の連係箇所と駆動力伝達点との位置関係を示す平面図である。
符号の説明
1,31 カムシャフト
2,32 吸気ロッカシャフト
3 低速カム(第1カム)
4 高速カム(第2カム)
5 低速ロッカアーム(第1のロッカアーム)
5a,38a,39a,51a,52a ボス部
5c,38c,39c ローラ(操作部)
5d,39d,51d バルブアーム部(アーム部)
6 高速ロッカアーム(第2のロッカアーム)
7,40a,40b, 吸気弁
16 シリンダ部
18 ピストン
21 連動アーム部(係合突起)
27,44a,44b,54a,54b 連係箇所
28,45,55 駆動力伝達点
33 排気ロッカシャフト
34 吸気高速カム(第2吸気カム)
35 吸気低速カム(第1吸気カム)
36 排気低速カム(第1排気カム)
37 排気高速カム(第2排気カム)
38 吸気高速ロッカアーム(第2の吸気ロッカアーム)
39 吸気低速ロッカアーム(第1の吸気ロッカアーム)
51 排気低速ロッカアーム(第1の排気ロッカアーム)
52 排気高速ロッカアーム(第2の排気ロッカアーム)
53a,53b 排気弁
W1,W2 幅

Claims (4)

  1. ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1カム上に当接させると共に、該ボス部から他端側に延設したアーム部を吸気弁又は排気弁と連係させた第1のロッカアームと、
    前記第1のロッカアームに隣接して前記ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの前記第1カムとはカム形状が異なる第2カム上に当接させた第2のロッカアームと、
    前記第2のロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
    前記第1のロッカアームから前記第2のロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と
    を備え、
    前記第1のロッカアームのボス部の幅を前記第2のロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、該第1のロッカアームの操作部を前記第2のロッカアームに対して近接配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 吸気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1吸気カム上に当接させると共に、該ボス部から他端側に延設したアーム部を吸気弁と連係させた第1の吸気ロッカアームと、
    前記第1の吸気ロッカアームに隣接して前記吸気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの前記第1吸気カムとはカム形状が異なる第2吸気カム上に当接させた第2の吸気ロッカアームと、
    前記第2の吸気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
    前記第1の吸気ロッカアームから前記第2の吸気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と、
    排気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部をカムシャフトの第1排気カム上に当接させると共に、該ボス部から他端側に延設したアーム部を排気弁と連係させた第1の排気ロッカアームと、
    前記第1の排気ロッカアームに隣接して前記排気ロッカシャフトにボス部が揺動自在に支承され、該ボス部の一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの前記第1排気カムとはカム形状が異なる第2排気カム上に当接させた第2の排気ロッカアームと、
    前記第2の排気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
    前記第1の排気ロッカアームから前記第2の排気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と
    を備え、
    前記第1の吸気ロッカアームのボス部の幅を前記第2の吸気ロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、該第1の吸気ロッカアームの操作部を前記第2の吸気ロッカアームに対して近接配置し、且つ、前記第1の排気ロッカアームのボス部の幅を前記第2の排気ロッカアームのボス部の幅より広く設定すると共に、該第1の排気ロッカアームの操作部を前記第2の排気ロッカアームに対して近接配置したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記第1のロッカアームは一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、両アーム部の基端を相互に離間配置したことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記第1の吸気ロッカアーム又は前記第1の排気ロッカアームの少なくとも一方は、一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、両アーム部の基端を相互に離間配置したことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
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