JP3661431B2 - 3次元カム用揺動フォロワ機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の回転に応じて変化する3次元カムのリフト量をバルブリフタに伝達する3次元カム用揺動フォロワ機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の吸気バルブあるいは排気バルブの開閉弁タイミングを内燃機関の運転状態に応じて可変とする可変バルブタイミング機構が知られている。この可変バルブタイミング機構の一種として、図14に示すごとく回転軸方向に移動可能な3次元カム302を用いてバルブ303のリフト量を可変とすることで開閉弁タイミングを調整するもの(特開平10−196333号公報等)が知られている。
【0003】
このような3次元カムを用いた可変バルブタイミング機構では、カム面302aの傾斜角度が回転に応じて変化するので、バルブリフタ304の頂面304aに3次元カム302の回転方向に平行に伸びるガイド溝305を形成して、このガイド溝305内に、カム面302aの傾斜角度の変化に応じて揺動可能な半円柱状の揺動フォロワ306を配置し、3次元カム302とバルブリフタ304との十分な接触状態を維持して耐久性を向上させていた。
【0004】
また、このような構成においては、3次元カム302のカム面302aは、半円柱状の揺動フォロワ306のカム摺動面306aに対して、揺動フォロワ306の軸方向(図示矢印Z方向)に摺動する。このため、図示したごとく、半円柱状の揺動フォロワ306の中央部には拡大部306bが形成されるとともに、ガイド溝305内にも拡大溝305aが形成され、拡大部306bが拡大溝305aに挿入される。このことにより、拡大部306bと拡大溝305aとの各スラスト面306c,305bが当接し、揺動フォロワ306の軸方向の移動を規制する構成とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図15〜図17の例で示すごとく、3次元カム302が高回転状態となった場合に、一瞬、バルブリフタ304と3次元カム302との接触が途切れて再度バネの圧力Fにて元の接触状態に戻るバルブリフタ304の異常挙動(例えば、バウンスなどの現象)が生じることがある。このような異常挙動が生じると、揺動フォロワ306には再接触時に大きな衝撃が加わり、揺動フォロワ306にクラック等が生じるおそれがある。
【0006】
これは、図16の断面図(図15におけるX−X断面)に示すごとく、図示矢印Y方向に3次元カム302が高速回転している場合、カムノーズ302b近傍にてバルブリフタ304を押し下げる速度が速いため、図示のごとくバルブリフタ304を押し上げようとするバネの圧力Fに抗して、揺動フォロワ306がカム面302aから離れてしまう。
【0007】
そして、3次元カム302がバルブリフタ304を閉じ側に移動させる位相になった時に、図17に示すごとく、わずかにガイド溝305から浮き上がった状態の揺動フォロワ306がカム面302aに衝突する。この衝突位置は、揺動フォロワ306の中央部ではなく、この中央部よりもカム閉じ側(3次元カムがバルブリフタを閉じ側に移動させる際に3次元カムと揺動フォロワとが接触する側)である。このように、揺動フォロワ306がガイド溝305から浮き上がった状態で、しかも揺動フォロワ306の中央部でなく、カム閉じ側に偏った位置にて衝撃力Gを受けることになる。なお、3次元カムがバルブリフタを開き側に移動させる際に3次元カムと揺動フォロワとが接触する側は、以下、「カム開き側」と称する。
【0008】
更に、前述したごとく、揺動フォロワ306は単にガイド溝305内に配置されているのみでなく、揺動フォロワ306の拡大部306bがガイド溝305の拡大溝305aに挿入されている。このため衝撃力Gは拡大溝305a内の拡大部306bを中心に回転させるモーメントを生じ、一点鎖線で示す拡大部306bの付け根部分Qに非常に大きな曲げ応力がかかる。このことにより、拡大部306bの付け根部分Qにクラック等の破壊が生じることが考えられ、3次元カム用揺動フォロワ機構の耐久性を低下させるおそれがある。
【0009】
本発明は、揺動フォロワの拡大部の付け根部分に破壊が生じることのない耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の3次元カム用揺動フォロワ機構は、内燃機関のバルブリフタ上に形成されたガイド溝と、該ガイド溝内に揺動可能に支持され、回転軸方向にプロフィールが異なる3次元カムのカム面に対して接触することにより前記内燃機関の回転に応じて変化する前記3次元カムのリフト量を前記バルブリフタに伝達する揺動フォロワとを備えた3次元カム用揺動フォロワ機構であって、前記ガイド溝は一部に拡大溝を有し、前記揺動フォロワは前記拡大溝に対応する位置に拡大部を有し、前記拡大溝に前記拡大部が収納されることにより前記揺動フォロワは揺動軸方向の移動が規制されると共に、前記拡大溝および前記拡大部の位置は、前記3次元カムの回転に伴って生じる前記バルブリフタの閉弁時の衝撃的荷重作用位置に略一致させたことを特徴とする。
【0011】
すなわち、揺動フォロワの拡大部の位置を、バルブリフタの閉弁時に3次元カムからの衝撃力が作用する位置(衝撃的荷重作用位置)に略一致させたものである。このことにより、拡大部の付け根部分に大きな曲げ応力がかかることが無いので、揺動フォロワの破壊が防止でき耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構とすることができる。
【0012】
請求項2記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、前記3次元カムの回転軸は、前記揺動フォロワの揺動軸方向のほぼ中央部に対向するように配置されると共に、前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記中央部から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする。
【0013】
拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させる構成としては、拡大溝および拡大部の形成位置を、バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと揺動フォロワとが接触する側、すなわちカム閉じ側へシフトさせることによっても実現できる。このことにより、前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。
【0014】
請求項3記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、前記3次元カムの回転軸は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記揺動フォロワの揺動軸方向の中央部からシフトした位置にて前記揺動フォロワに対向するように配置されると共に、前記拡大溝および前記拡大部は、各々ほぼ前記中央部に形成されたことを特徴とする
拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させる構成は、拡大溝および拡大部の位置と、3次元カムからの衝撃力が作用する位置との相対的な関係であるので、略一致させる構成としては、3次元カムの回転軸を、揺動フォロワの揺動軸方向の中央部から、バルブリフタを開き側に移動させる際に3次元カムと揺動フォロワとが接触する側、すなわちカム開き側へシフトした位置にて揺動フォロワに対向するように配置してもよい。
【0015】
このことによっても前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。請求項4記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、前記3次元カムの回転軸は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記揺動フォロワの揺動軸方向の中央部からシフトした位置にて前記揺動フォロワに対向するように配置されると共に、前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記3次元カムの回転軸位置から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする。
【0016】
このように、3次元カムの回転軸をカム開き側へシフトさせ、更に拡大溝および拡大部を3次元カムの回転軸よりもカム閉じ側へシフトして配置することで、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させてもよく、前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。
【0017】
請求項5記載の3次元カム用揺動フォロワ機構は、内燃機関のバルブリフタ上に形成されたガイド溝と、該ガイド溝内に揺動可能に支持され、回転軸方向にプロフィールが異なる3次元カムのカム面に対して接触することにより前記内燃機関の回転に応じて変化する前記3次元カムのリフト量を前記バルブリフタに伝達する揺動フォロワとを備えた3次元カム用揺動フォロワ機構であって、前記ガイド溝は一部に拡大溝を有し、前記揺動フォロワは前記拡大溝に対応する位置に拡大部を有し、前記拡大溝に前記拡大部が収納されることにより前記揺動フォロワは揺動軸方向の移動が規制されると共に、前記3次元カムの回転軸は、前記揺動フォロワの揺動軸方向のほぼ中央部にて、あるいは前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ前記中央部よりシフトした位置にて、前記揺動フォロワに対向するように配置され、前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記中央部から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする。
【0018】
ここでは、前記請求項1〜4と異なり、3次元カムの回転軸は中央部あるいはカム閉じ側とし、拡大溝および拡大部の位置はカム開き側として、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置から離している。
【0019】
このように衝撃的荷重作用位置が拡大部の付け根部分から離れると、今度は揺動フォロワ自身の弾性変形量が大きくなって、拡大部の付け根部分にかかる衝撃が緩衝され、曲げ応力も大きくならないので、拡大部の付け根部分の破壊を防止することができる。このようにして、耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構を実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は実施の形態1としての3次元カム用揺動フォロワ機構を適用したバルブ駆動機構を示し、図2は、図1の構成が適用された車両用ガソリンエンジン(以下、エンジンと称する)1の概略構成を示している。このエンジン1のバルブ駆動方式はDOHC4バルブタイプである。
【0021】
エンジン1を構成するシリンダブロック2には複数のシリンダ3が設けられ、各シリンダ3にはピストン4が配置されている。各ピストン4はクランクケース5に支持されるクランクシャフト6に対しそれぞれコンロッド7にて連結されている。またクランクシャフト6の一端にはクランクシャフトタイミングプーリ8が設けられている。
【0022】
シリンダブロック2の上側に設けられるシリンダヘッド9には、吸気側カムシャフト10が複数のジャーナル軸受22にて回転可能にかつ回転軸方向(図1図示矢印方向)に移動可能に支持されている。この吸気側カムシャフト10には各シリンダ3に2つずつの吸気側カム11が一体的に設けられている。更に、シリンダヘッド9には複数のジャーナル軸受にて排気側カムシャフト12が回転可能にかつ回転軸方向に移動不可能に支持されている。この排気側カムシャフト12には各シリンダ3に2つずつの排気側カム13が一体的に設けられている。
【0023】
吸気側カムシャフト10の一端にはカムシャフトタイミングプーリ14およびシャフト駆動機構15が一体的に設けられている。一方、排気側カムシャフト12の一端には、カムシャフトタイミングプーリ16が設けられている。各カムシャフトタイミングプーリ14,16は前記クランクシャフトタイミングプーリ8にタイミングベルト17で連結されている。このような構成により、クランクシャフト6が回転すると吸気側カムシャフト10および排気側カムシャフト12が回転駆動されるようになっている。
【0024】
各シリンダ3には、吸気バルブ18が2個ずつ配設されている。この吸気バルブ18は、吸気側カム11に対してバルブリフタ19を介してそれぞれ駆動連結されている。各バルブリフタ19は、シリンダヘッド9に設けられている図示しないリフタボア内に回転不能かつ摺動可能に支持されている。
【0025】
更に、各シリンダ3には、排気バルブ20が2個ずつ配設されている。この排気バルブ20は、排気側カム13に対してバルブリフタ21を介してそれぞれ駆動連結されている。各バルブリフタ21は、シリンダヘッド9に設けられている図示しないリフタボア内に摺動可能に支持されている。
【0026】
吸気側カムシャフト10に支持されている吸気側カム11は3次元カムであり、そのカム面11aのカムプロフィールがその回転軸方向に連続無段階に変化するように形成されている。一方、排気側カムシャフト12に支持されている排気側カム13はカムプロフィールがその回転軸方向に変化しない通常のカムである。
【0027】
図3の拡大斜視図および図4の分解斜視図に示すように、バルブリフタ19は円筒状に形成され、その側面19aには案内部材19bが突出状態で設けられている。この案内部材19bは、シリンダヘッド9のリフタボア内周面に設けられた案内溝(図示していない)に挿入されることにより、バルブリフタ19をリフタボア内で回動不能にかつ軸方向に摺動可能にガイドしている。
【0028】
バルブリフタ19の上面19cにはカムフォロアホルダ24が一体的に形成され、同カムフォロアホルダ24にはカムフォロア25(揺動フォロワに相当する)がその幅方向に揺動可能に支持されている。バルブリフタ19はシリンダヘッド9との間に圧縮状態で配置しているバネ18a(図1)により吸気側カム11側へ付勢されているので、カムフォロア25のカム摺動面25aは、吸気側カム11のカム面11a側へ押圧されて、カム面11aに対して摺動状態に接触されるとともに、カムフォロア25はカム面11aに従って揺動する。
【0029】
カムフォロア25は、図4の分解斜視図および図5(A)の平面図、(B)の左側面図、および(C)の正面図に示すごとく、半円柱状の本体25bと、この本体25bにおける揺動軸方向(図4矢印B方向)の中央部から一端側に偏った位置に本体25bよりも大径に形成された拡大部25cとを有している。この本体25bの円柱状外周面が、図3に示したごとく、バルブリフタ19のカムフォロアホルダ24に配置した場合、カムフォロア25の揺動時に、カムフォロアホルダ24に形成された断面半円形のガイド溝24aに対して摺動する摺動面25dとなる。
【0030】
また、カムフォロア25の拡大部25cは、この拡大部25cに対応してガイド溝24aの中央部(矢印B方向での中央部)から一端側に偏って形成された拡大溝24b内に収納されている。このことにより、拡大部25cのスラスト面25eと、拡大溝24bのスラスト面24cとが当接することになり、カムフォロア25が矢印Bにて示す揺動軸方向へ移動することを阻止できる。すなわち、バルブリフタ19のカムフォロアホルダ24に配置されたカムフォロア25は、揺動軸周りに揺動可能であるが、揺動軸方向へは移動が不能とされている。
【0031】
なお、カムフォロア25の拡大部25cとガイド溝24aの拡大溝24bとは、図3に示したごとく3次元カム用揺動フォロワ機構においては、カム閉じ側となるように配置される。
【0032】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の作用効果が得られる。
(イ).図6の断面図(図3のA−A断面に相当、ただし吸気側カム11の回転位相は異なる)に示すごとく、吸気側カム11が高回転状態となった場合に、バルブリフタ19が一瞬、吸気側カム11から離れて、カムフォロア25のカム摺動面25aと吸気側カム11のカム面11aとの接触が途切れ、そして吸気側カム11のカムノーズ11bがカム閉じ側となって、再度、図7の断面図に示すごとくの接触状態に戻る異常挙動が発生する。
【0033】
この異常挙動時に、わずかにガイド溝24aから浮き上がった状態のカムフォロア25がカム面11aに衝突する。この衝突位置は、図7に示したごとく、カムフォロア25のカム閉じ側であり、同じ位置には拡大部25cが設けられている。このことにより、カム面11aからカムフォロア25に与えられる衝撃力Gは、直接的に拡大部25cに加わる。
【0034】
したがって、一点鎖線で示す拡大部25cの付け根部分Pには大きな曲げ応力が加わることがなく、この付け根部分Pにクラック等の破壊が生じることが防止できる。このように耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構を提供することができる。
【0035】
(ロ).また、カムフォロア25の重心は拡大部25cの位置から離れているので、図7に示すごとくカムフォロア25にバルブリフタ19から離れるように力が加わっても、拡大部25cが重心から外れているために、カムフォロア25全体が図7において反時計回りに回転しようとする。このため拡大部25cが拡大溝24bから抜けにくくなる。したがって、衝撃力Gの作用位置S1が拡大部25cの位置から少々外れることがあっても、衝撃力Gに対しては拡大部25cの付け根部分Pではわずかに歪むだけで、本体25bの両端の内のいずれかがガイド溝24aに接触して衝撃力Gを分散する。このことによっても、付け根部分Pにクラック等の破壊が生じることが防止でき、耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構を提供することができる。
【0036】
[実施の形態2]
実施の形態2としての3次元カム用揺動フォロワ機構を図8に、分解斜視図を図9に示す。本実施の形態2が前記実施の形態1と異なる点は、カムフォロア125における拡大部125cの位置が、図10(A)の平面図、(B)の左側面図、および(C)の正面図に示すごとく、中央部よりもカム開き側にシフトされて形成され、これに対応して拡大溝124bもカム開き側にシフトされている点である。他の構成は実施の形態1と同じである。なお、本実施の形態2の図においては、実施の形態1と同一機能部分には、実施の形態1の符号に「100」を加えた符号を付してある。
【0037】
このように構成されているため、図11に示すごとく異常挙動時に吸気側カム111のカム面111aに衝突する作用位置S2からは、拡大部125cは遠く離れている。
【0038】
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).上述したごとく、衝撃作用位置S2に対して、拡大部125cが中央部を挟んで反対側であるカム開き側に離れると、カムフォロア125の本体125bにおいて、衝撃作用位置S2と拡大部125cの付け根部分Rと距離が長くなる。このことにより、カムフォロア125の本体125bの弾性変形量が大きくなって、付け根部分Rでの衝撃力Gが緩衝され、曲げ応力も大きくならないので破壊が生じるおそれがなくなる。こうして耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構とすることができる。
【0039】
(ロ).拡大部125cは、衝撃作用位置S2に一致させなくてもよいので、十分にカムフォロア125の中央部からカム開き側に離して配置することができる。このため前記実施の形態1の(ロ)にて説明した拡大部125cが拡大溝124bから抜けにくくなる作用効果が特に顕著に生じ、衝撃力Gの緩衝作用がより顕著となる。
【0040】
[実施の形態3]
実施の形態3としての3次元カム用揺動フォロワ機構の断面図を図12,13に示す。本実施の形態3が前記実施の形態1,2と異なる点は、カムフォロア225およびバルブリフタ219については、図15〜17に示した従来の構成と同じであるとともに、従来と異なり、吸気側カムシャフト210および吸気側カム211の回転軸Vが、カムフォロア225の中央部から外れてカム開き側に偏って配置されている点である。なお、本実施の形態3の図においては、実施の形態1と同一機能部分には、実施の形態1の符号に「200」を加えた符号を付してある。
【0041】
このように構成されているため、図13に示すごとく異常挙動時に吸気側カム211のカム面211aに衝突する作用位置S3は、拡大部225cの付け根部分Tに一致させることができる。
【0042】
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1の(イ)と同じ作用効果を生じる。
[その他の実施の形態]
・前記実施の形態1と前記実施の形態3とを組み合わせて、すなわち実施の形態1のごとく拡大部をカム閉じ側にシフトさせ、実施の形態3のごとく吸気側カムの回転軸をカム開き側にシフトさせることにより、衝撃作用点と拡大部とをほぼ一致させるようにしてもよい。
【0043】
・また、実施の形態3のごとく吸気側カムの回転軸をカム開き側にシフトさせ、この吸気側カムの回転軸位置よりも拡大部をカム閉じ側にシフトさせることで、衝撃作用点と拡大部とをほぼ一致させるようにしてもよい。
【0044】
・前記実施の形態2のごとく拡大部をカム開き側にシフトさせるとともに、吸気側カムの回転軸についてはカム閉じ側にシフトさせることにより、衝撃作用点と拡大部とを更に遠く離して、実施の形態2の効果を更に高めてもよい。
【0045】
・前記実施の形態1〜3では、吸気側カムを3次元カムとして形成して、対応するバルブリフタにカムフォロアを設けていたが、排気側カムを3次元カムとして各実施の形態にて述べたと同じ構成としてもよい。この場合、シャフト駆動機構15と同じシャフト駆動機構が排気側カムシャフト側にも設けられ、排気側カムシャフトは軸方向にも移動可能とされる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載の3次元カム用揺動フォロワ機構は、揺動フォロワの拡大部の位置を、バルブリフタの閉弁時に3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させている。このため、拡大部の付け根部分に大きな曲げ応力がかかることが無いので、揺動フォロワの破壊が防止でき耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構とすることができる。
【0047】
請求項2記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させる構成として、拡大溝および拡大部の形成位置をカム閉じ側へシフトさせることとしている。このことにより、前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。
【0048】
請求項3記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させる構成として、3次元カムの回転軸をカム開き側へシフトした位置にて揺動フォロワに対向する構成としている。このことによっても前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。
【0049】
請求項4記載の3次元カム用揺動フォロワ機構においては、請求項1記載の構成に対して、3次元カムの回転軸をカム開き側へシフトさせ、更に拡大溝および拡大部を3次元カムの回転軸位置からカム閉じ側へシフトして配置することで、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置に略一致させている。このことにより前記請求項1と同じ作用効果を生じさせることができる。
【0050】
請求項5記載の3次元カム用揺動フォロワ機構は、前記請求項1〜4と異なり、3次元カムの回転軸は中央部あるいはカム閉じ側とし、拡大溝および拡大部の位置はカム開き側として、拡大溝および拡大部の位置を3次元カムからの衝撃力が作用する位置から離している。このようにして衝撃作用位置が拡大部の付け根部分から離れると、揺動フォロワ自身の弾性変形量が大きくなって、拡大部の付け根部分にかかる衝撃が緩衝され、曲げ応力も大きくならないので、拡大部の付け根部分の破壊を防止することができる。このようにして、耐久性の高い3次元カム用揺動フォロワ機構を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるバルブ駆動機構の構成説明図。
【図2】 図1の構成が組み込まれている車両用ガソリンエンジンの概略構成図。
【図3】 実施の形態1としての3次元カム用揺動フォロワ機構の斜視図。
【図4】 実施の形態1の3次元カム用揺動フォロワ機構の分解斜視図。
【図5】 実施の形態1のカムフォロアの構成説明図。
【図6】 実施の形態1の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図7】 実施の形態1の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図8】 実施の形態2としての3次元カム用揺動フォロワ機構の斜視図。
【図9】 実施の形態2の3次元カム用揺動フォロワ機構の分解斜視図。
【図10】 実施の形態2のカムフォロアの構成説明図。
【図11】 実施の形態2の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図12】 実施の形態3の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図13】 実施の形態3の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図14】 従来の3次元カム用揺動フォロワ機構の構成説明図。
【図15】 従来の3次元カム用揺動フォロワ機構の構成説明図。
【図16】 従来の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【図17】 従来の3次元カム用揺動フォロワ機構の動作説明図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…シリンダブロック、3…シリンダ、4…ピストン、5…クランクケース、6…クランクシャフト、7…コンロッド、8…クランクシャフトタイミングプーリ、9…シリンダヘッド、10…吸気側カムシャフト、11…吸気側カム、11a…カム面、11b… カムノーズ、12…排気側カムシャフト、13…排気側カム、14…カムシャフトタイミングプーリ、15…シャフト駆動機構、16…カムシャフトタイミングプーリ、17…タイミングベルト、18…吸気バルブ、18a…バネ、19…バルブリフタ、19a…側面、19b…案内部材、19c…上面、20…排気バルブ、21…バルブリフタ、22…ジャーナル軸受、24…カムフォロアホルダ、24a…ガイド溝、24b…拡大溝、24c…スラスト面、25…カムフォロア、25a…カム摺動面、25b…本体、25c…拡大部、25d…摺動面、25e…スラスト面、111…吸気側カム、111a…カム面、124b…拡大溝、125…カムフォロア、125b…本体、125c…拡大部、210…吸気側カムシャフト、211…吸気側カム、211a…カム面、219…バルブリフタ、225…カムフォロア、225c…拡大部。
Claims (5)
- 内燃機関のバルブリフタ上に形成されたガイド溝と、
該ガイド溝内に揺動可能に支持され、回転軸方向にプロフィールが異なる3次元カムのカム面に対して接触することにより前記内燃機関の回転に応じて変化する前記3次元カムのリフト量を前記バルブリフタに伝達する揺動フォロワと、
を備えた3次元カム用揺動フォロワ機構であって、
前記ガイド溝は一部に拡大溝を有し、前記揺動フォロワは前記拡大溝に対応する位置に拡大部を有し、前記拡大溝に前記拡大部が収納されることにより前記揺動フォロワは揺動軸方向の移動が規制されると共に、
前記拡大溝および前記拡大部の位置は、前記3次元カムの回転に伴って生じる前記バルブリフタの閉弁時の衝撃的荷重作用位置に略一致させたことを特徴とする3次元カム用揺動フォロワ機構。 - 前記3次元カムの回転軸は、前記揺動フォロワの揺動軸方向のほぼ中央部に対向するように配置されると共に、
前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記中央部から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする請求項1記載の3次元カム用揺動フォロワ機構。 - 前記3次元カムの回転軸は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記揺動フォロワの揺動軸方向の中央部からシフトした位置にて前記揺動フォロワに対向するように配置されると共に、
前記拡大溝および前記拡大部は、各々ほぼ前記中央部に形成されたことを特徴とする請求項1記載の3次元カム用揺動フォロワ機構。 - 前記3次元カムの回転軸は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記揺動フォロワの揺動軸方向の中央部からシフトした位置にて前記揺動フォロワに対向するように配置されると共に、
前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記3次元カムの回転軸位置から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする請求項1記載の3次元カム用揺動フォロワ機構。 - 内燃機関のバルブリフタ上に形成されたガイド溝と、
該ガイド溝内に揺動可能に支持され、回転軸方向にプロフィールが異なる3次元カムのカム面に対して接触することにより前記内燃機関の回転に応じて変化する前記3次元カムのリフト量を前記バルブリフタに伝達する揺動フォロワと、
を備えた3次元カム用揺動フォロワ機構であって、
前記ガイド溝は一部に拡大溝を有し、前記揺動フォロワは前記拡大溝に対応する位置に拡大部を有し、前記拡大溝に前記拡大部が収納されることにより前記揺動フォロワは揺動軸方向の移動が規制されると共に、
前記3次元カムの回転軸は、前記揺動フォロワの揺動軸方向のほぼ中央部にて、あるいは前記バルブリフタを閉じ側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ前記中央部よりシフトした位置にて、前記揺動フォロワに対向するように配置され、
前記拡大溝および前記拡大部は、前記バルブリフタを開き側に移動させる際に前記3次元カムと前記揺動フォロワとが接触する側へ、前記中央部から各々シフトした位置に形成されたことを特徴とする3次元カム用揺動フォロワ機構。
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