JP4117481B2 - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Description
特許文献1に記載されたエンジンの可変動弁装置では、図7の平面図に示すように、カムシャフト101の低速カム101aにより揺動する低速ロッカアーム102、及び高速カム101bにより揺動する高速ロッカアーム103をロッカシャフト104に支承し、低速ロッカアーム102の揺動に連係して吸気弁105を開閉駆動している。低速ロッカアーム102にはロッカシャフト104の軸方向に油圧で摺動するスペーサ体106を設ける一方、高速ロッカアーム103にはその揺動に伴ってスペーサ体106を押圧操作可能なようにアジャストボルト107を設け、スペーサ体106の摺動位置に応じてアジャストボルト107をスペーサ体106に対して連係・解除させている。
従って、第1のロッカアームにおいてピストン側からの駆動力は係合突起からアーム部を介して吸気弁又は排気弁の連係個所に伝達されるが、アーム部に形成されたリブを介して係合突起と吸気弁又は排気弁の連係個所とが直接的に接続されているため、アーム部のみならずリブを介しても駆動力が伝達されることになり、結果としてアーム部の撓みが抑制される。
従って、第1の吸気ロッカアーム又は第1の排気ロッカアームの少なくとも一方において、ピストン側からの駆動力は係合突起からアーム部を介して吸気弁や排気弁の連係個所に伝達されるが、アーム部に形成されたリブを介して係合突起と吸気弁や排気弁の連係個所とが直接的に接続されているため、アーム部のみならずリブを介しても駆動力が伝達されることになり、結果としてアーム部の撓みが抑制される。
従って、第1のロッカアームにおいて、ピストン側からの駆動力は係合突起から両アーム部を介して一対の吸気弁又は排気弁の連係個所にそれぞれ伝達されるが、両アーム部に形成された第1及び第2のリブを介して吸気弁又は排気弁の連係個所と係合突起とが直接的に接続されているため、アーム部のみならず第1及び第2のリブを介しても駆動力が伝達されることになり、結果として両アーム部の撓みが抑制される。
請求項2の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、第2の吸気ロッカアーム側から駆動力を伝達されたときの第1の吸気ロッカアームの曲げや捩れを抑制すると共に、第2の排気ロッカアーム側から駆動力を伝達されたときの第1の排気ロッカアームの曲げや捩れを抑制して、正確な吸排気弁の開閉特性を実現することができる。
請求項4,6の発明の内燃機関の可変動弁装置によれば、請求項2に加えて、リブによりアーム部の撓みを抑制して一層正確な吸排気弁の開閉特性を実現することができる。
以下、本発明を具体化したエンジンの可変動弁装置の第1実施形態を説明する。
本実施形態のエンジンは気筒当たり2弁を有するSOHC型の直列4気筒ガソリン機関として構成され、通常の回転域での出力特性に対応する低速モードと特に高回転域での出力特性に対応する高速モードとの間で運転モードを切換可能に構成されている。このため、各気筒の動弁装置の吸気側にはモード切換のための切換機構が備えられており、以下、特定気筒について動弁装置の構成を説明するが、他の気筒も全く同一の構成である。
次に、以上のように構成されたエンジンの可変動弁装置の作動状況を説明する。
OCVの切換制御は図示しないECU(エンジン制御ユニット)により行われ、このOCVの切換に応じてエンジンの運転モードが低速モードと高速モードとの間で切換えられる。
次に、本発明を別のエンジンの可変動弁装置に具体化した第2実施形態を説明する。
本実施形態のエンジンは気筒当たり4弁を有するSOHC型の直列4気筒ガソリン機関として構成され、吸排気共に運転モード切換のための切換機構Mを備えており、以下、特定気筒について動弁装置の構成を説明するが、他の気筒も全く同一の構成である。
図5は本実施形態のエンジンの可変動弁装置における1気筒分を示す平面図、図6は同じく可変動弁装置の1気筒分を示す正面図である。
以上のように構成されたエンジンの可変動弁装置では、第1実施形態で述べた運転モードに応じた吸気側の動弁装置の切換が吸排気共に実施され、低速モードでは、吸排気の低速ロッカアーム39,51と高速ロッカアーム38,52との連係解除により低速カム35,36の形状に倣って吸排気弁40a,40b,53a,53bが開閉駆動され、高速モードでは両ロッカアーム39,51,38,52の連係により高速カム34,37の形状に倣って吸排気弁40a,40b,53a,53bが開閉駆動される。
しかも、吸排気の低速ロッカアーム39,51において、ピストン18側からの駆動力は連動アーム部21からバルブアーム部39d,51dを介して吸排気弁40a,40b,53a,53bの連係個所44a,44b,54a,54bに伝達されるが、上記のように吸気側では連動アーム部21が第1のリブ42を介して前側の吸気弁40aと直接的に接続されると共に、第2のリブ43を介して後側の吸気弁40bと直接的に接続され、排気側では連動アーム部21が第1のリブ56を介して後側の排気弁53aと直接的に接続されると共に、第2のリブ57を介して前側の排気弁53bと直接的に接続されているため、バルブアーム部39d,51dのみならず第1及び第2のリブ42,43,56,57を介しても駆動力が伝達される。よって、バルブアーム部39d,51dの撓みが抑制されることから、この点も正確な吸排気弁の開閉特性に貢献する。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記第1実施形態では2弁式のSOHC型エンジンに適用して、その吸気側に運転モードの切換機構Mを設け、第2実施形態では4弁式のSOHC型エンジンに適用して、その吸気側及び排気側に切換機構Mを設けたが、これに限ることはなく、例えば吸排気弁を個別にカムシャフトで駆動する所謂DOHC型エンジンに適用したり、或いは4弁式のSOHC型エンジンに適用して吸排気の何れか一方に切換機構Mを設けたりしてもよい。
2,32 吸気ロッカシャフト
3 低速カム(第1カム)
4 高速カム(第2カム)
5 低速ロッカアーム(第1のロッカアーム)
5c,38c,39c ローラ(操作部)
5d,39d,51d バルブアーム部(アーム部)
6 高速ロッカアーム(第2のロッカアーム)
7,40a,40b, 吸気弁
16 シリンダ部
18 ピストン
21 連動アーム部(係合突起)
26 リブ
27,44a,44b,54a,54b 連係箇所
28,45,55 駆動力伝達点
33 排気ロッカシャフト
34 吸気高速カム(第2吸気カム)
35 吸気低速カム(第1吸気カム)
36 排気低速カム(第1排気カム)
37 排気高速カム(第2排気カム)
38 吸気高速ロッカアーム(第2の吸気ロッカアーム)
39 吸気低速ロッカアーム(第1の吸気ロッカアーム)
42,56 第1のリブ
43,57 第2のリブ
51 排気低速ロッカアーム(第1の排気ロッカアーム)
52 排気高速ロッカアーム(第2の排気ロッカアーム)
53a,53b 排気弁
Claims (6)
- ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部をカムシャフトの低速型の第1カム上に当接させると共に、他端側に設けられたアーム部を吸気弁又は排気弁と連係させた第1のロッカアームと、
前記第1のロッカアームに隣接して前記ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの高速型の第2カム上に当接させた第2のロッカアームと、
前記第2のロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
前記第1のロッカアームから前記第2のロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と
を備え、
前記第1のロッカアームの係合突起と前記第2のロッカアームのピストンとの係合箇所、前記第1のロッカアームの吸気弁又は排気弁に対する連係箇所、及び前記第2のロッカアームの操作部を前記ロッカシャフトの軸線と直交する方向において略対向させたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部をカムシャフトの低速型の第1吸気カム上に当接させると共に、他端側に設けられたアーム部を吸気弁と連係させた第1の吸気ロッカアームと、
前記第1の吸気ロッカアームに隣接して前記吸気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの高速型の第2吸気カム上に当接させた第2の吸気ロッカアームと、
前記第2の吸気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
前記第1の吸気ロッカアームから前記第2の吸気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と、
排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部をカムシャフトの低速型の第1排気カム上に当接させると共に、他端側に設けられたアーム部を排気弁と連係させた第1の排気ロッカアームと、
前記第1の排気ロッカアームに隣接して前記排気ロッカシャフトに揺動自在に支承され、一端側に設けられた操作部を前記カムシャフトの高速型の第2排気カム上に当接させた第2の排気ロッカアームと、
前記第2の排気ロッカアームに設けられたシリンダ部に摺動自在に配置されたピストンと、
前記第1の排気ロッカアームから前記第2の排気ロッカアーム側に延設されて、先端がピストン位置に応じて前記ピストンとの係合の有無を切換えられる係合突起と
を備え、
前記第1の吸気ロッカアームの係合突起と前記第2の吸気ロッカアームのピストンとの係合箇所、前記第1の吸気ロッカアームの吸気弁に対する連係箇所、及び前記第2の吸気ロッカアームの操作部を前記吸気ロッカシャフトの軸線と直交する方向において略対向させると共に、前記第1の排気ロッカアームの係合突起と前記第2の排気ロッカアームのピストンとの係合箇所、前記第1の排気ロッカアームの排気弁に対する連係箇所、及び前記第2の排気ロッカアームの操作部を前記排気ロッカシャフトの軸線と直交する方向において略対向させたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - 前記第1のロッカアームは、前記アーム部の吸気弁又は排気弁に対する連係箇所と前記係合突起とを接続するリブが形成されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記第1の吸気ロッカアーム又は前記第1の排気ロッカアームの少なくとも一方は、前記アーム部の吸気弁又は排気弁に対する連係箇所と前記係合突起とを接続するリブが形成されたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記第1のロッカアームは一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、前記係合突起に近接する側のアーム部の連係個所と前記係合突起とを接続する第1のリブが形成されると共に、前記係合突起から離間する側のアーム部の連係箇所と前記係合突起とを接続する第2のリブが形成されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 前記第1の吸気ロッカアーム又は前記第1の排気ロッカアームの少なくとも一方は、一対の吸気弁又は排気弁と連係する一対のアーム部を備え、前記係合突起に近接する側のアーム部の連係個所と前記係合突起とを接続する第1のリブが形成されると共に、前記係合突起から離間する側のアーム部の連係箇所と前記係合突起とを接続する第2のリブが形成されたことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置。
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