JPH06317063A - 扉体等のボールキャッチ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボール等に損傷を与えることがなく、扉体の
開閉と保持を円滑、かつ確実に行うことができる扉体等
のボールキャッチ装置を得ることを目的とする。 【構成】 キャッチ板１１に形設した球面状凹部２１を
周縁部２２から中心部に向かって延設された複数の弾性
舌片２３で形成したもので、ボール８と球面状凹部２１
の中心にずれがあっても、弾性舌片２３の扉体側への後
退でずれを吸収してボール８の球面状凹部２１への弾接
を確実、かつ安定なものにし、閉扉時にはボール８が弾
性舌片２３上を転動してボール８の球面状凹部２１から
の離脱を円滑にしてボール８と球面状凹部２１の損傷を
無くする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ヒンジにより開閉され
る扉体等のボールキャッチ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ヒンジにより開閉される扉体等の
ボールキャッチ装置は、実開昭５９−４２２６４号公報
に示された構成や、図２および図３に示したような構成
が一般的であった。

【０００３】以下、その構成について空気調和機の木製
前面グリルを例に説明する。図２に示したように、木製
前面グリル１は、枠体２と、枠体２にヒンジにより開閉
自在に枢着された吸入グリル（以下、扉体という）３
と、空気の吹出し方向を制御する風向偏向羽根４とで構
成されている。扉体３は矢印Ａに示した方向に回動して
開閉し、閉扉時にはボールキャッチ装置５により閉止状
態が保持されるようになっている。

【０００４】ボールキャッチ装置５は、図３に示したよ
うに、枠体２に設けられた穴６内に圧縮スプリング７で
弾支されたボール８と、扉体３に設けられた溝９を覆
い、ボール８の一部が嵌入する嵌入孔１０が設けられた
Ｌ字状のキャッチ板１１とで構成されている。なお、１
２はボール８の抜止め板である。

【０００５】そして、枠体２に弾支されたボール８の中
心とキャッチ板１１の嵌入孔１０の中心とが一致するよ
うにキャッチ板１１が扉体３にねじ止め等の方法で取付
けられている。

【０００６】この構成において、扉体３を閉止すると、
ボール８はキャッチ板１１で押圧されながらキャッチ板
１１上を転動し、やがて嵌入孔１０に嵌入して扉体３は
閉扉状態となり、嵌入孔１０へのボール８の弾接によっ
て閉扉状態が保持される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
の扉体等のボールキャッチ装置では、扉体３の開扉時
に、ボール８がキャッチ板１１の嵌入孔１０の角部に引
っ掛かることがあり、ときには嵌入孔１０の周縁やボー
ル８が損傷することがあった。このような嵌入孔１０の
周縁の損傷は、嵌入孔１０へのボール８の弾接を不安定
なものにし、扉体３の閉扉状態の保持を不安定なものに
するものであった。また、ボール８の損傷はボール８の
転動を悪くし、扉体３の開閉操作を不円滑なものにする
ものであった。

【０００８】さらに、枠体２と扉体３が木製である場合
には、枠体２の穴６の位置やキャッチ板１１の取付け位
置にばらつきが生じやすく、ボール８と嵌入孔１０の中
心合わせが困難なものとなるばかりでなく、中心合わせ
の狂いにより、ボール８が嵌入孔１０の周縁部に乗り上
げたり、前記したボール８と嵌入孔１０の角部との引っ
掛かりが助長されたりするという、種々の問題があっ
た。

【０００９】本発明は上記問題を解決するもので、ボー
ル等に損傷を与えることがなく、扉体の開閉と保持を円
滑、かつ確実に行うことができる扉体等のボールキャッ
チ装置を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、キャッチ板に形設した球面状凹部を周縁部
から中心部に向かって延設された複数の弾性舌片で形成
したものである。

【００１１】

【作用】上記構成において、球面状凹部を周縁部から中
心部に向かって延設された複数の弾性舌片で形成したこ
とにより、従来例に見られた嵌入孔の角部が無くなるの
で、開扉時のボールの球面状凹部からの離脱が円滑化さ
れる。また、ボールと球面状凹部との中心合わせに狂い
があっても弾性舌片の後退によって狂いが吸収される。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１を参照
しながら説明する。なお、従来例に示したものと同一部
品には同じ符号を付して説明を省略する。

【００１３】図に示すように、キャッチ板１１にはボー
ル８の一部が嵌入する球面状凹部２１が形設されてい
る。この球面状凹部２１の球面はボール８の半径と同等
もしくはそれより大きい半径の球面に形成されている。
そして、球面状凹部２１は、その周縁部２２から中心に
向かって延設された複数の弾性舌片２３で形成されてい
る。なお、２４はキャッチ板１１を扉体３にねじ等で止
着するための孔である。

【００１４】上記構成において、扉体３を閉止すると、
ボール８はキャッチ板１１で押圧されながらキャッチ板
１１上を転動し、やがて球面状凹部２１に嵌入して扉体
３は閉扉状態となり、球面状凹部２１へのボール８の弾
接によって閉扉状態が保持される。

【００１５】このとき、キャッチ板１１の扉体３への取
付けに狂いがあり、ボール８の中心と球面状凹部２１の
中心とが不一致であった場合には、ボール８の中心に近
い側の弾性舌片２３が扉体３側へ後退して中心のずれを
吸収し、球面状凹部２１へのボール８の弾接を確実、か
つ安定なものにする。

【００１６】次に、扉体３を開扉すると、ボール８は１
または複数の弾性舌片２３上を転動して球面状凹部２１
から離脱する。この離脱において、弾性舌片２３は球面
状凹部２１の周縁部２２から中心部に向かって延設され
ているので、球面状凹部２１の周縁部２２には、従来例
に見られた嵌入孔の角部がなく、従って、ボール８は円
滑に球面状凹部２１から離脱し、ボール８や球面状凹部
２１に損傷を与えることはない。

【００１７】

【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明によれば、キャッチ板に形設した球面状凹部
を周縁部から中心部に向かって延設された複数の弾性舌
片で形成したことにより、扉体の開扉時にはボールが弾
性舌片上を転動するのでボールの球面状凹部からの離脱
が円滑になり、ボールや球面状凹部の損傷をなくするこ
とができる。

【００１８】また、ボールと球面状凹部の中心合わせに
狂いがあっても、扉体の閉扉時に弾性舌片が扉体側へ後
退して中心のずれを吸収するので、球面状凹部へのボー
ルの弾接を確実、かつ安定なものにすることができる。

【００１９】このように本発明によれば、ボールや球面
状凹部に損傷を与えることがなく、扉体の開閉と保持を
円滑、かつ確実に行うことができる扉体等のボールキャ
ッチ装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明の一実施例の扉体等のボールキ
ャッチ装置の図２のＩ−Ｉ線による側断面図 （ｂ）は同キャッチ板の斜視図

【図２】木製前面グリルの斜視図

【図３】従来例の扉体等のボールキャッチ装置の図２の
Ｉ−Ｉ線による側断面図

【符号の説明】

２ 枠体 ３ 扉体 ５ ボールキャッチ装置 ８ ボール １１ キャッチ板 ２１ 球面状凹部 ２２ 周縁部 ２３ 弾性舌片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 出没自在に弾支されて枠体に装着された
   ボールと、前記ボールが嵌入する球面状凹部が形設され
   て扉体に装着されたキャッチ板とを備え、前記球面状凹
   部を周縁部から中心部に向かって延設された複数の弾性
   舌片で形成したことを特徴とする扉体等のボールキャッ
   チ装置。