JPH06316551A - テトラブチルアンモニウムフルオライドのアルコール付加物及びその製造方法 - Google Patents

テトラブチルアンモニウムフルオライドのアルコール付加物及びその製造方法

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JPH06316551A
JPH06316551A JP13135193A JP13135193A JPH06316551A JP H06316551 A JPH06316551 A JP H06316551A JP 13135193 A JP13135193 A JP 13135193A JP 13135193 A JP13135193 A JP 13135193A JP H06316551 A JPH06316551 A JP H06316551A
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JP
Japan
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tetra
alcohol
butylammonium fluoride
alcohol adduct
adduct
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Application number
JP13135193A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Yonezawa
哲夫 米澤
Yoshitaka Sakamoto
義隆 坂本
Koji Nogawa
耕志 野川
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Morita Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Morita Kagaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】工業的に容易に脱水でき、しかも従来の3水和
物やフッ化水素酸付加物よりも遙かに求核反応性が高い
フッ素化剤を得る。 【構成】テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド
のアルコール付加物は、次の一般式(1) (n-C4H9)4NF ・mROH (1) (式中、R はアルキル基を、m は1以上の数を示す)で
表される。また、上記式(1) で表されるアルコール付加
物は、次の一般式(2) (n-C4H9)4NF ・mH2O (2) (式中、m は3以上の数を示す)で表されるテトラ−n
−ブチルアンモニウムフルオライドの水和物を、多量の
アルコールで処理することによって得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フッ素化剤として医薬
中間体や液晶化合物の合成に適用した場合に非常に優れ
た反応性を示し、幅広い用途に利用することができるテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドのアルコー
ル付加物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまで報告されているテトラ−n−ブ
チルアンモニウムフルオライドは、3水和物、もしくは
フッ化水素酸付加物としてのテトラ−n−ブチルアンモ
ニウムビフルオライドであり、次のような化学式で表さ
れる。 (n-C4H9)4NF・3H2O 〔3水和物型〕 (n-C4H9)4NF・(HF) 〔フッ化水素酸付加物型〕
【0003】そして、それらの製造方法は以下のように
提案されている。 (a) テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシドの水
和物をフッ化水素酸を使用して中和し、その後減圧下で
濃縮乾固して3水和物を得る〔ジャーナル・オブ・アメ
リカン・ケミカル・ソサイエティー、第1265頁、1977
年〕。 (b) あらかじめフッ素イオンを吸着させた陰イオン交換
樹脂にテトラ−n−ブチルアンモニウムクロリドの水溶
液を通し、得られた溶液を50℃,0.1Torr,24 時間で乾燥
してテトラ−n−ブチルアンモニウムビフルオライドを
得る〔テトラヘドロン・レターズ、第28巻、第4733頁、
1987年〕。
【0004】また、3水和物、もしくはフッ化水素酸付
加物については、その他多くの合成方法が報告されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来から使用されてい
るテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの3水
和物では、水分子の水素結合の影響でフッ素の求核性が
低くなっている。また、この水分子を取るために加熱
し、減圧下で水を留去して行くと非常に不安定になって
分解してしまい、さらに、求核性の低いテトラ−n−ブ
チルアンモニウムビフルオライドになってしまう〔ジャ
ーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第48巻、
第2112頁、1983年〕。その反応式は以下のとおりであ
る。 (n-C4H9)4NF ・3H2O → (n-C4H9)4NF+3H2O 2(n-C4H9)4NF → (n-C4H9)4NF・HF+(n-C4H9)3N+CH3C
H2CH=CH2
【0006】また、3水和物を合成するために水溶液を
濃縮する場合、3水和物に近い含水量まで留去するに従
って留出速度が遅くなり、3水和物までの濃縮は非常に
困難である。そのため結晶状態に成らずにゼリー状のも
のになってしまう。このようなものは水分も多く、求核
反応性が低い。従って、容易に3水和物になるまで分解
しない条件で水分を取り除くのは、工業的に困難であっ
た。本発明は、工業的に容易に脱水でき、しかも、従来
の3水和物やフッ化水素酸付加物よりも遙かに求核反応
性が高いフッ素化剤を得ることを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、比較的水分の少な
いテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの水和
物をアルコールで処理することにより、ほとんど結晶水
を含まないアルコール付加物が安定な状態で得られるこ
とを見い出した。
【0008】すなわち、本発明のテトラ−n−ブチルア
ンモニウムフルオライドのアルコール付加物は、一般式
(1) (n-C4H9)4NF・mROH (1) (式中、Rはアルキル基を、mは1以上の数を示す)で
表されるものである。
【0009】また、本発明のテトラ−n−ブチルアンモ
ニウムフルオライドのアルコール付加物の製造方法は、
次の一般式(2) (n-C4H9)4NF・mH2O (2) (式中、mは3以上の数を示す)で表されるテトラ−n
−ブチルアンモニウムフルオライドの水和物を、アルコ
ールで処理して、一般式(1) (n-C4H9)4NF・mROH (1) (式中、Rはアルキル基を、mは1以上の数を示す)で
表されるテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド
のアルコール付加物を得ることを特徴とするものであ
る。
【0010】本発明のテトラ−n−ブチルアンモニウム
フルオライドのアルコール付加物の製造方法を、さらに
詳しく説明する。原料に使用する比較的水分の少ないテ
トラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドとは、一般
式(2) (n-C4H9)4NF・mH2O (2) で表され、付加水の量は通常m≧3のものを使用する。
付加水の量はm<3でも良いが、付加水が3より少ない
ものを製造することが困難であるため、あえてそこまで
水分の少ないものを使用することは不利である。従っ
て、通常はm≧3が適当である。また、あまり水分の多
いものを使用すると、アルコールの量が多く必要となる
ため、その場合も不利である。そこで、通常は10>m
≧3の範囲で使用することが望ましい。
【0011】この水和物は、次の方法で容易に合成され
ることが知られている。すなわち、テトラ−n−ブチル
アンモニウムヒドロキシドの水溶液をフッ化水素酸を使
用して中和し、その後、減圧下で濃縮することにより得
ることができる〔ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミ
カル・ソサイエティー、第1265頁、1977年〕。
【0012】得られたこの水和物に3倍以上、通常5〜
20倍のアルコールを加え、続けて減圧下で加えたアルコ
ールを留去せしめると、テトラ−n−ブチルアンモニウ
ムフルオライドのアルコール付加物を得ることができ
る。
【0013】使用されるアルコールとしては、一般式
(3) ROH (3) (Rは炭素数1〜6のアルキル基を示す)で表され、例
えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i
so−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノ
ール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n
−ペンタノール、iso−ペンタノール、ネオペンタノ
ール、n−ヘキサノールなどである。
【0014】テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオラ
イドの水和物に3倍以上、通常5〜20倍のアルコールを
加え、次に、加えたアルコールを10〜70℃、好ましくは
20〜50℃の温度でそのときのアルコールの蒸気圧以下の
減圧下で留去せしめると、テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムフルオライドのアルコール付加物を得ることができ
る。
【0015】
【作用】この操作により、テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムフルオライドにあらかじめ付加していた水はアルコ
ールによって容易に置換され、無水のテトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオライドのアルコール付加物が得ら
れる。これらの合成されたアルコール付加物の中でも特
に、iso−プロパノールとtert−ブタノールを付
加させたものは、非常に安定な結晶状態となり、取り扱
いやすく、フッ素化剤としての反応性も非常に高い。
【0016】このようにして得られるテトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオライドのアルコール付加物のアル
コール付加数は、アルコールを留去する条件によって変
わり、アルコールを良く留去させたもの、すなわち、ア
ルコールの付加数が少ないほどフッ素化剤としての反応
性も高くなる。しかし、これら付加数については、特に
制限はなく、反応性や経済性を考慮して適宜選定するこ
とができる。
【0017】例えば、40℃、10mmHgの減圧下で留去した
場合、アルコールの付加数は表1のようになる。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例】本発明の実施例として、前記式(1) のアルコ
ール付加物の製造例を具体的に示す。
【0020】実施例1 テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドの3水和
物5.0gr にイソプロピルアルコール100gr を加えた。そ
の溶液を10mmHgの真空下で、40℃以下で4時間加熱して
過剰のアルコールを留去させ、7.5gr の結晶を得た。得
られた結晶の分析結果を以下に示す。1 H-NMR(CDCl3),δ(ppm): (n-Bu)4;δ0.96(12H,t),δ1.4(8H,m),δ1.6(8H,m),δ3.
3(8H,m) n(i-PrOH);δ1.15(21H,d),δ3.95(3.5H,m) よって、(n-Bu)4NF3.5(iso-PrOH)が得られた。 元素分析 実測値;C 68.72 % H 13.35 % N 2.88% 計算値;C 67.46 % H 13.67 % N 2.97% フッ素イオン濃度(イオン電極法) 4.00%( 実測値 ),4.03 %( 計算値 ) 水分( カールフィッシャー法 );0.13%
【0021】実施例1と同様の条件で、種々のアルコー
ルを使用して合成した結果、次のアルコール付加数を示
すテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライドのアル
コール付加物が得られた。その付加数と含水量を表2に
示す。
【0022】
【表2】
【0023】次に、前記式(1) のアルコール付加物を使
用してベンジルブロマイドのフッ素化を行い、テトラ−
n−ブチルアンモニウムフルオライド3水和物とのフッ
素化反応速度の比較を行った具体例を示す。すなわち、
ベンジルブロマイドの0.005M塩化メチレン溶液15ミリリ
ットル(0.75 ミリモル) に、前記式(1) のアルコール付
加物を1.5 ミリモル加えて30℃の恒温槽内で反応させ
た。そして、1時間ごとにガスクロマトグラフィーによ
り生成するベンジルフルオライドの量を測定した。その
結果は図1のとおりであり、合わせて、図1に示すよう
にテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド3水和
物とのフッ素化反応速度の比較を行った。図1から明ら
かなように、本発明におけるテトラ−n−ブチルアンモ
ニウムフルオライドのアルコール付加物は、従来の3水
和物と比較して非常に優れた反応性を示すことが分か
る。
【0024】
【発明の効果】請求項1記載のテトラ−n−ブチルアン
モニウムフルオライドのアルコール付加物は、従来の3
水和物と比較して求核性が高く、低極性の溶剤にも優れ
た溶解性があり、幅広いフッ素化反応に使用できる効果
がある。
【0025】請求項2記載の製造方法によれば、非常に
容易に、反応性の高い新規なフッ素化剤を得ることがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるアルコール付加物を使用してベ
ンジルブロマイドのフッ素化を行い、生成するベンジル
フルオライドの量を1時間ごとに測定した結果と、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド3水和物との
フッ素化反応速度を比較したグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (n-C4H9)4NF・mROH (1) (式中、Rはアルキル基を、mは1以上の数を示す)で
    表されるテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド
    のアルコール付加物。
  2. 【請求項2】次の一般式(2) (n-C4H9)4NF・mH2O (2) (式中、mは3以上の数を示す)で表されるテトラ−n
    −ブチルアンモニウムフルオライドの水和物を、アルコ
    ールで処理して、一般式(1) (n-C4H9)4NF・mROH (1) (式中、Rはアルキル基を、mは1以上の数を示す)で
    表されるテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド
    のアルコール付加物を得ることを特徴とする、テトラ−
    n−ブチルアンモニウムフルオライドのアルコール付加
    物の製造方法。
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