JPH06316346A - 用紙搬送装置のトルク制御装置 - Google Patents

用紙搬送装置のトルク制御装置

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JPH06316346A
JPH06316346A JP4269664A JP26966492A JPH06316346A JP H06316346 A JPH06316346 A JP H06316346A JP 4269664 A JP4269664 A JP 4269664A JP 26966492 A JP26966492 A JP 26966492A JP H06316346 A JPH06316346 A JP H06316346A
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roller
torque
shaft
sheet
paper
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JP4269664A
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Yutaka Nogami
豊 野上
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動軸とローラ部材との間にトルクリミッタ
ーを配置して、ローラ部材による搬送作用を制御する場
合に、該トルクリミッターの機構を簡素化して、搬送ロ
ーラ装置への組み込みを容易に行い得るようにする。 【構成】 駆動軸を貫通させる軸孔4を設けたコア部材
3を、ポリアセタール樹脂で構成し、その表面5に凹凸
を形成して、表面の摩擦係数を大きく設定する。また、
コア部材3に組み合わせるローラ部材6は、シリコンゴ
ム等により構成し、その内部に貫通する孔7の内径をコ
ア部材の外径よりも小さく設定し、孔にコア部材を圧入
する状態に構成する。そして、前記コア部材の表面とロ
ーラ部材の内面との摩擦係数を設定することにより、伝
達されるトルクの値を一定以下に制御できるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軸とローラ部材の間で
のトルクの伝達機構に関し、特に、ゴムローラ等のよう
な弾性体で構成されたローラ部材を軸に圧入して取り付
け、一定の値以上のトルクが付与された場合に、軸の駆
動力をローラ部材に伝達しないように構成してなる装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機の用紙搬送装置には、複
数の搬送ローラ装置や給紙装置のローラ部材等が配置さ
れており、それ等のローラ装置を用いて、給紙トレイか
らの用紙の送り出しと、用紙搬送路内での用紙の搬送の
作用を行う機構を構成している。前記画像形成装置に用
いられるローラ装置において、給紙方向にはその駆動軸
の駆動力を伝達しないようにする機構を設けている。例
えば、特開昭63−295341号公報等に示されるよ
うに、給紙装置の用紙さばき機構を構成するリタードロ
ーラに対して、ワンウエイクラッチを設けたものでは、
用紙のさばき作用を行う際に、リタードローラの駆動を
停止して、分離ローラによるさばきに支障が生じないよ
うにする機構を設けている。
【0003】また、特開昭59−69328号公報等に
示される例では、リタードローラの駆動手段とローラ部
材との間に、トルクの制御手段を設けて、用紙のさばき
作用を良好な状態で行い得るようにしている。前記従来
例とは別に、用紙搬送路内で用紙の搬送速度を変化させ
る場合に対応させて、搬送ローラ装置に対してスリップ
機構を配置することが行われる場合もある。ところが、
前記従来例の搬送ローラ装置では、ワンウエイクラッチ
のように、一方向の回転のみを制限する機構を設ける場
合には、用紙間の摩擦力の大きなものに対しては、給紙
作用を良好に発揮させることが面倒である等の問題があ
る。さらに、リタードローラに対して逆転駆動機構を設
け、該ローラ部材と軸の間にトルク制限手段を設ける場
合には、制御装置のコストや、その装置の収容スペース
等にも解決を要する問題が残っている。
【0004】そこで、前記従来例の装置に代えて、例え
ば、図13に示されるようなトルクリミッターを配置
し、装置を小型化するとともに、ローラ部材への組み込
みを容易に行い得るようにすることが提案されている。
前記図13に示されるトルクリミッター50では、駆動
軸51に対して固定ハブ52を取り付け、該固定ハブ5
2に対向させて同軸に滑りハブ53を設けている。そし
て、両部材52、53に対して、その円周上に摺動部材
55を介してコイルスプリング56を設けており、駆動
軸51の回転を固定ハブ52を介してコイルスプリング
56に伝達し、該コイルスプリング56が締め付けられ
る方向に駆動された際に、その駆動軸の回転を滑りハブ
53を介してカバー部材57に伝達し、該カバー部材5
7に設けたローラ部材を回転させるようにする。
【0005】また、ローラ部材と一体に回転するカバー
部材57に対して、給紙ローラとリタードローラとの間
に用紙が1枚あるとき、もしくは用紙がないときのよう
に、回転を阻止するような大きな力が付与された場合に
は、コイルスプリングを介して駆動力が付与されても、
摺動部材55が滑りを生じるので、滑りハブ53に対し
て、回転力を伝達せずに、駆動軸は空転する状態とな
る。したがって、前記トルクリミッター50において
は、ローラ部材に対して回転を阻止する方向に一定以上
の力が付与された場合には、ローラ部材を回転させない
ようにすることができる。
【0006】前述したようなトルクリミッターを組み込
んだローラ装置としては、例えば、給紙装置に配置され
るローラ装置においては、図14に示されるような構成
のものが用いられる。前記図14に示される給紙装置6
0において、給紙トレイに載置された用紙Pの上部に対
して配置されるナジャーローラ61と、該ナジャーロー
ラの下流部に配置される用紙さばき機構とから構成され
る。前記用紙さばき機構では、給紙ローラ62とリター
ドローラ63とを組み合わせて構成しているもので、リ
タードローラ63に対して駆動軸51とローラ部材との
間にトルクリミッター50を設けている。そして、リタ
ードローラ63に対して、矢印F方向に押圧する作用を
付与するとともに、駆動軸51を用紙の送り方向aに対
して、反対方向b側に駆動する機構を設けている。
【0007】前記給紙装置において、用紙Pが1枚だけ
給紙トレイから送り出された状態では、図15に示され
るように、用紙Pの上下から2つの駆動ローラ部材によ
り、反対方向の駆動力が付与される。しかし、用紙が1
枚だけの場合には、トルクリミッター50による駆動の
伝達は、給紙ローラ62による搬送方向の力よりも弱く
設定されているので、リタードローラ63は用紙に追従
して、搬送方向に回転する。そして、駆動軸51は反対
方向に回転したままで、トルクリミッター50が滑る状
態となり、給紙ローラ62による用紙の搬送作用に支障
を与えたりすることが防止される。
【0008】これに対して、用紙さばき機構の部分に対
して、図16のように、2枚の用紙が突入した場合に
は、重なっている用紙P1、P2の間での摩擦力に対し
て、上下のローラ部材と用紙の間の摩擦力が大きく、な
おかつトルクリミッター50が用紙P2に与える力が大
きいものとなる。したがって、上部の用紙P1に対して
は、給紙ローラ62により搬送方向の作用が付与され、
下部の用紙P2に対しては、戻し方向の搬送力が付与さ
れる。そして、重送状態で用紙さばき機構のニップ部に
突入した用紙の下部のものP2は、リタードローラ63
により給紙トレイに向けて戻されて、上の用紙P1のみ
が、用紙搬送路に向けて送り出されることになる。
【0009】前記給紙装置に設けたローラ装置の他に、
用紙搬送路内では、多数の搬送ローラ装置が配置されて
いる。そして、例えば、用紙搬送路内に配置される搬送
ローラ装置においては、上流部のものが低速で、下流部
の搬送ローラ装置が高速に設定されている場合がある。
そして、用紙が高速と低速のローラ装置の間に位置した
場合には、用紙の後端部が低速のローラ装置のニップ部
を抜けるまでは低速で搬送し、その後で、高速ローラ装
置による搬送を行うような機構を構成することがある。
【0010】そこで、実開昭63−094023に示す
ような、そのようなローラ装置では、高速ローラ装置と
して、例えば、図17に示されるような搬送ローラ装置
65を用いることが行われている。前記搬送ローラ装置
65では、軸67に支持されるピンチローラ66と、駆
動軸69に支持される駆動ローラ68とを配置している
もので、該駆動ローラ68には駆動軸69との間にトル
クリミッター50を組み込んでいる。そして、駆動軸を
高速搬送に対応させて駆動した場合に、用紙が上流側の
低速搬送ローラ装置により影響を受けている間は、トル
クリミッター50が滑りを生じる状態で、用紙を低速で
搬送する状態を維持する。その後で、用紙に対するブレ
ーキ作用が解除されると、該搬送ローラ装置65はその
駆動軸の駆動力によって、用紙を高速で搬送することが
できるようにされる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記図13に示される
ような構成のトルクリミッターは、駆動軸とローラ部材
との間に組み込むことができ、トルク伝達機構を小型化
できるという利点を発揮でき、任意のローラ装置に対し
て容易に組み込むことが可能である。しかしながら、前
記従来例のトルクリミッターの場合でも、トルクの伝達
の作用は、スプリング部材の力に頼っているために、そ
の駆動力の伝達が正確に行われ得ない場合が発生する。
また、トルクリミッターを多数の部材を組み合わせて構
成するために、部品の点数が多くコスト面で不利なこ
と、および、組み立てに際して、比較的面倒な作業を強
いられると言う問題もある。
【0012】前記トルクリミッター等のように、一般に
用いられているスリップ機構等のトルク制限装置を設け
ない場合には、用紙との間で滑りを生じた際に、異音が
発生したりすることがあり、画像形成装置の騒音の1つ
の原因ともなる。また、用紙に対してローラ部材が滑る
場合には、そのローラ部材の押圧力によっては、用紙を
強くこすり過ぎたりして、用紙を損傷したりすることが
ある。そこで、前記トルクリミッターのように、比較的
用紙に対する影響の小さい部材を使用することは、現時
点では最も良い方法であるが、トルクリミッターのコス
トの点で、解決を必要とされている。
【0013】また、画像形成装置の用紙搬送装置に対し
て、トルクリミッターを組み込まないローラ装置を使用
する場合に、例えば、給紙トレイからの給紙を対象にし
て検討すると、図9のグラフに示されるように、用紙の
種類によって大きくリタードローラ材料との摩擦係数が
異なるものである。つまり、前記図9のグラフに見られ
るように、用紙と給紙ローラとの間の摩擦係数μ1、お
よびリタードローラと用紙との間の摩擦係数μ2、およ
び、用紙の間での摩擦係数μ3との関係は、普通紙では
比較的狭い範囲にある。そして、用紙の間の摩擦係数が
非常に小さいために、リタードローラと用紙との摩擦係
数を適宜設定することにより、給紙の動作を容易に制御
することが可能になる。さらに、トレーシングペーパー
等のような特殊な用紙に対しては、普通紙とは若干異な
る摩擦係数を有するローラ部材を使用することが必要と
なるが、普通紙と共通な部材を使用することもできる。
【0014】これに対して、OHPフィルムのようなシ
ート部材では、用紙さばき機構でのリタードローラに対
して、大きな摩擦係数となるため、給紙作用を良好に発
揮させることができないという問題がある。ところが、
用紙さばき機構において、用紙を分離させながら送り出
すための条件は、μ3<μ2<μ1の関係に設定するこ
とが必要であり、前記摩擦係数の差を利用する場合に、
OHPフィルムに対しては、一般的な給紙装置を使用す
ることができないという問題がある。さらに、トレーシ
ングペーパー等と、普通紙とを共通の給紙装置により給
紙する場合にも、用紙さばき機構を構成するローラ部材
の各々と、用紙との間の摩擦係数を厳密に設定すること
が要求され、それ等の各部材間での摩擦係数を適宜設定
することによって、ミスフィードと重送が発生しない状
態を選択して、用紙さばき機構を構成することが必要と
される。
【0015】また、従来の用紙さばき機構において、リ
タードローラが受けるトルクは、図10のグラフに示さ
れるように、比較的大きな振幅を描く場合が多い。そし
て、前記リタードローラに対するトルクが大きな振幅を
発生することにより、振動が発生したり、異音が発生す
る等の問題につながっている。さらに、用紙さばき機構
でのさばき作用にも影響が発生し、重送等の不都合が生
じやすいという問題にもつながる。
【0016】
【発明の目的】本発明は、前述したように、従来より使
用されているトルク制限機構の問題を解消するもので、
ローラ部材と駆動軸との間に配置する部材を少なくし
て、トルクリミッターを小型のものとして構成できると
ともに、製造コストを低下させることができ、ローラ部
材に対する組み込みを容易に行い得るような装置を提供
することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の用紙
搬送装置のトルク制御装置は、軸または軸に係止される
コアの外径に対して、孔の径が小さい高分子材料からな
る弾性体を圧入して組み合わせ、前記コアの外周と弾性
体の内面との間で、一定以上のトルクを伝達しない伝導
機構を構成している。また、本発明のトルクリミッター
では、前記弾性体の孔の面または、該孔に係合される軸
等の表面に対して、凹凸を形成する加工を施し、圧着保
持される2つの部材の間での摩擦状態を安定させること
ができる。
【0018】さらに、本発明においては、画像形成装置
の給紙装置に設けられ、給紙ローラとさばきローラとを
対向させて配置したローラ装置において、軸または軸に
設けたコアに対して、内径が小さいゴムローラ部材を圧
入して組み合わせてさばきローラを構成し、前記コアの
外周とゴムローラ部材の内面との間に一定以上のトルク
を伝達しない機構を設け、ローラ部材に所定の値以上の
トルクが付与された状態で、ローラ部材の回転を許容さ
せる機構を構成することが可能である。前記構成に加え
て、本発明においては、前記ゴムローラ部材の内面と、
該ローラを保持する軸部材の外周との間に設定される摩
擦力は、用紙間の摩擦力<軸とローラ部材の間での滑り
出しのトルク<給紙ローラが用紙に与える力の関係に設
定され、前記軸とローラ部材の間での滑り出しのトルク
は、ローラが用紙搬送に必要とするトルク<ローラと用
紙がスリップするトルクの関係に設定することができ
る。前記構成の他に、本発明では、画像形成装置の用紙
搬送路に複数の搬送ローラ装置を配置し、上流側の搬送
ローラ装置での搬送速度が、下流側の搬送ローラ装置の
搬送速度よりも低速に設定される用紙搬送装置におい
て、前記下流側の搬送ローラ装置の駆動軸、もしくは駆
動軸に設けられたコアとローラの間が、一定以上のトル
クが付与された場合に滑る構成とし、速度の遅い搬送ロ
ーラ装置の駆動速度にしたがって、用紙を搬送すること
もできる。
【0019】前述したように、本発明のトルクリミッタ
ーでは、駆動軸に対して、ゴムローラ部材を直接圧入し
て配置し、両部材の嵌合部での摺動摩擦力を利用して、
トルクの制限機構を構成することができるので、トルク
リミッターの構成を簡素化することができ、装置の製造
コストを低下させることが可能である。また、駆動軸と
ローラ部材との間に、コア部材を設ける場合でも、その
トルクリミッターを構成する部品の点数を非常に少なく
することができる。そして、トルクリミッターを小型化
することにより、ローラ装置への組み込みを容易に行う
ことができるとともに、ローラ装置の任意の部分に容易
に装着でき、用紙搬送装置での目的に容易に対応させる
ことができる。さらに、本発明のトルクリミッターは、
ローラ部材を設ける位置での軸の表面の凹凸や、軸の外
径と孔の内径、およびローラ部材の材料を任意に選択す
ることにより、伝達するトルクを制限する作用を容易に
発揮させることが可能である。
【0020】
【実施例】図示される例にしたがって、本発明の用紙搬
送装置のトルク制御装置を説明する。図1に示される例
は、本発明のトルクリミッターを用紙さばき機構のリタ
ードローラに適用する場合を示しているもので、リター
ドローラ1は駆動軸2に対してコア部材3を取り付け、
該コア部材3に対してローラ部材6を取り付けている。
前記リタードローラ1においては、駆動軸2に対して取
り付けるコア部材3を、任意の手段を用いて固着し、該
コア部材3の表面に対して、ゴム等の弾性体で構成した
ローラ部材6を取り付けるようにする。前記ローラ部材
6は、コア部材3の外径よりも小径な内径を有するもの
として構成され、該ローラ部材6の内側に形成した孔に
対して、コア部材3を圧入して貫通させる方式を用いて
一体に形成している。
【0021】前記リタードローラ1においては、コア部
材3の表面とローラ部材6の孔の内面との摩擦力によ
り、トルクの伝達の性能が設定されるもので、両部材の
間での摩擦係数に応じて、任意のトルクの伝達性能を発
揮させることができる。前記図1に示される例では、コ
ア部材3の一方の端部にフランジを突出させて設け、該
フランジに対してローラ部材6の一方の端部を突き当て
る状態で装着し、ローラ部材の他方の端部に対しては、
ワッシャー8等により押さえる機構を設けることができ
る。また、前記ワッシャーの他に、駆動軸2とコア部材
3とを接続するために、ピン部材を取り付けることもで
きる。
【0022】前記リタードローラ1は、図2に示すよう
に、コア部材3の表面5に対して凹凸を形成し、その表
面に対してローラ部材6を圧入することにより、コア部
材3の表面部5と、ローラ部材6の軸孔7の内面との間
の摩擦力を適宜設定し、両部材の間で伝達するトルクの
大きさを調整することができる。前記コア部材3の表面
部5に形成される凹凸としては、例えば、梨地加工を施
すことや、軸方向に小さい溝を多数形成すること、また
は、他の任意の凹凸を形成すること等の手段を用いるこ
とができる。そして、前記コア部材3の表面に形成した
突起部材等と、ゴム等により構成したローラ部材の内面
との間に、一定以上のトルクが付与された状態で滑りを
生じるように構成することにより、前記リタードローラ
を給紙装置の用紙さばき機構に組み込んだ場合に、用紙
に対するさばき作用を良好な状態で発揮させ、コア部材
に対してローラ部材が滑る状態でも、異音が発生したり
することを防止できる。
【0023】また、本発明のトルクリミッターは、軸に
対してコア部材を設けずに、ローラ部材を直接駆動軸に
対して取り付ける手段を用いて、駆動ローラ装置を構成
することも可能である。図3に示される駆動ローラ10
の例では、駆動軸11に対して、弾性体で構成したロー
ラ部材12……を所定の間隔で取り付け、駆動軸11の
表面とローラ部材12の内面との間の摩擦力により、駆
動軸の回転をローラ部材に伝達させる機構を構成してい
る。また、前記実施例では、ローラ部材12……に対し
て、それぞれの両側にワッシャー13とEリング14と
を配置して、ローラ部材が軸方向に移動することを阻止
し、搬送ローラ装置での用紙に対する搬送作用を良好な
状態で行い得るようにしている。
【0024】前記ローラ装置とは別に、本発明のトルク
リミッターを用いた搬送ローラ装置は、図4に示すよう
に構成することができる。前記図4に示される例におい
て、搬送ローラ装置20を構成する駆動ローラ21と、
ピンチローラ26とは、それぞれの軸22、27が、装
置の両側のフレーム18に支持され、駆動軸22の端部
には、駆動ギヤ装置23が設けられる。前記駆動ローラ
21においては、駆動軸22に対して図1の場合と同様
に、コア部材24を取り付け、該コア部材24に対して
ローラ部材25を取り付けるようにしている。
【0025】また、前記駆動ローラに対向して配置され
るピンチローラ26では、軸27に対してローラ部材2
8を一体に取り付けたものを用い、該軸27に対して、
スプリング29を配置して、ローラ部材28を駆動ロー
ラのローラ部材25に押圧し、両ローラの間に所定の値
のニップ圧力を設定することができるようにする。な
お、前記ピンチローラの軸をフレームに支持させる部分
では、前記軸の上下動を許容できる程度の開口を設けて
いる。前述したように、本発明のトルクリミッターを一
体に設けたローラ装置は、コア部材を用いた場合と、コ
ア部材を用いない場合のいずれにも適用が可能であり、
搬送ローラ装置における駆動ローラの回転力を任意に設
定し、用紙の搬送作用を良好な状態で発揮させることが
できる。
【0026】前述したように、駆動軸に対して弾性体の
ローラ部材を一体に取り付けて、軸の表面またはコア部
材の表面と、ローラ部材の内面との間での摩擦力によ
り、トルクリミッターを構成する場合に、ローラ部材と
しては、シリコンゴムや、ポリノルボーネルゴム等を用
いることができる。また、コア部材としては、ポリアセ
タール等の樹脂材料を用いることができ、そのコア部材
の表面に微小な凹凸を設けたものを使用する。そして、
前記ローラ部材とコア部材とを組み合わせて、トルクリ
ミッターを構成した場合に、図5や、図6のグラフに示
されるような結果を得ることができた。
【0027】前記図5のグラフに示される例では、コア
部材をポリアセタール樹脂の外径15mmのものを使用
し、ローラ部材としてシリコンゴムを使用して、ローラ
の幅を20mmに設定している。前記条件で作成したトル
クリミッターにおいて、横軸にローラ部材の内径を、縦
軸に滑りトルクを示すと、内径とトルクの関係は、略直
線状に変化することがわかった。また、図6に示される
グラフでは、コア部材をポリアセタール樹脂で構成し、
その外径を15mmとし、シリコンゴムで形成したローラ
部材の内径を14.5mmに設定した場合に、縦軸の滑り
トルクと、横軸のローラ幅との間の関係が直線的に変化
することを示している。
【0028】前記2つのグラフに示されるように、駆動
軸に対して直接内面が小径であるローラ部材を圧入する
こと、または、駆動軸に設けたコア部材を介して、ロー
ラ部材を圧入して設けることにより、トルクリミッター
を容易に構成することができ、トルクの伝達作用を良好
に発揮させることが可能になる。したがって、前記図
5、6に示されるように、本発明の機構は、トルクリミ
ッターとして十分に使用に耐えることがわかる。
【0029】前述したように、駆動軸に対してゴム等の
弾性体を直接装着して、トルクリミッターを構成する機
構は、搬送ローラ装置の駆動ローラや、給紙装置の用紙
さばき機構に用いることの他に、図7、8に示されるよ
うに、駆動力の伝達部材としても用いることができる。
前記図7に示される伝導部材30の例では、駆動軸31
に取り付けたコア部材32に対して、出力部材40を回
転可能に支持させ、該コア部材32のフランジ33と出
力部材40との間に円筒状の弾性部材34を配置してい
る。そして、前記Eリング36等を用いて軸方向に規制
した出力部材40に対して、その部材の他方の端部に設
けた係合爪部材等を介して、出力部材40と弾性部材3
4とを組み合わせ、該弾性部材34の他方の端部をフラ
ンジ33により規制して、各構成部材が軸方向に移動す
ることを阻止している。
【0030】前記図7に示される伝導部材30におい
て、前記トルクリミッターの場合と同様に、コア部材と
ローラ部材との間の摩擦力を適宜設定することにより、
駆動軸から出力部材に対して伝達するトルクの大きさを
調整することができる。また、前述したようにして、コ
ア部材とローラ部材とを組み合わせた伝導部材30は、
図8に示されるように、出力部材40に対して被駆動部
材45を組み合わせ、駆動軸31と被駆動部材の間での
伝達トルクの制御機構を構成することができる。なお、
前記図8に示す例において、出力部材40と被駆動部材
45との間に、係合用の凹部42と凸部46とによる噛
み合わせ機構を配置しているが、前記駆動力の伝達機構
としては、任意の構成のものを使用することができる。
【0031】前述したようにして構成される本発明のト
ルクリミッターにおいて、例えば、ローラ部材をウレタ
ンやNBRのようなゴム材料で構成すると、図11のグ
ラフに示されるように、軸とローラ部材の内面との静止
摩擦係数が非常に大きいために、立上がり時のトルクが
大きくなり、その後には、狙いのトルク値Tで安定した
状態となる。しかし、前記図11のグラフに見られるよ
うに、立上がり時のトルクの変動が、設定値Tに対して
大きく変化することは、伝達されるトルクを安定させる
面では問題があり、搬送ローラ装置等に使用するには問
題がある。
【0032】これに対して、前記図2に示すように弾性
体の孔の面、または孔に係合される外径の面に凹凸を形
成したトルクリミッターでは、使用する軸および弾性体
の材料にかかわらず狙い値Tに対して、図12に示され
るように、立上がり時のトルクの変化が非常に小さいと
いう特性を得ることができる。したがって、トルクリミ
ッターでの伝達トルクの制御を正確に行うことが可能に
なる。また、ローラ部材の内面と軸またはコア部材の表
面との摩擦係数を、軸に設けた凹凸等により調整する手
段を用いる場合には、伝達されるトルクの値を任意に調
整することが可能であり、その場合でも、前記図10に
示されたように、伝達トルクの値に変化が生じたりする
ことがないので、異音等がトルクリミッターから生じる
ことも防止される。
【0033】そして、前記ローラ部材の孔の内面と、該
ローラ部材を保持する軸部材の外周との間に設定される
摩擦力は、用紙間の摩擦力μ3<軸とローラ部材の間で
の滑り出しのトルクμ<給紙ローラが用紙に与える力μ
1の関係に、各部材の間での摩擦係数を設定することが
できる。さらに、本発明のトルクリミッターでは、前記
軸とローラ部材との間での滑り出しのトルクは、ローラ
が用紙搬送に必要とするトルク<ローラと用紙がスリッ
プするトルクの関係を、容易に設定することができるも
のとなる。
【0034】
【発明の効果】前述したように構成したことにより、本
発明のトルクリミッターでは、駆動軸に対して、直接圧
入したゴムローラ部材を配置し、両部材の嵌合部での摺
動摩擦力を利用して、トルクの制限機構を構成すること
ができるので、トルクリミッターの構成を簡素化するこ
とができ、装置の製造コストを低下させることが可能で
ある。また、駆動軸とローラ部材との間に、コア部材を
設ける場合でも、そのトルクリミッターを構成する部品
の点数を非常に少なくすることができる。そして、トル
クリミッターを小型化することにより、ローラ装置への
組み込みを容易に行うことができるとともに、ローラ装
置の任意の部分に容易に装着でき、用紙搬送装置での目
的に容易に対応させることができる。さらに、本発明の
トルクリミッターは、ローラ部材を設ける位置での軸の
表面の凹凸や、軸の外径および孔の内径、ローラ部材の
材料を任意に選択することにより、伝達するトルクを制
限する作用を容易に発揮させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のトルクリミッターを用いたリタード
ローラの断面図である。
【図2】 本発明のトルクリミッターの構成部材の斜視
図である。
【図3】 本発明の駆動ローラの例の説明図である。
【図4】 本発明の搬送ローラ装置の説明図である。
【図5】 本発明のトルクリミッターの滑りトルクとロ
ール内径の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明のトルクリミッターの滑りトルクとロ
ール幅の関係を示すグラフである。
【図7】 本発明のトルクリミッターをトルク伝導部材
として用いる例の断面図である。
【図8】 図7の装置に被駆動部材を組み合わせた装置
の斜視図である。
【図9】 用紙と各部材の間の摩擦係数の関係を示すグ
ラフである。
【図10】 ローラが受けるトルクの変動状態を示すグ
ラフである。
【図11】 本発明と別のゴム部材を用いた場合のトル
クの変動状態を示すグラフである。
【図12】 本発明のトルクリミッターにおけるトルク
の変動状態を示すグラフである。
【図13】 従来のトルクリミッターの構成を示す断面
図である。
【図14】 給紙装置におけるローラ部材の組み合わせ
状態を示す説明図である。
【図15】 従来の用紙さばき機構に1枚の用紙が入っ
ている状態の説明図である。
【図16】 用紙さばき機構において、用紙をさばいて
いる状態の説明図である。
【図17】 一般的な搬送ローラ装置の構成を示す側面
図である。
【符号の説明】
1 リタードローラ、 2 駆動軸、 3 コア
部材、6 ローラ部材、 10 駆動ローラ、 1
1 駆動軸、12 ローラ部材、 20 搬送ロ
ーラ装置、 21 駆動ローラ、22 駆動軸、
24 コア部材、 25 ローラ部材、26 ピ
ンチローラ、 28 ローラ部材、 30 伝導部
材、32 コア部材、 34 弾性部材、 40
出力部材、45 被駆動部材、 50 トルクリ
ミッター、 52 固定ハブ、53 滑りハブ、
56 コイルスプリング、 60 給紙装置、65
搬送ローラ装置。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年12月9日
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図13】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸または軸に係止されるコアの外径に対
    して、孔の径が小さい高分子材料からなる弾性体を圧入
    して組み合わせ、 前記コアの外周と弾性体の内面との間で、一定以上のト
    ルクを伝達しない伝導機構を構成することを特徴とする
    用紙搬送装置のトルク制御装置。
  2. 【請求項2】 前記弾性体の孔の面または、該孔に係合
    される軸等の表面に対して、凹凸を形成する加工を施
    し、圧着保持される2つの部材の間での摩擦状態を安定
    させることを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送装置
    のトルク制御装置。
  3. 【請求項3】 画像形成装置の給紙装置に設けられ、給
    紙ローラとさばきローラとを対向させて配置したローラ
    装置において、 軸または軸に設けたコアに対して、内径が小さいゴムロ
    ーラ部材を圧入して組み合わせてさばきローラを構成
    し、前記コアの外周とゴムローラ部材の内面との間に一
    定以上のトルクを伝達しない機構を設け、 ローラ部材に所定の値以上のトルクが付与された状態
    で、ローラ部材の回転を許容させることを特徴とする請
    求項1に記載の用紙搬送装置のトルク制御装置。
  4. 【請求項4】 前記ゴムローラ部材の内面と、該ローラ
    を保持する軸部材の外周との間に設定される摩擦力は、
    用紙間の摩擦力<軸とローラ部材の間での滑り出しのト
    ルク<給紙ローラが用紙に与える力の関係に設定され、 前記軸とローラ部材の間での滑り出しのトルクは、ロー
    ラが用紙搬送に必要とするトルク<ローラと用紙がスリ
    ップするトルクの関係に、設定することを特徴とする請
    求項3に記載の用紙搬送装置のトルク制御装置。
  5. 【請求項5】 画像形成装置の用紙搬送路に複数の搬送
    ローラ装置を配置し、上流側の搬送ローラ装置での搬送
    速度が、下流側の搬送ローラ装置の搬送速度よりも低速
    に設定される用紙搬送装置において、 前記下流側の搬送ローラ装置の駆動軸、もしくは駆動軸
    に設けられたコアとローラの間が、一定以上のトルクが
    付与された場合に滑る構成とし、 速度の遅い搬送ローラ装置の駆動速度にしたがって、用
    紙を搬送することを特徴とする請求項3に記載の用紙搬
    送装置のトルク制御装置。
JP4269664A 1992-09-11 1992-09-11 用紙搬送装置のトルク制御装置 Pending JPH06316346A (ja)

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JP2007217130A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Hitachi Omron Terminal Solutions Corp 通帳搬送ローラ装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007217130A (ja) * 2006-02-17 2007-08-30 Hitachi Omron Terminal Solutions Corp 通帳搬送ローラ装置
US7387199B2 (en) 2006-02-17 2008-06-17 Hitachi-Omron Terminal Solutions, Corp. Device of handling roller for passbook

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