JP2993036B2 - 画像形成装置の駆動力伝達装置 - Google Patents

画像形成装置の駆動力伝達装置

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JP2993036B2 JP2067201A JP6720190A JP2993036B2 JP 2993036 B2 JP2993036 B2 JP 2993036B2 JP 2067201 A JP2067201 A JP 2067201A JP 6720190 A JP6720190 A JP 6720190A JP 2993036 B2 JP2993036 B2 JP 2993036B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子複写機等の画像形成装置において、用
紙搬送路内での用紙の搬送等に用いられるローラの駆動
装置等で、駆動軸と被駆動装置との間にトルク制御手段
(トルクリミッター)を介在させ、一定のトルクの範囲
内で駆動力の伝達を行うように装置に関し、特に、トル
クリミッターとその前後の部材との間で、トルクの伝達
を良好な状態で行い得るようにする装置に関する。
(従来の技術) 電子複写機等のような画像形成装置においては、用紙
収容装置から用紙を送り出して、用紙搬送路内で搬送ロ
ーラ装置等により搬送する途中で、感光体ドラム等の画
像担持体に形成されたトナー画像の転写を行い、そのト
ナー画像を用紙に定着する作用等を行い、コピーを完成
させる。
前述したような画像形成装置の用紙搬送装置において
は、用紙収容装置から用紙を送り出すための給紙装置に
おけるナジャーローラの揺動手段や、リタードローラの
逆転機構、用紙搬送路内での駆動ローラの駆動機構等
に、ローラの回転トルクを一定の範囲内に制限するため
の手段を配置する。
例えば、給紙装置のリタードローラの逆転機構に、ト
ルクリミッターが用いられる場合の例としては、実開昭
61−83640号公報等に示されるようなものがある。前記
従来例の給紙装置においては、リタードローラに対して
トルクリミッターを配置することによって、用紙さばき
作用を行う際に、リタードローラに対する負荷トルクを
与えるようにしている。
前述したような給紙装置において、リタードローラに
対するトルクの値が大き過ぎる場合には、ミスフィード
が発生し、小さい場合には重送が発生するので、該リタ
ードローラに対して設けるトルクリミッターの場合に
は、ローラに対する負荷トルクを適正な値に設定するこ
とが要求される。
また、給紙装置のナジャーローラの加圧機構に、トル
クリミッターを介在させて、用紙とナジャーローラとの
間の押圧力を制御する場合がある。このような装置の場
合には、ナジャーローラの用紙に対する押圧力が多き過
ぎると重送が発生し、小さい場合にはミスフィードが発
生しやすいという特性がある。
さらに、用紙搬送路内に多数の搬送ローラ装置を設け
る場合に、前後の搬送ローラ装置の速度を異なるものと
して設定し、搬送の途中で、用紙に対する搬送速度を変
化させるように構成している場合がある。
前述したような装置においては、用紙搬送路の下流部
の搬送速度が高速の場合に、その高速側のローラ装置に
おけるトルクが大きい場合には、用紙に対してローラが
こすることによって画像が乱れたりする問題がある。さ
らに、ローラと用紙との摩擦によって、異音が発生する
等の問題がある他に、ローラの駆動トルクが小さい場合
には、搬送不良が発生したりすることがある。
そこで、従来の装置においては、第8図に示されるよ
うに、駆動軸1とローラ軸等の被駆動部6の間にトルク
リミッター20を配置し、駆動トルクの制御を行うことが
行なわれている。
前記第8図に示される従来例においては、駆動軸1に
出力部材2と被駆動部6を配置し、前記出力部材2と被
駆動部6とのそれぞれに、駆動用の爪部材3、4、およ
び、7、8を、それぞれ突出させて設けている。
両部材の中間に配置されるトルクリミッター20は、ス
プリング25を介してトルクの伝達を行う方式の装置の場
合を示しており、入力部22と出力部材26との間にスプリ
ング25を配置し、両部材の間のトルクの制御を行うこと
が出来るようにしている。また、前記入力部22には、出
力部材2に向けて突出される爪23、24を配置し、出力部
材26には被駆動部側に爪27、28を突出させて設けてい
る。
そして、前記駆動軸1の出力部材2に設けた出力爪
3、4と、トルクリミッター20の入力部22に設けた入力
爪23、24とをそれぞれ係合させ、さらに、トルクリミッ
ター20の出力部材26に設けた出力爪27、28を、被駆動部
6の入力爪7、8にそれぞれ係合させる。前述したよう
に構成したことにより、駆動軸と被駆動部との間の駆動
力の伝達を行う際の、回転トルクを制御することができ
るようにしている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、前述したような従来の装置において
は、それぞれの部材と、それから突出される爪部材等
は、その製造時の誤差等があることによって、対向する
2つずつの爪部材を正確に接触させることが出来ない等
の問題が発生する。
そして、第2図(d)に示されるように、それぞれの
対向する爪部材3a、13と、4a、14とが均等な圧力で接触
せずに、例えば、爪部材3a、13のみが強く押圧された状
態で、出力部材とトルクリミッターの入力部との間での
駆動力の伝達を行うような状態となった場合には、トル
クリミッターによるトルクの制御が正常に行なわれなく
なるという問題が発生する。つまり、一方の爪部材のみ
が駆動力の伝達を行う状態では、本来2つの爪に分散す
るはずの大きな力がかかり、また、軸に対して打ち消し
合う力がないためラジアル方向の力が発生する。そし
て、トルクリミッターはその内径部で軸と強く接触した
り、トルクリミッター内部の構成部材が強く接触し、こ
こで発生する摩擦力がトルクに上載せされる。
そして、トルクリミッターにより制御されるトルク
が、設定値以上の値となった場合には、ローラによる送
り作用に異常が発生し、分離ローラおよびナジャーロー
ラの部分では、ローラと用紙がスリップしてミスフィー
ドが発生し、速度変化をさせる部分の駆動ローラ部で
は、ローラと用紙がスリップし、異音が発生したりレジ
ストローラの駆動ガタを取る部分では駆動負荷が増大
し、モーターの過負荷となる等の問題が生じる原因とな
る。
また、トルクが小さく制御された場合には、紙送りの
作用が良好に行なわれずに、用紙搬送路内での重送、ジ
ャムの発生原因となる等の多くの問題が発生する。
(発明の目的) 本発明は、上記したような従来より用いられている装
置の欠点を解消するもので、駆動手段とトルクリミッタ
ーとの間に、トルク伝達手段としての伝達部材を介在さ
せて、トルクの伝達を良好に行い得るような装置を提供
することを目的としている。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明は、駆動部材と被駆動部材との間にトルク伝達
部材を設けて、駆動力の伝達に際してのトルクの制御を
行うように構成してなる装置に関する。
本発明の請求項1の発明は、前記駆動部材または被駆
動部材と、トルク制御手段との間にトルク伝達手段を配
置し、該トルク伝達手段を、軸の外径よりも大きな内径
を有し、前記軸に対して遊びを持たせた部材で構成し、
該部材の軸方向の両側に設けた係合部材を介して、両部
材の間のトルクの伝達を行うように構成するとともに、
前記トルク伝達手段において、駆動部材または被駆動部
材との間での係合部材と、トルク制御手段との間の係合
部材とが、回転中心に対してほぼ直交する位置でそれぞ
れ嵌合するように構成することを特徴とする。
請求項2の発明は、前記被駆動部材は、電子複写機等
の画像形成装置において、用紙を給紙する装置の分離ロ
ーラとして用いられる装置であることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記トルク伝達手段は、画像形成
装置の給紙装置において、給紙トレイから用紙を送り出
すためのナジャーローラの駆動機構に組み込まれること
を特徴とする。
請求項4の発明は、前記トルク伝達手段は、画像形成
装置の用紙搬送路において、用紙に対する搬送速度を変
化させる部分での搬送ローラ装置の駆動機構に組み込ま
れることを特徴とする。
請求項5の発明は、前記トルク伝達手段は、画像形成
装置の用紙搬送路において、画像転写部の直前部で用紙
を停止させ、画像担持体に向けて用紙を送り出すための
レジストローラの駆動機構に組み込まれることを特徴と
する。
前述したように構成したことにより、本発明において
は、比較的簡単な構成の伝達部材を用いるのみで、駆動
軸とトルクリミッターとの間の駆動トルクの伝達を行う
ことが可能であり、トルクリミッターに対して回転力が
偏って加えられることを防止出来る。
また、駆動軸と被駆動部との間にトルクリミッターを
設ける際に、駆動軸とトルクリミッターとの間に、駆動
軸に対して遊びを持たせた伝達部材を介在させることに
よって、各部材の間での駆動力の伝達を正確に行うこと
が出来、トルクリミッターに設定されたトルク値に応じ
て、被駆動部を駆動することが出来る。
さらに、本発明の駆動力伝達装置は、電子複写機等の
給紙装置において、用紙を支持するボトムプレートの押
し上げ機構に対して設け、給紙ローラと用紙との接触圧
力を調整するための手段として用いることや、感光体か
らの画像の転写を行う部分で、用紙の同期を取るための
レジストローラ等の駆動負荷を与え、ガタを発生させな
いようにする手段としても用いることが出来る。
(実施例) 図示された例に従って、本発明の画像形成装置の駆動
力伝達装置の構成を説明する。
第1図に示された本発明の実施例は、駆動軸1に対し
てトルクリミッター20を接続し、そのトルクリミッター
により設定された回転トルクの範囲で、駆動ローラ等の
被駆動部を駆動する場合を示している。前述した本発明
の実施例においては、駆動軸1に出力部材2を固定して
設け、該出力部材2とトルクリミッター20との間に伝達
部材10を配置している。
前記伝達部材10は、第2図に詳細に説明するように、
略円筒状の本体の入力側と出力側とのそれぞれに、係合
手段を設けているもので、図示される実施例において
は、入力部12には2つの入力爪13、14をA−A線に沿っ
て配置している。
また、出力部16にも2つの出力爪17、18をB−B線に
沿ってそれぞれ突出させて設けている。前記伝達部材10
に設けた爪部材に対応させて、出力部材2とトルクリミ
ッター20の入力部22との双方の係合部には、伝達部材の
爪部材が係合される溝手段を設けている。
そして、出力部材2の出力溝3a、4aに対して、伝達部
材10の入力爪13、14をA−A線に沿った位置で係合させ
るようにし、トルクリミッター20の入力部22に設けた入
力溝23a、24aに対して、伝達部材10の出力部材16に配置
した出力爪18、17がB−B線に沿った位置でそれぞれ係
合して駆動力の伝達を行う。
前述したように構成される本発明の画像形成装置の駆
動力伝達装置において、伝達部材10は第2図(a)およ
び(b)に示されるように、略円筒形状の本体の内径を
軸1の径よりも大きく設定し、該軸1に対して十分な遊
びを有するようになっている。
前記伝達部材10の入力側と、出力側とにそれぞれ突出
される爪部材は、第2図(b)に示されるように、それ
ぞれの2つの爪が軸線に直角な線上に配置され、入力側
と出力側との爪部材が、A−A線とB−B線とで示すよ
うに、互いに90゜位相をずらした状態に設けている。
したがって、前記伝達部材10の軸方向の両側に、それ
ぞれ位置される出力部材2とトルクリミッター20とに対
して、各々の係合手段が同じ軸線上で駆動力を伝達しな
いようにしている。
前記本発明の伝達部材10は、軸方向の両側に突出させ
た爪部材が、それぞれに対応する溝に係合されることに
よって、軸1に対して直接接触しない状態でその取付け
位置が設定される。
前述したようにして、伝達部材の保持状態を設定し、
前記伝達部材を所定の位置に保持させるために、例え
ば、伝達部材の本体の内径と、軸の外径との差を比較的
小さく設定することや、対応する部材の溝に弱いバネ等
を配置して、伝達部材の両側に突出している爪部材を軽
く支持させる等の手段を用いることが出来る。また、前
記構成とは別に、伝達部材の本体の内部に板バネ等を配
置して、軸に対する伝達部材の位置決め等を行い得るよ
うにすることも可能である。
前述したように構成される本発明の伝達部材10におい
て、駆動軸1の出力部材2により伝達部材が回転される
際の動作を、同図(c)にもとづいて説明する。
例えば、出力部材2に形成される出力溝3a、4aと、伝
達部材の入力爪13、14とのそれぞれに製作誤差等があ
り、最初に出力溝3aと入力爪13が当たる状態を考える
と、この場合に、出力溝3aと入力爪13が当たることによ
って、他方の出力溝4aと入力爪14が係合する位置にま
で、伝達部材本体が矢印b方向に移動されるようにな
る。
そして、伝達部材の入力部12に設けた入力爪13、14
が、それぞれの対応する溝3a、4aに正確に係合された状
態で、本体が回転されるようになる。また、伝達部材10
とトルクリミッター20との係合に際しても、その係合部
が矢印a方向に移動され、前記出力部材と伝達部材との
関係と同様な動作が行われる。
したがって、本発明の伝達部材を用いることによっ
て、駆動軸1の出力部材2と、被駆動部に対して設けた
トルククミッターに対しても、各々の係合部材が片当た
りしたりすることなしに、2つずつの係合手段が均等に
接する状態となり、回転トルクを正確に伝達させること
が可能になる。
前記第1図に示された伝達部材とは別に、本発明にお
いては、(第3図に示すように、入力部12に入力爪13、
14を設け、出力部16に出力溝17a、18aを配置することも
可能である。この実施例においては、トルクリミッター
20の入力部22には、伝達部材の出力溝17a、18aに対応さ
せて入力爪23、24を突出させ、入力爪を前記同様のB−
B線に沿って配置している。
また、駆動軸の出力部材2と伝達部材10の入力部12に
おいて、A−A線上に配置された出力溝と入力爪とによ
る係合位置に配置されているのであるから、伝達部材に
対して、その前後に配置される出力部材2とトルクリミ
ッターとの係合位置が、直角に位相をずらした状態に設
定されることになる。
なお本発明の伝達部材と、その前後の部材との係合関
係において、爪と溝とによる凹凸の組合せ関係は、任意
に設定することが出来るものであり、伝達部材の前後の
係合部材の位置関係を直角に設定することによって、ト
ルクの伝達を良好な状態に設定することが可能になる。
次に、本発明のトルク伝達装置を実際に電子複写機に
適用する場合を、具体例で説明する。
第4図および第4a図に示す例は、用紙搬送路内で、用
紙の速度を低速から高速に変化させる場合を示すもの
で、電子複写機の用紙搬送路30の途中に、用紙に対する
搬送速度を低速から高速に変化させるために、低速側搬
送ローラ装置31と、高速側搬送装置32とを所定の間隔を
介して配置している。そして、用紙搬送路内で矢印X方
向に搬送する際に、低速側搬送ローラ装置31に設定され
た速度で搬送される用紙を、高速側搬送ローラ装置32に
より高速度で搬送し、次のプロセスに向けて送り出すよ
うにする。
前記用紙搬送路に設けられる搬送ローラ装置におい
て、低速側の搬送ローラ装置は、一定の速度で駆動され
るようになっている。しかし、用紙が低速側と高速側の
装置との、双方の搬送ローラ装置によりニップされてい
る間は、高速側の搬送ローラ装置による送り速度は、低
速側の送り速度と同一に設定される。そして、用紙の後
端部が低速側の搬送ローラ装置によるニップ位置を通過
し終えた後で、高速側の搬送ローラ装置32による高速送
りが行われる。
前述したように用紙の送り速度を変化させるようにす
るために、本発明においては、高速側搬送ローラ装置32
を第4a図に示すように構成している。前記第4a図に示さ
れる実施例において、ピンチローラ33と駆動ローラ34と
を対向させて配置する搬送ローラ装置32において、駆動
ローラ34の軸35の端部を、トルクリミッター37を介して
入力ギヤ38に接続する。
前記トルクリミッター37と入力ギヤ38の間には、第1
〜3図に示されるようなトルク伝達手段を介在させて、
トルクリミッターに設定される回転トルクを良好に発揮
させ得るようにすることが出来る。
したがって、前記第4図に示されるような用紙搬送路
30において、用紙が搬送ローラ装置31、32の双方にニッ
プされている状態では、高速側の搬送ローラ装置におい
ては、用紙に対して一定の搬送トルクを発揮した状態で
低速駆動を行うようにし、用紙を無理に引張ったりする
ことがないようにされる。また、用紙が低速側のニップ
から離れた場合には、高速側の搬送ローラ装置に設定さ
れる速度で、その用紙を次の処理手段に向けて送ること
が出来る。
第5図に示される例は、用紙搬送路に配置されるレジ
ローラ等において、駆動部のガタを解消させる場合を示
している。この実施例において、レジローラ等の搬送ロ
ーラ装置40を、ピンチローラ41と駆動ローラ42とにより
構成し、駆動ローラ42の軸43の一端部に入力ギヤ44を配
置し、他方の端部にガタ取り手段45を設けている。
前記ガタ取り手段は、トルクリミッター46と軸に設け
たピン47、および、ストッパー48により構成し、トルク
リミッター46の一端部をピン47を介して駆動軸43に接続
し、トルクリミッターの他端部をストッパー48によって
係止する。
前述したように配置されるトルクリミッターに対し
て、軸とトルクリミッターとのトルク伝達機構に、前記
実施例に示されたような画像形成装置の駆動力伝達装置
を用いることが出来るもので、駆動軸とトルクリミッタ
ーとの間での駆動トルクの伝達を良好に行わせることに
よって、駆動部に対して不必要な負荷を与えないように
している。
したがって、不必要な負荷を駆動部に与えることな
く、レジローラを駆動するガタを一方向に揃えることで
感光体上の画像に対し用紙をぶれなく搬送出来、画像欠
陥をなくすことが出来る。
第6図および第7図に示される本発明の実施例は、電
子複写機の給紙手段の各構成部材に対して、それぞれト
ルクリミッターを配置する場合の例を示している。
前記電子複写機の給紙手段は、例えば、装置本体に対
して、上下方向に多数の給紙部を配置し、それぞれの給
紙部に給紙カセット等を装着して置き、任意のサイズの
用紙を記録部に向けて送り出すように構成している。
前記給紙部に装着される給紙カセット70には、用紙を
支持するためのボトムプレート71を設け、該プレートを
揺動アーム72により給紙可能な高さまで押し上げること
によって、給紙装置50のナジャーローラ51を用紙に押圧
させ、給紙の動作を行わせるようにしている。
また、前記給紙装置50においては、用紙送り手段とし
てのナジャーローラ51と、用紙さばき装置としてのフィ
ードローラ55、リタードローラ58を配置しており、前記
フィードローラ55とナジャーローラ51とを、ギヤ52、53
および56を介して連動させるように構成している。な
お、前記ナジャーローラと中間ギヤ53とは、揺動フレー
ム60に支持されており、該フレームを揺動装置61により
揺動させるように設けている。そして、前記揺動フレー
ム60を、スプリングにより付勢して、ナジャーローラ51
を用紙に押圧させる位置と、揺動装置61によりナジャー
ローラ51を用紙から離間する位置の間を揺動することが
出来るようにされる。
また、前記揺動装置61には、フレームから突出する軸
部材64に対して、ソレノイド62により駆動されるプレー
ト63を係合させ、ナジャーローラを支持するフレームの
揺動の作用を行わせるようにすることが出来る。
さらに、前記給紙部においては、図の右側の部分に、
用紙搬送路66、66aを連続させて配置し、下部の給紙部
から送られてくる用紙を、用紙搬送路66aを介して上方
に案内し、給紙カセット70からの搬送路67に合流させ
て、用紙搬送路66からレジローラ68による用紙の位置決
め手段に向けて送る。なお、前記用紙搬送路66および66
aには、所定の間隔で搬送ローラ装置65を配置し、用紙
に対する搬送の作用を行わせるようにする。
前述したように構成される給紙部においては、給紙装
置50のリタードローラ58と駆動軸57の間にトルクリミッ
ター54を配置して、前記リタードローラ58による重送用
紙を捌く分離トルクを制御することが出来る。また、前
記第6図の例では、用紙搬送路の下流部に配置するレジ
ローラ68の駆動軸にも、ガタ取りのためのトルクリミッ
ターを配置する。
さらに、第9図のようにナジャーローラと駆動する軸
との間にトルクリミッターを配置することも可能であ
る。前記第9図に示される例では、ナジャーローラ51を
支持する揺動フレーム60は、駆動軸57を中心にしてフレ
ーム部材81、82を一体に揺動可能に支持しており、該2
つの平行なフレームの先端部にナジャーローラ51の軸を
支持している。また、前記フレーム82に対して、第9a図
に示されるように、スプリング83を配置しており、該ス
プリング83により前記ナジャーローラ51を用紙から離間
させる方向に付勢している。
前記ナジャーローラ51の駆動は、駆動軸57に設けたギ
ヤ56と、アイドラーギヤ53およびローラ51に対して設け
たギヤ52とから構成し、前記アイドラーギヤ53を、フレ
ーム81に固定した軸85により支持する。さらに、前記軸
85に対して、軸固定係止部材87と、トルクリミッター86
とを設け、ギヤ53とトルクリミッター86との間に、伝達
部材10を配置している。
そして、前述したように、固定軸85に対してアイドラ
ーギヤ53を介してトルクリミッターを配置したことによ
って、ナジャーローラ51に負荷が発生していなくても、
トルクリミッターによるトルクが駆動軸に発生する。そ
して、そのトルクにより生じるモーメントにより、前記
ローラ51を用紙に押圧する力を制御することが出来る。
前述したように、本発明においては、各駆動手段に対
してトルクリミッターを配置する際に、各トルクリミッ
ターと駆動手段との間に、前記伝達部材を配置すること
が出来るものであり、伝達部材を介してトルクリミッタ
ーに対する駆動力の伝達を行うようにすることによっ
て、各トルクリミッターに設定される駆動トルクを正確
に制御することが出来るものとなる。
したがって、第6図および第9図に示されるような給
紙手段においては、用紙に対する送り手段や、その他の
手段の駆動力の伝達が、伝達部材を介して接続されるト
ルクリミッターによって、正確に設定されるので、給紙
の動作を良好な状態で行い得るものとなる。
なお、本発明の駆動トルクの伝達手段としての伝達部
材は、電子複写機にのみ適用されるものではなく、その
他に、任意の装置で回転トルクを正確に制御する必要の
ある部分に、本発明の伝達部材を使用することが出来る
ものである。
また、前記本発明の実施例において、トルクリミッタ
ーとして用いられる機構は、図示されるように、低コス
トのために多く利用されているスプリングを用いた装置
の他に、マグネットパウダー等を用いる磁気誘導型のも
のや、ワンウエイクラッチの空転負荷を管理するローラ
ベアリング型のもの等、任意の形式のものを使用するこ
とが可能である。
(発明の効果) 本発明の装置は、前述したような構成を有するもので
あるから、比較的簡単な構成の伝達部材を用いるのみ
で、駆動軸とトルクリミッターとの間の駆動トルクの伝
達を行うことが可能であり、トルクリミッターに対して
回転力が偏って加えられることを防止出来る。
また、駆動軸と被駆動部との間にトルクリミッターを
設ける際に、駆動軸とトルクリミッターとの間に、駆動
軸に対して遊びを持たせた伝達部材を介在させることに
よって、各部材の間での駆動力の伝達を正確に行うこと
が出来、トルクリミッターに設定されたトルク値に応じ
て、被駆動部を駆動することが出来る。
さらに、本発明の画像形成装置の駆動力伝達装置にお
いては、搬送ローラ装置等によって、用紙に対する送り
の作用を行う際に、重送や異音、画像欠陥等を発生させ
ることなく、用紙の送りの作用を正確に行うことが出来
るものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の駆動力伝達機構の分解斜視図、第2図
は本発明の伝達部材の構成を示すもので、同図(a)は
伝達部材の側面図、(b)はその正面図、(c)は伝達
部材の動作の説明図、(d)は従来の装置の場合の力の
伝達の状態の説明図、第3図は本発明の画像形成装置の
駆動力伝達装置の他の実施例の分解斜視図、第4図は本
発明が適用される用紙搬送装置の側面図、第4a図は搬送
ローラ装置の正面図、第5図は搬送ローラ装置のガタ取
り手段の正面図、第6図は給紙部の構成を示す側面図、
第7図はその斜視図、第8図は従来のトルクリミッター
の装着方式を示す分解斜視図、第8a図は従来の装置にお
ける爪部材の係合状態の説明図、第9図は本発明の別の
実施例の平面図であり、第9a図はナジャーローラを用紙
から離間させる手段の側面図である。 図中の符号 1……駆動軸、2……出力部材、3・4……出力爪、6
……被駆動部、7・8……入力爪、10……伝達部材、20
……トルクリミッター、30……用紙搬送路、31・32……
搬送ローラ装置、37……トルクリミッター、40……搬送
ローラ装置、46……トルクリミッター、50……給紙装
置、54……トルクリミッター、68……レジローラ装置、
72……プレート揺動アーム、73……アーム軸。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動部材と被駆動部材との間にトルク制御
    手段を設けて、駆動力の伝達に際してのトルクの制御を
    行うように構成してなる装置において、 前記駆動部材または被駆動部材と、トルク制御手段との
    間にトルク伝達手段を配置し、該トルク伝達手段を、軸
    の外径よりも大きな内径を有し、前記軸に対して遊びを
    持たせた部材で構成し、該部材の軸方向の両側に設けた
    係合部材を介して、両部材の間のトルクの伝達を行うよ
    うに構成するとともに、 前記トルク伝達手段において、駆動部材または被駆動部
    材との間での係合部材と、トルク制御手段との間の係合
    部材とが、回転中心に対してほぼ直交する位置でそれぞ
    れ嵌合するように構成することを特徴とする画像形成装
    置の駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】前記被駆動部材は、電子複写機等の画像形
    成装置において、用紙を給紙する装置の分離ローラとし
    て用いられる装置であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の画像形成装置の駆動力伝達装置。
  3. 【請求項3】前記トルク伝達手段は、画像形成装置の給
    紙装置において、給紙トレイから用紙を送り出すための
    ナジャーローラの駆動機構に組み込まれることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の画像形成装置の駆動力
    伝達装置。
  4. 【請求項4】前記トルク伝達手段は、画像形成装置の用
    紙搬送路において、用紙に対する搬送速度を変化させる
    部分での搬送ローラ装置の駆動機構に組み込まれること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の画像形成装置
    の駆動力伝達装置。
  5. 【請求項5】前記トルク伝達手段は、画像形成装置の用
    紙搬送路において、画像転写部の直前部で用紙を停止さ
    せ、画像担持体に向けて用紙を送り出すためのレジスト
    ローラの駆動機構に組み込まれることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の画像形成装置の駆動力伝達装
    置。
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