JPH06315477A - 生体撮像装置、及び血液情報演算処理回路 - Google Patents

生体撮像装置、及び血液情報演算処理回路

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JPH06315477A
JPH06315477A JP6094540A JP9454094A JPH06315477A JP H06315477 A JPH06315477 A JP H06315477A JP 6094540 A JP6094540 A JP 6094540A JP 9454094 A JP9454094 A JP 9454094A JP H06315477 A JPH06315477 A JP H06315477A
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一成 中村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撮像手段により撮像された信号から変化のわ
かりやすい血液情報を得る。 【構成】 固体撮像素子16により撮像され複数の波長
領域に対して得られる各波長領域の出力信号をlogア
ンプ65a、65b、65cによって対数変換し、この
対数変換された各波長領域の出力信号に基づいて血液情
報を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中のヘモグロビン
の量や酸素飽和度等の変化を観察できるようにした生体
撮像装置、及び血液情報演算処理回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、体腔内に細長の挿入部を挿入する
ことにより、体腔内臓器等を観察したり、必要に応じ処
置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種治療処
置のできる内視鏡が広く利用されている。
【0003】また、電荷結合素子(CCD)等の固体撮
像素子を撮像手段に用いた電子内視鏡も種々提案されて
いる。
【0004】ところで、血液中のヘモグロビンの量や酸
素飽和度の分布を知ることが、病変の早期発見等に役立
つことが知られている。血液中のヘモグロビンの量や酸
素飽和度を求める方法としては、例えば、実開昭61−
151705号公報に示されるように、血液中のヘモグ
ロビンに関連のある複数の特定の波長領域の画像から求
める方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
装置、方法では血液情報を得るために、前処理を施して
いない。そのため、得られた血液情報は、必ずしも変化
のわかりやすい情報ではなかった。
【0006】また、従来、撮像装置の出力信号に基づい
て血液情報を得るものは提案されているが、γ補正され
た信号を用いたのでは、血液情報を得るのに適当ではな
い。さらに、モニタに表示可能なR,G,B信号に基づ
いて、血液情報を演算するものは、従来具体的に提案さ
れていない。
【0007】本発明は、これらの事情に鑑みてなされた
もので、撮像手段から出力された信号に前処理を施し
て、変化のわかりやすい血液情報を得るようにした生体
撮像装置を提供することを目的としている。
【0008】また、本発明の他の目的は、撮像装置の出
力信号に基づいて血液情報を得るものであってγ補正さ
れない信号を用いて適切な血液情報を得るようにした生
体撮像装置を提供するにある。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、モニタに表
示可能なR,G,B信号端に接続され、血液情報を演算
する血液情報演算処理回路を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の生体撮像装置
は、血液に関連した情報を得ることのできる複数の波長
領域で被写体像を撮像する撮像手段を有する生体撮像装
置において、前記撮像手段から前記複数の波長領域に対
して得られる各波長領域の出力信号を、各々対数変換す
る対数変換手段と、対数変換された前記各波長領域の出
力信号に基づき血液情報を演算する血液情報演算手段
と、を備えている。
【0011】請求項2の生体撮像装置は、血液に関連し
た情報を得ることの可能な複数波長領域で被写体を撮像
可能な撮像手段と、前記撮像手段の出力信号を処理して
表示手段に前記被写体像が表示可能な信号を出力する表
示信号処理手段と、を有する生体撮像装置において、前
記表示信号処理手段の出力信号を逆γ補正する逆γ補正
手段と、前記逆γ補正された出力信号における前記複数
波長領域に対応した信号レベルに基づき血液情報を演算
する血液情報演算手段と、を備えている。
【0012】請求項3の血液情報演算処理回路は、撮像
手段の出力に基づき3原色信号を生成して、被写体像を
表示可能とする撮像信号処理回路における3原色信号出
力端に接続される血液情報演算処理回路であって、前記
3原色信号出力端から出力される前記3原色信号を各々
逆γ変換する逆γ変換手段と、逆γ変換された前記3原
色信号を各々対数変換する対数変換手段と、対数変換さ
れた前記3原色信号に基づき血液情報を演算する演算手
段と、を備えている。
【0013】
【作用】請求項1の装置では、撮像手段により撮像され
複数の波長領域に対して得られる各波長領域の出力信号
を、各々対数変換し、この対数変換された各波長領域の
出力信号に基づき血液情報を演算する。
【0014】請求項2の装置では、撮像手段の出力信号
を表示手段に被写体像として表示可能な信号に処理し、
この処理された信号を逆γ補正すると共に、この逆γ補
正された出力信号における複数波長領域に対応した信号
レベルに基づいて血液情報を演算する。
【0015】請求項3の回路では、3原色信号出力端か
ら出力される3原色信号を各々逆γ変換し、この逆γ変
換された3原色信号を各々対数変換すると共に、この対
数変換された3原色信号に基づき血液情報を演算する。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1ないし図10は本発明の第1実施例に係り、
図1は内視鏡装置の構成を示すブロック図、図2は回転
フィルタを示す説明図、図3は内視鏡装置の全体を示す
側面図、図4はヘモグロビンの酸素飽和度の変化による
血液の吸光度の変化を示す説明図、図5は回転フィルタ
の特殊画像用の各フィルタの透過波長域を示す説明図、
図6は回転フィルタの特殊画像用の各フィルタの透過波
長域の他の例を示す説明図、図7は回転フィルタの通常
観察用の各フィルタの分光透過特性を示す説明図、図8
は回転フィルタの特殊画像用の各フィルタの分光透過特
性を示す説明図、図9はヘモグロビンの量や酸素飽和度
を求めるための処理回路を示すブロック図、図10はヘ
モグロビンの量や酸素飽和度を求めるための処理回路の
他の例を示すブロック図である。
【0017】本実施例の内視鏡装置は、図3に示すよう
に、電子内視鏡1を備えている。この電子内視鏡1は、
細長で例えば可撓性の挿入部2を有し、この挿入部2の
後端に太径の操作部3が連設されている。
【0018】前記操作部3の後端部からは側方に可撓性
のケーブル4が延設され、このケーブル4の先端部にコ
ネクタ5が設けられている。前記電子内視鏡1は、前記
コネクタ5を介して、光源装置及び信号処理回路が内蔵
されたビデオプロセッサ6に接続されるようになってい
る。さらに、前記ビデオプロセッサ6には、モニタ7が
接続されるようになっている。
【0019】前記挿入部2の先端側には、硬性の先端部
9及びこの先端部9に隣接する後方側に湾曲可能な湾曲
部10が順次設けられている。また、前記操作部3に設
けられた湾曲操作ノブ11を回動操作することによっ
て、前記湾曲部10を左右方向あるいは上下方向に湾曲
できるようになっている。また、前記操作部3には、前
記挿入部2内に設けられた処置具チャンネルに連通する
挿入口12が設けられている。
【0020】図1に示すように、電子内視鏡1の挿入部
2内には、照明光を伝達するライトガイド14が挿通さ
れている。このライトガイド14の先端面は、挿入部2
の先端部9に配置され、この先端部9から照明光を出射
できるようになっている。また、前記ライトガイド14
の入射端側は、ユニバーサルコード4内に挿通されてコ
ネクタ5に接続されている。また、前記先端部9には、
対物レンズ系15が設けられ、この対物レンズ系15の
結像位置に、固体撮像素子16が配設されている。この
固体撮像素子16は、可視領域を含め紫外領域から赤外
領域に至る広い波長域で感度を有している。前記固体撮
像素子16には、信号線26,27が接続され、これら
信号線26,27は、前記挿入部2及びユニバーサルコ
ード4内に挿通されて前記コネクタ5に接続されてい
る。
【0021】一方、ビデオプロセッサ6内には、紫外光
から赤外光に至る広帯域の光を発光するランプ21が設
けられている。このランプ21としては、一般的なキセ
ノンランプやストロボランプ等を用いることができる。
前記キセノンランプやストロボランプは、可視光のみな
らず紫外光及び赤外光を大量に発光する。このランプ2
1は、電源部22によって電力が供給されるようになっ
ている。前記ランプ21の前方には、モータ23によっ
て回転駆動される回転フィルタ50が配設されている。
この回転フィルタ50は、図2に示すように、同心状に
区分された3つの部分を有している。最外周部には、通
常観察用の赤(R),緑(G),青(B)の波長領域の
光を透過するフィルタ51a,51b,51cが、周方
向に沿って配列され、中央部には、特殊画像用の波長λ
11,λ12,λ13を中心とする狭帯域の光を透過するフィ
ルタ52a,52b,52cが、周方向に沿って配列さ
れ、また、最内周部には、特殊画像用の波長λ21,λ2
2,λ23を中心とする狭帯域の光を透過するフィルタ5
3a,53b,53cが、周方向に沿って配列されてい
る。
【0022】尚、前記フィルタ51a,51b,51c
の透過特性は、図7に示す。一方、前記波長λ11,λ1
2,λ13及び、波長λ21,λ22,λ23は、図5に示すよ
うに設定されている。すなわち、λ11,λ12,λ13等の
特殊画像用の1組の波長群は、図5に示すように、ヘモ
グロビンの酸素飽和度(SO 2とも記す。)の変化によ
り血液の吸光度の変化する波長、例えばλ12と、その波
長の近傍であって、SO 2の変化による血液の吸光度の
変化の少ない波長、例えばλ11,λ13の組み合わせにな
っている。
【0023】尚、図5では、SO 2の変化による血液の
吸光度の変化を示すために、オキシ(酸化)ヘモグロビ
ンとデオキシ(還元)ヘモグロビンの分光吸光特性を示
している。
【0024】また、500〜600nm付近におけるS
2の変化による血液の吸光度(散乱反射スペクトル)
の変化を、図4に示す。この帯域における特殊画像用の
波長群としては、図4に示すように、例えば、569n
m,577nm,586nmの組が選択される。
【0025】図5に示すように、300〜1000nm
のにおいては、特殊画像用の波長群としては、300〜
400nmにおける前記λ11,λ12,λ13、400nm
付近における前記λ21,λ22,λ23の他にも、400〜
500nmにおけるλ31,λ32,λ33、500〜600
nmにおけるλ41,λ42,λ43、450〜850nmに
おけるλ51,λ52,λ53等も設定可能であり、前記回転
フィルタ50の中央部及び最内周部の領域のフィルタ5
2a,52b,52c及び53a,53b,53cの透
過波長としては、前記λ11,λ12,λ13及びλ21,λ2
2,λ23に限らず、例えば、前述の5つの波長群のうち
の任意の波長群を選択することができる。また、前記モ
ータ23は、モータドライバ25によって回転が制御さ
れて駆動されるようになっている。
【0026】本実施例では、切換え回路43からの制御
信号によって制御されるフィルタ切換装置55が設けら
れている。このフィルタ切換装置55は、ランプ21と
ライトガイド14入射端との間の照明光路の光軸に対す
る前記回転フィルタ50及びモータ23の位置を変化さ
せることによって、前記回転フィルタ50の最外周部と
中央部と最内周部のいずれかの部分を、選択的に、前記
照明光路に介装するようになっている。
【0027】前記回転フィルタ50を透過し、選択され
た波長群内の各波長領域の光に時系列的に分離された光
は、前記ライトガイド14の入射端に入射され、このラ
イトガイド14を介して先端部9に導かれ、この先端部
9から出射されて、観察部位を照明するようになってい
る。
【0028】この照明光による観察部位からの戻り光
は、対物レンズ系15によって、固体撮像素子16上に
結像され、光電変換されるようになっている。この固体
撮像素子16には、前記信号線26を介して、前記ビデ
オプロセッサ6内のドライバ回路31からの駆動パルス
が印加され、この駆動パルスによって読み出し,転送が
行われるようになっている。この固体撮像素子16から
読み出された映像信号は、前記信号線27を介して、前
記ビデオプロセッサ6内または電子内視鏡1内に設けら
れたプリアンプ32に入力されるようになっている。こ
のプリアンプ32で増幅された映像信号は、プロセス回
路33に入力され、γ補正及びホワイトバランス等の信
号処理を施され、A/Dコンバータ34によって、デジ
タル信号に変換されるようになっている。このデジタル
の映像信号は、セレクト回路35によって、例えば赤
(R),緑(G),青(B)の各色に対応する3つのメ
モリ(1)36a,メモリ(2)36b,メモリ(3)
36cに選択的に記憶されるようになっている。前記メ
モリ(1)36a,メモリ(2)36b,メモリ(3)
36cは、同時に読み出され、D/Aコンバータ37に
よって、アナログ信号に変換され、R,G,B色信号と
して出力されると共に、エンコーダ38に入力され、こ
のエンコーダ38からNTSCコンポジット信号として
出力されるようになっている。
【0029】そして、前記R,G,B色信号または、N
TSCコンポジット信号が、カラーモニタ7に入力さ
れ、このカラーモニタ7によって、観察部位がカラー表
示されるようになっている。
【0030】また、前記ビデオプロセッサ6内には、シ
ステム全体のタイミングを作るタイミングジェネレータ
42が設けられ、このタイミングジェネレータ42によ
って、モータドライバ25,ドライバ回路31,セレク
ト回路35等の各回路間の同期が取られている。
【0031】本実施例では、切換え回路43にて、フィ
ルタ切換装置55を制御し、回転フィルタ50の最外周
部を、照明光路中に介装すると、前記ランプ21から出
射された光は、前記回転フィルタ50のR,G,Bを透
過するフィルタ51a,51b,51cを順次透過し
て、R,G,Bの各波長領域の光に時系列的に分割され
る。そして、このR,G,Bの光が、ライトガイド14
を介して、先端部9に伝達され、被写体に照射される。
この可視帯域におけるR,G,Bの面順次照明光による
被写体からの戻り光は、対物レンズ系15によって固体
撮像素子16上に結像され、この固体撮像素子16によ
って被写体像が撮像される。従って、モニタ7には、通
常の可視画像がカラー表示される。
【0032】一方、前記切換え回路43にて、フィルタ
切換装置55を制御し、回転フィルタ50の中央部また
は最内周部を、照明光路中に介装すると、前記ランプ2
1から出射された光は、前記回転フィルタ50の波長群
(λ11,λ12,λ13)または(λ21,λ22,λ23)を透
過するフィルタ52a,52b,52cまたは53a,
53b,53cを順次透過して、前記波長群内の各波長
領域の光に時系列的に分割される。そして、この光が、
ライトガイド14を介して、先端部9に伝達され、被写
体に照射される。この照明光による被写体からの戻り光
は、対物レンズ系15によって固体撮像素子16上に結
像され、この固体撮像素子1によって被写体像が撮像さ
れる。したがって、モニタ7には、波長群(λ11,λ1
2,λ13)または(λ21,λ22,λ23)による画像が疑
似カラー表示される。この画像によって、SO 2やヘモ
グロビン量の変化を観察することができる。
【0033】尚、メモリ36a,36b,36cのうち
の一つまたは二つを選択的に読み出すことにより、前記
波長群のうちの一つまたは二つの波長域による画像を得
ることも可能である。
【0034】また、特殊画像を選択したときには、前記
ビデオプロセッサ6からのR,G,B信号を、図9に示
すような信号処理回路60にて処理することにより、S
2や、ヘモグロビン量を示す画像を得ることが可能で
ある。
【0035】選択された波長群内の各波長をλ 1,λ
2,λ 3として、前記信号処理回路60について説明す
る。尚、前記波長λ 1,λ 3は、SO 2によって吸光度
がまったく変らない波長、波長λ 2は、SO 2によって
吸光度が大きく変化する波長である。
【0036】前記信号処理回路60は、3入力1出力の
3つのセレクタ61a,61b,61cを有し、各セレ
クタの各入力端には、選択された波長群内の各波長に対
応する画像信号が、それぞれ印加されるようになってい
る。また、前記各セレクタは、互いに異なる波長に対応
する画像信号を選択して出力するようになっている。例
えば、セレクタ61aは波長λ 1に対応する画像信号
を、セレクタ61bは波長λ 2に対応する画像信号を、
セレクタ61cは波長λ 3に対応する画像信号を、それ
ぞれ出力するようにになっている。前記各セレクタの出
力は、それぞれ、逆γ補正回路62a,62b,62c
に入力され、前記ビデオプロセッサ6で既にγ補正が行
われていることから、これを元に戻すために逆γ補正が
行われる。前記逆γ補正回路の出力は、それぞれ、レベ
ル調整回路63a,63b,63cに入力される。この
レベル調整回路は、レベル調整制御信号発生回路64か
らのレベル調整制御信号によってレベルが調整され、3
つのレベル調整回路63a,63b,63cによって、
全体のレベル調整が行われる。更に、例えば図5のよう
な酸素飽和度の変化による血液の吸光度の変化を示す図
の縦軸がlog軸であることから、前記レベル調整回路
の出力は、それぞれ、logアンプ65a,65b,6
5cによって、対数変換される。
【0037】3つのlogアンプのうちの2つのlog
アンプ65a,65bの出力は、差動アンプ66aに入
力され、波長λ 1に対応する画像信号と波長λ 2に対応
する画像信号との差が演算されるようになっている。ま
た、同様に、2つlogアンプ65b,65cの出力
は、差動アンプ66bに入力され、波長λ 2に対応する
画像信号と波長λ 3に対応する画像信号との差が演算さ
れるようになっている。このように、2つの波長に対応
する画像信号の差から、被検体に酸素がどれだけ溶け込
んでいるか、すなわち、酸素飽和度を知ることができ
る。また、酸素が多く溶け込んでいるということは、つ
まり、酸素を多く消費しているということであり、これ
によって、血流がどれ位かが分かる。
【0038】前記差動アンプ66a,66bの出力は、
酸素飽和度SO 2を求めるために用いられ、除算器67
に入力され、この除算器67で所定の演算を行うことに
より、前記SO 2が求められる。また、前記差動アンプ
66bの出力は、血流量,ヘモグロビン量を求めるため
に用いられる。前記除算器67の出力及び差動アンプ6
6bの出力は、2入力のセレクタ68に入力され、この
セレクタ68から、SO 2を示す信号と血流量,ヘモグ
ロビン量を示す信号の一方が選択的に出力されるように
なっている。
【0039】前記セレクタ68の出力信号は、計測に使
用する場合には、そのまま取り出され、一方、表示させ
る場合には、γ補正回路69によって、再度γ補正を行
い、モニタに出力される。
【0040】図10に示す信号処理回路70は、図9に
示す信号処理回路60が計算をハード的に行うものであ
るのに対し、ソフト的に(つまり、マイコンで)処理を
行うものである。すなわち、前記信号処理回路70は、
選択された波長群内の各波長に対応する画像データをそ
れぞれ記憶する3つのメモリ71a,71b,71cを
有し、この各メモリに記憶されたデータは、マイクロプ
ロセッサ72に入力され、このマイクロプロセッサ72
によって、SO 2や、血流量,ヘモグロビン量を求める
ための所定の計算が行われる。
【0041】尚、血流量の観察,測定を行う場合には、
図6において、a,b,c,dで示す各波長領域のうち
のaとb、bとc、またはbとdの波長領域の組み合わ
せを使用するようにしても良い。
【0042】このように、本実施例では、照明光路の光
軸に対する回転フィルタ50及びモータ23の位置を変
化させることによって、照明光を時系列的に分離する波
長の組み合わせを、(R,G,B)、(λ11,λ12,λ
13)、(λ21,λ22,λ23)の3つの波長群から選択す
ることができる。従って、観察部位や観察目的等に応じ
て最適な波長領域を選択して、通常画像、及び異なる波
長領域における血液中のヘモグロビンの酸素飽和度や
量,血流量等の変化を示す画像を切換えて観察すること
ができる。
【0043】また、粘膜に対する光の透過特性が、各波
長群によって異なることから、選択する波長群によっ
て、観察または計測される画像に粘膜の厚さ方向の変化
による違いが生じる。従って、例えば、各波長群毎のS
2やヘモグロビン量を示す画像間の差をとって比較す
ることにより、粘膜の極表面のSO 2やヘモグロビン量
の変化から、内部における変化までを観察,計測可能に
なり、粘膜の厚さ方向を含む3次元的なSO 2やヘモグ
ロビン量の変化を観察,計測可能になる。このことは、
病変の早期発見及び浸潤範囲の決定等に役立つという効
果がある。
【0044】尚、回転フィルタ50に設ける波長群の数
は、3つに限らず、複数であれば良い。
【0045】図11ないし図13は本発明の第2実施例
に係り、図11は内視鏡装置の構成を示すブロック図、
図12は通常観察用の回転フィルタを示す説明図、図1
3は特殊画像用の回転フィルタを示す説明図である。
【0046】本実施例では、図11に示すように、第1
実施例における回転フィルタ50の代わりに、通常観察
用の回転フィルタ80,特殊画像用の2つの回転フィル
タ81,82を、照明光路に選択的に挿入可能に設けて
いる。前記回転フィルタ80,81,82は、それぞ
れ、モータ23,83,84によって回転駆動されると
共に、フィルタ切換え装置55によって、モータ23,
83,84と共に、照明光路に挿脱されるようになって
いる。
【0047】尚、モータ83,84については、図示し
ていないが、それぞれ、モータ23と同様に、タイミン
グジェネレータ42によって制御されるモータドライバ
によって駆動されるようになっている。
【0048】前記通常観察用の回転フィルタ80には、
図12に示すように、R,G,Bの各波長領域の光を透
過するフィルタ80a,80b,80cが周方向に沿っ
て配列されている。
【0049】一方、特殊画像用の回転フィルタ81、8
2には、波長λ 1,λ 2,λ 3を中心とする狭帯域の光
を透過するフィルタ81a,81b,81c、82a,
82b,82cが、周方向に沿って配列されている。
尚、前記波長λ 1,λ 2,λ 3の組み合わせとしては、
図5に示すようなλ11,λ12,λ13等の5つの波長群の
うちのいずれかでも良いし、図6に示すようなa,b,
c,dの波長領域による組み合わせでも良い。但し、回
転フィルタ81と回転フィルタ82とでは、各フィルタ
の透過波長域の組み合わせが異なっている。
【0050】本実施例では、フィルタ切換え装置55に
よって、通常観察用の回転フィルタ80,特殊画像用の
2つの回転フィルタ81,82のうちの一つを、選択的
に照明光路に挿入することにより、通常画像、及び異な
る波長領域における血液中のヘモグロビンの酸素飽和度
や量,血流量等の変化を示す画像を切換えて観察するこ
とが可能になる。
【0051】尚、照明光路に選択的に挿入する回転フィ
ルタの数は、3つに限らず、複数であれば良い。
【0052】その他の構成,作用及び効果は、第1実施
例と同様である。
【0053】図14及び図15は本発明の第3実施例に
係り、図14は内視鏡装置の構成を示すブロック図、図
15はカラーフィルタアレイを示す説明図である。
【0054】本実施例は、カラー撮像方式として同時方
式を用いた例を示す。
【0055】図14に示すように、電子内視鏡101
は、挿入部先端部に、対物レンズ系108を有し、この
対物レンズ系108の光路上には、光路を2分割するビ
ームスプリッタ109が設けられている。前記ビームス
プリッタ109で分割された一方の光路の結像位置に
は、前面に、通常観察用のカラーフィルタアレイ102
が設けられた固体撮像素子103が配設され、前記ビー
ムスプリッタ109で分割された他方の光路の結像位置
には、前面に、特殊画像用のカラーフィルタアレイ11
2が設けられた固体撮像素子113が配設されている。
【0056】また、ビデオプロセッサ6に内蔵された光
源部104は、紫外光から赤外光に至る広帯域の光を発
光するランプ105を有し、このランプ105から発光
された光は、レンズ106で集光されてライトガイド1
07の入射端に入射されるようになっている。
【0057】前記通常観察用のカラーフィルタアレイ1
02は、図15に示すように、例えば、緑(G),シア
ン(Cy),黄(Ye)の各波長領域の光を透過するフ
ィルタをモザイク状に配列して構成されている。尚、固
体撮像素子103の前面に、前記カラーフィルタアレイ
102と共に、赤外カットフィルタを設けても良い。一
方、前記特殊画像用のカラーフィルタアレイ112は、
前記カラーフィルタアレイ102と配列は同じである
が、G,Cy,Yeの代わりに、波長λ 1,λ2,λ 3
を中心とする狭帯域の光を透過するフィルタが配置され
ている。尚、前記波長λ 1,λ 2,λ 3の組み合わせと
しては、図5に示すようなλ11,λ12,λ13等の5つの
波長群のうちのいずれかでも良いし、図6に示すような
a,b,c,dの波長領域による組み合わせでも良い。
【0058】前記照明光で照明された被写体は、対物レ
ンズ108により固体撮像素子103及び113の撮像
面に結ばれる。その際、固体撮像素子103側では、カ
ラーフィルタアレイ102によってG,Cy,Yeに色
分離され、固体撮像素子113側では、カラーフィルタ
アレイ112によってλ 1,λ 2,λ 3に分離される。
【0059】前記固体撮像素子103,113は、それ
ぞれ、ドライバ120,121のドライブ信号の印加に
より読出される。前記固体撮像素子103,113の出
力信号は、セレクタ122によって一方が選択されて、
選択された信号は、ビデオプロセッサ6内のローパスフ
ィルタ(LPF)123,124及びバンドパスフィル
タ(BPF)125を通される。尚、前記セレクタ12
2は、図示しない切換え信号発生回路からの切換え信号
によって、選択する信号を切換えるようになっている。
【0060】前記LPF123,124は、例えば3M
Hz,0.8MHzのカットオフ特性を示すもので、こ
れらをそれぞれ通した信号は高域の輝度信号Y Hと低域
の輝度信号Y Lに分けられてそれぞれプロセス回路12
6,127にそれぞれ入力され、γ補正等が行われる。
前記プロセス回路126を通した高域側の輝度信号YH
は、水平補正回路128で水平輪郭補正、水平アパーチ
ャ補正等が行われた後、カラーエンコーダ129に入力
される。また、プロセス回路127を通した低域側の輝
度信号Y Lは、マトリクス回路131に入力されると共
に補正回路133に入力され、トラッキング補正が行わ
れる。
【0061】一方、3.58±0.5MHzの通過帯域
のBPF125を通して色信号成分が抽出され、この色
信号成分は1HDL(1Hディレイライン)134、加
算器135及び減算器136に入力され、色信号成分B
とRとが分離抽出される。尚、この場合1HDL134
の出力は、プロセス回路127で処理し、さらに垂直補
正回路137で垂直アパーチャ補正した低域側の輝度信
号Y Lと混合器138で混合され、この混合出力が前記
加算器135及び減算器136に入力される。そして、
加算器135の色信号Bと減算器136の色信号Rは、
それぞれγ補正回路141,142に入力され、補正回
路133を通した低域側の輝度信号Y Lを用いてγ補正
され、それぞれ復調器143,144に入力され、復調
された色信号BとRにされた後、マトリクス回路131
に入力される。このマトリクス回路131によって、色
差信号R−Y,B−Yが生成され、その後カラーエンコ
ーダ129に入力され、輝度信号Y HとY Lとを混合し
た輝度信号と、色差信号R−Y,B−Yをサブキャリア
で直交変調したクロマ信号とが混合され(さらに図示し
ない同期信号が重畳され)て、NTSC出力端145か
ら複合映像信号が出力される。この出力端145から出
力される映像信号により観察部位がカラーで映像表示さ
れる。
【0062】尚、ドライバ120,121には、同期信
号発生回路152より同期信号が入力され、この同期信
号に同期したドライブ信号を出力する。又、この同期信
号発生回路152はパルス発生器153に入力され、こ
のパルス発生器153は、各種のタイミングパルスを出
力する。
【0063】本実施例では、セレクタ122によって、
通常観察用の固体撮像素子103で撮像した信号と、特
殊画像用の固体撮像素子113で撮像した信号とを切換
えて、信号処理することにより、通常画像、及び血液中
のヘモグロビンの酸素飽和度や量,血流量等の変化を示
す画像を切換えて観察することが可能になる。
【0064】その他の構成,作用及び効果は、第1実施
例と同様である。
【0065】図16及び図17は本発明の第4実施例に
係り、図16は内視鏡装置の構成を示すブロック図、図
17は回転フィルタを示す説明図である。
【0066】本実施例では、図16に示すように、第1
実施例における回転フィルタ50の代わりに、リニア干
渉フィルタ160が設けられている。このリニア干渉フ
ィルタ160は、狭帯域のバンドパス特性の主波長が、
周方向の位置により連続的に変化するフィルタである。
このリニア干渉フィルタ160は、モータ23によって
回転されるようになっている。
【0067】図17に示すように、前記リニア干渉フィ
ルタ160の中心部には、エンコーダ用反射板161が
設けられ、このエンコーダ用反射板161には、スター
ト位置検出用マーク162と、複数の回転位置検出用マ
ーク163とが形成されている。そして、これらマーク
162,163を検出するエンコーダ165によって、
前記リニア干渉フィルタ160の回転位置を検出できる
ようになっている。前記エンコーダ165の検出出力
は、発光信号発生回路166に入力されるようになって
いる。この発光信号発生回路166は、図示しない観察
波長設定手段からの観察波長切換え信号に応じて、前記
リニア干渉フィルタ160のうち、観察に必要な波長を
透過する部分が照明光路に介装されるときに、光源21
に電力を供給する電源22に対して、発光を指示する発
光信号を送るようになっている。そして、前記ランプ2
1は、前記リニア干渉フィルタ160のうち、観察に必
要な波長を透過する部分が照明光路に介装されるとき
に、フラッシュ発光するようになっている。
【0068】このように、本実施例では、リニア干渉フ
ィルタ160のうちの任意の複数の波長域を選択するこ
とにより、通常画像、及び異なる波長領域における血液
中のヘモグロビンの酸素飽和度や量,血流量等の変化を
示す画像を切換えて観察することが可能になる。
【0069】また、本実施例によれば、第1ないし第3
実施例と異なり、観察する波長域の組み合わせを任意に
選択することができるので、より多くの波長域の組み合
わせによる観察が可能になる。
【0070】その他の構成,作用及び効果は、第1実施
例と同様である。
【0071】図18は本発明の第5実施例の内視鏡装置
の構成を示すブロック図である。
【0072】本実施例では、電子内視鏡の挿入部先端部
9の対物レンズ系15の結像位置には、前面に、図15
に示すものと同様の通常観察用のカラーフィルタアレイ
171が設けられた固体撮像素子172が配設されてい
る。この固体撮像素子172には、駆動パルス伝送用の
信号線173と、出力信号伝送用の信号線174とが接
続され、各信号線173,174は、それぞれ、セレク
タ175,176を介して、同時式信号処理回路177
と面順次式信号処理回路178とに接続されている。ま
た、前記同時式信号処理回路177の出力信号と面順次
式信号処理回路178の出力信号とは、セレクタ179
によって、一方が選択されて、後段の信号処理回路に出
力されるようになっている。尚、前記セレクタ175,
176,179は、切換え回路180によって切換えら
れ、全てが同時式側か、面順次式側かに切換えられるよ
うになっている。
【0073】一方、光源部には、第1実施例におけるも
のと同様の回転フィルタ50が設けられている。この回
転フィルタ50及びモータ23は、前記切換え回路18
0によって、照明光路の光軸に対する位置が変更される
ようになっている。尚、本実施例では、前記回転フィル
タ50は、完全に照明光路から退避させることも可能に
なっている。
【0074】本実施例では、通常のカラー観察を行う場
合には、回転フィルタ50を完全に照明光路から退避さ
せ、カラーフィルタアレイ171によって色分離を行う
と共に、同時式信号処理回路177側を選択して、同時
式の信号処理を行うことによって、カラー画像を得る。
【0075】一方、血液中のヘモグロビンの酸素飽和度
や量,血流量等の変化を観察する場合には、前記回転フ
ィルタ50を照明光路に介装して、照明光を時系列的に
色分離すると共に、面順次式信号処理回路178側を選
択して、面順次式の信号処理を行うことによって、カラ
ー画像を得る。
【0076】また、照明光路の光軸に対する前記回転フ
ィルタ50の位置を変更することにより、複数の波長群
のうちから、任意の波長群を選択することができる。
尚、本実施例では、通常観察時にはカラーフィルタアレ
イ171にて色分離を行うので、前記回転フィルタ50
には、R,G,B等の通常観察用のフィルタは設ける必
要がない。
【0077】また、特殊画像用の波長域が、赤外光や紫
外光を含む場合には、例えば、前記カラーフィルタアレ
イ171のCy透過フィルタの透過波長域を紫外帯域ま
で広げ、また、Ye透過フィルタの透過波長領域を赤外
帯域まで広げることにより、観察が可能になる。尚、こ
の場合、通常観察時には、照明光路中に、赤外カットフ
ィルタや紫外カットフィルタを挿入するようにすれば良
い。
【0078】その他の構成,作用及び効果は、第1実施
例と同様である。
【0079】図19ないし図24は本発明の第6実施例
に係り、図19は電子内視鏡装置の構成を説明するブロ
ック図、図20は通常観察用の回転フィルタの外観図、
図21は特殊観察用の回転フィルタの外観図、図22は
通常観察用の回転フィルタの分光透過特性を示す説明
図、図23は特殊観察用の回転フィルタの分光透過特性
を示す説明図、図24は電子内視鏡装置の動作を説明す
るタイミングチャート図である。
【0080】本実施例の電子内視鏡装置201は光源装
置から供給される照明光の一部が体腔内壁220を透過
して、体外より内視鏡202の先端部を確認できるよう
になっているものである。
【0081】図19において、光源装置203内に設け
られた光源部221は光源ランプ222と、R(赤),
G(緑),B(青)の3原色の色透過フィルタ223
R,223G,223Bを有した回転カラーフィルタ2
24とを備えている。この回転カラーフィルタ224は
モータ226によって回転駆動されるようになってい
る。前記光源ランプ222の出射する照明光は平行レン
ズ227によって平行光とされて、前記回転カラーフィ
ルタ224に入射するようになっている。この回転カラ
ーフィルタ224を透過した照明光は赤,緑,青の各波
長の色光にされ、集光レンズ228によって集光され、
ライトガイド229の入射端面に入射するようになって
いる。
【0082】また、光源装置203には回転カラーフィ
ルタ224の他に特殊観察用の特殊光回転カラーフィル
タ331が介挿されるようになっている。この特殊光回
転カラーフィルタ331はモータ332によって回転駆
動される。この特殊光回転カラーフィルタ331と前記
回転カラーフィルタ224はフィルタ移動モータ231
によって選択的に光源ランプ222とライトガイド22
9の入射端面とを結ぶ光路より挿脱されるようになって
いる。
【0083】前記回転カラーフィルタ224には図22
に示すようにR,G,Bの各波長領域の光を透過するフ
ィルタ224R,224G,224Bが図20に示すよ
うに周方向に沿って配列されている。
【0084】一方、特殊観察用の特殊光回転カラーフィ
ルタ331には図23に示すような波長λ11,λ12,λ
13を中心とする狭帯域の光を透過するフィルタ334
a,334b,334cが図21に示すように周方向に
沿って配列されている。
【0085】前記フィルタ移動モータ231には体外観
察スイッチ247と特殊光観察スイッチ336とが接続
されており、体外観察スイッチ247からのオン信号が
入力されると、フィルタ移動モータ231は回転カラー
フィルタ224と特殊光回転フィルタ331とを照明光
路上から退避させるようになっており、特殊観察スイッ
チ336からのオン信号が入力されると特殊光回転フィ
ルタ331のみを照明光路上に挿入し、体外観察スイッ
チ247あるいは特殊観察スイッチ336からのオフ信
号が入力された場合には回転カラーフィルタ224のみ
を照明光路上に挿入するようになっている。
【0086】前記ライトガイド229は内視鏡202内
を挿通されて、このライトガイド229の出射端面の前
方に配設された配光レンズ232によって体腔内壁22
0に照明光を照射できるようになっている。
【0087】光源装置203から供給される照明光が
赤、緑、青の順次光である場合には、前記体腔内壁22
0からの赤,緑,青の各色光に応じた反射光は、先端部
211に設けられた対物レンズ233を透過して、この
対物レンズ233の結像位置に設けられたCCD234
の撮像面に受光されるようになっている。このCCD2
34は被写体像を光電変換して、制御装置204内に設
けられたCCDドライバ236から印加される駆動クロ
ックによって、例えば横方向に順次出力されるようにな
っている。この画像情報を含んだ電気信号は、前記制御
装置204内のプリアンプ237に入力されるようにな
っている。このプリアンプ237によって増幅とインピ
ーダンス変換された電気信号はサンプルホールド回路2
38で面順次な映像信号R,G,Bが抽出され、更に、
γ補正回路239でγ補正された後、A/D変換器24
1でデジタル信号に変換される。この電気信号はマルチ
プレクサ242によって色面順次の照明光に同期して、
順次赤,緑,青の各色に対応した面順次な信号を同時化
するメモリであるRフレームメモリ243RとGフレー
ムメモリ243GとBフレームメモリ243Bとに書込
まれる。この各フレームメモリ243R,243G,2
43Bはモニタ206にマッチングした速度で横方向に
同時に読み出され、それぞれD/A変換器244でアナ
ログ信号に変換されて、同時化されたR,G,Bの3原
色信号となる。
【0088】前記アナログ化された色信号Rは選択手段
としての2入力1出力切換スイッチ248の入力端子2
48aに入力されるように接続されている。また、色信
号Bは選択手段としての2入力1出力切換スイッチ24
9の入力端子249aに入力されるように接続されてい
る。
【0089】更に、色信号Gは分岐されて、切換スイッ
チ248の入力端子248bと切換スイッチ249の入
力端子249bとモニタ206とに入力されるように接
続されている。
【0090】前記モニタ206には2入力1出力切換ス
イッチ248,249の出力端子248c,249cが
接続されている。このモニタ206は切換スイッチ24
8,249によって入力端子248a,249aが選択
されている場合に通常のカラー画像が表示され、入力端
子248b,249bが選択された場合に色信号G単色
による白黒画像を表示する。
【0091】前記制御装置204内には、信号処理回路
全体のタイミニグを制御するコントロール回路246が
設けられている。このコントロール回路246はCCD
ドライバ236が電圧レベルを変換してCCD234に
印加する駆動クロックのタイミングを制御するようにな
っており、且つ、この駆動クロックによって読み出され
た電気信号から映像信号を抽出するサンプルホールド回
路238にサンプリングパルスを入力するようになって
いる。
【0092】また、このコントロール回路246はA/
D変換器241の変換速度とマルチプレクサ242の各
フレームメモリ243R,243G,243Bへのデー
タの書込みおよび読み出しとD/A変換器244の変換
速度を制御するようになっている。
【0093】前記コントロール回路246は、前記フィ
ルタ移動モータ231と共に光源装置203に設けられ
た体外光観察スイッチ247よりオン,オフ信号が入力
されるようになっており、コントロール回路246はオ
ン信号が入力されることによって2入力1出力切換スイ
ッチ248,249の入力端子248b,249b側を
選択して色信号Gをモニタ206に出力するようになっ
ている。また、フィルタ移動モータ231はオン信号を
入力されることによって回転カラーフィルタ224を光
源ランプ222とライトガイド229の入射端面とを結
ぶ光路上より退避させるようになっている。更に、体外
光観察スイッチ247をオフとするとフィルタ移動モー
タ231は回転カラーフィルタ224を光路上に挿入
し、コントロール回路246は回転カラーフィルタ22
4が光路上に介装された後、2入力1出力切換スイッチ
248,249の入力端子248a,249a側を選択
してモニタ206に色信号R,G,Bを入力し、通常の
カラー動画を表示するようになっている。
【0094】以上のように構成された電子内視鏡装置1
の作用を説明する。
【0095】術者は内視鏡202の挿入部207を体腔
内に挿入する。光源装置203の出射する照明光は図2
4(a)のようにR(赤),G(緑),B(青)の各色
光に順次色分離されてライトガイド229に供給されて
いる。
【0096】挿入作業中、先端部211の位置を確認す
る場合、術者は光源装置203に設けられた体外光観察
スイッチ247をオンとする。このオン信号の立ち下が
りによってフィルタ移動モータ231が駆動を開始され
て、回転カラーフィルタ224は図24(c)のように
光路上から退避を始める。この移動期間T1 は照明光が
不確定であり、回転カラーフィルタ224の移動が完了
した時点で照明光は光量が増大した白色光となり、体内
からの透過光による先端部211の位置の確認が容易と
なる。また、体外光観察スイッチ247のオン信号の立
ち下がりでコントロール回路246が2入力1出力切換
スイッチ248,249の入力端子248b,249b
側を選択する。
【0097】前記回転カラーフィルタ224が光路上よ
り退避されると体腔内壁220の白色光による観察像は
対物レンズ233を介して固体撮像素子234の撮像面
に結像され電気信号に変換されるが、固体撮像素子23
4は基本的に白黒のイメージセンサであり通常の観察時
における色信号R,G,Bの面順次信号と異なり本来的
には色情報は含まれない面順次な映像信号が得られる。
以後通常の観察時と同様の処理を受けてアナログ変換さ
れて2入力1出力切換スイッチ248,249に入力さ
れる。この2入力1出力切換スイッチ248,249は
入力端子248b,249bが選択されているためにモ
ニタ206の入力信号は色信号Gのみとなり、いかなる
状況においてもG単色による白黒画像の動画が安定的に
表示され、色ずれは生じない。
【0098】次に術者が体外光透過光による先端位置の
確認が終了した期間T4 の後に、再び、体外光観察スイ
ッチ247を押してオフとする。このオフ信号の立ち下
がりで光路外に退避していた回転カラーフィルタ224
は光路上に移動を始める。移動期間T3 の後に移動が終
わり、照明光が白色光から色分離されたR(赤),G
(緑),B(青)に変るとコントロール回路246は2
入力1出力切換スイッチ248,249の入力端子24
8a,249a側を選択する。R(赤),G(緑),B
(青)の各色光で照明された観察像は固体撮像素子23
4に結像して電気信号に変換されて信号処理され色信号
R,G,Bが生成される。色信号R,G,BはD/A変
換器244,244,244によってアナログ化されて
2入力1出力切換スイッチ248,249を経てモニタ
206に出力される。モニタ206は画面上に通常のカ
ラー動画を表示するようになっている。
【0099】上記実施例は、G単色による白黒表示であ
るがG信号に限定されたものでなく色信号Rあるいは色
信号Bのいずれの信号でも良いことは言うまでもなく、
2入力1出力切換スイッチ248,249の結線を変更
するれば容易に達成できる。また、特殊光観察を行なう
場合は、特殊光観察スイッチ336をオンとする。フィ
ルタ移動モータ231はこのオン信号を受けて、通常観
察用の回転カラーフィルタ224を光路上から退避さ
せ、特殊光観察用の特殊光回転カラーフィルタ331を
光路上に挿入する。照明光はこの特殊光回転フィルタ3
31のフィルタ334a,334b,334cを順次透
過して、波長帯域λ11,λ12,λ13の光に分離される。
分離された波長帯域λ11,λ12,λ13の照明光はライト
ガイド229を経て体腔内壁220に照射される。体腔
内壁220からの戻り光は可視光R,G,Bでは得られ
ない被写体のデータを持っており、この戻り光は可視光
と同様に対物レンズ系233を経てCCD234に結像
する。以後可視光と同様の信号処理が行なわれて例え
ば、波長λ11に基づく画像データはフレームメモリ24
3Rに、波長λ12に基づく画像データはフレームメモリ
243Gに、波長λ13に基づく画像データはフレームメ
モリ243Bに順次書込まれる。そして、各フレームメ
モリ43から同時に画像データが読み出されモニタ20
6に表示される。各フレームメモリ243から出力され
る画像データは波長λ11に赤(R)が、波長λ12に緑
(G)が、波長λ13に青(B)が各々対応しており、モ
ニタ206の表示は疑似カラーの動画となる。
【0100】本実施例では特殊光回転カラーフィルタ3
31と回転カラーフィルタ224とを光路上から退避す
ることができるようにしているために内視鏡202に供
給する照明光の光量を増加させることができる。したが
って、増加した光の一部が体内壁220を透過して体外
に至り、先端部211の位置を体外より確認することが
できる。
【0101】また、体外より先端部211の確認をする
際に回転フィルタ224が移動し、戻り光が増加してモ
ニタ206に表示される画像が色ずれ等によって見難く
なることが考えられるが、本実施例では、回転カラーフ
ィルタ224が移動する期間T1 ,T3 と光路外へ固定
されている期間T2 を合せた期間T4 の間、2入力1出
力切換スイッチ248,249でモニタ206に入力す
る画像信号をG単色としているために回転カラーフィル
タ224が移動時に生じる照明光による色信号の不確
定、及び退避後に白色照明光となった場合、体内での被
写体の動きによる色ずれ等のない見易い画像を提供でき
る。
【0102】その他の効果は第1実施例と同様である。
尚、本発明は、上記各実施例に限定されず、例えば、波
長領域群の組み合わせは、図5や図6に示すものに限ら
ず、任意の組み合わせが可能である。また、本発明は、
被観察体の反射光を受光するものに限らず、被観察体を
透過した光を受光するものであっても良い。また、本発
明は、挿入部の先端部に固体撮像素子を有する電子内視
鏡に限らず、ファイバスコープ等肉眼観察が可能な内視
鏡の接眼部に、あるいは、前記接眼部と交換して、テレ
ビカメラを接続して使用する内視鏡装置にも適用するこ
とができる。
【0103】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
れば変化のわかりやすい血液情報を得ることができ、請
求項2の発明によれば、適切な血液情報を得ることがで
き、さらに請求項3の発明によれば、モニタに表示可能
なR,G,B信号に基づいて血液情報を演算することが
できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図10は本発明の第1実施例に係
り、図1は内視鏡装置の構成を示すブロック図
【図2】回転フィルタを示す説明図
【図3】内視鏡装置の全体を示す側面図
【図4】ヘモグロビンの酸素飽和度の変化による血液の
吸光度の変化を示す説明図
【図5】回転フィルタの特殊画像用の各フィルタの透過
波長域を示す説明図
【図6】回転フィルタの特殊画像用の各フィルタの透過
波長域の他の例を示す説明図
【図7】回転フィルタの通常観察用の各フィルタの分光
透過特性を示す説明図
【図8】回転フィルタの特殊画像用の各フィルタの分光
透過特性を示す説明図
【図9】ヘモグロビンの量や酸素飽和度を求めるための
処理回路を示すブロック図
【図10】ヘモグロビンの量や酸素飽和度を求めるため
の処理回路の他の例を示すブロック図
【図11】図11ないし図13は本発明の第2実施例に
係り、図11は内視鏡装置の構成を示すブロック図
【図12】通常観察用の回転フィルタを示す説明図
【図13】特殊画像用の回転フィルタを示す説明図
【図14】図14及び図15は本発明の第3実施例に係
り、図14は内視鏡装置の構成を示すブロック図
【図15】カラーフィルタアレイを示す説明図
【図16】図16及び図17は本発明の第4実施例に係
り、図16は内視鏡装置の構成を示すブロック図
【図17】回転フィルタを示す説明図
【図18】本発明の第5実施例の内視鏡装置の構成を示
すブロック図
【図19】図19ないし図24は本発明の第6実施例に
係り、図19は電子内視鏡装置の構成を説明するブロッ
ク図
【図20】通常観察用の回転フィルタの外観図
【図21】特殊観察用の回転フィルタの外観図
【図22】通常観察用の回転フィルタの分光透過特性を
示す説明図
【図23】特殊観察用の回転フィルタの分光透過特性を
示す説明図
【図24】電子内視鏡装置の動作を説明するタイミング
チャート図
【符号の説明】
1…電子内視鏡 6…ビデオプロセッサ 7…モニタ 15…対物レンズ系 16…固体撮像素子 21…ランプ 50…回転フィルタ 55…フィルタ切換装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血液に関連した情報を得ることのできる
    複数の波長領域で被写体像を撮像する撮像手段を有する
    生体撮像装置において、 前記撮像手段から前記複数の波長領域に対して得られる
    各波長領域の出力信号を、各々対数変換する対数変換手
    段と、 対数変換された前記各波長領域の出力信号に基づき血液
    情報を演算する血液情報演算手段と、 を具備したことを特徴とする生体撮像装置。
  2. 【請求項2】 血液に関連した情報を得ることの可能な
    複数波長領域で被写体を撮像可能な撮像手段と、前記撮
    像手段の出力信号を処理して表示手段に前記被写体像が
    表示可能な信号を出力する表示信号処理手段と、を有す
    る生体撮像装置において、 前記表示信号処理手段の出力信号を逆γ補正する逆γ補
    正手段と、 前記逆γ補正された出力信号における前記複数波長領域
    に対応した信号レベルに基づき血液情報を演算する血液
    情報演算手段と、 を具備したことを特徴とする生体撮像装置。
  3. 【請求項3】 撮像手段の出力に基づき3原色信号を生
    成して、被写体像を表示可能とする撮像信号処理回路に
    おける3原色信号出力端に接続される血液情報演算処理
    回路であって、 前記3原色信号出力端から出力される前記3原色信号を
    各々逆γ変換する逆γ変換手段と、 逆γ変換された前記3原色信号を各々対数変換する対数
    変換手段と、 対数変換された前記3原色信号に基づき血液情報を演算
    する演算手段と、 を具備したことを特徴とする血液情報演算処理回路。
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