JPH06314375A - カップ式自動販売機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミキシングボールを必要としないカップ式自
動販売機を提供することを目的とする。 【構成】 インスタント販売の場合には、レギュラー販
売の場合と同様に、湯と原料の粉と砂糖やクリームとが
抽出濾過装置Ｃの上部から上部開口４を介して抽出室１
に投入される。抽出室１に投入された湯で原料の粉と砂
糖やクリームとが攪拌翼27で攪拌されて溶かされペーパ
フィルタ７で抽出濾過されカップステーション17のカッ
プ18に払い出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レギュラー販売とイン
スタント販売とを実施するカップ式自動販売機に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、レギュラー販売とインスタント販
売とを実施するカップ式自動販売機は図３に示すように
構成されている。

【０００３】Ａはレギュラー販売で使用される抽出濾過
装置であり、実開昭64-31480号公報などに開示されてい
るように、図４〜図７に示すように構成されている。抽
出濾過装置Ａは下面が開放された抽出室１と、抽出室１
の下面開口２を閉塞する位置と図７に示すように開放す
る位置とに昇降駆動されるフィルター受け３と、抽出室
１の上部開口４を開閉する弁体５と前記フィルター受け
３を駆動する開閉装置６などで構成されている。

【０００４】従来の抽出濾過方法は次のような工程で構
成されている。最初は、図４に示すようにフィルター受
け３でペーパーフィルタ７を抽出室１の下面開口２に押
し付けて閉塞するとともに、圧縮ばね８の付勢に抗して
弁体５を押し下げて抽出室１の上部開口４を開放する。
この状態で矢印Ｂで示すように、上部開口４から原料と
熱湯を抽出室１に投入し、この状態で図５に示すように
供給口９からエアー10を吹き込んで原料と熱湯の混合液
11を攪拌し、次に図６に示すように弁体５の前記押し下
げを解除して弁体５で上部開口４を閉塞して抽出室１を
密閉し、さらに供給口９からエアー10をさらに吹き込ん
で抽出室１の内圧を上げて、抽出室１とフィルター受け
３とで挟持されているペーパーフィルタ７で混合液11を
強制濾過する。抽出エキスの溶け込んだ熱湯は、ペーパ
ーフィルタ７を通過して管路12を介してカップ取出口16
に臨む位置のカップステーション17に払い出されたカッ
プ18へ払い出され、原料滓13はペーパーフィルタ７の上
に残る。次に図７に示すようにフィルター受け３が降下
して、原料滓13の付着したペーパーフィルタ７が次の販
売に使用されるものに入れ替えられる。

【０００５】弁体５は開閉装置６の出力軸14に取り付け
られたバルブ開閉カム15によって駆動され、フィルター
受け３は開閉装置６によって駆動されており、出力軸14
が一回転する間に弁体５とフィルター受け３が図４〜図
７に示すように移動する。

【０００６】この抽出濾過装置Ａを使用するレギュラー
販売は次のような工程で構成されている。給湯管19から
の熱湯とミル20によりコーヒ豆を粉砕して得られた原料
の粉とは抽出濾過装置Ａに投入され、上記の抽出濾過工
程により濾過され抽出エキスの溶け込んだ抽出液21が抽
出濾過装置Ａから抽出される。ミキシングボール22では
抽出濾過装置Ａから得られた抽出液21に必要に応じて砂
糖やクリームなどを混合して溶かし、カップ18に払い出
す。

【０００７】インスタント販売は次のような工程で構成
されている。給湯管23からの熱湯とインスタント用の原
料の粉と必要に応じて砂糖やクリームなどがミキシング
ボール22に投入され、このミキシングボール22でレギュ
ラー販売の場合と同様に、熱湯に原料の粉と砂糖やクリ
ームなどを混合して溶かし、カップステーション17のカ
ップ18に払い出す。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の構成では、ミキシングボール22をカップステーション
17の上方に配置し、レギュラー販売の場合の抽出液21と
砂糖やクリームなどとの混合やインスタント販売の場合
の熱湯とインスタント用の原料の粉と砂糖やクリームな
どとの混合をミキシングボール22で行っている。そのた
め、ミキシングボール22の設置スペースが必要となる。

【０００９】また、レギュラー販売の場合には、抽出濾
過装置Ａから抽出液21を得るための抽出濾過工程とは別
にミキシングボール22での抽出液21と砂糖やクリームな
どとの混合の工程が必要になり、レギュラー販売の場合
とインスタント販売の場合のそれぞれに要する時間の差
が大きくなるという問題点がある。

【００１０】本発明は、レギュラー販売の場合の抽出液
21と砂糖やクリームなどとの混合やインスタント販売の
場合の熱湯とインスタント用の原料の粉と砂糖やクリー
ムなどとの混合のためのミキシングボール22を必要とし
ないカップ式自動販売機を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明のカップ式自動販
売機は、湯と原料の混合液をフィルタで抽出濾過して払
い出すレギュラー販売と、湯で原料を溶いて払い出すイ
ンスタント販売とを実施する自動販売機において、イン
スタント販売の調理で使用する湯と原料の払い出し位置
を、レギュラー販売で抽出濾過に使用する抽出濾過装置
の上部に配置し、抽出濾過装置の抽出室に投入された湯
と原料をフィルタで抽出濾過して払い出すよう構成した
ことを特徴とする。

【００１２】

【作用】この構成によると、インスタント販売の場合に
は、レギュラー販売の場合と同様に、湯と原料は抽出濾
過装置の上部から抽出室に払い出される。抽出室に投入
された湯と原料はフィルタで抽出濾過され払い出され
る。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１と図２に基づい
て説明する。なお、従来例を示す図３〜図７と同様の作
用をなすものには、同一の符号を付けて説明する。

【００１４】本実施例のカップ式自動販売機は図１に示
すように構成されている。コーヒ豆を粉砕してレギュラ
ー販売用の原料粉を供給するミル20と、インスタント販
売用の原料粉を供給する原料槽24と、補助原料としての
砂糖やクリームを供給する補助原料槽25と、熱湯を供給
する給湯管26と、レギュラー販売用あるいはインスタン
ト販売用の原料粉と湯と必要に応じて供給される砂糖や
クリームとの混合液を抽出濾過して払い出す抽出濾過装
置Ｃなどで構成されている。

【００１５】この実施例で使用される抽出濾過装置Ｃは
以下のように構成されている。弁体５に攪拌翼27が取り
付けられており、モータ28によって回転駆動される。弁
体５は圧縮ばね８によって上部開口４に当接する方向に
付勢されており、バルブ開閉カム15によってレバー29を
介して昇降自在に支持されている。抽出室１の上部には
抽出室１の内部を加圧するためのエアー10を供給する供
給口９が設けられている。その他の構成は従来例と同様
である。

【００１６】このように構成されたカップ式自動販売機
において、原料粉や湯などを抽出濾過装置Ｃの抽出室１
に投入する際には、バルブ開閉カム15がレバー29を矢印
Ｄの方向に回動させ圧縮ばね８の付勢に抗して弁体５を
下降させて抽出室１の上部開口４を開放する。この状態
で、レギュラー販売時にはミル20から供給される原料粉
と湯と補助原料槽25から必要に応じて供給される砂糖や
クリームを、インスタント販売時には原料槽24から供給
される原料粉と湯と必要に応じて砂糖やクリームを、そ
れぞれ抽出濾過装置Ｃの上部から抽出室１に投入すると
ともに、モータ28で駆動軸30を回転させる。

【００１７】これによって、攪拌翼27が原料粉や湯や補
助原料の混合液11の中で回転して混合液11を水平回転さ
せて、レギュラー販売時には湯への原料粉からのエキス
抽出を促進させており、インスタント販売時には湯への
原料粉の溶解を促進させている。レギュラー販売時の原
料粉からのエキスの抽出あるいはインスタント販売時の
原料粉の溶解が完了するとモータ28を止めて攪拌翼27の
回転を終了するとともに、レバー29を矢印Ｅの方向に回
動させて上部開口４を弁体５で閉塞する。

【００１８】モータ28の運転を停止させた状態でも、レ
ギュラー販売時の原料粉のエキスが溶け込んだ液あるい
はインスタント販売時の原料粉の溶解液は惰性回転して
おり、供給口９からエアー10を吹き込んで抽出室１の内
圧を上げて、エキスが溶け込んだ液あるいは原料粉の溶
解液をペーパーフィルタ７で強制濾過する。濾過された
抽出液はフィルター受け３に取り付けられた管路12を通
じてカップテーション17に払い出されてセットされたカ
ップ18に払い出される。

【００１９】この構成により、レギュラー販売時には原
料粉と湯と砂糖やクリームの補助原料を同時に抽出室１
に投入でき、抽出室１に投入された原料粉と湯と砂糖や
クリームを抽出室１で攪拌翼27により同時に攪拌して混
合できる。また、インスタント販売時には原料粉と湯と
砂糖やクリームは抽出室１に投入し、抽出室１に投入さ
れた原料粉と湯と砂糖やクリームを抽出室１で攪拌翼27
により攪拌して原料粉と砂糖やクリームを湯に溶かし込
むことができる。そのため、従来のようなミキシングボ
ールを使用することなく充分な攪拌ができる。そのう
え、レギュラー販売時の販売に要する時間も短縮でき
る。

【００２０】上記実施例では、抽出濾過装置Ｃの抽出室
１に設けた攪拌翼27を使用して、抽出室１で原料粉と湯
と砂糖やクリームなどの補助原料を攪拌するよう構成し
たが、図２に示すように、供給口９を抽出室１の下方に
設け、この供給口９から混合液11にエアー10を吹き込ん
で混合液11を攪拌するよう構成することもでき、この場
合には攪拌翼27が省略できる。

【００２１】上記の各実施例において、抽出室１で得ら
れたレギュラー販売時の原料粉のエキスが溶け込んだ
液、あるいは、インスタント販売時の原料粉の溶解液を
ペーパーフィルタ７で抽出濾過するに際し、これらの一
回目の抽出濾過の後、抽出室１に少量の湯のみを再投入
して、抽出室１の内壁に付着したりペーパーフィルタ７
に染み込んだりして残った砂糖やクリームを再度抽出濾
過することにより、これらの残留した砂糖やクリームが
残らず抽出でき、次の販売時に、前回に使用した砂糖や
クリームが混ざらないようにできる。

【００２２】上記の各実施例では、インスタント販売時
において、抽出室１に原料粉と湯と砂糖やクリームなど
の補助原料を投入して調理する場合を説明したが、利用
客が補助原料の不要を選択した場合には、抽出室１に補
助原料を投入せずに調理される。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明の構成によれば、イ
ンスタント販売で使用する湯と原料の払い出し位置を、
レギュラー販売と同様に抽出濾過装置の上部に配置した
ので、インスタント販売の場合でも、レギュラー販売の
場合と同様に、湯と原料は抽出濾過装置の上部から抽出
室に投入して、抽出室で湯と原料を調理することがで
き、従来では必要であったミキシングボールを省くこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のカップ式自動販売機の構成
図

【図２】別の実施例のカップ式自動販売機の構成図

【図３】従来のカップ式自動販売機の構成図

【図４】従来の抽出濾過装置の湯と原料の投入時の説明
図

【図５】従来の抽出濾過装置のエアーによる攪拌時の説
明図

【図６】従来の抽出濾過装置のフィルタによる抽出濾過
時の説明図

【図７】従来の抽出濾過装置の抽出濾過の終了時の説明
図

【符号の説明】

１ 抽出室 ７ ペーパーフィルタ（フィルタ） Ｃ 抽出濾過装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 湯と原料の混合液をフィルタで抽出濾過
   して払い出すレギュラー販売と、湯で原料を溶いて払い
   出すインスタント販売とを実施する自動販売機におい
   て、インスタント販売の調理で使用する湯と原料の払い
   出し位置を、レギュラー販売で抽出濾過に使用する抽出
   濾過装置の上部に配置し、抽出濾過装置の抽出室に投入
   された湯と原料をフィルタで抽出濾過して払い出すよう
   構成したカップ式自動販売機。
2. 【請求項２】 湯と原料の混合液を抽出濾過装置のフィ
   ルタで抽出濾過して払い出すレギュラー販売と、湯で原
   料を溶いて払い出すインスタント販売とを実施する自動
   販売機において、抽出濾過装置の抽出室に投入された湯
   と原料と補助原料をフィルタで抽出濾過するに際し、抽
   出室に投入された湯と原料と補助原料を抽出濾過した
   後、抽出室に湯を再投入して残った補助原料を抽出濾過
   するカップ式自動販売機の調理方法。